BNR32 スカイラインGT-Rの性能と維持費 4WD/5MT 529万円

このページでは、日産自動車の2ドア・4人乗りクーペ、8代目のE-BNR32型スカイラインGT-R GT-R V-specII【1994/02モデル・280PS/36.0kgm・4WD/MT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

BNR32 スカイラインGT-R
販売期間:1989/05 - 1993/08

画像は日産自動車より引用
http://www.nissan.co.jp/
投稿:2011/08/03|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長4545mm×全幅1755mm×全高1355mm、排気量は2568ccであることから、大雑把に分類すると2.6リットルクラス(2600cc、自動車税は3.0L以下を適用)に属し、全長、全高は5ナンバー枠ながら全幅が1.7mを超え、排気量も2000ccを超えていることにより3ナンバー登録になります。比較的コンパクトなボディに大きめなエンジンの組み合わせは世界戦略車(グローバルカー)やちょっとした高級車に良くあるパターンです。
参考:280馬力の国産車 一覧

駆動方式には車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆる四輪駆動(All Wheel Drive・AWD・Four Wheel Drive・4WDとも)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4545mmであるこの車の場合は「ミディアム」(Medium:4300mm超-4650mm以下・Dセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


BNR32型 スカイラインGT-R [2568cc/280PS 4WD/5MT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

8代目スカイラインGT-Rの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
1992/11
HCR32型
[GTS-t type-M]
2.0L-TB・FR/5MT・268.6万円
215PS・27.0kgm・9.5km/L
215PS
27.0kgm
9.5km/L
1992/11
HCR32型
[GTS-t type-M]
2.0L-TB・FR/4AT・278.3万円
215PS・27.0kgm・8.0km/L
215PS
27.0kgm
8.0km/L
1992/11
HCR32型
[GTS type-S]
2.0L-NA・FR/5MT・239.5万円
155PS・18.8kgm・9.8km/L
155PS
18.8kgm
9.8km/L
8代目 スカイライン 型式一覧 R32系まとめ 1989-1993【全24車種】
スカイラインGT-Rの新型モデル
9代目 BCNR33型スカイラインGT-R
BCNR33型スカイラインGT-Rは1993/08に登場した9代目モデル。参考車両の「GT-R NISMO 400R」は全長4675mm、全幅1830mm、全高1330mmの車体に、400PS/47.8kgmを発生するRB-X GT2型2771ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー 日産自動車
車名&
グレード
スカイラインGT-R
GT-R V-specII
その他 GTR V-spec. NISMO
お値段 5290000円
車両型式 E-BNR32
駆動方式
変速機
4WD・四輪駆動(AWD)
5速MT・5速マニュアル車
ドア/定員 2ドア/4名乗車
車体寸法 長4545×幅1755×高1355mm
室内寸法 長1805×幅1400×高1090mm
軸距&
輪距
2615mm
前1480mm/後1480mm
最小半径 5.5m
最低高 140mm
タイヤ 前輪:245/45R17
後輪:245/45R17
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 1500kg
エンジン諸元
原動機型式 RB26DETT
気筒配列 直列6気筒
排気量2568cc
圧縮比8.5
吸気方式 ツインターボ
最高出力 280PS[206kW]/6800rpm
最大トルク 36.0kgm[353Nm]/4400rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
10・15燃費 8.2km/L(19.3mpg)
100km燃費 12.2L/100km
RB26DETT型エンジンの諸元と性能まとめ
直列6気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に6個配置する方式。理論上では完全バランスなれど今や絶滅危惧種。
直列6気筒エンジンを搭載する車種の一覧
直列6気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税58600円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税18900円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額6500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、1994/02モデルのスカイラインGT-Rを30年落ちの中古で116.4万円にて購入し、頭金なしで2年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    スカイラインGT-Rの1994/02モデルの場合、2024年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の20%である105.8万円に諸経費として10.6万円を足した116.4万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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1994年式を30年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 3000cc以下 13年経過 58600円
自動車重量税(1年分) 1.5トン以下 18年経過 18900円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷7.0km/L×185円/L 264290円
オイル交換(5000km毎) 1回6500円×2回 13000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本15000円×4本÷5年 12000円
任意保険料(月額6500円) 月額6500円×12ヶ月 78000円
ローン完済後の年間維持費 453700円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額48490円×12ヶ月 581880円
ローン返済中の年間維持費 1035500円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 58500円
名目 金額
自動車税(1年分) 58600円
自動車重量税(1年分) 18900円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
264290円
(185000円)
(132150円)
(79290円)
オイル交換(5000km毎) 13000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 12000円
任意保険料(月額6500円) 78000円
ローン完済後の年間維持費 453700円
名目 金額
車のローン額(1年分) 581880円
ローン返済中の年間維持費 1035500円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
58500円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「3000cc以下で13年経過」クラスの自動車税は58600円、「1.5トン以下で18年経過」クラスの自動車重量税は18900円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに6500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本15000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額6500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした58500円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

