KM10:B7の性能と維持費 FR/8AT 5人乗り 2306万円 2015年式

このページでは、BMWアルピナの4ドア・5人乗りセダン、2代目のABA-KM10型B7 BiTurbo Limousine Long F02【2015/01モデル・550PS/74.4kgm・FR/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

KM10 B7
販売期間:2009/04 - 2016/08

画像はBMWアルピナより引用
http://www.alpina.co.jp/
投稿:2016/02/25|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長5240mm×全幅1900mm×全高1490mm、排気量は4394ccであることから、大雑把に分類すると4.4リットルクラス(4400cc、自動車税は4.5L以下を適用)に属し、全長、全幅、排気量ともに5ナンバー枠を超えていることにより完全無欠の3ナンバー登録車です。いわゆる【高級車】にカテゴライズされます。
参考:500PS~600PSの自動車 一覧

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、後輪のみを駆動する、フロントエンジン・リヤドライブ方式(後輪駆動・FR・RWDとも)を採用しています。前輪は操舵、後輪は駆動と役割分担が異なることから優れたハンドリングを得られるとされ、運転の質を求める人々から絶大なる支持を集めます。高級車の代名詞的な駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が5240mmであるこの車の場合は「ラグジュアリー」(Luxury:4900mm超・Fセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


KM10型 B7 [4394cc/550PS FR/8AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

2代目B7の類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2016/01
7M2S型
[BiTurbo Limousine AllRad F01]
4.4L-TB・4WD/8AT・2179.5万円
550PS・74.4kgm・7.6km/L
550PS
74.4kgm
7.6km/L
2015/01
JM10型
[BiTurbo Limousine F01]
4.4L-TB・FR/8AT・2080.0万円
550PS・74.4kgm・7.6km/L
550PS
74.4kgm
7.6km/L
2010/12
型式不明
[BiTurbo Limousine AllRad]
4.4L-TB・4WD/6AT・2045.0万円
520PS・72.9kgm・-
520PS
72.9kgm
-
2代目B7の車両型式・グレード一覧【全6車種】
B7の新型モデル
6代目 7M30型B7 リムジン
7M30型B7 リムジンは2016/02に登場した6代目モデル。参考車両の「BiTurbo Limousine-Long G12」は全長5268mm、全幅1902mm、全高1491mmの車体に、608PS/81.6kgmを発生する4394ccエンジンを搭載。

B7の旧型モデル
初代 謎型B7
謎型B7は2003/10に登場した初代モデル。参考車両の「Super-Charge」は全長5050mm、全幅1900mm、全高1475mmの車体に、500PS/71.4kgmを発生する4397ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー BMWアルピナ
車名&
グレード
B7
BiTurbo Limousine Long F02
その他 ビターボリムジン
お値段 23060000円
車両型式 ABA-KM10
駆動方式
変速機
FR・後輪駆動(RWD,2WD)
8速AT・8速オートマ車
ドア/定員 4ドア/5名乗車
車体寸法 長5240×幅1900×高1490mm
軸距&
輪距
3210mm
前1620mm/後1630mm
タイヤ 前輪:245/35R21
後輪:285/30R21
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 2150kg
エンジン諸元
原動機型式 不明
気筒配列 V型8気筒
排気量4394cc
圧縮比10.0
吸気方式 ターボ
最高出力 550PS[404kW]/5200-6250rpm
最大トルク 74.4kgm[730Nm]/2800-5000rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
JC08燃費 7.9km/L(18.6mpg)
100km燃費 12.7L/100km

