AUDNU ゴルフGTIの性能と維持費 FF/7AT 5人 510万円 2019年式

このページでは、フォルクスワーゲンの5ドア・5人乗りハッチバック、7代目の3BA-AUDNU型ゴルフGTI TCR【2019/10モデル・290PS/38.7kgm・FF/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

AUDNU ゴルフGTI
販売期間:2013/04 - 2021/04

画像はフォルクスワーゲンより引用
http://www.volkswagen.co.jp/
投稿:2019/12/17|更新:2021/07/01

ボディサイズが全長4275mm×全幅1800mm×全高1465mm、排気量は1984ccであることから、大雑把に分類すると2.0リットルクラス(2000cc、自動車税は2.0L以下を適用)に属し、全長、全高、排気量は5ナンバー枠ながら全幅が1.7mを超えていることにより3ナンバー登録になります。この手のタイプはいわゆる世界戦略車(グローバルカー)に多くあるようです。

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、前輪のみを駆動する、フロントエンジン・フロントドライブ方式(FF・FWD・前輪駆動とも)を採用しています。この方式はエンジンと駆動系(ミッション、デフ等)の収納がエンジンルーム内で完結するので、軽量コンパクトかつ低コスト化が実現でき、室内を広く作りやすい(エンジンが横置きの場合)ほか、後輪駆動車に比べて直進安定性に優れることが主な特長です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4275mmであるこの車の場合は「ロア ミディアム」(Lower-Medium:3850mm超-4300mm以下・Cセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


AUDNU型 ゴルフGTI [1984cc/290PS FF/7AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

7代目ゴルフGTIの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2018/06
AUCHH型
[GTI Dynamic]
2.0L-TB | FF/6MT
| 435.9万円
230PS
35.7kgm
15.1km/L
2018/06
AUCHH型
[GTI Dynamic]
2.0L-TB | FF/6AT
| 445.9万円
230PS
35.7kgm
14.6km/L
2017/10
AUDLB型
[Performance]
2.0L-TB | FF/7AT
| 456.0万円
245PS
37.7kgm
14.0km/L
7代目ゴルフGTIの車両型式・グレード一覧【全23車種】
ゴルフGTIの新型モデル
8代目 CDDNFF型ゴルフR
CDDNFF型ゴルフRは2021/07に登場した8代目モデル。参考車両の「R」は全長4295mm、全幅1790mm、全高1460mmの車体に、320PS/42.8kgmを発生するDNF型1984ccエンジンを搭載。

ゴルフGTIの旧型モデル
6代目 1KCDLF型ゴルフR
1KCDLF型ゴルフRは2009/04に登場した6代目モデル。参考車両の「R」は全長4220mm、全幅1790mm、全高1495mmの車体に、256PS/33.7kgmを発生するCDL型1984ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー VOLKSWAGEN
車名&
グレード
ゴルフGTI
TCR
その他 600台限定車|4.470(1-4-5-B)/3.304(2-3-6-7)
お値段 5098000円
車両型式 3BA-AUDNU
駆動方式
変速機
FF・前輪駆動(FWD,2WD)
7速AT・7速オートマ車
ドア/定員 5ドア/5人
車体寸法 長4275×幅1800×高1465mm
軸距&
輪距
2635mm
前1535mm/後1510mm
最小半径 5.7m
タイヤ 前輪:235/35R19
後輪:235/35R19
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 1420kg
エンジン諸元
原動機型式 DNU
気筒配列 直列4気筒
排気量1984cc
圧縮比9.3
吸気方式 ターボ
最高出力 290PS[213kW]/5400-6500rpm
最大トルク 38.7kgm[380Nm]/1950-5300rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
WLTC燃費 12.7km/L(29.9mpg)
100km燃費 7.9L/100km
DNU型エンジンの諸元と性能まとめ
直列4気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に4個配置する方式。小排気量から2.5Lあたりまでをカバー。
直列4気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税39500円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税12300円/年と自賠責保険料10005円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額5500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2019/10モデルのゴルフGTIを4年落ちの中古で476.6万円にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    ゴルフGTIの2019/10モデルの場合、2023年現在では4年が経過しているため、新車価格の85%である433.3万円に諸経費として43.3万円を足した476.6万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
  • 自動車保険は比較で安くなる!

