PD4204T V90 クロスカントリー 性能と維持費 4WD/8AT 5人 739万円 2018

このページでは、ボルボの5ドア・5人乗りSUV、2代目のLDA-PD4204T型V90 クロスカントリー D4 AWD Momentum【2018/07モデル・190PS/40.8kgm・4WD/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

PD4204T V90 クロスカントリー
販売期間:2017/02 -

画像はボルボより引用
http://www.volvocars.com/
投稿:|更新:

ボディサイズが全長4940mm×全幅1905mm×全高1545mm、排気量は1968ccであることから、大雑把に分類すると2.0リットルクラス(2000cc、自動車税は2.0L以下を適用)に属し、排気量は2000cc以下なれど、全長と全幅が5ナンバー枠を超えていることにより3ナンバー登録になります。車体が大きい割りに排気量が小さいものの、ターボによる過給のおかげで非力さを感じることはなさそうです。
参考:150PS~200PSの自動車 一覧

駆動方式には車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆる四輪駆動(All Wheel Drive・AWD・Four Wheel Drive・4WDとも)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4940mmであるこの車の場合は「ラグジュアリー」(Luxury:4900mm超・Fセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。

PD4204T型 V90 クロスカントリー [1968cc/190PS 4WD/8AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

2代目V90 クロスカントリーの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2020/10
PB420TM型
[B6 AWD PRO]
2.0L-TB・4WD/8AT・904.0万円
299PS・42.8kgm・11.0km/L
299PS
42.8kgm
11.0km/L
2020/10
PB420TM型
[B5 AWD]
2.0L-TB・4WD/8AT・744.0万円
250PS・35.7kgm・11.6km/L
250PS
35.7kgm
11.6km/L
2017/07
型式不明
[T6 AWD Momentum]
2.0L-TS・4WD/8AT・769.0万円
320PS・40.8kgm・-
320PS
40.8kgm
-
2代目 V90 型式一覧 PB/PD系まとめ 2017-【全13車種】

PD4204T V90 クロスカントリーの主要諸元と大きさ比較

主要諸元
メーカー ボルボ
車名&
グレード
V90 クロスカントリー
D4 AWD Momentum
その他 クロスカントリー|Summum|エアサス装着車[LDA-PD4204TA]
お値段 7390000円
車両型式 LDA-PD4204T
駆動方式
変速機
4WD・四輪駆動(AWD)
8速AT・8速オートマ車
ドア/定員 5ドア・5名乗車
ホイールベース 2940mm
トレッド 1650mm/1645mm
WB/TR比 1.784
最小半径 5.8m
最低高 210mm
タイヤ 前輪:235/55R18
後輪:235/55R18
ブレーキ 前:ディスク
後:ディスク
車両重量 1870kg

※WB/TR比はホイールベーストレッド比の略。値が大きいほど直進安定性に優れ、小さいほど旋回性能が高くなりやすい。全ての車種の平均値は1.773。

V90 クロスカントリーと各規格の大きさ比較
規格名 規格寸法 増減
V90 クロスカントリー
車体寸法
全長 4940mm -
全幅 1905mm -
全高 1545mm -
軽自動車
新規格
全長 3400mm以下 +1540mm
全幅 1480mm以下 +425mm
全高平均 1640mm -95mm
小型車規格
5ナンバー車
全長 4700mm以下 +240mm
全幅 1700mm以下 +205mm
全高平均 1496mm +49mm
普通車平均
3ナンバー車
全長平均 4643mm +297mm
全幅平均 1815mm +90mm
全高平均 1518mm +27mm

※上記グラフは100のラインを上回れば平均値以上、下回れば平均値以下を表す。グラフの伸びが大きいほど各規格の車両に対して相対的に車体が長い・広い・高い。※普通乗用車(3ナンバー車)の条件は全長4700mm超または全幅1700mm超または全高2000mm超と上限値が曖昧なため、ここでは普通乗用車に属する全ての車種の平均値との比較。※軽自動車・小型乗用車の全高はいずれも2000mm以下。ただし、ここでは各規格に属する車種の全高の平均値との比較。



