URZ100:LC クーペの性能と維持費 FR/10AT 1400万円 2017年式

このページでは、レクサスの2ドア・4人乗りクーペ、初代のDBA-URZ100型LC クーペ LC500 S-package【2017/03モデル・477PS/55.1kgm・FR/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

URZ100 LC クーペ
販売期間:2017/03 -

画像はレクサスより引用
http://lexus.jp/index.html
投稿:2017/05/17|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長4770mm×全幅1920mm×全高1345mm、排気量は4968ccであることから、大雑把に分類すると5.0リットルクラス(5000cc、自動車税は6.0L以下を適用)に属し、全長、全幅、排気量ともに5ナンバー枠を超えていることにより完全無欠の3ナンバー登録車です。いわゆる【高級車】にカテゴライズされます。
参考:450PS~500PSの自動車 一覧

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、後輪のみを駆動する、フロントエンジン・リヤドライブ方式(後輪駆動・FR・RWDとも)を採用しています。前輪は操舵、後輪は駆動と役割分担が異なることから優れたハンドリングを得られるとされ、運転の質を求める人々から絶大なる支持を集めます。高級車の代名詞的な駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4770mmであるこの車の場合は「アッパーミディアム」(Upper-Medium:4650mm超-4900mm以下・Eセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


URZ100型 LC クーペ [4968cc/477PS FR/10AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

初代LC クーペの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2021/11
URZ100型
[LC500]
5.0L-NA・FR/10AT・1327.0万円
477PS・55.1kgm・8.4km/L
477PS
55.1kgm
8.4km/L
2021/11
GWZ100型
[LC500h S-package]
3.5L-NA・FR/CVT・1500.0万円
299PS・36.3kgm・14.4km/L
299PS
36.3kgm
14.4km/L
2021/11
GWZ100型
[LC500h]
3.5L-NA・FR/CVT・1377.0万円
299PS・36.3kgm・14.4km/L
299PS
36.3kgm
14.4km/L
初代LC クーペの車両型式・グレード一覧【全8車種】

主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー レクサス
車名&
グレード
LC クーペ
LC500 S-package
その他 トルセンLSD
お値段 14000000円
車両型式 DBA-URZ100
駆動方式
変速機
FR・後輪駆動(RWD,2WD)
10速AT・10速オートマ車
ドア/定員 2ドア/4名乗車
車体寸法 長4770×幅1920×高1345mm
室内寸法 長1870×幅1550×高1075mm
軸距&
輪距
2870mm
前1630mm/後1635mm
最小半径 5.3m
最低高 135mm
タイヤ 前輪:245/40R21
後輪:275/35R21
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 1960kg
エンジン諸元
原動機型式 2UR-GSE
気筒配列 V型8気筒
排気量4968cc
圧縮比12.3
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 477PS[351kW]/7100rpm
最大トルク 55.1kgm[540Nm]/4800rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
JC08燃費 7.8km/L(18.3mpg)
100km燃費 12.8L/100km
2UR-GSE型エンジンの諸元と性能まとめ
V型8気筒とは‥シリンダをV字型に交互で8個配置する方式。中?大排気量のスタンダード。
V型8気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税88000円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税16400円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額8500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、LC クーペの新車を1610.0万円(諸費用として210.0万円を加算)にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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新車で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 6000cc以下 13年未満 88000円
自動車重量税(1年分) 2.0トン以下 13年未満 16400円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷7.3×185円/L 253420円
オイル交換(5000km毎) 1回7500円×2回 15000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本28000円×4本÷5年 22400円
任意保険料(月額8500円) 月額8500円×12ヶ月 102000円
ローン完済後の年間維持費 506100円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額268330円×12ヶ月 3219960円
ローン返済中の年間維持費 3726100円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 53500円
名目 金額
自動車税(1年分) 88000円
自動車重量税(1年分) 16400円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
253420円
(177390円)
(126710円)
(76030円)
オイル交換(5000km毎) 15000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 22400円
任意保険料(月額8500円) 102000円
ローン完済後の年間維持費 506100円
名目 金額
車のローン額(1年分) 3219960円
ローン返済中の年間維持費 3726100円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
53500円
  • 初度登録から7年経過車の場合、「6000cc以下で13年未満」クラスの自動車税は88000円、「2.0トン以下で13年未満」クラスの自動車重量税は16400円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに7500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本28000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額8500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした53500円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

