C61A ランサー 性能と維持費 FF/3AT 5人 90万円 1990年式

このページでは、三菱自動車の5ドア・5人乗りセダン、3代目のE-C61A型ランサー S【1990/10モデル・79PS/10.8kgm・FF/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

C61A ランサー
販売期間:1988/06 - 1991/10

画像は三菱自動車より引用
http://www.mitsubishi-motors.co.jp/
投稿:|更新:

ボディサイズが全長4235mm×全幅1670mm×全高1405mm、排気量は1298ccであることから、大雑把に分類すると1.3リットルクラス(1300cc、自動車税は1.5L以下を適用)に属した、いわゆる5ナンバークラスの車です。とにかく排気量を増やして、とにかくボディを大きく、特に全幅を広げれば良いんだという風潮が蔓延る現代においては大変貴重な車となっています。

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、前輪のみを駆動する、フロントエンジン・フロントドライブ方式(FF・FWD・前輪駆動とも)を採用しています。この方式はエンジンと駆動系(ミッション、デフ等)の収納がエンジンルーム内で完結するので、軽量コンパクトかつ低コスト化が実現でき、室内を広く作りやすい(エンジンが横置きの場合)ほか、後輪駆動車に比べて直進安定性に優れることが主な特長です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4235mmであるこの車の場合は「ロア ミディアム」(Lower-Medium:3850mm超-4300mm以下・Cセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。

C61A型 ランサー [1298cc/79PS FF/3AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

3代目ランサーの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
1990/10
C61A型
[S]
1.3L-NA・FF/4MT・83.7万円
79PS・10.8kgm・-
79PS
10.8kgm
-
1990/10
C64A型
[SZ]
1.8L-NA・FF/5MT・114.2万円
61PS・11.3kgm・-
61PS
11.3kgm
-
1990/10
C64A型
[SZ]
1.8L-NA・FF/4AT・122.2万円
61PS・11.3kgm・-
61PS
11.3kgm
-
3代目 ランサー 型式一覧 C60/C70系まとめ 1988-1991【全17車種】
ランサーの新型モデル
4代目 CE9A型ランサー Evolution III
CE9A型ランサー Evolution IIIは1991/10に登場した4代目モデル。参考車両の「RS」は全長4310mm、全幅1695mm、全高1420mmの車体に、270PS/31.5kgmを発生する4G63型1997ccエンジンを搭載。


C61A ランサーの主要諸元と大きさ比較

主要諸元
メーカー 三菱自動車
車名&
グレード
ランサー
S
その他 受注生産車
お値段 892000円
車両型式 E-C61A
駆動方式
変速機
FF・前輪駆動(FWD,2WD)
3速AT・3速オートマ車
ドア/定員 5ドア・5名乗車
ホイールベース 2455mm
トレッド 1430mm/1430mm
WB/TR比 1.717
最小半径 4.7m
タイヤ 前輪:155/80R13
後輪:155/80R13
ブレーキ 前:ディスク
後:ドラム
車両重量 950kg

※WB/TR比はホイールベーストレッド比の略。値が大きいほど直進安定性に優れ、小さいほど旋回性能が高くなりやすい。全ての車種の平均値は1.773。

ランサーと各規格の大きさ比較
規格名 規格寸法 増減
ランサー
車体寸法
全長 4235mm -
全幅 1670mm -
全高 1405mm -
大きさ 9.94m3 -
軽自動車
新規格
全長 3400mm以下 +835mm
全幅 1480mm以下 +190mm
全高平均 1640mm -235mm
大きさ平均 8.13m3 +1.81m3
小型車規格
5ナンバー車
全長 4700mm以下 -465mm
全幅 1700mm以下 -30mm
全高平均 1496mm -91mm
大きさ平均 10.48m3 -0.54m3
普通車平均
3ナンバー車
全長平均 4643mm -408mm
全幅平均 1815mm -145mm
全高平均 1518mm -113mm
大きさ平均 12.84m3 -2.90m3

