HNV37 スカイラインの性能と維持費 4WD/7AT 554万円 2014年式

このページでは、日産自動車の4ドア・5人乗りセダン、13代目のDAA-HNV37型スカイライン 350GT Hybrid type-SP【2014/02モデル・306PS/35.7kgm・4WD/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

HNV37 スカイライン
販売期間:2014/02 -

画像は日産自動車より引用
http://www.nissan.co.jp/
投稿:2013/11/14|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長4800mm×全幅1820mm×全高1450mm、排気量は3498ccであることから、大雑把に分類すると3.5リットルクラス(3500cc、自動車税は3.5L以下を適用)に属し、全長、全幅、排気量ともに5ナンバー枠を超えていることにより完全無欠の3ナンバー登録車です。いわゆる【高級車】にカテゴライズされます。
参考:300PS~350PSの自動車 一覧

駆動方式には車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆる四輪駆動(All Wheel Drive・AWD・Four Wheel Drive・4WDとも)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4800mmであるこの車の場合は「アッパーミディアム」(Upper-Medium:4650mm超-4900mm以下・Eセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


HNV37型 スカイライン [3498cc/306PS 4WD/7AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

13代目スカイラインの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2023/09
RV37型
[NISMO]
3.0L-TB・FR/7AT・788.0万円
420PS・56.1kgm・10.0km/L
420PS
56.1kgm
10.0km/L
2019/09
RV37型
[400R]
3.0L-TB・FR/7AT・552.3万円
405PS・48.4kgm・10.0km/L
405PS
48.4kgm
10.0km/L
2019/09
RV37型
[GT]
3.0L-TB・FR/7AT・427.5万円
305PS・40.8kgm・10.0km/L
305PS
40.8kgm
10.0km/L
13代目スカイラインの車両型式・グレード一覧【全9車種】
スカイラインの旧型モデル
12代目 KV36型スカイライン
KV36型スカイラインは2006/11に登場した12代目モデル。参考車両の「370GT type-S」は全長4780mm、全幅1770mm、全高1450mmの車体に、330PS/36.8kgmを発生するVQ37型3696ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー 日産自動車
車名&
グレード
スカイライン
350GT Hybrid type-SP
その他 タイプP モータ型式HM34型(50kW/290Nm)
お値段 5537700円
車両型式 DAA-HNV37
駆動方式
変速機
4WD・四輪駆動(AWD)
7速AT・7速オートマ車
ドア/定員 4ドア/5名乗車
車体寸法 長4800×幅1820×高1450mm
室内寸法 長2000×幅1480×高1180mm
軸距&
輪距
2850mm
前1535mm/後1560mm
最小半径 5.7m
最低高 120mm
タイヤ 前輪:245/40R19
後輪:245/40R19
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 1880kg
エンジン諸元
原動機型式 VQ35HR
気筒配列 V型6気筒+モーター
排気量3498cc
圧縮比10.6
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 306PS[225kW]/6800rpm
最大トルク 35.7kgm[350Nm]/5000rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
JC08燃費 16.8km/L(39.5mpg)
100km燃費 6.0L/100km
VQ35HR型エンジンの諸元と性能まとめ
V型6気筒とは‥シリンダをV字型に交互で6個配置する方式。中排気量のスタンダード。モーターを組み合わせることでハイブリッドカーとなります。
これまでに登場したハイブリッドカーの一覧
V型6気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税58000円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税16400円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額7000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、スカイラインの新車を636.9万円(諸費用として83.1万円を加算)にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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新車で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 3500cc以下 13年未満 58000円
自動車重量税(1年分) 2.0トン以下 13年未満 16400円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷15.6×185円/L 118590円
オイル交換(5000km毎) 1回6000円×2回 12000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本21000円×4本÷5年 16800円
任意保険料(月額7000円) 月額7000円×12ヶ月 84000円
ローン完済後の年間維持費 314700円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額106140円×12ヶ月 1273680円
ローン返済中の年間維持費 1588300円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 53500円
名目 金額
自動車税(1年分) 58000円
自動車重量税(1年分) 16400円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
118590円
(83010円)
(59300円)
(35580円)
オイル交換(5000km毎) 12000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 16800円
任意保険料(月額7000円) 84000円
ローン完済後の年間維持費 314700円
名目 金額
車のローン額(1年分) 1273680円
ローン返済中の年間維持費 1588300円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
53500円
  • 初度登録から10年経過車の場合、「3500cc以下で13年未満」クラスの自動車税は58000円、「2.0トン以下で13年未満」クラスの自動車重量税は16400円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに6000円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本21000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額7000円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした53500円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

