UCF21 セルシオの性能と維持費 FR/4AT 5人 590万円 1996年式

このページでは、トヨタ自動車の4ドア・5人乗りセダン、2代目のE-UCF21型セルシオ C仕様【1996/08モデル・265PS/37.0kgm・FR/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

UCF21 セルシオ
販売期間:1994/10 - 2000/08

画像はトヨタ自動車より引用
http://toyota.jp/
投稿:2011/11/24|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長4995mm×全幅1830mm×全高1415mm、排気量は3968ccであることから、大雑把に分類すると4.0リットルクラス(4000cc、自動車税は4.0L以下を適用)に属し、全長、全幅、排気量ともに5ナンバー枠を超えていることにより完全無欠の3ナンバー登録車です。いわゆる【高級車】にカテゴライズされます。
参考:250PS~300PSの自動車 一覧

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、後輪のみを駆動する、フロントエンジン・リヤドライブ方式(後輪駆動・FR・RWDとも)を採用しています。前輪は操舵、後輪は駆動と役割分担が異なることから優れたハンドリングを得られるとされ、運転の質を求める人々から絶大なる支持を集めます。高級車の代名詞的な駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4995mmであるこの車の場合は「ラグジュアリー」(Luxury:4900mm超・Fセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


UCF21型 セルシオ [3968cc/265PS FR/4AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

2代目セルシオの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
1998/08
UCF21型
[C仕様]
4.0L-NA・FR/5AT・598.0万円
280PS・41.0kgm・8.2km/L
280PS
41.0kgm
8.2km/L
1998/08
UCF20型
[A仕様 eR-ver]
4.0L-NA・FR/5AT・545.0万円
280PS・41.0kgm・8.5km/L
280PS
41.0kgm
8.5km/L
1996/08
UCF20型
[B仕様 eR-ver]
4.0L-NA・FR/4AT・580.0万円
265PS・37.0kgm・8.0km/L
265PS
37.0kgm
8.0km/L
2代目セルシオの車両型式・グレード一覧【全4車種】
セルシオの新型モデル
3代目 UCF30型セルシオ V430-R
UCF30型セルシオ V430-Rは2000/08に登場した3代目モデル。参考車両の「V430-R」は全長5015mm、全幅1830mm、全高1465mmの車体に、354PS/57.0kgmを発生する3UZ型4292ccエンジンを搭載。

セルシオの旧型モデル
初代 UCF11型セルシオ
UCF11型セルシオは1989/10に登場した初代モデル。参考車両の「C仕様」は全長4995mm、全幅1830mm、全高1410mmの車体に、260PS/36.0kgmを発生する1UZ型3968ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー トヨタ自動車
車名&
グレード
セルシオ
C仕様
その他 -
お値段 5900000円
車両型式 E-UCF21
駆動方式
変速機
FR・後輪駆動(RWD,2WD)
4速AT・4速オートマ車
ドア/定員 4ドア/5名乗車
車体寸法 長4995×幅1830×高1415mm
室内寸法 長2095×幅1540×高1180mm
軸距&
輪距
2850mm
前1575mm/後1575mm
最小半径 5.3m
タイヤ 前輪:225/60R16
後輪:225/60R16
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 1700kg
エンジン諸元
原動機型式 1UZ-FE
気筒配列 V型8気筒
排気量3968cc
圧縮比10.4
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 265PS[195kW]/5400rpm
最大トルク 37.0kgm[363Nm]/4600rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
10・15燃費 8.0km/L(18.8mpg)
100km燃費 12.5L/100km
1UZ-FE型エンジンの諸元と性能まとめ
V型8気筒とは‥シリンダをV字型に交互で8個配置する方式。中?大排気量のスタンダード。
V型8気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税76400円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税25200円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額7500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、1996/08モデルのセルシオを28年落ちの中古で129.8万円にて購入し、頭金なしで3年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    セルシオの1996/08モデルの場合、2024年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の20%である118万円に諸経費として11.8万円を足した129.8万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
  • 【PR】自動車保険は比較で安くなる!

