LA150F ステラの性能と維持費 FF/CVT 4人 121万円 2021年式

このページでは、スバル(富士重工業)の5ドア・4人乗り軽ミニバン、3代目の5BA-LA150F型ステラ L Smart-Assist【2021/09モデル・52PS/6.1kgm・FF/CVT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

LA150F ステラ
販売期間:2014/12 -

画像はスバル(富士重工業)より引用
http://www.subaru.jp/
投稿日:2022/10/23

ボディサイズが全長3395mm×全幅1475mm×全高1630mm、排気量は658ccであることから、大雑把に分類すると軽自動車クラス(軽四輪、軽自動車税を適用)に属した車です。走行性能や衝突安全性は普通車に敵わないものの、その圧倒的な経済性は他の追随を許さない大人気カテゴリです。
参考:軽自動車の人気車種

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、前輪のみを駆動する、フロントエンジン・フロントドライブ方式(FF・FWD・前輪駆動とも)を採用しています。この方式はエンジンと駆動系(ミッション、デフ等)の収納がエンジンルーム内で完結するので、軽量コンパクトかつ低コスト化が実現でき、室内を広く作りやすい(エンジンが横置きの場合)ほか、後輪駆動車に比べて直進安定性に優れることが主な特長です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が3395mmであるこの車の場合は「ミニ」(Mini:3500mm以下・Aセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


LA150F型 ステラ [658cc/52PS FF/CVT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

3代目ステラの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2021/09
LA160F型
[L Smart-Assist]
0.66L-NA | 4WD/CVT
| 132.8万円
52PS
6.1kgm
20.0km/L
2016/06
LA150F型
[L]
0.66L-NA | FF/CVT
| 113.4万円
52PS
6.1kgm
31.0km/L
2016/06
LA150F型
[Custom-RS]
0.66L-TB | FF/CVT
| 153.9万円
64PS
9.4kgm
27.4km/L
3代目ステラの車両型式・グレード一覧【全8車種】
ステラの旧型モデル
2代目 LA100F型ステラ
LA100F型ステラは2011/05に登場した2代目モデル。参考車両の「Custom-RS」は全長3395mm、全幅1475mm、全高1620mmの車体に、64PS/9.4kgmを発生するKF型658ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー SUBARU
車名&
グレード
ステラ
L Smart-Assist
その他 G | スマートアシスト | カスタムR
お値段 1201200円
車両型式 5BA-LA150F
駆動方式
変速機
FF・前輪駆動(FWD,2WD)
(無段変速機)
ドア/定員 5ドア/4人
車体寸法 長3395×幅1475×高1630mm
軸距&
輪距
2455mm
前1305mm/後1295mm
最小半径 4.4m
最低高 150mm
タイヤ 前輪:155/65R14
後輪:155/65R14
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ディスク
車両重量 820kg
エンジン諸元
原動機型式 KF
気筒配列 直列3気筒
排気量658cc
圧縮比11.3
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 52PS[38kW]/6800rpm
最大トルク 6.1kgm[60Nm]/5200rpm
使用燃料 レギュラーガソリン
WLTC燃費 20.7km/L(48.7mpg)
JC08燃費 26.4km/L(62.1mpg)
100km燃費 4.8L/100km
KF型NAエンジン諸元と性能
直列3気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に3個配置する方式。小排気量のスタンダード。
直列3気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される軽自動車税10800円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税3300円/年と自賠責保険料9865円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額4000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、ステラの新車を138.1万円(諸費用として18万円を加算)にて購入し、頭金なしで3年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
  • 自動車保険は比較で安くなる!

新車で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 軽自動車 13年未満 10800円
自動車重量税(1年分) 軽自動車 13年未満 3300円
自賠責保険料(1年分) 軽自動車 9865円
燃料代(年間1万km) 10000km÷20.7km/L×165円/L 79710円
オイル交換(5000km毎) 1回3000円×2回 6000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本8000円×4本÷5年 6400円
任意保険料(月額4000円) 月額4000円×12ヶ月 48000円
ローン完済後の年間維持費 164100円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額38370円×12ヶ月 460440円
ローン返済中の年間維持費 624600円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分+検査手数料等3000円程度 29400円
名目 金額
自動車税(1年分) 10800円円
自動車重量税(1年分) 3300円
自賠責保険料(1年分) 9865円
燃料代(年間1万km) 79710円
オイル交換(5000km毎) 6000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 6400円
任意保険料(月額4000円) 48000円
ローン完済後の年間維持費 164100円
名目 金額
車のローン額(1年分) 460440円
ローン返済中の年間維持費 624600円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
29400円
  • 初度登録から2年経過車の場合、「軽自動車で13年未満」クラスの自動車税は10800円、「軽自動車で13年未満」クラスの自動車重量税は3300円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに3000円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本8000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額4000円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2017年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした29400円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

