JLSA:XJの性能と維持費 FR/4AT 5人乗り 1185万円 1994年式

このページでは、ジャガーの4ドア・5人乗りセダン、2代目のE-JLSA型XJ XJ12【1994/11モデル・315PS/48.7kgm・FR/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

JLSA XJ
販売期間:1986/10 - 2003/05

画像はジャガーより引用
http://www.jaguar.co.jp/
投稿:2012/04/30|更新:2019/09/26

ボディサイズが全長5025mm×全幅1800mm×全高1360mm、排気量は5992ccであることから、大雑把に分類すると6.0リットルクラス(6000cc、自動車税は6.0L以下を適用)に属し、全長、全幅、排気量ともに5ナンバー枠を超えていることにより完全無欠の3ナンバー登録車です。いわゆる【高級車】にカテゴライズされます。
参考:300PS~350PSの自動車 一覧

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、後輪のみを駆動する、フロントエンジン・リヤドライブ方式(後輪駆動・FR・RWDとも)を採用しています。前輪は操舵、後輪は駆動と役割分担が異なることから優れたハンドリングを得られるとされ、運転の質を求める人々から絶大なる支持を集めます。高級車の代名詞的な駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が5025mmであるこの車の場合は「ラグジュアリー」(Luxury:4900mm超・Fセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。

2代目XJの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2001/11
J15MB型
[XJR100]
4.0L-SC・FR/5AT・1200.0万円
375PS・53.5kgm・6.8km/L
375PS
53.5kgm
6.8km/L
2001/07
J13KB型
[XJ Sport-3.2 V8]
3.3L-NA・FR/5AT・750.0万円
243PS・32.2kgm・6.7km/L
243PS
32.2kgm
6.7km/L
2001/06
J13LB型
[XJ Executive-4.0 V8]
4.0L-NA・FR/5AT・790.0万円
294PS・40.0kgm・6.7km/L
294PS
40.0kgm
6.7km/L
2代目XJの車両型式・グレード一覧【全7車種】
XJの新型モデル
3代目 J73TB型XJ
J73TB型XJは2003/05に登場した3代目モデル。参考車両の「XJR」は全長5100mm、全幅1900mm、全高1460mmの車体に、406PS/56.4kgmを発生するTB型4196ccエンジンを搭載。

XJの旧型モデル
初代 JLS型XJ
JLS型XJは1968に登場した初代モデル。参考車両の「XJ12」は全長4990mm、全幅1800mm、全高1360mmの車体に、310PS/47.2kgmを発生する5992ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー ジャガー
車名&
グレード
XJ
XJ12
その他 XJ40,XJ81,X300,X305,X308
お値段 11850000円
車両型式 E-JLSA
駆動方式
変速機
FR・後輪駆動(RWD,2WD)
4速AT・4速オートマ車
ドア/定員 4ドア/5名乗車
車体寸法 長5025×幅1800×高1360mm
軸距 2870mm
タイヤ 前輪:0/0R0
後輪:0/0R0
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ディスク
車両重量 1880kg
エンジン諸元
原動機型式 不明
気筒配列 V型12気筒
排気量5992cc
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 315PS[232kW]/5350rpm
最大トルク 48.7kgm[478Nm]/2850rpm
使用燃料 謎の燃料

V型12気筒とは‥シリンダをV字型に交互で12個配置する方式。満足度の高さはピカイチ。
V型12気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税101100円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税25200円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かる燃料代月額9500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、1994/11モデルのXJを30年落ちの中古で260.7万円にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    XJの1994/11モデルの場合、2024年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の20%である237万円に諸経費として23.7万円を足した260.7万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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1994年式を30年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 6000cc以下 13年経過 101100円
自動車重量税(1年分) 2.0トン以下 18年経過 25200円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷6.0km/L×150円/L 250000円
オイル交換(5000km毎) 1回9000円×2回 18000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本4000円×4本÷5年 3200円
任意保険料(月額9500円) 月額9500円×12ヶ月 114000円
ローン完済後の年間維持費 520400円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額43450円×12ヶ月 521400円
ローン返済中の年間維持費 1041800円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 71100円
名目 金額
自動車税(1年分) 101100円
自動車重量税(1年分) 25200円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
250000円
(175000円)
(125000円)
(75000円)
オイル交換(5000km毎) 18000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 3200円
任意保険料(月額9500円) 114000円
ローン完済後の年間維持費 520400円
名目 金額
車のローン額(1年分) 521400円
ローン返済中の年間維持費 1041800円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
71100円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「6000cc以下で13年経過」クラスの自動車税は101100円、「2.0トン以下で18年経過」クラスの自動車重量税は25200円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに9000円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本4000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額9500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 10・15モード燃費、JC08モード燃費、WLTCモード燃費いずれもデータがないので10.0km/Lを仮の燃費として代入。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした71100円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

