RZ34 フェアレディZの性能と維持費 FR/6MT 2人 525万円 2022年式

このページでは、日産自動車の3ドア・2人乗りクーペ、6代目の3BA-RZ34型フェアレディZ BaseGrade【2022/04モデル・405PS/48.4kgm・FR/MT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

RZ34 フェアレディZ
販売期間:2008/12 -

画像は日産自動車より引用
http://www.nissan.co.jp/
投稿:2022/05/08|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長4380mm×全幅1845mm×全高1315mm、排気量は2997ccであることから、大雑把に分類すると3.0リットルクラス(3000cc、自動車税は3.0L以下を適用)に属し、全長、全高は5ナンバー枠ながら全幅が1.7mを超え、排気量も2000ccを超えていることにより3ナンバー登録になります。比較的コンパクトなボディに大きめなエンジンの組み合わせは世界戦略車(グローバルカー)やちょっとした高級車に良くあるパターンです。
参考:400PS~450PSの自動車 一覧

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、後輪のみを駆動する、フロントエンジン・リヤドライブ方式(後輪駆動・FR・RWDとも)を採用しています。前輪は操舵、後輪は駆動と役割分担が異なることから優れたハンドリングを得られるとされ、運転の質を求める人々から絶大なる支持を集めます。高級車の代名詞的な駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4380mmであるこの車の場合は「ミディアム」(Medium:4300mm超-4650mm以下・Dセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


RZ34型 フェアレディZ [2997cc/405PS FR/6MT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

6代目フェアレディZの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2022/04
RZ34型
[Version-ST]
3.0L-TB・FR/9AT・646.2万円
405PS・48.4kgm・10.2km/L
405PS
48.4kgm
10.2km/L
2010/11
Z34型
[BaseGrade]
3.7L-NA・FR/6MT・364.4万円
336PS・37.2kgm・9.8km/L
336PS
37.2kgm
9.8km/L
2010/11
Z34型
[Version-NISMO]
3.7L-NA・FR/6MT・495.6万円
355PS・38.1kgm・-
355PS
38.1kgm
-
6代目フェアレディZの車両型式・グレード一覧【全8車種】
フェアレディZの旧型モデル
5代目 Z33型フェアレディZ
Z33型フェアレディZは2002/07に登場した5代目モデル。参考車両の「NISMO 380RS」は全長4420mm、全幅1840mm、全高1305mmの車体に、350PS/40.5kgmを発生するVQ35改型3798ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー 日産自動車
車名&
グレード
フェアレディZ
BaseGrade
その他 バージョンS | バージョンST | 255/40R19:275/35R19
お値段 5241500円
車両型式 3BA-RZ34
駆動方式
変速機
FR・後輪駆動(RWD,2WD)
6速MT・6速マニュアル車
ドア/定員 3ドア/2名乗車
車体寸法 長4380×幅1845×高1315mm
室内寸法 長975×幅1495×高1065mm
軸距&
輪距
2550mm
前1565mm/後1595mm
最小半径 5.2m
最低高 120mm
タイヤ 前輪:245/45R18
後輪:245/45R18
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 1570kg
エンジン諸元
原動機型式 VR30DDTT
気筒配列 V型6気筒
排気量2997cc
圧縮比10.3
吸気方式 ツインターボ
最高出力 405PS[298kW]/6400rpm
最大トルク 48.4kgm[475Nm]/1600-5600rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
WLTC燃費 9.5km/L(22.3mpg)
100km燃費 10.5L/100km
VR30DDTT型エンジンの諸元と性能まとめ
V型6気筒とは‥シリンダをV字型に交互で6個配置する方式。中排気量のスタンダード。
V型6気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税50000円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税16400円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額6500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、フェアレディZの新車を602.8万円(諸費用として78.6万円を加算)にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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新車で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 3000cc以下 13年未満 50000円
自動車重量税(1年分) 2.0トン以下 13年未満 16400円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷9.5km/L×185円/L 194740円
オイル交換(5000km毎) 1回6500円×2回 13000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本18000円×4本÷5年 14400円
任意保険料(月額6500円) 月額6500円×12ヶ月 78000円
ローン完済後の年間維持費 375400円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額100460円×12ヶ月 1205520円
ローン返済中の年間維持費 1580900円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 53500円
名目 金額
自動車税(1年分) 50000円
自動車重量税(1年分) 16400円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
194740円
(136320円)
(97370円)
(58420円)
オイル交換(5000km毎) 13000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 14400円
任意保険料(月額6500円) 78000円
ローン完済後の年間維持費 375400円
名目 金額
車のローン額(1年分) 1205520円
ローン返済中の年間維持費 1580900円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
53500円
  • 初度登録から2年経過車の場合、「3000cc以下で13年未満」クラスの自動車税は50000円、「2.0トン以下で13年未満」クラスの自動車重量税は16400円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに6500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本18000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額6500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした53500円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

