Z02Z32 ベクトラ セダンの性能と維持費 FF/5AT 440万円 2005年式

このページでは、オペルの5ドア・5人乗りセダン、3代目のTA-Z02Z32型ベクトラ セダン GTS3.2【2005/02モデル・211PS/30.6kgm・FF/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

Z02Z32 ベクトラ セダン
販売期間:2002/07 - 2006/11

画像はオペルより引用
http://www.opel.com/
投稿:2012/01/20|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長4610mm×全幅1800mm×全高1465mm、排気量は3174ccであることから、大雑把に分類すると3.2リットルクラス(3200cc、自動車税は3.5L以下を適用)に属し、全長、全高は5ナンバー枠ながら全幅が1.7mを超え、排気量も2000ccを超えていることにより3ナンバー登録になります。比較的コンパクトなボディに大きめなエンジンの組み合わせは世界戦略車(グローバルカー)やちょっとした高級車に良くあるパターンです。
参考:200PS~250PSの自動車 一覧

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、前輪のみを駆動する、フロントエンジン・フロントドライブ方式(FF・FWD・前輪駆動とも)を採用しています。この方式はエンジンと駆動系(ミッション、デフ等)の収納がエンジンルーム内で完結するので、軽量コンパクトかつ低コスト化が実現でき、室内を広く作りやすい(エンジンが横置きの場合)ほか、後輪駆動車に比べて直進安定性に優れることが主な特長です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4610mmであるこの車の場合は「ミディアム」(Medium:4300mm超-4650mm以下・Dセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


Z02Z32型 ベクトラ セダン [3174cc/211PS FF/5AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

3代目ベクトラ セダンの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2006/03
Z02Z22型
[GTS2.2-Sport]
2.2L-NA・FF/5AT・345.0万円
147PS・20.7kgm・11.0km/L
147PS
20.7kgm
11.0km/L
2005/02
Z02Z32L型
[3.2]
3.2L-NA・FF/5AT・415.0万円
211PS・30.6kgm・9.2km/L
211PS
30.6kgm
9.2km/L
ベクトラ セダンの旧型モデル
2代目 XH250W型ベクトラ セダン
XH250W型ベクトラ セダンは1996/04に登場した2代目モデル。参考車両の「CDX」は全長4490mm、全幅1710mm、全高1495mmの車体に、170PS/23.4kgmを発生するX25型2497ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー オペル
車名&
グレード
ベクトラ セダン
GTS3.2
その他 ベクトラC
お値段 4400000円
車両型式 TA-Z02Z32
駆動方式
変速機
FF・前輪駆動(FWD,2WD)
5速AT・5速オートマ車
ドア/定員 5ドア/5名乗車
車体寸法 長4610×幅1800×高1465mm
室内寸法 長1790×幅1380×高1185mm
軸距&
輪距
2700mm
前1520mm/後1515mm
最小半径 5.5m
タイヤ 前輪:225/45R18
後輪:225/45R18
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 1510kg
エンジン諸元
原動機型式 Z32
気筒配列 V型6気筒
排気量3174cc
圧縮比10.0
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 211PS[155kW]/6200rpm
最大トルク 30.6kgm[300Nm]/4000rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
10・15燃費 10.4km/L(24.5mpg)
100km燃費 9.6L/100km
Z32型エンジンの諸元と性能まとめ
V型6気筒とは‥シリンダをV字型に交互で6個配置する方式。中排気量のスタンダード。
V型6気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税66700円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税25200円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額7000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2005/02モデルのベクトラ セダンを19年落ちの中古で96.8万円にて購入し、頭金なしで2年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    ベクトラ セダンの2005/02モデルの場合、2024年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の20%である88万円に諸経費として8.8万円を足した96.8万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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2005年式を19年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 3500cc以下 13年経過 66700円
自動車重量税(1年分) 2.0トン以下 18年経過 25200円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷8.8km/L×190円/L 215910円
オイル交換(5000km毎) 1回6000円×2回 12000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本18000円×4本÷5年 14400円
任意保険料(月額7000円) 月額7000円×12ヶ月 84000円
ローン完済後の年間維持費 427100円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額40330円×12ヶ月 483960円
ローン返済中の年間維持費 911000円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 71100円
名目 金額
自動車税(1年分) 66700円
自動車重量税(1年分) 25200円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
215910円
(151140円)
(107960円)
(64770円)
オイル交換(5000km毎) 12000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 14400円
任意保険料(月額7000円) 84000円
ローン完済後の年間維持費 427100円
名目 金額
車のローン額(1年分) 483960円
ローン返済中の年間維持費 911000円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
71100円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「3500cc以下で13年経過」クラスの自動車税は66700円、「2.0トン以下で18年経過」クラスの自動車重量税は25200円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに6000円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本18000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額7000円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした71100円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