お財布に厚みが増した勢いで少し色気を出して愛車にステータス性を求めるなら、月換算26300円くらいの出費は覚悟しましょう。なあに大丈夫、愛車のためです。

口癖のように「もうちょっと維持費が安ければねえ…?」なんて呟くその姿は自慢げなようであり、しかし哀愁を帯びているようでもあり、傍からすれば対応に困ります。より維持費の安い新車を買うほどではない…ないが…考えずにもいられない、そんなクラスです。全体から見るとこの辺りから面白味のある車が増えてきます。

スカイラインの維持費は高い?安い?

「スカイラインの年間維持費は314700円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「3500ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてスカイラインの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いCX-60271400円-43300円
ディグニティ310600円-4100円
スカイラインの維持費314700円
Eクラス セダン351800円+37100円
IS387200円+72500円
基準3500ccクラス平均425800円+111100円
911 クーペ502500円+187800円
カマロ クーペ553300円+238600円
高い5シリーズ セダン736000円+421300円

スカイラインの年間維持費を、3500ccクラスで最も維持費が安いCX-60と比較して43300円高く、最も高い5シリーズ セダンと比較して421300円安く、3500ccクラスの平均維持費との比較では111100円安くなっています。

最低額のCX-60と最高額の5シリーズ セダンは極端な例としても、3500ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、スカイラインの維持費は かなり安い! と言えそうです。

年間維持費が安い 3500ccクラスの車 ランキング

スカイラインを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%410万円35万円27万円
15%270万円23万円18万円
20%200万円17万円14万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は410万円(総支給額35万円/月、手取り27万円/月)、ここから月額維持費2.6万円を支払うと残りは24.4万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は270万円(総支給額23万円/月、手取り18万円/月)、2.6万円を支払うと残りは15.4万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が200万円(総支給額17万円/月、手取り14万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。2.6万円を引くと残りは11.4万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代12万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり185円を基準として、-50円となる135円から、+50円となる235円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費15.6km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
135円/L
86550円
[-32040円]
-25円
160円/L
102580円
[-16010円]
-10円
175円/L
112200円
[-6390円]
185円/L118590円
[0円]
+10円
195円/L
125020円
[+6430円]
+25円
210円/L
134640円
[+16050円]
+50円
235円/L
150660円
[+32070円]

燃費15.6km/LのHNV37型 スカイラインで10000km走行するのに必要な燃料は641.1L、1リットルあたり185円としたときの燃料代は118590円になります。

参考までに、スカイラインの燃料タンクは70リットルですので、641.1Lの給油回数は10回、1回あたりの燃料代は約11860円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては6430円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると16050円、50円も違ってくると32070円にもなります。

これをHNV37型 スカイラインの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり185円の場合を314700円としたとき、135円/Lに値下がりすれば282660円(89.8%)に、235円/Lに値上がりすれば346770円(110.2%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(58000円)なり重量税(16400円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 58000円 29%
自動車重量税 1年分 16400円 8%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 3000km分 35580円 18%
オイル交換 年1回 6000円 3%
タイヤ交換 6年毎 11200円 6%
任意保険料 80% 67200円 32%
合計
[1万kmとの差額]
203300円
-111400円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 58000円 25%
自動車重量税 1年分 16400円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 5000km分 59300円 26%
オイル交換 年1回 6000円 3%
タイヤ交換 6年毎 11200円 5%
任意保険料 85% 71400円 30%
合計
[1万kmとの差額]
231200円
-83500円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 58000円 22%
自動車重量税 1年分 16400円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 7000km分 83010円 32%
オイル交換 年1回 8400円 3%
タイヤ交換 6年毎 11200円 4%
任意保険料 90% 75600円 30%
合計
[1万kmとの差額]
261500円
-53200円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料84000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて111400円安い203300円に、5000km走行では83500円安い231200円に、7000km走行では53200円安い261500円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 58000円 14%
自動車重量税 1年分 16400円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 15000km分 177890円 44%
オイル交換 年3回 36000円 9%
タイヤ交換 2.7年毎 25200円 6%
任意保険料 100% 84000円 21%
合計
[1万kmとの差額]
406400円
+91700円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 58000円 12%
自動車重量税 1年分 16400円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 20000km分 237180円 49%
オイル交換 年4回 48000円 10%
タイヤ交換 2年毎 33600円 7%
任意保険料 100% 84000円 17%
合計
[1万kmとの差額]
486100円
+171400円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
日産の小型車&普通車編
3500cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
4ドア・セダン編

