FJ62G ランドクルーザー60の性能と維持費 4WD/4AT 342万円

このページでは、トヨタ自動車の5ドア・8人乗りSUV、5代目のE-FJ62G型ランドクルーザー60 Wagon-VX【1988/08モデル・155PS/29.5kgm・PT4WD/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

FJ62G ランドクルーザー60
販売期間:1980 - 1989/10

画像はトヨタ自動車より引用
http://toyota.jp/
投稿:2011/11/29|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長4750mm×全幅1880mm×全高1945mm、排気量は3955ccであることから、大雑把に分類すると4.0リットルクラス(4000cc、自動車税は4.0L以下を適用)に属し、全長、全幅、排気量ともに5ナンバー枠を超えていることにより完全無欠の3ナンバー登録車です。いわゆる【高級車】にカテゴライズされます。

駆動方式には車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆる四輪駆動(All Wheel Drive・AWD・Four Wheel Drive・4WDとも)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4750mmであるこの車の場合は「アッパーミディアム」(Upper-Medium:4650mm超-4900mm以下・Eセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。

ランドクルーザー60の新型モデル
7代目 FZJ80G型ランドクルーザー80
FZJ80G型ランドクルーザー80は1989/10に登場した7代目モデル。参考車両の「Wagon-VX」は全長4820mm、全幅1930mm、全高1860mmの車体に、215PS/38.0kgmを発生する1FZ型4476ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー TOYOTA
車名&
グレード
ランドクルーザー60
Wagon-VX
その他 ワゴンVX ハイルーフ
お値段 3420000円
車両型式 E-FJ62G
駆動方式
変速機
パートタイム4WD・四輪駆動(AWD)
4速AT・4速オートマ車
ドア/定員 5ドア/8名乗車
車体寸法 長4750×幅1880×高1945mm
室内寸法 長2540×幅1515×高1235mm
軸距&
輪距
2730mm
前1515mm/後1500mm
最小半径 6.2m
タイヤ 前輪:0/0R0
後輪:0/0R0
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ドラム
車両重量 2160kg
エンジン諸元
原動機型式 3F-E
気筒配列 直列6気筒
排気量3955cc
圧縮比8.1
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 155PS[114kW]/4200rpm
最大トルク 29.5kgm[289Nm]/2600rpm
使用燃料 レギュラーガソリン
10・15燃費 4.3km/L(10.1mpg)
100km燃費 23.3L/100km
3F-E型エンジンの諸元と性能まとめ
直列6気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に6個配置する方式。理論上では完全バランスなれど今や絶滅危惧種。
直列6気筒エンジンを搭載する車種の一覧
直列6気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税76400円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税31500円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額7500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、1988/08モデルのランドクルーザー60を36年落ちの中古で75.2万円にて購入し、頭金なしで2年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    ランドクルーザー60の1988/08モデルの場合、2024年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の20%である68.4万円に諸経費として6.8万円を足した75.2万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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1988年式を36年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 4000cc以下 13年経過 76400円
自動車重量税(1年分) 2.5トン以下 18年経過 31500円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
10000km÷3.7km/L×170円/L
7000km÷3.7km/L×170円/L
5000km÷3.7km/L×170円/L
3000km÷3.7km/L×170円/L
459460円
(321620円)
(229730円)
(137840円)
オイル交換(5000km毎) 1回6500円×2回 13000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本4000円×4本÷5年 3200円
任意保険料(月額7500円) 月額7500円×12ヶ月 90000円
ローン完済後の年間維持費 682400円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額31350円×12ヶ月 376200円
ローン返済中の年間維持費 1058600円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分+検査手数料等3000円程度 83700円
名目 金額
自動車税(1年分) 76400円
自動車重量税(1年分) 31500円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
459460円
(321620円)
(229730円)
(137840円)
オイル交換(5000km毎) 13000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 3200円
任意保険料(月額7500円) 90000円
ローン完済後の年間維持費 682400円
名目 金額
車のローン額(1年分) 376200円
ローン返済中の年間維持費 1058600円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
83700円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「4000cc以下で13年経過」クラスの自動車税は76400円、「2.5トン以下で18年経過」クラスの自動車重量税は31500円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに6500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本4000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額7500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした83700円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

天に見放されし生粋のド貧民には考えも及ばぬ世界です。金額を見ただけで気が遠くなります。その維持費は月額でさえ56900円(ローン完済前は88300円)にもなる車を所有する、どうやって…?食うものも食わず、着るものも着ず…?いやあ、そこまでやってもまだまだ、さらに限界まで節制に節制を極めたとしても、それでもなお手の届かぬ未知の領域です。