2019年式を4年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 2000cc以下 13年未満 39500円
自動車重量税(1年分) 1.5トン以下 13年未満 12300円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 10005円
燃料代(年間1万km) 10000km÷12.7km/L×175円/L 137800円
オイル交換(5000km毎) 1回5500円×2回 11000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本21000円×4本÷5年 16800円
任意保険料(月額5500円) 月額5500円×12ヶ月 66000円
ローン完済後の年間維持費 293500円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額79440円×12ヶ月 953280円
ローン返済中の年間維持費 1246700円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分+検査手数料等3000円程度 47700円
名目 金額
自動車税(1年分) 39500円円
自動車重量税(1年分) 12300円
自賠責保険料(1年分) 10005円
燃料代(年間1万km) 137800円
オイル交換(5000km毎) 11000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 16800円
任意保険料(月額5500円) 66000円
ローン完済後の年間維持費 293500円
名目 金額
車のローン額(1年分) 953280円
ローン返済中の年間維持費 1246700円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
47700円
  • 初度登録から4年経過車の場合、「2000cc以下で13年未満」クラスの自動車税は39500円、「1.5トン以下で13年未満」クラスの自動車重量税は12300円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに5500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本21000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額5500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2017年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした47700円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

お財布に厚みが増した勢いで少し色気を出して、自身の車にステータス性を欲すると月換算で2万円~3万円の間、年間にすると24万円~36万円のクラスです。ゴルフGTI【TCR】の場合、維持費の月額は24500円(ローン完済前は103900円)になります。

口癖のように「もうちょっと維持費が安ければねえ…?」なんて呟くその姿は自慢げなようであり、しかし哀愁を帯びているようでもあり対応に困ります。より維持費の掛からない新しい車を買うほどではない、が、維持費のことを考えずにもいられない、そんなクラスです。全体から見るとこの辺りから面白味のある車が増えてくるイメージです。


低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 39500円 23%
自動車重量税 1年分 12300円 7%
自賠責保険料 1年分 10005円 6%
燃料代 3000km分 41340円 24%
オイル交換 年1回 5500円 3%
タイヤ交換 6年毎 11200円 6%
任意保険料 80% 52800円 31%
合計
[1万kmとの差額]
172700円
-120800円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 39500円 19%
自動車重量税 1年分 12300円 6%
自賠責保険料 1年分 10005円 5%
燃料代 5000km分 68900円 34%
オイル交換 年1回 5500円 3%
タイヤ交換 6年毎 11200円 6%
任意保険料 85% 56160円 27%
合計
[1万kmとの差額]
203600円
-89900円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 39500円 17%
自動車重量税 1年分 12300円 5%
自賠責保険料 1年分 10005円 4%
燃料代 7000km分 96460円 41%
オイル交換 年1回 7700円 3%
タイヤ交換 6年毎 11200円 5%
任意保険料 90% 59400円 25%
合計
[1万kmとの差額]
236600円
-56900円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料66000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて120800円安い172700円に、5000km走行では89900円安い203600円に、7000km走行では56900円安い236600円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 39500円 10%
自動車重量税 1年分 12300円 3%
自賠責保険料 1年分 10005円 3%
燃料代 15000km分 206700円 53%
オイル交換 年3回 33000円 8%
タイヤ交換 2.7年毎 25200円 6%
任意保険料 100% 66000円 17%
合計
[1万kmとの差額]
392800円
+99300円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 39500円 8%
自動車重量税 1年分 12300円 3%
自賠責保険料 1年分 10005円 2%
燃料代 20000km分 275600円 57%
オイル交換 年4回 44000円 9%
タイヤ交換 2年毎 33600円 7%
任意保険料 100% 66000円 14%
合計
[1万kmとの差額]
481100円
+187600円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。


【WLTC特典】市街地・郊外・高速道路の走行比率を変えるとどうなるの?