V90 クロスカントリーでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.729m
期待される荷室の幅 1.505m
対角線の長さ 2.292m
期待される荷室の面積 2.602m²

縦方向の長さが1.729m(対角線では2.292m)などという破格のクラスになると、これはもう四の五の言わず車に住むべきです。

これだけの車を所持できる素養は持ち得ているのですから、細かいことは気にせずあらゆる支配からの卒業を宣言し、信じられぬ大人との争いに終止符を打ちましょう。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。

車中泊にあると嬉しいアイテム


PD4204T V90 クロスカントリーの税金・年間維持費シミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税39500円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税16400円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かる軽油代月額5500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、V90 クロスカントリーの新車を849.8万円(諸費用として110.8万円を加算)にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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新車で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税 2000cc以下 11年未満 39500円
自動車重量税
1年分
2.0トン以下 13年未満 16400円
自賠責保険料
(1年換算)
自家用乗用車 8825円
燃料代
年間1万㎞
1万㎞÷14.8×165円/L 111490円
オイル交換
5000km毎
1回5500円×2回 11000円
タイヤ交換
5年5万km毎
1本18000円×4本÷5年 14400円
任意保険料
月額5500円
月額5500円×12ヶ月 66000円
ローン完済後の年間維持費 267700円
名目 区分 金額
車のローン額
1年分
月額141640円×12ヶ月 1699680円
ローン返済中の年間維持費 1967300円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 53500円
  • 初度登録から7年経過車の場合、「2000cc以下で11年未満」クラスの自動車税は39500円、「2.0トン以下で13年未満」クラスの自動車重量税は16400円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに5500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本18000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額5500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした53500円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

お財布に厚みが増した勢いで少し色気を出して愛車にステータス性を求めるなら、月換算22400円くらいの出費は覚悟しましょう。なあに大丈夫、愛車のためです。

口癖のように「もうちょっと維持費が安ければねえ…?」なんて呟くその姿は自慢げなようであり、しかし哀愁を帯びているようでもあり、傍からすれば対応に困ります。より維持費の安い新車を買うほどではない…ないが…考えずにもいられない、そんなクラスです。全体から見るとこの辺りから面白味のある車が増えてきます。

V90 クロスカントリーの維持費は高い?安い?

「V90 クロスカントリーの年間維持費は264300円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「2000ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてV90 クロスカントリーの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いプリウス191200円-73100円
ヴォクシー ハイブリッド229200円-35100円
V90 クロスカントリーの維持費264300円
ウィッシュ285500円+21200円
スイフト スポーツ289400円+25100円
基準2000ccクラス平均321300円+57000円
アコード350200円+85900円
WRX STI370500円+106200円
エクスプローラー435000円+170700円
高いBX493900円+229600円

V90 クロスカントリーの年間維持費を、2000ccクラスで最も維持費が安いプリウスと比較して73100円高く、最も高いBXと比較して229600円安く、2000ccクラスの平均維持費との比較では57000円安くなっています。

最低額のプリウスと最高額のBXは極端な例としても、2000ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、V90 クロスカントリーの維持費は まあまあ安い! と言えそうです。

年間維持費が安い 2000ccクラスの車 ランキング

V90 クロスカントリーを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%340万円29万円23万円
15%230万円20万円16万円
20%170万円15万円12万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は340万円(総支給額29万円/月、手取り23万円/月)、ここから月額維持費2.2万円を支払うと残りは20.8万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は230万円(総支給額20万円/月、手取り16万円/月)、2.2万円を支払うと残りは13.8万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が170万円(総支給額15万円/月、手取り12万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。2.2万円を引くと残りは9.8万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代12万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、軽油(ディーゼル燃料)1リットルあたり165円を基準として、-50円となる115円から、+50円となる215円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費14.8km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
115円/L
77710円
[-33780円]
-25円
140円/L
94600円
[-16890円]
-10円
155円/L
104740円
[-6750円]
165円/L111490円
[0円]
+10円
175円/L
118250円
[+6760円]
+25円
190円/L
128390円
[+16900円]
+50円
215円/L
145280円
[+33790円]

