TB4230:X7の性能と維持費 4WD/8AT 7人 1306万円 2022年式

このページでは、BMWの5ドア・7人乗りSUV、初代の3CA-TB4230型X7 xDrive40d G07【2022/05モデル・340PS/71.4kgm・4WD/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

TB4230 X7
販売期間:2019/06 - 現行車

画像はBMWより引用
http://www.bmw.co.jp/
投稿:2023/02/07|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長5165mm×全幅2000mm×全高1835mm、排気量は2992ccであることから、大雑把に分類すると3.0リットルクラス(3000cc、自動車税は3.0L以下を適用)に属し、全長、全幅、排気量ともに5ナンバー枠を超えていることにより完全無欠の3ナンバー登録車です。いわゆる【高級車】にカテゴライズされます。
参考:300PS~350PSの自動車 一覧

駆動方式には車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆる四輪駆動(All Wheel Drive・AWD・Four Wheel Drive・4WDとも)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が5165mmであるこの車の場合は「ラグジュアリー」(Luxury:4900mm超・Fセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


TB4230型 X7 [2992cc/340PS 4WD/8AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

初代X7の類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2023/10
22EN30型
[xDrive40d Excellence G07]
3.0L-TB・4WD/8AT・1390.0万円
340PS・71.4kgm・12.4km/L
340PS
71.4kgm
12.4km/L
2022/11
32EM44型
[M60i xDrive G07]
4.4L-TB・4WD/8AT・1698.0万円
530PS・76.5kgm・8.2km/L
530PS
76.5kgm
8.2km/L
2019/10
CW30型
[xDrive35d G07]
3.0L-TB・4WD/8AT・1099.0万円
265PS・63.2kgm・11.4km/L
265PS
63.2kgm
11.4km/L
初代X7の車両型式・グレード一覧【全5車種】

主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー BMW
車名&
グレード
X7
xDrive40d G07
その他 モータ出力 原動機始動時:53kW/500rpm | 原動機アシスト時:35Nm/2500rpm
お値段 13060000円
車両型式 3CA-TB4230
駆動方式
変速機
4WD・四輪駆動(AWD)
8速AT・8速オートマ車
ドア/定員 5ドア/7名乗車
車体寸法 長5165×幅2000×高1835mm
軸距&
輪距
3105mm
前1680mm/後1705mm
最小半径 6.2m
最低高 220mm
タイヤ 前輪:285/45R21
後輪:285/45R21
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 2510kg
エンジン諸元
原動機型式 B57D30B
気筒配列 直列6気筒+モーター
排気量2992cc
吸気方式 ターボ
最高出力 340PS[250kW]/4400rpm
最大トルク 71.4kgm[700Nm]/1750-2250rpm
使用燃料 軽油(ディーゼル燃料)
WLTC燃費 11.9km/L(28.0mpg)
JC08燃費 14.3km/L(33.6mpg)
100km燃費 8.4L/100km
モーター諸元
電動機型式JA1S03M0
出力8kW/10000rpm
トルク53Nm/500rpm
B57D30B型エンジンの諸元と性能まとめ
直列6気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に6個配置する方式。理論上では完全バランスなれど今や絶滅危惧種。モーターを組み合わせることでハイブリッドカーとなります。
これまでに登場したハイブリッドカーの一覧
直列6気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税50000円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税24600円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かる軽油代月額6500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、X7の新車を1501.9万円(諸費用として195.9万円を加算)にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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新車で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 3000cc以下 11年未満 50000円
自動車重量税(1年分) 3.0トン以下 13年未満 24600円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷11.9km/L×155円/L 130250円
オイル交換(5000km毎) 1回6500円×2回 13000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本28000円×4本÷5年 22400円
任意保険料(月額6500円) 月額6500円×12ヶ月 78000円
ローン完済後の年間維持費 327100円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額250320円×12ヶ月 3003840円
ローン返済中の年間維持費 3331000円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 69900円
名目 金額
自動車税(1年分) 50000円
自動車重量税(1年分) 24600円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
130250円
(91180円)
(65130円)
(39080円)
オイル交換(5000km毎) 13000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 22400円
任意保険料(月額6500円) 78000円
ローン完済後の年間維持費 327100円
名目 金額
車のローン額(1年分) 3003840円
ローン返済中の年間維持費 3331000円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
69900円
  • 初度登録から2年経過車の場合、「3000cc以下で11年未満」クラスの自動車税は50000円、「3.0トン以下で13年未満」クラスの自動車重量税は24600円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに6500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本28000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額6500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした69900円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