このあたりのクラスから理想と現実の違い、つまり「乗りたい車」と「乗ることができる車」は違うことを思い知らされます。うっかり手を出せば「いっ…維持費が高すぎて息ができん!フーッ!フーッ!」と目を白黒させることになりかねません。

さて、ベクトラ セダン【GTS3.2】の場合、維持費の月額は35600円になります。金銭的にシビアな人からは「車なんてどれもタイヤが4つあるだけなのに、なんでこんなにお金の掛かる車に乗ってるんだ…修行か…」と奇異の目で見られていることでしょう。でも良いんです。愛さえあれば。

ベクトラ セダンの維持費は高い?安い?

「ベクトラ セダンの年間維持費は427100円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「3500ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてベクトラ セダンの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いCX-60271400円-155700円
ディグニティ310600円-116500円
Eクラス セダン351800円-75300円
IS387200円-39900円
基準3500ccクラス平均425800円-1300円
ベクトラ セダンの維持費427100円
911 クーペ502500円+75400円
カマロ クーペ553300円+126200円
高い5シリーズ セダン736000円+308900円

ベクトラ セダンの年間維持費を、3500ccクラスで最も維持費が安いCX-60と比較して155700円高く、最も高い5シリーズ セダンと比較して308900円安く、3500ccクラスの平均維持費との比較では1300円高くなっています。

最低額のCX-60と最高額の5シリーズ セダンは極端な例としても、3500ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、ベクトラ セダンの維持費は ちょっと高い! と言えそうです。

年間維持費が安い 3500ccクラスの車 ランキング

ベクトラ セダンを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%560万円47万円37万円
15%370万円31万円24万円
20%280万円24万円19万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は560万円(総支給額47万円/月、手取り37万円/月)、ここから月額維持費3.6万円を支払うと残りは33.4万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は370万円(総支給額31万円/月、手取り24万円/月)、3.6万円を支払うと残りは20.4万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が280万円(総支給額24万円/月、手取り19万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。3.6万円を引くと残りは15.4万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代22万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり190円を基準として、-50円となる140円から、+50円となる240円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費8.8km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
140円/L
159100円
[-56810円]
-25円
165円/L
187510円
[-28400円]
-10円
180円/L
204560円
[-11350円]
190円/L215910円
[0円]
+10円
200円/L
227290円
[+11380円]
+25円
215円/L
244330円
[+28420円]
+50円
240円/L
272740円
[+56830円]

燃費8.8km/LのZ02Z32型 ベクトラ セダンで10000km走行するのに必要な燃料は1136.4L、1リットルあたり190円としたときの燃料代は215910円になります。

参考までに、ベクトラ セダンの燃料タンクは61リットルですので、1136.4Lの給油回数は19回、1回あたりの燃料代は約11370円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては11380円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると28420円、50円も違ってくると56830円にもなります。