1996年式を28年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 4000cc以下 13年経過 76400円
自動車重量税(1年分) 2.0トン以下 18年経過 25200円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷6.8km/L×185円/L 272060円
オイル交換(5000km毎) 1回6500円×2回 13000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本12000円×4本÷5年 9600円
任意保険料(月額7500円) 月額7500円×12ヶ月 90000円
ローン完済後の年間維持費 495100円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額36060円×12ヶ月 432720円
ローン返済中の年間維持費 927900円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 71100円
名目 金額
自動車税(1年分) 76400円
自動車重量税(1年分) 25200円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
272060円
(190440円)
(136030円)
(81620円)
オイル交換(5000km毎) 13000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 9600円
任意保険料(月額7500円) 90000円
ローン完済後の年間維持費 495100円
名目 金額
車のローン額(1年分) 432720円
ローン返済中の年間維持費 927900円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
71100円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「4000cc以下で13年経過」クラスの自動車税は76400円、「2.0トン以下で18年経過」クラスの自動車重量税は25200円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに6500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本12000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額7500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした71100円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

年間の維持費が50万円を超えてくると、これはもうこの車そのものが趣味の世界です。もしくは、これだけの維持費が掛かる車を所有していることに喜びを感じ、ある種のカタルシスを感じているかもしれません。

名にし負うセルシオともなれば、その維持費は月額でさえ41300円(ローン完済前は77400円)という破格の金額。とてもじゃないが頭金0円!一世一代のフルローン!で乗るような車ではありません。どうしても乗りたい言うなら、清水の舞台から飛び降りる覚悟でご近所をノロノロ運転して満足するか、盆栽としてガレージに飾っておくならまあ、あるいは…

セルシオの維持費は高い?安い?

「セルシオの年間維持費は495100円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「4000ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてセルシオの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いラングラー398100円-97000円
フェアレディZ442700円-52400円
ラングラー アンリミテッド463300円-31800円
FJクルーザー469600円-25500円
基準4000ccクラス平均491000円-4100円
セルシオの維持費495100円
Gクラス 4x4507700円+12600円
チェロキー564600円+69500円
ディスカバリー631500円+136400円
高いランドクルーザー80720300円+225200円

セルシオの年間維持費を、4000ccクラスで最も維持費が安いラングラーと比較して97000円高く、最も高いランドクルーザー80と比較して225200円安く、4000ccクラスの平均維持費との比較では4100円高くなっています。

最低額のラングラーと最高額のランドクルーザー80は極端な例としても、4000ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、セルシオの維持費は ちょっと高い! と言えそうです。

年間維持費が安い 4000ccクラスの車 ランキング

セルシオを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%640万円54万円42万円
15%430万円36万円28万円
20%320万円27万円21万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は640万円(総支給額54万円/月、手取り42万円/月)、ここから月額維持費4.1万円を支払うと残りは37.9万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は430万円(総支給額36万円/月、手取り28万円/月)、4.1万円を支払うと残りは23.9万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が320万円(総支給額27万円/月、手取り21万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。4.1万円を引くと残りは16.9万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代28万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり185円を基準として、-50円となる135円から、+50円となる235円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費6.8km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
135円/L
198540円
[-73520円]
-25円
160円/L
235300円
[-36760円]
-10円
175円/L
257360円
[-14700円]
185円/L272060円
[0円]
+10円
195円/L
286770円
[+14710円]
+25円
210円/L
308830円
[+36770円]
+50円
235円/L
345600円
[+73540円]

燃費6.8km/LのUCF21型 セルシオで10000km走行するのに必要な燃料は1470.6L、1リットルあたり185円としたときの燃料代は272060円になります。

参考までに、セルシオの燃料タンクは85リットルですので、1470.6Lの給油回数は18回、1回あたりの燃料代は約15120円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては14710円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると36770円、50円も違ってくると73540円にもなります。

これをUCF21型 セルシオの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり185円の場合を495100円としたとき、135円/Lに値下がりすれば421580円(85.2%)に、235円/Lに値上がりすれば568640円(114.9%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(76400円)なり重量税(25200円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

税金の安さは折り紙付き!
バン・トラックの人気車種ランキング!