お財布に厚みが増した勢いで少し色気を出して愛車にステータス性を求めるなら、月換算27300円くらいの出費は覚悟しましょう。なあに大丈夫、愛車のためです。

口癖のように「もうちょっと維持費が安ければねえ…?」なんて呟くその姿は自慢げなようであり、しかし哀愁を帯びているようでもあり、傍からすれば対応に困ります。より維持費の安い新車を買うほどではない…ないが…考えずにもいられない、そんなクラスです。全体から見るとこの辺りから面白味のある車が増えてきます。

X7の維持費は高い?安い?

「X7の年間維持費は327100円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「3000ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてX7の維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いハイエース バン266980円-60120円
GLS327100円0円
X7の維持費327100円
グランエース342500円+15400円
スカイライン369100円+42000円
基準3000ccクラス平均402200円+75100円
アリスト439900円+112800円
スカイラインGT-R466200円+139100円
X5503300円+176200円
高いXM ワゴン600800円+273700円

X7の年間維持費を、3000ccクラスで最も維持費が安いハイエース バンと比較して60120円高く、最も高いXM ワゴンと比較して273700円安く、3000ccクラスの平均維持費との比較では75100円安くなっています。

最低額のハイエース バンと最高額のXM ワゴンは極端な例としても、3000ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、X7の維持費は かなり安い! と言えそうです。

年間維持費が安い 3000ccクラスの車 ランキング

X7を維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%430万円36万円28万円
15%280万円24万円19万円
20%210万円18万円14万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は430万円(総支給額36万円/月、手取り28万円/月)、ここから月額維持費2.7万円を支払うと残りは25.3万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は280万円(総支給額24万円/月、手取り19万円/月)、2.7万円を支払うと残りは16.3万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が210万円(総支給額18万円/月、手取り14万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。2.7万円を引くと残りは11.3万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代14万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、軽油(ディーゼル燃料)1リットルあたり155円を基準として、-50円となる105円から、+50円となる205円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費11.9km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
105円/L
88250円
[-42000円]
-25円
130円/L
109260円
[-20990円]
-10円
145円/L
121860円
[-8390円]
155円/L130250円
[0円]
+10円
165円/L
138670円
[+8420円]
+25円
180円/L
151280円
[+21030円]
+50円
205円/L
172290円
[+42040円]

燃費11.9km/LのTB4230型 X7で10000km走行するのに必要な燃料は840.4L、1リットルあたり155円としたときの燃料代は130250円になります。

参考までに、X7の燃料タンクは80リットルですので、840.4Lの給油回数は11回、1回あたりの燃料代は約11850円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては8420円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると21030円、50円も違ってくると42040円にもなります。

これをTB4230型 X7の年間維持費に当てはめてみますと、軽油(ディーゼル燃料)1リットルあたり155円の場合を327100円としたとき、105円/Lに値下がりすれば285100円(87.2%)に、205円/Lに値上がりすれば369140円(112.9%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(50000円)なり重量税(24600円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなれば軽油代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 50000円 24%
自動車重量税 1年分 24600円 12%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 3000km分 39080円 19%
オイル交換 年1回 6500円 3%
タイヤ交換 6年毎 14930円 7%
任意保険料 80% 62400円 31%
合計
[1万kmとの差額]
206400円
-120700円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 50000円 21%
自動車重量税 1年分 24600円 10%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 5000km分 65130円 28%
オイル交換 年1回 6500円 3%
タイヤ交換 6年毎 14930円 6%
任意保険料 85% 66360円 28%
合計
[1万kmとの差額]
236400円
-90700円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 50000円 19%
自動車重量税 1年分 24600円 9%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 7000km分 91180円 34%
オイル交換 年1回 9100円 3%
タイヤ交換 6年毎 14930円 6%
任意保険料 90% 70200円 26%
合計
[1万kmとの差額]
268900円
-58200円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、軽油代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料78000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて120700円安い206400円に、5000km走行では90700円安い236400円に、7000km走行では58200円安い268900円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。軽油代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 50000円 12%
自動車重量税 1年分 24600円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 15000km分 195380円 45%
オイル交換 年3回 39000円 9%
タイヤ交換 2.7年毎 33600円 8%
任意保険料 100% 78000円 18%
合計
[1万kmとの差額]
429500円
+102400円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 50000円 10%
自動車重量税 1年分 24600円 5%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 20000km分 260500円 50%
オイル交換 年4回 52000円 10%
タイヤ交換 2年毎 44800円 9%
任意保険料 100% 78000円 14%
合計
[1万kmとの差額]
518800円
+191700円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
輸入車・外車の小型車&普通車編
3000cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
7人乗りSUV・RV編

【WLTC特典】市街地・郊外・高速道路の走行比率が変わると?