ステラ【L Smart-Assist】の場合、維持費の月額は13700円(ローン完済前は52100円)になり、これは今にも壊れそうな格安車、あるいは維持費の安さに全てを懸けたスペシャルマシンから少しステップアップしたクラスになります。

「廉価車にしか乗れなかった自分が、ついにこれだけの維持費が掛かる車を所有できるようになったのだ、新しい自分になれたのだ。あの頃のアタシ、サヨナラ…」とかいう謎のカタルシスに浸りつつ、はるか高みで微笑む理想の自分に近付けるよう自分磨きに邁進しましょう。車としての維持費は安いほうで使い勝手も申し分のない、バランスの取れたクラスです。


低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 10800円 12%
自動車重量税 1年分 3300円 4%
自賠責保険料 1年分 9865円 11%
燃料代 3000km分 23910円 26%
オイル交換 年1回 3000円 3%
タイヤ交換 6年毎 4270円 5%
任意保険料 80% 38400円 39%
合計
[1万kmとの差額]
93600円
-70500円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 10800円 10%
自動車重量税 1年分 3300円 3%
自賠責保険料 1年分 9865円 9%
燃料代 5000km分 39860円 36%
オイル交換 年1回 3000円 3%
タイヤ交換 6年毎 4270円 4%
任意保険料 85% 40800円 35%
合計
[1万kmとの差額]
111900円
-52200円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 10800円 8%
自動車重量税 1年分 3300円 3%
自賠責保険料 1年分 9865円 8%
燃料代 7000km分 55800円 42%
オイル交換 年1回 4200円 3%
タイヤ交換 6年毎 4270円 3%
任意保険料 90% 43200円 33%
合計
[1万kmとの差額]
131500円
-32600円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料48000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて70500円安い93600円に、5000km走行では52200円安い111900円に、7000km走行では32600円安い131500円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 10800円 5%
自動車重量税 1年分 3300円 2%
自賠責保険料 1年分 9865円 5%
燃料代 15000km分 119570円 55%
オイル交換 年3回 18000円 8%
タイヤ交換 2.7年毎 9600円 4%
任意保険料 100% 48000円 21%
合計
[1万kmとの差額]
219200円
+55100円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 10800円 4%
自動車重量税 1年分 3300円 1%
自賠責保険料 1年分 9865円 4%
燃料代 20000km分 159420円 59%
オイル交換 年4回 24000円 9%
タイヤ交換 2年毎 12800円 5%
任意保険料 100% 48000円 18%
合計
[1万kmとの差額]
268200円
+104100円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。


【WLTC特典】市街地・郊外・高速道路の走行比率を変えるとどうなるの?

ひとくちにWLTCモード燃費と言いましても、信号や渋滞があるノロノロ道路の走行を想定した市街地モード(17.0km/L)、信号や渋滞が少ないスイスイ道路の走行を想定した郊外モード(22.5km/L)、高速道路の走行を想定した高速道路モード(21.6km/L)という3つの走行パターンを内包してありまして、これらを「平均的な使用時間配分」なるもので構成したのがWLTCモード燃費(20.7km/L)ということになります。

ここでは年間走行距離を10000kmとして市街地、郊外、高速道路の走行比率を変えてみたとき、WLTCモード燃費でのガソリン代79710円からどのように変化するかを見ていきたいと思います。

  • 1リットル165円として計算。
  • []内は低燃費タイヤ装着(エコタイヤ)で燃費が3%向上すると仮定した場合のガソリン代。
    「差額で元が取れるかな?どうかな?」という、なかなかに絶妙なラインです。

参考:燃費が3%向上すると…?
市街地17.0km/L → 17.5km/L
郊外22.5km/L → 23.2km/L
高速道路21.6km/L → 22.2km/L

