H252 プレジデント 性能と維持費 FR/3AT 6人 496万円 1989年式

このページでは、日産自動車の4ドア・6人乗りセダン、2代目のE-H252型プレジデント Sovereign-VIP【1989/04モデル・200PS/34.5kgm・FR/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

H252 プレジデント
販売期間:1973/08 - 1990/10

画像は日産自動車より引用
http://www.nissan.co.jp/
投稿:|更新:

ボディサイズが全長5280mm×全幅1830mm×全高1490mm、排気量は4414ccであることから、大雑把に分類すると4.5リットルクラス(4500cc、自動車税は4.5L以下を適用)に属し、全長、全幅、排気量ともに5ナンバー枠を超えていることにより完全無欠の3ナンバー登録車です。いわゆる【高級車】にカテゴライズされます。
参考:150PS~200PSの自動車 一覧

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、後輪のみを駆動する、フロントエンジン・リヤドライブ方式(後輪駆動・FR・RWDとも)を採用しています。前輪は操舵、後輪は駆動と役割分担が異なることから優れたハンドリングを得られるとされ、運転の質を求める人々から絶大なる支持を集めます。高級車の代名詞的な駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が5280mmであるこの車の場合は「ラグジュアリー」(Luxury:4900mm超・Fセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。

H252型 プレジデント [4414cc/200PS FR/3AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート
プレジデントの新型モデル
3代目 JG50型プレジデント
JG50型プレジデントは1990/10に登場した3代目モデル。参考車両の「type-D」は全長5225mm、全幅1830mm、全高1435mmの車体に、270PS/40.2kgmを発生するVH45型4494ccエンジンを搭載。


H252 プレジデントの主要諸元と大きさ比較

主要諸元
メーカー 日産自動車
車名&
グレード
プレジデント
Sovereign-VIP
その他 ソブリンVIP, タイプC, タイプD, デュアルシート, セパレートシート
お値段 4960000円
車両型式 E-H252
駆動方式
変速機
FR・後輪駆動(RWD,2WD)
3速AT・3速オートマ車
ドア/定員 4ドア・6名乗車
ホイールベース 2850mm
トレッド 1520mm/1500mm
WB/TR比 1.887
最小半径 5.8m
タイヤ 前輪:205/80R14
後輪:205/80R14
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ドラム
車両重量 1980kg

※WB/TR比はホイールベーストレッド比の略。値が大きいほど直進安定性に優れ、小さいほど旋回性能が高くなりやすい。全ての車種の平均値は1.773。

プレジデントと各規格の大きさ比較
規格名 規格寸法 増減
プレジデント
車体寸法
全長 5280mm -
全幅 1830mm -
全高 1490mm -
大きさ 14.40m3 -
軽自動車
新規格
全長 3400mm以下 +1880mm
全幅 1480mm以下 +350mm
全高平均 1640mm -150mm
大きさ平均 8.13m3 +6.27m3
小型車規格
5ナンバー車
全長 4700mm以下 +580mm
全幅 1700mm以下 +130mm
全高平均 1496mm -6mm
大きさ平均 10.47m3 +3.93m3
普通車平均
3ナンバー車
全長平均 4643mm +637mm
全幅平均 1815mm +15mm
全高平均 1518mm -28mm
大きさ平均 12.84m3 +1.56m3

※上記グラフは100のラインを上回れば平均値以上、下回れば平均値以下を表す。グラフの伸びが大きいほど各規格の車両に対して相対的に車体が長い・広い・高い。※普通乗用車(3ナンバー車)の条件は全長4700mm超または全幅1700mm超または全高2000mm超と上限値が曖昧なため、ここでは普通乗用車に属する全ての車種の平均値との比較。※軽自動車・小型乗用車の全高はいずれも2000mm以下。ただし、ここでは各規格に属する車種の全高の平均値との比較。


H252 プレジデントの室内広さを各規格の車両と比較

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

プレジデントの室内広さを各規格の車両と比較
規格名 規格寸法 増減
プレジデント
室内広さ
室内長 1935mm -
室内幅 1510mm -
室内高 1140mm -
車内広さ 3331L -
軽自動車
新規格
室内長平均 1908mm +27mm
室内幅平均 1280mm +230mm
室内高平均 1283mm -143mm
車内広さ平均 3171L +160L
小型車規格
5ナンバー車
室内長平均 1913mm +22mm
室内幅平均 1403mm +107mm
室内高平均 1195mm -55mm
車内広さ平均 3251L +80L
普通車平均
3ナンバー車
室内長平均 2050mm -115mm
室内幅平均 1483mm +27mm
室内高平均 1195mm -55mm
車内広さ平均 3698L -367L