このあたりのクラスから理想と現実の違い、つまり「乗りたい車」と「乗ることができる車」は違うことを思い知らされます。うっかり手を出せば「いっ…維持費が高すぎて息ができん!フーッ!フーッ!」と目を白黒させることになりかねません。

さて、スカイラインGT-R【GT-R V-specII】の場合、維持費の月額は37900円になります。金銭的にシビアな人からは「車なんてどれもタイヤが4つあるだけなのに、なんでこんなにお金の掛かる車に乗ってるんだ…修行か…」と奇異の目で見られていることでしょう。でも良いんです。愛さえあれば。

スカイラインGT-Rの維持費は高い?安い?

「スカイラインGT-Rの年間維持費は453700円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「3000ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてスカイラインGT-Rの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いハイエース バン266980円-186720円
GLS327100円-126600円
グランエース342500円-111200円
スカイライン369100円-84600円
基準3000ccクラス平均402200円-51500円
アリスト439900円-13800円
スカイラインGT-Rの維持費453700円
X5503300円+49600円
高いXM ワゴン600800円+147100円

スカイラインGT-Rの年間維持費を、3000ccクラスで最も維持費が安いハイエース バンと比較して186720円高く、最も高いXM ワゴンと比較して147100円安く、3000ccクラスの平均維持費との比較では51500円高くなっています。

最低額のハイエース バンと最高額のXM ワゴンは極端な例としても、3000ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、スカイラインGT-Rの維持費は まあまあ高い! と言えそうです。

年間維持費が安い 3000ccクラスの車 ランキング

スカイラインGT-Rを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%590万円50万円39万円
15%390万円33万円26万円
20%290万円25万円20万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は590万円(総支給額50万円/月、手取り39万円/月)、ここから月額維持費3.8万円を支払うと残りは35.2万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は390万円(総支給額33万円/月、手取り26万円/月)、3.8万円を支払うと残りは22.2万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が290万円(総支給額25万円/月、手取り20万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。3.8万円を引くと残りは16.2万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代27万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり185円を基準として、-50円となる135円から、+50円となる235円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費7.0km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
135円/L
192870円
[-71420円]
-25円
160円/L
228580円
[-35710円]
-10円
175円/L
250010円
[-14280円]
185円/L264290円
[0円]
+10円
195円/L
278580円
[+14290円]
+25円
210円/L
300010円
[+35720円]
+50円
235円/L
335730円
[+71440円]

燃費7.0km/LのBNR32型 スカイラインGT-Rで10000km走行するのに必要な燃料は1428.6L、1リットルあたり185円としたときの燃料代は264290円になります。

参考までに、スカイラインGT-Rの燃料タンクは72リットルですので、1428.6Lの給油回数は20回、1回あたりの燃料代は約13220円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては14290円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると35720円、50円も違ってくると71440円にもなります。