燃費14.8km/LのPD4204T型 V90 クロスカントリーで10000km走行するのに必要な燃料は675.7L、1リットルあたり165円としたときの燃料代は111490円になります。

参考までに、V90 クロスカントリーの燃料タンクは60リットルですので、675.7Lの給油回数は12回、1回あたりの燃料代は約9300円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては6760円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると16900円、50円も違ってくると33790円にもなります。

これをPD4204T型 V90 クロスカントリーの年間維持費に当てはめてみますと、軽油(ディーゼル燃料)1リットルあたり165円の場合を264300円としたとき、115円/Lに値下がりすれば230520円(87.2%)に、215円/Lに値上がりすれば298090円(112.8%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(39500円)なり重量税(16400円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなれば軽油代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

1年分の自動車税・重量税・自賠責保険料
名目 金額
自動車税 39500円
自動車重量税 1年分 16400円
自賠責保険料 1年分 8825円
合計 64725円

※現在の税制では、自動車税、自動車重量税、自賠責保険料は走行距離に関係なく税額・保険料は一律。走行距離税が新設された場合は大幅に変わる可能性あり。


年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
税金・自賠責 64725円 39%
燃料代 3000km分 33450円 20%
オイル交換 年1回 5500円 3%
タイヤ交換 6年毎 9600円 6%
任意保険料 80% 52800円 32%
合計
[1万kmとの差額]
166100円
-98200円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
税金・自賠責 64725円 35%
燃料代 5000km分 55750円 29%
オイル交換 年1回 5500円 3%
タイヤ交換 6年毎 9600円 5%
任意保険料 85% 56160円 28%
合計
[1万kmとの差額]
191800円
-72500円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
税金・自賠責 64725円 29%
燃料代 7000km分 78040円 36%
オイル交換 年1回 7700円 4%
タイヤ交換 6年毎 9600円 4%
任意保険料 90% 59400円 27%
合計
[1万kmとの差額]
219500円
-44800円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、軽油代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで50000km程度持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料66000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて98200円安い166100円に、5000km走行では72500円安い191800円に、7000km走行では44800円安い219500円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。軽油代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は15000kmは1.1倍、20000kmは1.2倍としたのがこちらです。

年間10000km走行の場合
名目 金額 比率
税金・自賠責 64725円 24%
燃料代 10000km分 111490円 42%
オイル交換 年2回 11000円 4%
タイヤ交換 5年毎 14400円 5%
任意保険料 100% 66000円 25%
合計
[1万kmとの差額]
267700円
-
-
年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
税金・自賠責 64725円 20%
燃料代 15000km分 167240円 49%
オイル交換 年3回 16500円 5%
タイヤ交換 3年毎 17280円 5%
任意保険料 110% 72600円 21%
合計
[1万kmとの差額]
338400円
+74100円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
税金・自賠責 64725円 16%
燃料代 20000km分 222980円 54%
オイル交換 年4回 22000円 5%
タイヤ交換 3年毎 23040円 6%
任意保険料 120% 79200円 19%
合計
[1万kmとの差額]
412000円
+147700円
-
走行距離と維持費の変化

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
輸入車・外車の小型車&普通車編
2000cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
5人乗りSUV・RV編

V90 クロスカントリーの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
JC08モード燃費 15.9km/L
燃料タンク容量 60L
航続距離(カタログ燃費) 954.0km
航続距離(80%燃費) 762.0km
満タンプライス 9900円
1km走行コスト 10.38円/km
1万円でどこまで行ける? 963.6km
東京から954.0kmの範囲