スカイラインの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
JC08モード燃費 16.8km/L
燃料タンク容量 70L
航続距離(カタログ燃費) 1176.0km
航続距離(80%燃費) 938.0km
満タンプライス 12950円
1km走行コスト 11.01円
1万円でどこまで行ける? 908.1km

JC08モード燃費が16.8km/L、燃料タンク容量70リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は1176.0kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(15.1km/L)とすると航続距離は1057.0km、80%(13.4km/L)だと938.0km、70%(11.8km/L)では826.0kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から70リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり185円では12950円、上で計算した航続距離を踏まえると1176.0km(80%燃費時938.0km)を走行するのに12950円かかる計算です。

燃費を15.6km/Lとしたときの1km走行コストは11.01円、10万km走行したときの燃料代は110.1万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら11.0万円/年、7年10万kmなら15.7万円/年、5年10万kmなら22.0万円/年、3年10万kmなら36.7万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば908.1km(往復なら片道454.1km)、カタログ値の80%なら726.5km(片道363.2km)離れたところまで行くことができます。

カタログデータから見えてくる要素

VQ35HR型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
5000回転時の馬力 249PS
6800回転時の馬力 306PS
各回転域でのトルク
5000回転時のトルク 35.7kgm
6800回転時のトルク 32.2kgm
VQ35HR型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているVQ35型3498cc、V型6気筒+モーターの自然吸気エンジンは6800回転時に最高出力306馬力を、5000回転時に最大トルク35.7kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、最大トルクと最高出力の発生回転数が程よく近いこのエンジンは、高めの回転数が得意なタイプのエンジンです。日常での使い勝手をある程度は確保しつつ、高回転のパワー感もしっかり伴う雰囲気の良さが自慢です。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する5000rpmから最高出力が発生する6800rpmまで」の1800rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は26.5%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
3500cc以下クラス編
日産の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
3500cc以下クラス編
日産の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ6.144kg/PS(1880kg/306PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ6.144kg/PS
車体+1人6.324kg/PS
車体+5人7.042kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg6.340kg/PS
車体+70kg6.373kg/PS
車体+80kg6.405kg/PS
車体+90kg6.438kg/PS
車体+100kg6.471kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは6.324kg/PS(1935kg/306PS)となり、数値としては0.180kg、比率にすると2.9%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは7.042kg/PS(2155kg/306PS)となり、数値としては0.898kg、比率にすると14.6%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

HNV37 スカイラインのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2014/02

-
スカイライン
6.324kg/PS
1935kg/306PS|3.5L-NA
[車体のみPWR:6.144]
2010/02

車種詳細
クラウン ハイブリッド
6.368kg/PS
1885kg/296PS|3.5L-NA
車体のみPWR:6.182
2001/05

車種詳細
アコード
6.295kg/PS
1385kg/220PS|2.2L-NA
車体のみPWR:6.045
2015/01

車種詳細
レジェンド
6.481kg/PS
2035kg/314PS|3.5L-NA
車体のみPWR:6.306
2009/08

車種詳細
SC
6.411kg/PS
1795kg/280PS|4.3L-NA
車体のみPWR:6.214
2017/10

車種詳細
アルテオン
6.268kg/PS
1755kg/280PS|2.0L-TB
車体のみPWR:6.071

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ6.324kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

6.134kg/PSから6.514kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、トヨタの5人乗りセダン「GWS204型 クラウン ハイブリッド」、ホンダの5人乗りセダン「CL1型 アコード」、ホンダの5人乗りセダン「KC2型 レジェンド」、レクサスの4人乗りオープンカー「UZZ40型 SC」、フォルクスワーゲンの5人乗りセダン「3HDJHF型 アルテオン」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

HNV37型 スカイライン [350GT Hybrid type-SP]のライバル車種|6.324kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は162.8PS/tとなっています。


スカイラインがバイクと競争するなら…?


