VA40:M3の性能と維持費 FR/7AT 5人乗り 1031万円 2010年式

このページでは、BMWの4ドア・5人乗りセダン、5代目のABA-VA40型M3 M3-Sedan E90【2010/05モデル・420PS/40.8kgm・FR/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

VA40 M3
販売期間:2007/09 - 2014/02

画像はBMWより引用
http://www.bmw.co.jp/
投稿:2012/01/06|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長4585mm×全幅1815mm×全高1435mm、排気量は3999ccであることから、大雑把に分類すると4.0リットルクラス(4000cc、自動車税は4.0L以下を適用)に属し、全長、全高は5ナンバー枠ながら全幅が1.7mを超え、排気量も2000ccを超えていることにより3ナンバー登録になります。比較的コンパクトなボディに大きめなエンジンの組み合わせは世界戦略車(グローバルカー)やちょっとした高級車に良くあるパターンです。
参考:400PS~450PSの自動車 一覧

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、後輪のみを駆動する、フロントエンジン・リヤドライブ方式(後輪駆動・FR・RWDとも)を採用しています。前輪は操舵、後輪は駆動と役割分担が異なることから優れたハンドリングを得られるとされ、運転の質を求める人々から絶大なる支持を集めます。高級車の代名詞的な駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4585mmであるこの車の場合は「ミディアム」(Medium:4300mm超-4650mm以下・Dセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


VA40型 M3 [3999cc/420PS FR/7AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

5代目M3の類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2011/10
US20型
[320i Touring N43B20A E91]
2.0L-NA・FR/6AT・465.0万円
170PS・21.4kgm・13.0km/L
170PS
21.4kgm
13.0km/L
2011/10
KG35型
[335i Coupe N55B30A E92]
3.0L-TB・FR/7AT・729.0万円
306PS・40.8kgm・9.8km/L
306PS
40.8kgm
9.8km/L
2011/10
KE25型
[325i Coupe N53B30A E92]
3.0L-NA・FR/6AT・598.0万円
218PS・27.5kgm・11.6km/L
218PS
27.5kgm
11.6km/L
5代目 3シリーズ 型式一覧 E90系まとめ 2005-2014【全26車種】
M3の新型モデル
6代目 3C30型M3
3C30型M3は2014/07に登場した6代目モデル。参考車両の「30-Jahre M3 F80」は全長4685mm、全幅1875mm、全高1430mmの車体に、450PS/56.1kgmを発生するS55B30型2979ccエンジンを搭載。

M3の旧型モデル
4代目 AV30型3シリーズ セダン
AV30型3シリーズ セダンは1998/07に登場した4代目モデル。参考車両の「330i M-sport 30-6S E46」は全長4470mm、全幅1740mm、全高1400mmの車体に、231PS/30.6kgmを発生するM54B30型2979ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー BMW
車名&
グレード
M3
M3-Sedan E90
その他 M3としては4代目 M3セダン
お値段 10310000円
車両型式 ABA-VA40
駆動方式
変速機
FR・後輪駆動(RWD,2WD)
7速AT・7速オートマ車
ドア/定員 4ドア/5名乗車
車体寸法 長4585×幅1815×高1435mm
軸距&
輪距
2760mm
前1540mm/後1540mm
最小半径 5.9m
タイヤ 前輪:245/40R18
後輪:265/40R18
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 1660kg
エンジン諸元
原動機型式 S65B40A
気筒配列 V型8気筒
排気量3999cc
圧縮比12.0
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 420PS[309kW]/8300rpm
最大トルク 40.8kgm[400Nm]/3900rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
JC08燃費 9.3km/L(21.9mpg)
10・15燃費 9.5km/L(22.3mpg)
100km燃費 10.8L/100km
S65B40A型エンジンの諸元と性能まとめ
V型8気筒とは‥シリンダをV字型に交互で8個配置する方式。中?大排気量のスタンダード。
V型8気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税76400円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税22800円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額7500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2010/05モデルのM3を14年落ちの中古で397.0万円にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    M3の2010/05モデルの場合、2024年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の35%である360.85万円に諸経費として36.1万円を足した397.0万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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2010年式を14年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 4000cc以下 13年経過 76400円
自動車重量税(1年分) 2.0トン以下 13年-17年経過 22800円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷8.6×185円/L 215120円
オイル交換(5000km毎) 1回6500円×2回 13000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本18000円×4本÷5年 14400円
任意保険料(月額7500円) 月額7500円×12ヶ月 90000円
ローン完済後の年間維持費 440600円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額66160円×12ヶ月 793920円
ローン返済中の年間維持費 1234500円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 66300円
名目 金額
自動車税(1年分) 76400円
自動車重量税(1年分) 22800円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
215120円
(150580円)
(107560円)
(64540円)
オイル交換(5000km毎) 13000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 14400円
任意保険料(月額7500円) 90000円
ローン完済後の年間維持費 440600円
名目 金額
車のローン額(1年分) 793920円
ローン返済中の年間維持費 1234500円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
66300円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「4000cc以下で13年経過」クラスの自動車税は76400円、「2.0トン以下で13年-17年経過」クラスの自動車重量税は22800円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに6500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本18000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額7500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした66300円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