※上記グラフは100のラインを上回れば平均値以上、下回れば平均値以下を表す。グラフの伸びが大きいほど各規格の車両に対して相対的に車体が長い・広い・高い。※普通乗用車(3ナンバー車)の条件は全長4700mm超または全幅1700mm超または全高2000mm超と上限値が曖昧なため、ここでは普通乗用車に属する全ての車種の平均値との比較。※軽自動車・小型乗用車の全高はいずれも2000mm以下。ただし、ここでは各規格に属する車種の全高の平均値との比較。


C61A ランサーの室内広さを各規格の車両と比較

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

ランサーの室内広さを各規格の車両と比較
規格名 規格寸法 増減
ランサー
室内広さ
室内長 1770mm -
室内幅 1380mm -
室内高 1155mm -
車内広さ 2821L -
軽自動車
新規格
室内長平均 1908mm -138mm
室内幅平均 1280mm +100mm
室内高平均 1283mm -128mm
車内広さ平均 3171L -350L
小型車規格
5ナンバー車
室内長平均 1913mm -143mm
室内幅平均 1404mm -24mm
室内高平均 1196mm -41mm
車内広さ平均 3253L -432L
普通車平均
3ナンバー車
室内長平均 2050mm -280mm
室内幅平均 1483mm -103mm
室内高平均 1195mm -40mm
車内広さ平均 3698L -877L

※上記グラフは100のラインを上回れば平均値以上、下回れば平均値以下を表す。グラフの伸びが大きいほど各規格の車両に対して相対的に室内が長い・広い・高い。

人間様の占有スペースと容積効率
室内長×室内幅×室内高 2.821m³
1人あたりのスペース 0.564m³
室内長/全長 41.8%
室内幅/全幅 82.6%
室内高/全高 82.2%
室内容積/車両体積 28.4%

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は2.821m³です。この車の乗車定員は5人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.564m³のスペースが割り当てられることになります。

続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は41.8%、同じく室内幅と全幅の比率は82.6%、同じく室内高と全高の比率は82.2%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は28.4%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


ランサーでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.482m
期待される荷室の幅 1.280m
対角線の長さ 1.958m
期待される荷室の面積 1.897m²

縦方向の長さが1.482m(対角線では1.958m)であれば、小柄な体型なら斜めに転げることで足を伸ばして寝られないこともなさそうです。

普通体型では斜めに転げた上で腰と膝を曲げれば何とかギリギリ、大柄な体型ではダンゴ虫のように丸まって腰痛覚悟で決死の車中泊を敢行せざるを得ません。

セダンやクーペであっても後部座席の背もたれを取り外してトランクルームと貫通させて荷室長を確保すれば良いだけの話です。たまに背もたれを取り外してもトランクルームと繋がっていなかったり、頑強な補強バーが入っていて邪魔されることもありますが、恐らく稀なケースです。

車中泊にあると嬉しいアイテム


C61A ランサーの税金・年間維持費シミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税39600円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税12600円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額5000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、1990/10モデルのランサーを35年落ちの中古で19.6万円にて購入し、頭金なしで1年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    ランサーの1990/10モデルの場合、2025年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の20%である17.84万円に諸経費として1.8万円を足した19.6万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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1990年式を35年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税 1500cc以下 13年経過 39600円
自動車重量税
1年分
1.0トン以下 18年経過 12600円
自賠責保険料
(1年換算)
自家用乗用車 8825円
燃料代
年間1万㎞
1万㎞÷10.0㎞/L×185円/L 185000円
オイル交換
5000km毎
1回4000円×2回 8000円
タイヤ交換
5年5万km毎
1本6000円×4本÷5年 4800円
任意保険料
月額5000円
月額5000円×12ヶ月 60000円
ローン完済後の年間維持費 318900円
名目 区分 金額
車のローン額
1年分
月額16350円×12ヶ月 196200円
ローン返済中の年間維持費 515100円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 45900円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「1500cc以下で13年経過」クラスの自動車税は39600円、「1.0トン以下で18年経過」クラスの自動車重量税は12600円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに4000円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本6000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額5000円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 10・15モード燃費、JC08モード燃費、WLTCモード燃費いずれもデータがないので10.0km/Lを仮の燃費として代入。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした45900円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

お財布に厚みが増した勢いで少し色気を出して愛車にステータス性を求めるなら、月換算26600円くらいの出費は覚悟しましょう。なあに大丈夫、愛車のためです。

口癖のように「もうちょっと維持費が安ければねえ…?」なんて呟くその姿は自慢げなようであり、しかし哀愁を帯びているようでもあり、傍からすれば対応に困ります。より維持費の安い新車を買うほどではない…ないが…考えずにもいられない、そんなクラスです。全体から見るとこの辺りから面白味のある車が増えてきます。

ランサーの維持費は高い?安い?