車種詳細
MT-25|249cc
6.314kg/PS
221kg/35.0PS/2.30kgm
[車体のみPWR:4.743]
1速ギヤ速度:57.0km/h
最小TWR:0.910
2014/02

-
スカイライン|3498cc
6.324kg/PS
1935kg/306PS/35.7kgm
[車体のみPWR:6.144]
1速ギヤ速度:69.7km/h
最小TWR:1.432

車種詳細
スカイウェイブ650LX|638cc
6.340kg/PS
336kg/53.0PS/5.90kgm
[車体のみPWR:5.302]
1速ギヤ速度:48.3km/h
最小TWR:0.871

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではスカイラインとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

RG43J MT-25と競争してみる

まずスカイラインより少しPWRが低いバイクとして、ヤマハのMT-25が挙げられます。PWRの6.314kg/PSは車両重量166kgにライダーの体重55kgを加えた221kgを、最高出力35.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はMT-25に12.7km/h勝り、1速TWRは0.522kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

CP52A スカイウェイブ650LXと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、スズキのスカイウェイブ650LXが挙げられます。PWRの6.340kg/PSは車両重量281kg+55kgの336kgを、最高出力53.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は21.4km/h勝り、1速TWRは0.561kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.841
平均ピストンスピード 18.45m/s
トルクウェイトレシオ 52.66kg/kgm
1馬力あたりのお値段 18097円
排気量1Lあたり馬力 87.48PS/L
排気量1Lあたりトルク 10.21kgm/L
1気筒あたりの馬力 51.0PS
1気筒あたりのトルク 6.0kgm
パワーバンド比率 26.5%
燃費×馬力 4779.7pt
各種ランキング
セダンのPWR
3.0~3.5L以下のPWR

トルクウェイトレシオは52.66kg/kgm(1880kg/35.7kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が5537700円、最高出力が306馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は18097円、逆に1万円あたりでは0.55馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は155118円、1万円あたりでは0.06kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
日産編
3500cc以下の車編
セダン編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は87.48PS/L、トルクは10.21kgm/L、1気筒あたりの馬力は51.0馬力、トルクは6.0kgmとなり、このエンジンが306馬力を6800回転で発生させているときの平均ピストンスピードは18.45m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が81.4mmであるVQ35型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は7370回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.841になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと真っ直ぐ進むことを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が15.62km/L、最高出力が306PSであるこの車の獲得ポイントは4779.7ptになります。
戯れに車両重量1880kgを100kg単位にした18.8で割ってみたところ、その数値は254.24ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


人間様の占有スペース

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

人間様の占有スペース
室内長×室内幅×室内高 3.493m³
1人あたりのスペース 0.699m³
室内長/全長 41.7%
室内幅/全幅 81.3%
室内高/全高 81.4%
室内容積/車両体積 27.6%

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は3.493m³です。この車の乗車定員は5人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.699m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は41.7%、同じく室内幅と全幅の比率は81.3%、同じく室内高と全高の比率は81.4%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は27.6%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


スカイラインでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.680m
期待される荷室の幅 1.380m
対角線の長さ 2.174m
期待される荷室の面積 2.318m²

縦方向の長さが1.680m(対角線では2.174m)ともなると、もはや車の中で生活しても良いんじゃないかと錯覚しかねないほど快適な睡眠が約束されます。

日頃の行いが悪いとか、人様には言えないことをやらかしたとか、誰の顔も見たくないなどの訳アリで家に帰れず、やむなく車中泊をしてみたが最期、あまりの気楽さに心を奪われ流浪の民となりかねません。

セダンやクーペであっても後部座席の背もたれを取り外してトランクルームと貫通させて荷室長を確保すれば良いだけの話です。たまに背もたれを取り外してもトランクルームと繋がっていなかったり、頑強な補強バーが入っていて邪魔されることもありますが、恐らく稀なケースです。