●例1:都市部にお住まい

まず最初に、市街地の住まいを想定して、走行の大半を市街地(90%)、たまに郊外へお買い物(5%)、稀に高速道路に乗ってどこか遠くへ…(5%)という場合で見てみます。

市街地90%・郊外5%・高速5%
市街地9000km87350円
[84860円]
郊外500km3660円
[3560円]
高速道路500km3810円
[3710円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
94820円
+15110円
17.4km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
92130円
-2690円
17.9km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を9000kmとするとき、市街地モード燃費が17.0km/Lではガソリン529.4Lを消費して、ガソリン代は87350円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を500kmとするとき、郊外モード燃費が22.5km/Lではガソリン22.2Lを消費して、ガソリン代は3660円になります。
  • 高速道路走行のガソリン代
    高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が21.6km/Lではガソリン23.1Lを消費して、ガソリン代は3810円になります。

このパターンでは使用した燃料量が574.7L、かかったガソリン代が94820円となり、平均燃費は17.4km/L(-3.3km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は+15110円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着で燃費が3%アップするとして、同じ条件で走行するとガソリン代は92130円となり、2690円安くなります。車検2回ごとにタイヤ交換するとき、寿命までの5年間で13450円の経費削減になる計算です。純正タイヤとエコタイヤの差額がこれ以上ならお得、以下なら…?

●例2:市街地と郊外を行き来

次に、とにかく市街地と郊外を行ったり来たりする条件を想定して、市街地の走行を50%、郊外の走行を50%、高速道路は走行しない場合を見てみます。

市街地50%・郊外50%・高速0%
市街地5000km48530円
[47140円]
郊外5000km36660円
[35560円]
高速道路0km0円
[0円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
85190円
+5480円
19.4km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
82700円
-2490円
20.0km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を5000kmとするとき、市街地モード燃費が17.0km/Lでは294.1Lを消費して、ガソリン代は48530円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を5000kmとするとき、郊外モード燃費が22.5km/Lでは222.2Lを消費して、ガソリン代は36660円になります。

このパターンでは使用した燃料量が516.3L、かかったガソリン代が85190円となり、平均燃費は19.4km/L(-1.3km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は+5480円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着ではガソリン代が82700円となり、1年間で2490円、5年間で12450円の経費削減になる計算です。

●例3:市街地・郊外・高速道路をMix

続いて、都市部に住んでいて郊外の職場へ通勤、あるいは郊外に住んでいて都市部の職場へ通勤、高速利用もバッチリ!という感じでシミュレーションしてみます。

市街地33.3%・郊外33.4%・高速33.3%
市街地3330km32320円
[31400円]
郊外3340km24490円
[23760円]
高速道路3330km25440円
[24750円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
82250円
+2540円
20.1km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
79910円
-2340円
20.6km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を3330kmとするとき、市街地モード燃費が17.0km/Lでは195.9Lを消費して、ガソリン代は32320円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を3340kmとするとき、郊外モード燃費が22.5km/Lでは148.4Lを消費して、ガソリン代は24490円になります。
  • 高速道路走行のガソリン代
    高速道路の走行を3330kmとするとき、高速道路モード燃費が21.6km/Lでは154.2Lを消費して、ガソリン代は25440円になります。

このパターンでは使用した燃料量が498.5L、かかったガソリン代が82250円となり、平均燃費は20.1km/L(-0.6km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は+2540円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着ではガソリン代が79910円となり、1年間で2340円、5年間で11700円の経費削減になる計算です。

●例4:農村部にお住まい

最後に、びっくりするほど田舎な住まいを想定して、市街地の走行を5%、郊外の走行を90%、高速道路の走行を5%とした場合を見てみます。

市街地5%・郊外90%・高速5%
市街地500km4850円
[4720円]
郊外9000km66000円
[64000円]
高速道路500km3810円
[3710円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
74660円
-5050円
22.1km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
72430円
-2230円
22.8km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を500kmとするとき、市街地モード燃費が17.0km/Lでは29.4Lを消費して、ガソリン代は4850円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を9000kmとするとき、郊外モード燃費が22.5km/Lでは400.0Lを消費して、ガソリン代は66000円になります。
  • 高速道路走行のガソリン代
    高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が21.6km/Lでは23.1Lを消費して、ガソリン代は3810円になります。