※上記グラフは100のラインを上回れば平均値以上、下回れば平均値以下を表す。グラフの伸びが大きいほど各規格の車両に対して相対的に室内が長い・広い・高い。

人間様の占有スペースと容積効率
室内長×室内幅×室内高 3.331m³
1人あたりのスペース 0.555m³
室内長/全長 36.6%
室内幅/全幅 82.5%
室内高/全高 76.5%
室内容積/車両体積 23.1%

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は3.331m³です。この車の乗車定員は6人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.555m³のスペースが割り当てられることになります。

続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は36.6%、同じく室内幅と全幅の比率は82.5%、同じく室内高と全高の比率は76.5%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は23.1%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


プレジデントでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.848m
期待される荷室の幅 1.410m
対角線の長さ 2.324m
期待される荷室の面積 2.606m²

縦方向の長さが1.848m(対角線では2.324m)などという破格のクラスになると、これはもう四の五の言わず車に住むべきです。

これだけの車を所持できる素養は持ち得ているのですから、細かいことは気にせずあらゆる支配からの卒業を宣言し、信じられぬ大人との争いに終止符を打ちましょう。

セダンやクーペであっても後部座席の背もたれを取り外してトランクルームと貫通させて荷室長を確保すれば良いだけの話です。たまに背もたれを取り外してもトランクルームと繋がっていなかったり、頑強な補強バーが入っていて邪魔されることもありますが、恐らく稀なケースです。

車中泊にあると嬉しいアイテム


H252 プレジデントの税金・年間維持費シミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税87900円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税25200円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額8000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、1989/04モデルのプレジデントを36年落ちの中古で109.1万円にて購入し、頭金なしで2年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    プレジデントの1989/04モデルの場合、2025年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の20%である99.2万円に諸経費として9.9万円を足した109.1万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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1989年式を36年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税 4500cc以下 13年経過 87900円
自動車重量税
1年分
2.0トン以下 18年経過 25200円
自賠責保険料
(1年換算)
自家用乗用車 8825円
燃料代
年間1万㎞
1万㎞÷4.7㎞/L×185円/L 393620円
オイル交換
5000km毎
1回7000円×2回 14000円
タイヤ交換
5年5万km毎
1本8000円×4本÷5年 6400円
任意保険料
月額8000円
月額8000円×12ヶ月 96000円
ローン完済後の年間維持費 632000円
名目 区分 金額
車のローン額
1年分
月額45470円×12ヶ月 545640円
ローン返済中の年間維持費 1177600円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 71100円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「4500cc以下で13年経過」クラスの自動車税は87900円、「2.0トン以下で18年経過」クラスの自動車重量税は25200円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに7000円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本8000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額8000円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした71100円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

天に見放されし生粋のド貧民には考えも及ばぬ世界です。金額を見ただけで気が遠くなります。その維持費は月額でさえ52700円(ローン完済前は98200円)にもなる車を所有する、どうやって…?食うものも食わず、着るものも着ず…?いやあ、そこまでやってもまだまだ、さらに限界まで節制に節制を極めたとしても、それでもなお手の届かぬ未知の領域です。

天に魅入られし大富豪でもなければ、お給金の大半をプレジデントに吸い取られ泣くハメになりそうですが、ということはつまり、この車のステータス性は抜群であると言えます。

プレジデントの維持費は高い?安い?

「プレジデントの年間維持費は632000円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「4500ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてプレジデントの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いクイックデリバリー200359780円-272220円
7シリーズ444500円-187500円
セルシオ494000円-138000円
ソアラ510300円-121700円
基準4500ccクラス平均541300円-90700円
RS4 セダン548000円-84000円
ランドクルーザー80594000円-38000円
プレジデントの維持費632000円
高いサファリ697900円+65900円

プレジデントの年間維持費を、4500ccクラスで最も維持費が安いクイックデリバリー200と比較して272220円高く、最も高いサファリと比較して65900円安く、4500ccクラスの平均維持費との比較では90700円高くなっています。