「ランサーの年間維持費は318900円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「1500ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてランサーの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いヤリス HV177500円-141400円
ジェイド217100円-101800円
フリード ハイブリッド232000円-86900円
スイフト スポーツ260000円-58900円
基準1500ccクラス平均261300円-57600円
ステップワゴン スパーダ270100円-48800円
アバルト595304800円-14100円
ランサーの維持費318900円
ゴルフ トゥーラン335600円+16700円
高いウーノ388300円+69400円

ランサーの年間維持費を、1500ccクラスで最も維持費が安いヤリス HVと比較して141400円高く、最も高いウーノと比較して69400円安く、1500ccクラスの平均維持費との比較では57600円高くなっています。

最低額のヤリス HVと最高額のウーノは極端な例としても、1500ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、ランサーの維持費は まあまあ高い! と言えそうです。

年間維持費が安い 1500ccクラスの車 ランキング

ランサーを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟の%年収月給手取り
10%410万円35万円27万円
15%280万円24万円19万円
20%210万円18万円14万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は410万円(総支給額35万円/月、手取り27万円/月)、ここから月額維持費2.7万円を支払うと残りは24.3万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は280万円(総支給額24万円/月、手取り19万円/月)、2.7万円を支払うと残りは16.3万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が210万円(総支給額18万円/月、手取り14万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。2.7万円を引くと残りは11.3万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代19万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、レギュラーガソリン1リットルあたり185円を基準として、-50円となる135円から、+50円となる235円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費10.0km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代差額
135円/L 135000円 -50000円
160円/L 160000円 -25000円
175円/L 175000円 -10000円
185円/L 185000円 -
195円/L 195000円 +10000円
210円/L 210000円 +25000円
235円/L 235000円 +50000円

燃費10.0km/LのC61A型 ランサーで10000km走行するのに必要な燃料は1000L、1リットルあたり185円としたときの燃料代は185000円になります。

参考までに、ランサーの燃料タンクは50リットルですので、1000Lの給油回数は20回、1回あたりの燃料代は約9250円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては10000円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると25000円、50円も違ってくると50000円にもなります。

これをC61A型 ランサーの年間維持費に当てはめてみますと、レギュラーガソリン1リットルあたり185円の場合を318900円としたとき、135円/Lに値下がりすれば268900円(84.3%)に、235円/Lに値上がりすれば368900円(115.7%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(39600円)なり重量税(12600円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

1年分の自動車税・重量税・自賠責保険料
名目 金額
自動車税 39600円
自動車重量税 1年分 12600円
自賠責保険料 1年分 8825円
合計 61025円

※現在の税制では、自動車税、自動車重量税、自賠責保険料は走行距離に関係なく税額・保険料は一律。走行距離税が新設された場合は大幅に変わる可能性あり。


維持費名目 3000km 5000km 7000km
燃料代 55500円 92500円 129500円
オイル交換 4000円 4000円 5600円
タイヤ交換 3200円 3200円 3200円
任意保険料 48000円 51000円 54000円
税金 自賠責 一律 61025円
合計 171800円 211800円 253400円
1万km差額 -147100円 -107100円 -65500円

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで50000km程度持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料60000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて147100円安い171800円に、5000km走行では107100円安い211800円に、7000km走行では65500円安い253400円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は15000kmは1.1倍、20000kmは1.2倍としたのがこちらです。

維持費名目 10000km 15000km 20000km
燃料代 185000円 277500円 370000円
オイル交換 8000円 12000円 16000円
タイヤ交換 4800円 5760円 7680円
任意保険料 60000円 66000円 72000円
税金 自賠責 一律 61025円
合計 318900円 422300円 526800円
1万km差額 - +103400円 +207900円