このパターンでは使用した燃料量が452.5L、かかったガソリン代が74660円となり、平均燃費は22.1km/L(+1.4km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は-5050円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着ではガソリン代が72430円となり、1年間で2230円、5年間で11150円の経費削減になる計算です。

以上、極端な条件でのシミュレーションではありますが、走行シチュエーションによって平均燃費は変わり(17.4km/L・19.4km/L・20.1km/L・22.1km/L)、ガソリン代のほうもなかなかな違い(94820円・85190円・82250円・74660円)が出てくることがわかります。


1km走行コストと月間&年間交通費

距離/日費用/日月換算年換算
10km80円1800円2.1万円
20km160円3500円4.2万円
30km240円5300円6.2万円
50km400円8800円10.4万円
100km800円17600円20.8万円

さて、レギュラーガソリン1リットルの燃料価格を165円、燃費を20.7km/Lとしたとき、1km走行あたりのコストは7.97円になります。

たとえばこの車を通勤車とした場合、1日の走行距離が10kmならガソリン代は80円/日となり、20km走行なら160円/日、30km走行なら240円/日、50km走行なら400円/日、100km走行なら800円/日かかる計算です。

1か月の労働日数を22日として計算すると、通勤距離が30kmなら月間の走行距離は660kmでガソリン代は5300円/月、1年間の労働日数を260日とすると年間の走行距離は7800kmでガソリン代は6.2万円/年という塩梅です。


カタログデータから見えてくる要素

KF型エンジン簡易性能曲線図
KF型エンジン性能曲線図もどき
各回転域での馬力
5200回転時の馬力 44PS
6800回転時の馬力 52PS
6800回転時の馬力 52PS
各回転域でのトルク
5200回転時のトルク 6.1kgm
6800回転時のトルク 5.5kgm
6800回転時のトルク 5.5kgm
KF型NAエンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているKF型658cc、直列3気筒の自然吸気エンジンは6800回転時に最高出力52馬力を、5200回転時に最大トルク6.1kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、最大トルクと最高出力の発生回転数が程よく近いこのエンジンは、高めの回転数が得意なタイプのエンジンです。日常での使い勝手をある程度は確保しつつ、高回転のパワー感もしっかり伴う雰囲気の良さが自慢です。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する5200rpmから最高出力が発生する6800rpmまで」の1600rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は23.5%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
軽自動車クラス編
スバルの軽自動車編
最大トルク ランキング リスト
軽自動車クラス編
スバルの軽自動車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ15.769kg/PS(820kg/52PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ15.769kg/PS
車体+1人16.827kg/PS
車体+4人20.000kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg16.923kg/PS
車体+70kg17.115kg/PS
車体+80kg17.308kg/PS
車体+90kg17.500kg/PS
車体+100kg17.692kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは16.827kg/PS(875kg/52PS)となり、数値としては1.058kg、比率にすると6.7%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの4人が搭乗した場合、車両重量に220kgがプラスされてパワーウェイトレシオは20.000kg/PS(1040kg/52PS)となり、数値としては4.231kg、比率にすると26.8%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。


LA150F ステラのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2021/09

-
ステラ
16.827kg/PS
875kg/52PS|0.7L-NA
[車体のみPWR:15.769]
2014/02

車種詳細
ヴォクシー ハイブリッド
16.919kg/PS
1675kg/99PS|1.8L-NA
車体のみPWR:16.364
2013/08

車種詳細
カローラ フィールダー
16.689kg/PS
1235kg/74PS|1.5L-NA
車体のみPWR:15.946
2018/07

車種詳細
ジムニー
16.953kg/PS
1085kg/64PS|0.7L-TB
車体のみPWR:16.094
2014/10

車種詳細
エスクァイア
16.818kg/PS
1665kg/99PS|1.8L-NA
車体のみPWR:16.263
2010/05

車種詳細
エブリイ ワゴン
16.953kg/PS
1085kg/64PS|0.7L-TB
車体のみPWR:16.094

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ16.827kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

16.659kg/PSから16.995kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、トヨタの7人乗りミニバン「ZWR80G型 ヴォクシー ハイブリッド」、トヨタの5人乗りワゴン「NKE165G型 カローラ フィールダー」、スズキの4人乗り軽SUV「JB64W型 ジムニー」、トヨタの7人乗りミニバン「ZWR80G型 エスクァイア」、スズキの4人乗り軽1BOX「DA64W型 エブリイ ワゴン」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

LA150F型 ステラ [L Smart-Assist]とパワーウェイトレシオが近い車種|16.827kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は63.4PS/tとなっています。


ステラがバイクと競争するなら…?