これをBNR32型 スカイラインGT-Rの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり185円の場合を453700円としたとき、135円/Lに値下がりすれば382280円(84.3%)に、235円/Lに値上がりすれば525140円(115.7%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(58600円)なり重量税(18900円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 58600円 24%
自動車重量税 1年分 18900円 8%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 3000km分 79290円 33%
オイル交換 年1回 6500円 3%
タイヤ交換 6年毎 8000円 3%
任意保険料 80% 62400円 25%
合計
[1万kmとの差額]
242600円
-211100円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 58600円 20%
自動車重量税 1年分 18900円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 5000km分 132150円 44%
オイル交換 年1回 6500円 2%
タイヤ交換 6年毎 8000円 3%
任意保険料 85% 66360円 22%
合計
[1万kmとの差額]
299400円
-154300円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 58600円 16%
自動車重量税 1年分 18900円 5%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 7000km分 185000円 52%
オイル交換 年1回 9100円 3%
タイヤ交換 6年毎 8000円 2%
任意保険料 90% 70200円 20%
合計
[1万kmとの差額]
358700円
-95000円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料78000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて211100円安い242600円に、5000km走行では154300円安い299400円に、7000km走行では95000円安い358700円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 58600円 9%
自動車重量税 1年分 18900円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 15000km分 396440円 64%
オイル交換 年3回 39000円 6%
タイヤ交換 2.7年毎 18000円 3%
任意保険料 100% 78000円 14%
合計
[1万kmとの差額]
617800円
+164100円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 58600円 8%
自動車重量税 1年分 18900円 2%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 528580円 69%
オイル交換 年4回 52000円 7%
タイヤ交換 2年毎 24000円 3%
任意保険料 100% 78000円 10%
合計
[1万kmとの差額]
769000円
+315300円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
日産の小型車&普通車編
3000cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
2ドア・クーペ編

スカイラインGT-Rの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 8.2km/L
燃料タンク容量 72L
航続距離(カタログ燃費) 590.4km
航続距離(80%燃費) 475.2km
満タンプライス 13320円
1km走行コスト 22.56円
1万円でどこまで行ける? 443.2km

10・15モード燃費が8.2km/L、燃料タンク容量72リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は590.4kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(7.4km/L)とすると航続距離は532.8km、80%(6.6km/L)だと475.2km、70%(5.7km/L)では410.4kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から72リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり185円では13320円、上で計算した航続距離を踏まえると590.4km(80%燃費時475.2km)を走行するのに13320円かかる計算です。

燃費を7.0km/Lとしたときの1km走行コストは22.56円、10万km走行したときの燃料代は225.6万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら22.6万円/年、7年10万kmなら32.2万円/年、5年10万kmなら45.1万円/年、3年10万kmなら75.2万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば443.2km(往復なら片道221.6km)、カタログ値の80%なら354.6km(片道177.3km)離れたところまで行くことができます。

カタログデータから見えてくる要素

RB26DETT型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
4400回転時の馬力 221PS
6800回転時の馬力 280PS
各回転域でのトルク
4400回転時のトルク 36.0kgm
6800回転時のトルク 29.5kgm
RB26DETT型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているRB26型2568cc、直列6気筒のツインターボエンジンは6800回転時に最高出力280馬力を、4400回転時に最大トルク36.0kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、最大トルクの発生回転数が若干高めにあるこのエンジンは、普段使いでも不足を感じることなく、それでいて高い回転数を維持すればスポーティな走行も楽しめるバランスの良さが魅力です。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する4400rpmから最高出力が発生する6800rpmまで」の2400rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は35.3%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
3000cc以下クラス編
日産の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
3000cc以下クラス編
日産の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ5.357kg/PS(1500kg/280PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ5.357kg/PS
車体+1人5.554kg/PS
車体+4人6.143kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg5.571kg/PS
車体+70kg5.607kg/PS
車体+80kg5.643kg/PS
車体+90kg5.679kg/PS
車体+100kg5.714kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは5.554kg/PS(1555kg/280PS)となり、数値としては0.197kg、比率にすると3.7%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの4人が搭乗した場合、車両重量に220kgがプラスされてパワーウェイトレシオは6.143kg/PS(1720kg/280PS)となり、数値としては0.786kg、比率にすると14.7%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

BNR32 スカイラインGT-Rのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
1994/02

-
スカイラインGT-R
5.554kg/PS
1555kg/280PS|2.6L-TT
[車体のみPWR:5.357]
2014/06

車種詳細
レヴォーグ
5.383kg/PS
1615kg/300PS|2.0L-TB
車体のみPWR:5.200
2005/10

車種詳細
RX-8
5.460kg/PS
1365kg/250PS|1.4L-NA
車体のみPWR:5.240
2012/09

車種詳細
レガシィ ツーリングワゴン
5.517kg/PS
1655kg/300PS|2.0L-TB
車体のみPWR:5.333
2004/09

車種詳細
インテグラ
5.659kg/PS
1245kg/220PS|2.0L-NA
車体のみPWR:5.409
2008/01

車種詳細
マツダスピード アクセラ
5.473kg/PS
1445kg/264PS|2.3L-TB
車体のみPWR:5.265

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ5.554kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