これをZ02Z32型 ベクトラ セダンの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり190円の場合を427100円としたとき、140円/Lに値下がりすれば370290円(86.7%)に、240円/Lに値上がりすれば483930円(113.3%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(66700円)なり重量税(25200円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 66700円 27%
自動車重量税 1年分 25200円 10%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 3000km分 64770円 26%
オイル交換 年1回 6000円 2%
タイヤ交換 6年毎 9600円 4%
任意保険料 80% 67200円 27%
合計
[1万kmとの差額]
248300円
-178800円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 66700円 23%
自動車重量税 1年分 25200円 9%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 5000km分 107960円 37%
オイル交換 年1回 6000円 2%
タイヤ交換 6年毎 9600円 3%
任意保険料 85% 71400円 23%
合計
[1万kmとの差額]
295700円
-131400円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 66700円 19%
自動車重量税 1年分 25200円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 7000km分 151140円 44%
オイル交換 年1回 8400円 2%
タイヤ交換 6年毎 9600円 3%
任意保険料 90% 75600円 22%
合計
[1万kmとの差額]
345500円
-81600円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料84000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて178800円安い248300円に、5000km走行では131400円安い295700円に、7000km走行では81600円安い345500円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 66700円 12%
自動車重量税 1年分 25200円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 15000km分 323870円 57%
オイル交換 年3回 36000円 6%
タイヤ交換 2.7年毎 21600円 4%
任意保険料 100% 84000円 15%
合計
[1万kmとの差額]
566200円
+139100円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 66700円 10%
自動車重量税 1年分 25200円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 431820円 62%
オイル交換 年4回 48000円 7%
タイヤ交換 2年毎 28800円 4%
任意保険料 100% 84000円 12%
合計
[1万kmとの差額]
693400円
+266300円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
輸入車・外車の小型車&普通車編
3500cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
4ドア・セダン編

ベクトラ セダンの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 10.4km/L
燃料タンク容量 61L
航続距離(カタログ燃費) 634.4km
航続距離(80%燃費) 506.3km
満タンプライス 11590円
1km走行コスト 18.27円
1万円でどこまで行ける? 547.4km

10・15モード燃費が10.4km/L、燃料タンク容量61リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は634.4kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(9.4km/L)とすると航続距離は573.4km、80%(8.3km/L)だと506.3km、70%(7.3km/L)では445.3kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から61リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり190円では11590円、上で計算した航続距離を踏まえると634.4km(80%燃費時506.3km)を走行するのに11590円かかる計算です。

燃費を8.8km/Lとしたときの1km走行コストは18.27円、10万km走行したときの燃料代は182.7万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら18.3万円/年、7年10万kmなら26.1万円/年、5年10万kmなら36.5万円/年、3年10万kmなら60.9万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば547.4km(往復なら片道273.7km)、カタログ値の80%なら437.9km(片道218.9km)離れたところまで行くことができます。

カタログデータから見えてくる要素

Z32型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
4000回転時の馬力 171PS
6200回転時の馬力 211PS
各回転域でのトルク
4000回転時のトルク 30.6kgm
6200回転時のトルク 24.4kgm
Z32型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているZ32型3174cc、V型6気筒の自然吸気エンジンは6200回転時に最高出力211馬力を、4000回転時に最大トルク30.6kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、最大トルクの発生回転数が若干高めにあるこのエンジンは、普段使いでも不足を感じることなく、それでいて高い回転数を維持すればスポーティな走行も楽しめるバランスの良さが魅力です。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する4000rpmから最高出力が発生する6200rpmまで」の2200rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は35.5%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
3500cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
3500cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ7.156kg/PS(1510kg/211PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ7.156kg/PS
車体+1人7.417kg/PS
車体+5人8.460kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg7.441kg/PS
車体+70kg7.488kg/PS
車体+80kg7.536kg/PS
車体+90kg7.583kg/PS
車体+100kg7.630kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは7.417kg/PS(1565kg/211PS)となり、数値としては0.261kg、比率にすると3.6%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは8.460kg/PS(1785kg/211PS)となり、数値としては1.304kg、比率にすると18.2%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

