7NCAV シャランの性能と維持費 FF/6AT 7人 434万円 2011年式

このページでは、フォルクスワーゲンの5ドア・7人乗りミニバン、2代目のDBA-7NCAV型シャラン TSI High-line【2011/07モデル・150PS/24.5kgm・FF/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

7NCAV シャラン
販売期間:2011/02 -

画像はフォルクスワーゲンより引用
http://www.volkswagen.co.jp/
投稿:2012/01/14|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長4855mm×全幅1910mm×全高1750mm、排気量は1389ccであることから、大雑把に分類すると1.4リットルクラス(1400cc、自動車税は1.5L以下を適用)に属し、排気量は2000cc以下なれど、全長と全幅が5ナンバー枠を超えていることにより3ナンバー登録になります。車体が大きい割りに排気量が小さいものの、ターボ+スーパーチャージャーによる過給のおかげで非力さを感じることはなさそうです。

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、前輪のみを駆動する、フロントエンジン・フロントドライブ方式(FF・FWD・前輪駆動とも)を採用しています。この方式はエンジンと駆動系(ミッション、デフ等)の収納がエンジンルーム内で完結するので、軽量コンパクトかつ低コスト化が実現でき、室内を広く作りやすい(エンジンが横置きの場合)ほか、後輪駆動車に比べて直進安定性に優れることが主な特長です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4855mmであるこの車の場合は「アッパーミディアム」(Upper-Medium:4650mm超-4900mm以下・Eセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


7NCAV型 シャラン [1389cc/150PS FF/6AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

2代目シャランの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2022/04
7NDJK型
[TDI Comfortline]
1.4L-TB | FF/6AT
| 441.2万円
150PS
25.5kgm
12.2km/L
2019/10
7NDLU型
[TDI Highline]
2.0L-TB | FF/6AT
| 529.6万円
177PS
38.7kgm
14.0km/L
2015/09
7NCZD型
[TSI TrendLine]
1.4L-TB | FF/6AT
| 360.0万円
150PS
25.5kgm
15.0km/L
2代目シャランの車両型式・グレード一覧【全4車種】
シャランの旧型モデル
初代 7MAAA型シャラン
7MAAA型シャランは1997/05に登場した初代モデル。参考車両の「VR6」は全長4620mm、全幅1810mm、全高1760mmの車体に、174PS/24.0kgmを発生するAAA型2791ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー VOLKSWAGEN
車名&
グレード
シャラン
TSI High-line
その他 ハイライン コンフォートライン
お値段 4340000円
車両型式 DBA-7NCAV
駆動方式
変速機
FF・前輪駆動(FWD,2WD)
6速AT・6速オートマ車
ドア/定員 5ドア/7名乗車
車体寸法 長4855×幅1910×高1750mm
軸距&
輪距
2920mm
前1555mm/後1605mm
最小半径 5.8m
最低高 140mm
タイヤ 前輪:225/50R17
後輪:225/50R17
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ディスク
車両重量 1830kg
エンジン諸元
原動機型式 CAV
気筒配列 直列4気筒
排気量1389cc
圧縮比10.0
吸気方式 ターボ+スーパーチャージャー
最高出力 150PS[110kW]/5800rpm
最大トルク 24.5kgm[240Nm]/1500-4000rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
10・15燃費 14.0km/L(32.9mpg)
100km燃費 7.1L/100km
CAV型エンジンの諸元と性能まとめ
直列4気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に4個配置する方式。小排気量から2.5Lあたりまでをカバー。
直列4気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税39600円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税22800円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額5000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、シャランの新車を499.1万円(諸費用として65.1万円を加算)にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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新車で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 1500cc以下 13年経過 39600円
自動車重量税(1年分) 2.0トン以下 13年-17年経過 22800円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
10000km÷11.9km/L×180円/L
7000km÷11.9km/L×180円/L
5000km÷11.9km/L×180円/L
3000km÷11.9km/L×180円/L
151260円
(105880円)
(75630円)
(45380円)
オイル交換(5000km毎) 1回4500円×2回 9000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本15000円×4本÷5年 12000円
任意保険料(月額5000円) 月額5000円×12ヶ月 60000円
ローン完済後の年間維持費 303500円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額83180円×12ヶ月 998160円
ローン返済中の年間維持費 1301700円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分+検査手数料等3000円程度 66300円
名目 金額
自動車税(1年分) 39600円
自動車重量税(1年分) 22800円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
151260円
(105880円)
(75630円)
(45380円)
オイル交換(5000km毎) 9000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 12000円
任意保険料(月額5000円) 60000円
ローン完済後の年間維持費 303500円
名目 金額
車のローン額(1年分) 998160円
ローン返済中の年間維持費 1301700円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
66300円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「1500cc以下で13年経過」クラスの自動車税は39600円、「2.0トン以下で13年-17年経過」クラスの自動車重量税は22800円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに4500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本15000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額5000円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした66300円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

