GDJ76W ランドクルーザー70の性能と維持費 4WD/6AT 480万円

このページでは、トヨタ自動車の5ドア・5人乗りSUV、初代の3DA-GDJ76W型ランドクルーザー70 AX【2023/11モデル・204PS/51.0kgm・PT4WD/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

GDJ76W ランドクルーザー70
販売期間:1984/11 -

画像はトヨタ自動車より引用
http://toyota.jp/
投稿日:2023/12/01

ボディサイズが全長4890mm×全幅1870mm×全高1920mm、排気量は2754ccであることから、大雑把に分類すると2.8リットルクラス(2800cc、自動車税は3.0L以下を適用)に属し、全長、全幅、排気量ともに5ナンバー枠を超えていることにより完全無欠の3ナンバー登録車です。いわゆる【高級車】にカテゴライズされます。

駆動方式には車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆる四輪駆動(All Wheel Drive・AWD・Four Wheel Drive・4WDとも)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4890mmであるこの車の場合は「アッパーミディアム」(Upper-Medium:4650mm超-4900mm以下・Eセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


GDJ76W型 ランドクルーザー70 [2754cc/204PS PT4WD/6AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

初代ランドクルーザー70の類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2014/08
GRJ76K型
[バン]
4.0L-NA | 4WD/5MT
| 360.0万円
231PS
36.7kgm
6.6km/L
2014/08
GRJ79K型
[ピックアップ]
4.0L-NA | 4WD/5MT
| 350.0万円
231PS
36.7kgm
6.6km/L

主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー TOYOTA
車名&
グレード
ランドクルーザー70
AX
その他 3DA-GDJ76W-RKTNY | 副変速機 High:1.000/Low:2.488
お値段 4800000円
車両型式 3DA-GDJ76W
駆動方式
変速機
パートタイム4WD・四輪駆動(AWD)
6速AT・6速オートマ車
ドア/定員 5ドア/5名乗車
車体寸法 長4890×幅1870×高1920mm
室内寸法 長1760×幅1440×高1240mm
軸距&
輪距
2730mm
前1555mm/後1460mm
最小半径 6.3m
最低高 200mm
タイヤ 前輪:265/70R16
後輪:265/70R16
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 2300kg
エンジン諸元
原動機型式 1GD-FTV
気筒配列 直列4気筒
排気量2754cc
吸気方式 ターボ
最高出力 204PS[150kW]/3000-3400rpm
最大トルク 51.0kgm[500Nm]/1600-2800rpm
使用燃料 軽油(ディーゼル燃料)
WLTC燃費 10.1km/L(23.8mpg)
100km燃費 9.9L/100km
1GD-FTV型エンジンの諸元と性能まとめ
直列4気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に4個配置する方式。小排気量から2.5Lあたりまでをカバー。
直列4気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税50000円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税20500円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かる軽油代月額6500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、ランドクルーザー70の新車を552万円(諸費用として72万円を加算)にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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新車で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 3000cc以下 11年未満 50000円
自動車重量税(1年分) 2.5トン以下 13年未満 20500円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
10000km÷10.1km/L×150円/L
7000km÷10.1km/L×150円/L
5000km÷10.1km/L×150円/L
3000km÷10.1km/L×150円/L
148510円
(103960円)
(74260円)
(44550円)
オイル交換(5000km毎) 1回6500円×2回 13000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本12000円×4本÷5年 9600円
任意保険料(月額6500円) 月額6500円×12ヶ月 78000円
ローン完済後の年間維持費 328500円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額92000円×12ヶ月 1104000円
ローン返済中の年間維持費 1432500円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分+検査手数料等3000円程度 61700円
名目 金額
自動車税(1年分) 50000円
自動車重量税(1年分) 20500円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
148510円
(103960円)
(74260円)
(44550円)
オイル交換(5000km毎) 13000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 9600円
任意保険料(月額6500円) 78000円
ローン完済後の年間維持費 328500円
名目 金額
車のローン額(1年分) 1104000円
ローン返済中の年間維持費 1432500円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
61700円
  • 初度登録から1年経過車の場合、「3000cc以下で11年未満」クラスの自動車税は50000円、「2.5トン以下で13年未満」クラスの自動車重量税は20500円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに6500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本12000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額6500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした61700円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