ひとくちにWLTCモード燃費と言いましても、信号や渋滞があるノロノロ道路の走行を想定した市街地モード(9.3km/L)、信号や渋滞が少ないスイスイ道路の走行を想定した郊外モード(12.0km/L)、高速道路の走行を想定した高速道路モード(13.4km/L)という3つの走行パターンを内包してありまして、これらを「平均的な使用時間配分」なるもので構成したのがWLTCモード燃費(11.9km/L)ということになります。

ここでは年間走行距離を10000kmとして市街地、郊外、高速道路の走行比率を変えてみたとき、WLTCモード燃費での軽油代130250円からどのように変化するかを見ていきたいと思います。

  • 1リットル155円として計算。
  • []内は低燃費タイヤ装着(エコタイヤ)で燃費が3%向上すると仮定した場合の軽油代。
    たった3%のようですが、もともとの燃費が…なため、お財布には劇的な効果があります。
参考:燃費が3%向上すると…?
市街地9.3km/L → 9.6km/L
郊外12.0km/L → 12.4km/L
高速道路13.4km/L → 13.8km/L

●例1:都市部にお住まい

まず最初に、市街地の住まいを想定して、走行の大半を市街地(90%)、たまに郊外へお買い物(5%)、稀に高速道路に乗ってどこか遠くへ…(5%)という場合で見てみます。

市街地90%・郊外5%・高速5%
市街地9000km149990円
[145310円]
郊外500km6460円
[6250円]
高速道路500km5780円
[5610円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
162230円
+31980円
9.6km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
157170円
-5060円
9.9km/L
  • 市街地走行の軽油代
    市街地の走行を9000kmとするとき、市街地モード燃費が9.3km/Lでは軽油967.7Lを消費して、軽油代は149990円になります。
  • 郊外走行の軽油代
    郊外の走行を500kmとするとき、郊外モード燃費が12.0km/Lでは軽油41.7Lを消費して、軽油代は6460円になります。
  • 高速道路走行の軽油代
    高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が13.4km/Lでは軽油37.3Lを消費して、軽油代は5780円になります。

このパターンでは使用した燃料量が1046.7L、かかった軽油代が162230円となり、平均燃費は9.6km/L(-2.3km/L)、WLTCモード燃費との軽油代の差は+31980円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着で燃費が3%アップするとして、同じ条件で走行すると軽油代は157170円となり、5060円安くなります。車検2回ごとにタイヤ交換するとき、寿命までの5年間で25300円の経費削減になる計算です。純正タイヤとエコタイヤの差額がこれ以上ならお得、以下なら…?

●例2:市街地と郊外を行き来

次に、とにかく市街地と郊外を行ったり来たりする条件を想定して、市街地の走行を50%、郊外の走行を50%、高速道路は走行しない場合を見てみます。

市街地50%・郊外50%・高速0%
市街地5000km83330円
[80720円]
郊外5000km64590円
[62500円]
高速道路0km0円
[0円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
147920円
+17670円
10.5km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
143220円
-4700円
10.8km/L
  • 市街地走行の軽油代
    市街地の走行を5000kmとするとき、市街地モード燃費が9.3km/Lでは537.6Lを消費して、軽油代は83330円になります。
  • 郊外走行の軽油代
    郊外の走行を5000kmとするとき、郊外モード燃費が12.0km/Lでは416.7Lを消費して、軽油代は64590円になります。

このパターンでは使用した燃料量が954.3L、かかった軽油代が147920円となり、平均燃費は10.5km/L(-1.4km/L)、WLTCモード燃費との軽油代の差は+17670円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着では軽油代が143220円となり、1年間で4700円、5年間で23500円の経費削減になる計算です。