年間の維持費が50万円を超えてくると、これはもうこの車そのものが趣味の世界です。もしくは、これだけの維持費が掛かる車を所有していることに喜びを感じ、ある種のカタルシスを感じているかもしれません。

名にし負うLC クーペともなれば、その維持費は月額でさえ42200円(ローン完済前は310600円)という破格の金額。とてもじゃないが頭金0円!一世一代のフルローン!で乗るような車ではありません。どうしても乗りたい言うなら、清水の舞台から飛び降りる覚悟でご近所をノロノロ運転して満足するか、盆栽としてガレージに飾っておくならまあ、あるいは…

LC クーペの維持費は高い?安い?

「LC クーペの年間維持費は506100円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「6000ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてLC クーペの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いセンチュリー391600円-114500円
IS446100円-60000円
LC コンバーチブル477600円-28500円
LC クーペの維持費506100円
LX544400円+38300円
基準6000ccクラス平均561100円+55000円
グランドチェロキー566800円+60700円
レンジローバー635400円+129300円
レンジローバー ヴォーグ667400円+161300円
高い7シリーズ719600円+213500円

LC クーペの年間維持費を、6000ccクラスで最も維持費が安いセンチュリーと比較して114500円高く、最も高い7シリーズと比較して213500円安く、6000ccクラスの平均維持費との比較では55000円安くなっています。

最低額のセンチュリーと最高額の7シリーズは極端な例としても、6000ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、LC クーペの維持費は まあまあ安い! と言えそうです。

年間維持費が安い 6000ccクラスの車 ランキング

LC クーペを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%660万円55万円43万円
15%440万円37万円29万円
20%330万円28万円22万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は660万円(総支給額55万円/月、手取り43万円/月)、ここから月額維持費4.2万円を支払うと残りは38.8万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は440万円(総支給額37万円/月、手取り29万円/月)、4.2万円を支払うと残りは24.8万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が330万円(総支給額28万円/月、手取り22万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。4.2万円を引くと残りは17.8万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代26万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり185円を基準として、-50円となる135円から、+50円となる235円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費7.3km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
135円/L
184940円
[-68480円]
-25円
160円/L
219190円
[-34230円]
-10円
175円/L
239740円
[-13680円]
185円/L253420円
[0円]
+10円
195円/L
267140円
[+13720円]
+25円
210円/L
287680円
[+34260円]
+50円
235円/L
321930円
[+68510円]

燃費7.3km/LのURZ100型 LC クーペで10000km走行するのに必要な燃料は1369.9L、1リットルあたり185円としたときの燃料代は253420円になります。

参考までに、LC クーペの燃料タンクは82リットルですので、1369.9Lの給油回数は17回、1回あたりの燃料代は約14910円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては13720円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると34260円、50円も違ってくると68510円にもなります。

これをURZ100型 LC クーペの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり185円の場合を506100円としたとき、135円/Lに値下がりすれば437620円(86.5%)に、235円/Lに値上がりすれば574610円(113.5%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(88000円)なり重量税(16400円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 88000円 30%
自動車重量税 1年分 16400円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 3000km分 76030円 26%
オイル交換 年1回 7500円 3%
タイヤ交換 6年毎 14930円 5%
任意保険料 80% 81600円 27%
合計
[1万kmとの差額]
293300円
-212800円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 88000円 25%
自動車重量税 1年分 16400円 5%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 5000km分 126710円 36%
オイル交換 年1回 7500円 2%
タイヤ交換 6年毎 14930円 4%
任意保険料 85% 86760円 25%
合計
[1万kmとの差額]
349200円
-156900円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 88000円 22%
自動車重量税 1年分 16400円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 7000km分 177390円 43%
オイル交換 年1回 10500円 3%
タイヤ交換 6年毎 14930円 4%
任意保険料 90% 91800円 22%
合計
[1万kmとの差額]
407900円
-98200円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料102000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて212800円安い293300円に、5000km走行では156900円安い349200円に、7000km走行では98200円安い407900円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 88000円 13%
自動車重量税 1年分 16400円 2%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 15000km分 380130円 56%
オイル交換 年3回 45000円 7%
タイヤ交換 2.7年毎 33600円 5%
任意保険料 100% 102000円 16%
合計
[1万kmとの差額]
674000円
+167900円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 88000円 11%
自動車重量税 1年分 16400円 2%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 506840円 61%
オイル交換 年4回 60000円 7%
タイヤ交換 2年毎 44800円 5%
任意保険料 100% 102000円 13%
合計
[1万kmとの差額]
826900円
+320800円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
レクサスの小型車&普通車編
5000cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
2ドア・クーペ編