JC08モード燃費が15.9km/L、燃料タンク容量60リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は954.0kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(14.3km/L)とすると航続距離は858.0km、80%(12.7km/L)だと762.0km、70%(11.1km/L)では666.0kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から60リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、軽油(ディーゼル燃料)を1リットルあたり165円では9900円、上で計算した航続距離を踏まえると954.0km(80%燃費時762.0km)を走行するのに9900円かかる計算です。

燃費を14.8km/Lとしたときの1km走行コストは10.38円、10万km走行したときの燃料代は103.8万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら10.4万円/年、7年10万kmなら14.8万円/年、5年10万kmなら20.8万円/年、3年10万kmなら34.6万円/年となります。

ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば963.6km(往復なら片道481.8km)、カタログ値の80%なら770.9km(片道385.5km)離れたところまで行くことができます。

PD4204T V90 クロスカントリーのエンジン諸元とカタログデータ

D4204T型エンジン簡易性能曲線図
エンジン諸元
原動機型式 D4204T
気筒配列 直列4気筒
排気量1968cc
圧縮比 15.8
吸気方式 ターボ
最高出力 190PS[140kW]/4250rpm
最大トルク 40.8kgm[400Nm]/1750-2500rpm
パワーバンド 1750-4250rpm, 帯域58.8%
使用燃料 軽油(ディーゼル燃料)
JC08燃費15.9km/L(37.4mpg)
100km燃費6.3L/100km
最高出力・最大トルク 各回転数での出力
1750rpm 100PS/40.8kgm
2500rpm142PS/40.8kgm
4250rpm 190PS/32.0kgm
D4204T型エンジンの諸元と性能まとめ
直列4気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に4個配置する方式。小排気量から2.5Lあたりまでをカバー。
直列4気筒の最高出力ランキング

まずおさらいとして、搭載しているD4204T型1968cc、直列4気筒のターボエンジンは4250回転時に最高出力190馬力を、1750-2500回転時に最大トルク40.8kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なります。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する1750rpmから最高出力が発生する4250rpmまで」の2500rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は58.8%となります。※簡易エンジン性能曲線図オレンジ色の帯域。

最高出力ランキング リスト
2000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
2000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ9.842kg/PS(1870kg/190PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ9.842kg/PS
車体+1人10.132kg/PS
車体+5人11.289kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg10.158kg/PS
車体+70kg10.211kg/PS
車体+80kg10.263kg/PS
車体+90kg10.316kg/PS
車体+100kg10.368kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは10.132kg/PS(1925kg/190PS)となり、数値としては0.290kg、比率にすると2.9%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは11.289kg/PS(2145kg/190PS)となり、数値としては1.447kg、比率にすると14.7%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

PD4204T V90 クロスカントリーのライバル候補車たち

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ10.132kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

愛すべきライバル車種
Page Link車名 PWR+55kg

-
V90 クロスカントリー
10.132kg/PS
190PS・2.0L-TB
車体のみPWR 9.842
1925kg
+2.9%

車種詳細
スイフト
10.165kg/PS
91PS・1.3L-NA
車体のみPWR 9.560
925kg
+6.3%

車種詳細
ヴェゼル
10.038kg/PS
132PS・1.5L-NA
車体のみPWR 9.621
1325kg
+4.3%

車種詳細
エクストレイル
10.170kg/PS
147PS・2.0L-NA
車体のみPWR 9.796
1495kg
+3.8%

車種詳細
プレマシー
10.232kg/PS
151PS・2.0L-NA
車体のみPWR 9.868
1545kg
+3.7%

車種詳細
フォレスター
10.101kg/PS
148PS・2.0L-NA
車体のみPWR 9.730
1495kg
+3.8%


10.031kg/PSから10.233kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、スズキの5人乗りハッチバック・ZC83S型 スイフト、ホンダの5人乗りSUV・RU3型 ヴェゼル、日産の5人乗りSUV・T32型 エクストレイル、マツダの7人乗りミニバン・CWFFW型 プレマシー、スバルの5人乗りSUV・SJ5型 フォレスターという顔ぶれが並びました。