●例3:市街地・郊外・高速道路をMix

続いて、都市部に住んでいて郊外の職場へ通勤、あるいは郊外に住んでいて都市部の職場へ通勤、高速利用もバッチリ!という感じでシミュレーションしてみます。

市街地33.3%・郊外33.4%・高速33.3%
市街地3330km55510円
[53770円]
郊外3340km43140円
[41760円]
高速道路3330km38520円
[37400円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
137170円
+6920円
11.3km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
132930円
-4240円
11.7km/L
  • 市街地走行の軽油代
    市街地の走行を3330kmとするとき、市街地モード燃費が9.3km/Lでは358.1Lを消費して、軽油代は55510円になります。
  • 郊外走行の軽油代
    郊外の走行を3340kmとするとき、郊外モード燃費が12.0km/Lでは278.3Lを消費して、軽油代は43140円になります。
  • 高速道路走行の軽油代
    高速道路の走行を3330kmとするとき、高速道路モード燃費が13.4km/Lでは248.5Lを消費して、軽油代は38520円になります。

このパターンでは使用した燃料量が884.9L、かかった軽油代が137170円となり、平均燃費は11.3km/L(-0.6km/L)、WLTCモード燃費との軽油代の差は+6920円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着では軽油代が132930円となり、1年間で4240円、5年間で21200円の経費削減になる計算です。

●例4:農村部にお住まい

最後に、びっくりするほど田舎な住まいを想定して、市街地の走行を5%、郊外の走行を90%、高速道路の走行を5%とした場合を見てみます。

市街地5%・郊外90%・高速5%
市街地500km8340円
[8080円]
郊外9000km116250円
[112500円]
高速道路500km5780円
[5610円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
130370円
+120円
11.9km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
126190円
-4180円
12.3km/L
  • 市街地走行の軽油代
    市街地の走行を500kmとするとき、市街地モード燃費が9.3km/Lでは53.8Lを消費して、軽油代は8340円になります。
  • 郊外走行の軽油代
    郊外の走行を9000kmとするとき、郊外モード燃費が12.0km/Lでは750.0Lを消費して、軽油代は116250円になります。
  • 高速道路走行の軽油代
    高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が13.4km/Lでは37.3Lを消費して、軽油代は5780円になります。

このパターンでは使用した燃料量が841.1L、かかった軽油代が130370円となり、平均燃費は11.9km/L(0.0km/L)、WLTCモード燃費との軽油代の差は+120円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着では軽油代が126190円となり、1年間で4180円、5年間で20900円の経費削減になる計算です。

以上、極端な条件でのシミュレーションではありますが、走行シチュエーションによって平均燃費は変わり(9.6km/L・10.5km/L・11.3km/L・11.9km/L)、軽油代のほうもなかなかな違い(162230円・147920円・137170円・130370円)が出てくることがわかります。


市街地・郊外・高速道路の満タン航続距離

各モード燃費と航続距離
燃料タンク容量 80リットル
WLTCモード燃費
11.9km/L
952.0km
市街地燃費
9.3km/L
744.0km
[-208.0km]
郊外燃費
12.0km/L
960.0km
[+8.0km]
高速道路燃費
13.4km/L
1072.0km
[+120.0km]
満タン給油価格 12400円
1km走行コスト 13.03円
1万円走行距離 767.7km

WLTCモード燃費が11.9km/L、燃料タンク容量80リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は952.0kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(10.7km/L)とすると航続距離は856.0km、80%(9.5km/L)だと760.0km、70%(8.3km/L)では664.0kmになります。

WLTCモード燃費には市街地モード・郊外モード・高速道路モードという3つの走行パターンが内包されておりますので、参考までにそれぞれのモード燃費で燃料タンクが空になるまで走行した場合の満タン航続距離を計算してみます。

燃料タンクの容量を80Lとしたとき、市街地モード燃費9.3km/Lでの航続距離は744.0km(-208.0km)、郊外モード燃費12.0km/Lでの航続距離は960.0km(+8.0km)、高速道路モード燃費13.4km/Lでの航続距離は1072.0km(+120.0km)となります。

ある特定のシチュエーションのみを、燃料タンクが空になるまで走行することはなかなかありませんが、「その気になればこのくらいの距離を走れちゃうんだぜ!」という参考データだけは持っておくと、次回の給油回数削減チャレンジでギリギリのラインを狙っていくのに役立つ、かもしれません。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から80リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、軽油(ディーゼル燃料)を1リットルあたり155円では12400円、上で計算した航続距離を踏まえると952.0km(80%燃費時760.0km)を走行するのに12400円かかる計算です。

