CY31 セドリックの性能と維持費 FR/4AT 5人 291万円 1998年式

このページでは、日産自動車の4ドア・5人乗りセダン、7代目のE-CY31型セドリック V20E Classic-SV【1998/06モデル・125PS/17.0kgm・FR/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

CY31 セドリック
販売期間:1987/06 - 2002/06

画像は日産自動車より引用
http://www.nissan.co.jp/
投稿:2022/10/11|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長4860mm×全幅1720mm×全高1425mm、排気量は1998ccであることから、大雑把に分類すると2.0リットルクラス(2000cc、自動車税は2.0L以下を適用)に属し、排気量は2000cc以下なれど、全長と全幅が5ナンバー枠を超えていることにより3ナンバー登録になります。車体が大きい割りに排気量が小さいので、やや非力に感じることがあるかもしれません。
参考:100PS~150PSの自動車 一覧

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、後輪のみを駆動する、フロントエンジン・リヤドライブ方式(後輪駆動・FR・RWDとも)を採用しています。前輪は操舵、後輪は駆動と役割分担が異なることから優れたハンドリングを得られるとされ、運転の質を求める人々から絶大なる支持を集めます。高級車の代名詞的な駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4860mmであるこの車の場合は「アッパーミディアム」(Upper-Medium:4650mm超-4900mm以下・Eセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


CY31型 セドリック [1998cc/125PS FR/4AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

7代目セドリックの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
1998/06
Y31型
[V20E Super-Custom]
2.0L-NA・FR/5MT・206.5万円
125PS・17.0kgm・10.6km/L
125PS
17.0kgm
10.6km/L
1998/06
UY31型
[RD28 Classic]
2.8L-NA・FR/4AT・281.2万円
94PS・18.0kgm・-
94PS
18.0kgm
-
1998/06
CUY31型
[RD28 Brougham]
2.8L-NA・FR/4AT・333.8万円
94PS・18.0kgm・-
94PS
18.0kgm
-
7代目セドリックの車両型式・グレード一覧【全8車種】
セドリックの新型モデル
8代目 PY32型セドリック
PY32型セドリックは1991/06に登場した8代目モデル。参考車両の「V30 Twin-Cum Turbo Brougham」は全長4800mm、全幅1745mm、全高1410mmの車体に、256PS/35.0kgmを発生するVG30型2960ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー 日産自動車
車名&
グレード
セドリック
V20E Classic-SV
その他 クラシックSV | ブロアム
お値段 2906000円
車両型式 E-CY31
駆動方式
変速機
FR・後輪駆動(RWD,2WD)
4速AT・4速オートマ車
ドア/定員 4ドア/5名乗車
車体寸法 長4860×幅1720×高1425mm
室内寸法 長1925×幅1420×高1180mm
軸距&
輪距
2735mm
前1440mm/後1450mm
最小半径 5.5m
タイヤ 前輪:195/70R14
後輪:195/70R14
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ディスク
車両重量 1460kg
エンジン諸元
原動機型式 VG20E
気筒配列 V型6気筒
排気量1998cc
圧縮比9.5
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 125PS[92kW]/6000rpm
最大トルク 17.0kgm[167Nm]/3200rpm
使用燃料 レギュラーガソリン
10・15燃費 9.7km/L(22.8mpg)
100km燃費 10.3L/100km
VG20E型エンジンの諸元と性能まとめ
V型6気筒とは‥シリンダをV字型に交互で6個配置する方式。中排気量のスタンダード。
V型6気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税45400円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税18900円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額5500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、1998/06モデルのセドリックを26年落ちの中古で63.9万円にて購入し、頭金なしで2年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    セドリックの1998/06モデルの場合、2024年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の20%である58.12万円に諸経費として5.8万円を足した63.9万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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1998年式を26年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 2000cc以下 13年経過 45400円
自動車重量税(1年分) 1.5トン以下 18年経過 18900円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷8.2km/L×175円/L 213410円
オイル交換(5000km毎) 1回4500円×2回 9000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本8000円×4本÷5年 6400円
任意保険料(月額5500円) 月額5500円×12ヶ月 66000円
ローン完済後の年間維持費 368000円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額26640円×12ヶ月 319680円
ローン返済中の年間維持費 687700円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 58500円
名目 金額
自動車税(1年分) 45400円
自動車重量税(1年分) 18900円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
213410円
(149390円)
(106710円)
(64020円)
オイル交換(5000km毎) 9000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 6400円
任意保険料(月額5500円) 66000円
ローン完済後の年間維持費 368000円
名目 金額
車のローン額(1年分) 319680円
ローン返済中の年間維持費 687700円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
58500円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「2000cc以下で13年経過」クラスの自動車税は45400円、「1.5トン以下で18年経過」クラスの自動車重量税は18900円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに4500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本8000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額5500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした58500円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

