YB41S:SX4の性能と維持費 4WD/4AT 5人 204万円 2008年式

このページでは、スズキ株式会社の5ドア・5人乗りSUV、初代のCBA-YB41S型SX4 2.0XS【2008/10モデル・145PS/19.7kgm・4WD/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

YB41S SX4
販売期間:2006/07 - 2014/11

画像はスズキ株式会社より引用
http://www.suzuki.co.jp/
投稿:2011/07/06|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長4135mm×全幅1755mm×全高1605mm、排気量は1995ccであることから、大雑把に分類すると2.0リットルクラス(2000cc、自動車税は2.0L以下を適用)に属し、全長、全高、排気量は5ナンバー枠ながら全幅が1.7mを超えていることにより3ナンバー登録になります。この手のタイプはいわゆる世界戦略車(グローバルカー)に多くあるようです。
参考:100PS~150PSの自動車 一覧

駆動方式には車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆる四輪駆動(All Wheel Drive・AWD・Four Wheel Drive・4WDとも)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4135mmであるこの車の場合は「ロア ミディアム」(Lower-Medium:3850mm超-4300mm以下・Cセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


YB41S型 SX4 [1995cc/145PS 4WD/4AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

初代SX4の類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2009/05
YB11S型
[1.5XG]
1.5L-NA・4WD/4AT・186.9万円
111PS・14.8kgm・15.6km/L
111PS
14.8kgm
15.6km/L
2009/05
YA11S型
[1.5G]
1.5L-NA・FF/4AT・165.9万円
111PS・14.8kgm・16.4km/L
111PS
14.8kgm
16.4km/L
2009/05
YC11S型
[1.5G]
1.5L-NA・FF/4AT・166.9万円
111PS・14.8kgm・16.4km/L
111PS
14.8kgm
16.4km/L
初代SX4の車両型式・グレード一覧【全5車種】
SX4の新型モデル
2代目 YA22S型SX4 Sクロス
YA22S型SX4 Sクロスは2015/02に登場した2代目モデル。参考車両の「BaseGrade」は全長4300mm、全幅1785mm、全高1595mmの車体に、117PS/15.4kgmを発生するM16A型1586ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー スズキ株式会社
車名&
グレード
SX4
2.0XS
その他 -
お値段 2037000円
車両型式 CBA-YB41S
駆動方式
変速機
4WD・四輪駆動(AWD)
4速AT・4速オートマ車
ドア/定員 5ドア/5名乗車
車体寸法 長4135×幅1755×高1605mm
室内寸法 長1940×幅1465×高1235mm
軸距&
輪距
2500mm
前1500mm/後1495mm
最小半径 5.3m
最低高 175mm
タイヤ 前輪:205/60R16
後輪:205/60R16
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ディスク
車両重量 1310kg
エンジン諸元
原動機型式 J20A
気筒配列 直列4気筒
排気量1995cc
圧縮比10.5
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 145PS[107kW]/5800rpm
最大トルク 19.7kgm[193Nm]/4000rpm
使用燃料 レギュラーガソリン
10・15燃費 12.0km/L(28.2mpg)
100km燃費 8.3L/100km
J20A型エンジンの諸元と性能まとめ
直列4気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に4個配置する方式。小排気量から2.5Lあたりまでをカバー。
直列4気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税45400円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税17100円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額5500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2008/10モデルのSX4を16年落ちの中古で56.0万円にて購入し、頭金なしで1年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    SX4の2008/10モデルの場合、2024年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の25%である50.925万円に諸経費として5.1万円を足した56.0万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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2008年式を16年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 2000cc以下 13年経過 45400円
自動車重量税(1年分) 1.5トン以下 13年-17年経過 17100円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷10.2km/L×180円/L 176470円
オイル交換(5000km毎) 1回4500円×2回 9000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本12000円×4本÷5年 9600円
任意保険料(月額5500円) 月額5500円×12ヶ月 66000円
ローン完済後の年間維持費 332400円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額46680円×12ヶ月 560160円
ローン返済中の年間維持費 892600円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 54900円
名目 金額
自動車税(1年分) 45400円
自動車重量税(1年分) 17100円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
176470円
(123530円)
(88240円)
(52940円)
オイル交換(5000km毎) 9000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 9600円
任意保険料(月額5500円) 66000円
ローン完済後の年間維持費 332400円
名目 金額
車のローン額(1年分) 560160円
ローン返済中の年間維持費 892600円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
54900円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「2000cc以下で13年経過」クラスの自動車税は45400円、「1.5トン以下で13年-17年経過」クラスの自動車重量税は17100円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに4500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本12000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額5500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした54900円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

お財布に厚みが増した勢いで少し色気を出して愛車にステータス性を求めるなら、月換算27700円くらいの出費は覚悟しましょう。なあに大丈夫、愛車のためです。

口癖のように「もうちょっと維持費が安ければねえ…?」なんて呟くその姿は自慢げなようであり、しかし哀愁を帯びているようでもあり、傍からすれば対応に困ります。より維持費の安い新車を買うほどではない…ないが…考えずにもいられない、そんなクラスです。全体から見るとこの辺りから面白味のある車が増えてきます。

SX4の維持費は高い?安い?