燃費を11.9km/Lとしたときの1km走行コストは13.03円、10万km走行したときの燃料代は130.3万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら13.0万円/年、7年10万kmなら18.6万円/年、5年10万kmなら26.1万円/年、3年10万kmなら43.4万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば767.7km(往復なら片道383.9km)、カタログ値の80%なら614.2km(片道307.1km)離れたところまで行くことができます。

カタログデータから見えてくる要素

B57D30B型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
1750回転時の馬力 174PS
2250回転時の馬力 224PS
4400回転時の馬力 340PS
各回転域でのトルク
1750回転時のトルク 71.4kgm
2250回転時のトルク 71.4kgm
4400回転時のトルク 55.4kgm
B57D30B型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているB57D30型2992cc、直列6気筒+モーターのターボエンジンは4400回転時に最高出力340馬力を、1750-2250回転時に最大トルク71.4kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、アイドリングとそれほど変わらないような回転数から最大トルクが発生するこのエンジンは、坂道発進も平気の平左、MT車でもエンスト知らず、扱いやすさにかけては右に出るものがありません。ディーゼル車やダウンサイジングターボに多くあります。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する1750rpmから最高出力が発生する4400rpmまで」の2650rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は60.2%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
3000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
3000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ7.382kg/PS(2510kg/340PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ7.382kg/PS
車体+1人7.544kg/PS
車体+7人8.515kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg7.559kg/PS
車体+70kg7.588kg/PS
車体+80kg7.618kg/PS
車体+90kg7.647kg/PS
車体+100kg7.676kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは7.544kg/PS(2565kg/340PS)となり、数値としては0.162kg、比率にすると2.2%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの7人が搭乗した場合、車両重量に385kgがプラスされてパワーウェイトレシオは8.515kg/PS(2895kg/340PS)となり、数値としては1.133kg、比率にすると15.3%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

TB4230 X7のライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2022/05

-
X7
7.544kg/PS
2565kg/340PS|3.0L-TB
[車体のみPWR:7.382]
2017/09

車種詳細
スイフト スポーツ
7.321kg/PS
1025kg/140PS|1.4L-TB
車体のみPWR:6.929
2017/09

車種詳細
シビック
7.720kg/PS
1405kg/182PS|1.5L-TB
車体のみPWR:7.418
2009/07

車種詳細
MPV
7.653kg/PS
1875kg/245PS|2.3L-TB
車体のみPWR:7.429
2012/08

車種詳細
ラングラー アンリミテッド
7.377kg/PS
2095kg/284PS|3.7L-NA
車体のみPWR:7.183
2015/08

車種詳細
LX
7.361kg/PS
2775kg/377PS|5.7L-NA
車体のみPWR:7.215

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ7.544kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

7.318kg/PSから7.770kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、スズキの5人乗りハッチバック「ZC33S型 スイフト スポーツ」、ホンダの5人乗りハッチバック「FK7型 シビック」、マツダの8人乗りミニバン「LY3P型 MPV」、JEEPの5人乗りSUV「JK36L型 ラングラー アンリミテッド」、レクサスの8人乗りSUV「URJ201W型 LX」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

TB4230型 X7 [xDrive40d G07]のライバル車種|7.544kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は135.5PS/tとなっています。


X7がバイクと競争するなら…?


車種詳細
スティード|583cc
7.472kg/PS
269kg/36.0PS/4.49kgm
[車体のみPWR:5.944]
1速ギヤ速度:58.6km/h
最小TWR:1.138
2022/05

-
X7|2992cc
7.544kg/PS
2565kg/340PS/71.4kgm
[車体のみPWR:7.382]
1速ギヤ速度:37.8km/h
最小TWR:0.800

車種詳細
デスペラード400|399cc
7.697kg/PS
254kg/33.0PS/3.30kgm
[車体のみPWR:6.030]
1速ギヤ速度:47.9km/h
最小TWR:1.020

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではX7とパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

PC21 スティードと競争してみる

まずX7より少しPWRが低いバイクとして、ホンダのスティードが挙げられます。PWRの7.472kg/PSは車両重量214kgにライダーの体重55kgを加えた269kgを、最高出力36.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はスティードに20.8km/h劣り、1速TWRは0.338kg勝る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