このあたりのクラスから理想と現実の違い、つまり「乗りたい車」と「乗ることができる車」は違うことを思い知らされます。うっかり手を出せば「いっ…維持費が高すぎて息ができん!フーッ!フーッ!」と目を白黒させることになりかねません。

さて、セドリック【V20E Classic-SV】の場合、維持費の月額は30700円になります。金銭的にシビアな人からは「車なんてどれもタイヤが4つあるだけなのに、なんでこんなにお金の掛かる車に乗ってるんだ…修行か…」と奇異の目で見られていることでしょう。でも良いんです。愛さえあれば。

セドリックの維持費は高い?安い?

「セドリックの年間維持費は368000円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「2000ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてセドリックの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いプリウス189800円-178200円
ヴォクシー ハイブリッド227000円-141000円
スイフト スポーツ275300円-92700円
シビック タイプR312300円-55700円
基準2000ccクラス平均316600円-51400円
アコード345200円-22800円
WRX STI364700円-3300円
セドリックの維持費368000円
エクスプローラー413900円+45900円
高いBX484900円+116900円

セドリックの年間維持費を、2000ccクラスで最も維持費が安いプリウスと比較して178200円高く、最も高いBXと比較して116900円安く、2000ccクラスの平均維持費との比較では51400円高くなっています。

最低額のプリウスと最高額のBXは極端な例としても、2000ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、セドリックの維持費は まあまあ高い! と言えそうです。

年間維持費が安い 2000ccクラスの車 ランキング

セドリックを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%480万円40万円31万円
15%320万円27万円21万円
20%240万円20万円16万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は480万円(総支給額40万円/月、手取り31万円/月)、ここから月額維持費3.1万円を支払うと残りは27.9万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は320万円(総支給額27万円/月、手取り21万円/月)、3.1万円を支払うと残りは17.9万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が240万円(総支給額20万円/月、手取り16万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。3.1万円を引くと残りは12.9万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代22万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、レギュラーガソリン1リットルあたり175円を基準として、-50円となる125円から、+50円となる225円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費8.2km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
125円/L
152450円
[-60960円]
-25円
150円/L
182940円
[-30470円]
-10円
165円/L
201240円
[-12170円]
175円/L213410円
[0円]
+10円
185円/L
225630円
[+12220円]
+25円
200円/L
243920円
[+30510円]
+50円
225円/L
274410円
[+61000円]

燃費8.2km/LのCY31型 セドリックで10000km走行するのに必要な燃料は1219.6L、1リットルあたり175円としたときの燃料代は213410円になります。

参考までに、セドリックの燃料タンクは72リットルですので、1219.6Lの給油回数は17回、1回あたりの燃料代は約12560円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては12220円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると30510円、50円も違ってくると61000円にもなります。