Z02Z32 ベクトラ セダンのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2005/02

-
ベクトラ セダン
7.417kg/PS
1565kg/211PS|3.2L-NA
[車体のみPWR:7.156]
2017/09

車種詳細
スイフト スポーツ
7.321kg/PS
1025kg/140PS|1.4L-TB
車体のみPWR:6.929
2010/12

車種詳細
FJクルーザー
7.228kg/PS
1995kg/276PS|4.0L-NA
車体のみPWR:7.029
2012/08

車種詳細
ラングラー アンリミテッド
7.377kg/PS
2095kg/284PS|3.7L-NA
車体のみPWR:7.183
2017/09

車種詳細
シビック
7.555kg/PS
1375kg/182PS|1.5L-TB
車体のみPWR:7.253
2015/08

車種詳細
LX
7.361kg/PS
2775kg/377PS|5.7L-NA
車体のみPWR:7.215

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ7.417kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

7.194kg/PSから7.640kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、スズキの5人乗りハッチバック「ZC33S型 スイフト スポーツ」、トヨタの5人乗りSUV「GSJ15W型 FJクルーザー」、JEEPの5人乗りSUV「JK36L型 ラングラー アンリミテッド」、ホンダの5人乗りハッチバック「FK7型 シビック」、レクサスの8人乗りSUV「URJ201W型 LX」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

Z02Z32型 ベクトラ セダン [GTS3.2]のライバル車種|7.417kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は139.7PS/tとなっています。


ベクトラ セダンがバイクと競争するなら…?


車種詳細
Ninja 250|248cc
7.387kg/PS
229kg/31.0PS/2.10kgm
[車体のみPWR:5.613]
1速ギヤ速度:50.3km/h
最小TWR:1.006
2005/02

-
ベクトラ セダン|3174cc
7.417kg/PS
1565kg/211PS/30.6kgm
[車体のみPWR:7.156]
1速ギヤ速度:68.6km/h
最小TWR:1.448

車種詳細
ディグリー|249cc
7.440kg/PS
186kg/25.0PS/2.50kgm
[車体のみPWR:5.240]
1速ギヤ速度:39.7km/h
最小TWR:0.689

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではベクトラ セダンとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

EX250L Ninja 250と競争してみる

まずベクトラ セダンより少しPWRが低いバイクとして、カワサキのNinja 250が挙げられます。PWRの7.387kg/PSは車両重量174kgにライダーの体重55kgを加えた229kgを、最高出力31.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はNinja 250に18.3km/h勝り、1速TWRは0.442kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

MD31 ディグリーと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ホンダのディグリーが挙げられます。PWRの7.440kg/PSは車両重量131kg+55kgの186kgを、最高出力25.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は28.9km/h勝り、1速TWRは0.759kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.779
平均ピストンスピード 18.19m/s
トルクウェイトレシオ 49.35kg/kgm
1馬力あたりのお値段 20853円
排気量1Lあたり馬力 66.48PS/L
排気量1Lあたりトルク 9.64kgm/L
1気筒あたりの馬力 35.2PS
1気筒あたりのトルク 5.1kgm
パワーバンド比率 35.5%
燃費×馬力 1865.2pt
各種ランキング
セダンのPWR
3.0~3.5L以下のPWR

トルクウェイトレシオは49.35kg/kgm(1510kg/30.6kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が4400000円、最高出力が211馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は20853円、逆に1万円あたりでは0.48馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は143791円、1万円あたりでは0.07kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
3500cc以下の車編
セダン編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は66.48PS/L、トルクは9.64kgm/L、1気筒あたりの馬力は35.2馬力、トルクは5.1kgmとなり、このエンジンが211馬力を6200回転で発生させているときの平均ピストンスピードは18.19m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が88.0mmであるZ32型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6820回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.779になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、走ってよし、曲がってよしで至れり尽くせりのオールラウンダーであると言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が8.84km/L、最高出力が211PSであるこの車の獲得ポイントは1865.2ptになります。
戯れに車両重量1510kgを100kg単位にした15.1で割ってみたところ、その数値は123.53ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