天に魅入られし大富豪でもなければ、お給金の大半をランドクルーザー60に吸い取られ泣くハメになりそうです。ということは、この車のステータス性は抜群であると言えます。


燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、レギュラーガソリン1リットルあたり170円を基準として、-50円となる120円から、+50円となる220円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費3.7km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
120円/L
324340円
[-135120円]
-25円
145円/L
391910円
[-67550円]
-10円
160円/L
432450円
[-27010円]
170円/L459460円
[0円]
+10円
180円/L
486510円
[+27050円]
+25円
195円/L
527050円
[+67590円]
+50円
220円/L
594620円
[+135160円]

燃費3.7km/LのFJ62G型 ランドクルーザー60で10000km走行するのに必要な燃料は2702.8L、1リットルあたり170円としたときの燃料代は459460円になります。

参考までに、ランドクルーザー60の燃料タンクは90リットルですので、2702.8Lの給油回数は31回、1回あたりの燃料代は約14830円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては27050円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると67590円、50円も違ってくると135160円にもなります。

これをFJ62G型 ランドクルーザー60の年間維持費に当てはめてみますと、レギュラーガソリン1リットルあたり170円の場合を682400円としたとき、120円/Lに値下がりすれば547280円(80.2%)に、220円/Lに値上がりすれば817560円(119.8%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(76400円)なり重量税(31500円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76400円 23%
自動車重量税 1年分 31500円 9%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 3000km分 137840円 41%
オイル交換 年1回 6500円 2%
タイヤ交換 6年毎 2130円 1%
任意保険料 80% 72000円 21%
合計
[1万kmとの差額]
335200円
-347200円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76400円 18%
自動車重量税 1年分 31500円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 5000km分 229730円 53%
オイル交換 年1回 6500円 2%
タイヤ交換 6年毎 2130円 0%
任意保険料 85% 76560円 18%
合計
[1万kmとの差額]
431700円
-250700円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76400円 14%
自動車重量税 1年分 31500円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 7000km分 321620円 61%
オイル交換 年1回 9100円 2%
タイヤ交換 6年毎 2130円 0%
任意保険料 90% 81000円 15%
合計
[1万kmとの差額]
530600円
-151800円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料90000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて347200円安い335200円に、5000km走行では250700円安い431700円に、7000km走行では151800円安い530600円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76400円 8%
自動車重量税 1年分 31500円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 15000km分 689190円 73%
オイル交換 年3回 39000円 4%
タイヤ交換 2.7年毎 4800円 1%
任意保険料 100% 90000円 10%
合計
[1万kmとの差額]
939800円
+257400円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76400円 6%
自動車重量税 1年分 31500円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 918920円 78%
オイル交換 年4回 52000円 4%
タイヤ交換 2年毎 6400円 1%
任意保険料 100% 90000円 7%
合計
[1万kmとの差額]
1184100円
+501700円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。



ランドクルーザー60の燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 4.3km/L
燃料タンク容量 90L
航続距離(カタログ燃費) 387.0km
航続距離(80%燃費) 306.0km
満タンプライス 15300円
1km走行コスト 39.53円
1万円でどこまで行ける? 252.9km
車両価格/航続距離 8837円/km

10・15モード燃費が4.3km/L、燃料タンク容量90リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は387.0kmになります。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(3.9km/L)とすると351.0km、80%(3.4km/L)だと306.0km、70%(3.0km/L)では270.0kmという航続距離になります。

燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、レギュラーガソリンを1リットルあたり170円で90リットルの給油をすると15300円、上で計算した航続距離を踏まえると387.0km(80%燃費時306.0km)を走行するのに15300円かかる計算です。

燃費を3.7km/Lとしたときの1km走行コストは39.53円、10万km走行したときの燃料代は395.3万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら39.5万円/年、7年10万kmなら56.5万円/年、5年10万kmなら79.1万円/年、3年10万kmなら131.8万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば252.9km(往復なら片道126.5km)、カタログ値の80%なら202.4km(片道101.2km)離れたところまで行くことができます。

ちなみに、1回の給油で387.0kmの距離を移動できるFJ62G型 ランドクルーザー60 [Wagon-VX]という乗り物を、342.0万円で手に入れたと考えたとき、この車が1km走行するにあたっては「8837円の値打ちがある!」と言える、かもしれません。