最低額のクイックデリバリー200と最高額のサファリは極端な例としても、4500ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、プレジデントの維持費は かなり高い! と言えそうです。

年間維持費が安い 4500ccクラスの車 ランキング

プレジデントを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟の%年収月給手取り
10%820万円69万円54万円
15%550万円46万円36万円
20%410万円35万円27万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は820万円(総支給額69万円/月、手取り54万円/月)、ここから月額維持費5.3万円を支払うと残りは48.7万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は550万円(総支給額46万円/月、手取り36万円/月)、5.3万円を支払うと残りは30.7万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が410万円(総支給額35万円/月、手取り27万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。5.3万円を引くと残りは21.7万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代40万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、レギュラーガソリン1リットルあたり185円を基準として、-50円となる135円から、+50円となる235円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費4.7km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代差額
135円/L 287240円 -106380円
160円/L 340440円 -53180円
175円/L 372350円 -21270円
185円/L 393620円 -
195円/L 414910円 +21290円
210円/L 446820円 +53200円
235円/L 500010円 +106390円

燃費4.7km/LのH252型 プレジデントで10000km走行するのに必要な燃料は2127.7L、1リットルあたり185円としたときの燃料代は393620円になります。

参考までに、プレジデントの燃料タンクは95リットルですので、2127.7Lの給油回数は23回、1回あたりの燃料代は約17120円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては21290円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると53200円、50円も違ってくると106390円にもなります。

これをH252型 プレジデントの年間維持費に当てはめてみますと、レギュラーガソリン1リットルあたり185円の場合を632000円としたとき、135円/Lに値下がりすれば525620円(83.2%)に、235円/Lに値上がりすれば738390円(116.8%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(87900円)なり重量税(25200円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

1年分の自動車税・重量税・自賠責保険料
名目 金額
自動車税 87900円
自動車重量税 1年分 25200円
自賠責保険料 1年分 8825円
合計 121925円

※現在の税制では、自動車税、自動車重量税、自賠責保険料は走行距離に関係なく税額・保険料は一律。走行距離税が新設された場合は大幅に変わる可能性あり。


維持費名目 3000km 5000km 7000km
燃料代 118090円 196810円 275530円
オイル交換 7000円 7000円 9800円
タイヤ交換 4270円 4270円 4270円
任意保険料 76800円 81600円 86400円
税金 自賠責 一律 121925円
合計 328100円 411700円 498000円
1万km差額 -303900円 -220300円 -134000円

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで50000km程度持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料96000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて303900円安い328100円に、5000km走行では220300円安い411700円に、7000km走行では134000円安い498000円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は15000kmは1.1倍、20000kmは1.2倍としたのがこちらです。

維持費名目 10000km 15000km 20000km
燃料代 393620円 590430円 787240円
オイル交換 14000円 21000円 28000円
タイヤ交換 6400円 7680円 10240円
任意保険料 96000円 105600円 115200円
税金 自賠責 一律 121925円
合計 632000円 846700円 1062700円
1万km差額 - +214700円 +430700円

走行距離と維持費の変化

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
日産の小型車&普通車編
4500cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
4ドア・セダン編

プレジデントの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 5.5km/L
燃料タンク容量 95L
航続距離(カタログ燃費) 522.5km
航続距離(80%燃費) 418.0km
満タンプライス 17575円
1km走行コスト 33.64円/km
1万円でどこまで行ける? 297.3km
東京から522.5kmの範囲

10・15モード燃費が5.5km/L、燃料タンク容量95リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は522.5kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(5.0km/L)とすると航続距離は475.0km、80%(4.4km/L)だと418.0km、70%(3.8km/L)では361.0kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から95リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、レギュラーガソリンを1リットルあたり185円では17575円、上で計算した航続距離を踏まえると522.5km(80%燃費時418.0km)を走行するのに17575円かかる計算です。

燃費を4.7km/Lとしたときの1km走行コストは33.64円、10万km走行したときの燃料代は336.4万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら33.6万円/年、7年10万kmなら48.1万円/年、5年10万kmなら67.3万円/年、3年10万kmなら112.1万円/年となります。

ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば297.3km(往復なら片道148.6km)、カタログ値の80%なら237.8km(片道118.9km)離れたところまで行くことができます。