年間の維持費が50万円を超えてくると、これはもうこの車そのものが趣味の世界です。もしくは、これだけの維持費が掛かる車を所有していることに喜びを感じ、ある種のカタルシスを感じているかもしれません。

名にし負うXJともなれば、その維持費は月額でさえ43400円(ローン完済前は86900円)という破格の金額。とてもじゃないが頭金0円!一世一代のフルローン!で乗るような車ではありません。どうしても乗りたい言うなら、清水の舞台から飛び降りる覚悟でご近所をノロノロ運転して満足するか、盆栽としてガレージに飾っておくならまあ、あるいは…

XJの維持費は高い?安い?

「XJの年間維持費は520400円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「6000ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてXJの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いセンチュリー391600円-128800円
IS446100円-74300円
LC コンバーチブル477600円-42800円
XJの維持費520400円
LX544400円+24000円
基準6000ccクラス平均561100円+40700円
グランドチェロキー566800円+46400円
レンジローバー635400円+115000円
レンジローバー ヴォーグ667400円+147000円
高い7シリーズ719600円+199200円

XJの年間維持費を、6000ccクラスで最も維持費が安いセンチュリーと比較して128800円高く、最も高い7シリーズと比較して199200円安く、6000ccクラスの平均維持費との比較では40700円安くなっています。

最低額のセンチュリーと最高額の7シリーズは極端な例としても、6000ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、XJの維持費は ちょっと安い! と言えそうです。

年間維持費が安い 6000ccクラスの車 ランキング

XJを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%680万円57万円44万円
15%450万円38万円30万円
20%340万円29万円23万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は680万円(総支給額57万円/月、手取り44万円/月)、ここから月額維持費4.3万円を支払うと残りは39.7万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は450万円(総支給額38万円/月、手取り30万円/月)、4.3万円を支払うと残りは25.7万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が340万円(総支給額29万円/月、手取り23万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。4.3万円を引くと残りは18.7万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代25万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、謎の燃料1リットルあたり150円を基準として、-50円となる100円から、+50円となる200円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費6.0km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
100円/L
166670円
[-83330円]
-25円
125円/L
208340円
[-41660円]
-10円
140円/L
233340円
[-16660円]
150円/L250000円
[0円]
+10円
160円/L
266680円
[+16680円]
+25円
175円/L
291680円
[+41680円]
+50円
200円/L
333340円
[+83340円]

燃費6.0km/LのJLSA型 XJで10000km走行するのに必要な燃料は1666.7L、1リットルあたり150円としたときの燃料代は250000円になります。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては16680円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると41680円、50円も違ってくると83340円にもなります。