お財布に厚みが増した勢いで少し色気を出して、自身の車にステータス性を欲すると月換算で2万円~3万円の間、年間にすると24万円~36万円のクラスです。シャラン【TSI High-line】の場合、維持費の月額は25300円(ローン完済前は108500円)になります。

口癖のように「もうちょっと維持費が安ければねえ…?」なんて呟くその姿は自慢げなようであり、しかし哀愁を帯びているようでもあり対応に困ります。より維持費の掛からない新しい車を買うほどではない、が、維持費のことを考えずにもいられない、そんなクラスです。全体から見るとこの辺りから面白味のある車が増えてくるイメージです。


燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり180円を基準として、-50円となる130円から、+50円となる230円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費11.9km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
130円/L
109260円
[-42000円]
-25円
155円/L
130270円
[-20990円]
-10円
170円/L
142870円
[-8390円]
180円/L151260円
[0円]
+10円
190円/L
159680円
[+8420円]
+25円
205円/L
172290円
[+21030円]
+50円
230円/L
193300円
[+42040円]

燃費11.9km/Lの7NCAV型 シャランで10000km走行するのに必要な燃料は840.4L、1リットルあたり180円としたときの燃料代は151260円になります。

参考までに、シャランの燃料タンクは73リットルですので、840.4Lの給油回数は12回、1回あたりの燃料代は約12610円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては8420円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると21030円、50円も違ってくると42040円にもなります。

これを7NCAV型 シャランの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり180円の場合を303500円としたとき、130円/Lに値下がりすれば261500円(86.2%)に、230円/Lに値上がりすれば345540円(113.9%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(39600円)なり重量税(22800円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 39600円 22%
自動車重量税 1年分 22800円 13%
自賠責保険料 1年分 8825円 5%
燃料代 3000km分 45380円 26%
オイル交換 年1回 4500円 3%
タイヤ交換 6年毎 8000円 5%
任意保険料 80% 48000円 26%
合計
[1万kmとの差額]
177200円
-126300円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 39600円 19%
自動車重量税 1年分 22800円 11%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 5000km分 75630円 36%
オイル交換 年1回 4500円 2%
タイヤ交換 6年毎 8000円 4%
任意保険料 85% 51000円 24%
合計
[1万kmとの差額]
210400円
-93100円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 39600円 16%
自動車重量税 1年分 22800円 9%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 7000km分 105880円 43%
オイル交換 年1回 6300円 3%
タイヤ交換 6年毎 8000円 3%
任意保険料 90% 54000円 22%
合計
[1万kmとの差額]
245500円
-58000円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料60000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて126300円安い177200円に、5000km走行では93100円安い210400円に、7000km走行では58000円安い245500円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 39600円 10%
自動車重量税 1年分 22800円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 15000km分 226890円 56%
オイル交換 年3回 27000円 7%
タイヤ交換 2.7年毎 18000円 4%
任意保険料 100% 60000円 15%
合計
[1万kmとの差額]
403200円
+99700円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 39600円 8%
自動車重量税 1年分 22800円 5%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 20000km分 302520円 61%
オイル交換 年4回 36000円 7%
タイヤ交換 2年毎 24000円 5%
任意保険料 100% 60000円 12%
合計
[1万kmとの差額]
493800円
+190300円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。