ひとくちにWLTCモード燃費と言いましても、信号や渋滞があるノロノロ道路の走行を想定した市街地モード(9.2km/L)、信号や渋滞が少ないスイスイ道路の走行を想定した郊外モード(12.8km/L)、高速道路の走行を想定した高速道路モード(15.1km/L)という3つの走行パターンを内包してありまして、これらを「平均的な使用時間配分」なるもので構成したのがWLTCモード燃費(12.7km/L)ということになります。

ここでは年間走行距離を10000kmとして市街地、郊外、高速道路の走行比率を変えてみたとき、WLTCモード燃費でのガソリン代137800円からどのように変化するかを見ていきたいと思います。

  • 1リットル175円として計算。
  • []内は低燃費タイヤ装着(エコタイヤ)で燃費が3%向上すると仮定した場合のガソリン代。
    たった3%のようですが、もともとの燃費が…なため、お財布には劇的な効果があります。

参考:燃費が3%向上すると…?
市街地9.2km/L → 9.5km/L
郊外12.8km/L → 13.2km/L
高速道路15.1km/L → 15.6km/L

●例1:都市部にお住まい

まず最初に、市街地の住まいを想定して、走行の大半を市街地(90%)、たまに郊外へお買い物(5%)、稀に高速道路に乗ってどこか遠くへ…(5%)という場合で見てみます。

市街地90%・郊外5%・高速5%
市街地9000km171200円
[165800円]
郊外500km6840円
[6630円]
高速道路500km5790円
[5620円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
183830円
+46030円
9.5km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
178050円
-5780円
9.8km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を9000kmとするとき、市街地モード燃費が9.2km/Lではガソリン978.3Lを消費して、ガソリン代は171200円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を500kmとするとき、郊外モード燃費が12.8km/Lではガソリン39.1Lを消費して、ガソリン代は6840円になります。
  • 高速道路走行のガソリン代
    高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が15.1km/Lではガソリン33.1Lを消費して、ガソリン代は5790円になります。

このパターンでは使用した燃料量が1050.5L、かかったガソリン代が183830円となり、平均燃費は9.5km/L(-3.2km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は+46030円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着で燃費が3%アップするとして、同じ条件で走行するとガソリン代は178050円となり、5780円安くなります。車検2回ごとにタイヤ交換するとき、寿命までの5年間で28900円の経費削減になる計算です。純正タイヤとエコタイヤの差額がこれ以上ならお得、以下なら…?

●例2:市街地と郊外を行き来

次に、とにかく市街地と郊外を行ったり来たりする条件を想定して、市街地の走行を50%、郊外の走行を50%、高速道路は走行しない場合を見てみます。

市街地50%・郊外50%・高速0%
市街地5000km95110円
[92100円]
郊外5000km68360円
[66290円]
高速道路0km0円
[0円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
163470円
+25670円
10.7km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
158390円
-5080円
11.0km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を5000kmとするとき、市街地モード燃費が9.2km/Lでは543.5Lを消費して、ガソリン代は95110円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を5000kmとするとき、郊外モード燃費が12.8km/Lでは390.6Lを消費して、ガソリン代は68360円になります。

このパターンでは使用した燃料量が934.1L、かかったガソリン代が163470円となり、平均燃費は10.7km/L(-2.0km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は+25670円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着ではガソリン代が158390円となり、1年間で5080円、5年間で25400円の経費削減になる計算です。

●例3:市街地・郊外・高速道路をMix

続いて、都市部に住んでいて郊外の職場へ通勤、あるいは郊外に住んでいて都市部の職場へ通勤、高速利用もバッチリ!という感じでシミュレーションしてみます。

市街地33.3%・郊外33.4%・高速33.3%
市街地3330km63350円
[61340円]
郊外3340km45660円
[44280円]
高速道路3330km38590円
[37360円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
147600円
+9800円
11.9km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
142980円
-4620円
12.2km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を3330kmとするとき、市街地モード燃費が9.2km/Lでは362.0Lを消費して、ガソリン代は63350円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を3340kmとするとき、郊外モード燃費が12.8km/Lでは260.9Lを消費して、ガソリン代は45660円になります。
  • 高速道路走行のガソリン代
    高速道路の走行を3330kmとするとき、高速道路モード燃費が15.1km/Lでは220.5Lを消費して、ガソリン代は38590円になります。