最高出力が高いからといって、車両重量が重ければパワーウェイトレシオの数値は似たようなものになったりします。「空車状態のPWRの違いが、戦力の決定的差ではないということを…教えてやる!」といったところでしょうか。

こうなると、思いもよらぬ車種の登場に「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごも生じることもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

PD4204T型 V90 クロスカントリー [D4 AWD Momentum]のライバル車種|10.132kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は101.6PS/tとなっています。


V90 クロスカントリーがバイクと競争するなら…?


車種詳細
Vストローム250|248cc
10.125kg/PS
243kg/24.0PS/2.20kgm
[車体のみPWR:7.833]
1速ギヤ速度:36.1km/h
最小TWR:1.022
2018/07

-
V90 クロスカントリー|1968cc
10.132kg/PS
1925kg/190PS/40.8kgm
[車体のみPWR:9.842]
1速ギヤ速度:34.1km/h
最小TWR:0.977

車種詳細
マジェスティ|249cc
10.136kg/PS
223kg/22.0PS/2.30kgm
[車体のみPWR:7.636]
1速ギヤ速度:41.7km/h
最小TWR:1.078

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではV90 クロスカントリーとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

DS11A Vストローム250と競争してみる

まずV90 クロスカントリーより少しPWRが低いバイクとして、スズキのVストローム250が挙げられます。PWRの10.125kg/PSは車両重量188kgにライダーの体重55kgを加えた243kgを、最高出力24.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はVストローム250に2.0km/h劣り、1速TWRは0.045kg勝る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

SG03J マジェスティと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ヤマハのマジェスティが挙げられます。PWRの10.136kg/PSは車両重量168kg+55kgの223kgを、最高出力22.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は7.6km/h劣り、1速TWRは0.101kg勝る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.784
平均ピストンスピード 13.20m/s
トルクウェイトレシオ 45.83kg/kgm
1馬力あたりのお値段 38895円
排気量1Lあたり馬力 96.54PS/L
排気量1Lあたりトルク 20.73kgm/L
1気筒あたりの馬力 47.5PS
1気筒あたりのトルク 10.2kgm
パワーバンド比率 58.8%
燃費×馬力 2810.1pt
各種ランキング
SUV・RV・クロカンのPWR
1.8~2.0Lターボ車のPWR

トルクウェイトレシオは45.83kg/kgm(1870kg/40.8kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が7390000円、最高出力が190馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は38895円、逆に1万円あたりでは0.26馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は181127円、1万円あたりでは0.06kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
2000cc以下の車編
5人乗りSUV編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は96.54PS/L、トルクは20.73kgm/L、1気筒あたりの馬力は47.5馬力、トルクは10.2kgmとなり、このエンジンが190馬力を4250回転で発生させているときの平均ピストンスピードは13.20m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.784になります。全ての車種の平均値である1.773を基準にざっくりと分類すると、走ってよし、曲がってよしで至れり尽くせりのオールラウンダーであると言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が14.79km/L、最高出力が190PSであるこの車の獲得ポイントは2810.1ptになります。
戯れに車両重量1870kgを100kg単位にした18.7で割ってみたところ、その数値は150.27ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