このあたりのクラスから理想と現実の違い、つまり「乗りたい車」と「乗ることができる車」は違うことを思い知らされます。うっかり手を出せば「いっ…維持費が高すぎて息ができん!フーッ!フーッ!」と目を白黒させることになりかねません。

さて、M3【M3-Sedan E90】の場合、維持費の月額は36800円になります。金銭的にシビアな人からは「車なんてどれもタイヤが4つあるだけなのに、なんでこんなにお金の掛かる車に乗ってるんだ…修行か…」と奇異の目で見られていることでしょう。でも良いんです。愛さえあれば。

M3の維持費は高い?安い?

「M3の年間維持費は440600円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「4000ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてM3の維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いラングラー398100円-42500円
M3の維持費440600円
フェアレディZ442700円+2100円
ラングラー アンリミテッド463300円+22700円
FJクルーザー469600円+29000円
基準4000ccクラス平均491000円+50400円
Gクラス 4x4507700円+67100円
チェロキー564600円+124000円
ディスカバリー631500円+190900円
高いランドクルーザー80720300円+279700円

M3の年間維持費を、4000ccクラスで最も維持費が安いラングラーと比較して42500円高く、最も高いランドクルーザー80と比較して279700円安く、4000ccクラスの平均維持費との比較では50400円安くなっています。

最低額のラングラーと最高額のランドクルーザー80は極端な例としても、4000ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、M3の維持費は かなり安い! と言えそうです。

年間維持費が安い 4000ccクラスの車 ランキング

M3を維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%570万円48万円37万円
15%380万円32万円25万円
20%290万円25万円20万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は570万円(総支給額48万円/月、手取り37万円/月)、ここから月額維持費3.7万円を支払うと残りは33.3万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は380万円(総支給額32万円/月、手取り25万円/月)、3.7万円を支払うと残りは21.3万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が290万円(総支給額25万円/月、手取り20万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。3.7万円を引くと残りは16.3万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代22万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり185円を基準として、-50円となる135円から、+50円となる235円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費8.6km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
135円/L
156980円
[-58140円]
-25円
160円/L
186050円
[-29070円]
-10円
175円/L
203490円
[-11630円]
185円/L215120円
[0円]
+10円
195円/L
226750円
[+11630円]
+25円
210円/L
244190円
[+29070円]
+50円
235円/L
273260円
[+58140円]

燃費8.6km/LのVA40型 M3で10000km走行するのに必要な燃料は1162.8L、1リットルあたり185円としたときの燃料代は215120円になります。

参考までに、M3の燃料タンクは60リットルですので、1162.8Lの給油回数は20回、1回あたりの燃料代は約10760円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては11630円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると29070円、50円も違ってくると58140円にもなります。

