BCNR33 スカイラインGT-Rの性能と維持費 4WD/5MT 1200万円

このページでは、日産自動車の2ドア・4人乗りクーペ、9代目のE-BCNR33型スカイラインGT-R GT-R NISMO 400R【1996/01モデル・400PS/47.8kgm・4WD/MT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

BCNR33 スカイラインGT-R
販売期間:1993/08 - 1999/01

画像は日産自動車より引用
http://www.nissan.co.jp/
投稿:2016/03/01|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長4675mm×全幅1830mm×全高1330mm、排気量は2771ccであることから、大雑把に分類すると2.8リットルクラス(2800cc、自動車税は3.0L以下を適用)に属し、全長、全高は5ナンバー枠ながら全幅が1.7mを超え、排気量も2000ccを超えていることにより3ナンバー登録になります。比較的コンパクトなボディに大きめなエンジンの組み合わせは世界戦略車(グローバルカー)やちょっとした高級車に良くあるパターンです。

駆動方式には車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆる四輪駆動(All Wheel Drive・AWD・Four Wheel Drive・4WDとも)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4675mmであるこの車の場合は「アッパーミディアム」(Upper-Medium:4650mm超-4900mm以下・Eセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


BCNR33型 スカイラインGT-R [2771cc/400PS 4WD/5MT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

9代目スカイラインGT-Rの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
1998/01
BCNR33型
[GT-R Autech-ver 40th]
2.6L-TB | 4WD/5MT
| 498.5万円
280PS
37.5kgm
-
1997/02
BCNR33型
[GT-R]
2.6L-TB | 4WD/5MT
| 488.5万円
280PS
37.5kgm
8.1km/L
1997/02
ECR33型
[GTS25t type-M]
2.5L-TB | FR/5MT
| 283.8万円
250PS
30.0kgm
10.2km/L
R33型スカイラインまとめ (HR33 ER33/ECR33/ENR33 BCNR33)【全20件】
スカイラインGT-Rの新型モデル
10代目 BNR34型スカイラインGT-R
BNR34型スカイラインGT-Rは1998/05に登場した10代目モデル。参考車両の「GT-R M-spec Nur」は全長4600mm、全幅1785mm、全高1360mmの車体に、280PS/40.0kgmを発生するRB26型2568ccエンジンを搭載。

スカイラインGT-Rの旧型モデル
8代目 BNR32型スカイラインGT-R
BNR32型スカイラインGT-Rは1989/05に登場した8代目モデル。参考車両の「GT-R V-specII」は全長4545mm、全幅1755mm、全高1355mmの車体に、280PS/36.0kgmを発生するRB26型2568ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー NISSAN
車名&
グレード
スカイラインGT-R
GT-R NISMO 400R
その他 限定99台 ギヤ比はR33GT-R純正で計算
お値段 12000000円
車両型式 E-BCNR33
駆動方式
変速機
4WD・四輪駆動(AWD)
5速MT・5速マニュアル車
ドア/定員 2ドア/4名乗車
車体寸法 長4675×幅1830×高1330mm
室内寸法 長1820×幅1415×高1090mm
軸距&
輪距
2720mm
前1500mm/後1510mm
最小半径 5.7m
最低高 105mm
タイヤ 前輪:275/35R18
後輪:275/35R18
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 1550kg
エンジン諸元
原動機型式 RB-X GT2
気筒配列 直列6気筒
排気量2771cc
圧縮比8.5
吸気方式 ツインターボ
最高出力 400PS[294kW]/6800rpm
最大トルク 47.8kgm[469Nm]/4400rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
10・15燃費 7.7km/L(18.1mpg)
100km燃費 13.0L/100km
RB-X GT2型エンジンの諸元と性能まとめ
直列6気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に6個配置する方式。理論上では完全バランスなれど今や絶滅危惧種。
直列6気筒エンジンを搭載する車種の一覧
直列6気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税58600円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税25200円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額6500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、1996/01モデルのスカイラインGT-Rを28年落ちの中古で264万円にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    スカイラインGT-Rの1996/01モデルの場合、2024年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の20%である240万円に諸経費として24万円を足した264万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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1996年式を28年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 3000cc以下 13年経過 58600円
自動車重量税(1年分) 2.0トン以下 18年経過 25200円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
10000km÷6.5km/L×180円/L
7000km÷6.5km/L×180円/L
5000km÷6.5km/L×180円/L
3000km÷6.5km/L×180円/L
276920円
(193840円)
(138460円)
(83080円)
オイル交換(5000km毎) 1回6500円×2回 13000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本18000円×4本÷5年 14400円
任意保険料(月額6500円) 月額6500円×12ヶ月 78000円
ローン完済後の年間維持費 475000円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額44000円×12ヶ月 528000円
ローン返済中の年間維持費 1003000円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分+検査手数料等3000円程度 71100円
名目 金額
自動車税(1年分) 58600円
自動車重量税(1年分) 25200円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
276920円
(193840円)
(138460円)
(83080円)
オイル交換(5000km毎) 13000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 14400円
任意保険料(月額6500円) 78000円
ローン完済後の年間維持費 475000円
名目 金額
車のローン額(1年分) 528000円
ローン返済中の年間維持費 1003000円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
71100円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「3000cc以下で13年経過」クラスの自動車税は58600円、「2.0トン以下で18年経過」クラスの自動車重量税は25200円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに6500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本18000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額6500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした71100円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