このあたりのクラスから理想と現実の違い、つまり「乗りたい車」と「乗ることができる車」は違うことを思い知らされます。うっかり手を出せば「いっ…維持費が高すぎて息ができん!フーッ!フーッ!」と目を白黒させることになりかねません。

さて、フェアレディZ【BaseGrade】の場合、維持費の月額は31300円になります。金銭的にシビアな人からは「車なんてどれもタイヤが4つあるだけなのに、なんでこんなにお金の掛かる車に乗ってるんだ…修行か…」と奇異の目で見られていることでしょう。でも良いんです。愛さえあれば。

フェアレディZの維持費は高い?安い?

「フェアレディZの年間維持費は375400円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「3000ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてフェアレディZの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いハイエース バン266980円-108420円
GLS327100円-48300円
グランエース342500円-32900円
スカイライン369100円-6300円
フェアレディZの維持費375400円
基準3000ccクラス平均402200円+26800円
アリスト439900円+64500円
スカイラインGT-R466200円+90800円
X5503300円+127900円
高いXM ワゴン600800円+225400円

フェアレディZの年間維持費を、3000ccクラスで最も維持費が安いハイエース バンと比較して108420円高く、最も高いXM ワゴンと比較して225400円安く、3000ccクラスの平均維持費との比較では26800円安くなっています。

最低額のハイエース バンと最高額のXM ワゴンは極端な例としても、3000ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、フェアレディZの維持費は ちょっと安い! と言えそうです。

年間維持費が安い 3000ccクラスの車 ランキング

フェアレディZを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%490万円41万円32万円
15%330万円28万円22万円
20%240万円20万円16万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は490万円(総支給額41万円/月、手取り32万円/月)、ここから月額維持費3.1万円を支払うと残りは28.9万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は330万円(総支給額28万円/月、手取り22万円/月)、3.1万円を支払うと残りは18.9万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が240万円(総支給額20万円/月、手取り16万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。3.1万円を引くと残りは12.9万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代20万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり185円を基準として、-50円となる135円から、+50円となる235円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費9.5km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
135円/L
142120円
[-52620円]
-25円
160円/L
168440円
[-26300円]
-10円
175円/L
184230円
[-10510円]
185円/L194740円
[0円]
+10円
195円/L
205280円
[+10540円]
+25円
210円/L
221070円
[+26330円]
+50円
235円/L
247390円
[+52650円]

燃費9.5km/LのRZ34型 フェアレディZで10000km走行するのに必要な燃料は1052.7L、1リットルあたり185円としたときの燃料代は194740円になります。

参考までに、フェアレディZの燃料タンクは62リットルですので、1052.7Lの給油回数は17回、1回あたりの燃料代は約11460円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては10540円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると26330円、50円も違ってくると52650円にもなります。