低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76400円 28%
自動車重量税 1年分 25200円 9%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 3000km分 81620円 29%
オイル交換 年1回 6500円 2%
タイヤ交換 6年毎 6400円 2%
任意保険料 80% 72000円 27%
合計
[1万kmとの差額]
277000円
-218100円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76400円 23%
自動車重量税 1年分 25200円 8%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 5000km分 136030円 40%
オイル交換 年1回 6500円 2%
タイヤ交換 6年毎 6400円 2%
任意保険料 85% 76560円 22%
合計
[1万kmとの差額]
336000円
-159100円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76400円 19%
自動車重量税 1年分 25200円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 7000km分 190440円 48%
オイル交換 年1回 9100円 2%
タイヤ交換 6年毎 6400円 2%
任意保険料 90% 81000円 21%
合計
[1万kmとの差額]
397400円
-97700円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料90000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて218100円安い277000円に、5000km走行では159100円安い336000円に、7000km走行では97700円安い397400円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76400円 12%
自動車重量税 1年分 25200円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 15000km分 408090円 62%
オイル交換 年3回 39000円 6%
タイヤ交換 2.7年毎 14400円 2%
任意保険料 100% 90000円 13%
合計
[1万kmとの差額]
662000円
+166900円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76400円 9%
自動車重量税 1年分 25200円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 544120円 67%
オイル交換 年4回 52000円 6%
タイヤ交換 2年毎 19200円 2%
任意保険料 100% 90000円 12%
合計
[1万kmとの差額]
815800円
+320700円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
トヨタの小型車&普通車編
4000cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
4ドア・セダン編

セルシオの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 8.0km/L
燃料タンク容量 85L
航続距離(カタログ燃費) 680.0km
航続距離(80%燃費) 544.0km
満タンプライス 15725円
1km走行コスト 23.12円
1万円でどこまで行ける? 432.4km

10・15モード燃費が8.0km/L、燃料タンク容量85リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は680.0kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(7.2km/L)とすると航続距離は612.0km、80%(6.4km/L)だと544.0km、70%(5.6km/L)では476.0kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から85リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり185円では15725円、上で計算した航続距離を踏まえると680.0km(80%燃費時544.0km)を走行するのに15725円かかる計算です。

燃費を6.8km/Lとしたときの1km走行コストは23.12円、10万km走行したときの燃料代は231.2万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら23.1万円/年、7年10万kmなら33.0万円/年、5年10万kmなら46.2万円/年、3年10万kmなら77.1万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば432.4km(往復なら片道216.2km)、カタログ値の80%なら345.9km(片道173.0km)離れたところまで行くことができます。

カタログデータから見えてくる要素

1UZ-FE型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
4600回転時の馬力 238PS
5400回転時の馬力 265PS
各回転域でのトルク
4600回転時のトルク 37.0kgm
5400回転時のトルク 35.2kgm
1UZ-FE型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載している1UZ型3968cc、V型8気筒の自然吸気エンジンは5400回転時に最高出力265馬力を、4600回転時に最大トルク37.0kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、最大トルクと最高出力の発生回転数がとても近いこのエンジンは、高い回転数まで回すことで力を発揮するタイプのエンジンです。回転に伴って高まるパワー感は得も言われぬ感動を与えてくれることでしょう。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する4600rpmから最高出力が発生する5400rpmまで」の800rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は14.8%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
4000cc以下クラス編
トヨタの小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
4000cc以下クラス編
トヨタの小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ6.415kg/PS(1700kg/265PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ6.415kg/PS
車体+1人6.623kg/PS
車体+5人7.453kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg6.642kg/PS
車体+70kg6.679kg/PS
車体+80kg6.717kg/PS
車体+90kg6.755kg/PS
車体+100kg6.792kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは6.623kg/PS(1755kg/265PS)となり、数値としては0.208kg、比率にすると3.2%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは7.453kg/PS(1975kg/265PS)となり、数値としては1.038kg、比率にすると16.2%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

