LY3P:MPVの性能と維持費 FF/6AT 8人乗り 290万円 2009年式

このページでは、マツダ株式会社の5ドア・8人乗りミニバン、3代目のDBA-LY3P型MPV 23T【2009/07モデル・245PS/35.7kgm・FF/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

LY3P MPV
販売期間:2006/02 - 2016/03

画像はマツダ株式会社より引用
http://www.mazda.co.jp/
投稿:2011/07/04|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長4860mm×全幅1850mm×全高1685mm、排気量は2260ccであることから、大雑把に分類すると2.3リットルクラス(2300cc、自動車税は2.5L以下を適用)に属し、全長、全幅、排気量ともに5ナンバー枠を超えていることにより完全無欠の3ナンバー登録車です。いわゆる【高級車】にカテゴライズされます。

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、前輪のみを駆動する、フロントエンジン・フロントドライブ方式(FF・FWD・前輪駆動とも)を採用しています。この方式はエンジンと駆動系(ミッション、デフ等)の収納がエンジンルーム内で完結するので、軽量コンパクトかつ低コスト化が実現でき、室内を広く作りやすい(エンジンが横置きの場合)ほか、後輪駆動車に比べて直進安定性に優れることが主な特長です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4860mmであるこの車の場合は「アッパーミディアム」(Upper-Medium:4650mm超-4900mm以下・Eセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


LY3P型 MPV [2260cc/245PS FF/6AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

3代目MPVの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2010/07
LY3P型
[23S]
2.3L-NA | FF/5AT
| 270.0万円
163PS
20.7kgm
11.0km/L
2010/07
LY3P型
[23S L-Package]
2.3L-NA | 4WD/6AT
| 336.0万円
163PS
20.7kgm
10.0km/L
2009/07
LY3P型
[23T L-Package]
2.3L-TB | 4WD/6AT
| 360.0万円
245PS
35.7kgm
9.4km/L
3代目MPVの車両型式・グレード一覧【全4車種】
MPVの旧型モデル
2代目 LWFW型MPV
LWFW型MPVは1999/06に登場した2代目モデル。参考車両の「VS」は全長4815mm、全幅1830mm、全高1745mmの車体に、197PS/27.2kgmを発生するAJ型2967ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー MAZDA
車名&
グレード
MPV
23T
その他 -
お値段 2900000円
車両型式 DBA-LY3P
駆動方式
変速機
FF・前輪駆動(FWD,2WD)
6速AT・6速オートマ車
ドア/定員 5ドア/8名乗車
車体寸法 長4860×幅1850×高1685mm
室内寸法 長2635×幅1565×高1210mm
軸距&
輪距
2950mm
前1610mm/後1605mm
最小半径 5.7m
最低高 155mm
タイヤ 前輪:215/55R18
後輪:215/55R18
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 1820kg
エンジン諸元
原動機型式 L3-VDT
気筒配列 直列4気筒
排気量2260cc
圧縮比9.5
吸気方式 ターボ
最高出力 245PS[180kW]/5000rpm
最大トルク 35.7kgm[350Nm]/2500rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
10・15燃費 10.2km/L(24.0mpg)
100km燃費 9.8L/100km
L3-VDT型エンジンの諸元と性能まとめ
直列4気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に4個配置する方式。小排気量から2.5Lあたりまでをカバー。
直列4気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税51700円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税22800円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額6000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2009/07モデルのMPVを15年落ちの中古で95.7万円にて購入し、頭金なしで2年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    MPVの2009/07モデルの場合、2024年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の30%である87万円に諸経費として8.7万円を足した95.7万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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2009年式を15年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 2500cc以下 13年経過 51700円
自動車重量税(1年分) 2.0トン以下 13年-17年経過 22800円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
10000km÷8.7km/L×180円/L
7000km÷8.7km/L×180円/L
5000km÷8.7km/L×180円/L
3000km÷8.7km/L×180円/L
206900円
(144830円)
(103450円)
(62070円)
オイル交換(5000km毎) 1回6000円×2回 12000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本18000円×4本÷5年 14400円
任意保険料(月額6000円) 月額6000円×12ヶ月 72000円
ローン完済後の年間維持費 388700円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額39880円×12ヶ月 478560円
ローン返済中の年間維持費 867200円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分+検査手数料等3000円程度 66300円
名目 金額
自動車税(1年分) 51700円
自動車重量税(1年分) 22800円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
206900円
(144830円)
(103450円)
(62070円)
オイル交換(5000km毎) 12000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 14400円
任意保険料(月額6000円) 72000円
ローン完済後の年間維持費 388700円
名目 金額
車のローン額(1年分) 478560円
ローン返済中の年間維持費 867200円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
66300円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「2500cc以下で13年経過」クラスの自動車税は51700円、「2.0トン以下で13年-17年経過」クラスの自動車重量税は22800円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに6000円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本18000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額6000円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした66300円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

