7A44:7シリーズの性能と維持費 FR/8AT 5人 1485万円 2016年式

このページでは、BMWの4ドア・5人乗りセダン、6代目のCBA-7A44型7シリーズ 750i G11【2016/05モデル・449PS/66.3kgm・FR/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

7A44 7シリーズ
販売期間:2015/10 - 2022/07

画像はBMWより引用
http://www.bmw.co.jp/
投稿:2016/07/21|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長5110mm×全幅1900mm×全高1480mm、排気量は4394ccであることから、大雑把に分類すると4.4リットルクラス(4400cc、自動車税は4.5L以下を適用)に属し、全長、全幅、排気量ともに5ナンバー枠を超えていることにより完全無欠の3ナンバー登録車です。いわゆる【高級車】にカテゴライズされます。
参考:400PS~450PSの自動車 一覧

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、後輪のみを駆動する、フロントエンジン・リヤドライブ方式(後輪駆動・FR・RWDとも)を採用しています。前輪は操舵、後輪は駆動と役割分担が異なることから優れたハンドリングを得られるとされ、運転の質を求める人々から絶大なる支持を集めます。高級車の代名詞的な駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が5110mmであるこの車の場合は「ラグジュアリー」(Luxury:4900mm超・Fセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


7A44型 7シリーズ [4394cc/449PS FR/8AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

6代目7シリーズの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2021/04
7U66型
[M760Li xDrive G12]
6.6L-TB・4WD/8AT・2613.0万円
609PS・86.7kgm・6.7km/L
609PS
86.7kgm
6.7km/L
2021/04
7S30型
[740d xDrive Luxury G11]
3.0L-TB・4WD/8AT・1228.0万円
320PS・69.3kgm・13.1km/L
320PS
69.3kgm
13.1km/L
2021/04
7R30型
[740i Standard G11]
3.0L-TB・FR/8AT・1110.0万円
340PS・45.9kgm・10.8km/L
340PS
45.9kgm
10.8km/L
6代目 7シリーズ 型式一覧 G11/G12系まとめ 2015-2022【全17車種】
7シリーズの新型モデル
7代目 22EH30型7シリーズ
22EH30型7シリーズは2022/04に登場した7代目モデル。参考車両の「740i Excellence G70」は全長5390mm、全幅1950mm、全高1545mmの車体に、381PS/53.0kgmを発生するB58B30型2997ccエンジンを搭載。

7シリーズの旧型モデル
5代目 KB60型7シリーズ
KB60型7シリーズは2009/03に登場した5代目モデル。参考車両の「760iL F02」は全長5210mm、全幅1900mm、全高1485mmの車体に、544PS/76.5kgmを発生するN74B60型5972ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー BMW
車名&
グレード
7シリーズ
750i G11
その他 Mスポーツ
お値段 14850000円
車両型式 CBA-7A44
駆動方式
変速機
FR・後輪駆動(RWD,2WD)
8速AT・8速オートマ車
ドア/定員 4ドア/5名乗車
車体寸法 長5110×幅1900×高1480mm
軸距&
輪距
3070mm
前1620mm/後1620mm
最小半径 5.8m
最低高 135mm
タイヤ 前輪:245/45R19
後輪:275/40R19
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 2070kg
エンジン諸元
原動機型式 N63B44C
気筒配列 V型8気筒
排気量4394cc
圧縮比10.5
吸気方式 ツインターボ
最高出力 449PS[330kW]/5500rpm
最大トルク 66.3kgm[650Nm]/1800-4500rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
JC08燃費 9.8km/L(23.1mpg)
100km燃費 10.2L/100km
N63B44C型エンジンの諸元と性能まとめ
V型8気筒とは‥シリンダをV字型に交互で8個配置する方式。中?大排気量のスタンダード。
V型8気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税76500円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税20500円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額8000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2016/05モデルの7シリーズを8年落ちの中古で1061.8万円にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    7シリーズの2016/05モデルの場合、2024年現在では8年が経過しているため、新車価格の65%である965.25万円に諸経費として96.5万円を足した1061.8万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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2016年式を8年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 4500cc以下 13年未満 76500円
自動車重量税(1年分) 2.5トン以下 13年未満 20500円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷9.1×190円/L 208790円
オイル交換(5000km毎) 1回8500円×2回 17000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本21000円×4本÷5年 16800円
任意保険料(月額8000円) 月額8000円×12ヶ月 96000円
ローン完済後の年間維持費 444500円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額176960円×12ヶ月 2123520円
ローン返済中の年間維持費 2568000円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 61700円
名目 金額
自動車税(1年分) 76500円
自動車重量税(1年分) 20500円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
208790円
(146150円)
(104400円)
(62640円)
オイル交換(5000km毎) 17000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 16800円
任意保険料(月額8000円) 96000円
ローン完済後の年間維持費 444500円
名目 金額
車のローン額(1年分) 2123520円
ローン返済中の年間維持費 2568000円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
61700円
  • 初度登録から8年経過車の場合、「4500cc以下で13年未満」クラスの自動車税は76500円、「2.5トン以下で13年未満」クラスの自動車重量税は20500円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに8500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本21000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額8000円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした61700円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