H252 プレジデントのエンジン諸元とカタログデータ

Y44型エンジン簡易性能曲線図
エンジン諸元
原動機型式 Y44
気筒配列 V型8気筒
排気量4414cc
圧縮比 8.6
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 200PS[147kW]/4800rpm
最大トルク 34.5kgm[338Nm]/3200rpm
パワーバンド 3200-4800rpm, 帯域33.3%
使用燃料 レギュラーガソリン
10・15燃費5.5km/L(12.9mpg)
100km燃費18.2L/100km
最高出力・最大トルク 各回転数での出力
3200rpm 154PS/34.5kgm
4800rpm 200PS/29.8kgm
Y44型エンジンの諸元と性能まとめ
V型8気筒とは‥シリンダをV字型に交互で8個配置する方式。中?大排気量のスタンダード。
V型8気筒の最高出力ランキング

まずおさらいとして、搭載しているY44型4414cc、V型8気筒の自然吸気エンジンは4800回転時に最高出力200馬力を、3200回転時に最大トルク34.5kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、最大トルクの発生回転数が若干高めにあるこのエンジンは、普段使いでも不足を感じることなく、それでいて高い回転数を維持すればスポーティな走行も楽しめるバランスの良さが魅力です。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なります。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する3200rpmから最高出力が発生する4800rpmまで」の1600rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は33.3%となります。※簡易エンジン性能曲線図オレンジ色の帯域。

最高出力ランキング リスト
4500cc以下クラス編
日産の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
4500cc以下クラス編
日産の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ9.900kg/PS(1980kg/200PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ9.900kg/PS
車体+1人10.175kg/PS
車体+6人11.550kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg10.200kg/PS
車体+70kg10.250kg/PS
車体+80kg10.300kg/PS
車体+90kg10.350kg/PS
車体+100kg10.400kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは10.175kg/PS(2035kg/200PS)となり、数値としては0.275kg、比率にすると2.8%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの6人が搭乗した場合、車両重量に330kgがプラスされてパワーウェイトレシオは11.550kg/PS(2310kg/200PS)となり、数値としては1.650kg、比率にすると16.7%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

H252 プレジデントのライバル候補車たち

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ10.175kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

愛すべきライバル車種
Page Link車名 PWR+55kg

-
プレジデント
10.175kg/PS
200PS・4.5L-NA
車体のみPWR 9.900
2035kg
+2.8%

車種詳細
スイフト
10.165kg/PS
91PS・1.3L-NA
車体のみPWR 9.560
925kg
+6.3%

車種詳細
エクストレイル
10.170kg/PS
147PS・2.0L-NA
車体のみPWR 9.796
1495kg
+3.8%

車種詳細
クロスビー
10.253kg/PS
99PS・1.0L-TB
車体のみPWR 9.697
1015kg
+5.7%

車種詳細
プレマシー
10.232kg/PS
151PS・2.0L-NA
車体のみPWR 9.868
1545kg
+3.7%

車種詳細
フォレスター
10.101kg/PS
148PS・2.0L-NA
車体のみPWR 9.730
1495kg
+3.8%


10.073kg/PSから10.277kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、スズキの5人乗りハッチバック・ZC83S型 スイフト、日産の5人乗りSUV・T32型 エクストレイル、スズキの5人乗りSUV・MN71S型 クロスビー、マツダの7人乗りミニバン・CWFFW型 プレマシー、スバルの5人乗りSUV・SJ5型 フォレスターという顔ぶれが並びました。

最高出力が高いからといって、車両重量が重ければパワーウェイトレシオの数値は似たようなものになったりします。「空車状態のPWRの違いが、戦力の決定的差ではないということを…教えてやる!」といったところでしょうか。

こうなると、思いもよらぬ車種の登場に「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごも生じることもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

H252型 プレジデント [Sovereign-VIP]のライバル車種|10.175kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は101.0PS/tとなっています。


プレジデントがバイクと競争するなら…?