これをRZ34型 フェアレディZの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり185円の場合を375400円としたとき、135円/Lに値下がりすれば322780円(86.0%)に、235円/Lに値上がりすれば428050円(114.0%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(50000円)なり重量税(16400円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 50000円 24%
自動車重量税 1年分 16400円 8%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 3000km分 58420円 28%
オイル交換 年1回 6500円 3%
タイヤ交換 6年毎 9600円 5%
任意保険料 80% 62400円 28%
合計
[1万kmとの差額]
212200円
-163200円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 50000円 20%
自動車重量税 1年分 16400円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 5000km分 97370円 38%
オイル交換 年1回 6500円 3%
タイヤ交換 6年毎 9600円 4%
任意保険料 85% 66360円 26%
合計
[1万kmとの差額]
255100円
-120300円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 50000円 17%
自動車重量税 1年分 16400円 5%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 7000km分 136320円 45%
オイル交換 年1回 9100円 3%
タイヤ交換 6年毎 9600円 3%
任意保険料 90% 70200円 24%
合計
[1万kmとの差額]
300500円
-74900円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料78000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて163200円安い212200円に、5000km走行では120300円安い255100円に、7000km走行では74900円安い300500円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 50000円 10%
自動車重量税 1年分 16400円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 15000km分 292110円 58%
オイル交換 年3回 39000円 8%
タイヤ交換 2.7年毎 21600円 4%
任意保険料 100% 78000円 15%
合計
[1万kmとの差額]
506000円
+130600円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 50000円 8%
自動車重量税 1年分 16400円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 389480円 62%
オイル交換 年4回 52000円 8%
タイヤ交換 2年毎 28800円 5%
任意保険料 100% 78000円 13%
合計
[1万kmとの差額]
623600円
+248200円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
日産の小型車&普通車編
3000cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
2ドア・クーペ編

【WLTC特典】市街地・郊外・高速道路の走行比率が変わると?

ひとくちにWLTCモード燃費と言いましても、信号や渋滞があるノロノロ道路の走行を想定した市街地モード(6.4km/L)、信号や渋滞が少ないスイスイ道路の走行を想定した郊外モード(9.9km/L)、高速道路の走行を想定した高速道路モード(11.6km/L)という3つの走行パターンを内包してありまして、これらを「平均的な使用時間配分」なるもので構成したのがWLTCモード燃費(9.5km/L)ということになります。

ここでは年間走行距離を10000kmとして市街地、郊外、高速道路の走行比率を変えてみたとき、WLTCモード燃費でのガソリン代194740円からどのように変化するかを見ていきたいと思います。

  • 1リットル185円として計算。
  • []内は低燃費タイヤ装着(エコタイヤ)で燃費が3%向上すると仮定した場合のガソリン代。
    たった3%のようですが、もともとの燃費が…なため、お財布には劇的な効果があります。
参考:燃費が3%向上すると…?
市街地6.4km/L → 6.6km/L
郊外9.9km/L → 10.2km/L
高速道路11.6km/L → 11.9km/L

●例1:都市部にお住まい

まず最初に、市街地の住まいを想定して、走行の大半を市街地(90%)、たまに郊外へお買い物(5%)、稀に高速道路に乗ってどこか遠くへ…(5%)という場合で見てみます。

市街地90%・郊外5%・高速5%
市街地9000km260150円
[252270円]
郊外500km9340円
[9070円]
高速道路500km7970円
[7770円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
277460円
+82720円
6.7km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
269110円
-8350円
6.9km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を9000kmとするとき、市街地モード燃費が6.4km/Lではガソリン1406.2Lを消費して、ガソリン代は260150円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を500kmとするとき、郊外モード燃費が9.9km/Lではガソリン50.5Lを消費して、ガソリン代は9340円になります。
  • 高速道路走行のガソリン代
    高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が11.6km/Lではガソリン43.1Lを消費して、ガソリン代は7970円になります。

このパターンでは使用した燃料量が1499.8L、かかったガソリン代が277460円となり、平均燃費は6.7km/L(-2.8km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は+82720円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着で燃費が3%アップするとして、同じ条件で走行するとガソリン代は269110円となり、8350円安くなります。車検2回ごとにタイヤ交換するとき、寿命までの5年間で41750円の経費削減になる計算です。純正タイヤとエコタイヤの差額がこれ以上ならお得、以下なら…?