これをVA40型 M3の年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり185円の場合を440600円としたとき、135円/Lに値下がりすれば382460円(86.8%)に、235円/Lに値上がりすれば498740円(113.2%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(76400円)なり重量税(22800円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76400円 29%
自動車重量税 1年分 22800円 9%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 3000km分 64540円 25%
オイル交換 年1回 6500円 2%
タイヤ交換 6年毎 9600円 4%
任意保険料 80% 72000円 28%
合計
[1万kmとの差額]
260700円
-179900円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76400円 25%
自動車重量税 1年分 22800円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 5000km分 107560円 35%
オイル交換 年1回 6500円 2%
タイヤ交換 6年毎 9600円 3%
任意保険料 85% 76560円 25%
合計
[1万kmとの差額]
308300円
-132300円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76400円 21%
自動車重量税 1年分 22800円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 7000km分 150580円 42%
オイル交換 年1回 9100円 3%
タイヤ交換 6年毎 9600円 3%
任意保険料 90% 81000円 23%
合計
[1万kmとの差額]
358400円
-82200円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料90000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて179900円安い260700円に、5000km走行では132300円安い308300円に、7000km走行では82200円安い358400円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76400円 13%
自動車重量税 1年分 22800円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 15000km分 322680円 56%
オイル交換 年3回 39000円 7%
タイヤ交換 2.7年毎 21600円 4%
任意保険料 100% 90000円 14%
合計
[1万kmとの差額]
581400円
+140800円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76400円 11%
自動車重量税 1年分 22800円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 430240円 61%
オイル交換 年4回 52000円 7%
タイヤ交換 2年毎 28800円 4%
任意保険料 100% 90000円 13%
合計
[1万kmとの差額]
709100円
+268500円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
輸入車・外車の小型車&普通車編
4000cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
4ドア・セダン編

M3の燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
JC08モード燃費 9.3km/L
燃料タンク容量 60L
航続距離(カタログ燃費) 558.0km
航続距離(80%燃費) 444.0km
満タンプライス 11100円
1km走行コスト 19.89円
1万円でどこまで行ける? 502.7km

JC08モード燃費が9.3km/L、燃料タンク容量60リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は558.0kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(8.4km/L)とすると航続距離は504.0km、80%(7.4km/L)だと444.0km、70%(6.5km/L)では390.0kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から60リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり185円では11100円、上で計算した航続距離を踏まえると558.0km(80%燃費時444.0km)を走行するのに11100円かかる計算です。

燃費を8.6km/Lとしたときの1km走行コストは19.89円、10万km走行したときの燃料代は198.9万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら19.9万円/年、7年10万kmなら28.4万円/年、5年10万kmなら39.8万円/年、3年10万kmなら66.3万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば502.7km(往復なら片道251.4km)、カタログ値の80%なら402.2km(片道201.1km)離れたところまで行くことができます。

カタログデータから見えてくる要素

S65B40A型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
3900回転時の馬力 222PS
8300回転時の馬力 420PS
各回転域でのトルク
3900回転時のトルク 40.8kgm
8300回転時のトルク 36.2kgm
S65B40A型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているS65B40型3999cc、V型8気筒の自然吸気エンジンは8300回転時に最高出力420馬力を、3900回転時に最大トルク40.8kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する3900rpmから最高出力が発生する8300rpmまで」の4400rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は53.0%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
4000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
4000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ3.952kg/PS(1660kg/420PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ3.952kg/PS
車体+1人4.083kg/PS
車体+5人4.607kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg4.095kg/PS
車体+70kg4.119kg/PS
車体+80kg4.143kg/PS
車体+90kg4.167kg/PS
車体+100kg4.190kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは4.083kg/PS(1715kg/420PS)となり、数値としては0.131kg、比率にすると3.3%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは4.607kg/PS(1935kg/420PS)となり、数値としては0.655kg、比率にすると16.6%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

VA40 M3のライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2010/05

-
M3
4.083kg/PS
1715kg/420PS|4.0L-NA
[車体のみPWR:3.952]
2015/12

車種詳細
Aクラス
4.239kg/PS
1615kg/381PS|2.0L-TB
車体のみPWR:4.094
2013/09

車種詳細
IS-F
4.058kg/PS
1745kg/430PS|5.0L-NA
車体のみPWR:3.930
2015/11

車種詳細
GS-F
3.952kg/PS
1885kg/477PS|5.0L-NA
車体のみPWR:3.836
1996/01

車種詳細
スカイラインGT-R
4.013kg/PS
1605kg/400PS|2.8L-TT
車体のみPWR:3.875
2017/03

車種詳細
LC クーペ
4.182kg/PS
1995kg/477PS|5.0L-NA
車体のみPWR:4.067

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ4.083kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

3.879kg/PSから4.287kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、メルセデスベンツの5人乗りハッチバック「176052型 Aクラス」、レクサスの4人乗りセダン「USE20型 IS-F」、レクサスの5人乗りセダン「URL10型 GS-F」、日産の4人乗りクーペ「BCNR33型 スカイラインGT-R」、レクサスの4人乗りクーペ「URZ100型 LC クーペ」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

VA40型 M3 [M3-Sedan E90]のライバル車種|4.083kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は253.0PS/tとなっています。


M3がバイクと競争するなら…?


