A1LL:CTSの性能と維持費 4WD/6AT 5人 719万円 2015年式

このページでは、キャデラックの4ドア・5人乗りセダン、3代目のABA-A1LL型CTS Premium【2015/07モデル・276PS/40.8kgm・4WD/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

A1LL CTS
販売期間:2014/04 - 2020/07

画像はキャデラックより引用
http://www.cadillacjapan.com/
投稿:2015/06/25|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長4970mm×全幅1840mm×全高1465mm、排気量は1998ccであることから、大雑把に分類すると2.0リットルクラス(2000cc、自動車税は2.0L以下を適用)に属し、排気量は2000cc以下なれど、全長と全幅が5ナンバー枠を超えていることにより3ナンバー登録になります。車体が大きい割りに排気量が小さいものの、ターボによる過給のおかげで非力さを感じることはなさそうです。
参考:250PS~300PSの自動車 一覧

駆動方式には車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆる四輪駆動(All Wheel Drive・AWD・Four Wheel Drive・4WDとも)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4970mmであるこの車の場合は「ラグジュアリー」(Luxury:4900mm超・Fセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


A1LL型 CTS [1998cc/276PS 4WD/6AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

3代目CTSの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2016/01
A1LLV型
[spec-A]
6.2L-SC・FR/8AT・1330.0万円
649PS・87.2kgm・-
649PS
87.2kgm
-
2016/01
A1LL型
[Premium]
2.0L-TB・4WD/8AT・790.0万円
276PS・40.8kgm・-
276PS
40.8kgm
-
2015/01
A1LL型
[Luxury]
2.0L-TB・FR/6AT・599.0万円
276PS・40.8kgm・11.8km/L
276PS
40.8kgm
11.8km/L
3代目CTSの車両型式・グレード一覧【全4車種】
CTSの旧型モデル
2代目 X322V型CTS セダン
X322V型CTS セダンは2008/01に登場した2代目モデル。参考車両の「CTS-V」は全長4870mm、全幅1850mm、全高1470mmの車体に、564PS/76.1kgmを発生する6H型6156ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー キャデラック
車名&
グレード
CTS
Premium
その他 -
お値段 7190000円
車両型式 ABA-A1LL
駆動方式
変速機
4WD・四輪駆動(AWD)
6速AT・6速オートマ車
ドア/定員 4ドア/5名乗車
車体寸法 長4970×幅1840×高1465mm
室内寸法 長1900×幅1360×高1110mm
軸距 2910mm
最低高 150mm
タイヤ 前輪:245/40R18
後輪:245/40R18
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 1770kg
エンジン諸元
原動機型式 1D
気筒配列 直列4気筒
排気量1998cc
吸気方式 ターボ
最高出力 276PS[203kW]/5500rpm
最大トルク 40.8kgm[400Nm]/3000-4500rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
JC08燃費 11.0km/L(25.9mpg)
100km燃費 9.1L/100km
1D型エンジンの諸元と性能まとめ
直列4気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に4個配置する方式。小排気量から2.5Lあたりまでをカバー。
直列4気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税39500円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税16400円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額5500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2015/07モデルのCTSを9年落ちの中古で474.5万円にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    CTSの2015/07モデルの場合、2024年現在では9年が経過しているため、新車価格の60%である431.4万円に諸経費として43.1万円を足した474.5万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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2015年式を9年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 2000cc以下 13年未満 39500円
自動車重量税(1年分) 2.0トン以下 13年未満 16400円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷10.2×185円/L 181370円
オイル交換(5000km毎) 1回5500円×2回 11000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本18000円×4本÷5年 14400円
任意保険料(月額5500円) 月額5500円×12ヶ月 66000円
ローン完済後の年間維持費 337500円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額79090円×12ヶ月 949080円
ローン返済中の年間維持費 1286600円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 53500円
名目 金額
自動車税(1年分) 39500円
自動車重量税(1年分) 16400円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
181370円
(126960円)
(90690円)
(54410円)
オイル交換(5000km毎) 11000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 14400円
任意保険料(月額5500円) 66000円
ローン完済後の年間維持費 337500円
名目 金額
車のローン額(1年分) 949080円
ローン返済中の年間維持費 1286600円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
53500円
  • 初度登録から9年経過車の場合、「2000cc以下で13年未満」クラスの自動車税は39500円、「2.0トン以下で13年未満」クラスの自動車重量税は16400円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに5500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本18000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額5500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした53500円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

お財布に厚みが増した勢いで少し色気を出して愛車にステータス性を求めるなら、月換算28200円くらいの出費は覚悟しましょう。なあに大丈夫、愛車のためです。

口癖のように「もうちょっと維持費が安ければねえ…?」なんて呟くその姿は自慢げなようであり、しかし哀愁を帯びているようでもあり、傍からすれば対応に困ります。より維持費の安い新車を買うほどではない…ないが…考えずにもいられない、そんなクラスです。全体から見るとこの辺りから面白味のある車が増えてきます。

CTSの維持費は高い?安い?