5.332kg/PSから5.776kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、スバルの5人乗りワゴン「VMG型 レヴォーグ」、マツダの4人乗りクーペ「SE3P型 RX-8」、スバルの5人乗りワゴン「BRG型 レガシィ ツーリングワゴン」、ホンダの4人乗りクーペ「DC5型 インテグラ」、マツダの5人乗りハッチバック「BK3P型 マツダスピード アクセラ」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

BNR32型 スカイラインGT-R [GT-R V-specII]のライバル車種|5.554kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は186.7PS/tとなっています。


スカイラインGT-Rがバイクと競争するなら…?


車種詳細
ドラッグスター1100|1063cc
5.550kg/PS
333kg/60.0PS/8.30kgm
[車体のみPWR:4.633]
1速ギヤ速度:63.1km/h
最小TWR:0.975
1994/02

-
スカイラインGT-R|2568cc
5.554kg/PS
1555kg/280PS/36.0kgm
[車体のみPWR:5.357]
1速ギヤ速度:63.2km/h
最小TWR:1.028

車種詳細
NM4-01|745cc
5.556kg/PS
300kg/54.4PS/6.93kgm
[車体のみPWR:4.537]
1速ギヤ速度:63.4km/h
最小TWR:0.955

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではスカイラインGT-Rとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

VP13J ドラッグスター1100と競争してみる

まずスカイラインGT-Rより少しPWRが低いバイクとして、ヤマハのドラッグスター1100が挙げられます。PWRの5.550kg/PSは車両重量278kgにライダーの体重55kgを加えた333kgを、最高出力60.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はドラッグスター1100に0.1km/h勝り、1速TWRは0.053kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

RC82 NM4-01と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ホンダのNM4-01が挙げられます。PWRの5.556kg/PSは車両重量245kg+55kgの300kgを、最高出力54.4PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は0.2km/h劣り、1速TWRは0.073kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.767
平均ピストンスピード 16.71m/s
トルクウェイトレシオ 41.67kg/kgm
1馬力あたりのお値段 18893円
排気量1Lあたり馬力 109.03PS/L
排気量1Lあたりトルク 14.02kgm/L
1気筒あたりの馬力 46.7PS
1気筒あたりのトルク 6.0kgm
パワーバンド比率 35.3%
燃費×馬力 1951.6pt
各種ランキング
クーペのPWR
2.5~3.0Lターボ車のPWR

トルクウェイトレシオは41.67kg/kgm(1500kg/36.0kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が5290000円、最高出力が280馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は18893円、逆に1万円あたりでは0.53馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は146944円、1万円あたりでは0.07kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
日産編
3000cc以下の車編
クーペ編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は109.03PS/L、トルクは14.02kgm/L、1気筒あたりの馬力は46.7馬力、トルクは6.0kgmとなり、このエンジンが280馬力を6800回転で発生させているときの平均ピストンスピードは16.71m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が73.7mmであるRB26型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は8140回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.767になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、走ってよし、曲がってよしで至れり尽くせりのオールラウンダーであると言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が6.97km/L、最高出力が280PSであるこの車の獲得ポイントは1951.6ptになります。
戯れに車両重量1500kgを100kg単位にした15.0で割ってみたところ、その数値は130.11ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


人間様の占有スペース

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

人間様の占有スペース
室内長×室内幅×室内高 2.754m³
1人あたりのスペース 0.689m³
室内長/全長 39.7%
室内幅/全幅 79.8%
室内高/全高 80.4%
室内容積/車両体積 25.5%

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は2.754m³です。この車の乗車定員は4人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.689m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は39.7%、同じく室内幅と全幅の比率は79.8%、同じく室内高と全高の比率は80.4%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は25.5%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


スカイラインGT-Rでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.591m
期待される荷室の幅 1.300m
対角線の長さ 2.055m
期待される荷室の面積 2.068m²