車種詳細
Vストローム650|645cc
4.076kg/PS
269kg/66.0PS/6.00kgm
[車体のみPWR:3.242]
1速ギヤ速度:70.7km/h
最小TWR:0.760
2010/05

-
M3|3999cc
4.083kg/PS
1715kg/420PS/40.8kgm
[車体のみPWR:3.952]
1速ギヤ速度:69.4km/h
最小TWR:0.903

車種詳細
Vストローム650XT|645cc
4.091kg/PS
270kg/66.0PS/6.00kgm
[車体のみPWR:3.258]
1速ギヤ速度:70.7km/h
最小TWR:0.763

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではM3とパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

VP56A Vストローム650と競争してみる

まずM3より少しPWRが低いバイクとして、スズキのVストローム650が挙げられます。PWRの4.076kg/PSは車両重量214kgにライダーの体重55kgを加えた269kgを、最高出力66.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はVストローム650に1.3km/h劣り、1速TWRは0.143kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

VP56A Vストローム650XTと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、スズキのVストローム650XTが挙げられます。PWRの4.091kg/PSは車両重量215kg+55kgの270kgを、最高出力66.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は1.3km/h劣り、1速TWRは0.140kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.792
平均ピストンスピード 20.81m/s
トルクウェイトレシオ 40.69kg/kgm
1馬力あたりのお値段 24548円
排気量1Lあたり馬力 105.03PS/L
排気量1Lあたりトルク 10.20kgm/L
1気筒あたりの馬力 52.5PS
1気筒あたりのトルク 5.1kgm
パワーバンド比率 53.0%
燃費×馬力 3633.0pt
各種ランキング
セダンのPWR
3.5~4.0L以下のPWR

トルクウェイトレシオは40.69kg/kgm(1660kg/40.8kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が10310000円、最高出力が420馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は24548円、逆に1万円あたりでは0.41馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は252696円、1万円あたりでは0.04kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
4000cc以下の車編
セダン編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は105.03PS/L、トルクは10.20kgm/L、1気筒あたりの馬力は52.5馬力、トルクは5.1kgmとなり、このエンジンが420馬力を8300回転で発生させているときの平均ピストンスピードは20.81m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が75.2mmであるS65B40型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は7980回転です。●最高出力を発生している時点で既に20.0m/sを超えているこのエンジンは実に良く設計された秀逸なエンジンであると言えます。一昔(二昔?)前の常識を覆す誉れ高きエンジンですので、ぜひとも重要文化遺産に登録して後世に伝えていかねばなりません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.792になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、走ってよし、曲がってよしで至れり尽くせりのオールラウンダーであると言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が8.65km/L、最高出力が420PSであるこの車の獲得ポイントは3633.0ptになります。
戯れに車両重量1660kgを100kg単位にした16.6で割ってみたところ、その数値は218.86ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)



M3での車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.605m
期待される荷室の幅 1.415m
対角線の長さ 2.140m
期待される荷室の面積 2.271m²

縦方向の長さが1.605m(対角線では2.140m)ともなると、もはや車の中で生活しても良いんじゃないかと錯覚しかねないほど快適な睡眠が約束されます。

日頃の行いが悪いとか、人様には言えないことをやらかしたとか、誰の顔も見たくないなどの訳アリで家に帰れず、やむなく車中泊をしてみたが最期、あまりの気楽さに心を奪われ流浪の民となりかねません。

セダンやクーペであっても後部座席の背もたれを取り外してトランクルームと貫通させて荷室長を確保すれば良いだけの話です。たまに背もたれを取り外してもトランクルームと繋がっていなかったり、頑強な補強バーが入っていて邪魔されることもありますが、恐らく稀なケースです。