●例2:市街地と郊外を行き来

次に、とにかく市街地と郊外を行ったり来たりする条件を想定して、市街地の走行を50%、郊外の走行を50%、高速道路は走行しない場合を見てみます。

市街地50%・郊外50%・高速0%
市街地5000km144520円
[140160円]
郊外5000km93440円
[90690円]
高速道路0km0円
[0円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
237960円
+43220円
7.8km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
230850円
-7110円
8.0km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を5000kmとするとき、市街地モード燃費が6.4km/Lでは781.2Lを消費して、ガソリン代は144520円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を5000kmとするとき、郊外モード燃費が9.9km/Lでは505.1Lを消費して、ガソリン代は93440円になります。

このパターンでは使用した燃料量が1286.3L、かかったガソリン代が237960円となり、平均燃費は7.8km/L(-1.7km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は+43220円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着ではガソリン代が230850円となり、1年間で7110円、5年間で35550円の経費削減になる計算です。

●例3:市街地・郊外・高速道路をMix

続いて、都市部に住んでいて郊外の職場へ通勤、あるいは郊外に住んでいて都市部の職場へ通勤、高速利用もバッチリ!という感じでシミュレーションしてみます。

市街地33.3%・郊外33.4%・高速33.3%
市街地3330km96260円
[93330円]
郊外3340km62420円
[60590円]
高速道路3330km53110円
[51760円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
211790円
+17050円
8.7km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
205680円
-6110円
9.0km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を3330kmとするとき、市街地モード燃費が6.4km/Lでは520.3Lを消費して、ガソリン代は96260円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を3340kmとするとき、郊外モード燃費が9.9km/Lでは337.4Lを消費して、ガソリン代は62420円になります。
  • 高速道路走行のガソリン代
    高速道路の走行を3330kmとするとき、高速道路モード燃費が11.6km/Lでは287.1Lを消費して、ガソリン代は53110円になります。

このパターンでは使用した燃料量が1144.8L、かかったガソリン代が211790円となり、平均燃費は8.7km/L(-0.8km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は+17050円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着ではガソリン代が205680円となり、1年間で6110円、5年間で30550円の経費削減になる計算です。

●例4:農村部にお住まい

最後に、びっくりするほど田舎な住まいを想定して、市街地の走行を5%、郊外の走行を90%、高速道路の走行を5%とした場合を見てみます。

市街地5%・郊外90%・高速5%
市街地500km14450円
[14020円]
郊外9000km168180円
[163240円]
高速道路500km7970円
[7770円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
190600円
-4140円
9.7km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
185030円
-5570円
10.0km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を500kmとするとき、市街地モード燃費が6.4km/Lでは78.1Lを消費して、ガソリン代は14450円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を9000kmとするとき、郊外モード燃費が9.9km/Lでは909.1Lを消費して、ガソリン代は168180円になります。
  • 高速道路走行のガソリン代
    高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が11.6km/Lでは43.1Lを消費して、ガソリン代は7970円になります。

このパターンでは使用した燃料量が1030.3L、かかったガソリン代が190600円となり、平均燃費は9.7km/L(+0.2km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は-4140円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着ではガソリン代が185030円となり、1年間で5570円、5年間で27850円の経費削減になる計算です。

以上、極端な条件でのシミュレーションではありますが、走行シチュエーションによって平均燃費は変わり(6.7km/L・7.8km/L・8.7km/L・9.7km/L)、ガソリン代のほうもなかなかな違い(277460円・237960円・211790円・190600円)が出てくることがわかります。