V型8気筒とは‥シリンダをV字型に交互で8個配置する方式。中?大排気量のスタンダード。
V型8気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税76500円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税20500円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額8000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2015/01モデルのB7を9年落ちの中古で1522.0万円にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    B7の2015/01モデルの場合、2024年現在では9年が経過しているため、新車価格の60%である1383.6万円に諸経費として138.4万円を足した1522.0万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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2015年式を9年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 4500cc以下 13年未満 76500円
自動車重量税(1年分) 2.5トン以下 13年未満 20500円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷7.3×190円/L 260270円
オイル交換(5000km毎) 1回8500円×2回 17000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本28000円×4本÷5年 22400円
任意保険料(月額8000円) 月額8000円×12ヶ月 96000円
ローン完済後の年間維持費 501500円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額253660円×12ヶ月 3043920円
ローン返済中の年間維持費 3545500円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 61700円
名目 金額
自動車税(1年分) 76500円
自動車重量税(1年分) 20500円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
260270円
(182190円)
(130140円)
(78080円)
オイル交換(5000km毎) 17000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 22400円
任意保険料(月額8000円) 96000円
ローン完済後の年間維持費 501500円
名目 金額
車のローン額(1年分) 3043920円
ローン返済中の年間維持費 3545500円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
61700円
  • 初度登録から9年経過車の場合、「4500cc以下で13年未満」クラスの自動車税は76500円、「2.5トン以下で13年未満」クラスの自動車重量税は20500円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに8500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本28000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額8000円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした61700円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

年間の維持費が50万円を超えてくると、これはもうこの車そのものが趣味の世界です。もしくは、これだけの維持費が掛かる車を所有していることに喜びを感じ、ある種のカタルシスを感じているかもしれません。

名にし負うB7ともなれば、その維持費は月額でさえ41800円(ローン完済前は295500円)という破格の金額。とてもじゃないが頭金0円!一世一代のフルローン!で乗るような車ではありません。どうしても乗りたい言うなら、清水の舞台から飛び降りる覚悟でご近所をノロノロ運転して満足するか、盆栽としてガレージに飾っておくならまあ、あるいは…

B7の維持費は高い?安い?

「B7の年間維持費は501500円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「4500ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてB7の維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いクイックデリバリー200348670円-152830円
7シリーズ433500円-68000円
M8 グランクーペ437500円-64000円
セルシオ483200円-18300円
B7の維持費501500円
基準4500ccクラス平均526100円+24600円
XJ562100円+60600円
S6 セダン596900円+95400円
レンジローバー ヴォーグ610700円+109200円
高いサファリ672900円+171400円

B7の年間維持費を、4500ccクラスで最も維持費が安いクイックデリバリー200と比較して152830円高く、最も高いサファリと比較して171400円安く、4500ccクラスの平均維持費との比較では24600円安くなっています。

最低額のクイックデリバリー200と最高額のサファリは極端な例としても、4500ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、B7の維持費は ちょっと安い! と言えそうです。

年間維持費が安い 4500ccクラスの車 ランキング

B7を維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%650万円55万円43万円
15%430万円36万円28万円
20%330万円28万円22万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は650万円(総支給額55万円/月、手取り43万円/月)、ここから月額維持費4.2万円を支払うと残りは38.8万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は430万円(総支給額36万円/月、手取り28万円/月)、4.2万円を支払うと残りは23.8万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が330万円(総支給額28万円/月、手取り22万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。4.2万円を引くと残りは17.8万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代27万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり190円を基準として、-50円となる140円から、+50円となる240円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費7.3km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
140円/L
191790円
[-68480円]
-25円
165円/L
226040円
[-34230円]
-10円
180円/L
246590円
[-13680円]
190円/L260270円
[0円]
+10円
200円/L
273980円
[+13710円]
+25円
215円/L
294530円
[+34260円]
+50円
240円/L
328780円
[+68510円]

燃費7.3km/LのKM10型 B7で10000km走行するのに必要な燃料は1369.9L、1リットルあたり190円としたときの燃料代は260270円になります。

参考までに、B7の燃料タンクは80リットルですので、1369.9Lの給油回数は18回、1回あたりの燃料代は約14460円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては13710円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると34260円、50円も違ってくると68510円にもなります。

これをKM10型 B7の年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり190円の場合を501500円としたとき、140円/Lに値下がりすれば433020円(86.3%)に、240円/Lに値上がりすれば570010円(113.7%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(76500円)なり重量税(20500円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