お財布に厚みが増した勢いで少し色気を出して、自身の車にステータス性を欲すると月換算で2万円~3万円の間、年間にすると24万円~36万円のクラスです。ランドクルーザー70【AX】の場合、維持費の月額は27400円(ローン完済前は119400円)になります。

口癖のように「もうちょっと維持費が安ければねえ…?」なんて呟くその姿は自慢げなようであり、しかし哀愁を帯びているようでもあり対応に困ります。より維持費の掛からない新しい車を買うほどではない、が、維持費のことを考えずにもいられない、そんなクラスです。全体から見るとこの辺りから面白味のある車が増えてくるイメージです。


燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、軽油(ディーゼル燃料)1リットルあたり150円を基準として、-50円となる100円から、+50円となる200円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費10.1km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
100円/L
99010円
[-49500円]
-25円
125円/L
123770円
[-24740円]
-10円
140円/L
138620円
[-9890円]
150円/L148510円
[0円]
+10円
160円/L
158420円
[+9910円]
+25円
175円/L
173270円
[+24760円]
+50円
200円/L
198020円
[+49510円]

燃費10.1km/LのGDJ76W型 ランドクルーザー70で10000km走行するのに必要な燃料は990.1L、1リットルあたり150円としたときの燃料代は148510円になります。

参考までに、ランドクルーザー70の燃料タンクは130リットルですので、990.1Lの給油回数は8回、1回あたりの燃料代は約18570円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては9910円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると24760円、50円も違ってくると49510円にもなります。

これをGDJ76W型 ランドクルーザー70の年間維持費に当てはめてみますと、軽油(ディーゼル燃料)1リットルあたり150円の場合を328500円としたとき、100円/Lに値下がりすれば279000円(84.9%)に、200円/Lに値上がりすれば378010円(115.1%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(50000円)なり重量税(20500円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなれば軽油代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 50000円 25%
自動車重量税 1年分 20500円 10%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 3000km分 44550円 22%
オイル交換 年1回 6500円 3%
タイヤ交換 6年毎 6400円 3%
任意保険料 80% 62400円 33%
合計
[1万kmとの差額]
199200円
-129300円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 50000円 21%
自動車重量税 1年分 20500円 9%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 5000km分 74260円 32%
オイル交換 年1回 6500円 3%
タイヤ交換 6年毎 6400円 3%
任意保険料 85% 66360円 28%
合計
[1万kmとの差額]
232900円
-95600円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 50000円 19%
自動車重量税 1年分 20500円 8%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 7000km分 103960円 39%
オイル交換 年1回 9100円 3%
タイヤ交換 6年毎 6400円 2%
任意保険料 90% 70200円 26%
合計
[1万kmとの差額]
269000円
-59500円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、軽油代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料78000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて129300円安い199200円に、5000km走行では95600円安い232900円に、7000km走行では59500円安い269000円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。軽油代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 50000円 12%
自動車重量税 1年分 20500円 5%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 15000km分 222770円 51%
オイル交換 年3回 39000円 9%
タイヤ交換 2.7年毎 14400円 3%
任意保険料 100% 78000円 18%
合計
[1万kmとの差額]
433500円
+105000円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 50000円 10%
自動車重量税 1年分 20500円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 20000km分 297020円 57%
オイル交換 年4回 52000円 10%
タイヤ交換 2年毎 19200円 4%
任意保険料 100% 78000円 13%
合計
[1万kmとの差額]
525600円
+197100円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。


【WLTC特典】市街地・郊外・高速道路の走行比率を変えるとどうなるの?

ひとくちにWLTCモード燃費と言いましても、信号や渋滞があるノロノロ道路の走行を想定した市街地モード(8.0km/L)、信号や渋滞が少ないスイスイ道路の走行を想定した郊外モード(10.5km/L)、高速道路の走行を想定した高速道路モード(11.0km/L)という3つの走行パターンを内包してありまして、これらを「平均的な使用時間配分」なるもので構成したのがWLTCモード燃費(10.1km/L)ということになります。

ここでは年間走行距離を10000kmとして市街地、郊外、高速道路の走行比率を変えてみたとき、WLTCモード燃費での軽油代148510円からどのように変化するかを見ていきたいと思います。