カタログデータから見えてくる要素

3F-E型エンジン簡易性能曲線図
3F-E型エンジン性能曲線図もどき
各回転域での馬力
2600回転時の馬力 107PS
4200回転時の馬力 155PS
各回転域でのトルク
2600回転時のトルク 29.5kgm
4200回転時のトルク 26.4kgm
3F-E型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載している3F型3955cc、直列6気筒の自然吸気エンジンは4200回転時に最高出力155馬力を、2600回転時に最大トルク29.5kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、最大トルクの発生回転数が若干高めにあるこのエンジンは、普段使いでも不足を感じることなく、それでいて高い回転数を維持すればスポーティな走行も楽しめるバランスの良さが魅力です。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する2600rpmから最高出力が発生する4200rpmまで」の1600rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は38.1%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
4000cc以下クラス編
トヨタの小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
4000cc以下クラス編
トヨタの小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ13.935kg/PS(2160kg/155PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ13.935kg/PS
車体+1人14.290kg/PS
車体+8人16.774kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg14.323kg/PS
車体+70kg14.387kg/PS
車体+80kg14.452kg/PS
車体+90kg14.516kg/PS
車体+100kg14.581kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは14.290kg/PS(2215kg/155PS)となり、数値としては0.355kg、比率にすると2.5%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの8人が搭乗した場合、車両重量に440kgがプラスされてパワーウェイトレシオは16.774kg/PS(2600kg/155PS)となり、数値としては2.839kg、比率にすると20.4%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。


FJ62G ランドクルーザー60のライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
1988/08

-
ランドクルーザー60
14.290kg/PS
2215kg/155PS|4.0L-NA
[車体のみPWR:13.935]
2020/02

車種詳細
ヤリス
14.420kg/PS
995kg/69PS|1.0L-NA
車体のみPWR:13.623
2017/05

車種詳細
ミラ イース
14.388kg/PS
705kg/49PS|0.7L-NA
車体のみPWR:13.265
2017/12

車種詳細
N-ONE RS
14.297kg/PS
915kg/64PS|0.7L-TB
車体のみPWR:13.438
2004/06

車種詳細
ミラジーノ
14.224kg/PS
825kg/58PS|0.7L-NA
車体のみPWR:13.276
2009/05

車種詳細
プリウス
14.192kg/PS
1405kg/99PS|1.8L-NA
車体のみPWR:13.636

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ14.290kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

14.147kg/PSから14.433kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、トヨタの5人乗りハッチバック「KSP210型 ヤリス」、ダイハツの4人乗り軽ハッチバック「LA350S型 ミラ イース」、ホンダの4人乗り軽ハッチバック「JG1型 N-ONE RS」、ダイハツの4人乗り軽ハッチバック「L700S型 ミラジーノ」、トヨタの5人乗りセダン「ZVW30型 プリウス」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

FJ62G型 ランドクルーザー60 [Wagon-VX]とパワーウェイトレシオが近い車種|14.290kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は71.8PS/tとなっています。


ランドクルーザー60がバイクと競争するなら…?


車種詳細
KSR-II|79cc
14.200kg/PS
142kg/10.0PS/0.95kgm
[車体のみPWR:8.700]
1988/08

-
ランドクルーザー60|3955cc
14.290kg/PS
2215kg/155PS/29.5kgm
[車体のみPWR:13.935]

車種詳細
CBR125R|124cc
14.361kg/PS
191kg/13.3PS/1.02kgm
[車体のみPWR:10.226]

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではランドクルーザー60とパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

KMX80B KSR-IIと競争してみる

まずランドクルーザー60より少しPWRが低いバイクとして、カワサキのKSR-IIが挙げられます。PWRの14.200kg/PSは車両重量87kgにライダーの体重55kgを加えた142kgを、最高出力10.0PSで割ったものです。

JC50 CBR125Rと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ホンダのCBR125Rが挙げられます。PWRの14.361kg/PSは車両重量136kg+55kgの191kgを、最高出力13.3PSで割ったもので、(PWRで比較すれば)まさに街角の好敵手と呼べるバイクです。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.810
平均ピストンスピード 13.30m/s
トルクウェイトレシオ 73.22kg/kgm
1馬力あたりのお値段 22065円
排気量1Lあたり馬力 39.19PS/L
排気量1Lあたりトルク 7.46kgm/L
1気筒あたりの馬力 25.8PS
1気筒あたりのトルク 4.9kgm
パワーバンド比率 38.1%
燃費×馬力 565.8pt
各種ランキング
SUV・RV・クロカンのPWR
3.5~4.0L以下のPWR