年間の維持費が30万円前後では曖昧だった貧民と平民の線引きがこの辺りから明確になってきます。月換算で3万円~4万円、年間では36万円~48万円クラスとなると、それなりの収入が継続的に見込めないと手を出せないクラスです。

スカイラインGT-R【GT-R NISMO 400R】の場合、維持費の月額は39600円(ローン完済前は83600円)になります。金銭的にシビアな人からは「車なんてどれもタイヤが4つあるだけなのに、なんでこんなにお金の掛かる車に乗ってるんだ…修行か…」と奇異の目で見られていることでしょう。でも良いんです。愛さえあれば。


燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり180円を基準として、-50円となる130円から、+50円となる230円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費6.5km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
130円/L
200010円
[-76910円]
-25円
155円/L
238470円
[-38450円]
-10円
170円/L
261550円
[-15370円]
180円/L276920円
[0円]
+10円
190円/L
292320円
[+15400円]
+25円
205円/L
315400円
[+38480円]
+50円
230円/L
353860円
[+76940円]

燃費6.5km/LのBCNR33型 スカイラインGT-Rで10000km走行するのに必要な燃料は1538.5L、1リットルあたり180円としたときの燃料代は276920円になります。

参考までに、スカイラインGT-Rの燃料タンクは65リットルですので、1538.5Lの給油回数は24回、1回あたりの燃料代は約11540円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては15400円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると38480円、50円も違ってくると76940円にもなります。

これをBCNR33型 スカイラインGT-Rの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり180円の場合を475000円としたとき、130円/Lに値下がりすれば398090円(83.8%)に、230円/Lに値上がりすれば551940円(116.2%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(58600円)なり重量税(25200円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 58600円 23%
自動車重量税 1年分 25200円 10%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 3000km分 83080円 33%
オイル交換 年1回 6500円 3%
タイヤ交換 6年毎 9600円 4%
任意保険料 80% 62400円 24%
合計
[1万kmとの差額]
254300円
-220700円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 58600円 19%
自動車重量税 1年分 25200円 8%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 5000km分 138460円 44%
オイル交換 年1回 6500円 2%
タイヤ交換 6年毎 9600円 3%
任意保険料 85% 66360円 21%
合計
[1万kmとの差額]
313600円
-161400円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 58600円 16%
自動車重量税 1年分 25200円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 7000km分 193840円 52%
オイル交換 年1回 9100円 2%
タイヤ交換 6年毎 9600円 3%
任意保険料 90% 70200円 18%
合計
[1万kmとの差額]
375400円
-99600円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料78000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて220700円安い254300円に、5000km走行では161400円安い313600円に、7000km走行では99600円安い375400円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 58600円 9%
自動車重量税 1年分 25200円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 15000km分 415380円 64%
オイル交換 年3回 39000円 6%
タイヤ交換 2.7年毎 21600円 3%
任意保険料 100% 78000円 13%
合計
[1万kmとの差額]
646700円
+171700円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 58600円 7%
自動車重量税 1年分 25200円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 553840円 69%
オイル交換 年4回 52000円 6%
タイヤ交換 2年毎 28800円 4%
任意保険料 100% 78000円 10%
合計
[1万kmとの差額]
805300円
+330300円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。