  • 1リットル150円として計算。
  • []内は低燃費タイヤ装着(エコタイヤ)で燃費が3%向上すると仮定した場合の軽油代。
    たった3%のようですが、もともとの燃費が…なため、お財布には劇的な効果があります。
参考:燃費が3%向上すると…?
市街地8.0km/L → 8.2km/L
郊外10.5km/L → 10.8km/L
高速道路11.0km/L → 11.3km/L

●例1:都市部にお住まい

まず最初に、市街地の住まいを想定して、走行の大半を市街地(90%)、たまに郊外へお買い物(5%)、稀に高速道路に乗ってどこか遠くへ…(5%)という場合で見てみます。

市街地90%・郊外5%・高速5%
市街地9000km168750円
[164640円]
郊外500km7140円
[6950円]
高速道路500km6830円
[6630円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
182720円
+34210円
8.2km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
178220円
-4500円
8.4km/L
  • 市街地走行の軽油代
    市街地の走行を9000kmとするとき、市街地モード燃費が8.0km/Lでは軽油1125.0Lを消費して、軽油代は168750円になります。
  • 郊外走行の軽油代
    郊外の走行を500kmとするとき、郊外モード燃費が10.5km/Lでは軽油47.6Lを消費して、軽油代は7140円になります。
  • 高速道路走行の軽油代
    高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が11.0km/Lでは軽油45.5Lを消費して、軽油代は6830円になります。

このパターンでは使用した燃料量が1218.1L、かかった軽油代が182720円となり、平均燃費は8.2km/L(-1.9km/L)、WLTCモード燃費との軽油代の差は+34210円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着で燃費が3%アップするとして、同じ条件で走行すると軽油代は178220円となり、4500円安くなります。車検2回ごとにタイヤ交換するとき、寿命までの5年間で22500円の経費削減になる計算です。純正タイヤとエコタイヤの差額がこれ以上ならお得、以下なら…?

●例2:市街地と郊外を行き来

次に、とにかく市街地と郊外を行ったり来たりする条件を想定して、市街地の走行を50%、郊外の走行を50%、高速道路は走行しない場合を見てみます。

市街地50%・郊外50%・高速0%
市街地5000km93750円
[91470円]
郊外5000km71430円
[69450円]
高速道路0km0円
[0円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
165180円
+16670円
9.1km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
160920円
-4260円
9.3km/L
  • 市街地走行の軽油代
    市街地の走行を5000kmとするとき、市街地モード燃費が8.0km/Lでは625.0Lを消費して、軽油代は93750円になります。
  • 郊外走行の軽油代
    郊外の走行を5000kmとするとき、郊外モード燃費が10.5km/Lでは476.2Lを消費して、軽油代は71430円になります。

このパターンでは使用した燃料量が1101.2L、かかった軽油代が165180円となり、平均燃費は9.1km/L(-1.0km/L)、WLTCモード燃費との軽油代の差は+16670円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着では軽油代が160920円となり、1年間で4260円、5年間で21300円の経費削減になる計算です。

●例3:市街地・郊外・高速道路をMix

続いて、都市部に住んでいて郊外の職場へ通勤、あるいは郊外に住んでいて都市部の職場へ通勤、高速利用もバッチリ!という感じでシミュレーションしてみます。

市街地33.3%・郊外33.4%・高速33.3%
市街地3330km62430円
[60920円]
郊外3340km47720円
[46400円]
高速道路3330km45410円
[44210円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
155560円
+7050円
9.6km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
151530円
-4030円
9.9km/L
  • 市街地走行の軽油代
    市街地の走行を3330kmとするとき、市街地モード燃費が8.0km/Lでは416.2Lを消費して、軽油代は62430円になります。
  • 郊外走行の軽油代
    郊外の走行を3340kmとするとき、郊外モード燃費が10.5km/Lでは318.1Lを消費して、軽油代は47720円になります。
  • 高速道路走行の軽油代
    高速道路の走行を3330kmとするとき、高速道路モード燃費が11.0km/Lでは302.7Lを消費して、軽油代は45410円になります。

このパターンでは使用した燃料量が1037.0L、かかった軽油代が155560円となり、平均燃費は9.6km/L(-0.5km/L)、WLTCモード燃費との軽油代の差は+7050円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着では軽油代が151530円となり、1年間で4030円、5年間で20150円の経費削減になる計算です。