VK52A デスペラード400と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、スズキのデスペラード400が挙げられます。PWRの7.697kg/PSは車両重量199kg+55kgの254kgを、最高出力33.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は10.1km/h劣り、1速TWRは0.220kg勝る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.834
平均ピストンスピード 13.20m/s
トルクウェイトレシオ 35.15kg/kgm
1馬力あたりのお値段 38412円
排気量1Lあたり馬力 113.64PS/L
排気量1Lあたりトルク 23.86kgm/L
1気筒あたりの馬力 56.7PS
1気筒あたりのトルク 11.9kgm
パワーバンド比率 60.2%
燃費×馬力 4046.0pt
各種ランキング
SUV・RV・クロカンのPWR
2.5~3.0Lターボ車のPWR

トルクウェイトレシオは35.15kg/kgm(2510kg/71.4kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が13060000円、最高出力が340馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は38412円、逆に1万円あたりでは0.26馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は182913円、1万円あたりでは0.05kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
3000cc以下の車編
7人乗りSUV編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は113.64PS/L、トルクは23.86kgm/L、1気筒あたりの馬力は56.7馬力、トルクは11.9kgmとなり、このエンジンが340馬力を4400回転で発生させているときの平均ピストンスピードは13.20m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.834になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと真っ直ぐ進むことを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が11.9km/L、最高出力が340PSであるこの車の獲得ポイントは4046.0ptになります。
戯れに車両重量2510kgを100kg単位にした25.1で割ってみたところ、その数値は161.20ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)



X7での車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.808m
期待される荷室の幅 1.600m
対角線の長さ 2.414m
期待される荷室の面積 2.893m²

縦方向の長さが1.808m(対角線では2.414m)などという破格のクラスになると、これはもう四の五の言わず車に住むべきです。

これだけの車を所持できる素養は持ち得ているのですから、細かいことは気にせずあらゆる支配からの卒業を宣言し、信じられぬ大人との争いに終止符を打ちましょう。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。

車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合4400rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした4900回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 4900rpm|タイヤサイズ 285/45R21|タイヤ直径 79.0cm|円周長 248.2cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
4900rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 5.500 17.35 -
-
42km/h 11650rpm 3135.6kgm
2速 3.520 11.10 0.640 1-2/
3140rpm
66km/h 7460rpm 2006.8kgm
3速 2.200 6.94 0.625 2-3/
3060rpm
105km/h 4660rpm 1254.3kgm
4速 1.720 5.42 0.782 3-4/
3830rpm
135km/h 3640rpm 980.6kgm
5速 1.317 4.15 0.766 4-5/
3750rpm
176km/h 2790rpm 750.8kgm
6速 1.000 3.15 0.759 5-6/
3720rpm
231km/h 2120rpm 570.1kgm
7速 0.823 2.60 0.823 6-7/
4030rpm
281km/h 1740rpm 469.2kgm
8速 0.640 2.02 0.778 7-8/
3810rpm
361km/h 1360rpm 364.9kgm
Final 3.154 レシオカバレッジ(変速比幅)8.594

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数1750-2250rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.154)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(71.4kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.154)÷タイヤの有効半径(0.395m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は8速ギヤの361km(4400rpmでは324.6km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが1750-2250回転で最大トルク71.4kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば35.15kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(7.382kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと3135.6kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(2510kg)を1速ギヤの最大駆動力(3135.6kgm)で割ってみると0.800kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する4400回転でのトルク(55.4kgm)からTWRを算出すると1.032kg/kgmとなり、1750-4400回転の回転域では0.800-1.032kg/kgmの間で推移することがわかります。


おまけ:4400rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

TB4230型X7に搭載されたB57D30型2992ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する4400rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

4400rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ38km/h-
2速ギヤ59km/h2820rpm
3速ギヤ94km/h2750rpm
4速ギヤ121km/h3440rpm
5速ギヤ158km/h3370rpm
6速ギヤ208km/h3340rpm
7速ギヤ252km/h3620rpm
8速ギヤ325km/h3420rpm

まず1速ギヤで4400rpmまで引っ張ると38km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は4400rpmから2820rpmまで落ち、そこから4400rpmまで加速を続けると速度は59km/h(+21km/h)になります。

3速ギヤでは2750rpmまで落ちて4400rpmで94km/h(+35km/h)に、4速ギヤでは3440rpmまで落ちて4400rpmで121km/h(+27km/h)に、5速ギヤでは3370rpmまで落ちて4400rpmで158km/h(+37km/h)になります。