走行距離と維持費の変化

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
三菱の小型車&普通車編
1500cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
4ドア・セダン編

ランサーの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
暫定基準燃費 10.0km/L
燃料タンク容量 50L
航続距離(カタログ燃費) 500.0km
航続距離(80%燃費) 400.0km
満タンプライス 9250円
1km走行コスト 18.50円/km
1万円でどこまで行ける?
東京から500.0kmの範囲

10・15モード燃費、JC08モード燃費、WLTPモード燃費ともにデータがないので10.0km/Lを仮の燃費とすると、、燃料タンク容量50リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は500.0kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(9.0km/L)とすると航続距離は450.0km、80%(8.0km/L)だと400.0km、70%(7.0km/L)では350.0kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から50リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、レギュラーガソリンを1リットルあたり185円では9250円、上で計算した航続距離を踏まえると500.0km(80%燃費時400.0km)を走行するのに9250円かかる計算です。

燃費を10.0km/Lとしたときの1km走行コストは18.50円、10万km走行したときの燃料代は万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら万円/年、7年10万kmなら万円/年、5年10万kmなら万円/年、3年10万kmなら万円/年となります。

C61A ランサーのエンジン諸元とカタログデータ

4G13型エンジン簡易性能曲線図
エンジン諸元
原動機型式 4G13
気筒配列 直列4気筒
排気量1298cc
圧縮比 9.5
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 79PS[58kW]/6000rpm
最大トルク 10.8kgm[106Nm]/3500rpm
パワーバンド 3500-6000rpm, 帯域41.7%
使用燃料 レギュラーガソリン
最高出力・最大トルク 各回転数での出力
3500rpm 53PS/10.8kgm
6000rpm 79PS/9.4kgm
4G13型エンジンの諸元と性能まとめ
直列4気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に4個配置する方式。小排気量から2.5Lあたりまでをカバー。
直列4気筒の最高出力ランキング

まずおさらいとして、搭載している4G13型1298cc、直列4気筒の自然吸気エンジンは6000回転時に最高出力79馬力を、3500回転時に最大トルク10.8kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なります。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する3500rpmから最高出力が発生する6000rpmまで」の2500rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は41.7%となります。※簡易エンジン性能曲線図オレンジ色の帯域。

最高出力ランキング リスト
1500cc以下クラス編
三菱の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
1500cc以下クラス編
三菱の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ12.025kg/PS(950kg/79PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ12.025kg/PS
車体+1人12.722kg/PS
車体+5人15.506kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg12.785kg/PS
車体+70kg12.911kg/PS
車体+80kg13.038kg/PS
車体+90kg13.165kg/PS
車体+100kg13.291kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは12.722kg/PS(1005kg/79PS)となり、数値としては0.697kg、比率にすると5.8%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは15.506kg/PS(1225kg/79PS)となり、数値としては3.481kg、比率にすると28.9%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

C61A ランサーのライバル候補車たち

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ12.722kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

愛すべきライバル車種
Page Link車名 PWR+55kg

-
ランサー
12.722kg/PS
79PS・1.3L-NA
車体のみPWR 12.025
1005kg
+5.8%

車種詳細
ザ・ビートル
12.714kg/PS
105PS・1.2L-TB
車体のみPWR 12.190
1335kg
+4.3%

車種詳細
ビート
12.734kg/PS
64PS・0.7L-NA
車体のみPWR 11.875
815kg
+7.2%

車種詳細
up!
12.733kg/PS
75PS・1.0L-NA
車体のみPWR 12.000
955kg
+6.1%

車種詳細
キューブ キュービック
12.602kg/PS
98PS・1.4L-NA
車体のみPWR 12.041
1235kg
+4.7%

車種詳細
ヴィヴィオ RX-R
12.734kg/PS
64PS・0.7L-SC
車体のみPWR 11.875
815kg
+7.2%


12.595kg/PSから12.849kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、フォルクスワーゲンの4人乗りクーペ・16CBZ型 ザ・ビートル、ホンダの2人乗り軽オープンカー・PP1型 ビート、フォルクスワーゲンの4人乗りハッチバック・AACHY型 up!、日産の7人乗りミニバン・BGZ11型 キューブ キュービック、スバルの4人乗り軽ハッチバック・KK4型 ヴィヴィオ RX-Rという顔ぶれが並びました。