税金の安さは折り紙付き!
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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76500円 27%
自動車重量税 1年分 20500円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 3000km分 78080円 27%
オイル交換 年1回 8500円 3%
タイヤ交換 6年毎 14930円 5%
任意保険料 80% 76800円 28%
合計
[1万kmとの差額]
284200円
-217300円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76500円 22%
自動車重量税 1年分 20500円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 5000km分 130140円 38%
オイル交換 年1回 8500円 2%
タイヤ交換 6年毎 14930円 4%
任意保険料 85% 81600円 25%
合計
[1万kmとの差額]
341000円
-160500円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76500円 19%
自動車重量税 1年分 20500円 5%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 7000km分 182190円 45%
オイル交換 年1回 11900円 3%
タイヤ交換 6年毎 14930円 4%
任意保険料 90% 86400円 22%
合計
[1万kmとの差額]
401300円
-100200円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料96000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて217300円安い284200円に、5000km走行では160500円安い341000円に、7000km走行では100200円安い401300円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76500円 11%
自動車重量税 1年分 20500円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 15000km分 390410円 58%
オイル交換 年3回 51000円 8%
タイヤ交換 2.7年毎 33600円 5%
任意保険料 100% 96000円 14%
合計
[1万kmとの差額]
676900円
+175400円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76500円 9%
自動車重量税 1年分 20500円 2%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 520540円 62%
オイル交換 年4回 68000円 8%
タイヤ交換 2年毎 44800円 5%
任意保険料 100% 96000円 13%
合計
[1万kmとの差額]
835200円
+333700円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
輸入車・外車の小型車&普通車編
4500cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
4ドア・セダン編

B7の燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
JC08モード燃費 7.9km/L
燃料タンク容量 80L
航続距離(カタログ燃費) 632.0km
航続距離(80%燃費) 504.0km
満タンプライス 15200円
1km走行コスト 24.05円
1万円でどこまで行ける? 415.8km

JC08モード燃費が7.9km/L、燃料タンク容量80リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は632.0kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(7.1km/L)とすると航続距離は568.0km、80%(6.3km/L)だと504.0km、70%(5.5km/L)では440.0kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から80リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり190円では15200円、上で計算した航続距離を踏まえると632.0km(80%燃費時504.0km)を走行するのに15200円かかる計算です。

燃費を7.3km/Lとしたときの1km走行コストは24.05円、10万km走行したときの燃料代は240.5万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら24.1万円/年、7年10万kmなら34.4万円/年、5年10万kmなら48.1万円/年、3年10万kmなら80.2万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば415.8km(往復なら片道207.9km)、カタログ値の80%なら332.6km(片道166.3km)離れたところまで行くことができます。

カタログデータから見えてくる要素

簡易エンジン性能曲線図
各回転域での馬力
2800回転時の馬力 291PS
5000回転時の馬力 519PS
5200回転時の馬力 550PS
6250回転時の馬力 550PS
各回転域でのトルク
2800回転時のトルク 74.4kgm
5000回転時のトルク 74.4kgm
5200回転時のトルク 75.8kgm
6250回転時のトルク 63.0kgm

まずおさらいとして、搭載しているV型8気筒、4394ccのターボエンジンは5200-6250回転時に最高出力550馬力を、2800-5000回転時に最大トルク74.4kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する2800rpmから最高出力が発生する6250rpmまで」の3450rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は55.2%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
4500cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
4500cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ3.909kg/PS(2150kg/550PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ3.909kg/PS
車体+1人4.009kg/PS
車体+5人4.409kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg4.018kg/PS
車体+70kg4.036kg/PS
車体+80kg4.055kg/PS
車体+90kg4.073kg/PS
車体+100kg4.091kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは4.009kg/PS(2205kg/550PS)となり、数値としては0.100kg、比率にすると2.6%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは4.409kg/PS(2425kg/550PS)となり、数値としては0.500kg、比率にすると12.8%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