年間の維持費が30万円前後では曖昧だった貧民と平民の線引きがこの辺りから明確になってきます。月換算で3万円~4万円、年間では36万円~48万円クラスとなると、それなりの収入が継続的に見込めないと手を出せないクラスです。

MPV【23T】の場合、維持費の月額は32400円(ローン完済前は72300円)になります。金銭的にシビアな人からは「車なんてどれもタイヤが4つあるだけなのに、なんでこんなにお金の掛かる車に乗ってるんだ…修行か…」と奇異の目で見られていることでしょう。でも良いんです。愛さえあれば。


燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり180円を基準として、-50円となる130円から、+50円となる230円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費8.7km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
130円/L
149440円
[-57460円]
-25円
155円/L
178180円
[-28720円]
-10円
170円/L
195420円
[-11480円]
180円/L206900円
[0円]
+10円
190円/L
218410円
[+11510円]
+25円
205円/L
235650円
[+28750円]
+50円
230円/L
264390円
[+57490円]

燃費8.7km/LのLY3P型 MPVで10000km走行するのに必要な燃料は1149.5L、1リットルあたり180円としたときの燃料代は206900円になります。

参考までに、MPVの燃料タンクは68リットルですので、1149.5Lの給油回数は17回、1回あたりの燃料代は約12180円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては11510円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると28750円、50円も違ってくると57490円にもなります。

これをLY3P型 MPVの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり180円の場合を388700円としたとき、130円/Lに値下がりすれば331240円(85.2%)に、230円/Lに値上がりすれば446190円(114.8%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(51700円)なり重量税(22800円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 51700円 24%
自動車重量税 1年分 22800円 10%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 3000km分 62070円 28%
オイル交換 年1回 6000円 3%
タイヤ交換 6年毎 9600円 4%
任意保険料 80% 57600円 27%
合計
[1万kmとの差額]
218600円
-170100円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 51700円 20%
自動車重量税 1年分 22800円 9%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 5000km分 103450円 39%
オイル交換 年1回 6000円 2%
タイヤ交換 6年毎 9600円 4%
任意保険料 85% 61200円 23%
合計
[1万kmとの差額]
263600円
-125100円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 51700円 17%
自動車重量税 1年分 22800円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 7000km分 144830円 47%
オイル交換 年1回 8400円 3%
タイヤ交換 6年毎 9600円 3%
任意保険料 90% 64800円 20%
合計
[1万kmとの差額]
311000円
-77700円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料72000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて170100円安い218600円に、5000km走行では125100円安い263600円に、7000km走行では77700円安い311000円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 51700円 10%
自動車重量税 1年分 22800円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 15000km分 310350円 59%
オイル交換 年3回 36000円 7%
タイヤ交換 2.7年毎 21600円 4%
任意保険料 100% 72000円 14%
合計
[1万kmとの差額]
523300円
+134600円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 51700円 8%
自動車重量税 1年分 22800円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 413800円 64%
オイル交換 年4回 48000円 7%
タイヤ交換 2年毎 28800円 4%
任意保険料 100% 72000円 12%
合計
[1万kmとの差額]
646000円
+257300円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。



MPVの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 10.2km/L
燃料タンク容量 68L
航続距離(カタログ燃費) 693.6km
航続距離(80%燃費) 557.6km
満タンプライス 12240円
1km走行コスト 17.65円
1万円でどこまで行ける? 566.7km
車両価格/航続距離 4181円/km

10・15モード燃費が10.2km/L、燃料タンク容量68リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は693.6kmになります。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(9.2km/L)とすると625.6km、80%(8.2km/L)だと557.6km、70%(7.1km/L)では482.8kmという航続距離になります。

燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり180円で68リットルの給油をすると12240円、上で計算した航続距離を踏まえると693.6km(80%燃費時557.6km)を走行するのに12240円かかる計算です。

燃費を8.7km/Lとしたときの1km走行コストは17.65円、10万km走行したときの燃料代は176.5万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら17.6万円/年、7年10万kmなら25.2万円/年、5年10万kmなら35.3万円/年、3年10万kmなら58.8万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば566.7km(往復なら片道283.3km)、カタログ値の80%なら453.3km(片道226.7km)離れたところまで行くことができます。