トルクウェイトレシオは73.22kg/kgm(2160kg/29.5kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が3420000円、最高出力が155馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は22065円、逆に1万円あたりでは0.45馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は115932円、1万円あたりでは0.09kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
トヨタ編
4000cc以下の車編
7人乗りSUV編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は39.19PS/L、トルクは7.46kgm/L、1気筒あたりの馬力は25.8馬力、トルクは4.9kgmとなり、このエンジンが155馬力を4200回転で発生させているときの平均ピストンスピードは13.30m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が95.0mmである3F型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6320回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.810になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、走ってよし、曲がってよしで至れり尽くせりのオールラウンダーであると言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が3.65km/L、最高出力が155PSであるこの車の獲得ポイントは565.8ptになります。
戯れに車両重量2160kgを100kg単位にした21.6で割ってみたところ、その数値は26.19ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


人間様の占有スペース

人間様の占有スペース
室内長×幅×高 4.75m³
1人あたりのスペース 約0.59m³
室内長/全長 53.5%
室内幅/全幅 80.6%
室内高/全高 63.5%
室内容積/車両体積 27.3%

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は4.75m³です。この車の乗車定員は8人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.59m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は53.5%、同じく室内幅と全幅の比率は80.6%、同じく室内高と全高の比率は63.5%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は27.3%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


ランドクルーザー60での車中泊

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.66m
期待される荷室の幅 1.42m
対角線の長さ 2.18m
期待される荷室の面積 2.36m²

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

縦方向の長さが1.66m(対角線では2.18m)ともなると、もはや車の中で生活しても良いんじゃないかと錯覚しかねないほど快適な睡眠が約束されます。

日頃の行いが悪いとか、人様には言えないことをやらかしたとか、誰の顔も見たくないなどの訳アリで家に帰れず、やむなく車中泊をしてみたが最期、あまりの気楽さに心を奪われ流浪の民となりかねません。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。
車中泊にあると嬉しいアイテム


FJ62G型ランドクルーザー60[4.0L-NA PT4WD/4AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト13.935kg/ps38.59
1速ギヤ加速性能-39.92
1L換算馬力39.19ps/L23.23
1L換算トルク7.46kgm/L25.49
WB/TR比1.81046.19
ワイド&ロー指数1.03539.67
前面の面積3.657m²20.99
最低地上高-43.72
スポーツ性能部門の得点277.80

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
10-15燃費4.3km/L30.90
年間維持費682400円17.50
100kmh回転数-43.39
航続距離387.0km30.91
車の大きさ17.369m³73.59
室内の広さ4.752m³62.71
最小回転半径6.2m28.75
馬力単価22065円49.22
ユーティリティ部門の得点336.97

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した FJ62G型ランドクルーザー60[4.0L-NA PT4WD/4AT] の総合得点は 614.77 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したFJ62G型ランドクルーザー60(PT4WD/4AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全ての7人乗SUV」、「4000ccの7人乗SUV」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

ランドクルーザー60の歴代モデル

10代目 VJA300W型 ランドクルーザー300
VJA300W ランドクルーザー300は2021/08に登場した10代目モデル。参考車両の「GX 5人乗り」は全長4950mm、全幅1980mm、全高1925mmの車体に、415PS/66.3kgmを発生するV35A型3444ccエンジンを搭載した5人乗りSUV。

9代目 UZJ200W型 ランドクルーザー200
UZJ200W ランドクルーザー200は2007/09に登場した9代目モデル。参考車両の「AX 8人乗り」は全長4950mm、全幅1970mm、全高1880mmの車体に、288PS/45.7kgmを発生する2UZ型4663ccエンジンを搭載した8人乗りSUV。

8代目 UZJ100W型 ランドクルーザー100
UZJ100W ランドクルーザー100は1998/01に登場した8代目モデル。参考車両の「VX-Limited」は全長4890mm、全幅1940mm、全高1860mmの車体に、235PS/43.0kgmを発生する2UZ型4663ccエンジンを搭載した8人乗りSUV。

7代目 FJ80G型 ランドクルーザー80
FJ80G ランドクルーザー80は1989/10に登場した7代目モデル。参考車両の「Wagon-VX」は全長4820mm、全幅1900mm、全高1900mmの車体に、155PS/29.5kgmを発生する3F型3955ccエンジンを搭載した8人乗りSUV。

5代目 FJ62G型 ランドクルーザー60
FJ62G ランドクルーザー60は1980に登場した5代目モデル。参考車両の「Wagon-VX」は全長4750mm、全幅1880mm、全高1945mmの車体に、155PS/29.5kgmを発生する3F型3955ccエンジンを搭載した8人乗りSUV。