スカイラインGT-Rの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 7.7km/L
燃料タンク容量 65L
航続距離(カタログ燃費) 500.5km
航続距離(80%燃費) 403.0km
満タンプライス 11700円
1km走行コスト 23.38円
1万円でどこまで行ける? 427.8km
車両価格/航続距離 23976円/km

10・15モード燃費が7.7km/L、燃料タンク容量65リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は500.5kmになります。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(6.9km/L)とすると448.5km、80%(6.2km/L)だと403.0km、70%(5.4km/L)では351.0kmという航続距離になります。

燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり180円で65リットルの給油をすると11700円、上で計算した航続距離を踏まえると500.5km(80%燃費時403.0km)を走行するのに11700円かかる計算です。

燃費を6.5km/Lとしたときの1km走行コストは23.38円、10万km走行したときの燃料代は233.8万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら23.4万円/年、7年10万kmなら33.4万円/年、5年10万kmなら46.8万円/年、3年10万kmなら77.9万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば427.8km(往復なら片道213.9km)、カタログ値の80%なら342.2km(片道171.1km)離れたところまで行くことができます。

ちなみに、1回の給油で500.5kmの距離を移動できるBCNR33型 スカイラインGT-R [GT-R NISMO 400R]という乗り物を、1200.0万円で手に入れたと考えたとき、この車が1km走行するにあたっては「23976円の値打ちがある!」と言える、かもしれません。


カタログデータから見えてくる要素

RB-X GT2型エンジン簡易性能曲線図
RB-X GT2型エンジン性能曲線図もどき
各回転域での馬力
4400回転時の馬力 294PS
6800回転時の馬力 400PS
各回転域でのトルク
4400回転時のトルク 47.8kgm
6800回転時のトルク 42.1kgm
RB-X GT2型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているRB-X GT2型2771cc、直列6気筒のツインターボエンジンは6800回転時に最高出力400馬力を、4400回転時に最大トルク47.8kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、最大トルクの発生回転数が若干高めにあるこのエンジンは、普段使いでも不足を感じることなく、それでいて高い回転数を維持すればスポーティな走行も楽しめるバランスの良さが魅力です。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する4400rpmから最高出力が発生する6800rpmまで」の2400rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は35.3%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
3000cc以下クラス編
日産の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
3000cc以下クラス編
日産の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ3.875kg/PS(1550kg/400PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ3.875kg/PS
車体+1人4.013kg/PS
車体+4人4.425kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg4.025kg/PS
車体+70kg4.050kg/PS
車体+80kg4.075kg/PS
車体+90kg4.100kg/PS
車体+100kg4.125kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは4.013kg/PS(1605kg/400PS)となり、数値としては0.138kg、比率にすると3.6%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの4人が搭乗した場合、車両重量に220kgがプラスされてパワーウェイトレシオは4.425kg/PS(1770kg/400PS)となり、数値としては0.550kg、比率にすると14.2%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。


BCNR33 スカイラインGT-Rのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
1996/01

-
スカイラインGT-R
4.013kg/PS
1605kg/400PS|2.8L-TT
[車体のみPWR:3.875]
2015/01

車種詳細
RC-F
3.847kg/PS
1835kg/477PS|5.0L-NA
車体のみPWR:3.732
2013/09

車種詳細
IS-F
4.058kg/PS
1745kg/430PS|5.0L-NA
車体のみPWR:3.930
2015/11

車種詳細
GS-F
3.952kg/PS
1885kg/477PS|5.0L-NA
車体のみPWR:3.836
2017/03

車種詳細
LC クーペ
4.182kg/PS
1995kg/477PS|5.0L-NA
車体のみPWR:4.067
2017/04

車種詳細
7シリーズ
3.900kg/PS
2375kg/609PS|6.6L-TT
車体のみPWR:3.810

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ4.013kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

3.812kg/PSから4.214kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、レクサスの4人乗りクーペ「USC10型 RC-F」、レクサスの4人乗りセダン「USE20型 IS-F」、レクサスの5人乗りセダン「URL10型 GS-F」、レクサスの4人乗りクーペ「URZ100型 LC クーペ」、BMWの5人乗りセダン「7H66型 7シリーズ」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

BCNR33型 スカイラインGT-R [GT-R NISMO 400R]とパワーウェイトレシオが近い車種|4.013kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は258.1PS/tとなっています。


スカイラインGT-Rがバイクと競争するなら…?