車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合6800rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした7300回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 7300rpm|タイヤサイズ 245/40R19|タイヤ直径 67.9cm|円周長 213.3cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
7300rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 4.783 12.49 -
-
75km/h 9760rpm 1313.2kgm
2速 3.102 8.10 0.649 1-2/
4740rpm
115km/h 6330rpm 851.7kgm
3速 1.984 5.18 0.640 2-3/
4670rpm
180km/h 4050rpm 544.7kgm
4速 1.371 3.58 0.691 3-4/
5040rpm
261km/h 2800rpm 376.4kgm
5速 1.000 2.61 0.729 4-5/
5320rpm
358km/h 2040rpm 274.6kgm
6速 0.870 2.27 0.870 5-6/
6350rpm
411km/h 1770rpm 238.9kgm
7速 0.775 2.02 0.891 6-7/
6500rpm
462km/h 1580rpm 212.8kgm
Final 2.611 レシオカバレッジ(変速比幅)6.172

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数5000rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(2.611)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(35.7kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(2.611)÷タイヤの有効半径(0.3395m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は7速ギヤの462km(6800rpmでは430.1km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが5000回転で最大トルク35.7kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば52.66kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(6.144kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと1313.2kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1880kg)を1速ギヤの最大駆動力(1313.2kgm)で割ってみると1.432kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する6800回転でのトルク(32.2kgm)からTWRを算出すると1.587kg/kgmとなり、5000-6800回転の回転域では1.432-1.587kg/kgmの間で推移することがわかります。


おまけ:6800rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

HNV37型スカイラインに搭載されたVQ35型3498ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する6800rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

6800rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ70km/h-
2速ギヤ107km/h4410rpm
3速ギヤ168km/h4350rpm
4速ギヤ243km/h4700rpm
5速ギヤ333km/h4960rpm
6速ギヤ383km/h5920rpm
7速ギヤ430km/h6060rpm

まず1速ギヤで6800rpmまで引っ張ると70km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は6800rpmから4410rpmまで落ち、そこから6800rpmまで加速を続けると速度は107km/h(+37km/h)になります。

3速ギヤでは4350rpmまで落ちて6800rpmで168km/h(+61km/h)に、4速ギヤでは4700rpmまで落ちて6800rpmで243km/h(+75km/h)に、5速ギヤでは4960rpmまで落ちて6800rpmで333km/h(+90km/h)になります。

続いて6速ギヤでは5920rpmまで落ちて6800rpmで383km/h(+50km/h)に、7速ギヤでは6060rpmまで落ちて6800rpmで430km/h(+47km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 3900 5850 7810 9760 11710 13660 17560
2速 2530 3800 5060 6330 7590 8860 11390
3速 1620 2430 3240 4050 4860 5670 7290
4速 1120 1680 2240 2800 3360 3920 5030
5速 820 1220 1630 2040 2450 2860 3670
6速 710 1060 1420 1770 2130 2480 3190
7速 630 950 1260 1580 1900 2210 2850
※赤い数字は暫定レブリミット(7300rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.775)を選択して時速100kmにて走行すると1580回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは950回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1110回転、一般的な高速道路の80km/hでは1270回転、100km/hでは1580回転、制限速度が120km/hになると1900回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは2850回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 10 20 31 41 51 61 72 82
2速 16 32 47 63 79 95 111 126
3速 25 49 74 99 124 148 173 198
4速 36 72 107 143 179 215 250 286
5速 49 98 147 196 245 294 343 392
6速 56 113 169 225 282 338 394 451
7速 63 126 190 253 316 379 443 506

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(7300回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの245/40R19と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 245/40R19 | 直径 679mm