「CTSの年間維持費は337500円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「2000ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてCTSの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いプリウス189800円-147700円
ヴォクシー ハイブリッド227000円-110500円
スイフト スポーツ275300円-62200円
シビック タイプR312300円-25200円
基準2000ccクラス平均316600円-20900円
CTSの維持費337500円
アコード345200円+7700円
WRX STI364700円+27200円
エクスプローラー413900円+76400円
高いBX484900円+147400円

CTSの年間維持費を、2000ccクラスで最も維持費が安いプリウスと比較して147700円高く、最も高いBXと比較して147400円安く、2000ccクラスの平均維持費との比較では20900円高くなっています。

最低額のプリウスと最高額のBXは極端な例としても、2000ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、CTSの維持費は ちょっと高い! と言えそうです。

年間維持費が安い 2000ccクラスの車 ランキング

CTSを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%440万円37万円29万円
15%290万円25万円20万円
20%220万円19万円15万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は440万円(総支給額37万円/月、手取り29万円/月)、ここから月額維持費2.8万円を支払うと残りは26.2万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は290万円(総支給額25万円/月、手取り20万円/月)、2.8万円を支払うと残りは17.2万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が220万円(総支給額19万円/月、手取り15万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。2.8万円を引くと残りは12.2万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代19万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり185円を基準として、-50円となる135円から、+50円となる235円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費10.2km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
135円/L
132360円
[-49010円]
-25円
160円/L
156870円
[-24500円]
-10円
175円/L
171570円
[-9800円]
185円/L181370円
[0円]
+10円
195円/L
191180円
[+9810円]
+25円
210円/L
205890円
[+24520円]
+50円
235円/L
230400円
[+49030円]

燃費10.2km/LのA1LL型 CTSで10000km走行するのに必要な燃料は980.4L、1リットルあたり185円としたときの燃料代は181370円になります。

参考までに、CTSの燃料タンクは72リットルですので、980.4Lの給油回数は14回、1回あたりの燃料代は約12960円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては9810円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると24520円、50円も違ってくると49030円にもなります。

これをA1LL型 CTSの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり185円の場合を337500円としたとき、135円/Lに値下がりすれば288490円(85.5%)に、235円/Lに値上がりすれば386530円(114.5%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(39500円)なり重量税(16400円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 39500円 21%
自動車重量税 1年分 16400円 9%
自賠責保険料 1年分 8825円 5%
燃料代 3000km分 54410円 29%
オイル交換 年1回 5500円 3%
タイヤ交換 6年毎 9600円 5%
任意保険料 80% 52800円 28%
合計
[1万kmとの差額]
187100円
-150400円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 39500円 17%
自動車重量税 1年分 16400円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 5000km分 90690円 40%
オイル交換 年1回 5500円 2%
タイヤ交換 6年毎 9600円 4%
任意保険料 85% 56160円 26%
合計
[1万kmとの差額]
226700円
-110800円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 39500円 15%
自動車重量税 1年分 16400円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 7000km分 126960円 47%
オイル交換 年1回 7700円 3%
タイヤ交換 6年毎 9600円 4%
任意保険料 90% 59400円 22%
合計
[1万kmとの差額]
268400円
-69100円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料66000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて150400円安い187100円に、5000km走行では110800円安い226700円に、7000km走行では69100円安い268400円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 39500円 9%
自動車重量税 1年分 16400円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 15000km分 272060円 59%
オイル交換 年3回 33000円 7%
タイヤ交換 2.7年毎 21600円 5%
任意保険料 100% 66000円 14%
合計
[1万kmとの差額]
457400円
+119900円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 39500円 7%
自動車重量税 1年分 16400円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 20000km分 362740円 64%
オイル交換 年4回 44000円 8%
タイヤ交換 2年毎 28800円 5%
任意保険料 100% 66000円 11%
合計
[1万kmとの差額]
566300円
+228800円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
輸入車・外車の小型車&普通車編
2000cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
4ドア・セダン編

CTSの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
JC08モード燃費 11.0km/L
燃料タンク容量 72L
航続距離(カタログ燃費) 792.0km
航続距離(80%燃費) 633.6km
満タンプライス 13320円
1km走行コスト 16.82円
1万円でどこまで行ける? 594.6km