車種詳細
マグナ|748cc
4.000kg/PS
300kg/74.8PS/6.63kgm
[車体のみPWR:3.267]
1速ギヤ速度:78.3km/h
最小TWR:0.857
1996/01

-
スカイラインGT-R|2771cc
4.013kg/PS
1605kg/400PS/47.8kgm
[車体のみPWR:3.875]
1速ギヤ速度:63.1km/h
最小TWR:0.798

車種詳細
マグナ|748cc
4.013kg/PS
301kg/74.8PS/6.63kgm
[車体のみPWR:3.280]
1速ギヤ速度:78.3km/h
最小TWR:0.860

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではスカイラインGT-Rとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

RC43 マグナと競争してみる

まずスカイラインGT-Rより少しPWRが低いバイクとして、ホンダのマグナが挙げられます。PWRの4.000kg/PSは車両重量245kgにライダーの体重55kgを加えた300kgを、最高出力74.8PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はマグナに15.2km/h劣り、1速TWRは0.059kg勝る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

RC43 マグナと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ホンダのマグナが挙げられます。PWRの4.013kg/PSは車両重量246kg+55kgの301kgを、最高出力74.8PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は15.2km/h劣り、1速TWRは0.062kg勝る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.807
平均ピストンスピード 17.61m/s
トルクウェイトレシオ 32.43kg/kgm
1馬力あたりのお値段 30000円
排気量1Lあたり馬力 144.35PS/L
排気量1Lあたりトルク 17.25kgm/L
1気筒あたりの馬力 66.7PS
1気筒あたりのトルク 8.0kgm
パワーバンド比率 35.3%
燃費×馬力 2616.0pt
各種ランキング
クーペのPWR
2.5~3.0Lターボ車のPWR

トルクウェイトレシオは32.43kg/kgm(1550kg/47.8kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が12000000円、最高出力が400馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は30000円、逆に1万円あたりでは0.33馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は251046円、1万円あたりでは0.04kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
日産編
3000cc以下の車編
クーペ編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は144.35PS/L、トルクは17.25kgm/L、1気筒あたりの馬力は66.7馬力、トルクは8.0kgmとなり、このエンジンが400馬力を6800回転で発生させているときの平均ピストンスピードは17.61m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が77.7mmであるRB-X GT2型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は7720回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.807になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、走ってよし、曲がってよしで至れり尽くせりのオールラウンダーであると言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が6.54km/L、最高出力が400PSであるこの車の獲得ポイントは2616.0ptになります。
戯れに車両重量1550kgを100kg単位にした15.5で割ってみたところ、その数値は168.77ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


人間様の占有スペース

人間様の占有スペース
室内長×幅×高 2.81m³
1人あたりのスペース 約0.70m³
室内長/全長 38.9%
室内幅/全幅 77.3%
室内高/全高 82.0%
室内容積/車両体積 24.7%

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は2.81m³です。この車の乗車定員は4人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.70m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は38.9%、同じく室内幅と全幅の比率は77.3%、同じく室内高と全高の比率は82.0%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は24.7%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


スカイラインGT-Rでの車中泊

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.64m
期待される荷室の幅 1.31m
対角線の長さ 2.10m
期待される荷室の面積 2.15m²

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

縦方向の長さが1.64m(対角線では2.10m)ともなると、もはや車の中で生活しても良いんじゃないかと錯覚しかねないほど快適な睡眠が約束されます。

日頃の行いが悪いとか、人様には言えないことをやらかしたとか、誰の顔も見たくないなどの訳アリで家に帰れず、やむなく車中泊をしてみたが最期、あまりの気楽さに心を奪われ流浪の民となりかねません。