KM10 B7のライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2015/01

-
B7
4.009kg/PS
2205kg/550PS|4.4L-TB
[車体のみPWR:3.909]
2015/01

車種詳細
RC-F
3.847kg/PS
1835kg/477PS|5.0L-NA
車体のみPWR:3.732
2013/09

車種詳細
IS-F
4.058kg/PS
1745kg/430PS|5.0L-NA
車体のみPWR:3.930
2015/11

車種詳細
GS-F
3.952kg/PS
1885kg/477PS|5.0L-NA
車体のみPWR:3.836
1996/01

車種詳細
スカイラインGT-R
4.013kg/PS
1605kg/400PS|2.8L-TT
車体のみPWR:3.875
2017/03

車種詳細
LC クーペ
4.182kg/PS
1995kg/477PS|5.0L-NA
車体のみPWR:4.067

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ4.009kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

3.809kg/PSから4.209kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、レクサスの4人乗りクーペ「USC10型 RC-F」、レクサスの4人乗りセダン「USE20型 IS-F」、レクサスの5人乗りセダン「URL10型 GS-F」、日産の4人乗りクーペ「BCNR33型 スカイラインGT-R」、レクサスの4人乗りクーペ「URZ100型 LC クーペ」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

KM10型 B7 [BiTurbo Limousine Long F02]のライバル車種|4.009kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は255.8PS/tとなっています。


B7がバイクと競争するなら…?


車種詳細
マグナ|748cc
4.000kg/PS
300kg/74.8PS/6.63kgm
[車体のみPWR:3.267]
1速ギヤ速度:78.3km/h
最小TWR:0.857
2015/01

-
B7|4394cc
4.009kg/PS
2205kg/550PS/74.4kgm
[車体のみPWR:3.909]
1速ギヤ速度:62.6km/h
最小TWR:0.767

車種詳細
マグナ|748cc
4.013kg/PS
301kg/74.8PS/6.63kgm
[車体のみPWR:3.280]
1速ギヤ速度:78.3km/h
最小TWR:0.860

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではB7とパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

RC43 マグナと競争してみる

まずB7より少しPWRが低いバイクとして、ホンダのマグナが挙げられます。PWRの4.000kg/PSは車両重量245kgにライダーの体重55kgを加えた300kgを、最高出力74.8PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はマグナに15.7km/h劣り、1速TWRは0.090kg勝る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

RC43 マグナと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ホンダのマグナが挙げられます。PWRの4.013kg/PSは車両重量246kg+55kgの301kgを、最高出力74.8PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は15.7km/h劣り、1速TWRは0.093kg勝る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.975
平均ピストンスピード 18.40m/s
トルクウェイトレシオ 28.90kg/kgm
1馬力あたりのお値段 41927円
排気量1Lあたり馬力 125.17PS/L
排気量1Lあたりトルク 16.93kgm/L
1気筒あたりの馬力 68.8PS
1気筒あたりのトルク 9.3kgm
パワーバンド比率 55.2%
燃費×馬力 4042.5pt
各種ランキング
セダンのPWR
4.0~4.5L以下のPWR

トルクウェイトレシオは28.90kg/kgm(2150kg/74.4kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が23060000円、最高出力が550馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は41927円、逆に1万円あたりでは0.24馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は309946円、1万円あたりでは0.03kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
4500cc以下の車編
セダン編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は125.17PS/L、トルクは16.93kgm/L、1気筒あたりの馬力は68.8馬力、トルクは9.3kgmとなり、このエンジンが550馬力を6250回転で発生させているときの平均ピストンスピードは18.40m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が88.3mmであるこのエンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6800回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.975になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、小回りよりも真っ直ぐ進むことを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が7.35km/L、最高出力が550PSであるこの車の獲得ポイントは4042.5ptになります。
戯れに車両重量2150kgを100kg単位にした21.5で割ってみたところ、その数値は188.02ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)



B7での車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.834m
期待される荷室の幅 1.500m
対角線の長さ 2.369m
期待される荷室の面積 2.751m²