●例4:農村部にお住まい

最後に、びっくりするほど田舎な住まいを想定して、市街地の走行を5%、郊外の走行を90%、高速道路の走行を5%とした場合を見てみます。

市街地5%・郊外90%・高速5%
市街地500km9380円
[9150円]
郊外9000km128570円
[125000円]
高速道路500km6830円
[6630円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
144780円
-3730円
10.4km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
140780円
-4000円
10.7km/L
  • 市街地走行の軽油代
    市街地の走行を500kmとするとき、市街地モード燃費が8.0km/Lでは62.5Lを消費して、軽油代は9380円になります。
  • 郊外走行の軽油代
    郊外の走行を9000kmとするとき、郊外モード燃費が10.5km/Lでは857.1Lを消費して、軽油代は128570円になります。
  • 高速道路走行の軽油代
    高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が11.0km/Lでは45.5Lを消費して、軽油代は6830円になります。

このパターンでは使用した燃料量が965.1L、かかった軽油代が144780円となり、平均燃費は10.4km/L(+0.3km/L)、WLTCモード燃費との軽油代の差は-3730円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着では軽油代が140780円となり、1年間で4000円、5年間で20000円の経費削減になる計算です。

以上、極端な条件でのシミュレーションではありますが、走行シチュエーションによって平均燃費は変わり(8.2km/L・9.1km/L・9.6km/L・10.4km/L)、軽油代のほうもなかなかな違い(182720円・165180円・155560円・144780円)が出てくることがわかります。


市街地・郊外・高速道路の満タン航続距離

各モード燃費と航続距離
WLTCモード燃費
10.1km/L
1313.0km
市街地燃費
8.0km/L
1040.0km
[-273.0km]
郊外燃費
10.5km/L
1365.0km
[+52.0km]
高速道路燃費
11.0km/L
1430.0km
[+117.0km]

WLTCモード燃費には市街地モード・郊外モード・高速道路モードという3つの走行パターンが内包されておりますので、参考までにそれぞれのモード燃費で燃料タンクが空になるまで走行した場合の満タン航続距離を計算してみます。

燃料タンクの容量を130Lとしたとき、市街地モード燃費8.0km/Lでの航続距離は1040.0km(-273.0km)、郊外モード燃費10.5km/Lでの航続距離は1365.0km(+52.0km)、高速道路モード燃費11.0km/Lでの航続距離は1430.0km(+117.0km)となります。

ある特定のシチュエーションのみを、燃料タンクが空になるまで走行することはなかなかありませんが、「その気になればこのくらいの距離を走れちゃうんだぜ!」という参考データだけは持っておくと、次回の給油回数削減チャレンジでギリギリのラインを狙っていくのに役立つ、かもしれません。


ランドクルーザー70の燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
WLTCモード燃費 10.1km/L
燃料タンク容量 130L
航続距離(カタログ燃費) 1313.0km
航続距離(80%燃費) 1053.0km
満タンプライス 19500円
1km走行コスト 14.85円
1万円でどこまで行ける? 673.3km
車両価格/航続距離 3656円/km

WLTCモード燃費が10.1km/L、燃料タンク容量130リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は1313.0kmになります。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(9.1km/L)とすると1183.0km、80%(8.1km/L)だと1053.0km、70%(7.1km/L)では923.0kmという航続距離になります。

燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、軽油(ディーゼル燃料)を1リットルあたり150円で130リットルの給油をすると19500円、上で計算した航続距離を踏まえると1313.0km(80%燃費時1053.0km)を走行するのに19500円かかる計算です。

燃費を10.1km/Lとしたときの1km走行コストは14.85円、10万km走行したときの燃料代は148.5万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら14.8万円/年、7年10万kmなら21.2万円/年、5年10万kmなら29.7万円/年、3年10万kmなら49.5万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば673.3km(往復なら片道336.7km)、カタログ値の80%なら538.7km(片道269.3km)離れたところまで行くことができます。

ちなみに、1回の給油で1313.0kmの距離を移動できるGDJ76W型 ランドクルーザー70 [AX]という乗り物を、480.0万円で手に入れたと考えたとき、この車が1km走行するにあたっては「3656円の値打ちがある!」と言える、かもしれません。