セダンやクーペであっても後部座席の背もたれを取り外してトランクルームと貫通させて荷室長を確保すれば良いだけの話です。たまに背もたれを取り外してもトランクルームと繋がっていなかったり、頑強な補強バーが入っていて邪魔されることもありますが、恐らく稀なケースです。
車中泊にあると嬉しいアイテム


ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合6800rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした7300回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 7300rpm|タイヤサイズ 275/35R18|タイヤ直径 65.0cm|円周長 204.2cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
7300rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 3.214 13.21 -
-
68km/h 10780rpm 1943.3kgm
2速 1.925 7.91 0.599 1-2/
4370rpm
113km/h 6460rpm 1163.9kgm
3速 1.302 5.35 0.676 2-3/
4930rpm
167km/h 4370rpm 787.2kgm
4速 1.000 4.11 0.768 3-4/
5610rpm
218km/h 3360rpm 604.6kgm
5速 0.752 3.09 0.752 4-5/
5490rpm
289km/h 2520rpm 454.7kgm
Final 4.111 レシオカバレッジ(変速比幅)4.274

ギヤの繋がりイメージ
BCNR33型スカイラインGT-R5MT車のギヤ比イメージ
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数4400rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.111)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(47.8kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.111)÷タイヤの有効半径(0.325m)で算出。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は5速ギヤの289km(6800rpmでは269.5km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

おまけ:6800rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

6800rpmでの速度と
シフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ63km/h-
2速ギヤ105km/h4070rpm
3速ギヤ156km/h4600rpm
4速ギヤ203km/h5220rpm
5速ギヤ269km/h5110rpm

BCNR33型スカイラインGT-Rに搭載されたRB-X GT2型2771ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する6800rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

まず1速ギヤで6800rpmまで引っ張ると63km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は6800rpmから4070rpmまで落ち、そこから6800rpmまで加速を続けると速度は105km/h(+42km/h)になります。

3速ギヤでは4600rpmまで落ちて6800rpmで156km/h(+51km/h)に、4速ギヤでは5220rpmまで落ちて6800rpmで203km/h(+47km/h)に、5速ギヤでは5110rpmまで落ちて6800rpmで269km/h(+66km/h)という具合に加速していくイメージです。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが4400回転で最大トルク47.8kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば32.43kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(3.875kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと1943.3kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1550kg)を1速ギヤの最大駆動力(1943.3kgm)で割ってみると0.798kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する6800回転でのトルク(42.1kgm)からTWRを算出すると0.91kg/kgmとなり、4400-6800回転の回転域では0.798-0.91kg/kgmの間で推移することがわかります。


ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4310 6470 8630 10780 12940 15100 19410
2速 2580 3880 5170 6460 7750 9040 11630
3速 1750 2620 3490 4370 5240 6120 7860
4速 1340 2010 2680 3360 4030 4700 6040
5速 1010 1510 2020 2520 3030 3530 4540
※赤い数字は暫定レブリミット(7300rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.752)を選択して時速100kmにて走行すると2520回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1510回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1770回転、一般的な高速道路の80km/hでは2020回転、100km/hでは2520回転、制限速度が120km/hになると3030回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは4540回転まで回ります。

一般的な自動車であれば時速100kmでの巡航回転数は2500回転付近に落ち着くようですが、その中でも若干高めの回転数となっています。標準的なギヤ比の範囲内ながらも静粛性や燃費よりも加速に重きを置いた設定なので、高速道路やバイパスを走行するとき、ふと「もう1段上のギヤがあったらなあ‥」と呟くことがあるかもしれません。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 9 19 28 37 46 56 65 74
2速 15 31 46 62 77 93 108 124
3速 23 46 69 92 114 137 160 183
4速 30 60 89 119 149 179 209 238
5速 40 79 119 159 198 238 277 317

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(7300回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。


純正装着タイヤの275/35R18と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 275/35R18 | 直径 650mm