シャランの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 14.0km/L
燃料タンク容量 73L
航続距離(カタログ燃費) 1022.0km
航続距離(80%燃費) 817.6km
満タンプライス 13140円
1km走行コスト 12.86円
1万円でどこまで行ける? 777.8km
車両価格/航続距離 4247円/km

10・15モード燃費が14.0km/L、燃料タンク容量73リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は1022.0kmになります。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(12.6km/L)とすると919.8km、80%(11.2km/L)だと817.6km、70%(9.8km/L)では715.4kmという航続距離になります。

燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり180円で73リットルの給油をすると13140円、上で計算した航続距離を踏まえると1022.0km(80%燃費時817.6km)を走行するのに13140円かかる計算です。

燃費を11.9km/Lとしたときの1km走行コストは12.86円、10万km走行したときの燃料代は128.6万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら12.9万円/年、7年10万kmなら18.4万円/年、5年10万kmなら25.7万円/年、3年10万kmなら42.9万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば777.8km(往復なら片道388.9km)、カタログ値の80%なら622.2km(片道311.1km)離れたところまで行くことができます。

ちなみに、1回の給油で1022.0kmの距離を移動できる7NCAV型 シャラン [TSI High-line]という乗り物を、434.0万円で手に入れたと考えたとき、この車が1km走行するにあたっては「4247円の値打ちがある!」と言える、かもしれません。


カタログデータから見えてくる要素

CAV型エンジン簡易性能曲線図
CAV型エンジン性能曲線図もどき
各回転域での馬力
1500回転時の馬力 51PS
4000回転時の馬力 137PS
5800回転時の馬力 150PS
各回転域でのトルク
1500回転時のトルク 24.5kgm
4000回転時のトルク 24.5kgm
5800回転時のトルク 18.5kgm
CAV型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているCAV型1389cc、直列4気筒のターボ+スーパーチャージャーエンジンは5800回転時に最高出力150馬力を、1500-4000回転時に最大トルク24.5kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、アイドリングとそれほど変わらないような回転数から最大トルクが発生するこのエンジンは、坂道発進も平気の平左、MT車でもエンスト知らず、扱いやすさにかけては右に出るものがありません。ディーゼル車やダウンサイジングターボに多くあります。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する1500rpmから最高出力が発生する5800rpmまで」の4300rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は74.1%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
1500cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
1500cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ12.200kg/PS(1830kg/150PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ12.200kg/PS
車体+1人12.567kg/PS
車体+7人14.767kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg12.600kg/PS
車体+70kg12.667kg/PS
車体+80kg12.733kg/PS
車体+90kg12.800kg/PS
車体+100kg12.867kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは12.567kg/PS(1885kg/150PS)となり、数値としては0.367kg、比率にすると3.0%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの7人が搭乗した場合、車両重量に385kgがプラスされてパワーウェイトレシオは14.767kg/PS(2215kg/150PS)となり、数値としては2.567kg、比率にすると21.0%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。


7NCAV シャランのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2011/07

-
シャラン
12.567kg/PS
1885kg/150PS|1.4L-TBSC
[車体のみPWR:12.200]
2013/04

車種詳細
500S
12.529kg/PS
1065kg/85PS|0.9L-TB
車体のみPWR:11.882
2015/07

車種詳細
シエンタ
12.523kg/PS
1365kg/109PS|1.5L-NA
車体のみPWR:12.018
2004/10

車種詳細
インサイト
12.500kg/PS
875kg/70PS|1.0L-NA
車体のみPWR:11.714
2013/07

車種詳細
CLAクラス
12.500kg/PS
1525kg/122PS|1.6L-TB
車体のみPWR:12.049
2015/02

車種詳細
CX-3
12.524kg/PS
1315kg/105PS|1.5L-TB
車体のみPWR:12.000

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ12.567kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