カタログデータから見えてくる要素

1GD-FTV型エンジン簡易性能曲線図
1GD-FTV型エンジン性能曲線図もどき
各回転域での馬力
1600回転時の馬力 114PS
2800回転時の馬力 199PS
3000回転時の馬力 204PS
3400回転時の馬力 204PS
各回転域でのトルク
1600回転時のトルク 51.0kgm
2800回転時のトルク 51.0kgm
3000回転時のトルク 48.7kgm
3400回転時のトルク 43.0kgm
1GD-FTV型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載している1GD型2754cc、直列4気筒のターボエンジンは3000-3400回転時に最高出力204馬力を、1600-2800回転時に最大トルク51.0kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する1600rpmから最高出力が発生する3400rpmまで」の1800rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は52.9%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
3000cc以下クラス編
トヨタの小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
3000cc以下クラス編
トヨタの小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ11.275kg/PS(2300kg/204PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ11.275kg/PS
車体+1人11.544kg/PS
車体+5人12.623kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg11.569kg/PS
車体+70kg11.618kg/PS
車体+80kg11.667kg/PS
車体+90kg11.716kg/PS
車体+100kg11.765kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは11.544kg/PS(2355kg/204PS)となり、数値としては0.269kg、比率にすると2.4%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは12.623kg/PS(2575kg/204PS)となり、数値としては1.348kg、比率にすると12.0%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。


GDJ76W ランドクルーザー70のライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2023/11

-
ランドクルーザー70
11.544kg/PS
2355kg/204PS|2.8L-TB
[車体のみPWR:11.275]
2011/06

車種詳細
シエンタ
11.591kg/PS
1275kg/110PS|1.5L-NA
車体のみPWR:11.091
2015/12

車種詳細
デリカD:2
11.484kg/PS
1045kg/91PS|1.3L-NA
車体のみPWR:10.879
2015/08

車種詳細
ソリオ
11.484kg/PS
1045kg/91PS|1.3L-NA
車体のみPWR:10.879
2012/09

車種詳細
ノート
11.480kg/PS
1125kg/98PS|1.2L-SC
車体のみPWR:10.918
2015/08

車種詳細
ソリオ バンディット
11.484kg/PS
1045kg/91PS|1.3L-NA
車体のみPWR:10.879

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ11.544kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

11.429kg/PSから11.659kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、トヨタの7人乗りミニバン「NCP81G型 シエンタ」、三菱の5人乗りミニバン「MB36S型 デリカD:2」、スズキの5人乗りミニバン「MA36S型 ソリオ」、日産の5人乗りハッチバック「E12型 ノート」、スズキの5人乗りミニバン「MA36S型 ソリオ バンディット」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

GDJ76W型 ランドクルーザー70 [AX]とパワーウェイトレシオが近い車種|11.544kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は88.7PS/tとなっています。


ランドクルーザー70がバイクと競争するなら…?


車種詳細
TLM220R|216cc
11.538kg/PS
150kg/13.1PS/2.00kgm
[車体のみPWR:7.308]
1速ギヤ速度:24.8km/h
最小TWR:0.568
2023/11

-
ランドクルーザー70|2754cc
11.544kg/PS
2355kg/204PS/51.0kgm
[車体のみPWR:11.275]
1速ギヤ速度:32.2km/h
最小TWR:1.132

車種詳細
CBX125F|124cc
11.600kg/PS
174kg/15.0PS/1.10kgm
[車体のみPWR:7.933]
1速ギヤ速度:40.1km/h
最小TWR:1.001

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではランドクルーザー70とパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

MD23 TLM220Rと競争してみる

まずランドクルーザー70より少しPWRが低いバイクとして、ホンダのTLM220Rが挙げられます。PWRの11.538kg/PSは車両重量95kgにライダーの体重55kgを加えた150kgを、最高出力13.1PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はTLM220Rに7.4km/h勝り、1速TWRは0.564kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

JC11 CBX125Fと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ホンダのCBX125Fが挙げられます。PWRの11.600kg/PSは車両重量119kg+55kgの174kgを、最高出力15.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は7.9km/h劣り、1速TWRは0.131kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.810
平均ピストンスピード 11.74m/s
トルクウェイトレシオ 45.10kg/kgm
1馬力あたりのお値段 23529円
排気量1Lあたり馬力 74.10PS/L
排気量1Lあたりトルク 18.52kgm/L
1気筒あたりの馬力 51.0PS
1気筒あたりのトルク 12.8kgm
パワーバンド比率 52.9%
燃費×馬力 2060.4pt
各種ランキング
SUV・RV・クロカンのPWR
2.5~3.0Lターボ車のPWR