最高出力が高いからといって、車両重量が重ければパワーウェイトレシオの数値は似たようなものになったりします。「空車状態のPWRの違いが、戦力の決定的差ではないということを…教えてやる!」といったところでしょうか。

こうなると、思いもよらぬ車種の登場に「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごも生じることもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

C61A型 ランサー [S]のライバル車種|12.722kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は83.2PS/tとなっています。


ランサーがバイクと競争するなら…?


車種詳細
ジェベル125|124cc
12.714kg/PS
178kg/14.0PS/1.10kgm
[車体のみPWR:8.786]
1速ギヤ速度:32.1km/h
最小TWR:1.004
1990/10

-
ランサー|1298cc
12.722kg/PS
1005kg/79PS/10.8kgm
[車体のみPWR:12.025]
1速ギヤ速度:56.6km/h
最小TWR:2.199

車種詳細
CRM80|79cc
12.727kg/PS
140kg/11.0PS/0.96kgm
[車体のみPWR:7.727]
1速ギヤ速度:20.8km/h
最小TWR:0.574

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではランサーとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

SF44A ジェベル125と競争してみる

まずランサーより少しPWRが低いバイクとして、スズキのジェベル125が挙げられます。PWRの12.714kg/PSは車両重量123kgにライダーの体重55kgを加えた178kgを、最高出力14.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はジェベル125に24.5km/h勝り、1速TWRは1.195kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

HD12 CRM80と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ホンダのCRM80が挙げられます。PWRの12.727kg/PSは車両重量85kg+55kgの140kgを、最高出力11.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は35.8km/h勝り、1速TWRは1.625kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.717
平均ピストンスピード 16.40m/s
トルクウェイトレシオ 87.96kg/kgm
1馬力あたりのお値段 11291円
排気量1Lあたり馬力 60.86PS/L
排気量1Lあたりトルク 8.32kgm/L
1気筒あたりの馬力 19.8PS
1気筒あたりのトルク 2.7kgm
パワーバンド比率 41.7%
燃費×馬力 No data
各種ランキング
セダンのPWR
1.0~1.3L以下のPWR

トルクウェイトレシオは87.96kg/kgm(950kg/10.8kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が892000円、最高出力が79馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は11291円、逆に1万円あたりでは0.89馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は82593円、1万円あたりでは0.12kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
三菱編
1500cc以下の車編
セダン編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は60.86PS/L、トルクは8.32kgm/L、1気筒あたりの馬力は19.8馬力、トルクは2.7kgmとなり、このエンジンが79馬力を6000回転で発生させているときの平均ピストンスピードは16.40m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が82.0mmである4G13型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は7320回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.717になります。全ての車種の平均値である1.773を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと小回りを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

C61A ランサーのギヤ比と回転数・速度のステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合6000rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6500回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6500rpm|タイヤサイズ 155/80R13|タイヤ直径 57.8cm|円周長 181.6cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6500rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 2.846 11.56 - - 61km/h 10610rpm 432.0kgm
2速 1.581 6.42 0.556 1-2/
3610rpm
110km/h 5890rpm 240.0kgm
3速 1.000 4.06 0.633 2-3/
4110rpm
174km/h 3730rpm 151.8kgm
Final4.062レシオカバレッジ(変速比幅)2.846
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数3500rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.062)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(10.8kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.062)÷タイヤの有効半径(0.289m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は3速ギヤの174km(6000rpmでは160.9km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが3500回転で最大トルク10.8kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば87.96kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(12.025kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと432.0kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(950kg)を1速ギヤの最大駆動力(432.0kgm)で割ってみると2.199kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する6000回転でのトルク(9.4kgm)からTWRを算出すると2.527kg/kgmとなり、3500-6000回転の回転域では2.199-2.527kg/kgmの間で推移することがわかります。


6000rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

C61A型ランサーに搭載された4G13型1298ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する6000rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

6000rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ57km/h-
2速ギヤ102km/h3340rpm
3速ギヤ161km/h3800rpm