このパターンでは使用した燃料量が843.4L、かかったガソリン代が147600円となり、平均燃費は11.9km/L(-0.8km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は+9800円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着ではガソリン代が142980円となり、1年間で4620円、5年間で23100円の経費削減になる計算です。

●例4:農村部にお住まい

最後に、びっくりするほど田舎な住まいを想定して、市街地の走行を5%、郊外の走行を90%、高速道路の走行を5%とした場合を見てみます。

市街地5%・郊外90%・高速5%
市街地500km9500円
[9210円]
郊外9000km123040円
[119320円]
高速道路500km5790円
[5620円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
138330円
+530円
12.7km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
134150円
-4180円
13.0km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を500kmとするとき、市街地モード燃費が9.2km/Lでは54.3Lを消費して、ガソリン代は9500円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を9000kmとするとき、郊外モード燃費が12.8km/Lでは703.1Lを消費して、ガソリン代は123040円になります。
  • 高速道路走行のガソリン代
    高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が15.1km/Lでは33.1Lを消費して、ガソリン代は5790円になります。

このパターンでは使用した燃料量が790.5L、かかったガソリン代が138330円となり、平均燃費は12.7km/L(0.0km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は+530円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着ではガソリン代が134150円となり、1年間で4180円、5年間で20900円の経費削減になる計算です。

以上、極端な条件でのシミュレーションではありますが、走行シチュエーションによって平均燃費は変わり(9.5km/L・10.7km/L・11.9km/L・12.7km/L)、ガソリン代のほうもなかなかな違い(183830円・163470円・147600円・138330円)が出てくることがわかります。


1km走行コストと月間&年間交通費

距離/日費用/日月換算年換算
10km140円3100円3.6万円
20km280円6200円7.3万円
30km410円9000円10.7万円
50km690円15200円17.9万円
100km1380円30400円35.9万円

さて、ハイオクガソリン1リットルの燃料価格を175円、燃費を12.7km/Lとしたとき、1km走行あたりのコストは13.78円になります。

たとえばこの車を通勤車とした場合、1日の走行距離が10kmならガソリン代は140円/日となり、20km走行なら280円/日、30km走行なら410円/日、50km走行なら690円/日、100km走行なら1380円/日かかる計算です。

1か月の労働日数を22日として計算すると、通勤距離が30kmなら月間の走行距離は660kmでガソリン代は9000円/月、1年間の労働日数を260日とすると年間の走行距離は7800kmでガソリン代は10.7万円/年という塩梅です。


カタログデータから見えてくる要素

DNU型エンジン簡易性能曲線図
DNU型エンジン性能曲線図もどき
各回転域での馬力
1950回転時の馬力 105PS
5300回転時の馬力 286PS
5400回転時の馬力 290PS
6500回転時の馬力 290PS
各回転域でのトルク
1950回転時のトルク 38.7kgm
5300回転時のトルク 38.7kgm
5400回転時のトルク 38.5kgm
6500回転時のトルク 32.0kgm
DNU型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているDNU型1984cc、直列4気筒のターボエンジンは5400-6500回転時に最高出力290馬力を、1950-5300回転時に最大トルク38.7kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、アイドリングとそれほど変わらないような回転数から最大トルクが発生するこのエンジンは、坂道発進も平気の平左、MT車でもエンスト知らず、扱いやすさにかけては右に出るものがありません。ディーゼル車やダウンサイジングターボに多くあります。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する1950rpmから最高出力が発生する6500rpmまで」の4550rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は70.0%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
2000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
2000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ4.897kg/PS(1420kg/290PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ4.897kg/PS
車体+1人5.086kg/PS
車体+5人5.845kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg5.103kg/PS
車体+70kg5.138kg/PS
車体+80kg5.172kg/PS
車体+90kg5.207kg/PS
車体+100kg5.241kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは5.086kg/PS(1475kg/290PS)となり、数値としては0.189kg、比率にすると3.9%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは5.845kg/PS(1695kg/290PS)となり、数値としては0.948kg、比率にすると19.4%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。