トルクウェイトレシオは45.10kg/kgm(2300kg/51.0kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が4800000円、最高出力が204馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は23529円、逆に1万円あたりでは0.42馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は94118円、1万円あたりでは0.11kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
トヨタ編
3000cc以下の車編
5人乗りSUV編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は74.10PS/L、トルクは18.52kgm/L、1気筒あたりの馬力は51.0馬力、トルクは12.8kgmとなり、このエンジンが204馬力を3400回転で発生させているときの平均ピストンスピードは11.74m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.810になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、走ってよし、曲がってよしで至れり尽くせりのオールラウンダーであると言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が10.1km/L、最高出力が204PSであるこの車の獲得ポイントは2060.4ptになります。
戯れに車両重量2300kgを100kg単位にした23.0で割ってみたところ、その数値は89.58ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


人間様の占有スペース

人間様の占有スペース
室内長×幅×高 3.14m³
1人あたりのスペース 約0.63m³
室内長/全長 36.0%
室内幅/全幅 77.0%
室内高/全高 64.6%
室内容積/車両体積 17.9%

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は3.14m³です。この車の乗車定員は5人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.63m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は36.0%、同じく室内幅と全幅の比率は77.0%、同じく室内高と全高の比率は64.6%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は17.9%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


ランドクルーザー70での車中泊

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.71m
期待される荷室の幅 1.34m
対角線の長さ 2.17m
期待される荷室の面積 2.29m²

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

縦方向の長さが1.71m(対角線では2.17m)などという破格のクラスになると、これはもう四の五の言わず車に住むべきです。

これだけの車を所持できる素養は持ち得ているのですから、細かいことは気にせずあらゆる支配からの卒業を宣言し、信じられぬ大人との争いに終止符を打ちましょう。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。
車中泊にあると嬉しいアイテム


ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合3000-3400rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした3900回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 3900rpm|タイヤサイズ 265/70R16|タイヤ直径 77.7cm|円周長 244.1cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
3900rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 3.600 15.48 -
-
37km/h 10570rpm 2032.1kgm
2速 2.090 8.99 0.581 1-2/
2270rpm
64km/h 6140rpm 1179.8kgm
3速 1.488 6.40 0.712 2-3/
2780rpm
89km/h 4370rpm 839.9kgm
4速 1.000 4.30 0.672 3-4/
2620rpm
133km/h 2940rpm 564.5kgm
5速 0.687 2.95 0.687 4-5/
2680rpm
193km/h 2020rpm 387.8kgm
6速 0.580 2.49 0.844 5-6/
3290rpm
229km/h 1700rpm 327.4kgm
Final 4.300 レシオカバレッジ(変速比幅)6.207

ギヤの繋がりイメージ
GDJ76W型ランドクルーザー706AT車のギヤ比イメージ
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数1600-2800rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.300)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(51.0kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.300)÷タイヤの有効半径(0.3885m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。
  • 副変速機のギヤ比が不明のものはHi側に1.000を代入しているので、実際の回転数とは大きく異なる場合があります。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は6速ギヤの229km(3400rpmでは199.7km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

おまけ:3400rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

3400rpmでの速度と
シフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ32km/h-
2速ギヤ55km/h1980rpm
3速ギヤ78km/h2420rpm
4速ギヤ116km/h2280rpm
5速ギヤ169km/h2340rpm
6速ギヤ200km/h2870rpm

GDJ76W型ランドクルーザー70に搭載された1GD型2754ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する3400rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

まず1速ギヤで3400rpmまで引っ張ると32km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は3400rpmから1980rpmまで落ち、そこから3400rpmまで加速を続けると速度は55km/h(+23km/h)になります。

3速ギヤでは2420rpmまで落ちて3400rpmで78km/h(+23km/h)に、4速ギヤでは2280rpmまで落ちて3400rpmで116km/h(+38km/h)になります。