続いて6速ギヤでは3340rpmまで落ちて4400rpmで208km/h(+50km/h)に、7速ギヤでは3620rpmまで落ちて4400rpmで252km/h(+44km/h)に、8速ギヤでは3420rpmまで落ちて4400rpmで325km/h(+73km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4660 6990 9320 11650 13980 16310 20970
2速 2980 4470 5960 7460 8950 10440 13420
3速 1860 2800 3730 4660 5590 6520 8390
4速 1460 2190 2910 3640 4370 5100 6560
5速 1120 1670 2230 2790 3350 3910 5020
6速 850 1270 1690 2120 2540 2970 3810
7速 700 1050 1390 1740 2090 2440 3140
8速 540 810 1080 1360 1630 1900 2440
※赤い数字は暫定レブリミット(4900rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.640)を選択して時速100kmにて走行すると1360回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは810回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは950回転、一般的な高速道路の80km/hでは1080回転、100km/hでは1360回転、制限速度が120km/hになると1630回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは2440回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 9 17 26 34 43 52 60 69
2速 13 27 40 54 67 80 94 107
3速 21 43 64 86 107 129 150 172
4速 27 55 82 110 137 165 192 220
5速 36 72 108 143 179 215 251 287
6速 47 94 142 189 236 283 331 378
7速 57 115 172 229 287 344 402 459
8速 74 148 221 295 369 443 516 590

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(4900回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの285/45R21と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 285/45R21 | 直径 790mm

-20mm
幅265mm
-10mm
幅275mm
変更なし
幅285mm
+10mm
幅295mm
+20mm
幅305mm
-5%
40
扁平
265/40R21
37.7km/h
直径745mm
径差-45mm
275/40R21
38.1km/h
直径753mm
径差-37mm
285/40R21
38.5km/h
直径761mm
径差-29mm
295/40R21
38.9km/h
直径769mm
径差-21mm
305/40R21
39.3km/h
直径777mm
径差-13mm
0%
45
扁平
265/45R21
39.1km/h
直径772mm
径差-18mm
275/45R21
39.5km/h
直径781mm
径差-9mm
285/45R21
40.0km/h
790mm
0mm
295/45R21
40.5km/h
直径799mm
径差+9mm
305/45R21
40.9km/h
直径808mm
径差+18mm
+5%
50
扁平
265/50R21
40.4km/h
直径798mm
径差+8mm
275/50R21
40.9km/h
直径808mm
径差+18mm
285/50R21
41.4km/h
直径818mm
径差+28mm
295/50R21
41.9km/h
直径828mm
径差+38mm
305/50R21
42.4km/h
直径838mm
径差+48mm
+10%
55
扁平
265/55R21
41.8km/h
直径825mm
径差+35mm
275/55R21
42.3km/h
直径836mm
径差+46mm
285/55R21
42.9km/h
直径847mm
径差+57mm
295/55R21
43.4km/h
直径858mm
径差+68mm
305/55R21
44.0km/h
直径869mm
径差+79mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、265/45R21 、275/40R21、275/45R21 、285/40R21 、295/40R21 、305/40R21あたりのタイヤがおすすめです。

285/45R21のタイヤ幅を265mmから315mmまで、扁平率を30%から60%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、285/45R21の適応サイズと性能の変化 [TB4230型X7編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】285/45R21のタイヤ銘柄と通販価格

TB4230型X7[3.0Lターボ 4WD/8AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト7.382kg/ps56.53
1速ギヤ加速性能0.800kg/kgm66.58
1L換算馬力113.64ps/L53.81
1L換算トルク23.86kgm/L74.60
WB/TR比1.83443.71
ワイド&ロー指数0.91748.24
前面の面積3.670m²20.80
最低地上高220mm23.37
スポーツ性能部門の得点387.64

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
WLTC燃費11.9km/L41.30
年間維持費327100円49.96
100kmh回転数1360rpm64.97
航続距離952.0km63.81
車の大きさ18.956m³79.72
室内の広さ(仮) 3.437m³50.18
最小回転半径6.2m28.98
馬力単価38412円27.84
ユーティリティ部門の得点406.76

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した TB4230型X7[3.0Lターボ 4WD/8AT] の総合得点は 794.40 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したTB4230型X7(4WD/8AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全ての7人乗SUV」、「3000ccの7人乗SUV」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。