LC クーペの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
JC08モード燃費 7.8km/L
燃料タンク容量 82L
航続距離(カタログ燃費) 639.6km
航続距離(80%燃費) 508.4km
満タンプライス 15170円
1km走行コスト 23.72円
1万円でどこまで行ける? 421.6km

JC08モード燃費が7.8km/L、燃料タンク容量82リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は639.6kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(7.0km/L)とすると航続距離は574.0km、80%(6.2km/L)だと508.4km、70%(5.5km/L)では451.0kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から82リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり185円では15170円、上で計算した航続距離を踏まえると639.6km(80%燃費時508.4km)を走行するのに15170円かかる計算です。

燃費を7.3km/Lとしたときの1km走行コストは23.72円、10万km走行したときの燃料代は237.2万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら23.7万円/年、7年10万kmなら33.9万円/年、5年10万kmなら47.4万円/年、3年10万kmなら79.1万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば421.6km(往復なら片道210.8km)、カタログ値の80%なら337.3km(片道168.6km)離れたところまで行くことができます。

カタログデータから見えてくる要素

2UR-GSE型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
4800回転時の馬力 369PS
7100回転時の馬力 477PS
各回転域でのトルク
4800回転時のトルク 55.1kgm
7100回転時のトルク 48.1kgm
2UR-GSE型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載している2UR型4968cc、V型8気筒の自然吸気エンジンは7100回転時に最高出力477馬力を、4800回転時に最大トルク55.1kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、最大トルクの発生回転数が若干高めにあるこのエンジンは、普段使いでも不足を感じることなく、それでいて高い回転数を維持すればスポーティな走行も楽しめるバランスの良さが魅力です。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する4800rpmから最高出力が発生する7100rpmまで」の2300rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は32.4%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
5000cc以下クラス編
レクサスの小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
5000cc以下クラス編
レクサスの小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ4.109kg/PS(1960kg/477PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ4.109kg/PS
車体+1人4.224kg/PS
車体+4人4.570kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg4.235kg/PS
車体+70kg4.256kg/PS
車体+80kg4.277kg/PS
車体+90kg4.298kg/PS
車体+100kg4.319kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは4.224kg/PS(2015kg/477PS)となり、数値としては0.115kg、比率にすると2.8%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの4人が搭乗した場合、車両重量に220kgがプラスされてパワーウェイトレシオは4.570kg/PS(2180kg/477PS)となり、数値としては0.461kg、比率にすると11.2%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

URZ100 LC クーペのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2017/03

-
LC クーペ
4.224kg/PS
2015kg/477PS|5.0L-NA
[車体のみPWR:4.109]
2015/12

車種詳細
Aクラス
4.239kg/PS
1615kg/381PS|2.0L-TB
車体のみPWR:4.094
2013/09

車種詳細
IS-F
4.058kg/PS
1745kg/430PS|5.0L-NA
車体のみPWR:3.930
2002/06

車種詳細
インプレッサ WRX
4.328kg/PS
1385kg/320PS|2.0L-TB
車体のみPWR:4.156
1996/01

車種詳細
スカイラインGT-R
4.013kg/PS
1605kg/400PS|2.8L-TT
車体のみPWR:3.875
2002/11

車種詳細
コルベット クーペ
4.296kg/PS
1525kg/355PS|5.7L-NA
車体のみPWR:4.141

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ4.224kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