市街地・郊外・高速道路の満タン航続距離

各モード燃費と航続距離
燃料タンク容量 62リットル
WLTCモード燃費
9.5km/L
589.0km
市街地燃費
6.4km/L
396.8km
[-192.2km]
郊外燃費
9.9km/L
613.8km
[+24.8km]
高速道路燃費
11.6km/L
719.2km
[+130.2km]
満タン給油価格 11470円
1km走行コスト 19.47円
1万円走行距離 513.5km

WLTCモード燃費が9.5km/L、燃料タンク容量62リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は589.0kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(8.6km/L)とすると航続距離は533.2km、80%(7.6km/L)だと471.2km、70%(6.6km/L)では409.2kmになります。

WLTCモード燃費には市街地モード・郊外モード・高速道路モードという3つの走行パターンが内包されておりますので、参考までにそれぞれのモード燃費で燃料タンクが空になるまで走行した場合の満タン航続距離を計算してみます。

燃料タンクの容量を62Lとしたとき、市街地モード燃費6.4km/Lでの航続距離は396.8km(-192.2km)、郊外モード燃費9.9km/Lでの航続距離は613.8km(+24.8km)、高速道路モード燃費11.6km/Lでの航続距離は719.2km(+130.2km)となります。

ある特定のシチュエーションのみを、燃料タンクが空になるまで走行することはなかなかありませんが、「その気になればこのくらいの距離を走れちゃうんだぜ!」という参考データだけは持っておくと、次回の給油回数削減チャレンジでギリギリのラインを狙っていくのに役立つ、かもしれません。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から62リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり185円では11470円、上で計算した航続距離を踏まえると589.0km(80%燃費時471.2km)を走行するのに11470円かかる計算です。

燃費を9.5km/Lとしたときの1km走行コストは19.47円、10万km走行したときの燃料代は194.7万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら19.5万円/年、7年10万kmなら27.8万円/年、5年10万kmなら38.9万円/年、3年10万kmなら64.9万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば513.5km(往復なら片道256.8km)、カタログ値の80%なら410.8km(片道205.4km)離れたところまで行くことができます。

カタログデータから見えてくる要素

VR30DDTT型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
1600回転時の馬力 108PS
5600回転時の馬力 378PS
6400回転時の馬力 405PS
各回転域でのトルク
1600回転時のトルク 48.4kgm
5600回転時のトルク 48.4kgm
6400回転時のトルク 45.3kgm
VR30DDTT型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているVR30型2997cc、V型6気筒のツインターボエンジンは6400回転時に最高出力405馬力を、1600-5600回転時に最大トルク48.4kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、アイドリングとそれほど変わらないような回転数から最大トルクが発生するこのエンジンは、坂道発進も平気の平左、MT車でもエンスト知らず、扱いやすさにかけては右に出るものがありません。ディーゼル車やダウンサイジングターボに多くあります。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する1600rpmから最高出力が発生する6400rpmまで」の4800rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は75.0%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
3000cc以下クラス編
日産の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
3000cc以下クラス編
日産の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ3.877kg/PS(1570kg/405PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ3.877kg/PS
車体+1人4.012kg/PS
車体+2人4.148kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg4.025kg/PS
車体+70kg4.049kg/PS
車体+80kg4.074kg/PS
車体+90kg4.099kg/PS
車体+100kg4.123kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは4.012kg/PS(1625kg/405PS)となり、数値としては0.135kg、比率にすると3.5%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの2人が搭乗した場合、車両重量に110kgがプラスされてパワーウェイトレシオは4.148kg/PS(1680kg/405PS)となり、数値としては0.271kg、比率にすると7.0%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