車種詳細
XMAX|249cc
10.174kg/PS
234kg/23.0PS/2.40kgm
[車体のみPWR:7.783]
1速ギヤ速度:39.0km/h
最小TWR:1.100
1989/04

-
プレジデント|4414cc
10.175kg/PS
2035kg/200PS/34.5kgm
[車体のみPWR:9.900]
1速ギヤ速度:74.8km/h
最小TWR:2.374

車種詳細
スカイウェイブ250|249cc
10.192kg/PS
265kg/26.0PS/2.50kgm
[車体のみPWR:8.077]
1速ギヤ速度:38.7km/h
最小TWR:1.151

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではプレジデントとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

SG70J XMAXと競争してみる

まずプレジデントより少しPWRが低いバイクとして、ヤマハのXMAXが挙げられます。PWRの10.174kg/PSは車両重量179kgにライダーの体重55kgを加えた234kgを、最高出力23.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はXMAXに35.8km/h勝り、1速TWRは1.274kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

CJ44A スカイウェイブ250と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、スズキのスカイウェイブ250が挙げられます。PWRの10.192kg/PSは車両重量210kg+55kgの265kgを、最高出力26.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は36.1km/h勝り、1速TWRは1.223kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.887
平均ピストンスピード 13.28m/s
トルクウェイトレシオ 57.39kg/kgm
1馬力あたりのお値段 24800円
排気量1Lあたり馬力 45.31PS/L
排気量1Lあたりトルク 7.82kgm/L
1気筒あたりの馬力 25.0PS
1気筒あたりのトルク 4.3kgm
パワーバンド比率 33.3%
燃費×馬力 934.0pt
各種ランキング
セダンのPWR
4.0~4.5L以下のPWR

トルクウェイトレシオは57.39kg/kgm(1980kg/34.5kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が4960000円、最高出力が200馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は24800円、逆に1万円あたりでは0.40馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は143768円、1万円あたりでは0.07kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
日産編
4500cc以下の車編
セダン編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は45.31PS/L、トルクは7.82kgm/L、1気筒あたりの馬力は25.0馬力、トルクは4.3kgmとなり、このエンジンが200馬力を4800回転で発生させているときの平均ピストンスピードは13.28m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が83.0mmであるY44型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は7230回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.887になります。全ての車種の平均値である1.773を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと真っ直ぐ進むことを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が4.67km/L、最高出力が200PSであるこの車の獲得ポイントは934.0ptになります。
戯れに車両重量1980kgを100kg単位にした19.8で割ってみたところ、その数値は47.17ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


H252 プレジデントのギヤ比と回転数・速度のステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合4800rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした5300回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 5300rpm|タイヤサイズ 205/80R14|タイヤ直径 68.4cm|円周長 214.9cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
5300rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 2.458 8.27 - - 83km/h 6410rpm 834.1kgm
2速 1.458 4.90 0.593 1-2/
3140rpm
139km/h 3800rpm 494.8kgm
3速 1.000 3.36 0.686 2-3/
3640rpm
203km/h 2610rpm 339.4kgm
Final3.364レシオカバレッジ(変速比幅)2.458
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数3200rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.364)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(34.5kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.364)÷タイヤの有効半径(0.342m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は3速ギヤの203km(4800rpmでは184.0km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが3200回転で最大トルク34.5kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば57.39kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(9.900kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと834.1kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1980kg)を1速ギヤの最大駆動力(834.1kgm)で割ってみると2.374kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する4800回転でのトルク(29.8kgm)からTWRを算出すると2.748kg/kgmとなり、3200-4800回転の回転域では2.374-2.748kg/kgmの間で推移することがわかります。


4800rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

H252型プレジデントに搭載されたY44型4414ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する4800rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

4800rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ75km/h-
2速ギヤ126km/h2850rpm
3速ギヤ184km/h3290rpm

まず1速ギヤで4800rpmまで引っ張ると75km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は4800rpmから2850rpmまで落ち、そこから4800rpmまで加速を続けると速度は126km/h(+51km/h)になります。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 2570 3850 5130 6410 7700 8980 11540
2速 1520 2280 3040 3800 4560 5330 6850
3速 1040 1570 2090 2610 3130 3650 4700
※赤い数字は暫定レブリミット(5300rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(1.000)を選択して時速100kmにて走行すると2610回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1570回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1830回転、一般的な高速道路の80km/hでは2090回転、100km/hでは2610回転、制限速度が120km/hになると3130回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは4700回転まで回ります。

一般的な自動車であれば時速100kmでの巡航回転数は2500回転付近に落ち着くようですが、その中でも若干高めの回転数となっています。標準的なギヤ比の範囲内ながらも静粛性や燃費よりも加速に重きを置いた設定なので、高速道路やバイパスを走行するとき、ふと「もう1段上のギヤがあったらなあ‥」と呟くことがあるかもしれません。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 16 31 47 62 78 94 109 125
2速 26 53 79 105 131 158 184 210
3速 38 77 115 153 192 230 268 307