まず1速ギヤで6000rpmまで引っ張ると57km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は6000rpmから3340rpmまで落ち、そこから6000rpmまで加速を続けると速度は102km/h(+45km/h)になります。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4240 6370 8490 10610 12730 14850 19100
2速 2360 3540 4720 5890 7070 8250 10610
3速 1490 2240 2980 3730 4470 5220 6710
※赤い数字は暫定レブリミット(6500rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(1.000)を選択して時速100kmにて走行すると3730回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは2240回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは2610回転、一般的な高速道路の80km/hでは2980回転、100km/hでは3730回転、制限速度が120km/hになると4470回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは6710回転まで回ります。

時速100kmでの巡航回転数が3000回転を超えるようになってくると、ややパワーが心許ないとか、荷物や人を多く乗せる車であるとか、より鋭い加速を得たい場合のギヤ比ではないかと思います。エンジンのレイアウト(直列3気筒とか)によっては独特の振動が生じたりするので不快感を覚えるようになるかもしれません。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 9 19 28 38 47 57 66 75
2速 17 34 51 68 85 102 119 136
3速 27 54 80 107 134 161 188 215

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6500回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの155/80R13と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 155/80R13 | 直径 578mm

-20mm
幅135mm
-10mm
幅145mm
変更なし
幅155mm
+10mm
幅165mm
+20mm
幅175mm
75 135/75R13
36.9km/h
径 533mm
差 -45mm
145/75R13
37.9km/h
径 548mm
差 -30mm
155/75R13
39.0km/h
径 563mm
差 -15mm
165/75R13
40.0km/h
径 578mm
差 0mm
175/75R13
41.0km/h
径 593mm
差 +15mm
80 135/80R13
37.8km/h
径 546mm
差 -32mm
145/80R13
38.9km/h
径 562mm
差 -16mm
155/80R13
40.0km/h
578mm
0mm
165/80R13
41.1km/h
径 594mm
差 +16mm
175/80R13
42.2km/h
径 610mm
差 +32mm
85 135/85R13
38.8km/h
径 560mm
差 -18mm
145/85R13
39.9km/h
径 577mm
差 -1mm
155/85R13
41.1km/h
径 594mm
差 +16mm
165/85R13
42.3km/h
径 611mm
差 +33mm
175/85R13
43.5km/h
径 628mm
差 +50mm
90 135/90R13
39.7km/h
径 573mm
差 -5mm
145/90R13
40.9km/h
径 591mm
差 +13mm
155/90R13
42.1km/h
径 609mm
差 +31mm
165/90R13
43.4km/h
径 627mm
差 +49mm
175/90R13
44.6km/h
径 645mm
差 +67mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、135/85R13 、145/80R13、145/85R13 、155/75R13 、165/75R13 あたりのタイヤがおすすめです。

155/80R13のタイヤ幅を135mmから185mmまで、扁平率を65%から95%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、155/80R13の適応サイズと性能の変化 [C61A型ランサー編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】155/80R13のタイヤ銘柄と通販価格

C61A型 ランサー 1.3L-NA FF/3ATの通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を比較してみます。

運動性能部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
PWR9.79㎏/PS12.03㎏/PS43.9ptD
最高回転数5880rpm6000rpm51.5ptC
1速ギヤ
加速性能
1.58㎏/㎏m2.20㎏/㎏m36.9ptE
1速ギヤ
最高速
51.1㎞/h56.6㎞/h55.1ptB
1リットル
換算馬力
73.10PS/L60.86PS/L40.3ptD
1リットル
換算トルク
9.47㎏m/L8.32㎏m/L36.0ptE
WB/TR比1.7731.71755.7ptB
ワイド&
ロー指数
0.8940.84153.8ptC
前面の面積2.631m22.346m258.0ptB
最低地上高154.5mm-43.7ptD
スポーツ性能部門の得点477.2pt
総合評価C

※PWR(パワーウェイトレシオ)・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比(旋回性能重視)・ワイド&ロー指数(見た目のかっこよさ)・前面の面積(≒前方投影面積・空気抵抗)・最低地上高については数値が小さいほど高得点。最高回転数・1速ギヤ最高速・1リットル換算馬力・1リットル換算トルクについては数値が大きいほど高得点。