これをCY31型 セドリックの年間維持費に当てはめてみますと、レギュラーガソリン1リットルあたり175円の場合を368000円としたとき、125円/Lに値下がりすれば307040円(83.4%)に、225円/Lに値上がりすれば429000円(116.6%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(45400円)なり重量税(18900円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 45400円 23%
自動車重量税 1年分 18900円 10%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 3000km分 64020円 32%
オイル交換 年1回 4500円 2%
タイヤ交換 6年毎 4270円 2%
任意保険料 80% 52800円 27%
合計
[1万kmとの差額]
198800円
-169200円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 45400円 19%
自動車重量税 1年分 18900円 8%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 5000km分 106710円 44%
オイル交換 年1回 4500円 2%
タイヤ交換 6年毎 4270円 2%
任意保険料 85% 56160円 21%
合計
[1万kmとの差額]
244800円
-123200円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 45400円 16%
自動車重量税 1年分 18900円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 7000km分 149390円 51%
オイル交換 年1回 6300円 2%
タイヤ交換 6年毎 4270円 1%
任意保険料 90% 59400円 21%
合計
[1万kmとの差額]
292500円
-75500円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料66000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて169200円安い198800円に、5000km走行では123200円安い244800円に、7000km走行では75500円安い292500円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 45400円 9%
自動車重量税 1年分 18900円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 15000km分 320120円 65%
オイル交換 年3回 27000円 5%
タイヤ交換 2.7年毎 9600円 2%
任意保険料 100% 66000円 13%
合計
[1万kmとの差額]
495900円
+127900円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 45400円 7%
自動車重量税 1年分 18900円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 426820円 69%
オイル交換 年4回 36000円 6%
タイヤ交換 2年毎 12800円 2%
任意保険料 100% 66000円 12%
合計
[1万kmとの差額]
614800円
+246800円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
日産の小型車&普通車編
2000cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
4ドア・セダン編

セドリックの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 9.7km/L
燃料タンク容量 72L
航続距離(カタログ燃費) 698.4km
航続距離(80%燃費) 561.6km
満タンプライス 12600円
1km走行コスト 18.04円
1万円でどこまで行ける? 554.3km

10・15モード燃費が9.7km/L、燃料タンク容量72リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は698.4kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(8.7km/L)とすると航続距離は626.4km、80%(7.8km/L)だと561.6km、70%(6.8km/L)では489.6kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から72リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、レギュラーガソリンを1リットルあたり175円では12600円、上で計算した航続距離を踏まえると698.4km(80%燃費時561.6km)を走行するのに12600円かかる計算です。

燃費を8.2km/Lとしたときの1km走行コストは18.04円、10万km走行したときの燃料代は180.4万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら18.0万円/年、7年10万kmなら25.8万円/年、5年10万kmなら36.1万円/年、3年10万kmなら60.1万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば554.3km(往復なら片道277.1km)、カタログ値の80%なら443.4km(片道221.7km)離れたところまで行くことができます。

カタログデータから見えてくる要素

VG20E型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
3200回転時の馬力 76PS
6000回転時の馬力 125PS
各回転域でのトルク
3200回転時のトルク 17.0kgm
6000回転時のトルク 14.9kgm
VG20E型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているVG20型1998cc、V型6気筒の自然吸気エンジンは6000回転時に最高出力125馬力を、3200回転時に最大トルク17.0kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する3200rpmから最高出力が発生する6000rpmまで」の2800rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は46.7%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
2000cc以下クラス編
日産の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
2000cc以下クラス編
日産の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ11.680kg/PS(1460kg/125PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ11.680kg/PS
車体+1人12.120kg/PS
車体+5人13.880kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg12.160kg/PS
車体+70kg12.240kg/PS
車体+80kg12.320kg/PS
車体+90kg12.400kg/PS
車体+100kg12.480kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは12.120kg/PS(1515kg/125PS)となり、数値としては0.440kg、比率にすると3.8%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは13.880kg/PS(1735kg/125PS)となり、数値としては2.200kg、比率にすると18.8%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