RZ34 フェアレディZのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2022/04

-
フェアレディZ
4.012kg/PS
1625kg/405PS|3.0L-TT
[車体のみPWR:3.877]
2015/01

車種詳細
RC-F
3.847kg/PS
1835kg/477PS|5.0L-NA
車体のみPWR:3.732
2013/09

車種詳細
IS-F
4.058kg/PS
1745kg/430PS|5.0L-NA
車体のみPWR:3.930
2015/11

車種詳細
GS-F
3.952kg/PS
1885kg/477PS|5.0L-NA
車体のみPWR:3.836
1996/01

車種詳細
スカイラインGT-R
4.013kg/PS
1605kg/400PS|2.8L-TT
車体のみPWR:3.875
2017/03

車種詳細
LC クーペ
4.182kg/PS
1995kg/477PS|5.0L-NA
車体のみPWR:4.067

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ4.012kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

3.811kg/PSから4.213kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、レクサスの4人乗りクーペ「USC10型 RC-F」、レクサスの4人乗りセダン「USE20型 IS-F」、レクサスの5人乗りセダン「URL10型 GS-F」、日産の4人乗りクーペ「BCNR33型 スカイラインGT-R」、レクサスの4人乗りクーペ「URZ100型 LC クーペ」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

RZ34型 フェアレディZ [BaseGrade]のライバル車種|4.012kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は258.0PS/tとなっています。


フェアレディZがバイクと競争するなら…?


車種詳細
マグナ|748cc
4.000kg/PS
300kg/74.8PS/6.63kgm
[車体のみPWR:3.267]
1速ギヤ速度:78.3km/h
最小TWR:0.857
2022/04

-
フェアレディZ|2997cc
4.012kg/PS
1625kg/405PS/48.4kgm
[車体のみPWR:3.877]
1速ギヤ速度:60.9km/h
最小TWR:0.819

車種詳細
マグナ|748cc
4.013kg/PS
301kg/74.8PS/6.63kgm
[車体のみPWR:3.280]
1速ギヤ速度:78.3km/h
最小TWR:0.860

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではフェアレディZとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

RC43 マグナと競争してみる

まずフェアレディZより少しPWRが低いバイクとして、ホンダのマグナが挙げられます。PWRの4.000kg/PSは車両重量245kgにライダーの体重55kgを加えた300kgを、最高出力74.8PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はマグナに17.4km/h劣り、1速TWRは0.038kg勝る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

RC43 マグナと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ホンダのマグナが挙げられます。PWRの4.013kg/PSは車両重量246kg+55kgの301kgを、最高出力74.8PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は17.4km/h劣り、1速TWRは0.041kg勝る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.614
平均ピストンスピード 18.35m/s
トルクウェイトレシオ 32.44kg/kgm
1馬力あたりのお値段 12942円
排気量1Lあたり馬力 135.14PS/L
排気量1Lあたりトルク 16.15kgm/L
1気筒あたりの馬力 67.5PS
1気筒あたりのトルク 8.1kgm
パワーバンド比率 75.0%
燃費×馬力 3847.5pt
各種ランキング
クーペのPWR
2.5~3.0Lターボ車のPWR

トルクウェイトレシオは32.44kg/kgm(1570kg/48.4kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が5241500円、最高出力が405馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は12942円、逆に1万円あたりでは0.77馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は108295円、1万円あたりでは0.09kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
日産編
3000cc以下の車編
クーペ編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は135.14PS/L、トルクは16.15kgm/L、1気筒あたりの馬力は67.5馬力、トルクは8.1kgmとなり、このエンジンが405馬力を6400回転で発生させているときの平均ピストンスピードは18.35m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が86.0mmであるVR30型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6980回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.614になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと小回りを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が9.5km/L、最高出力が405PSであるこの車の獲得ポイントは3847.5ptになります。
戯れに車両重量1570kgを100kg単位にした15.7で割ってみたところ、その数値は245.06ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


人間様の占有スペース

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

人間様の占有スペース
室内長×室内幅×室内高 1.552m³
1人あたりのスペース 0.776m³
室内長/全長 22.3%
室内幅/全幅 81.0%
室内高/全高 81.0%
室内容積/車両体積 14.6%