UCF21 セルシオのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
1996/08

-
セルシオ
6.623kg/PS
1755kg/265PS|4.0L-NA
[車体のみPWR:6.415]
2006/10

車種詳細
アコード
6.568kg/PS
1445kg/220PS|2.0L-NA
車体のみPWR:6.318
2004/04

車種詳細
アルテッツァ
6.690kg/PS
1405kg/210PS|2.0L-NA
車体のみPWR:6.429
2015/01

車種詳細
レジェンド
6.481kg/PS
2035kg/314PS|3.5L-NA
車体のみPWR:6.306
2010/11

車種詳細
エリシオン プレステージ
6.717kg/PS
2015kg/300PS|3.5L-NA
車体のみPWR:6.533
1993/09

車種詳細
シビック
6.500kg/PS
1105kg/170PS|1.6L-NA
車体のみPWR:6.176

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ6.623kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

6.424kg/PSから6.822kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、ホンダの5人乗りセダン「CL7型 アコード」、トヨタの5人乗りセダン「SXE10型 アルテッツァ」、ホンダの5人乗りセダン「KC2型 レジェンド」、ホンダの7人乗りミニバン「RR5型 エリシオン プレステージ」、ホンダの4人乗りハッチバック「EG6型 シビック」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

UCF21型 セルシオ [C仕様]のライバル車種|6.623kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は155.9PS/tとなっています。


セルシオがバイクと競争するなら…?


車種詳細
XRバハ|249cc
6.607kg/PS
185kg/28.0PS/2.60kgm
[車体のみPWR:4.643]
1速ギヤ速度:40.5km/h
最小TWR:0.671
1996/08

-
セルシオ|3968cc
6.623kg/PS
1755kg/265PS/37.0kgm
[車体のみPWR:6.415]
1速ギヤ速度:69.4km/h
最小TWR:1.567

車種詳細
バルカン1500 クラシックツアラー|1470cc
6.623kg/PS
404kg/61.0PS/11.00kgm
[車体のみPWR:5.721]
1速ギヤ速度:57.6km/h
最小TWR:1.032

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではセルシオとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

MD30 XRバハと競争してみる

まずセルシオより少しPWRが低いバイクとして、ホンダのXRバハが挙げられます。PWRの6.607kg/PSは車両重量130kgにライダーの体重55kgを加えた185kgを、最高出力28.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はXRバハに28.9km/h勝り、1速TWRは0.896kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

VNT50G バルカン1500 クラシックツアラーと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、カワサキのバルカン1500 クラシックツアラーが挙げられます。PWRの6.623kg/PSは車両重量349kg+55kgの404kgを、最高出力61.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は11.8km/h勝り、1速TWRは0.535kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.810
平均ピストンスピード 14.85m/s
トルクウェイトレシオ 45.95kg/kgm
1馬力あたりのお値段 22264円
排気量1Lあたり馬力 66.78PS/L
排気量1Lあたりトルク 9.32kgm/L
1気筒あたりの馬力 33.1PS
1気筒あたりのトルク 4.6kgm
パワーバンド比率 14.8%
燃費×馬力 1802.0pt
各種ランキング
セダンのPWR
3.5~4.0L以下のPWR

トルクウェイトレシオは45.95kg/kgm(1700kg/37.0kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が5900000円、最高出力が265馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は22264円、逆に1万円あたりでは0.45馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は159459円、1万円あたりでは0.06kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
トヨタ編
4000cc以下の車編
セダン編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は66.78PS/L、トルクは9.32kgm/L、1気筒あたりの馬力は33.1馬力、トルクは4.6kgmとなり、このエンジンが265馬力を5400回転で発生させているときの平均ピストンスピードは14.85m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が82.5mmである1UZ型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は7270回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.810になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、走ってよし、曲がってよしで至れり尽くせりのオールラウンダーであると言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が6.80km/L、最高出力が265PSであるこの車の獲得ポイントは1802.0ptになります。
戯れに車両重量1700kgを100kg単位にした17.0で割ってみたところ、その数値は106.00ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