これをJLSA型 XJの年間維持費に当てはめてみますと、謎の燃料1リットルあたり150円の場合を520400円としたとき、100円/Lに値下がりすれば437070円(84.0%)に、200円/Lに値上がりすれば603740円(116.0%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(101100円)なり重量税(25200円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなれば燃料代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 101100円 32%
自動車重量税 1年分 25200円 8%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 3000km分 75000円 24%
オイル交換 年1回 9000円 3%
タイヤ交換 6年毎 2130円 1%
任意保険料 80% 91200円 29%
合計
[1万kmとの差額]
312500円
-207900円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 101100円 27%
自動車重量税 1年分 25200円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 5000km分 125000円 34%
オイル交換 年1回 9000円 2%
タイヤ交換 6年毎 2130円 1%
任意保険料 85% 96960円 27%
合計
[1万kmとの差額]
368300円
-152100円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 101100円 24%
自動車重量税 1年分 25200円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 7000km分 175000円 41%
オイル交換 年1回 12600円 3%
タイヤ交換 6年毎 2130円 0%
任意保険料 90% 102600円 24%
合計
[1万kmとの差額]
427500円
-92900円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、燃料代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料114000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて207900円安い312500円に、5000km走行では152100円安い368300円に、7000km走行では92900円安い427500円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。燃料代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 101100円 15%
自動車重量税 1年分 25200円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 15000km分 375000円 55%
オイル交換 年3回 54000円 8%
タイヤ交換 2.7年毎 4800円 1%
任意保険料 100% 114000円 16%
合計
[1万kmとの差額]
683000円
+162600円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 101100円 12%
自動車重量税 1年分 25200円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 500000円 60%
オイル交換 年4回 72000円 9%
タイヤ交換 2年毎 6400円 1%
任意保険料 100% 114000円 14%
合計
[1万kmとの差額]
827600円
+307200円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
輸入車・外車の小型車&普通車編
5000cc超クラス編
小型車&普通車の新車編
4ドア・セダン編

カタログデータから見えてくる要素

簡易エンジン性能曲線図
各回転域での馬力
2850回転時の馬力 194PS
5350回転時の馬力 315PS
各回転域でのトルク
2850回転時のトルク 48.7kgm
5350回転時のトルク 42.2kgm

まずおさらいとして、搭載しているV型12気筒、5992ccの自然吸気エンジンは5350回転時に最高出力315馬力を、2850回転時に最大トルク48.7kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する2850rpmから最高出力が発生する5350rpmまで」の2500rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は46.7%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
5000cc超クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
5000cc超クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ5.968kg/PS(1880kg/315PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ5.968kg/PS
車体+1人6.143kg/PS
車体+5人6.841kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg6.159kg/PS
車体+70kg6.190kg/PS
車体+80kg6.222kg/PS
車体+90kg6.254kg/PS
車体+100kg6.286kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは6.143kg/PS(1935kg/315PS)となり、数値としては0.175kg、比率にすると2.9%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは6.841kg/PS(2155kg/315PS)となり、数値としては0.873kg、比率にすると14.6%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

JLSA XJのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
1994/11

-
XJ
6.143kg/PS
1935kg/315PS|6.0L-NA
[車体のみPWR:5.968]
1998/09

車種詳細
シビック タイプR
6.081kg/PS
1125kg/185PS|1.6L-NA
車体のみPWR:5.784
2009/05

車種詳細
RX-8
5.979kg/PS
1405kg/235PS|1.4L-NA
車体のみPWR:5.745
2001/05

車種詳細
アコード
6.295kg/PS
1385kg/220PS|2.2L-NA
車体のみPWR:6.045
2014/11

車種詳細
フォレスター tS
5.982kg/PS
1675kg/280PS|2.0L-TB
車体のみPWR:5.786
2012/04

車種詳細
86 ハチロク
6.325kg/PS
1265kg/200PS|2.0L-NA
車体のみPWR:6.050

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ6.143kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

5.959kg/PSから6.327kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、ホンダの4人乗りハッチバック「EK9型 シビック タイプR」、マツダの4人乗りクーペ「SE3P型 RX-8」、ホンダの5人乗りセダン「CL1型 アコード」、スバルの5人乗りSUV「SJG型 フォレスター tS」、トヨタの4人乗りクーペ「ZN6型 86 ハチロク」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

JLSA型 XJ [XJ12]のライバル車種|6.143kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は167.6PS/tとなっています。


XJがバイクと競争するなら…?