ちなみに、1回の給油で693.6kmの距離を移動できるLY3P型 MPV [23T]という乗り物を、290.0万円で手に入れたと考えたとき、この車が1km走行するにあたっては「4181円の値打ちがある!」と言える、かもしれません。


カタログデータから見えてくる要素

L3-VDT型エンジン簡易性能曲線図
L3-VDT型エンジン性能曲線図もどき
各回転域での馬力
2500回転時の馬力 125PS
5000回転時の馬力 245PS
各回転域でのトルク
2500回転時のトルク 35.7kgm
5000回転時のトルク 35.1kgm
L3-VDT型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているL3型2260cc、直列4気筒のターボエンジンは5000回転時に最高出力245馬力を、2500回転時に最大トルク35.7kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する2500rpmから最高出力が発生する5000rpmまで」の2500rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は50.0%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
2500cc以下クラス編
マツダの小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
2500cc以下クラス編
マツダの小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ7.429kg/PS(1820kg/245PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ7.429kg/PS
車体+1人7.653kg/PS
車体+8人9.224kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg7.673kg/PS
車体+70kg7.714kg/PS
車体+80kg7.755kg/PS
車体+90kg7.796kg/PS
車体+100kg7.837kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは7.653kg/PS(1875kg/245PS)となり、数値としては0.224kg、比率にすると3.0%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの8人が搭乗した場合、車両重量に440kgがプラスされてパワーウェイトレシオは9.224kg/PS(2260kg/245PS)となり、数値としては1.795kg、比率にすると24.2%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。


LY3P MPVのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2009/07

-
MPV
7.653kg/PS
1875kg/245PS|2.3L-TB
[車体のみPWR:7.429]
2017/09

車種詳細
シビック
7.720kg/PS
1405kg/182PS|1.5L-TB
車体のみPWR:7.418
2017/09

車種詳細
スイフト スポーツ
7.464kg/PS
1045kg/140PS|1.4L-TB
車体のみPWR:7.071
2006/12

車種詳細
ブーン X4
7.782kg/PS
1035kg/133PS|1.0L-TB
車体のみPWR:7.368
2004/04

車種詳細
ストーリア X4
7.458kg/PS
895kg/120PS|0.8L-TB
車体のみPWR:7.000
2012/03

車種詳細
レンジローバー イヴォーク
7.562kg/PS
1815kg/240PS|2.0L-TB
車体のみPWR:7.333

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ7.653kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

7.423kg/PSから7.883kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、ホンダの5人乗りハッチバック「FK7型 シビック」、スズキの5人乗りハッチバック「ZC33S型 スイフト スポーツ」、ダイハツの5人乗りハッチバック「M312S型 ブーン X4」、ダイハツの5人乗りハッチバック「M112S型 ストーリア X4」、ランドローバーの5人乗りSUV「LV2A型 レンジローバー イヴォーク」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

LY3P型 MPV [23T]とパワーウェイトレシオが近い車種|7.653kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は134.6PS/tとなっています。


MPVがバイクと競争するなら…?


車種詳細
スティード|583cc
7.472kg/PS
269kg/36.0PS/4.49kgm
[車体のみPWR:5.944]
1速ギヤ速度:58.6km/h
最小TWR:1.138
2009/07

-
MPV|2260cc
7.653kg/PS
1875kg/245PS/35.7kgm
[車体のみPWR:7.429]
1速ギヤ速度:45.5km/h
最小TWR:1.231

車種詳細
デスペラード400|399cc
7.697kg/PS
254kg/33.0PS/3.30kgm
[車体のみPWR:6.030]
1速ギヤ速度:47.9km/h
最小TWR:1.020

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではMPVとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

PC21 スティードと競争してみる

まずMPVより少しPWRが低いバイクとして、ホンダのスティードが挙げられます。PWRの7.472kg/PSは車両重量214kgにライダーの体重55kgを加えた269kgを、最高出力36.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はスティードに13.1km/h劣り、1速TWRは0.093kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

VK52A デスペラード400と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、スズキのデスペラード400が挙げられます。PWRの7.697kg/PSは車両重量199kg+55kgの254kgを、最高出力33.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は2.4km/h劣り、1速TWRは0.211kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.835
平均ピストンスピード 15.67m/s
トルクウェイトレシオ 50.98kg/kgm
1馬力あたりのお値段 11837円
排気量1Lあたり馬力 108.41PS/L
排気量1Lあたりトルク 15.80kgm/L
1気筒あたりの馬力 61.2PS
1気筒あたりのトルク 8.9kgm
パワーバンド比率 50.0%
燃費×馬力 2124.2pt
各種ランキング
ミニバン・1BOXのPWR
2.0~2.5Lターボ車のPWR