4.013kg/PSから4.435kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、メルセデスベンツの5人乗りハッチバック「176052型 Aクラス」、レクサスの4人乗りセダン「USE20型 IS-F」、スバルの5人乗りセダン「GDB型 インプレッサ WRX」、日産の4人乗りクーペ「BCNR33型 スカイラインGT-R」、シボレーの2人乗りクーペ「CY25E型 コルベット クーペ」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

URZ100型 LC クーペ [LC500 S-package]のライバル車種|4.224kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は243.4PS/tとなっています。


LC クーペがバイクと競争するなら…?


車種詳細
RMX250S|249cc
4.175kg/PS
167kg/40.0PS/4.00kgm
[車体のみPWR:2.800]
1速ギヤ速度:56.1km/h
最小TWR:0.521
2017/03

-
LC クーペ|4968cc
4.224kg/PS
2015kg/477PS/55.1kgm
[車体のみPWR:4.109]
1速ギヤ速度:67.2km/h
最小TWR:0.893

車種詳細
ゴールドウイング|1832cc
4.330kg/PS
472kg/109.0PS/16.40kgm
[車体のみPWR:3.826]
1速ギヤ速度:60.4km/h
最小TWR:0.740

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではLC クーペとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

SJ14A RMX250Sと競争してみる

まずLC クーペより少しPWRが低いバイクとして、スズキのRMX250Sが挙げられます。PWRの4.175kg/PSは車両重量112kgにライダーの体重55kgを加えた167kgを、最高出力40.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はRMX250Sに11.1km/h勝り、1速TWRは0.372kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

SC68 ゴールドウイングと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ホンダのゴールドウイングが挙げられます。PWRの4.330kg/PSは車両重量417kg+55kgの472kgを、最高出力109.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は6.8km/h勝り、1速TWRは0.153kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.758
平均ピストンスピード 21.18m/s
トルクウェイトレシオ 35.57kg/kgm
1馬力あたりのお値段 29350円
排気量1Lあたり馬力 96.01PS/L
排気量1Lあたりトルク 11.09kgm/L
1気筒あたりの馬力 59.6PS
1気筒あたりのトルク 6.9kgm
パワーバンド比率 32.4%
燃費×馬力 3458.2pt
各種ランキング
クーペのPWR
4.5~5.0L以下のPWR

トルクウェイトレシオは35.57kg/kgm(1960kg/55.1kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が14000000円、最高出力が477馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は29350円、逆に1万円あたりでは0.34馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は254083円、1万円あたりでは0.04kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
レクサス編
5000cc以下の車編
クーペ編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は96.01PS/L、トルクは11.09kgm/L、1気筒あたりの馬力は59.6馬力、トルクは6.9kgmとなり、このエンジンが477馬力を7100回転で発生させているときの平均ピストンスピードは21.18m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が89.5mmである2UR型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6700回転です。●最高出力を発生している時点で既に20.0m/sを超えているこのエンジンは実に良く設計された秀逸なエンジンであると言えます。一昔(二昔?)前の常識を覆す誉れ高きエンジンですので、ぜひとも重要文化遺産に登録して後世に伝えていかねばなりません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.758になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、走ってよし、曲がってよしで至れり尽くせりのオールラウンダーであると言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が7.25km/L、最高出力が477PSであるこの車の獲得ポイントは3458.2ptになります。
戯れに車両重量1960kgを100kg単位にした19.6で割ってみたところ、その数値は176.44ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


人間様の占有スペース

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

人間様の占有スペース
室内長×室内幅×室内高 3.116m³
1人あたりのスペース 0.779m³
室内長/全長 39.2%
室内幅/全幅 80.7%
室内高/全高 79.9%
室内容積/車両体積 25.3%

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は3.116m³です。この車の乗車定員は4人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.779m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は39.2%、同じく室内幅と全幅の比率は80.7%、同じく室内高と全高の比率は79.9%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は25.3%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


LC クーペでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.669m
期待される荷室の幅 1.450m
対角線の長さ 2.211m
期待される荷室の面積 2.420m²