続いて5速ギヤでは2340rpmまで落ちて3400rpmで169km/h(+53km/h)に、6速ギヤでは2870rpmまで落ちて3400rpmで200km/h(+31km/h)という具合に加速していくイメージです。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが1600-2800回転で最大トルク51.0kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば45.10kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(11.275kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと2032.1kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(2300kg)を1速ギヤの最大駆動力(2032.1kgm)で割ってみると1.132kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する3400回転でのトルク(43.0kgm)からTWRを算出すると1.34kg/kgmとなり、1600-3400回転の回転域では1.132-1.34kg/kgmの間で推移することがわかります。


ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4230 6340 8460 10570 12680 14800 19020
2速 2450 3680 4910 6140 7360 8590 11050
3速 1750 2620 3490 4370 5240 6120 7860
4速 1170 1760 2350 2940 3520 4110 5280
5速 810 1210 1610 2020 2420 2820 3630
6速 680 1020 1360 1700 2040 2380 3070
※赤い数字は暫定レブリミット(3900rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.580)を選択して時速100kmにて走行すると1700回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1020回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1190回転、一般的な高速道路の80km/hでは1360回転、100km/hでは1700回転、制限速度が120km/hになると2040回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは3070回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 9 19 28 38 47 57 66 76
2速 16 33 49 65 81 98 114 130
3速 23 46 69 92 114 137 160 183
4速 34 68 102 136 170 204 238 272
5速 50 99 149 198 248 297 347 397
6速 59 117 176 235 294 352 411 470

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(3900回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。


純正装着タイヤの265/70R16と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 265/70R16 | 直径 777mm

-20mm
幅245mm
-10mm
幅255mm
変更なし
幅265mm
+10mm
幅275mm
+20mm
幅285mm
-5%
65
扁平
245/65R16
37.3km/h
直径725mm
径差-52mm
255/65R16
38.0km/h
直径738mm
径差-39mm
265/65R16
38.7km/h
直径751mm
径差-26mm
275/65R16
39.3km/h
直径764mm
径差-13mm
285/65R16
40.0km/h
直径777mm
径差0mm
0%
70
扁平
245/70R16
38.6km/h
直径749mm
径差-28mm
255/70R16
39.3km/h
直径763mm
径差-14mm
265/70R16
40.0km/h
777mm
0mm
275/70R16
40.7km/h
直径791mm
径差+14mm
285/70R16
41.4km/h
直径805mm
径差+28mm
+5%
75
扁平
245/75R16
39.8km/h
直径774mm
径差-3mm
255/75R16
40.6km/h
直径789mm
径差+12mm
265/75R16
41.4km/h
直径804mm
径差+27mm
275/75R16
42.2km/h
直径819mm
径差+42mm
285/75R16
42.9km/h
直径834mm
径差+57mm
+10%
80
扁平
245/80R16
41.1km/h
直径798mm
径差+21mm
255/80R16
41.9km/h
直径814mm
径差+37mm
265/80R16
42.7km/h
直径830mm
径差+53mm
275/80R16
43.6km/h
直径846mm
径差+69mm
285/80R16
44.4km/h
直径862mm
径差+85mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、245/70R16、245/75R16 、255/65R16、255/70R16 、265/65R16 、275/65R16 、285/65R16あたりのタイヤがおすすめです。

265/70R16のタイヤ幅を245mmから295mmまで、扁平率を55%から85%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、265/70R16の適応サイズと性能の変化 [GDJ76W型ランドクルーザー70編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
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GDJ76W型ランドクルーザー70[2.8Lターボ PT4WD/6AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト11.275kg/ps45.87
1速ギヤ加速性能1.132kg/kgm59.47
1L換算馬力74.10ps/L39.48
1L換算トルク18.52kgm/L58.22
WB/TR比1.81046.19
ワイド&ロー指数1.02740.25
前面の面積3.590m²22.87
最低地上高200mm31.46
スポーツ性能部門の得点343.81

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
WLTC燃費10.1km/L37.63
年間維持費328500円49.89
100kmh回転数1700rpm60.48
航続距離1313.0km85.00
車の大きさ17.557m³74.34
室内の広さ3.143m³47.40
最小回転半径6.3m26.67
馬力単価23529円47.29
ユーティリティ部門の得点428.70

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した GDJ76W型ランドクルーザー70[2.8Lターボ PT4WD/6AT] の総合得点は 772.51 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したGDJ76W型ランドクルーザー70(PT4WD/6AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全ての5人乗SUV」、「3000ccの5人乗SUV」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。