縦方向の長さが1.591m(対角線では2.055m)となれば、一般的な身長ならそれなりの車中泊を楽しむことができそうです。

車の中で足を伸ばして優雅に寝られる悦びを味わうために最低限必要な長さを備えた、車中泊のスタンダードと呼ぶに相応しい性能を有しています。

セダンやクーペであっても後部座席の背もたれを取り外してトランクルームと貫通させて荷室長を確保すれば良いだけの話です。たまに背もたれを取り外してもトランクルームと繋がっていなかったり、頑強な補強バーが入っていて邪魔されることもありますが、恐らく稀なケースです。

車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合6800rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした7300回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 7300rpm|タイヤサイズ 245/45R17|タイヤ直径 65.2cm|円周長 204.8cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
7300rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 3.214 13.21 -
-
68km/h 10750rpm 1459.1kgm
2速 1.925 7.91 0.599 1-2/
4370rpm
113km/h 6440rpm 873.9kgm
3速 1.302 5.35 0.676 2-3/
4930rpm
168km/h 4360rpm 591.1kgm
4速 1.000 4.11 0.768 3-4/
5610rpm
218km/h 3350rpm 454.0kgm
5速 0.752 3.09 0.752 4-5/
5490rpm
290km/h 2520rpm 341.4kgm
Final 4.111 レシオカバレッジ(変速比幅)4.274

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数4400rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.111)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(36.0kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.111)÷タイヤの有効半径(0.326m)で算出。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は5速ギヤの290km(6800rpmでは270.3km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが4400回転で最大トルク36.0kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば41.67kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(5.357kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと1459.1kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1500kg)を1速ギヤの最大駆動力(1459.1kgm)で割ってみると1.028kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する6800回転でのトルク(29.5kgm)からTWRを算出すると1.255kg/kgmとなり、4400-6800回転の回転域では1.028-1.255kg/kgmの間で推移することがわかります。


おまけ:6800rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

BNR32型スカイラインGT-Rに搭載されたRB26型2568ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する6800rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

6800rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ63km/h-
2速ギヤ106km/h4070rpm
3速ギヤ156km/h4600rpm
4速ギヤ203km/h5220rpm
5速ギヤ270km/h5110rpm

まず1速ギヤで6800rpmまで引っ張ると63km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は6800rpmから4070rpmまで落ち、そこから6800rpmまで加速を続けると速度は106km/h(+43km/h)になります。

3速ギヤでは4600rpmまで落ちて6800rpmで156km/h(+50km/h)に、4速ギヤでは5220rpmまで落ちて6800rpmで203km/h(+47km/h)に、5速ギヤでは5110rpmまで落ちて6800rpmで270km/h(+67km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4300 6450 8600 10750 12900 15050 19350
2速 2580 3860 5150 6440 7730 9020 11590
3速 1740 2610 3480 4360 5230 6100 7840
4速 1340 2010 2680 3350 4010 4680 6020
5速 1010 1510 2010 2520 3020 3520 4530
※赤い数字は暫定レブリミット(7300rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.752)を選択して時速100kmにて走行すると2520回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1510回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1760回転、一般的な高速道路の80km/hでは2010回転、100km/hでは2520回転、制限速度が120km/hになると3020回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは4530回転まで回ります。

一般的な自動車であれば時速100kmでの巡航回転数は2500回転付近に落ち着くようですが、その中でも若干高めの回転数となっています。標準的なギヤ比の範囲内ながらも静粛性や燃費よりも加速に重きを置いた設定なので、高速道路やバイパスを走行するとき、ふと「もう1段上のギヤがあったらなあ‥」と呟くことがあるかもしれません。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 9 19 28 37 47 56 65 74
2速 16 31 47 62 78 93 109 124
3速 23 46 69 92 115 138 161 184
4速 30 60 90 120 149 179 209 239
5速 40 79 119 159 199 238 278 318

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(7300回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの245/45R17と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 245/45R17 | 直径 652mm