CY31 セドリックのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
1998/06

-
セドリック
12.120kg/PS
1515kg/125PS|2.0L-NA
[車体のみPWR:11.680]
2015/12

車種詳細
アルト ワークス
12.109kg/PS
775kg/64PS|0.7L-TB
車体のみPWR:11.250
2015/04

車種詳細
ステップワゴン スパーダ
12.167kg/PS
1825kg/150PS|1.5L-TB
車体のみPWR:11.800
1990/11

車種詳細
シェビー
12.179kg/PS
2375kg/195PS|5.8L-NA
車体のみPWR:11.897
2018/06

車種詳細
カローラ スポーツ
12.026kg/PS
1395kg/116PS|1.2L-TB
車体のみPWR:11.552
2010/09

車種詳細
パジェロ
12.184kg/PS
2315kg/190PS|3.2L-TB
車体のみPWR:11.895

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ12.120kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

11.999kg/PSから12.241kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、スズキの4人乗り軽ハッチバック「HA36S型 アルト ワークス」、ホンダの7人乗りミニバン「RP4型 ステップワゴン スパーダ」、シボレーの7人乗りミニバン「謎型 シェビー」、トヨタの5人乗りハッチバック「NRE210H型 カローラ スポーツ」、三菱の7人乗りSUV「V98W型 パジェロ」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

CY31型 セドリック [V20E Classic-SV]のライバル車種|12.120kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は85.6PS/tとなっています。


セドリックがバイクと競争するなら…?


車種詳細
バーグマン200|199cc
12.111kg/PS
218kg/18.0PS/1.60kgm
[車体のみPWR:9.056]
1速ギヤ速度:37.8km/h
最小TWR:1.275
1998/06

-
セドリック|1998cc
12.120kg/PS
1515kg/125PS/17.0kgm
[車体のみPWR:11.680]
1速ギヤ速度:55.2km/h
最小TWR:2.097

車種詳細
NMAX155|155cc
12.200kg/PS
183kg/15.0PS/1.40kgm
[車体のみPWR:8.533]
1速ギヤ速度:33.6km/h
最小TWR:1.020

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではセドリックとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

CH41A バーグマン200と競争してみる

まずセドリックより少しPWRが低いバイクとして、スズキのバーグマン200が挙げられます。PWRの12.111kg/PSは車両重量163kgにライダーの体重55kgを加えた218kgを、最高出力18.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はバーグマン200に17.4km/h勝り、1速TWRは0.822kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

SG50J NMAX155と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ヤマハのNMAX155が挙げられます。PWRの12.200kg/PSは車両重量128kg+55kgの183kgを、最高出力15.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は21.6km/h勝り、1速TWRは1.077kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.893
平均ピストンスピード 13.94m/s
トルクウェイトレシオ 85.88kg/kgm
1馬力あたりのお値段 23248円
排気量1Lあたり馬力 62.56PS/L
排気量1Lあたりトルク 8.51kgm/L
1気筒あたりの馬力 20.8PS
1気筒あたりのトルク 2.8kgm
パワーバンド比率 46.7%
燃費×馬力 1030.0pt
各種ランキング
セダンのPWR
1.8~2.0LのNA車 PWR

トルクウェイトレシオは85.88kg/kgm(1460kg/17.0kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が2906000円、最高出力が125馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は23248円、逆に1万円あたりでは0.43馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は170941円、1万円あたりでは0.06kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
日産編
2000cc以下の車編
セダン編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は62.56PS/L、トルクは8.51kgm/L、1気筒あたりの馬力は20.8馬力、トルクは2.8kgmとなり、このエンジンが125馬力を6000回転で発生させているときの平均ピストンスピードは13.94m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が69.7mmであるVG20型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は8610回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.893になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと真っ直ぐ進むことを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が8.24km/L、最高出力が125PSであるこの車の獲得ポイントは1030.0ptになります。
戯れに車両重量1460kgを100kg単位にした14.6で割ってみたところ、その数値は70.55ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


人間様の占有スペース

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

人間様の占有スペース
室内長×室内幅×室内高 3.226m³
1人あたりのスペース 0.645m³
室内長/全長 39.6%
室内幅/全幅 82.6%
室内高/全高 82.8%
室内容積/車両体積 27.1%