12.441kg/PSから12.693kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、フィアットの4人乗りハッチバック「31209型 500S」、トヨタの7人乗りミニバン「NSP170G型 シエンタ」、ホンダの2人乗りクーペ「ZE1型 インサイト」、メルセデスベンツの5人乗りセダン「117342型 CLAクラス」、マツダの5人乗りSUV「DK5FW型 CX-3」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

7NCAV型 シャラン [TSI High-line]とパワーウェイトレシオが近い車種|12.567kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は82.0PS/tとなっています。


シャランがバイクと競争するなら…?


車種詳細
GSX-S125|124cc
12.533kg/PS
188kg/15.0PS/1.10kgm
[車体のみPWR:8.867]
1速ギヤ速度:37.5km/h
最小TWR:1.203
2011/07

-
シャラン|1389cc
12.567kg/PS
1885kg/150PS/24.5kgm
[車体のみPWR:12.200]
1速ギヤ速度:47.4km/h
最小TWR:1.620

車種詳細
GSX-R125|124cc
12.600kg/PS
189kg/15.0PS/1.10kgm
[車体のみPWR:8.933]
1速ギヤ速度:37.5km/h
最小TWR:1.212

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではシャランとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

DL32B GSX-S125と競争してみる

まずシャランより少しPWRが低いバイクとして、スズキのGSX-S125が挙げられます。PWRの12.533kg/PSは車両重量133kgにライダーの体重55kgを加えた188kgを、最高出力15.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はGSX-S125に9.9km/h勝り、1速TWRは0.417kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

DL33B GSX-R125と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、スズキのGSX-R125が挙げられます。PWRの12.600kg/PSは車両重量134kg+55kgの189kgを、最高出力15.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は9.9km/h勝り、1速TWRは0.408kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.848
平均ピストンスピード 14.62m/s
トルクウェイトレシオ 74.69kg/kgm
1馬力あたりのお値段 28933円
排気量1Lあたり馬力 107.99PS/L
排気量1Lあたりトルク 17.64kgm/L
1気筒あたりの馬力 37.5PS
1気筒あたりのトルク 6.1kgm
パワーバンド比率 74.1%
燃費×馬力 1785.0pt
各種ランキング
ミニバン・1BOXのPWR
1.3~1.5L以下のPWR

トルクウェイトレシオは74.69kg/kgm(1830kg/24.5kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が4340000円、最高出力が150馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は28933円、逆に1万円あたりでは0.35馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は177143円、1万円あたりでは0.06kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
1500cc以下の車編
7人乗りミニバン編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は107.99PS/L、トルクは17.64kgm/L、1気筒あたりの馬力は37.5馬力、トルクは6.1kgmとなり、このエンジンが150馬力を5800回転で発生させているときの平均ピストンスピードは14.62m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が75.6mmであるCAV型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は7940回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.848になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと真っ直ぐ進むことを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が11.90km/L、最高出力が150PSであるこの車の獲得ポイントは1785.0ptになります。
戯れに車両重量1830kgを100kg単位にした18.3で割ってみたところ、その数値は97.54ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)



シャランでの車中泊

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.70m
期待される荷室の幅 1.51m
対角線の長さ 2.27m
期待される荷室の面積 2.57m²