PD4204T V90 クロスカントリーのギヤ比と回転数・速度のステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合4250rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした4750回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 4750rpm|タイヤサイズ 235/55R18|タイヤ直径 71.6cm|円周長 224.9cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
4750rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 5.250 16.80 - - 38km/h 12450rpm 1914.6kgm
2速 3.029 9.69 0.577 1-2/
2740rpm
66km/h 7180rpm 1104.7kgm
3速 1.950 6.24 0.644 2-3/
3060rpm
103km/h 4620rpm 711.2kgm
4速 1.457 4.66 0.747 3-4/
3550rpm
137km/h 3460rpm 531.4kgm
5速 1.221 3.91 0.838 4-5/
3980rpm
164km/h 2900rpm 445.3kgm
6速 1.000 3.20 0.819 5-6/
3890rpm
200km/h 2370rpm 364.7kgm
7速 0.809 2.59 0.809 6-7/
3840rpm
248km/h 1920rpm 295.0kgm
8速 0.673 2.15 0.832 7-8/
3950rpm
298km/h 1600rpm 245.4kgm
Final3.200レシオカバレッジ(変速比幅)7.801
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数1750-2500rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.200)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(40.8kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.200)÷タイヤの有効半径(0.358m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は8速ギヤの298km(4250rpmでは266.3km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが1750-2500回転で最大トルク40.8kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば45.83kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(9.842kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと1914.6kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1870kg)を1速ギヤの最大駆動力(1914.6kgm)で割ってみると0.977kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する4250回転でのトルク(32.0kgm)からTWRを算出すると1.245kg/kgmとなり、1750-4250回転の回転域では0.977-1.245kg/kgmの間で推移することがわかります。


4250rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

PD4204T型V90 クロスカントリーに搭載されたD4204T型1968ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する4250rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

4250rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ34km/h-
2速ギヤ59km/h2450rpm
3速ギヤ92km/h2740rpm
4速ギヤ123km/h3170rpm
5速ギヤ147km/h3560rpm
6速ギヤ179km/h3480rpm
7速ギヤ222km/h3440rpm
8速ギヤ266km/h3540rpm

まず1速ギヤで4250rpmまで引っ張ると34km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は4250rpmから2450rpmまで落ち、そこから4250rpmまで加速を続けると速度は59km/h(+25km/h)になります。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4980 7470 9960 12450 14940 17430 22410
2速 2870 4310 5750 7180 8620 10060 12930
3速 1850 2770 3700 4620 5550 6470 8320
4速 1380 2070 2760 3460 4150 4840 6220
5速 1160 1740 2320 2900 3470 4050 5210
6速 950 1420 1900 2370 2850 3320 4270
7速 770 1150 1530 1920 2300 2690 3450
8速 640 960 1280 1600 1920 2230 2870
※赤い数字は暫定レブリミット(4750rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.673)を選択して時速100kmにて走行すると1600回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは960回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1120回転、一般的な高速道路の80km/hでは1280回転、100km/hでは1600回転、制限速度が120km/hになると1920回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは2870回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 8 16 24 32 40 48 56 64
2速 14 28 42 56 70 84 97 111
3速 22 43 65 87 108 130 151 173
4速 29 58 87 116 145 174 203 232
5速 35 69 104 138 173 207 242 276
6速 42 84 127 169 211 253 295 337
7速 52 104 156 208 261 313 365 417
8速 63 125 188 251 313 376 439 501

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(4750回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの235/55R18と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 235/55R18 | 直径 716mm

-20mm
幅215mm
-10mm
幅225mm
変更なし
幅235mm
+10mm
幅245mm
+20mm
幅255mm
50 215/50R18
37.5km/h
径 672mm
差 -44mm
225/50R18
38.1km/h
径 682mm
差 -34mm
235/50R18
38.7km/h
径 692mm
差 -24mm
245/50R18
39.2km/h
径 702mm
差 -14mm
255/50R18
39.8km/h
径 712mm
差 -4mm
55 215/55R18
38.8km/h
径 694mm
差 -22mm
225/55R18
39.4km/h
径 705mm
差 -11mm
235/55R18
40.0km/h
716mm
0mm
245/55R18
40.6km/h
径 727mm
差 +11mm
255/55R18
41.2km/h
径 738mm
差 +22mm
60 215/60R18
39.9km/h
径 715mm
差 -1mm
225/60R18
40.6km/h
径 727mm
差 +11mm
235/60R18
41.3km/h
径 739mm
差 +23mm
245/60R18
42.0km/h
径 751mm
差 +35mm
255/60R18
42.6km/h
径 763mm
差 +47mm
65 215/65R18
41.2km/h
径 737mm
差 +21mm
225/65R18
41.9km/h
径 750mm
差 +34mm
235/65R18
42.6km/h
径 763mm
差 +47mm
245/65R18
43.4km/h
径 776mm
差 +60mm
255/65R18
44.1km/h
径 789mm
差 +73mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、215/55R18、215/60R18 、225/50R18、225/55R18 、235/50R18 、245/50R18 、255/50R18あたりのタイヤがおすすめです。