縦方向の長さが1.834m(対角線では2.369m)などという破格のクラスになると、これはもう四の五の言わず車に住むべきです。

これだけの車を所持できる素養は持ち得ているのですから、細かいことは気にせずあらゆる支配からの卒業を宣言し、信じられぬ大人との争いに終止符を打ちましょう。

セダンやクーペであっても後部座席の背もたれを取り外してトランクルームと貫通させて荷室長を確保すれば良いだけの話です。たまに背もたれを取り外してもトランクルームと繋がっていなかったり、頑強な補強バーが入っていて邪魔されることもありますが、恐らく稀なケースです。

車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合5200-6250rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6750回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6750rpm|タイヤサイズ 285/30R21|タイヤ直径 70.4cm|円周長 221.2cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6750rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 4.714 13.26 -
-
68km/h 9990rpm 2802.8kgm
2速 3.143 8.84 0.667 1-2/
4500rpm
101km/h 6660rpm 1868.7kgm
3速 2.106 5.92 0.670 2-3/
4520rpm
151km/h 4460rpm 1252.2kgm
4速 1.667 4.69 0.792 3-4/
5350rpm
191km/h 3530rpm 991.1kgm
5速 1.285 3.61 0.771 4-5/
5200rpm
248km/h 2720rpm 764.0kgm
6速 1.000 2.81 0.778 5-6/
5250rpm
318km/h 2120rpm 594.6kgm
7速 0.839 2.36 0.839 6-7/
5660rpm
380km/h 1780rpm 498.8kgm
8速 0.667 1.88 0.795 7-8/
5370rpm
477km/h 1410rpm 396.6kgm
Final 2.813 レシオカバレッジ(変速比幅)7.067

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数2800-5000rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(2.813)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(74.4kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(2.813)÷タイヤの有効半径(0.352m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は8速ギヤの477km(6250rpmでは442.1km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが2800-5000回転で最大トルク74.4kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば28.90kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(3.909kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと2802.8kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(2150kg)を1速ギヤの最大駆動力(2802.8kgm)で割ってみると0.767kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する6250回転でのトルク(63.0kgm)からTWRを算出すると0.906kg/kgmとなり、2800-6250回転の回転域では0.767-0.906kg/kgmの間で推移することがわかります。


おまけ:6250rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

KM10型B7に搭載された4394ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する6250rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

6250rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ63km/h-
2速ギヤ94km/h4170rpm
3速ギヤ140km/h4190rpm
4速ギヤ177km/h4950rpm
5速ギヤ229km/h4820rpm
6速ギヤ295km/h4860rpm
7速ギヤ351km/h5240rpm
8速ギヤ442km/h4970rpm

まず1速ギヤで6250rpmまで引っ張ると63km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は6250rpmから4170rpmまで落ち、そこから6250rpmまで加速を続けると速度は94km/h(+31km/h)になります。

3速ギヤでは4190rpmまで落ちて6250rpmで140km/h(+46km/h)に、4速ギヤでは4950rpmまで落ちて6250rpmで177km/h(+37km/h)に、5速ギヤでは4820rpmまで落ちて6250rpmで229km/h(+52km/h)になります。

続いて6速ギヤでは4860rpmまで落ちて6250rpmで295km/h(+66km/h)に、7速ギヤでは5240rpmまで落ちて6250rpmで351km/h(+56km/h)に、8速ギヤでは4970rpmまで落ちて6250rpmで442km/h(+91km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4000 5990 7990 9990 11990 13990 17980
2速 2660 4000 5330 6660 7990 9330 11990
3速 1790 2680 3570 4460 5360 6250 8030
4速 1410 2120 2830 3530 4240 4950 6360
5速 1090 1630 2180 2720 3270 3810 4900
6速 850 1270 1700 2120 2540 2970 3820
7速 710 1070 1420 1780 2130 2490 3200
8速 570 850 1130 1410 1700 1980 2540
※赤い数字は暫定レブリミット(6750rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.667)を選択して時速100kmにて走行すると1410回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは850回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは990回転、一般的な高速道路の80km/hでは1130回転、100km/hでは1410回転、制限速度が120km/hになると1700回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは2540回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 10 20 30 40 50 60 70 80
2速 15 30 45 60 75 90 105 120
3速 22 45 67 90 112 134 157 179
4速 28 57 85 113 142 170 198 226
5速 37 73 110 147 184 220 257 294
6速 47 94 142 189 236 283 330 377
7速 56 112 169 225 281 337 394 450
8速 71 141 212 283 354 424 495 566