ユーティリティ部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
年間維持費340696円318900円51.9ptC
燃費13.0km/L-44.2ptD
100km/h
回転数
2490rpm3730rpm33.6ptE
航続距離644.1km-46.3ptC
車の大きさ11.468m39.937m356.1ptB
車内の広さ3430.7L2821.2L44.0ptD
乗車定員4.8人5人51.7ptC
1人あたり
車内広さ
691.9L564.2L39.3ptD
車内床面積2.793m22.443m245.0ptD
最小回転
半径
5.17m4.7m59.6ptB
ユーティリティ部門の得点471.7pt
総合評価D

※燃費・航続距離(燃費×燃料タンク容量)・室内の広さ(室内長×室内幅×室内高)・乗車定員・1人あたりの車内の広さは数値が大きいほど高得点、新車価格・年間維持費・100km/h回転数・車の大きさ(全長×全幅×全高)・最小回転半径は数値が小さいほど高得点。

結果発表!
部門 全10706車種中 RANK
運動性能 477.2pt 7324位 C
運動性能部門 ランキング
ユーティリティ 471.7pt 7293位 D
ユーティリティ部門 ランキング
総合得点 948.9pt 8534位 D
総合得点ランキング

スポーツ性能部門は477.2点で全10706車種中の7324位、ユーティリティ部門は471.7点で7293位、総合得点は948.9点で8534位となりました。各部門、獲得点数が多い車種から順番に並べたランキングを用意してありますのでご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したC61A型 ランサー(FF/3AT) の各種スペックを、セダン1500ccという属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを比較してみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

ランサーの歴代モデル

7代目 CZ4A型 ランサー Evolution X
CZ4A ランサー Evolution Xは2007/10に登場した7代目モデル。参考車両の「Final Edition」は全長4495mm、全幅1810mm、全高1480mmの車体に、313PS/43.7kgmを発生する4B11型1998ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

6代目 CS5W型 ランサー ワゴン Ralliart
CS5W ランサー ワゴン Ralliartは2003/02に登場した6代目モデル。参考車両の「Ralliart」は全長4540mm、全幅1695mm、全高1450mmの車体に、165PS/22.4kgmを発生する4G93型1834ccエンジンを搭載した5人乗りワゴン。

5代目 CN9A型 ランサー Evolution IV
CN9A ランサー Evolution IVは1995/10に登場した5代目モデル。参考車両の「GSR」は全長4330mm、全幅1690mm、全高1415mmの車体に、280PS/36.0kgmを発生する4G63型1997ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

4代目 CB6A型 ランサー
CB6A ランサーは1991/10に登場した4代目モデル。参考車両の「Royal-V6」は全長4270mm、全幅1690mm、全高1385mmの車体に、140PS/15.0kgmを発生する6A10型1597ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

3代目 C61A型 ランサー
C61A ランサーは1988/06に登場した3代目モデル。参考車両の「S」は全長4235mm、全幅1670mm、全高1405mmの車体に、79PS/10.8kgmを発生する4G13型1298ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。


ランサー vs ライバル車種対決


CD9A ランサー Evolution I 1992 vs GC8 インプレッサ WRX 1994 性能比較
初代 インプレッサ WRX WRX type-RA STi ver1(1994年式 GC8・4WD/5MT・2.0L+ターボ・275PS/32.5kgm・5人乗り)と、4代目 ランサー Evolution I RS(1992年式 CD9A・4WD/5MT・2.0L+ターボ・250PS/31.5kgm・5人乗り)を比較。

CD9A ランサー Evolution I 1992 vs BC5 レガシィ セダン 1992 性能比較
4代目 ランサー Evolution I RS(1992年式 CD9A・4WD/5MT・2.0L+ターボ・250PS/31.5kgm・5人乗り)と、初代 レガシィ セダン RS type-RA(1992年式 BC5・4WD/5MT・2.0L+ターボ・220PS/27.5kgm・5人乗り)を比較。