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は1.552m³です。この車の乗車定員は2人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.776m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は22.3%、同じく室内幅と全幅の比率は81.0%、同じく室内高と全高の比率は81.0%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は14.6%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合6400rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6900回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6900rpm|タイヤサイズ 245/45R18|タイヤ直径 67.8cm|円周長 213.0cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6900rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 3.794 13.42 -
-
66km/h 10500rpm 1916.5kgm
2速 2.324 8.22 0.613 1-2/
4230rpm
107km/h 6430rpm 1173.9kgm
3速 1.624 5.75 0.699 2-3/
4820rpm
153km/h 4500rpm 820.3kgm
4速 1.271 4.50 0.783 3-4/
5400rpm
196km/h 3520rpm 642.0kgm
5速 1.000 3.54 0.787 4-5/
5430rpm
249km/h 2770rpm 505.1kgm
6速 0.794 2.81 0.794 5-6/
5480rpm
314km/h 2200rpm 401.1kgm
Final 3.538 レシオカバレッジ(変速比幅)4.778

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数1600-5600rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.538)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(48.4kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.538)÷タイヤの有効半径(0.339m)で算出。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は6速ギヤの314km(6400rpmでは291.2km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが1600-5600回転で最大トルク48.4kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば32.44kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(3.877kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと1916.5kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1570kg)を1速ギヤの最大駆動力(1916.5kgm)で割ってみると0.819kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する6400回転でのトルク(45.3kgm)からTWRを算出すると0.875kg/kgmとなり、1600-6400回転の回転域では0.819-0.875kg/kgmの間で推移することがわかります。


おまけ:6400rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

RZ34型フェアレディZに搭載されたVR30型2997ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する6400rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

6400rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ61km/h-
2速ギヤ99km/h3920rpm
3速ギヤ142km/h4470rpm
4速ギヤ182km/h5010rpm
5速ギヤ231km/h5040rpm
6速ギヤ291km/h5080rpm

まず1速ギヤで6400rpmまで引っ張ると61km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は6400rpmから3920rpmまで落ち、そこから6400rpmまで加速を続けると速度は99km/h(+38km/h)になります。

3速ギヤでは4470rpmまで落ちて6400rpmで142km/h(+43km/h)に、4速ギヤでは5010rpmまで落ちて6400rpmで182km/h(+40km/h)になります。

続いて5速ギヤでは5040rpmまで落ちて6400rpmで231km/h(+49km/h)に、6速ギヤでは5080rpmまで落ちて6400rpmで291km/h(+60km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4200 6300 8400 10500 12600 14700 18910
2速 2570 3860 5150 6430 7720 9010 11580
3速 1800 2700 3600 4500 5400 6290 8090
4速 1410 2110 2810 3520 4220 4930 6330
5速 1110 1660 2210 2770 3320 3880 4980
6速 880 1320 1760 2200 2640 3080 3960
※赤い数字は暫定レブリミット(6900rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.794)を選択して時速100kmにて走行すると2200回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1320回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1540回転、一般的な高速道路の80km/hでは1760回転、100km/hでは2200回転、制限速度が120km/hになると2640回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは3960回転まで回ります。

一般的な自動車であれば時速100kmでの巡航回転数は2500回転付近に落ち着くようですが、その中でも若干低めの回転数となっています。標準的なギヤ比の範囲内ながらも加速よりも静粛性や燃費に重きを置いた設定なので、急な坂道や長く続く坂道では積極的にギヤを1段下げる操作が必要になるかもしれません。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 10 19 29 38 48 57 67 76
2速 16 31 47 62 78 93 109 124
3速 22 44 67 89 111 133 156 178
4速 28 57 85 114 142 171 199 227
5速 36 72 108 144 181 217 253 289
6速 45 91 136 182 227 273 318 364

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6900回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの245/45R18と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 245/45R18 | 直径 678mm