「SX4の年間維持費は332400円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「2000ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてSX4の維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いプリウス189800円-142600円
ヴォクシー ハイブリッド227000円-105400円
スイフト スポーツ275300円-57100円
シビック タイプR312300円-20100円
基準2000ccクラス平均316600円-15800円
SX4の維持費332400円
アコード345200円+12800円
WRX STI364700円+32300円
エクスプローラー413900円+81500円
高いBX484900円+152500円

SX4の年間維持費を、2000ccクラスで最も維持費が安いプリウスと比較して142600円高く、最も高いBXと比較して152500円安く、2000ccクラスの平均維持費との比較では15800円高くなっています。

最低額のプリウスと最高額のBXは極端な例としても、2000ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、SX4の維持費は ちょっと高い! と言えそうです。

年間維持費が安い 2000ccクラスの車 ランキング

SX4を維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%430万円36万円28万円
15%290万円25万円20万円
20%220万円19万円15万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は430万円(総支給額36万円/月、手取り28万円/月)、ここから月額維持費2.8万円を支払うと残りは25.2万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は290万円(総支給額25万円/月、手取り20万円/月)、2.8万円を支払うと残りは17.2万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が220万円(総支給額19万円/月、手取り15万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。2.8万円を引くと残りは12.2万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代18万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、レギュラーガソリン1リットルあたり180円を基準として、-50円となる130円から、+50円となる230円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費10.2km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
130円/L
127460円
[-49010円]
-25円
155円/L
151970円
[-24500円]
-10円
170円/L
166670円
[-9800円]
180円/L176470円
[0円]
+10円
190円/L
186280円
[+9810円]
+25円
205円/L
200990円
[+24520円]
+50円
230円/L
225500円
[+49030円]

燃費10.2km/LのYB41S型 SX4で10000km走行するのに必要な燃料は980.4L、1リットルあたり180円としたときの燃料代は176470円になります。

参考までに、SX4の燃料タンクは50リットルですので、980.4Lの給油回数は20回、1回あたりの燃料代は約8830円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては9810円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると24520円、50円も違ってくると49030円にもなります。

これをYB41S型 SX4の年間維持費に当てはめてみますと、レギュラーガソリン1リットルあたり180円の場合を332400円としたとき、130円/Lに値下がりすれば283390円(85.3%)に、230円/Lに値上がりすれば381430円(114.8%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(45400円)なり重量税(17100円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 45400円 24%
自動車重量税 1年分 17100円 9%
自賠責保険料 1年分 8825円 5%
燃料代 3000km分 52940円 28%
オイル交換 年1回 4500円 2%
タイヤ交換 6年毎 6400円 3%
任意保険料 80% 52800円 29%
合計
[1万kmとの差額]
188000円
-144400円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 45400円 20%
自動車重量税 1年分 17100円 8%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 5000km分 88240円 39%
オイル交換 年1回 4500円 2%
タイヤ交換 6年毎 6400円 3%
任意保険料 85% 56160円 24%
合計
[1万kmとの差額]
226700円
-105700円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 45400円 17%
自動車重量税 1年分 17100円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 7000km分 123530円 46%
オイル交換 年1回 6300円 2%
タイヤ交換 6年毎 6400円 2%
任意保険料 90% 59400円 24%
合計
[1万kmとの差額]
267000円
-65400円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料66000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて144400円安い188000円に、5000km走行では105700円安い226700円に、7000km走行では65400円安い267000円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 45400円 10%
自動車重量税 1年分 17100円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 15000km分 264710円 60%
オイル交換 年3回 27000円 6%
タイヤ交換 2.7年毎 14400円 3%
任意保険料 100% 66000円 15%
合計
[1万kmとの差額]
443500円
+111100円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 45400円 8%
自動車重量税 1年分 17100円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 20000km分 352940円 65%
オイル交換 年4回 36000円 7%
タイヤ交換 2年毎 19200円 4%
任意保険料 100% 66000円 11%
合計
[1万kmとの差額]
545500円
+213100円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
スズキの小型車&普通車編
2000cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
5人乗りSUV・RV編