トルクウェイトレシオは50.98kg/kgm(1820kg/35.7kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が2900000円、最高出力が245馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は11837円、逆に1万円あたりでは0.84馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は81232円、1万円あたりでは0.12kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
マツダ編
2500cc以下の車編
7人乗りミニバン編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は108.41PS/L、トルクは15.80kgm/L、1気筒あたりの馬力は61.2馬力、トルクは8.9kgmとなり、このエンジンが245馬力を5000回転で発生させているときの平均ピストンスピードは15.67m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が94.0mmであるL3型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6380回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.835になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと真っ直ぐ進むことを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が8.67km/L、最高出力が245PSであるこの車の獲得ポイントは2124.2ptになります。
戯れに車両重量1820kgを100kg単位にした18.2で割ってみたところ、その数値は116.71ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


人間様の占有スペース

人間様の占有スペース
室内長×幅×高 4.99m³
1人あたりのスペース 約0.62m³
室内長/全長 54.2%
室内幅/全幅 84.6%
室内高/全高 71.8%
室内容積/車両体積 32.9%

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は4.99m³です。この車の乗車定員は8人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.62m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は54.2%、同じく室内幅と全幅の比率は84.6%、同じく室内高と全高の比率は71.8%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は32.9%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


MPVでの車中泊

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.70m
期待される荷室の幅 1.47m
対角線の長さ 2.25m
期待される荷室の面積 2.50m²

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

縦方向の長さが1.70m(対角線では2.25m)などという破格のクラスになると、これはもう四の五の言わず車に住むべきです。

これだけの車を所持できる素養は持ち得ているのですから、細かいことは気にせずあらゆる支配からの卒業を宣言し、信じられぬ大人との争いに終止符を打ちましょう。

多くのミニバンや1BOXは室内長の寸法が大きいことから車中泊への期待が高まりますが、2列目、3列目シートの収納がイマイチの場合は車中泊の難易度がセダンよりも跳ね上がりかねません。その場合はシートを前ではなく後に倒してのフルフラットの可否が鍵を握ります。
車中泊にあると嬉しいアイテム


ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合5000rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした5500回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 5500rpm|タイヤサイズ 215/55R18|タイヤ直径 69.4cm|円周長 218.0cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
5500rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 4.148 14.37 -
-
50km/h 10990rpm 1478.3kgm
2速 2.370 8.21 0.571 1-2/
3140rpm
88km/h 6280rpm 844.6kgm
3速 1.555 5.39 0.656 2-3/
3610rpm
134km/h 4120rpm 554.2kgm
4速 1.154 4.00 0.742 3-4/
4080rpm
180km/h 3060rpm 411.3kgm
5速 0.859 2.98 0.744 4-5/
4090rpm
242km/h 2270rpm 306.1kgm
6速 0.685 2.37 0.797 5-6/
4380rpm
303km/h 1810rpm 244.1kgm
Final 3.464 レシオカバレッジ(変速比幅)6.055

ギヤの繋がりイメージ
LY3P型MPV6AT車のギヤ比イメージ
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数2500rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.464)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(35.7kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.464)÷タイヤの有効半径(0.347m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は6速ギヤの303km(5000rpmでは275.6km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

おまけ:5000rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

5000rpmでの速度と
シフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ46km/h-
2速ギヤ80km/h2860rpm
3速ギヤ121km/h3280rpm
4速ギヤ164km/h3710rpm
5速ギヤ220km/h3720rpm
6速ギヤ276km/h3990rpm

LY3P型MPVに搭載されたL3型2260ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する5000rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

まず1速ギヤで5000rpmまで引っ張ると46km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は5000rpmから2860rpmまで落ち、そこから5000rpmまで加速を続けると速度は80km/h(+34km/h)になります。

3速ギヤでは3280rpmまで落ちて5000rpmで121km/h(+41km/h)に、4速ギヤでは3710rpmまで落ちて5000rpmで164km/h(+43km/h)になります。

続いて5速ギヤでは3720rpmまで落ちて5000rpmで220km/h(+56km/h)に、6速ギヤでは3990rpmまで落ちて5000rpmで276km/h(+56km/h)という具合に加速していくイメージです。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが2500回転で最大トルク35.7kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば50.98kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(7.429kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと1478.3kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1820kg)を1速ギヤの最大駆動力(1478.3kgm)で割ってみると1.231kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する5000回転でのトルク(35.1kgm)からTWRを算出すると1.25kg/kgmとなり、2500-5000回転の回転域では1.231-1.25kg/kgmの間で推移することがわかります。


ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4390 6590 8790 10990 13180 15380 19770
2速 2510 3770 5020 6280 7530 8790 11300
3速 1650 2470 3290 4120 4940 5770 7410
4速 1220 1830 2440 3060 3670 4280 5500
5速 910 1360 1820 2270 2730 3180 4090
6速 730 1090 1450 1810 2180 2540 3270
※赤い数字は暫定レブリミット(5500rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.685)を選択して時速100kmにて走行すると1810回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1090回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1270回転、一般的な高速道路の80km/hでは1450回転、100km/hでは1810回転、制限速度が120km/hになると2180回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは3270回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 9 18 27 36 46 55 64 73
2速 16 32 48 64 80 96 112 127
3速 24 49 73 97 121 146 170 194
4速 33 65 98 131 164 196 229 262
5速 44 88 132 176 220 264 308 352
6速 55 110 165 220 276 331 386 441

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(5500回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。


純正装着タイヤの215/55R18と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 215/55R18 | 直径 694mm

-20mm
幅195mm
-10mm
幅205mm
変更なし
幅215mm
+10mm
幅225mm
+20mm
幅235mm
-5%
50
扁平
195/50R18
37.6km/h
直径652mm
径差-42mm
205/50R18
38.2km/h
直径662mm
径差-32mm
215/50R18
38.7km/h
直径672mm
径差-22mm
225/50R18
39.3km/h
直径682mm
径差-12mm
235/50R18
39.9km/h
直径692mm
径差-2mm
0%
55
扁平
195/55R18
38.7km/h
直径672mm
径差-22mm
205/55R18
39.4km/h
直径683mm
径差-11mm
215/55R18
40.0km/h
694mm
0mm
225/55R18
40.6km/h
直径705mm
径差+11mm
235/55R18
41.3km/h
直径716mm
径差+22mm
+5%
60
扁平
195/60R18
39.8km/h
直径691mm
径差-3mm
205/60R18
40.5km/h
直径703mm
径差+9mm
215/60R18
41.2km/h
直径715mm
径差+21mm
225/60R18
41.9km/h
直径727mm
径差+33mm
235/60R18
42.6km/h
直径739mm
径差+45mm
+10%
65
扁平
195/65R18
41.0km/h
直径711mm
径差+17mm
205/65R18
41.7km/h
直径724mm
径差+30mm
215/65R18
42.5km/h
直径737mm
径差+43mm
225/65R18
43.2km/h
直径750mm
径差+56mm
235/65R18
44.0km/h
直径763mm
径差+69mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、195/55R18、195/60R18 、205/50R18、205/55R18 、215/50R18 、225/50R18 、235/50R18あたりのタイヤがおすすめです。

215/55R18のタイヤ幅を195mmから245mmまで、扁平率を40%から70%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、215/55R18の適応サイズと性能の変化 [LY3P型MPV編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
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LY3P型MPV[2.3Lターボ FF/6AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト7.429kg/ps56.39
1速ギヤ加速性能1.231kg/kgm57.36
1L換算馬力108.41ps/L52.05
1L換算トルク15.80kgm/L49.72
WB/TR比1.83543.61
ワイド&ロー指数0.91148.67
前面の面積3.117m²36.15
最低地上高155mm49.76
スポーツ性能部門の得点393.71

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
10-15燃費10.2km/L43.81
年間維持費388700円44.38
100kmh回転数1810rpm59.02
航続距離693.6km48.82
車の大きさ15.150m³64.76
室内の広さ4.990m³64.96
最小回転半径5.7m39.17
馬力単価11837円62.76
ユーティリティ部門の得点427.68

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した LY3P型MPV[2.3Lターボ FF/6AT] の総合得点は 821.39 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したLY3P型MPV(FF/6AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのミニバン」、「2500ccのミニバン」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

MPVの歴代モデル

3代目 LY3P型 MPV
LY3P MPVは2006/02に登場した3代目モデル。参考車両の「23T L-Package」は全長4860mm、全幅1850mm、全高1685mmの車体に、245PS/35.7kgmを発生するL3型2260ccエンジンを搭載した8人乗りミニバン。

2代目 LW5W型 MPV
LW5W MPVは1999/06に登場した2代目モデル。参考車両の「VS」は全長4750mm、全幅1830mm、全高1745mmの車体に、170PS/21.1kgmを発生するGY型2494ccエンジンを搭載した7人乗りミニバン。

初代 LVEW型 MPV
LVEW MPVは1997/11に登場した初代モデル。参考車両の「type-R」は全長4660mm、全幅1825mm、全高1785mmの車体に、155PS/23.5kgmを発生するJE型2954ccエンジンを搭載した7人乗りミニバン。