-20mm
幅225mm
-10mm
幅235mm
変更なし
幅245mm
+10mm
幅255mm
+20mm
幅265mm
-5%
40
扁平
225/40R18
37.6km/h
直径637mm
径差-41mm
235/40R18
38.1km/h
直径645mm
径差-33mm
245/40R18
38.5km/h
直径653mm
径差-25mm
255/40R18
39.0km/h
直径661mm
径差-17mm
265/40R18
39.5km/h
直径669mm
径差-9mm
0%
45
扁平
225/45R18
38.9km/h
直径660mm
径差-18mm
235/45R18
39.5km/h
直径669mm
径差-9mm
245/45R18
40.0km/h
678mm
0mm
255/45R18
40.5km/h
直径687mm
径差+9mm
265/45R18
41.1km/h
直径696mm
径差+18mm
+5%
50
扁平
225/50R18
40.2km/h
直径682mm
径差+4mm
235/50R18
40.8km/h
直径692mm
径差+14mm
245/50R18
41.4km/h
直径702mm
径差+24mm
255/50R18
42.0km/h
直径712mm
径差+34mm
265/50R18
42.6km/h
直径722mm
径差+44mm
+10%
55
扁平
225/55R18
41.6km/h
直径705mm
径差+27mm
235/55R18
42.2km/h
直径716mm
径差+38mm
245/55R18
42.9km/h
直径727mm
径差+49mm
255/55R18
43.5km/h
直径738mm
径差+60mm
265/55R18
44.2km/h
直径749mm
径差+71mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、225/45R18 、235/40R18、235/45R18 、245/40R18 、255/40R18 、265/40R18あたりのタイヤがおすすめです。

245/45R18のタイヤ幅を225mmから275mmまで、扁平率を30%から60%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、245/45R18の適応サイズと性能の変化 [RZ34型フェアレディZ編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】245/45R18のタイヤ銘柄と通販価格

RZ34型フェアレディZ[3.0L-TT FR/6MT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト3.877kg/ps66.12
1速ギヤ加速性能0.819kg/kgm66.18
1L換算馬力135.14ps/L61.61
1L換算トルク16.15kgm/L50.65
WB/TR比1.61466.39
ワイド&ロー指数0.71363.03
前面の面積2.426m²55.63
最低地上高120mm64.02
スポーツ性能部門の得点493.63

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
WLTC燃費9.5km/L36.42
年間維持費375400円45.53
100kmh回転数2200rpm53.88
航続距離589.0km42.79
車の大きさ10.627m³46.72
室内の広さ1.552m³32.25
最小回転半径5.2m49.39
馬力単価12942円61.33
ユーティリティ部門の得点368.31

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した RZ34型フェアレディZ[3.0L-TT FR/6MT] の総合得点は 861.94 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したフェアレディZ(FR/6MT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのクーペ」、「3000ccのクーペ」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

フェアレディZの歴代モデル

6代目 HZ34型 フェアレディZ
HZ34 フェアレディZは2008/12に登場した6代目モデル。参考車両の「RoadSter Version-ST」は全長4250mm、全幅1845mm、全高1325mmの車体に、336PS/37.2kgmを発生するVQ37型3696ccエンジンを搭載した2人乗りオープンカー。

5代目 HZ33型 フェアレディZ
HZ33 フェアレディZは2002/07に登場した5代目モデル。参考車両の「RoadSter Version-ST」は全長4315mm、全幅1815mm、全高1325mmの車体に、313PS/36.5kgmを発生するVQ35型3498ccエンジンを搭載した2人乗りオープンカー。

4代目 HZ32型 フェアレディZ
HZ32 フェアレディZは1989/07に登場した4代目モデル。参考車両の「Version-S Convertible」は全長4310mm、全幅1790mm、全高1255mmの車体に、230PS/27.8kgmを発生するVG30型2960ccエンジンを搭載した2人乗りオープンカー。