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

縦方向の長さが1.70m(対角線では2.27m)などという破格のクラスになると、これはもう四の五の言わず車に住むべきです。

これだけの車を所持できる素養は持ち得ているのですから、細かいことは気にせずあらゆる支配からの卒業を宣言し、信じられぬ大人との争いに終止符を打ちましょう。

多くのミニバンや1BOXは室内長の寸法が大きいことから車中泊への期待が高まりますが、2列目、3列目シートの収納がイマイチの場合は車中泊の難易度がセダンよりも跳ね上がりかねません。その場合はシートを前ではなく後に倒してのフルフラットの可否が鍵を握ります。
車中泊にあると嬉しいアイテム


ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合5800rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6300回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6300rpm|タイヤサイズ 225/50R17|タイヤ直径 65.7cm|円周長 206.4cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6300rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 3.461 15.14 -
-
52km/h 12230rpm 1129.3kgm
2速 2.150 9.41 0.621 1-2/
3910rpm
83km/h 7600rpm 701.5kgm
3速 1.464 6.41 0.681 2-3/
4290rpm
122km/h 5170rpm 477.7kgm
4速 1.078 4.72 0.736 3-4/
4640rpm
165km/h 3810rpm 351.7kgm
5速 0.833 3.64 0.773 4-5/
4870rpm
214km/h 2940rpm 271.8kgm
6速 0.702 3.07 0.843 5-6/
5310rpm
254km/h 2480rpm 229.1kgm
Final 4.375 レシオカバレッジ(変速比幅)4.930

ギヤの繋がりイメージ
7NCAV型シャラン6AT車のギヤ比イメージ
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数1500-4000rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.375)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(24.5kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.375)÷タイヤの有効半径(0.3285m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は6速ギヤの254km(5800rpmでは233.9km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

おまけ:5800rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

5800rpmでの速度と
シフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ47km/h-
2速ギヤ76km/h3600rpm
3速ギヤ112km/h3950rpm
4速ギヤ152km/h4270rpm
5速ギヤ197km/h4480rpm
6速ギヤ234km/h4890rpm

7NCAV型シャランに搭載されたCAV型1389ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する5800rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

まず1速ギヤで5800rpmまで引っ張ると47km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は5800rpmから3600rpmまで落ち、そこから5800rpmまで加速を続けると速度は76km/h(+29km/h)になります。

3速ギヤでは3950rpmまで落ちて5800rpmで112km/h(+36km/h)に、4速ギヤでは4270rpmまで落ちて5800rpmで152km/h(+40km/h)になります。

続いて5速ギヤでは4480rpmまで落ちて5800rpmで197km/h(+45km/h)に、6速ギヤでは4890rpmまで落ちて5800rpmで234km/h(+37km/h)という具合に加速していくイメージです。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが1500-4000回転で最大トルク24.5kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば74.69kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(12.200kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと1129.3kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1830kg)を1速ギヤの最大駆動力(1129.3kgm)で割ってみると1.620kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する5800回転でのトルク(18.5kgm)からTWRを算出すると2.15kg/kgmとなり、1500-5800回転の回転域では1.620-2.15kg/kgmの間で推移することがわかります。


ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4890 7340 9780 12230 14670 17120 22010
2速 3040 4560 6080 7600 9110 10630 13670
3速 2070 3100 4140 5170 6210 7240 9310
4速 1520 2290 3050 3810 4570 5330 6860
5速 1180 1770 2350 2940 3530 4120 5300
6速 990 1490 1980 2480 2980 3470 4460
※赤い数字は暫定レブリミット(6300rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.702)を選択して時速100kmにて走行すると2480回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1490回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1740回転、一般的な高速道路の80km/hでは1980回転、100km/hでは2480回転、制限速度が120km/hになると2980回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは4460回転まで回ります。

一般的な自動車であれば時速100kmでの巡航回転数は2500回転付近に落ち着くようですが、その中でも若干低めの回転数となっています。標準的なギヤ比の範囲内ながらも加速よりも静粛性や燃費に重きを置いた設定なので、急な坂道や長く続く坂道では積極的にギヤを1段下げる操作が必要になるかもしれません。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 8 16 25 33 41 49 57 65
2速 13 26 39 53 66 79 92 105
3速 19 39 58 77 97 116 135 155
4速 26 53 79 105 131 158 184 210
5速 34 68 102 136 170 204 238 272
6速 40 81 121 161 202 242 282 323