AUDNU ゴルフGTIのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2019/10

-
ゴルフGTI
5.086kg/PS
1475kg/290PS|2.0L-TB
[車体のみPWR:4.897]
2014/08

車種詳細
WRX STI
4.984kg/PS
1535kg/308PS|2.0L-TB
車体のみPWR:4.805
2002/01

車種詳細
シルビア
5.180kg/PS
1295kg/250PS|2.0L-TB
車体のみPWR:4.960
2011/11

車種詳細
インプレッサWRX
5.150kg/PS
1545kg/300PS|2.5L-TB
車体のみPWR:4.967
2010/12

車種詳細
クラウン マジェスタ
5.288kg/PS
1835kg/347PS|4.7L-NA
車体のみPWR:5.130
2015/03

車種詳細
マークX GRMN
5.000kg/PS
1605kg/321PS|3.5L-NA
車体のみPWR:4.829

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ5.086kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

4.883kg/PSから5.289kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、スバルの5人乗りセダン「VAB型 WRX STI」、日産の4人乗りクーペ「S15型 シルビア」、スバルの5人乗りハッチバック「GRF型 インプレッサWRX」、トヨタの5人乗りセダン「URS206型 クラウン マジェスタ」、トヨタの5人乗りセダン「GRX133型 マークX GRMN」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

AUDNU型 ゴルフGTI [TCR]とパワーウェイトレシオが近い車種|5.086kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は204.2PS/tとなっています。


ゴルフGTIがバイクと競争するなら…?


車種詳細
アフリカツイン|742cc
5.070kg/PS
289kg/57.1PS/6.12kgm
[車体のみPWR:4.105]
1速ギヤ速度:63.5km/h
最小TWR:0.862
2019/10

-
ゴルフGTI|1984cc
5.086kg/PS
1475kg/290PS/38.7kgm
[車体のみPWR:4.897]
1速ギヤ速度:55.6km/h
最小TWR:0.832

車種詳細
イントルーダー800|805cc
5.100kg/PS
255kg/50.0PS/6.40kgm
[車体のみPWR:4.000]
1速ギヤ速度:52.9km/h
最小TWR:0.730

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではゴルフGTIとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

RD07 アフリカツインと競争してみる

まずゴルフGTIより少しPWRが低いバイクとして、ホンダのアフリカツインが挙げられます。PWRの5.070kg/PSは車両重量234kgにライダーの体重55kgを加えた289kgを、最高出力57.1PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はアフリカツインに7.9km/h劣り、1速TWRは0.030kg勝る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

VS52C イントルーダー800と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、スズキのイントルーダー800が挙げられます。PWRの5.100kg/PSは車両重量200kg+55kgの255kgを、最高出力50.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は2.7km/h勝り、1速TWRは0.102kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.730
平均ピストンスピード 20.11m/s
トルクウェイトレシオ 36.69kg/kgm
1馬力あたりのお値段 17579円
排気量1Lあたり馬力 146.17PS/L
排気量1Lあたりトルク 19.51kgm/L
1気筒あたりの馬力 72.5PS
1気筒あたりのトルク 9.7kgm
パワーバンド比率 70.0%
燃費×馬力 3683.0pt
各種ランキング
ハッチバックのPWR
1.8~2.0Lターボ車のPWR

トルクウェイトレシオは36.69kg/kgm(1420kg/38.7kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が5098000円、最高出力が290馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は17579円、逆に1万円あたりでは0.57馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は131731円、1万円あたりでは0.08kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
2000cc以下の車編
ハッチバック編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は146.17PS/L、トルクは19.51kgm/L、1気筒あたりの馬力は72.5馬力、トルクは9.7kgmとなり、このエンジンが290馬力を6500回転で発生させているときの平均ピストンスピードは20.11m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が92.8mmであるDNU型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6470回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.730になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、走ってよし、曲がってよしで至れり尽くせりのオールラウンダーであると言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が12.7km/L、最高出力が290PSであるこの車の獲得ポイントは3683.0ptになります。
戯れに車両重量1420kgを100kg単位にした14.2で割ってみたところ、その数値は259.37ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)