235/55R18のタイヤ幅を215mmから265mmまで、扁平率を40%から70%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、235/55R18の適応サイズと性能の変化 [PD4204T型V90 クロスカントリー編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】235/55R18のタイヤ銘柄と通販価格

PD4204T型 V90 クロスカントリー 2.0Lターボ 4WD/8ATの通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を比較してみます。

運動性能部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
PWR9.78㎏/PS9.84㎏/PS49.8ptC
最高回転数5881rpm4250rpm29.9ptF
1速ギヤ
加速性能
1.58㎏/㎏m0.98㎏/㎏m62.7ptA
1速ギヤ
最高速
51.1㎞/h34.1㎞/h34.4ptE
1リットル
換算馬力
103.35PS/L96.54PS/L47.5ptC
1リットル
換算トルク
15.98㎏m/L20.73㎏m/L64.7ptA
WB/TR比1.7731.78448.9ptC
ワイド&
ロー指数
0.8940.81155.9ptB
前面の面積2.631m22.943m241.3ptD
最低地上高154.5mm210mm27.5ptF
スポーツ性能部門の得点444.5pt
総合評価D

※PWR(パワーウェイトレシオ)・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比(旋回性能重視)・ワイド&ロー指数(見た目のかっこよさ)・前面の面積(≒前方投影面積・空気抵抗)・最低地上高については数値が小さいほど高得点。最高回転数・1速ギヤ最高速・1リットル換算馬力・1リットル換算トルクについては数値が大きいほど高得点。

ユーティリティ部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
年間維持費335944円264300円56.3ptB
JC08燃費17.7km/L15.9km/L47.2ptC
100km/h
回転数
2490rpm1600rpm61.8ptB
航続距離643.9km887.2km64.0ptA
車の大きさ11.466m314.540m337.8ptE
車内の広さ3430.7L-46.6ptC
乗車定員4.8人5人51.7ptC
1人あたり
車内広さ
691.7L-44.2ptD
車内床面積2.793m2-46.0ptC
最小回転
半径
5.17m5.8m37.1ptE
ユーティリティ部門の得点492.7pt
総合評価C

※JC08燃費・航続距離(燃費×燃料タンク容量)・室内の広さ(室内長×室内幅×室内高)・乗車定員・1人あたりの車内の広さは数値が大きいほど高得点、新車価格・年間維持費・100km/h回転数・車の大きさ(全長×全幅×全高)・最小回転半径は数値が小さいほど高得点。

結果発表!
部門 全10700車種中 RANK
運動性能 444.5pt 9394位 D
運動性能部門 ランキング
ユーティリティ 492.7pt 4825位 C
ユーティリティ部門 ランキング
総合得点 937.2pt 8995位 D
総合得点ランキング

スポーツ性能部門は444.5点で全10700車種中の9394位、ユーティリティ部門は492.7点で4825位、総合得点は937.2点で8995位となりました。各部門、獲得点数が多い車種から順番に並べたランキングを用意してありますのでご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したPD4204T型 V90 クロスカントリー(4WD/8AT) の各種スペックを、5人乗SUV2000ccという属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを比較してみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。


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