-20mm
幅255mm
-10mm
幅265mm
変更なし
幅275mm
+10mm
幅285mm
+20mm
幅295mm
-5%
30
扁平
255/30R18
37.5km/h
直径610mm
径差-40mm
265/30R18
37.9km/h
直径616mm
径差-34mm
275/30R18
38.3km/h
直径622mm
径差-28mm
285/30R18
38.6km/h
直径628mm
径差-22mm
295/30R18
39.0km/h
直径634mm
径差-16mm
0%
35
扁平
255/35R18
39.1km/h
直径636mm
径差-14mm
265/35R18
39.6km/h
直径643mm
径差-7mm
275/35R18
40.0km/h
650mm
0mm
285/35R18
40.4km/h
直径657mm
径差+7mm
295/35R18
40.9km/h
直径664mm
径差+14mm
+5%
40
扁平
255/40R18
40.7km/h
直径661mm
径差+11mm
265/40R18
41.2km/h
直径669mm
径差+19mm
275/40R18
41.7km/h
直径677mm
径差+27mm
285/40R18
42.2km/h
直径685mm
径差+35mm
295/40R18
42.6km/h
直径693mm
径差+43mm
+10%
45
扁平
255/45R18
42.3km/h
直径687mm
径差+37mm
265/45R18
42.8km/h
直径696mm
径差+46mm
275/45R18
43.4km/h
直径705mm
径差+55mm
285/45R18
43.9km/h
直径714mm
径差+64mm
295/45R18
44.5km/h
直径723mm
径差+73mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、255/35R18 、265/35R18 、275/30R18 、285/30R18 、295/30R18あたりのタイヤがおすすめです。

275/35R18のタイヤ幅を255mmから305mmまで、扁平率を20%から50%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、275/35R18の適応サイズと性能の変化 [BCNR33型スカイラインGT-R編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
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BCNR33型スカイラインGT-R[2.8L-TT 4WD/5MT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト3.875kg/ps66.12
1速ギヤ加速性能0.798kg/kgm66.59
1L換算馬力144.35ps/L65.21
1L換算トルク17.25kgm/L54.25
WB/TR比1.80746.49
ワイド&ロー指数0.72762.01
前面の面積2.434m²55.34
最低地上高105mm70.08
スポーツ性能部門の得点486.09

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
10-15燃費7.7km/L38.34
年間維持費475000円36.48
100kmh回転数2520rpm49.59
航続距離500.5km37.54
車の大きさ11.378m³49.76
室内の広さ2.807m³44.21
最小回転半径5.7m39.17
馬力単価30000円38.72
ユーティリティ部門の得点333.81

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した BCNR33型スカイラインGT-R[2.8L-TT 4WD/5MT] の総合得点は 819.90 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したBCNR33型スカイラインGT-R(4WD/5MT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのクーペ」、「3000ccのクーペ」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

スカイラインGT-Rの歴代モデル

13代目 ZV37型 スカイライン
ZV37 スカイラインは2014/02に登場した13代目モデル。参考車両の「200GT-t」は全長4790mm、全幅1820mm、全高1450mmの車体に、211PS/35.7kgmを発生する274930型1991ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

12代目 NJ50型 スカイライン クロスオーバー
NJ50 スカイライン クロスオーバーは2009/07に登場した12代目モデル。参考車両の「370GT-FOUR」は全長4635mm、全幅1800mm、全高1575mmの車体に、330PS/36.8kgmを発生するVQ37型3696ccエンジンを搭載した5人乗りSUV。

11代目 HV35型 スカイライン
HV35 スカイラインは2001/06に登場した11代目モデル。参考車両の「300GT」は全長4675mm、全幅1750mm、全高1470mmの車体に、260PS/33.0kgmを発生するVQ30型2987ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

10代目 ENR34型 スカイライン セダン
ENR34 スカイライン セダンは1998/05に登場した10代目モデル。参考車両の「25GT-FOUR」は全長4705mm、全幅1720mm、全高1385mmの車体に、200PS/26.0kgmを発生するRB25型2498ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

9代目 BCNR33型 スカイラインGT-R
BCNR33 スカイラインGT-Rは1993/08に登場した9代目モデル。参考車両の「GT-R」は全長4675mm、全幅1780mm、全高1360mmの車体に、280PS/37.5kgmを発生するRB26型2568ccエンジンを搭載した4人乗りクーペ。

8代目 ECR32型 スカイライン クーペ
ECR32 スカイライン クーペは1989/05に登場した8代目モデル。参考車両の「GTS25 type-S」は全長4530mm、全幅1695mm、全高1325mmの車体に、180PS/23.0kgmを発生するRB25型2498ccエンジンを搭載した5人乗りクーペ。