人間様の占有スペース

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

人間様の占有スペース
室内長×室内幅×室内高 3.807m³
1人あたりのスペース 0.761m³
室内長/全長 41.9%
室内幅/全幅 84.2%
室内高/全高 83.4%
室内容積/車両体積 29.4%

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は3.807m³です。この車の乗車定員は5人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.761m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は41.9%、同じく室内幅と全幅の比率は84.2%、同じく室内高と全高の比率は83.4%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は29.4%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


セルシオでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.748m
期待される荷室の幅 1.440m
対角線の長さ 2.265m
期待される荷室の面積 2.517m²

縦方向の長さが1.748m(対角線では2.265m)などという破格のクラスになると、これはもう四の五の言わず車に住むべきです。

これだけの車を所持できる素養は持ち得ているのですから、細かいことは気にせずあらゆる支配からの卒業を宣言し、信じられぬ大人との争いに終止符を打ちましょう。

セダンやクーペであっても後部座席の背もたれを取り外してトランクルームと貫通させて荷室長を確保すれば良いだけの話です。たまに背もたれを取り外してもトランクルームと繋がっていなかったり、頑強な補強バーが入っていて邪魔されることもありますが、恐らく稀なケースです。

車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合5400rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした5900回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 5900rpm|タイヤサイズ 225/60R16|タイヤ直径 67.6cm|円周長 212.4cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
5900rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 2.531 9.91 -
-
76km/h 7780rpm 1085.0kgm
2速 1.531 6.00 0.605 1-2/
3570rpm
125km/h 4700rpm 656.3kgm
3速 1.000 3.92 0.653 2-3/
3850rpm
192km/h 3070rpm 428.7kgm
4速 0.705 2.76 0.705 3-4/
4160rpm
272km/h 2170rpm 302.2kgm
Final 3.916 レシオカバレッジ(変速比幅)3.590

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数4600rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.916)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(37.0kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.916)÷タイヤの有効半径(0.338m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は4速ギヤの272km(5400rpmでは249.3km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが4600回転で最大トルク37.0kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば45.95kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(6.415kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと1085.0kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1700kg)を1速ギヤの最大駆動力(1085.0kgm)で割ってみると1.567kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する5400回転でのトルク(35.2kgm)からTWRを算出すると1.647kg/kgmとなり、4600-5400回転の回転域では1.567-1.647kg/kgmの間で推移することがわかります。


おまけ:5400rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

UCF21型セルシオに搭載された1UZ型3968ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する5400rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

5400rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ69km/h-
2速ギヤ115km/h3270rpm
3速ギヤ176km/h3530rpm
4速ギヤ249km/h3810rpm

まず1速ギヤで5400rpmまで引っ張ると69km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は5400rpmから3270rpmまで落ち、そこから5400rpmまで加速を続けると速度は115km/h(+46km/h)になります。

3速ギヤでは3530rpmまで落ちて5400rpmで176km/h(+61km/h)に、4速ギヤでは3810rpmまで落ちて5400rpmで249km/h(+73km/h)に、という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 3110 4670 6220 7780 9330 10890 14000
2速 1880 2820 3760 4700 5650 6590 8470
3速 1230 1840 2460 3070 3690 4300 5530
4速 870 1300 1730 2170 2600 3030 3900
※赤い数字は暫定レブリミット(5900rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.705)を選択して時速100kmにて走行すると2170回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1300回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1520回転、一般的な高速道路の80km/hでは1730回転、100km/hでは2170回転、制限速度が120km/hになると2600回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは3900回転まで回ります。