このあたりのクラスから理想と現実の違い、つまり「乗りたい車」と「乗ることができる車」は違うことを思い知らされます。うっかり手を出せば「いっ…維持費が高すぎて息ができん!フーッ!フーッ!」と目を白黒させることになりかねません。

さて、7シリーズ【750i G11】の場合、維持費の月額は37100円になります。金銭的にシビアな人からは「車なんてどれもタイヤが4つあるだけなのに、なんでこんなにお金の掛かる車に乗ってるんだ…修行か…」と奇異の目で見られていることでしょう。でも良いんです。愛さえあれば。

7シリーズの維持費は高い?安い?

「7シリーズの年間維持費は444500円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「4500ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたして7シリーズの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いクイックデリバリー200359780円-84720円
7シリーズの維持費444500円
セルシオ494000円+49500円
ソアラ510300円+65800円
基準4500ccクラス平均541400円+96900円
RS4 セダン548000円+103500円
ランドクルーザー80594000円+149500円
プレジデント621400円+176900円
高いサファリ697900円+253400円

7シリーズの年間維持費を、4500ccクラスで最も維持費が安いクイックデリバリー200と比較して84720円高く、最も高いサファリと比較して253400円安く、4500ccクラスの平均維持費との比較では96900円安くなっています。

最低額のクイックデリバリー200と最高額のサファリは極端な例としても、4500ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、7シリーズの維持費は かなり安い! と言えそうです。

年間維持費が安い 4500ccクラスの車 ランキング

7シリーズを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%580万円49万円38万円
15%390万円33万円26万円
20%290万円25万円20万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は580万円(総支給額49万円/月、手取り38万円/月)、ここから月額維持費3.7万円を支払うと残りは34.3万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は390万円(総支給額33万円/月、手取り26万円/月)、3.7万円を支払うと残りは22.3万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が290万円(総支給額25万円/月、手取り20万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。3.7万円を引くと残りは16.3万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代21万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり190円を基準として、-50円となる140円から、+50円となる240円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費9.1km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
140円/L
153860円
[-54930円]
-25円
165円/L
181340円
[-27450円]
-10円
180円/L
197820円
[-10970円]
190円/L208790円
[0円]
+10円
200円/L
219800円
[+11010円]
+25円
215円/L
236290円
[+27500円]
+50円
240円/L
263760円
[+54970円]

燃費9.1km/Lの7A44型 7シリーズで10000km走行するのに必要な燃料は1099L、1リットルあたり190円としたときの燃料代は208790円になります。

参考までに、7シリーズの燃料タンクは78リットルですので、1099Lの給油回数は15回、1回あたりの燃料代は約13920円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては11010円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると27500円、50円も違ってくると54970円にもなります。