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6750回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの285/30R21と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 285/30R21 | 直径 704mm

-20mm
幅265mm
-10mm
幅275mm
変更なし
幅285mm
+10mm
幅295mm
+20mm
幅305mm
-5%
25
扁平
265/25R21
37.8km/h
直径666mm
径差-38mm
275/25R21
38.1km/h
直径671mm
径差-33mm
285/25R21
38.4km/h
直径676mm
径差-28mm
295/25R21
38.7km/h
直径681mm
径差-23mm
305/25R21
39.0km/h
直径686mm
径差-18mm
0%
30
扁平
265/30R21
39.3km/h
直径692mm
径差-12mm
275/30R21
39.7km/h
直径698mm
径差-6mm
285/30R21
40.0km/h
704mm
0mm
295/30R21
40.3km/h
直径710mm
径差+6mm
305/30R21
40.7km/h
直径716mm
径差+12mm
+5%
35
扁平
265/35R21
40.9km/h
直径719mm
径差+15mm
275/35R21
41.2km/h
直径726mm
径差+22mm
285/35R21
41.6km/h
直径733mm
径差+29mm
295/35R21
42.0km/h
直径740mm
径差+36mm
305/35R21
42.4km/h
直径747mm
径差+43mm
+10%
40
扁平
265/40R21
42.3km/h
直径745mm
径差+41mm
275/40R21
42.8km/h
直径753mm
径差+49mm
285/40R21
43.2km/h
直径761mm
径差+57mm
295/40R21
43.7km/h
直径769mm
径差+65mm
305/40R21
44.1km/h
直径777mm
径差+73mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、265/30R21 、275/25R21、275/30R21 、285/25R21 、295/25R21 、305/25R21あたりのタイヤがおすすめです。

285/30R21のタイヤ幅を265mmから315mmまで、扁平率を15%から45%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、285/30R21の適応サイズと性能の変化 [KM10型B7編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】285/30R21のタイヤ銘柄と通販価格

KM10型B7[4.4Lターボ FR/8AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト3.909kg/ps66.03
1速ギヤ加速性能0.767kg/kgm67.29
1L換算馬力125.17ps/L57.99
1L換算トルク16.93kgm/L53.07
WB/TR比1.97529.18
ワイド&ロー指数0.78457.88
前面の面積2.831m²44.29
最低地上高-43.72
スポーツ性能部門の得点419.45

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
JC08燃費7.9km/L34.77
年間維持費501500円33.98
100kmh回転数1410rpm64.31
航続距離632.0km45.28
車の大きさ14.834m³63.39
室内の広さ(仮) 2.690m³43.07
最小回転半径-39.45
馬力単価41927円23.22
ユーティリティ部門の得点347.47

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した KM10型B7[4.4Lターボ FR/8AT] の総合得点は 766.92 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したKM10型B7(FR/8AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのセダン」、「4500ccのセダン」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

B7の歴代モデル

6代目 7M30型 B7 リムジン
7M30 B7 リムジンは2016/02に登場した6代目モデル。参考車両の「BiTurbo Limousine-Long G12」は全長5268mm、全幅1902mm、全高1491mmの車体に、608PS/81.6kgmを発生する4394ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

2代目 KM10型 B7
KM10 B7は2009/04に登場した2代目モデル。参考車両の「BiTurbo Limousine-Long」は全長5227mm、全幅1902mm、全高1494mmの車体に、520PS/72.9kgmを発生する4394ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

初代 謎型 B7
謎 B7は2003/10に登場した初代モデル。参考車両の「Super-Charge」は全長5050mm、全幅1900mm、全高1475mmの車体に、500PS/71.4kgmを発生する4397ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。