一般的な自動車であれば時速100kmでの巡航回転数は2500回転付近に落ち着くようですが、その中でも若干低めの回転数となっています。標準的なギヤ比の範囲内ながらも加速よりも静粛性や燃費に重きを置いた設定なので、急な坂道や長く続く坂道では積極的にギヤを1段下げる操作が必要になるかもしれません。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 13 26 39 51 64 77 90 103
2速 21 43 64 85 106 128 149 170
3速 33 65 98 130 163 195 228 260
4速 46 92 138 185 231 277 323 369

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(5900回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの225/60R16と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 225/60R16 | 直径 676mm

-20mm
幅205mm
-10mm
幅215mm
変更なし
幅225mm
+10mm
幅235mm
+20mm
幅245mm
-5%
55
扁平
205/55R16
37.4km/h
直径632mm
径差-44mm
215/55R16
38.0km/h
直径643mm
径差-33mm
225/55R16
38.7km/h
直径654mm
径差-22mm
235/55R16
39.3km/h
直径665mm
径差-11mm
245/55R16
40.0km/h
直径676mm
径差0mm
0%
60
扁平
205/60R16
38.6km/h
直径652mm
径差-24mm
215/60R16
39.3km/h
直径664mm
径差-12mm
225/60R16
40.0km/h
676mm
0mm
235/60R16
40.7km/h
直径688mm
径差+12mm
245/60R16
41.4km/h
直径700mm
径差+24mm
+5%
65
扁平
205/65R16
39.8km/h
直径673mm
径差-3mm
215/65R16
40.6km/h
直径686mm
径差+10mm
225/65R16
41.4km/h
直径699mm
径差+23mm
235/65R16
42.1km/h
直径712mm
径差+36mm
245/65R16
42.9km/h
直径725mm
径差+49mm
+10%
70
扁平
205/70R16
41.0km/h
直径693mm
径差+17mm
215/70R16
41.8km/h
直径707mm
径差+31mm
225/70R16
42.7km/h
直径721mm
径差+45mm
235/70R16
43.5km/h
直径735mm
径差+59mm
245/70R16
44.3km/h
直径749mm
径差+73mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、205/60R16、205/65R16 、215/55R16、215/60R16 、225/55R16 、235/55R16 、245/55R16あたりのタイヤがおすすめです。

225/60R16のタイヤ幅を205mmから255mmまで、扁平率を45%から75%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、225/60R16の適応サイズと性能の変化 [UCF21型セルシオ編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】225/60R16のタイヤ銘柄と通販価格

UCF21型セルシオ[4.0L-NA FR/4AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト6.415kg/ps59.18
1速ギヤ加速性能1.567kg/kgm50.19
1L換算馬力66.78ps/L45.02
1L換算トルク9.32kgm/L48.17
WB/TR比1.81046.19
ワイド&ロー指数0.77358.68
前面の面積2.589m²51.07
最低地上高-43.72
スポーツ性能部門の得点402.22

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
10-15燃費8.0km/L38.99
年間維持費495100円34.57
100kmh回転数2170rpm54.28
航続距離680.0km48.06
車の大きさ12.934m³55.86
室内の広さ3.807m³53.70
最小回転半径5.3m47.35
馬力単価22264円49.07
ユーティリティ部門の得点381.88

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した UCF21型セルシオ[4.0L-NA FR/4AT] の総合得点は 784.10 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したUCF21型セルシオ(FR/4AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのセダン」、「4000ccのセダン」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

セルシオの歴代モデル

3代目 UCF31型 セルシオ
UCF31 セルシオは2000/08に登場した3代目モデル。参考車両の「C仕様」は全長5015mm、全幅1830mm、全高1470mmの車体に、280PS/43.8kgmを発生する3UZ型4292ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

2代目 UCF21型 セルシオ
UCF21 セルシオは1994/10に登場した2代目モデル。参考車両の「C仕様」は全長4995mm、全幅1830mm、全高1415mmの車体に、280PS/41.0kgmを発生する1UZ型3968ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

初代 UCF11型 セルシオ
UCF11 セルシオは1989/10に登場した初代モデル。参考車両の「C仕様」は全長4995mm、全幅1830mm、全高1410mmの車体に、260PS/36.0kgmを発生する1UZ型3968ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。