SX4の燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 12.0km/L
燃料タンク容量 50L
航続距離(カタログ燃費) 600.0km
航続距離(80%燃費) 480.0km
満タンプライス 9000円
1km走行コスト 15.00円
1万円でどこまで行ける? 666.7km

10・15モード燃費が12.0km/L、燃料タンク容量50リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は600.0kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(10.8km/L)とすると航続距離は540.0km、80%(9.6km/L)だと480.0km、70%(8.4km/L)では420.0kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から50リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、レギュラーガソリンを1リットルあたり180円では9000円、上で計算した航続距離を踏まえると600.0km(80%燃費時480.0km)を走行するのに9000円かかる計算です。

燃費を10.2km/Lとしたときの1km走行コストは15.00円、10万km走行したときの燃料代は150.0万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら15.0万円/年、7年10万kmなら21.4万円/年、5年10万kmなら30.0万円/年、3年10万kmなら50.0万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば666.7km(往復なら片道333.3km)、カタログ値の80%なら533.3km(片道266.7km)離れたところまで行くことができます。

カタログデータから見えてくる要素

J20A型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
4000回転時の馬力 110PS
5800回転時の馬力 145PS
各回転域でのトルク
4000回転時のトルク 19.7kgm
5800回転時のトルク 17.9kgm
J20A型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているJ20A型1995cc、直列4気筒の自然吸気エンジンは5800回転時に最高出力145馬力を、4000回転時に最大トルク19.7kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、最大トルクの発生回転数が若干高めにあるこのエンジンは、普段使いでも不足を感じることなく、それでいて高い回転数を維持すればスポーティな走行も楽しめるバランスの良さが魅力です。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する4000rpmから最高出力が発生する5800rpmまで」の1800rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は31.0%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
2000cc以下クラス編
スズキの小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
2000cc以下クラス編
スズキの小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ9.034kg/PS(1310kg/145PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ9.034kg/PS
車体+1人9.414kg/PS
車体+5人10.931kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg9.448kg/PS
車体+70kg9.517kg/PS
車体+80kg9.586kg/PS
車体+90kg9.655kg/PS
車体+100kg9.724kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは9.414kg/PS(1365kg/145PS)となり、数値としては0.380kg、比率にすると4.2%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは10.931kg/PS(1585kg/145PS)となり、数値としては1.897kg、比率にすると21.0%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

YB41S SX4のライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2008/10

-
SX4
9.414kg/PS
1365kg/145PS|2.0L-NA
[車体のみPWR:9.034]
2017/07

車種詳細
エスクード
9.375kg/PS
1275kg/136PS|1.4L-TB
車体のみPWR:8.971
2014/06

車種詳細
レヴォーグ
9.265kg/PS
1575kg/170PS|1.6L-TB
車体のみPWR:8.941
2016/07

車種詳細
レヴォーグ STI
9.441kg/PS
1605kg/170PS|1.6L-TB
車体のみPWR:9.118
2012/02

車種詳細
CX-5
9.571kg/PS
1675kg/175PS|2.2L-TB
車体のみPWR:9.257
2011/12

車種詳細
インプレッサ スポーツ
9.300kg/PS
1395kg/150PS|2.0L-NA
車体のみPWR:8.933

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ9.414kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

9.226kg/PSから9.602kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、スズキの5人乗りSUV「YEA1S型 エスクード」、スバルの5人乗りワゴン「VM4型 レヴォーグ」、スバルの5人乗りワゴン「VM4型 レヴォーグ STI」、マツダの5人乗りSUV「KE2AW型 CX-5」、スバルの5人乗りハッチバック「GP7型 インプレッサ スポーツ」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

YB41S型 SX4 [2.0XS]のライバル車種|9.414kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は110.7PS/tとなっています。


SX4がバイクと競争するなら…?


車種詳細
セロー250|249cc
9.400kg/PS
188kg/20.0PS/2.10kgm
[車体のみPWR:6.650]
1速ギヤ速度:32.7km/h
最小TWR:0.732
2008/10

-
SX4|1995cc
9.414kg/PS
1365kg/145PS/19.7kgm
[車体のみPWR:9.034]
1速ギヤ速度:69.0km/h
最小TWR:2.099

車種詳細
バーグマン400|399cc
9.414kg/PS
273kg/29.0PS/3.60kgm
[車体のみPWR:7.517]
1速ギヤ速度:43.4km/h
最小TWR:1.110

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではSX4とパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