これを7A44型 7シリーズの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり190円の場合を444500円としたとき、140円/Lに値下がりすれば389570円(87.6%)に、240円/Lに値上がりすれば499470円(112.4%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(76500円)なり重量税(20500円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76500円 29%
自動車重量税 1年分 20500円 8%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 3000km分 62640円 24%
オイル交換 年1回 8500円 3%
タイヤ交換 6年毎 11200円 4%
任意保険料 80% 76800円 29%
合計
[1万kmとの差額]
265000円
-179500円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76500円 25%
自動車重量税 1年分 20500円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 5000km分 104400円 34%
オイル交換 年1回 8500円 3%
タイヤ交換 6年毎 11200円 4%
任意保険料 85% 81600円 24%
合計
[1万kmとの差額]
311600円
-132900円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76500円 21%
自動車重量税 1年分 20500円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 7000km分 146150円 40%
オイル交換 年1回 11900円 3%
タイヤ交換 6年毎 11200円 3%
任意保険料 90% 86400円 25%
合計
[1万kmとの差額]
361500円
-83000円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料96000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて179500円安い265000円に、5000km走行では132900円安い311600円に、7000km走行では83000円安い361500円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76500円 13%
自動車重量税 1年分 20500円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 15000km分 313190円 53%
オイル交換 年3回 51000円 9%
タイヤ交換 2.7年毎 25200円 4%
任意保険料 100% 96000円 17%
合計
[1万kmとの差額]
591300円
+146800円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76500円 11%
自動車重量税 1年分 20500円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 417580円 58%
オイル交換 年4回 68000円 9%
タイヤ交換 2年毎 33600円 5%
任意保険料 100% 96000円 13%
合計
[1万kmとの差額]
721100円
+276600円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
輸入車・外車の小型車&普通車編
4500cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
4ドア・セダン編

7シリーズの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
JC08モード燃費 9.8km/L
燃料タンク容量 78L
航続距離(カタログ燃費) 764.4km
航続距離(80%燃費) 608.4km
満タンプライス 14820円
1km走行コスト 19.39円
1万円でどこまで行ける? 515.8km

JC08モード燃費が9.8km/L、燃料タンク容量78リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は764.4kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(8.8km/L)とすると航続距離は686.4km、80%(7.8km/L)だと608.4km、70%(6.9km/L)では538.2kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から78リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり190円では14820円、上で計算した航続距離を踏まえると764.4km(80%燃費時608.4km)を走行するのに14820円かかる計算です。

燃費を9.1km/Lとしたときの1km走行コストは19.39円、10万km走行したときの燃料代は193.9万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら19.4万円/年、7年10万kmなら27.7万円/年、5年10万kmなら38.8万円/年、3年10万kmなら64.6万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば515.8km(往復なら片道257.9km)、カタログ値の80%なら412.6km(片道206.3km)離れたところまで行くことができます。

カタログデータから見えてくる要素

N63B44C型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
1800回転時の馬力 167PS
4500回転時の馬力 417PS
5500回転時の馬力 449PS
各回転域でのトルク
1800回転時のトルク 66.3kgm
4500回転時のトルク 66.3kgm
5500回転時のトルク 58.5kgm
N63B44C型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているN63B44型4394cc、V型8気筒のツインターボエンジンは5500回転時に最高出力449馬力を、1800-4500回転時に最大トルク66.3kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、アイドリングとそれほど変わらないような回転数から最大トルクが発生するこのエンジンは、坂道発進も平気の平左、MT車でもエンスト知らず、扱いやすさにかけては右に出るものがありません。ディーゼル車やダウンサイジングターボに多くあります。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する1800rpmから最高出力が発生する5500rpmまで」の3700rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は67.3%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
4500cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
4500cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ4.610kg/PS(2070kg/449PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ4.610kg/PS
車体+1人4.733kg/PS
車体+5人5.223kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg4.744kg/PS
車体+70kg4.766kg/PS
車体+80kg4.788kg/PS
車体+90kg4.811kg/PS
車体+100kg4.833kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは4.733kg/PS(2125kg/449PS)となり、数値としては0.123kg、比率にすると2.7%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは5.223kg/PS(2345kg/449PS)となり、数値としては0.613kg、比率にすると13.3%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

7A44 7シリーズのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2016/05

-
7シリーズ
4.733kg/PS
2125kg/449PS|4.4L-TT
[車体のみPWR:4.610]
2017/09

車種詳細
シビック タイプR
4.516kg/PS
1445kg/320PS|2.0L-TB
車体のみPWR:4.344
2015/12

車種詳細
シビック タイプR
4.629kg/PS
1435kg/310PS|2.0L-TB
車体のみPWR:4.452
2010/01

車種詳細
インプレッサ R205
4.766kg/PS
1525kg/320PS|2.0L-TB
車体のみPWR:4.594
2020/09

車種詳細
GRヤリス
4.798kg/PS
1305kg/272PS|1.7L-TB
車体のみPWR:4.596
2011/01

車種詳細
インプレッサ WRX
4.951kg/PS
1525kg/308PS|2.0L-TB
車体のみPWR:4.773

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ4.733kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