車種詳細
シグナスX|124cc
16.731kg/PS
174kg/10.4PS/0.94kgm
[車体のみPWR:11.442]
1速ギヤ速度:32.4km/h
最小TWR:1.281
2021/09

-
ステラ|658cc
16.827kg/PS
875kg/52PS/6.1kgm
[車体のみPWR:15.769]
1速ギヤ速度:47.4km/h
最小TWR:2.488

車種詳細
エリミネーター125|124cc
16.833kg/PS
202kg/12.0PS/1.00kgm
[車体のみPWR:12.250]
1速ギヤ速度:36.8km/h
最小TWR:1.593

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではステラとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

SE12J シグナスXと競争してみる

まずステラより少しPWRが低いバイクとして、ヤマハのシグナスXが挙げられます。PWRの16.731kg/PSは車両重量119kgにライダーの体重55kgを加えた174kgを、最高出力10.4PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はシグナスXに15.0km/h勝り、1速TWRは1.207kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

BN125A エリミネーター125と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、カワサキのエリミネーター125が挙げられます。PWRの16.833kg/PSは車両重量147kg+55kgの202kgを、最高出力12.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は10.6km/h勝り、1速TWRは0.895kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.888
平均ピストンスピード 15.96m/s
トルクウェイトレシオ 134.43kg/kgm
1馬力あたりのお値段 23100円
排気量1Lあたり馬力 79.00PS/L
排気量1Lあたりトルク 9.27kgm/L
1気筒あたりの馬力 17.3PS
1気筒あたりのトルク 2.0kgm
パワーバンド比率 23.5%
燃費×馬力 1076.4pt
各種ランキング
ミニバン・1BOXのPWR
軽自動車のPWR(ターボ)

トルクウェイトレシオは134.43kg/kgm(820kg/6.1kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が1201200円、最高出力が52馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は23100円、逆に1万円あたりでは0.43馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は196918円、1万円あたりでは0.05kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
スバル編
軽自動車編
軽ミニバン編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は79.00PS/L、トルクは9.27kgm/L、1気筒あたりの馬力は17.3馬力、トルクは2.0kgmとなり、このエンジンが52馬力を6800回転で発生させているときの平均ピストンスピードは15.96m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が70.4mmであるKF型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は8520回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.888になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと真っ直ぐ進むことを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が20.7km/L、最高出力が52PSであるこの車の獲得ポイントは1076.4ptになります。
戯れに車両重量820kgを100kg単位にした8.2で割ってみたところ、その数値は131.27ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


人間様の占有スペース

人間様の占有スペース
室内長×幅×高 3.51m³
1人あたりのスペース 約0.88m³
室内長/全長 61.3%
室内幅/全幅 89.5%
室内高/全高 78.5%
室内容積/車両体積 43.0%

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は3.51m³です。この車の乗車定員は4人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.88m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は61.3%、同じく室内幅と全幅の比率は89.5%、同じく室内高と全高の比率は78.5%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は43.0%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


ステラでの車中泊

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.19m
期待される荷室の幅 1.22m
対角線の長さ 1.70m
期待される荷室の面積 1.45m²

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

縦方向の長さが1.19m(対角線では1.70m)しかないとなると、これはもう常識的に考えてかなり厳しい車中泊を強いられます。運転席あるいは助手席を後ろに倒して寝たほうがまだマシかもしれません。

俗に言う体育座りの体勢で横になれば寝られないこともないでしょうが、寝れども寝れども疲れは取れない上に猛烈な腰痛で目を覚ましかねず、実に爽やかな笑顔で「もう二度と車中泊なんてしないよ!」と後日談を語ることになりかねません。

軽自動車の場合、1BOXタイプ以外のものでは計算するまでもなく絶対的な長さが足りていません。前席を後に倒してフルフラット化できるとか、助手席だけでも前に倒せるなら後のスペースと連結して長さを確保できますが、そうでない場合は腰を痛める覚悟で車中泊に臨むことになります。
車中泊にあると嬉しいアイテム