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(5300回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの205/80R14と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 205/80R14 | 直径 684mm

-20mm
幅185mm
-10mm
幅195mm
変更なし
幅205mm
+10mm
幅215mm
+20mm
幅225mm
75 185/75R14
37.1km/h
径 634mm
差 -50mm
195/75R14
38.0km/h
径 649mm
差 -35mm
205/75R14
38.8km/h
径 664mm
差 -20mm
215/75R14
39.7km/h
径 679mm
差 -5mm
225/75R14
40.6km/h
径 694mm
差 +10mm
80 185/80R14
38.1km/h
径 652mm
差 -32mm
195/80R14
39.1km/h
径 668mm
差 -16mm
205/80R14
40.0km/h
684mm
0mm
215/80R14
40.9km/h
径 700mm
差 +16mm
225/80R14
41.9km/h
径 716mm
差 +32mm
85 185/85R14
39.2km/h
径 671mm
差 -13mm
195/85R14
40.2km/h
径 688mm
差 +4mm
205/85R14
41.2km/h
径 705mm
差 +21mm
215/85R14
42.2km/h
径 722mm
差 +38mm
225/85R14
43.2km/h
径 739mm
差 +55mm
90 185/90R14
40.3km/h
径 689mm
差 +5mm
195/90R14
41.3km/h
径 707mm
差 +23mm
205/90R14
42.4km/h
径 725mm
差 +41mm
215/90R14
43.5km/h
径 743mm
差 +59mm
225/90R14
44.5km/h
径 761mm
差 +77mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、185/80R14、185/85R14 、195/80R14 、205/75R14 、215/75R14 あたりのタイヤがおすすめです。

205/80R14のタイヤ幅を185mmから235mmまで、扁平率を65%から95%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、205/80R14の適応サイズと性能の変化 [H252型プレジデント編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】205/80R14のタイヤ銘柄と通販価格

H252型 プレジデント 4.5L-NA FR/3ATの通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を比較してみます。

運動性能部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
PWR9.79㎏/PS9.90㎏/PS49.7ptC
最高回転数5880rpm4800rpm36.7ptE
1速ギヤ
加速性能
1.58㎏/㎏m2.37㎏/㎏m33.2ptE
1速ギヤ
最高速
51.1㎞/h74.8㎞/h71.8ptS
1リットル
換算馬力
73.10PS/L45.31PS/L28.1ptF
1リットル
換算トルク
9.47㎏m/L7.82㎏m/L29.9ptF
WB/TR比1.7731.88738.4ptD
ワイド&
ロー指数
0.8940.81455.7ptB
前面の面積2.631m22.727m247.3ptC
最低地上高154.5mm-43.7ptD
スポーツ性能部門の得点417.2pt
総合評価E

※PWR(パワーウェイトレシオ)・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比(旋回性能重視)・ワイド&ロー指数(見た目のかっこよさ)・前面の面積(≒前方投影面積・空気抵抗)・最低地上高については数値が小さいほど高得点。最高回転数・1速ギヤ最高速・1リットル換算馬力・1リットル換算トルクについては数値が大きいほど高得点。

ユーティリティ部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
年間維持費340674円632000円24.6ptF
10-15燃費13.0km/L5.5km/L33.5ptE
100km/h
回転数
2489rpm2610rpm48.4ptC
航続距離644.1km444.1km38.5ptD
車の大きさ11.468m314.397m338.4ptD
車内の広さ3431.7L3330.9L49.0ptC
乗車定員4.8人6人60.0ptB
1人あたり
車内広さ
691.9L555.2L38.5ptD
車内床面積2.793m22.922m251.8ptC
最小回転
半径
5.18m5.8m37.3ptE
ユーティリティ部門の得点420.0pt
総合評価E

※10-15燃費・航続距離(燃費×燃料タンク容量)・室内の広さ(室内長×室内幅×室内高)・乗車定員・1人あたりの車内の広さは数値が大きいほど高得点、新車価格・年間維持費・100km/h回転数・車の大きさ(全長×全幅×全高)・最小回転半径は数値が小さいほど高得点。

結果発表!
部門 全10715車種中 RANK
運動性能 417.2pt 10027位 E
運動性能部門 ランキング
ユーティリティ 420.0pt 10450位 E
ユーティリティ部門 ランキング
総合得点 837.2pt 10523位 F
総合得点ランキング