ゴルフGTIでの車中泊

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.50m
期待される荷室の幅 1.40m
対角線の長さ 2.05m
期待される荷室の面積 2.10m²

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

縦方向の長さが1.50m(対角線では2.05m)となれば、一般的な身長ならそれなりの車中泊を楽しむことができそうです。

車の中で足を伸ばして優雅に寝られる悦びを味わうために最低限必要な長さを備えた、車中泊のスタンダードと呼ぶに相応しい性能を有しています。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。
車中泊にあると嬉しいアイテム


ゴルフGTIの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
WLTCモード燃費 12.7km/L
燃料タンク容量 50L
航続距離(カタログ燃費) 635.0km
航続距離(80%燃費) 510.0km
満タンプライス 8750円
1万円でどこまで行ける? 725.7km
車両価格/航続距離 8028円/km

WLTCモード燃費が12.7km/Lですので、燃料タンクの容量が50リットルですと航続可能距離は635.0kmになります。(カタログ燃費通りに走行できた場合)

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(11.4km/L)とすると570.0km、80%(10.2km/L)だと510.0km、70%(8.9km/L)では445.0kmという航続距離になります。

燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリン50リットルの給油で8750円、上で計算した航続距離を踏まえると635.0km(80%燃費時510.0km)を走行するのに8750円かかる計算です。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば725.7km(往復なら片道362.9km)、カタログ値の80%なら580.6km(片道290.3km)離れたところまで行くことができます。

ちなみに、1回の給油で635.0kmの距離を移動できるAUDNU型 ゴルフGTI [TCR]という乗り物を、509.8万円で手に入れたと考えたとき、この車が1km走行するにあたっては「8028円の値打ちがある!」と言える、かもしれません。


市街地・郊外・高速道路の満タン航続距離

各モード燃費と航続距離
WLTCモード燃費
12.7km/L
635.0km
市街地燃費
9.2km/L
460.0km
[-175.0km]
郊外燃費
12.8km/L
640.0km
[+5.0km]
高速道路燃費
15.1km/L
755.0km
[+120.0km]

WLTCモード燃費には市街地モード・郊外モード・高速道路モードという3つの走行パターンが内包されておりますので、参考までにそれぞれのモード燃費で燃料タンクが空になるまで走行した場合の満タン航続距離を計算してみます。

燃料タンクの容量を50Lとしたとき、市街地モード燃費9.2km/Lでの航続距離は460.0km(-175.0km)、郊外モード燃費12.8km/Lでの航続距離は640.0km(+5.0km)、高速道路モード燃費15.1km/Lでの航続距離は755.0km(+120.0km)となります。

ある特定のシチュエーションのみを、燃料タンクが空になるまで走行することはなかなかありませんが、「その気になればこのくらいの距離を走れちゃうんだぜ!」という参考データだけは持っておくと、次回の給油回数削減チャレンジでギリギリのラインを狙っていくのに役立つ、かもしれません。


ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合5400-6500rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした7000回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 7000rpm|タイヤサイズ 235/35R19|タイヤ直径 64.7cm|円周長 203.3cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
7000rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 3.190 14.26 -
-
60km/h 11690rpm 1705.8kgm
2速 2.033 9.09 0.637 1-2/
4460rpm
94km/h 7450rpm 1087.1kgm
3速 1.401 6.26 0.689 2-3/
4820rpm
136km/h 5130rpm 749.2kgm
4速 1.040 4.65 0.742 3-4/
5190rpm
184km/h 3810rpm 556.1kgm
5速 0.793 3.54 0.762 4-5/
5330rpm
241km/h 2910rpm 424.1kgm
6速 0.636 2.84 0.802 5-6/
5610rpm
300km/h 2330rpm 340.1kgm
7速 0.489 2.19 0.769 6-7/
5380rpm
391km/h 1790rpm 261.5kgm
Final 4.470 レシオカバレッジ(変速比幅)6.524