4.496kg/PSから4.970kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、ホンダの4人乗りハッチバック「FK8型 シビック タイプR」、ホンダの4人乗りハッチバック「FK2型 シビック タイプR」、スバルの5人乗りハッチバック「GRB型 インプレッサ R205」、トヨタの4人乗りハッチバック「GXPA16型 GRヤリス」、スバルの5人乗りセダン「GVB型 インプレッサ WRX」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

7A44型 7シリーズ [750i G11]のライバル車種|4.733kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は216.9PS/tとなっています。


7シリーズがバイクと競争するなら…?


車種詳細
GSX400 インパルス|399cc
4.717kg/PS
250kg/53.0PS/3.80kgm
[車体のみPWR:3.679]
1速ギヤ速度:64.5km/h
最小TWR:0.799
2016/05

-
7シリーズ|4394cc
4.733kg/PS
2125kg/449PS/66.3kgm
[車体のみPWR:4.610]
1速ギヤ速度:51.8km/h
最小TWR:0.780

車種詳細
グラディウス400|399cc
4.745kg/PS
261kg/55.0PS/4.10kgm
[車体のみPWR:3.745]
1速ギヤ速度:68.4km/h
最小TWR:0.829

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここでは7シリーズとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

GK79A GSX400 インパルスと競争してみる

まず7シリーズより少しPWRが低いバイクとして、スズキのGSX400 インパルスが挙げられます。PWRの4.717kg/PSは車両重量195kgにライダーの体重55kgを加えた250kgを、最高出力53.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はGSX400 インパルスに12.7km/h劣り、1速TWRは0.019kg勝る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

VK58A グラディウス400と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、スズキのグラディウス400が挙げられます。PWRの4.745kg/PSは車両重量206kg+55kgの261kgを、最高出力55.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は16.6km/h劣り、1速TWRは0.049kg勝る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.895
平均ピストンスピード 16.19m/s
トルクウェイトレシオ 31.22kg/kgm
1馬力あたりのお値段 33073円
排気量1Lあたり馬力 102.18PS/L
排気量1Lあたりトルク 15.09kgm/L
1気筒あたりの馬力 56.1PS
1気筒あたりのトルク 8.3kgm
パワーバンド比率 67.3%
燃費×馬力 4090.4pt
各種ランキング
セダンのPWR
4.0~4.5L以下のPWR

トルクウェイトレシオは31.22kg/kgm(2070kg/66.3kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が14850000円、最高出力が449馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は33073円、逆に1万円あたりでは0.30馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は223982円、1万円あたりでは0.04kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
4500cc以下の車編
セダン編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は102.18PS/L、トルクは15.09kgm/L、1気筒あたりの馬力は56.1馬力、トルクは8.3kgmとなり、このエンジンが449馬力を5500回転で発生させているときの平均ピストンスピードは16.19m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が88.3mmであるN63B44型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6800回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.895になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと真っ直ぐ進むことを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が9.11km/L、最高出力が449PSであるこの車の獲得ポイントは4090.4ptになります。
戯れに車両重量2070kgを100kg単位にした20.7で割ってみたところ、その数値は197.60ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)



7シリーズでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.788m
期待される荷室の幅 1.500m
対角線の長さ 2.334m
期待される荷室の面積 2.682m²

縦方向の長さが1.788m(対角線では2.334m)などという破格のクラスになると、これはもう四の五の言わず車に住むべきです。

これだけの車を所持できる素養は持ち得ているのですから、細かいことは気にせずあらゆる支配からの卒業を宣言し、信じられぬ大人との争いに終止符を打ちましょう。

セダンやクーペであっても後部座席の背もたれを取り外してトランクルームと貫通させて荷室長を確保すれば良いだけの話です。たまに背もたれを取り外してもトランクルームと繋がっていなかったり、頑強な補強バーが入っていて邪魔されることもありますが、恐らく稀なケースです。