スポーツ性能部門は417.2点で全10715車種中の10027位、ユーティリティ部門は420.0点で10450位、総合得点は837.2点で10523位となりました。各部門、獲得点数が多い車種から順番に並べたランキングを用意してありますのでご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したH252型 プレジデント(FR/3AT) の各種スペックを、セダン4500ccという属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを比較してみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

プレジデントの歴代モデル

4代目 PGF50型 プレジデント
PGF50 プレジデントは2003/10に登場した4代目モデル。参考車両の「Sovereign」は全長5060mm、全幅1845mm、全高1500mmの車体に、280PS/46.0kgmを発生するVK45型4494ccエンジンを搭載した4人乗りセダン。

3代目 JG50型 プレジデント
JG50 プレジデントは1990/10に登場した3代目モデル。参考車両の「type-D」は全長5225mm、全幅1830mm、全高1435mmの車体に、270PS/40.2kgmを発生するVH45型4494ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。


人気があるセダンの車種比較


ZN6 86 ハチロク 2016 vs SXE10 アルテッツァ RS200 2004 性能比較
初代 86 ハチロク G(2016年式 ZN6・FR/6MT・2.0L・207PS/21.6kgm・4人乗り)と、初代 アルテッツァ RS200(2004年式 SXE10・FR/6MT・2.0L・210PS/22.0kgm・5人乗り)を比較。

EC5A ギャラン VR-4 2000 vs EC5W レグナム VR-4 2000 性能比較
8代目 ギャラン VR-4 type-V(2000年式 EC5A・4WD/5MT・2.5L+ツインターボ・280PS/37.0kgm・5人乗り)と、初代 レグナム VR-4 VR-4 type-S(2000年式 EC5W・4WD/5MT・2.5L+ターボ・280PS/37.0kgm・5人乗り)を比較。

AUCJXF ゴルフR 2017 vs VAB WRX STI RA-R 2018 性能比較
7代目 ゴルフR(2017年式 AUCJXF・4WD/6MT・2.0L+ターボ・310PS/38.7kgm・5人乗り)と、初代 WRX STI type RA-R(2018年式 VAB・4WD/6MT・2.0L+ターボ・329PS/44.1kgm・5人乗り)を比較。

GE8P クロノス V6 1993 vs CB6A ランサー V6 1994 性能比較
初代 クロノス 18VL(1993年式 GE8P・FF/5MT・1.9L・140PS/16.0kgm・5人乗り)と、4代目 ランサー MX-Saloon V6(1994年式 CB6A・FF/5MT・1.6L・140PS/15.0kgm・5人乗り)を比較。

GXE10 アルテッツァ AS200 vs HR34 スカイライン セダン GT 性能比較
初代 アルテッツァ AS200(2004年式 GXE10・FR/6MT・2.0L・160PS/20.4kgm・5人乗り)と、10代目 スカイライン セダン GT(2000年式 HR34・FR/5MT・2.0L・155PS/19.0kgm・5人乗り)を比較。

EC5A ギャラン VR-4 2000 vs CT9A ランサー Evolution VII GSR 2001 性能比較
8代目 ギャラン VR-4 type-V(2000年式 EC5A・4WD/5MT・2.5L+ツインターボ・280PS/37.0kgm・5人乗り)と、6代目 ランサー Evolution VII GSR(2001年式 CT9A・4WD/5MT・2.0L+ターボ・280PS/39.0kgm・5人乗り)を比較。

BL3FW マツダスピード アクセラ 2009 vs FD2 シビック タイプR 2008 性能比較
2代目 マツダスピード アクセラ(2009年式 BL3FW・FF/6MT・2.3L+ターボ・264PS/38.7kgm・5人乗り)と、8代目 シビック タイプR type-R(2008年式 FD2・FF/6MT・2.0L・225PS/21.9kgm・4人乗り)を比較。

GG3P マツダスピード アテンザ vs CT9A ランサー Evolution IX 性能比較
初代 マツダスピード アテンザ(2005年式 GG3P・4WD/6MT・2.3L+ターボ・272PS/38.7kgm・5人乗り)と、6代目 ランサー Evolution IX GSR(2005年式 CT9A・4WD/6MT・2.0L+ターボ・280PS/40.8kgm・5人乗り)を比較。