ギヤの繋がりイメージ
AUDNU型ゴルフGTI7AT車のギヤ比イメージ
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数1950-5300rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.470)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(38.7kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.470)÷タイヤの有効半径(0.3235m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は7速ギヤの391km(6500rpmでは362.7km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

おまけ:6500rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

6500rpmでの速度と
シフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ56km/h-
2速ギヤ87km/h4140rpm
3速ギヤ127km/h4480rpm
4速ギヤ171km/h4820rpm
5速ギヤ224km/h4950rpm
6速ギヤ279km/h5210rpm
7速ギヤ363km/h5000rpm

AUDNU型ゴルフGTIに搭載されたDNU型1984ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する6500rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

まず1速ギヤで6500rpmまで引っ張ると56km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は6500rpmから4140rpmまで落ち、そこから6500rpmまで加速を続けると速度は87km/h(+31km/h)になります。

3速ギヤでは4480rpmまで落ちて6500rpmで127km/h(+40km/h)に、4速ギヤでは4820rpmまで落ちて6500rpmで171km/h(+44km/h)に、5速ギヤでは4950rpmまで落ちて6500rpmで224km/h(+53km/h)になります。

続いて6速ギヤでは5210rpmまで落ちて6500rpmで279km/h(+55km/h)に、7速ギヤでは5000rpmまで落ちて6500rpmで363km/h(+84km/h)という具合に加速していくイメージです。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが1950-5300回転で最大トルク38.7kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば36.69kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(4.897kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと1705.8kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1420kg)を1速ギヤの最大駆動力(1705.8kgm)で割ってみると0.832kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する6500回転でのトルク(32.0kgm)からTWRを算出すると1.01kg/kgmとなり、1950-6500回転の回転域では0.832-1.01kg/kgmの間で推移することがわかります。


ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4680 7010 9350 11690 14030 16370 21040
2速 2980 4470 5960 7450 8940 10430 13410
3速 2050 3080 4110 5130 6160 7190 9240
4速 1520 2290 3050 3810 4570 5340 6860
5速 1160 1740 2320 2910 3490 4070 5230
6速 930 1400 1860 2330 2800 3260 4200
7速 720 1080 1430 1790 2150 2510 3230
※赤い数字は暫定レブリミット(7000rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.489)を選択して時速100kmにて走行すると1790回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1080回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1250回転、一般的な高速道路の80km/hでは1430回転、100km/hでは1790回転、制限速度が120km/hになると2150回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは3230回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 9 17 26 34 43 51 60 68
2速 13 27 40 54 67 81 94 107
3速 19 39 58 78 97 117 136 156
4速 26 52 79 105 131 157 184 210
5速 34 69 103 138 172 206 241 275
6速 43 86 129 172 215 257 300 343
7速 56 112 167 223 279 335 391 446

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(7000回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。


純正装着タイヤの235/35R19と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 235/35R19 | 直径 647mm

-20mm
幅215mm
-10mm
幅225mm
変更なし
幅235mm
+10mm
幅245mm
+20mm
幅255mm
-5%
30
扁平
215/30R19
37.8km/h
直径612mm
径差-35mm
225/30R19
38.2km/h
直径618mm
径差-29mm
235/30R19
38.6km/h
直径624mm
径差-23mm
245/30R19
38.9km/h
直径630mm
径差-17mm
255/30R19
39.3km/h
直径636mm
径差-11mm
0%
35
扁平
215/35R19
39.2km/h
直径634mm
径差-13mm
225/35R19
39.6km/h
直径641mm
径差-6mm
235/35R19
40.0km/h
647mm
0mm
245/35R19
40.5km/h
直径655mm
径差+8mm
255/35R19
40.9km/h
直径662mm
径差+15mm
+5%
40
扁平
215/40R19
40.5km/h
直径655mm
径差+8mm
225/40R19
41.0km/h
直径663mm
径差+16mm
235/40R19
41.5km/h
直径671mm
径差+24mm
245/40R19
42.0km/h
直径679mm
径差+32mm
255/40R19
42.5km/h
直径687mm
径差+40mm
+10%
45
扁平
215/45R19
41.9km/h
直径677mm
径差+30mm
225/45R19
42.4km/h
直径686mm
径差+39mm
235/45R19
43.0km/h
直径695mm
径差+48mm
245/45R19
43.5km/h
直径704mm
径差+57mm
255/45R19
44.1km/h
直径713mm
径差+66mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、215/35R19 、225/30R19、225/35R19 、235/30R19 、245/30R19 、255/30R19あたりのタイヤがおすすめです。