DG31J セロー250と競争してみる

まずSX4より少しPWRが低いバイクとして、ヤマハのセロー250が挙げられます。PWRの9.400kg/PSは車両重量133kgにライダーの体重55kgを加えた188kgを、最高出力20.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はセロー250に36.3km/h勝り、1速TWRは1.367kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

DU11N バーグマン400と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、スズキのバーグマン400が挙げられます。PWRの9.414kg/PSは車両重量218kg+55kgの273kgを、最高出力29.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は25.6km/h勝り、1速TWRは0.989kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.669
平均ピストンスピード 17.40m/s
トルクウェイトレシオ 66.50kg/kgm
1馬力あたりのお値段 14048円
排気量1Lあたり馬力 72.68PS/L
排気量1Lあたりトルク 9.87kgm/L
1気筒あたりの馬力 36.2PS
1気筒あたりのトルク 4.9kgm
パワーバンド比率 31.0%
燃費×馬力 1479.0pt
各種ランキング
SUV・RV・クロカンのPWR
1.8~2.0LのNA車 PWR

トルクウェイトレシオは66.50kg/kgm(1310kg/19.7kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が2037000円、最高出力が145馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は14048円、逆に1万円あたりでは0.71馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は103401円、1万円あたりでは0.10kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
スズキ編
2000cc以下の車編
5人乗りSUV編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は72.68PS/L、トルクは9.87kgm/L、1気筒あたりの馬力は36.2馬力、トルクは4.9kgmとなり、このエンジンが145馬力を5800回転で発生させているときの平均ピストンスピードは17.40m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が90.0mmであるJ20A型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6670回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.669になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと小回りを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が10.20km/L、最高出力が145PSであるこの車の獲得ポイントは1479.0ptになります。
戯れに車両重量1310kgを100kg単位にした13.1で割ってみたところ、その数値は112.90ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


人間様の占有スペース

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

人間様の占有スペース
室内長×室内幅×室内高 3.510m³
1人あたりのスペース 0.702m³
室内長/全長 46.9%
室内幅/全幅 83.5%
室内高/全高 76.9%
室内容積/車両体積 30.1%

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は3.510m³です。この車の乗車定員は5人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.702m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は46.9%、同じく室内幅と全幅の比率は83.5%、同じく室内高と全高の比率は76.9%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は30.1%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


SX4での車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.447m
期待される荷室の幅 1.365m
対角線の長さ 1.989m
期待される荷室の面積 1.975m²

縦方向の長さが1.447m(対角線では1.989m)であれば、小柄な体型なら斜めに転げることで足を伸ばして寝られないこともなさそうです。

普通体型では斜めに転げた上で腰と膝を曲げれば何とかギリギリ、大柄な体型ではダンゴ虫のように丸まって腰痛覚悟で決死の車中泊を敢行せざるを得ません。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。

車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合5800rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6300回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6300rpm|タイヤサイズ 205/60R16|タイヤ直径 65.2cm|円周長 204.8cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6300rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 3.672 10.33 -
-
75km/h 8410rpm 624.2kgm
2速 2.098 5.90 0.571 1-2/
3600rpm
131km/h 4800rpm 356.6kgm
3速 1.391 3.91 0.663 2-3/
4180rpm
198km/h 3180rpm 236.5kgm
4速 1.000 2.81 0.719 3-4/
4530rpm
275km/h 2290rpm 170.0kgm
Final 2.813 レシオカバレッジ(変速比幅)3.672

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数4000rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(2.813)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(19.7kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(2.813)÷タイヤの有効半径(0.326m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は4速ギヤの275km(5800rpmでは253.4km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが4000回転で最大トルク19.7kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば66.50kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(9.034kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと624.2kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1310kg)を1速ギヤの最大駆動力(624.2kgm)で割ってみると2.099kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する5800回転でのトルク(17.9kgm)からTWRを算出すると2.310kg/kgmとなり、4000-5800回転の回転域では2.099-2.310kg/kgmの間で推移することがわかります。


おまけ:5800rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

YB41S型SX4に搭載されたJ20A型1995ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する5800rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

5800rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ69km/h-
2速ギヤ121km/h3310rpm
3速ギヤ182km/h3850rpm
4速ギヤ253km/h4170rpm

まず1速ギヤで5800rpmまで引っ張ると69km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は5800rpmから3310rpmまで落ち、そこから5800rpmまで加速を続けると速度は121km/h(+52km/h)になります。