人間様の占有スペース

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

人間様の占有スペース
室内長×室内幅×室内高 2.927m³
1人あたりのスペース 0.585m³
室内長/全長 38.8%
室内幅/全幅 76.7%
室内高/全高 80.9%
室内容積/車両体積 24.1%

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は2.927m³です。この車の乗車定員は5人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.585m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は38.8%、同じく室内幅と全幅の比率は76.7%、同じく室内高と全高の比率は80.9%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は24.1%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


ベクトラ セダンでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.613m
期待される荷室の幅 1.280m
対角線の長さ 2.059m
期待される荷室の面積 2.065m²

縦方向の長さが1.613m(対角線では2.059m)ともなると、もはや車の中で生活しても良いんじゃないかと錯覚しかねないほど快適な睡眠が約束されます。

日頃の行いが悪いとか、人様には言えないことをやらかしたとか、誰の顔も見たくないなどの訳アリで家に帰れず、やむなく車中泊をしてみたが最期、あまりの気楽さに心を奪われ流浪の民となりかねません。

セダンやクーペであっても後部座席の背もたれを取り外してトランクルームと貫通させて荷室長を確保すれば良いだけの話です。たまに背もたれを取り外してもトランクルームと繋がっていなかったり、頑強な補強バーが入っていて邪魔されることもありますが、恐らく稀なケースです。

車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合6200rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6700回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6700rpm|タイヤサイズ 225/45R18|タイヤ直径 66.0cm|円周長 207.3cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6700rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 4.685 11.24 -
-
74km/h 9040rpm 1042.6kgm
2速 2.942 7.06 0.628 1-2/
4210rpm
118km/h 5680rpm 654.7kgm
3速 1.923 4.62 0.654 2-3/
4380rpm
181km/h 3710rpm 428.0kgm
4速 1.301 3.12 0.677 3-4/
4540rpm
267km/h 2510rpm 289.5kgm
5速 1.000 2.40 0.769 4-5/
5150rpm
347km/h 1930rpm 222.5kgm
Final 2.400 レシオカバレッジ(変速比幅)4.685

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数4000rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(2.400)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(30.6kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(2.400)÷タイヤの有効半径(0.33m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は5速ギヤの347km(6200rpmでは321.3km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが4000回転で最大トルク30.6kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば49.35kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(7.156kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと1042.6kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1510kg)を1速ギヤの最大駆動力(1042.6kgm)で割ってみると1.448kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する6200回転でのトルク(24.4kgm)からTWRを算出すると1.816kg/kgmとなり、4000-6200回転の回転域では1.448-1.816kg/kgmの間で推移することがわかります。


おまけ:6200rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

Z02Z32型ベクトラ セダンに搭載されたZ32型3174ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する6200rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

6200rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ69km/h-
2速ギヤ109km/h3890rpm
3速ギヤ167km/h4050rpm
4速ギヤ247km/h4200rpm
5速ギヤ321km/h4770rpm

まず1速ギヤで6200rpmまで引っ張ると69km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は6200rpmから3890rpmまで落ち、そこから6200rpmまで加速を続けると速度は109km/h(+40km/h)になります。

3速ギヤでは4050rpmまで落ちて6200rpmで167km/h(+58km/h)に、4速ギヤでは4200rpmまで落ちて6200rpmで247km/h(+80km/h)に、5速ギヤでは4770rpmまで落ちて6200rpmで321km/h(+74km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 3620 5420 7230 9040 10850 12660 16270
2速 2270 3410 4540 5680 6810 7950 10220
3速 1480 2230 2970 3710 4450 5190 6680
4速 1000 1510 2010 2510 3010 3510 4520
5速 770 1160 1540 1930 2320 2700 3470
※赤い数字は暫定レブリミット(6700rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(1.000)を選択して時速100kmにて走行すると1930回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1160回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1350回転、一般的な高速道路の80km/hでは1540回転、100km/hでは1930回転、制限速度が120km/hになると2320回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは3470回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 11 22 33 44 55 66 77 88
2速 18 35 53 70 88 106 123 141
3速 27 54 81 108 135 162 189 216
4速 40 80 120 159 199 239 279 319
5速 52 104 155 207 259 311 363 415