235/35R19のタイヤ幅を215mmから265mmまで、扁平率を20%から50%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、235/35R19の適応サイズと性能の変化 [AUDNU型ゴルフGTI編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはオートウェイのタイヤ通販をご覧ください。


AUDNU型ゴルフGTI[2.0Lターボ FF/7AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト4.897kg/ps63.30
1速ギヤ加速性能0.832kg/kgm65.91
1L換算馬力146.17ps/L66.22
1L換算トルク19.51kgm/L61.91
WB/TR比1.73054.43
ワイド&ロー指数0.81455.60
前面の面積2.637m²49.30
最低地上高-43.65
スポーツ性能部門の得点460.32

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
WLTC燃費12.7km/L42.83
年間維持費293500円52.95
100kmh回転数1790rpm59.39
航続距離635.0km45.48
車の大きさ11.273m³49.57
室内の広さ(仮) 2.044m³36.77
最小回転半径5.7m38.96
馬力単価17579円54.92
ユーティリティ部門の得点380.87

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した AUDNU型ゴルフGTI[2.0Lターボ FF/7AT] の総合得点は 841.19 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したAUDNU型ゴルフGTI(FF/7AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのハッチバック」、「2000ccのハッチバック」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

ゴルフGTIの歴代モデル

8代目 CDDLA型 ゴルフ
CDDLA ゴルフは2021/06に登場した8代目モデル。参考車両の「eTSI Active Basic」は全長4295mm、全幅1790mm、全高1475mmの車体に、110PS/20.4kgmを発生するDLA型999ccエンジンを搭載した5人乗りハッチバック。

7代目 AUCUK型 ゴルフVII
AUCUK ゴルフVIIは2013/06に登場した7代目モデル。参考車両の「GTE」は全長4265mm、全幅1800mm、全高1480mmの車体に、150PS/25.5kgmを発生するCUK型1394ccエンジンを搭載した5人乗りハッチバック。

6代目 1KCBZ型 ゴルフ ヴァリアント
1KCBZ ゴルフ ヴァリアントは2007/09に登場した6代目モデル。参考車両の「TSI Trend-line BlueMotion-Tech」は全長4545mm、全幅1785mm、全高1530mmの車体に、105PS/17.8kgmを発生するCBZ型1197ccエンジンを搭載した5人乗りワゴン。

5代目 1KBLX型 ゴルフ プラス
1KBLX ゴルフ プラスは2005/11に登場した5代目モデル。参考車両の「GLi」は全長4205mm、全幅1760mm、全高1605mmの車体に、150PS/20.4kgmを発生するBVY型1984ccエンジンを搭載した5人乗りミニバン。

4代目 1JAUM型 ゴルフ ワゴン
1JAUM ゴルフ ワゴンは2000/02に登場した4代目モデル。参考車両の「GT」は全長4400mm、全幅1735mm、全高1480mmの車体に、150PS/21.4kgmを発生するAUM型1780ccエンジンを搭載した5人乗りワゴン。

3代目 1HADZ型 ゴルフ ワゴン
1HADZ ゴルフ ワゴンは1995/06に登場した3代目モデル。参考車両の「1.8-Sport」は全長4340mm、全幅1695mm、全高1485mmの車体に、91PS/14.5kgmを発生するADZ型1780ccエンジンを搭載した5人乗りワゴン。

2代目 152HK型 ゴルフ カブリオ
152HK ゴルフ カブリオは1990/10に登場した2代目モデル。参考車両の「BaseGrade」は全長3895mm、全幅1630mm、全高1410mmの車体に、105PS/15.1kgmを発生する2H型1780ccエンジンを搭載した4人乗りオープンカー。