3速ギヤでは3850rpmまで落ちて5800rpmで182km/h(+61km/h)に、4速ギヤでは4170rpmまで落ちて5800rpmで253km/h(+71km/h)に、という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 3360 5040 6720 8410 10090 11770 15130
2速 1920 2880 3840 4800 5760 6720 8650
3速 1270 1910 2550 3180 3820 4460 5730
4速 920 1370 1830 2290 2750 3200 4120
※赤い数字は暫定レブリミット(6300rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(1.000)を選択して時速100kmにて走行すると2290回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1370回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1600回転、一般的な高速道路の80km/hでは1830回転、100km/hでは2290回転、制限速度が120km/hになると2750回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは4120回転まで回ります。

一般的な自動車であれば時速100kmでの巡航回転数は2500回転付近に落ち着くようですが、その中でも若干低めの回転数となっています。標準的なギヤ比の範囲内ながらも加速よりも静粛性や燃費に重きを置いた設定なので、急な坂道や長く続く坂道では積極的にギヤを1段下げる操作が必要になるかもしれません。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 12 24 36 48 59 71 83 95
2速 21 42 62 83 104 125 146 167
3速 31 63 94 126 157 188 220 251
4速 44 87 131 175 218 262 306 349

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6300回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの205/60R16と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 205/60R16 | 直径 652mm

-20mm
幅185mm
-10mm
幅195mm
変更なし
幅205mm
+10mm
幅215mm
+20mm
幅225mm
-5%
55
扁平
185/55R16
37.4km/h
直径610mm
径差-42mm
195/55R16
38.1km/h
直径621mm
径差-31mm
205/55R16
38.8km/h
直径632mm
径差-20mm
215/55R16
39.4km/h
直径643mm
径差-9mm
225/55R16
40.1km/h
直径654mm
径差+2mm
0%
60
扁平
185/60R16
38.5km/h
直径628mm
径差-24mm
195/60R16
39.3km/h
直径640mm
径差-12mm
205/60R16
40.0km/h
652mm
0mm
215/60R16
40.7km/h
直径664mm
径差+12mm
225/60R16
41.5km/h
直径676mm
径差+24mm
+5%
65
扁平
185/65R16
39.7km/h
直径647mm
径差-5mm
195/65R16
40.5km/h
直径660mm
径差+8mm
205/65R16
41.3km/h
直径673mm
径差+21mm
215/65R16
42.1km/h
直径686mm
径差+34mm
225/65R16
42.9km/h
直径699mm
径差+47mm
+10%
70
扁平
185/70R16
40.8km/h
直径665mm
径差+13mm
195/70R16
41.7km/h
直径679mm
径差+27mm
205/70R16
42.5km/h
直径693mm
径差+41mm
215/70R16
43.4km/h
直径707mm
径差+55mm
225/70R16
44.2km/h
直径721mm
径差+69mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、185/60R16、185/65R16 、195/55R16、195/60R16 、205/55R16 、215/55R16 あたりのタイヤがおすすめです。

205/60R16のタイヤ幅を185mmから235mmまで、扁平率を45%から75%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、205/60R16の適応サイズと性能の変化 [YB41S型SX4編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】205/60R16のタイヤ銘柄と通販価格

YB41S型SX4[2.0L-NA 4WD/4AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト9.034kg/ps52.01
1速ギヤ加速性能2.099kg/kgm38.82
1L換算馬力72.68ps/L49.68
1L換算トルク9.87kgm/L54.88
WB/TR比1.66960.72
ワイド&ロー指数0.91548.38
前面の面積2.817m²44.68
最低地上高175mm41.67
スポーツ性能部門の得点390.84

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
10-15燃費12.0km/L47.75
年間維持費332400円49.47
100kmh回転数2290rpm52.70
航続距離600.0km43.42
車の大きさ11.647m³50.76
室内の広さ3.510m³50.88
最小回転半径5.3m47.35
馬力単価14048円59.88
ユーティリティ部門の得点402.21

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した YB41S型SX4[2.0L-NA 4WD/4AT] の総合得点は 793.05 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したYB41S型SX4(4WD/4AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全ての5人乗SUV」、「2000ccの5人乗SUV」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

SX4の歴代モデル

2代目 YB22S型 SX4 Sクロス
YB22S SX4 Sクロスは2015/02に登場した2代目モデル。参考車両の「BaseGrade」は全長4300mm、全幅1765mm、全高1575mmの車体に、117PS/15.4kgmを発生するM16A型1586ccエンジンを搭載した5人乗りSUV。

初代 YC11S型 SX4 セダン
YC11S SX4 セダンは2007/07に登場した初代モデル。参考車両の「1.5G」は全長4490mm、全幅1730mm、全高1545mmの車体に、111PS/14.8kgmを発生するM15A型1490ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。