CZ4A ランサー Evolution X Final 20 vs VAB WRX STI S207 2015 性能比較
7代目 ランサー Evolution X Final Edition(2015年式 CZ4A・4WD/5MT・2.0L+ターボ・313PS/43.7kgm・5人乗り)と、初代 WRX STI S207 NBR STI(2015年式 VAB・4WD/6MT・2.0L+ターボ・328PS/44.0kgm・5人乗り)を比較。

CE9A ランサー Evolution II 1994 vs CD9A ランサー Evolution I 1992 性能比較
4代目 ランサー Evolution II RS(1994年式 CE9A・4WD/5MT・2.0L+ターボ・260PS/31.5kgm・5人乗り)と、4代目 ランサー Evolution I RS(1992年式 CD9A・4WD/5MT・2.0L+ターボ・250PS/31.5kgm・5人乗り)を比較。

CE9A ランサー Evolution III 1995 vs CE9A ランサー Evolution II 1994 性能比較
4代目 ランサー Evolution III RS(1995年式 CE9A・4WD/5MT・2.0L+ターボ・270PS/31.5kgm・5人乗り)と、4代目 ランサー Evolution II RS(1994年式 CE9A・4WD/5MT・2.0L+ターボ・260PS/31.5kgm・5人乗り)を比較。

CN9A ランサー Evolution IV 1996 vs CE9A ランサー Evolution III 1995 性能比較
5代目 ランサー Evolution IV RS(1996年式 CN9A・4WD/5MT・2.0L+ターボ・280PS/36.0kgm・5人乗り)と、4代目 ランサー Evolution III RS(1995年式 CE9A・4WD/5MT・2.0L+ターボ・270PS/31.5kgm・5人乗り)を比較。

CZ4A ランサー Evolution X 2010 vs CT9A ランサー Evolution IX 2006 性能比較
7代目 ランサー Evolution X RS(2010年式 CZ4A・4WD/5MT・2.0L+ターボ・300PS/43.0kgm・5人乗り)と、6代目 ランサー Evolution IX RS MR(2006年式 CT9A・4WD/5MT・2.0L+ターボ・280PS/41.5kgm・5人乗り)を比較。

CT9A ランサー Evolution IX 2005 vs GDB インプレッサ WRX 2006 性能比較
6代目 ランサー Evolution IX GSR(2005年式 CT9A・4WD/6MT・2.0L+ターボ・280PS/40.8kgm・5人乗り)と、2代目 インプレッサ WRX WRX STI(2006年式 GDB・4WD/6MT・2.0L+ターボ・280PS/43.0kgm・5人乗り)を比較。

CE9A ランサー Evolution II 1994 vs RNN14 パルサー GTI-R 1994 性能比較
4代目 パルサー GTI-R(1994年式 RNN14・4WD/5MT・2.0L+ターボ・230PS/29.0kgm・5人乗り)と、4代目 ランサー Evolution II RS(1994年式 CE9A・4WD/5MT・2.0L+ターボ・260PS/31.5kgm・5人乗り)を比較。

CT9A ランサー Evolution IX vs GG3P マツダスピード アテンザ 性能比較
初代 マツダスピード アテンザ(2005年式 GG3P・4WD/6MT・2.3L+ターボ・272PS/38.7kgm・5人乗り)と、6代目 ランサー Evolution IX GSR(2005年式 CT9A・4WD/6MT・2.0L+ターボ・280PS/40.8kgm・5人乗り)を比較。

CB6A ランサー V6 1994 vs GE8P クロノス V6 1993 性能比較
初代 クロノス 18VL(1993年式 GE8P・FF/5MT・1.9L・140PS/16.0kgm・5人乗り)と、4代目 ランサー MX-Saloon V6(1994年式 CB6A・FF/5MT・1.6L・140PS/15.0kgm・5人乗り)を比較。

CT9A ランサー Evolution VII GSR 20 vs EC5A ギャラン VR-4 2000 性能比較
8代目 ギャラン VR-4 type-V(2000年式 EC5A・4WD/5MT・2.5L+ツインターボ・280PS/37.0kgm・5人乗り)と、6代目 ランサー Evolution VII GSR(2001年式 CT9A・4WD/5MT・2.0L+ターボ・280PS/39.0kgm・5人乗り)を比較。