JC08モード燃費が11.0km/L、燃料タンク容量72リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は792.0kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(9.9km/L)とすると航続距離は712.8km、80%(8.8km/L)だと633.6km、70%(7.7km/L)では554.4kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から72リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり185円では13320円、上で計算した航続距離を踏まえると792.0km(80%燃費時633.6km)を走行するのに13320円かかる計算です。

燃費を10.2km/Lとしたときの1km走行コストは16.82円、10万km走行したときの燃料代は168.2万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら16.8万円/年、7年10万kmなら24.0万円/年、5年10万kmなら33.6万円/年、3年10万kmなら56.1万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば594.6km(往復なら片道297.3km)、カタログ値の80%なら475.7km(片道237.8km)離れたところまで行くことができます。

カタログデータから見えてくる要素

1D型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
3000回転時の馬力 171PS
4500回転時の馬力 256PS
5500回転時の馬力 276PS
各回転域でのトルク
3000回転時のトルク 40.8kgm
4500回転時のトルク 40.8kgm
5500回転時のトルク 35.9kgm
1D型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載している1D型1998cc、直列4気筒のターボエンジンは5500回転時に最高出力276馬力を、3000-4500回転時に最大トルク40.8kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する3000rpmから最高出力が発生する5500rpmまで」の2500rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は45.5%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
2000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
2000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ6.413kg/PS(1770kg/276PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ6.413kg/PS
車体+1人6.612kg/PS
車体+5人7.409kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg6.630kg/PS
車体+70kg6.667kg/PS
車体+80kg6.703kg/PS
車体+90kg6.739kg/PS
車体+100kg6.775kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは6.612kg/PS(1825kg/276PS)となり、数値としては0.199kg、比率にすると3.1%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは7.409kg/PS(2045kg/276PS)となり、数値としては0.996kg、比率にすると15.5%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

A1LL CTSのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2015/07

-
CTS
6.612kg/PS
1825kg/276PS|2.0L-TB
[車体のみPWR:6.413]
2006/10

車種詳細
アコード
6.568kg/PS
1445kg/220PS|2.0L-NA
車体のみPWR:6.318
2004/04

車種詳細
アルテッツァ
6.690kg/PS
1405kg/210PS|2.0L-NA
車体のみPWR:6.429
2015/01

車種詳細
レジェンド
6.481kg/PS
2035kg/314PS|3.5L-NA
車体のみPWR:6.306
2010/11

車種詳細
エリシオン プレステージ
6.717kg/PS
2015kg/300PS|3.5L-NA
車体のみPWR:6.533
1993/09

車種詳細
シビック
6.500kg/PS
1105kg/170PS|1.6L-NA
車体のみPWR:6.176

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ6.612kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

6.414kg/PSから6.810kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、ホンダの5人乗りセダン「CL7型 アコード」、トヨタの5人乗りセダン「SXE10型 アルテッツァ」、ホンダの5人乗りセダン「KC2型 レジェンド」、ホンダの7人乗りミニバン「RR5型 エリシオン プレステージ」、ホンダの4人乗りハッチバック「EG6型 シビック」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

A1LL型 CTS [Premium]のライバル車種|6.612kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は155.9PS/tとなっています。


CTSがバイクと競争するなら…?


車種詳細
XRバハ|249cc
6.607kg/PS
185kg/28.0PS/2.60kgm
[車体のみPWR:4.643]
1速ギヤ速度:40.5km/h
最小TWR:0.671
2015/07

-
CTS|1998cc
6.612kg/PS
1825kg/276PS/40.8kgm
[車体のみPWR:6.413]
1速ギヤ速度:50.9km/h
最小TWR:1.066

車種詳細
バルカン1500 クラシックツアラー|1470cc
6.623kg/PS
404kg/61.0PS/11.00kgm
[車体のみPWR:5.721]
1速ギヤ速度:57.6km/h
最小TWR:1.032

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではCTSとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

MD30 XRバハと競争してみる

まずCTSより少しPWRが低いバイクとして、ホンダのXRバハが挙げられます。PWRの6.607kg/PSは車両重量130kgにライダーの体重55kgを加えた185kgを、最高出力28.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はXRバハに10.4km/h勝り、1速TWRは0.395kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

VNT50G バルカン1500 クラシックツアラーと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、カワサキのバルカン1500 クラシックツアラーが挙げられます。PWRの6.623kg/PSは車両重量349kg+55kgの404kgを、最高出力61.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は6.7km/h劣り、1速TWRは0.034kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 No data
平均ピストンスピード 15.77m/s
トルクウェイトレシオ 43.38kg/kgm
1馬力あたりのお値段 26051円
排気量1Lあたり馬力 138.14PS/L
排気量1Lあたりトルク 20.42kgm/L
1気筒あたりの馬力 69.0PS
1気筒あたりのトルク 10.2kgm
パワーバンド比率 45.5%
燃費×馬力 2823.5pt
各種ランキング
セダンのPWR
1.8~2.0Lターボ車のPWR