縦方向の長さが1.669m(対角線では2.211m)ともなると、もはや車の中で生活しても良いんじゃないかと錯覚しかねないほど快適な睡眠が約束されます。

日頃の行いが悪いとか、人様には言えないことをやらかしたとか、誰の顔も見たくないなどの訳アリで家に帰れず、やむなく車中泊をしてみたが最期、あまりの気楽さに心を奪われ流浪の民となりかねません。

セダンやクーペであっても後部座席の背もたれを取り外してトランクルームと貫通させて荷室長を確保すれば良いだけの話です。たまに背もたれを取り外してもトランクルームと繋がっていなかったり、頑強な補強バーが入っていて邪魔されることもありますが、恐らく稀なケースです。

車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合7100rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした7600回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 7600rpm|タイヤサイズ 275/35R21|タイヤ直径 72.6cm|円周長 228.1cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
7600rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 4.923 14.46 -
-
72km/h 10560rpm 2194.7kgm
2速 3.153 9.26 0.640 1-2/
4860rpm
112km/h 6770rpm 1405.6kgm
3速 2.349 6.90 0.745 2-3/
5660rpm
151km/h 5040rpm 1047.2kgm
4速 1.879 5.52 0.800 3-4/
6080rpm
188km/h 4030rpm 837.7kgm
5速 1.462 4.29 0.778 4-5/
5910rpm
242km/h 3140rpm 651.8kgm
6速 1.193 3.50 0.816 5-6/
6200rpm
297km/h 2560rpm 531.9kgm
7速 1.000 2.94 0.838 6-7/
6370rpm
354km/h 2150rpm 445.8kgm
8速 0.792 2.33 0.792 7-8/
6020rpm
447km/h 1700rpm 353.1kgm
9速 0.640 1.88 0.808 8-9/
6140rpm
553km/h 1370rpm 285.3kgm
10速 0.598 1.76 0.934 9-10/
7100rpm
592km/h 1280rpm 266.6kgm
Final 2.937 レシオカバレッジ(変速比幅)8.232

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数4800rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(2.937)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(55.1kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(2.937)÷タイヤの有効半径(0.363m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は10速ギヤの592km(7100rpmでは553.3km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが4800回転で最大トルク55.1kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば35.57kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(4.109kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと2194.7kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1960kg)を1速ギヤの最大駆動力(2194.7kgm)で割ってみると0.893kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する7100回転でのトルク(48.1kgm)からTWRを算出すると1.023kg/kgmとなり、4800-7100回転の回転域では0.893-1.023kg/kgmの間で推移することがわかります。


おまけ:7100rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

URZ100型LC クーペに搭載された2UR型4968ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する7100rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

7100rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ67km/h-
2速ギヤ105km/h4540rpm
3速ギヤ141km/h5290rpm
4速ギヤ176km/h5680rpm
5速ギヤ226km/h5520rpm
6速ギヤ277km/h5790rpm
7速ギヤ331km/h5950rpm
8速ギヤ418km/h5620rpm
9速ギヤ517km/h5740rpm
10速ギヤ553km/h6630rpm

まず1速ギヤで7100rpmまで引っ張ると67km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は7100rpmから4540rpmまで落ち、そこから7100rpmまで加速を続けると速度は105km/h(+38km/h)になります。

3速ギヤでは5290rpmまで落ちて7100rpmで141km/h(+36km/h)に、4速ギヤでは5680rpmまで落ちて7100rpmで176km/h(+35km/h)に、5速ギヤでは5520rpmまで落ちて7100rpmで226km/h(+50km/h)になります。

6速ギヤでは5790rpmまで落ちて7100rpmで277km/h(+51km/h)に、7速ギヤでは5950rpmまで落ちて7100rpmで331km/h(+54km/h)に、8速ギヤでは5620rpmまで落ちて7100rpmで418km/h(+87km/h)と続きます。