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は3.226m³です。この車の乗車定員は5人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.645m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は39.6%、同じく室内幅と全幅の比率は82.6%、同じく室内高と全高の比率は82.8%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は27.1%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


セドリックでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.701m
期待される荷室の幅 1.320m
対角線の長さ 2.153m
期待される荷室の面積 2.245m²

縦方向の長さが1.701m(対角線では2.153m)などという破格のクラスになると、これはもう四の五の言わず車に住むべきです。

これだけの車を所持できる素養は持ち得ているのですから、細かいことは気にせずあらゆる支配からの卒業を宣言し、信じられぬ大人との争いに終止符を打ちましょう。

セダンやクーペであっても後部座席の背もたれを取り外してトランクルームと貫通させて荷室長を確保すれば良いだけの話です。たまに背もたれを取り外してもトランクルームと繋がっていなかったり、頑強な補強バーが入っていて邪魔されることもありますが、恐らく稀なケースです。

車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合6000rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6500回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6500rpm|タイヤサイズ 195/70R14|タイヤ直径 62.9cm|円周長 197.6cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6500rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 2.785 12.88 -
-
60km/h 10860rpm 696.2kgm
2速 1.545 7.15 0.555 1-2/
3610rpm
108km/h 6030rpm 386.2kgm
3速 1.000 4.62 0.647 2-3/
4210rpm
167km/h 3900rpm 250.0kgm
4速 0.694 3.21 0.694 3-4/
4510rpm
240km/h 2710rpm 173.5kgm
Final 4.625 レシオカバレッジ(変速比幅)4.013

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数3200rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.625)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(17.0kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.625)÷タイヤの有効半径(0.3145m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は4速ギヤの240km(6000rpmでは221.6km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが3200回転で最大トルク17.0kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば85.88kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(11.680kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと696.2kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1460kg)を1速ギヤの最大駆動力(696.2kgm)で割ってみると2.097kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する6000回転でのトルク(14.9kgm)からTWRを算出すると2.393kg/kgmとなり、3200-6000回転の回転域では2.097-2.393kg/kgmの間で推移することがわかります。


おまけ:6000rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

CY31型セドリックに搭載されたVG20型1998ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する6000rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

6000rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ55km/h-
2速ギヤ100km/h3330rpm
3速ギヤ154km/h3880rpm
4速ギヤ222km/h4160rpm

まず1速ギヤで6000rpmまで引っ張ると55km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は6000rpmから3330rpmまで落ち、そこから6000rpmまで加速を続けると速度は100km/h(+45km/h)になります。

3速ギヤでは3880rpmまで落ちて6000rpmで154km/h(+54km/h)に、4速ギヤでは4160rpmまで落ちて6000rpmで222km/h(+68km/h)に、という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4350 6520 8690 10860 13040 15210 19560
2速 2410 3620 4820 6030 7230 8440 10850
3速 1560 2340 3120 3900 4680 5460 7020
4速 1080 1620 2170 2710 3250 3790 4870
※赤い数字は暫定レブリミット(6500rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.694)を選択して時速100kmにて走行すると2710回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1620回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1900回転、一般的な高速道路の80km/hでは2170回転、100km/hでは2710回転、制限速度が120km/hになると3250回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは4870回転まで回ります。

一般的な自動車であれば時速100kmでの巡航回転数は2500回転付近に落ち着くようですが、その中でも若干高めの回転数となっています。標準的なギヤ比の範囲内ながらも静粛性や燃費よりも加速に重きを置いた設定なので、高速道路やバイパスを走行するとき、ふと「もう1段上のギヤがあったらなあ‥」と呟くことがあるかもしれません。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 9 18 28 37 46 55 64 74
2速 17 33 50 66 83 100 116 133
3速 26 51 77 103 128 154 179 205
4速 37 74 111 148 185 222 259 295