トルクウェイトレシオは43.38kg/kgm(1770kg/40.8kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が7190000円、最高出力が276馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は26051円、逆に1万円あたりでは0.38馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は176225円、1万円あたりでは0.06kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
2000cc以下の車編
セダン編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は138.14PS/L、トルクは20.42kgm/L、1気筒あたりの馬力は69.0馬力、トルクは10.2kgmとなり、このエンジンが276馬力を5500回転で発生させているときの平均ピストンスピードは15.77m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が86.0mmである1D型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6980回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が10.23km/L、最高出力が276PSであるこの車の獲得ポイントは2823.5ptになります。
戯れに車両重量1770kgを100kg単位にした17.7で割ってみたところ、その数値は159.52ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


人間様の占有スペース

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

人間様の占有スペース
室内長×室内幅×室内高 2.868m³
1人あたりのスペース 0.574m³
室内長/全長 38.2%
室内幅/全幅 73.9%
室内高/全高 75.8%
室内容積/車両体積 21.4%

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は2.868m³です。この車の乗車定員は5人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.574m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は38.2%、同じく室内幅と全幅の比率は73.9%、同じく室内高と全高の比率は75.8%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は21.4%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


CTSでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.740m
期待される荷室の幅 1.260m
対角線の長さ 2.148m
期待される荷室の面積 2.192m²

縦方向の長さが1.740m(対角線では2.148m)などという破格のクラスになると、これはもう四の五の言わず車に住むべきです。

これだけの車を所持できる素養は持ち得ているのですから、細かいことは気にせずあらゆる支配からの卒業を宣言し、信じられぬ大人との争いに終止符を打ちましょう。

セダンやクーペであっても後部座席の背もたれを取り外してトランクルームと貫通させて荷室長を確保すれば良いだけの話です。たまに背もたれを取り外してもトランクルームと繋がっていなかったり、頑強な補強バーが入っていて邪魔されることもありますが、恐らく稀なケースです。

車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合5500rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6000回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6000rpm|タイヤサイズ 245/40R18|タイヤ直径 65.3cm|円周長 205.1cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6000rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 4.065 13.29 -
-
56km/h 10800rpm 1661.1kgm
2速 2.371 7.75 0.583 1-2/
3500rpm
95km/h 6300rpm 968.8kgm
3速 1.551 5.07 0.654 2-3/
3920rpm
146km/h 4120rpm 633.8kgm
4速 1.157 3.78 0.746 3-4/
4480rpm
195km/h 3070rpm 472.8kgm
5速 0.853 2.79 0.737 4-5/
4420rpm
265km/h 2270rpm 348.6kgm
6速 0.674 2.20 0.790 5-6/
4740rpm
335km/h 1790rpm 275.4kgm
Final 3.270 レシオカバレッジ(変速比幅)6.031

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数3000-4500rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.270)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(40.8kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.270)÷タイヤの有効半径(0.3265m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は6速ギヤの335km(5500rpmでは307.1km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが3000-4500回転で最大トルク40.8kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば43.38kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(6.413kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと1661.1kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1770kg)を1速ギヤの最大駆動力(1661.1kgm)で割ってみると1.066kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する5500回転でのトルク(35.9kgm)からTWRを算出すると1.211kg/kgmとなり、3000-5500回転の回転域では1.066-1.211kg/kgmの間で推移することがわかります。


おまけ:5500rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

A1LL型CTSに搭載された1D型1998ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する5500rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

5500rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ51km/h-
2速ギヤ87km/h3210rpm
3速ギヤ133km/h3600rpm
4速ギヤ179km/h4100rpm
5速ギヤ243km/h4050rpm
6速ギヤ307km/h4350rpm

まず1速ギヤで5500rpmまで引っ張ると51km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は5500rpmから3210rpmまで落ち、そこから5500rpmまで加速を続けると速度は87km/h(+36km/h)になります。

3速ギヤでは3600rpmまで落ちて5500rpmで133km/h(+46km/h)に、4速ギヤでは4100rpmまで落ちて5500rpmで179km/h(+46km/h)になります。