-20mm
幅225mm
-10mm
幅235mm
変更なし
幅245mm
+10mm
幅255mm
+20mm
幅265mm
-5%
40
扁平
225/40R17
37.5km/h
直径612mm
径差-40mm
235/40R17
38.0km/h
直径620mm
径差-32mm
245/40R17
38.5km/h
直径628mm
径差-24mm
255/40R17
39.0km/h
直径636mm
径差-16mm
265/40R17
39.5km/h
直径644mm
径差-8mm
0%
45
扁平
225/45R17
39.0km/h
直径635mm
径差-17mm
235/45R17
39.5km/h
直径644mm
径差-8mm
245/45R17
40.0km/h
652mm
0mm
255/45R17
40.6km/h
直径662mm
径差+10mm
265/45R17
41.2km/h
直径671mm
径差+19mm
+5%
50
扁平
225/50R17
40.3km/h
直径657mm
径差+5mm
235/50R17
40.9km/h
直径667mm
径差+15mm
245/50R17
41.5km/h
直径677mm
径差+25mm
255/50R17
42.1km/h
直径687mm
径差+35mm
265/50R17
42.8km/h
直径697mm
径差+45mm
+10%
55
扁平
225/55R17
41.7km/h
直径680mm
径差+28mm
235/55R17
42.4km/h
直径691mm
径差+39mm
245/55R17
43.1km/h
直径702mm
径差+50mm
255/55R17
43.7km/h
直径713mm
径差+61mm
265/55R17
44.4km/h
直径724mm
径差+72mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、225/45R17 、235/40R17、235/45R17 、245/40R17 、255/40R17 、265/40R17あたりのタイヤがおすすめです。

245/45R17のタイヤ幅を225mmから275mmまで、扁平率を30%から60%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、245/45R17の適応サイズと性能の変化 [BNR32型スカイラインGT-R編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】245/45R17のタイヤ銘柄と通販価格

BNR32型スカイラインGT-R[2.6L-TT 4WD/5MT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト5.357kg/ps62.07
1速ギヤ加速性能1.028kg/kgm61.71
1L換算馬力109.03ps/L52.13
1L換算トルク14.02kgm/L44.04
WB/TR比1.76750.62
ワイド&ロー指数0.77258.75
前面の面積2.378m²56.98
最低地上高140mm55.89
スポーツ性能部門の得点442.19

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
10-15燃費8.2km/L39.43
年間維持費453700円38.36
100kmh回転数2520rpm49.66
航続距離590.4km42.87
車の大きさ10.808m³47.44
室内の広さ2.754m³43.69
最小回転半径5.5m43.27
馬力単価18893円53.51
ユーティリティ部門の得点358.23

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した BNR32型スカイラインGT-R[2.6L-TT 4WD/5MT] の総合得点は 800.42 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したBNR32型スカイラインGT-R(4WD/5MT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのクーペ」、「3000ccのクーペ」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

スカイラインGT-Rの歴代モデル

13代目 ZV37型 スカイライン
ZV37 スカイラインは2014/02に登場した13代目モデル。参考車両の「200GT-t」は全長4790mm、全幅1820mm、全高1450mmの車体に、211PS/35.7kgmを発生する274930型1991ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

12代目 NJ50型 スカイライン クロスオーバー
NJ50 スカイライン クロスオーバーは2009/07に登場した12代目モデル。参考車両の「370GT-FOUR」は全長4635mm、全幅1800mm、全高1575mmの車体に、330PS/36.8kgmを発生するVQ37型3696ccエンジンを搭載した5人乗りSUV。

11代目 HV35型 スカイライン
HV35 スカイラインは2001/06に登場した11代目モデル。参考車両の「300GT」は全長4675mm、全幅1750mm、全高1470mmの車体に、260PS/33.0kgmを発生するVQ30型2987ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

10代目 ENR34型 スカイライン セダン
ENR34 スカイライン セダンは1998/05に登場した10代目モデル。参考車両の「25GT-FOUR」は全長4705mm、全幅1720mm、全高1385mmの車体に、200PS/26.0kgmを発生するRB25型2498ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

9代目 BCNR33型 スカイラインGT-R
BCNR33 スカイラインGT-Rは1993/08に登場した9代目モデル。参考車両の「GT-R」は全長4675mm、全幅1780mm、全高1360mmの車体に、280PS/37.5kgmを発生するRB26型2568ccエンジンを搭載した4人乗りクーペ。

8代目 ECR32型 スカイライン クーペ
ECR32 スカイライン クーペは1989/05に登場した8代目モデル。参考車両の「GTS25 type-S」は全長4530mm、全幅1695mm、全高1325mmの車体に、180PS/23.0kgmを発生するRB25型2498ccエンジンを搭載した5人乗りクーペ。