-20mm
幅225mm
-10mm
幅235mm
変更なし
幅245mm
+10mm
幅255mm
+20mm
幅265mm
-5%
35
扁平
225/35R19
37.8km/h
直径641mm
径差-38mm
235/35R19
38.2km/h
直径648mm
径差-31mm
245/35R19
38.6km/h
直径655mm
径差-24mm
255/35R19
39.0km/h
直径662mm
径差-17mm
265/35R19
39.4km/h
直径669mm
径差-10mm
0%
40
扁平
225/40R19
39.1km/h
直径663mm
径差-16mm
235/40R19
39.5km/h
直径671mm
径差-8mm
245/40R19
40.0km/h
679mm
0mm
255/40R19
40.5km/h
直径687mm
径差+8mm
265/40R19
40.9km/h
直径695mm
径差+16mm
+5%
45
扁平
225/45R19
40.4km/h
直径686mm
径差+7mm
235/45R19
40.9km/h
直径695mm
径差+16mm
245/45R19
41.5km/h
直径704mm
径差+25mm
255/45R19
42.0km/h
直径713mm
径差+34mm
265/45R19
42.5km/h
直径722mm
径差+43mm
+10%
50
扁平
225/50R19
41.7km/h
直径708mm
径差+29mm
235/50R19
42.3km/h
直径718mm
径差+39mm
245/50R19
42.9km/h
直径728mm
径差+49mm
255/50R19
43.5km/h
直径738mm
径差+59mm
265/50R19
44.1km/h
直径748mm
径差+69mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、225/40R19 、235/35R19、235/40R19 、245/35R19 、255/35R19 、265/35R19あたりのタイヤがおすすめです。

245/40R19のタイヤ幅を225mmから275mmまで、扁平率を25%から55%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、245/40R19の適応サイズと性能の変化 [HNV37型スカイライン編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】245/40R19のタイヤ銘柄と通販価格

HNV37型スカイライン[3.5L-NA 4WD/7AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト6.144kg/ps59.92
1速ギヤ加速性能1.432kg/kgm53.08
1L換算馬力87.48ps/L61.35
1L換算トルク10.21kgm/L59.02
WB/TR比1.84142.99
ワイド&ロー指数0.79756.94
前面の面積2.639m²49.67
最低地上高120mm64.02
スポーツ性能部門の得点446.99

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
JC08燃費16.8km/L48.67
年間維持費314700円51.09
100kmh回転数1580rpm62.07
航続距離1176.0km76.78
車の大きさ12.667m³54.80
室内の広さ3.493m³50.71
最小回転半径5.7m39.18
馬力単価18097円54.55
ユーティリティ部門の得点437.85

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した HNV37型スカイライン[3.5L-NA 4WD/7AT] の総合得点は 884.84 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したHNV37型スカイライン(4WD/7AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのセダン」、「3500ccのセダン」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

スカイラインの歴代モデル

13代目 ZV37型 スカイライン
ZV37 スカイラインは2014/02に登場した13代目モデル。参考車両の「200GT-t」は全長4790mm、全幅1820mm、全高1450mmの車体に、211PS/35.7kgmを発生する274930型1991ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

12代目 NJ50型 スカイライン クロスオーバー
NJ50 スカイライン クロスオーバーは2009/07に登場した12代目モデル。参考車両の「370GT-FOUR」は全長4635mm、全幅1800mm、全高1575mmの車体に、330PS/36.8kgmを発生するVQ37型3696ccエンジンを搭載した5人乗りSUV。

11代目 HV35型 スカイライン
HV35 スカイラインは2001/06に登場した11代目モデル。参考車両の「300GT」は全長4675mm、全幅1750mm、全高1470mmの車体に、260PS/33.0kgmを発生するVQ30型2987ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

10代目 ENR34型 スカイライン セダン
ENR34 スカイライン セダンは1998/05に登場した10代目モデル。参考車両の「25GT-FOUR」は全長4705mm、全幅1720mm、全高1385mmの車体に、200PS/26.0kgmを発生するRB25型2498ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

9代目 BCNR33型 スカイラインGT-R
BCNR33 スカイラインGT-Rは1993/08に登場した9代目モデル。参考車両の「GT-R」は全長4675mm、全幅1780mm、全高1360mmの車体に、280PS/37.5kgmを発生するRB26型2568ccエンジンを搭載した4人乗りクーペ。

8代目 ECR32型 スカイライン クーペ
ECR32 スカイライン クーペは1989/05に登場した8代目モデル。参考車両の「GTS25 type-S」は全長4530mm、全幅1695mm、全高1325mmの車体に、180PS/23.0kgmを発生するRB25型2498ccエンジンを搭載した5人乗りクーペ。