ステラの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
WLTCモード燃費 20.7km/L
燃料タンク容量 30L
航続距離(カタログ燃費) 621.0km
航続距離(80%燃費) 498.0km
満タンプライス 4950円
1万円でどこまで行ける? 1254.5km
車両価格/航続距離 1934円/km

WLTCモード燃費が20.7km/Lですので、燃料タンクの容量が30リットルですと航続可能距離は621.0kmになります。(カタログ燃費通りに走行できた場合)

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(18.6km/L)とすると558.0km、80%(16.6km/L)だと498.0km、70%(14.5km/L)では435.0kmという航続距離になります。

燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、レギュラーガソリン30リットルの給油で4950円、上で計算した航続距離を踏まえると621.0km(80%燃費時498.0km)を走行するのに4950円かかる計算です。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば1254.5km(往復なら片道627.3km)、カタログ値の80%なら1003.6km(片道501.8km)離れたところまで行くことができます。

ちなみに、1回の給油で621.0kmの距離を移動できるLA150F型 ステラ [L Smart-Assist]という乗り物を、120.1万円で手に入れたと考えたとき、この車が1km走行するにあたっては「1934円の値打ちがある!」と言える、かもしれません。


市街地・郊外・高速道路の満タン航続距離

各モード燃費と航続距離
WLTCモード燃費
20.7km/L
621.0km
市街地燃費
17.0km/L
510.0km
[-111.0km]
郊外燃費
22.5km/L
675.0km
[+54.0km]
高速道路燃費
21.6km/L
648.0km
[+27.0km]

WLTCモード燃費には市街地モード・郊外モード・高速道路モードという3つの走行パターンが内包されておりますので、参考までにそれぞれのモード燃費で燃料タンクが空になるまで走行した場合の満タン航続距離を計算してみます。

燃料タンクの容量を30Lとしたとき、市街地モード燃費17.0km/Lでの航続距離は510.0km(-111.0km)、郊外モード燃費22.5km/Lでの航続距離は675.0km(+54.0km)、高速道路モード燃費21.6km/Lでの航続距離は648.0km(+27.0km)となります。

ある特定のシチュエーションのみを、燃料タンクが空になるまで走行することはなかなかありませんが、「その気になればこのくらいの距離を走れちゃうんだぜ!」という参考データだけは持っておくと、次回の給油回数削減チャレンジでギリギリのラインを狙っていくのに役立つ、かもしれません。


ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合6800rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした7300回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 7300rpm|タイヤサイズ 155/65R14|タイヤ直径 55.7cm|円周長 175.0cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
7300rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 3.327 15.05 -
-
51km/h 14330rpm 329.6kgm
2速 0.628 2.84 0.189 1-2/
1380rpm
270km/h 2710rpm 62.2kgm
Final 4.523 レシオカバレッジ(変速比幅)5.298

ギヤの繋がりイメージ
LA150F型ステラCVT車のギヤ比イメージ
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数5200rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.523)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(6.1kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.523)÷タイヤの有効半径(0.2785m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は2速ギヤの270km(6800rpmでは251.4km/h)となります。CVTは無段変速機というだけあって、変速比を低速側の3.327から高速側の0.628の間で自由自在に可変できる変速機ですから、実際にはちょうどいい塩梅の妥当な回転数にて妥当な最高速に落ち着くものと思われます。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが5200回転で最大トルク6.1kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば134.43kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(15.769kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと329.6kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(820kg)を1速ギヤの最大駆動力(329.6kgm)で割ってみると2.488kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する6800回転でのトルク(5.5kgm)からTWRを算出すると2.76kg/kgmとなり、5200-6800回転の回転域では2.488-2.76kg/kgmの間で推移することがわかります。


ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 5730 8600 11470 14330 17200 20060 25800
2速 1080 1620 2160 2710 3250 3790 4870
※赤い数字は暫定レブリミット(7300rpm)を上回るもの。
※CVTの場合はどのようにギヤ比を制御をしているのか想像も付かないので参考値です。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.628)を選択して時速100kmにて走行すると2700回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1620回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1890回転、一般的な高速道路の80km/hでは2160回転、100km/hでは2700回転、制限速度が120km/hになると3250回転、軽自動車の速度リミッターが働く140km/hでは3790回転になります。仮にリミッター解除で180km/hまで出たとすると4870回転まで回ります。