車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合8300rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした8800回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 8800rpm|タイヤサイズ 265/40R18|タイヤ直径 66.9cm|円周長 210.2cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
8800rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 4.780 15.08 -
-
74km/h 11950rpm 1838.9kgm
2速 3.056 9.64 0.639 1-2/
5620rpm
115km/h 7640rpm 1175.7kgm
3速 2.153 6.79 0.705 2-3/
6200rpm
163km/h 5380rpm 828.3kgm
4速 1.678 5.29 0.779 3-4/
6860rpm
210km/h 4200rpm 645.5kgm
5速 1.390 4.38 0.828 4-5/
7290rpm
253km/h 3480rpm 534.7kgm
6速 1.203 3.79 0.865 5-6/
7610rpm
293km/h 3010rpm 462.8kgm
7速 1.000 3.15 0.831 6-7/
7310rpm
352km/h 2500rpm 384.7kgm
Final 3.154 レシオカバレッジ(変速比幅)4.780

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数3900rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.154)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(40.8kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.154)÷タイヤの有効半径(0.3345m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は7速ギヤの352km(8300rpmでは331.9km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが3900回転で最大トルク40.8kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば40.69kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(3.952kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと1838.9kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1660kg)を1速ギヤの最大駆動力(1838.9kgm)で割ってみると0.903kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する8300回転でのトルク(36.2kgm)からTWRを算出すると1.017kg/kgmとなり、3900-8300回転の回転域では0.903-1.017kg/kgmの間で推移することがわかります。


おまけ:8300rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

VA40型M3に搭載されたS65B40型3999ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する8300rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

8300rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ69km/h-
2速ギヤ109km/h5300rpm
3速ギヤ154km/h5850rpm
4速ギヤ198km/h6470rpm
5速ギヤ239km/h6870rpm
6速ギヤ276km/h7180rpm
7速ギヤ332km/h6900rpm

まず1速ギヤで8300rpmまで引っ張ると69km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は8300rpmから5300rpmまで落ち、そこから8300rpmまで加速を続けると速度は109km/h(+40km/h)になります。

3速ギヤでは5850rpmまで落ちて8300rpmで154km/h(+45km/h)に、4速ギヤでは6470rpmまで落ちて8300rpmで198km/h(+44km/h)に、5速ギヤでは6870rpmまで落ちて8300rpmで239km/h(+41km/h)になります。

続いて6速ギヤでは7180rpmまで落ちて8300rpmで276km/h(+37km/h)に、7速ギヤでは6900rpmまで落ちて8300rpmで332km/h(+56km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4780 7170 9560 11950 14340 16740 21520
2速 3060 4590 6110 7640 9170 10700 13760
3速 2150 3230 4310 5380 6460 7540 9690
4速 1680 2520 3360 4200 5040 5870 7550
5速 1390 2090 2780 3480 4170 4870 6260
6速 1200 1810 2410 3010 3610 4210 5420
7速 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4500
※赤い数字は暫定レブリミット(8800rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(1.000)を選択して時速100kmにて走行すると2500回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1500回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1750回転、一般的な高速道路の80km/hでは2000回転、100km/hでは2500回転、制限速度が120km/hになると3000回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは4500回転まで回ります。

一般的な自動車であれば時速100kmでの巡航回転数は2500回転付近に落ち着くようですが、その中でも若干低めの回転数となっています。標準的なギヤ比の範囲内ながらも加速よりも静粛性や燃費に重きを置いた設定なので、急な坂道や長く続く坂道では積極的にギヤを1段下げる操作が必要になるかもしれません。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 8 17 25 33 42 50 59 67
2速 13 26 39 52 65 79 92 105
3速 19 37 56 74 93 111 130 149
4速 24 48 71 95 119 143 167 191
5速 29 58 86 115 144 173 201 230
6速 33 66 100 133 166 199 233 266
7速 40 80 120 160 200 240 280 320

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(8800回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの265/40R18と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 265/40R18 | 直径 669mm