車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合5500rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6000回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6000rpm|タイヤサイズ 275/40R19|タイヤ直径 70.3cm|円周長 220.8cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6000rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 5.000 14.07 -
-
57km/h 10620rpm 2652.9kgm
2速 3.200 9.00 0.640 1-2/
3840rpm
88km/h 6790rpm 1697.9kgm
3速 2.143 6.03 0.670 2-3/
4020rpm
132km/h 4550rpm 1137.1kgm
4速 1.720 4.84 0.803 3-4/
4820rpm
164km/h 3650rpm 912.6kgm
5速 1.313 3.69 0.763 4-5/
4580rpm
215km/h 2790rpm 696.7kgm
6速 1.000 2.81 0.762 5-6/
4570rpm
283km/h 2120rpm 530.6kgm
7速 0.823 2.32 0.823 6-7/
4940rpm
343km/h 1750rpm 436.7kgm
8速 0.640 1.80 0.778 7-8/
4670rpm
442km/h 1360rpm 339.6kgm
Final 2.813 レシオカバレッジ(変速比幅)7.812

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数1800-4500rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(2.813)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(66.3kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(2.813)÷タイヤの有効半径(0.3515m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は8速ギヤの442km(5500rpmでは404.7km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが1800-4500回転で最大トルク66.3kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば31.22kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(4.610kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと2652.9kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(2070kg)を1速ギヤの最大駆動力(2652.9kgm)で割ってみると0.780kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する5500回転でのトルク(58.5kgm)からTWRを算出すると0.884kg/kgmとなり、1800-5500回転の回転域では0.780-0.884kg/kgmの間で推移することがわかります。


おまけ:5500rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

7A44型7シリーズに搭載されたN63B44型4394ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する5500rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

5500rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ52km/h-
2速ギヤ81km/h3520rpm
3速ギヤ121km/h3690rpm
4速ギヤ151km/h4420rpm
5速ギヤ197km/h4200rpm
6速ギヤ259km/h4190rpm
7速ギヤ315km/h4530rpm
8速ギヤ405km/h4280rpm

まず1速ギヤで5500rpmまで引っ張ると52km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は5500rpmから3520rpmまで落ち、そこから5500rpmまで加速を続けると速度は81km/h(+29km/h)になります。

3速ギヤでは3690rpmまで落ちて5500rpmで121km/h(+40km/h)に、4速ギヤでは4420rpmまで落ちて5500rpmで151km/h(+30km/h)に、5速ギヤでは4200rpmまで落ちて5500rpmで197km/h(+46km/h)になります。

続いて6速ギヤでは4190rpmまで落ちて5500rpmで259km/h(+62km/h)に、7速ギヤでは4530rpmまで落ちて5500rpmで315km/h(+56km/h)に、8速ギヤでは4280rpmまで落ちて5500rpmで405km/h(+90km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4250 6370 8490 10620 12740 14860 19110
2速 2720 4080 5440 6790 8150 9510 12230
3速 1820 2730 3640 4550 5460 6370 8190
4速 1460 2190 2920 3650 4380 5110 6570
5速 1120 1670 2230 2790 3350 3900 5020
6速 850 1270 1700 2120 2550 2970 3820
7速 700 1050 1400 1750 2100 2450 3150
8速 540 820 1090 1360 1630 1900 2450
※赤い数字は暫定レブリミット(6000rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.640)を選択して時速100kmにて走行すると1360回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは820回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは950回転、一般的な高速道路の80km/hでは1090回転、100km/hでは1360回転、制限速度が120km/hになると1630回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは2450回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 9 19 28 38 47 57 66 75
2速 15 29 44 59 74 88 103 118
3速 22 44 66 88 110 132 154 176
4速 27 55 82 110 137 164 192 219
5速 36 72 108 143 179 215 251 287
6速 47 94 141 188 235 283 330 377
7速 57 114 172 229 286 343 401 458
8速 74 147 221 294 368 442 515 589

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6000回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの275/40R19と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 275/40R19 | 直径 703mm