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6700回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの225/45R18と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 225/45R18 | 直径 660mm

-20mm
幅205mm
-10mm
幅215mm
変更なし
幅225mm
+10mm
幅235mm
+20mm
幅245mm
-5%
40
扁平
205/40R18
37.6km/h
直径621mm
径差-39mm
215/40R18
38.1km/h
直径629mm
径差-31mm
225/40R18
38.6km/h
直径637mm
径差-23mm
235/40R18
39.1km/h
直径645mm
径差-15mm
245/40R18
39.6km/h
直径653mm
径差-7mm
0%
45
扁平
205/45R18
38.9km/h
直径642mm
径差-18mm
215/45R18
39.5km/h
直径651mm
径差-9mm
225/45R18
40.0km/h
660mm
0mm
235/45R18
40.5km/h
直径669mm
径差+9mm
245/45R18
41.1km/h
直径678mm
径差+18mm
+5%
50
扁平
205/50R18
40.1km/h
直径662mm
径差+2mm
215/50R18
40.7km/h
直径672mm
径差+12mm
225/50R18
41.3km/h
直径682mm
径差+22mm
235/50R18
41.9km/h
直径692mm
径差+32mm
245/50R18
42.5km/h
直径702mm
径差+42mm
+10%
55
扁平
205/55R18
41.4km/h
直径683mm
径差+23mm
215/55R18
42.1km/h
直径694mm
径差+34mm
225/55R18
42.7km/h
直径705mm
径差+45mm
235/55R18
43.4km/h
直径716mm
径差+56mm
245/55R18
44.1km/h
直径727mm
径差+67mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、205/45R18 、215/40R18、215/45R18 、225/40R18 、235/40R18 、245/40R18あたりのタイヤがおすすめです。

225/45R18のタイヤ幅を205mmから255mmまで、扁平率を30%から60%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、225/45R18の適応サイズと性能の変化 [Z02Z32型ベクトラ セダン編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】225/45R18のタイヤ銘柄と通販価格

Z02Z32型ベクトラ セダン[3.2L-NA FF/5AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト7.156kg/ps57.15
1速ギヤ加速性能1.448kg/kgm52.74
1L換算馬力66.48ps/L44.79
1L換算トルク9.64kgm/L52.07
WB/TR比1.77949.38
ワイド&ロー指数0.81455.71
前面の面積2.637m²49.72
最低地上高-43.72
スポーツ性能部門の得点405.28

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
10-15燃費10.4km/L44.25
年間維持費427100円40.80
100kmh回転数1930rpm57.45
航続距離634.4km45.42
車の大きさ12.157m³52.78
室内の広さ2.927m³45.33
最小回転半径5.5m43.27
馬力単価20853円50.93
ユーティリティ部門の得点380.23

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した Z02Z32型ベクトラ セダン[3.2L-NA FF/5AT] の総合得点は 785.51 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したZ02Z32型ベクトラ セダン(FF/5AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのセダン」、「3500ccのセダン」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

ベクトラ セダンの歴代モデル

3代目 Z02Z32L型 ベクトラ ワゴン
Z02Z32L ベクトラ ワゴンは2002/07に登場した3代目モデル。参考車両の「3.2」は全長4825mm、全幅1800mm、全高1500mmの車体に、211PS/30.6kgmを発生するZ32型3174ccエンジンを搭載した5人乗りワゴン。

2代目 XH250W型 ベクトラ セダン
XH250W ベクトラ セダンは1996/04に登場した2代目モデル。参考車両の「CDX」は全長4490mm、全幅1710mm、全高1495mmの車体に、170PS/23.4kgmを発生するX25型2497ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

初代 XC250型 ベクトラ
XC250 ベクトラは1990/12に登場した初代モデル。参考車両の「V6」は全長4430mm、全幅1695mm、全高1400mmの車体に、170PS/23.1kgmを発生するC25型2497ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。