-20mm
幅245mm
-10mm
幅255mm
変更なし
幅265mm
+10mm
幅275mm
+20mm
幅285mm
-5%
35
扁平
245/35R18
37.6km/h
直径629mm
径差-40mm
255/35R18
38.0km/h
直径636mm
径差-33mm
265/35R18
38.4km/h
直径643mm
径差-26mm
275/35R18
38.9km/h
直径650mm
径差-19mm
285/35R18
39.3km/h
直径657mm
径差-12mm
0%
40
扁平
245/40R18
39.0km/h
直径653mm
径差-16mm
255/40R18
39.5km/h
直径661mm
径差-8mm
265/40R18
40.0km/h
669mm
0mm
275/40R18
40.5km/h
直径677mm
径差+8mm
285/40R18
41.0km/h
直径685mm
径差+16mm
+5%
45
扁平
245/45R18
40.5km/h
直径678mm
径差+9mm
255/45R18
41.1km/h
直径687mm
径差+18mm
265/45R18
41.6km/h
直径696mm
径差+27mm
275/45R18
42.2km/h
直径705mm
径差+36mm
285/45R18
42.7km/h
直径714mm
径差+45mm
+10%
50
扁平
245/50R18
42.0km/h
直径702mm
径差+33mm
255/50R18
42.6km/h
直径712mm
径差+43mm
265/50R18
43.2km/h
直径722mm
径差+53mm
275/50R18
43.8km/h
直径732mm
径差+63mm
285/50R18
44.4km/h
直径742mm
径差+73mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、245/40R18 、255/35R18、255/40R18 、265/35R18 、275/35R18 、285/35R18あたりのタイヤがおすすめです。

265/40R18のタイヤ幅を245mmから295mmまで、扁平率を25%から55%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、265/40R18の適応サイズと性能の変化 [VA40型M3編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】265/40R18のタイヤ銘柄と通販価格

VA40型M3[4.0L-NA FR/7AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト3.952kg/ps65.92
1速ギヤ加速性能0.903kg/kgm64.38
1L換算馬力105.03ps/L75.19
1L換算トルク10.20kgm/L58.90
WB/TR比1.79248.04
ワイド&ロー指数0.79157.37
前面の面積2.605m²50.62
最低地上高-43.72
スポーツ性能部門の得点464.14

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
JC08燃費9.3km/L36.95
年間維持費440600円39.56
100kmh回転数2500rpm49.92
航続距離558.0km40.99
車の大きさ11.942m³51.93
室内の広さ(仮) 2.165m³38.08
最小回転半径5.9m35.10
馬力単価24548円46.07
ユーティリティ部門の得点338.60

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した VA40型M3[4.0L-NA FR/7AT] の総合得点は 802.74 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したVA40型M3(FR/7AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのセダン」、「4000ccのセダン」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

M3の歴代モデル

7代目 5F20型 3シリーズ セダン
5F20 3シリーズ セダンは2019/03に登場した7代目モデル。参考車両の「318i G20」は全長4715mm、全幅1825mm、全高1440mmの車体に、156PS/25.5kgmを発生するB48B20型1998ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

6代目 3C30型 M3
3C30 M3は2014/07に登場した6代目モデル。参考車両の「Sedan F80」は全長4685mm、全幅1875mm、全高1430mmの車体に、431PS/56.1kgmを発生するS55B30型2979ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

5代目 WD40型 M3
WD40 M3は2007/09に登場した5代目モデル。参考車両の「M3 Coupe E92」は全長4620mm、全幅1805mm、全高1425mmの車体に、420PS/40.8kgmを発生するS65B40型3999ccエンジンを搭載した4人乗りクーペ。

4代目 BL32型 M3
BL32 M3は2001/01に登場した4代目モデル。参考車両の「SMG-II E46」は全長4490mm、全幅1780mm、全高1370mmの車体に、343PS/37.2kgmを発生するS54B32型3245ccエンジンを搭載した5人乗りクーペ。

3代目 M3B型 M3
M3B M3は1994/02に登場した3代目モデル。参考車両の「M3-Coupe S50B30 E36」は全長4435mm、全幅1710mm、全高1335mmの車体に、286PS/32.7kgmを発生するS50B30型2990ccエンジンを搭載した5人乗りクーペ。

2代目 M3型 M3
M3 M3は1985に登場した2代目モデル。参考車両の「BaseGrade E30」は全長4345mm、全幅1680mm、全高1365mmの車体に、195PS/23.4kgmを発生するS14B23型2302ccエンジンを搭載した4人乗りクーペ。