-20mm
幅255mm
-10mm
幅265mm
変更なし
幅275mm
+10mm
幅285mm
+20mm
幅295mm
-5%
35
扁平
255/35R19
37.7km/h
直径662mm
径差-41mm
265/35R19
38.1km/h
直径669mm
径差-34mm
275/35R19
38.5km/h
直径676mm
径差-27mm
285/35R19
38.9km/h
直径683mm
径差-20mm
295/35R19
39.3km/h
直径690mm
径差-13mm
0%
40
扁平
255/40R19
39.1km/h
直径687mm
径差-16mm
265/40R19
39.5km/h
直径695mm
径差-8mm
275/40R19
40.0km/h
703mm
0mm
285/40R19
40.5km/h
直径711mm
径差+8mm
295/40R19
40.9km/h
直径719mm
径差+16mm
+5%
45
扁平
255/45R19
40.6km/h
直径713mm
径差+10mm
265/45R19
41.1km/h
直径722mm
径差+19mm
275/45R19
41.6km/h
直径731mm
径差+28mm
285/45R19
42.1km/h
直径740mm
径差+37mm
295/45R19
42.6km/h
直径749mm
径差+46mm
+10%
50
扁平
255/50R19
42.0km/h
直径738mm
径差+35mm
265/50R19
42.6km/h
直径748mm
径差+45mm
275/50R19
43.1km/h
直径758mm
径差+55mm
285/50R19
43.7km/h
直径768mm
径差+65mm
295/50R19
44.3km/h
直径778mm
径差+75mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、255/40R19 、265/35R19、265/40R19 、275/35R19 、285/35R19 、295/35R19あたりのタイヤがおすすめです。

275/40R19のタイヤ幅を255mmから305mmまで、扁平率を25%から55%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、275/40R19の適応サイズと性能の変化 [7A44型7シリーズ編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
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7A44型7シリーズ[4.4L-TT FR/8AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト4.610kg/ps64.12
1速ギヤ加速性能0.780kg/kgm67.01
1L換算馬力102.18ps/L49.65
1L換算トルク15.09kgm/L47.36
WB/TR比1.89537.42
ワイド&ロー指数0.77958.25
前面の面積2.812m²44.82
最低地上高135mm57.93
スポーツ性能部門の得点426.56

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
JC08燃費9.8km/L37.73
年間維持費444500円39.20
100kmh回転数1360rpm64.97
航続距離764.4km52.95
車の大きさ14.369m³61.55
室内の広さ(仮) 2.606m³42.27
最小回転半径5.8m37.14
馬力単価33073円34.86
ユーティリティ部門の得点370.67

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した 7A44型7シリーズ[4.4L-TT FR/8AT] の総合得点は 797.23 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介した7A44型7シリーズ(FR/8AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのセダン」、「4500ccのセダン」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

7シリーズの歴代モデル

7代目 22EH30型 7シリーズ
22EH30 7シリーズは2022/04に登場した7代目モデル。参考車両の「740i Excellence G70」は全長5390mm、全幅1950mm、全高1545mmの車体に、381PS/53.0kgmを発生するB58B30型2997ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

6代目 7E30型 7シリーズ
7E30 7シリーズは2015/10に登場した6代目モデル。参考車両の「740Li M-sport G12」は全長5250mm、全幅1900mm、全高1480mmの車体に、326PS/45.9kgmを発生するB58B30型2997ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

5代目 YE44型 7シリーズ
YE44 7シリーズは2009/03に登場した5代目モデル。参考車両の「750Li F02」は全長5220mm、全幅1900mm、全高1485mmの車体に、450PS/66.3kgmを発生するN63B44型4394ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

4代目 GN60型 7シリーズ
GN60 7シリーズは2001/10に登場した4代目モデル。参考車両の「760iL E66」は全長5180mm、全幅1900mm、全高1490mmの車体に、445PS/61.2kgmを発生するN73B60型5972ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

3代目 GF40型 7シリーズ
GF40 7シリーズは1994/10に登場した3代目モデル。参考車両の「740i 40-8S E38」は全長4985mm、全幅1860mm、全高1435mmの車体に、286PS/40.0kgmを発生するM60B40型3981ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

2代目 L35型 7シリーズ
L35 7シリーズは1987/11に登場した2代目モデル。参考車両の「735iL E32」は全長5025mm、全幅1845mm、全高1400mmの車体に、211PS/31.1kgmを発生する3.34M.J1型3430ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。