さらに9速ギヤでは5740rpmまで落ちて7100rpmで517km/h(+99km/h)に、10速ギヤでは6630rpmまで落ちて7100rpmで553km/h(+36km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4230 6340 8450 10560 12680 14790 19020
2速 2710 4060 5410 6770 8120 9470 12180
3速 2020 3020 4030 5040 6050 7060 9070
4速 1610 2420 3230 4030 4840 5650 7260
5速 1250 1880 2510 3140 3760 4390 5650
6速 1020 1540 2050 2560 3070 3580 4610
7速 860 1290 1720 2150 2580 3000 3860
8速 680 1020 1360 1700 2040 2380 3060
9速 550 820 1100 1370 1650 1920 2470
10速 510 770 1030 1280 1540 1800 2310
※赤い数字は暫定レブリミット(7600rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.598)を選択して時速100kmにて走行すると1280回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは770回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは900回転、一般的な高速道路の80km/hでは1030回転、100km/hでは1280回転、制限速度が120km/hになると1540回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは2310回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 9 19 28 38 47 57 66 76
2速 15 30 44 59 74 89 103 118
3速 20 40 60 79 99 119 139 159
4速 25 50 74 99 124 149 174 198
5速 32 64 96 127 159 191 223 255
6速 39 78 117 156 195 234 273 312
7速 47 93 140 186 233 280 326 373
8速 59 118 177 235 294 353 412 471
9速 73 146 218 291 364 437 510 582
10速 78 156 234 312 390 468 545 623

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(7600回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの275/35R21と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 275/35R21 | 直径 726mm

-20mm
幅255mm
-10mm
幅265mm
変更なし
幅275mm
+10mm
幅285mm
+20mm
幅295mm
-5%
30
扁平
255/30R21
37.8km/h
直径686mm
径差-40mm
265/30R21
38.1km/h
直径692mm
径差-34mm
275/30R21
38.5km/h
直径698mm
径差-28mm
285/30R21
38.8km/h
直径704mm
径差-22mm
295/30R21
39.1km/h
直径710mm
径差-16mm
0%
35
扁平
255/35R21
39.2km/h
直径712mm
径差-14mm
265/35R21
39.6km/h
直径719mm
径差-7mm
275/35R21
40.0km/h
726mm
0mm
285/35R21
40.4km/h
直径733mm
径差+7mm
295/35R21
40.8km/h
直径740mm
径差+14mm
+5%
40
扁平
255/40R21
40.6km/h
直径737mm
径差+11mm
265/40R21
41.0km/h
直径745mm
径差+19mm
275/40R21
41.5km/h
直径753mm
径差+27mm
285/40R21
41.9km/h
直径761mm
径差+35mm
295/40R21
42.4km/h
直径769mm
径差+43mm
+10%
45
扁平
255/45R21
42.0km/h
直径763mm
径差+37mm
265/45R21
42.5km/h
直径772mm
径差+46mm
275/45R21
43.0km/h
直径781mm
径差+55mm
285/45R21
43.5km/h
直径790mm
径差+64mm
295/45R21
44.0km/h
直径799mm
径差+73mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、255/35R21 、265/30R21、265/35R21 、275/30R21 、285/30R21 、295/30R21あたりのタイヤがおすすめです。

275/35R21のタイヤ幅を255mmから305mmまで、扁平率を20%から50%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、275/35R21の適応サイズと性能の変化 [URZ100型LC クーペ編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
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URZ100型LC クーペ[5.0L-NA FR/10AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト4.109kg/ps65.49
1速ギヤ加速性能0.893kg/kgm64.59
1L換算馬力96.01ps/L68.08
1L換算トルク11.09kgm/L69.76
WB/TR比1.75851.55
ワイド&ロー指数0.70163.90
前面の面積2.582m²51.26
最低地上高135mm57.93
スポーツ性能部門の得点492.56

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
JC08燃費7.8km/L34.61
年間維持費506100円33.56
100kmh回転数1280rpm66.02
航続距離639.6km45.72
車の大きさ12.318m³53.42
室内の広さ3.116m³47.13
最小回転半径5.3m47.35
馬力単価29350円39.76
ユーティリティ部門の得点367.57

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した URZ100型LC クーペ[5.0L-NA FR/10AT] の総合得点は 860.13 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したURZ100型LC クーペ(FR/10AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのクーペ」、「5000ccのクーペ」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。