車種詳細
YZF-R25|249cc
6.139kg/PS
221kg/36.0PS/2.30kgm
[車体のみPWR:4.611]
1994/11

-
XJ|5992cc
6.143kg/PS
1935kg/315PS/48.7kgm
[車体のみPWR:5.968]

車種詳細
KLE250 アネーロ|248cc
6.143kg/PS
215kg/35.0PS/2.40kgm
[車体のみPWR:4.571]

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではXJとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

RG10J YZF-R25と競争してみる

まずXJより少しPWRが低いバイクとして、ヤマハのYZF-R25が挙げられます。PWRの6.139kg/PSは車両重量166kgにライダーの体重55kgを加えた221kgを、最高出力36.0PSで割ったものです。

LE250A KLE250 アネーロと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、カワサキのKLE250 アネーロが挙げられます。PWRの6.143kg/PSは車両重量160kg+55kgの215kgを、最高出力35.0PSで割ったもので、(PWRで比較すれば)まさに街角の好敵手と呼べるバイクです。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 No data
トルクウェイトレシオ 38.60kg/kgm
1馬力あたりのお値段 37619円
排気量1Lあたり馬力 52.57PS/L
排気量1Lあたりトルク 8.13kgm/L
1気筒あたりの馬力 26.2PS
1気筒あたりのトルク 4.1kgm
パワーバンド比率 46.7%
燃費×馬力 No data
各種ランキング
セダンのPWR
5.0L超のPWR

トルクウェイトレシオは38.60kg/kgm(1880kg/48.7kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が11850000円、最高出力が315馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は37619円、逆に1万円あたりでは0.27馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は243326円、1万円あたりでは0.04kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
5000cc超の車編
セダン編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は52.57PS/L、トルクは8.13kgm/L、1気筒あたりの馬力は26.2馬力、トルクは4.1kgmとなります。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング


XJでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.759m
期待される荷室の幅 1.400m
対角線の長さ 2.248m
期待される荷室の面積 2.463m²

縦方向の長さが1.759m(対角線では2.248m)などという破格のクラスになると、これはもう四の五の言わず車に住むべきです。

これだけの車を所持できる素養は持ち得ているのですから、細かいことは気にせずあらゆる支配からの卒業を宣言し、信じられぬ大人との争いに終止符を打ちましょう。

セダンやクーペであっても後部座席の背もたれを取り外してトランクルームと貫通させて荷室長を確保すれば良いだけの話です。たまに背もたれを取り外してもトランクルームと繋がっていなかったり、頑強な補強バーが入っていて邪魔されることもありますが、恐らく稀なケースです。

車中泊にあると嬉しいアイテム

JLSA型XJ[6.0L-NA FR/4AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト5.968kg/ps60.40
1速ギヤ加速性能-39.90
1L換算馬力52.57ps/L33.82
1L換算トルク8.13kgm/L33.66
WB/TR比-31.72
ワイド&ロー指数0.75659.91
前面の面積2.448m²55.02
最低地上高-43.72
スポーツ性能部門の得点358.15

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
燃費-41.40
年間維持費520400円32.25
100kmh回転数-43.42
航続距離-26.05
車の大きさ12.301m³53.35
室内の広さ(仮) 2.231m³38.70
最小回転半径-39.45
馬力単価37619円28.88
ユーティリティ部門の得点303.50

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した JLSA型XJ[6.0L-NA FR/4AT] の総合得点は 661.65 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したJLSA型XJ(FR/4AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのセダン」、「5000cc超のセダン」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

XJの歴代モデル

4代目 J24MA型 XJ
J24MA XJは2010/05に登場した4代目モデル。参考車両の「XJ Super-Sport LWB」は全長5260mm、全幅1900mm、全高1455mmの車体に、510PS/63.7kgmを発生するTB型4999ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

3代目 J80RB型 XJ
J80RB XJは2003/05に登場した3代目モデル。参考車両の「XJ8-L 3.5」は全長5215mm、全幅1900mm、全高1455mmの車体に、267PS/34.6kgmを発生するRB型3554ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

2代目 JLFA型 XJ
JLFA XJは1986/10に登場した2代目モデル。参考車両の「XJR 4.0 Super-Charged」は全長5025mm、全幅1800mm、全高1360mmの車体に、325PS/52.2kgmを発生する9K型3980ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

初代 JLS型 XJ
JLS XJは1968に登場した初代モデル。参考車両の「XJ12」は全長4990mm、全幅1800mm、全高1360mmの車体に、310PS/47.2kgmを発生する9K型5992ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。