続いて5速ギヤでは4050rpmまで落ちて5500rpmで243km/h(+64km/h)に、6速ギヤでは4350rpmまで落ちて5500rpmで307km/h(+64km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4320 6480 8640 10800 12960 15120 19440
2速 2520 3780 5040 6300 7560 8820 11340
3速 1650 2470 3300 4120 4950 5770 7420
4速 1230 1840 2460 3070 3690 4300 5530
5速 910 1360 1810 2270 2720 3170 4080
6速 720 1070 1430 1790 2150 2510 3220
※赤い数字は暫定レブリミット(6000rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.674)を選択して時速100kmにて走行すると1790回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1070回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1250回転、一般的な高速道路の80km/hでは1430回転、100km/hでは1790回転、制限速度が120km/hになると2150回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは3220回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 9 19 28 37 46 56 65 74
2速 16 32 48 63 79 95 111 127
3速 24 49 73 97 121 146 170 194
4速 33 65 98 130 163 195 228 260
5速 44 88 132 176 221 265 309 353
6速 56 112 168 223 279 335 391 447

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6000回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの245/40R18と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 245/40R18 | 直径 653mm

-20mm
幅225mm
-10mm
幅235mm
変更なし
幅245mm
+10mm
幅255mm
+20mm
幅265mm
-5%
35
扁平
225/35R18
37.7km/h
直径615mm
径差-38mm
235/35R18
38.1km/h
直径622mm
径差-31mm
245/35R18
38.5km/h
直径629mm
径差-24mm
255/35R18
39.0km/h
直径636mm
径差-17mm
265/35R18
39.4km/h
直径643mm
径差-10mm
0%
40
扁平
225/40R18
39.0km/h
直径637mm
径差-16mm
235/40R18
39.5km/h
直径645mm
径差-8mm
245/40R18
40.0km/h
653mm
0mm
255/40R18
40.5km/h
直径661mm
径差+8mm
265/40R18
41.0km/h
直径669mm
径差+16mm
+5%
45
扁平
225/45R18
40.4km/h
直径660mm
径差+7mm
235/45R18
41.0km/h
直径669mm
径差+16mm
245/45R18
41.5km/h
直径678mm
径差+25mm
255/45R18
42.1km/h
直径687mm
径差+34mm
265/45R18
42.6km/h
直径696mm
径差+43mm
+10%
50
扁平
225/50R18
41.8km/h
直径682mm
径差+29mm
235/50R18
42.4km/h
直径692mm
径差+39mm
245/50R18
43.0km/h
直径702mm
径差+49mm
255/50R18
43.6km/h
直径712mm
径差+59mm
265/50R18
44.2km/h
直径722mm
径差+69mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、225/40R18 、235/35R18、235/40R18 、245/35R18 、255/35R18 、265/35R18あたりのタイヤがおすすめです。

245/40R18のタイヤ幅を225mmから275mmまで、扁平率を25%から55%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、245/40R18の適応サイズと性能の変化 [A1LL型CTS編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】245/40R18のタイヤ銘柄と通販価格

A1LL型CTS[2.0Lターボ 4WD/6AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト6.413kg/ps59.18
1速ギヤ加速性能1.066kg/kgm60.90
1L換算馬力138.14ps/L62.70
1L換算トルク20.42kgm/L63.91
WB/TR比-31.72
ワイド&ロー指数0.79657.01
前面の面積2.696m²48.07
最低地上高150mm51.83
スポーツ性能部門の得点435.32

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
JC08燃費11.0km/L39.61
年間維持費337500円49.01
100kmh回転数1790rpm59.29
航続距離792.0km54.54
車の大きさ13.397m³57.70
室内の広さ2.868m³44.77
最小回転半径-39.45
馬力単価26051円44.10
ユーティリティ部門の得点388.47

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した A1LL型CTS[2.0Lターボ 4WD/6AT] の総合得点は 823.79 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したA1LL型CTS(4WD/6AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのセダン」、「2000ccのセダン」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

CTSの歴代モデル

3代目 A1LL型 CTS
A1LL CTSは2014/04に登場した3代目モデル。参考車両の「Premium」は全長4970mm、全幅1840mm、全高1465mmの車体に、276PS/40.8kgmを発生する1D型1998ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

2代目 X322B型 CTS スポーツワゴン
X322B CTS スポーツワゴンは2010/02に登場した2代目モデル。参考車両の「3.6-Premium」は全長4870mm、全幅1850mm、全高1470mmの車体に、322PS/38.0kgmを発生する3H型3564ccエンジンを搭載した5人乗りワゴン。

初代 AD32F型 CTS
AD32F CTSは2003/03に登場した初代モデル。参考車両の「2.6L」は全長4850mm、全幅1795mm、全高1460mmの車体に、182PS/24.9kgmを発生する2F型2596ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。