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6500回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの195/70R14と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 195/70R14 | 直径 629mm

-20mm
幅175mm
-10mm
幅185mm
変更なし
幅195mm
+10mm
幅205mm
+20mm
幅215mm
-5%
65
扁平
175/65R14
37.1km/h
直径584mm
径差-45mm
185/65R14
38.0km/h
直径597mm
径差-32mm
195/65R14
38.8km/h
直径610mm
径差-19mm
205/65R14
39.6km/h
直径623mm
径差-6mm
215/65R14
40.4km/h
直径636mm
径差+7mm
0%
70
扁平
175/70R14
38.2km/h
直径601mm
径差-28mm
185/70R14
39.1km/h
直径615mm
径差-14mm
195/70R14
40.0km/h
629mm
0mm
205/70R14
40.9km/h
直径643mm
径差+14mm
215/70R14
41.8km/h
直径657mm
径差+28mm
+5%
75
扁平
175/75R14
39.4km/h
直径619mm
径差-10mm
185/75R14
40.3km/h
直径634mm
径差+5mm
195/75R14
41.3km/h
直径649mm
径差+20mm
205/75R14
42.2km/h
直径664mm
径差+35mm
215/75R14
43.2km/h
直径679mm
径差+50mm
+10%
80
扁平
175/80R14
40.4km/h
直径636mm
径差+7mm
185/80R14
41.5km/h
直径652mm
径差+23mm
195/80R14
42.5km/h
直径668mm
径差+39mm
205/80R14
43.5km/h
直径684mm
径差+55mm
215/80R14
44.5km/h
直径700mm
径差+71mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、175/70R14、175/75R14 、185/70R14 、195/65R14 、205/65R14 あたりのタイヤがおすすめです。

195/70R14のタイヤ幅を175mmから225mmまで、扁平率を55%から85%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、195/70R14の適応サイズと性能の変化 [CY31型セドリック編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】195/70R14のタイヤ銘柄と通販価格

CY31型セドリック[2.0L-NA FR/4AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト11.680kg/ps44.77
1速ギヤ加速性能2.097kg/kgm38.87
1L換算馬力62.56ps/L41.70
1L換算トルク8.51kgm/L38.29
WB/TR比1.89337.63
ワイド&ロー指数0.82854.69
前面の面積2.451m²54.93
最低地上高-43.72
スポーツ性能部門の得点354.60

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
10-15燃費9.7km/L42.71
年間維持費368000円46.21
100kmh回転数2710rpm47.15
航続距離698.4km49.12
車の大きさ11.912m³51.81
室内の広さ3.225m³48.17
最小回転半径5.5m43.27
馬力単価23248円47.78
ユーティリティ部門の得点376.22

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した CY31型セドリック[2.0L-NA FR/4AT] の総合得点は 730.82 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したCY31型セドリック(FR/4AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのセダン」、「2000ccのセダン」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

セドリックの歴代モデル

10代目 HY34型 セドリック
HY34 セドリックは1999/06に登場した10代目モデル。参考車両の「Autech」は全長4980mm、全幅1770mm、全高1440mmの車体に、280PS/39.5kgmを発生するVQ30型2987ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

9代目 HBY33型 セドリック
HBY33 セドリックは1995/06に登場した9代目モデル。参考車両の「Gran-Turismo Ultima Super-Hicas」は全長4875mm、全幅1765mm、全高1425mmの車体に、270PS/37.5kgmを発生するVQ30型2987ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

8代目 Y32型 セドリック
Y32 セドリックは1991/06に登場した8代目モデル。参考車両の「V20E Brougham」は全長4800mm、全幅1745mm、全高1410mmの車体に、125PS/17.0kgmを発生するVG20型1998ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

7代目 Y31型 セドリック
Y31 セドリックは1987/06に登場した7代目モデル。参考車両の「V20E Super-Custom」は全長4690mm、全幅1695mm、全高1425mmの車体に、125PS/17.0kgmを発生するVG20型1998ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。