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6300回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。


純正装着タイヤの225/50R17と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 225/50R17 | 直径 657mm

-20mm
幅205mm
-10mm
幅215mm
変更なし
幅225mm
+10mm
幅235mm
+20mm
幅245mm
-5%
45
扁平
205/45R17
37.6km/h
直径617mm
径差-40mm
215/45R17
38.1km/h
直径626mm
径差-31mm
225/45R17
38.7km/h
直径635mm
径差-22mm
235/45R17
39.2km/h
直径644mm
径差-13mm
245/45R17
39.8km/h
直径653mm
径差-4mm
0%
50
扁平
205/50R17
38.8km/h
直径637mm
径差-20mm
215/50R17
39.4km/h
直径647mm
径差-10mm
225/50R17
40.0km/h
657mm
0mm
235/50R17
40.6km/h
直径667mm
径差+10mm
245/50R17
41.2km/h
直径677mm
径差+20mm
+5%
55
扁平
205/55R17
40.1km/h
直径658mm
径差+1mm
215/55R17
40.7km/h
直径669mm
径差+12mm
225/55R17
41.4km/h
直径680mm
径差+23mm
235/55R17
42.1km/h
直径691mm
径差+34mm
245/55R17
42.7km/h
直径702mm
径差+45mm
+10%
60
扁平
205/60R17
41.3km/h
直径678mm
径差+21mm
215/60R17
42.0km/h
直径690mm
径差+33mm
225/60R17
42.7km/h
直径702mm
径差+45mm
235/60R17
43.5km/h
直径714mm
径差+57mm
245/60R17
44.2km/h
直径726mm
径差+69mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、205/50R17 、215/45R17、215/50R17 、225/45R17 、235/45R17 、245/45R17あたりのタイヤがおすすめです。

225/50R17のタイヤ幅を205mmから255mmまで、扁平率を35%から65%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、225/50R17の適応サイズと性能の変化 [7NCAV型シャラン編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
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7NCAV型シャラン[1.4L-TBSC FF/6AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト12.200kg/ps43.34
1速ギヤ加速性能1.620kg/kgm49.06
1L換算馬力107.99ps/L51.89
1L換算トルク17.64kgm/L55.47
WB/TR比1.84842.27
ワイド&ロー指数0.91648.30
前面の面積3.342m²29.83
最低地上高140mm55.85
スポーツ性能部門の得点376.01

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
10-15燃費14.0km/L52.12
年間維持費303500円52.18
100kmh回転数2480rpm50.12
航続距離1022.0km68.00
車の大きさ16.228m³69.05
室内の広さ(仮) 2.943m³45.50
最小回転半径5.8m37.08
馬力単価28933円40.14
ユーティリティ部門の得点414.19

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した 7NCAV型シャラン[1.4L-TBSC FF/6AT] の総合得点は 790.20 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介した7NCAV型シャラン(FF/6AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのミニバン」、「1500ccのミニバン」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

シャランの歴代モデル

2代目 7NCZD型 シャラン
7NCZD シャランは2011/02に登場した2代目モデル。参考車両の「TSI TrendLine」は全長4855mm、全幅1910mm、全高1730mmの車体に、150PS/25.5kgmを発生するCZD型1394ccエンジンを搭載した7人乗りミニバン。

初代 7MAAA型 シャラン
7MAAA シャランは1997/05に登場した初代モデル。参考車両の「VR6」は全長4620mm、全幅1810mm、全高1760mmの車体に、174PS/24.0kgmを発生するAAA型2791ccエンジンを搭載した7人乗りミニバン。