一般的な自動車であれば時速100kmでの巡航回転数は2500回転付近に落ち着くようですが、その中でも若干高めの回転数となっています。標準的なギヤ比の範囲内ながらも静粛性や燃費よりも加速に重きを置いた設定なので、高速道路やバイパスを走行するとき、ふと「もう1段上のギヤがあったらなあ‥」と呟くことがあるかもしれません。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 7 14 21 28 35 42 49 56
2速 37 74 111 148 185 222 259 296

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(7300回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。


純正装着タイヤの155/65R14と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 155/65R14 | 直径 557mm

-20mm
幅135mm
-10mm
幅145mm
変更なし
幅155mm
+10mm
幅165mm
+20mm
幅175mm
-5%
60
扁平
135/60R14
37.2km/h
直径518mm
径差-39mm
145/60R14
38.1km/h
直径530mm
径差-27mm
155/60R14
38.9km/h
直径542mm
径差-15mm
165/60R14
39.8km/h
直径554mm
径差-3mm
175/60R14
40.6km/h
直径566mm
径差+9mm
0%
65
扁平
135/65R14
38.2km/h
直径532mm
径差-25mm
145/65R14
39.1km/h
直径545mm
径差-12mm
155/65R14
40.0km/h
557mm
0mm
165/65R14
41.0km/h
直径571mm
径差+14mm
175/65R14
41.9km/h
直径584mm
径差+27mm
+5%
70
扁平
135/70R14
39.1km/h
直径545mm
径差-12mm
145/70R14
40.1km/h
直径559mm
径差+2mm
155/70R14
41.1km/h
直径573mm
径差+16mm
165/70R14
42.2km/h
直径587mm
径差+30mm
175/70R14
43.2km/h
直径601mm
径差+44mm
+10%
75
扁平
135/75R14
40.1km/h
直径559mm
径差+2mm
145/75R14
41.2km/h
直径574mm
径差+17mm
155/75R14
42.3km/h
直径589mm
径差+32mm
165/75R14
43.4km/h
直径604mm
径差+47mm
175/75R14
44.5km/h
直径619mm
径差+62mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、135/65R14、135/70R14 、145/60R14、145/65R14 、155/60R14 、165/60R14 あたりのタイヤがおすすめです。

155/65R14のタイヤ幅を135mmから185mmまで、扁平率を50%から80%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、155/65R14の適応サイズと性能の変化 [LA150F型ステラ編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはオートウェイのタイヤ通販をご覧ください。


LA150F型ステラ[0.66L-NA FF/CVT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト15.769kg/ps33.29
1速ギヤ加速性能2.488kg/kgm30.68
1L換算馬力79.00ps/L54.65
1L換算トルク9.27kgm/L47.56
WB/TR比1.88838.14
ワイド&ロー指数1.10534.14
前面の面積2.404m²56.03
最低地上高150mm51.53
スポーツ性能部門の得点346.02

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
WLTC燃費20.7km/L58.86
年間維持費164100円64.99
100kmh回転数2710rpm47.26
航続距離621.0km44.64
車の大きさ8.162m³36.94
室内の広さ3.514m³51.24
最小回転半径4.4m66.04
馬力単価23100円47.50
ユーティリティ部門の得点417.47

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した LA150F型ステラ[0.66L-NA FF/CVT] の総合得点は 763.49 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したLA150F型ステラ(FF/CVT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのトールワゴン」、「軽自動車のトールワゴン」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

ステラの歴代モデル

3代目 LA150F型 ステラ
LA150F ステラは2014/12に登場した3代目モデル。参考車両の「L」は全長3395mm、全幅1475mm、全高1630mmの車体に、52PS/6.1kgmを発生するKF型658ccエンジンを搭載した4人乗り軽ミニバン。

2代目 LA110F型 ステラ
LA110F ステラは2011/05に登場した2代目モデル。参考車両の「L-Limited Idling-Stop」は全長3395mm、全幅1475mm、全高1635mmの車体に、52PS/6.1kgmを発生するKF型658ccエンジンを搭載した4人乗り軽ミニバン。

初代 RN2型 ステラ
RN2 ステラは2006/06に登場した初代モデル。参考車両の「L」は全長3395mm、全幅1475mm、全高1645mmの車体に、54PS/6.4kgmを発生するEN07型658ccエンジンを搭載した4人乗り軽ミニバン。