HY51 フーガ ハイブリッドの性能と維持費 FR/7AT 630万円 2010年式

このページでは、日産自動車の4ドア・5人乗りセダン、2代目のDAA-HY51型フーガ ハイブリッド VIP-package【2010/11モデル・306PS/35.7kgm・FR/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

HY51 フーガ ハイブリッド
販売期間:2010/11 - 2022/08

画像は日産自動車より引用
http://www.nissan.co.jp/
投稿:2011/08/04|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長4945mm×全幅1845mm×全高1500mm、排気量は3498ccであることから、大雑把に分類すると3.5リットルクラス(3500cc、自動車税は3.5L以下を適用)に属し、全長、全幅、排気量ともに5ナンバー枠を超えていることにより完全無欠の3ナンバー登録車です。いわゆる【高級車】にカテゴライズされます。

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、後輪のみを駆動する、フロントエンジン・リヤドライブ方式(後輪駆動・FR・RWDとも)を採用しています。前輪は操舵、後輪は駆動と役割分担が異なることから優れたハンドリングを得られるとされ、運転の質を求める人々から絶大なる支持を集めます。高級車の代名詞的な駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4945mmであるこの車の場合は「ラグジュアリー」(Luxury:4900mm超・Fセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


HY51型 フーガ ハイブリッド [3498cc/306PS FR/7AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

2代目フーガ ハイブリッドの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2020/01
HY51型
[Hybrid A-package]
3.5L-NA | FR/7AT
| 551.9万円
306PS
35.7kgm
12.8km/L
2020/01
Y51型
[250GT A-package]
2.5L-NA | FR/7AT
| 446.4万円
224PS
26.3kgm
10.2km/L
2020/01
KY51型
[370GT]
3.7L-NA | FR/7AT
| 534.6万円
333PS
37.0kgm
9.2km/L
2代目フーガ ハイブリッドの車両型式・グレード一覧【全10車種】
フーガ ハイブリッドの旧型モデル
初代 GY50型フーガ
GY50型フーガは2004/10に登場した初代モデル。参考車両の「450GT type-S」は全長4935mm、全幅1805mm、全高1510mmの車体に、333PS/46.0kgmを発生するVK45型4494ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー NISSAN
車名&
グレード
フーガ ハイブリッド
VIP-package
その他 BaseGrade
お値段 6300000円
車両型式 DAA-HY51
駆動方式
変速機
FR・後輪駆動(RWD,2WD)
7速AT・7速オートマ車
ドア/定員 4ドア/5名乗車
車体寸法 長4945×幅1845×高1500mm
室内寸法 長2090×幅1535×高1215mm
軸距&
輪距
2900mm
前1575mm/後1570mm
最小半径 5.6m
最低高 155mm
タイヤ 前輪:245/50R18
後輪:245/50R18
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 1890kg
エンジン諸元
原動機型式 VQ35HR
気筒配列 V型6気筒+モーター
排気量3498cc
圧縮比10.6
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 306PS[225kW]/6800rpm
最大トルク 35.7kgm[350Nm]/5000rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
10・15燃費 19.0km/L(44.7mpg)
100km燃費 5.3L/100km
VQ35HR型エンジンの諸元と性能まとめ
V型6気筒とは‥シリンダをV字型に交互で6個配置する方式。中排気量のスタンダード。モーターを組み合わせることでハイブリッドカーとなります。
これまでに登場したハイブリッドカーの一覧
V型6気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税66700円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税22800円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額7000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2010/11モデルのフーガ ハイブリッドを14年落ちの中古で242.6万円にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    フーガ ハイブリッドの2010/11モデルの場合、2024年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の35%である220.5万円に諸経費として22.1万円を足した242.6万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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2010年式を14年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 3500cc以下 13年経過 66700円
自動車重量税(1年分) 2.0トン以下 13年-17年経過 22800円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
10000km÷16.1km/L×180円/L
7000km÷16.1km/L×180円/L
5000km÷16.1km/L×180円/L
3000km÷16.1km/L×180円/L
111800円
(78260円)
(55900円)
(33540円)
オイル交換(5000km毎) 1回6000円×2回 12000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本18000円×4本÷5年 14400円
任意保険料(月額7000円) 月額7000円×12ヶ月 84000円
ローン完済後の年間維持費 320600円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額40430円×12ヶ月 485160円
ローン返済中の年間維持費 805700円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分+検査手数料等3000円程度 66300円
名目 金額
自動車税(1年分) 66700円
自動車重量税(1年分) 22800円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
111800円
(78260円)
(55900円)
(33540円)
オイル交換(5000km毎) 12000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 14400円
任意保険料(月額7000円) 84000円
ローン完済後の年間維持費 320600円
名目 金額
車のローン額(1年分) 485160円
ローン返済中の年間維持費 805700円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
66300円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「3500cc以下で13年経過」クラスの自動車税は66700円、「2.0トン以下で13年-17年経過」クラスの自動車重量税は22800円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに6000円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本18000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額7000円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした66300円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

お財布に厚みが増した勢いで少し色気を出して、自身の車にステータス性を欲すると月換算で2万円~3万円の間、年間にすると24万円~36万円のクラスです。フーガ ハイブリッド【VIP-package】の場合、維持費の月額は26800円(ローン完済前は67200円)になります。

口癖のように「もうちょっと維持費が安ければねえ…?」なんて呟くその姿は自慢げなようであり、しかし哀愁を帯びているようでもあり対応に困ります。より維持費の掛からない新しい車を買うほどではない、が、維持費のことを考えずにもいられない、そんなクラスです。全体から見るとこの辺りから面白味のある車が増えてくるイメージです。


燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり180円を基準として、-50円となる130円から、+50円となる230円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費16.1km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
130円/L
80760円
[-31040円]
-25円
155円/L
96290円
[-15510円]
-10円
170円/L
105610円
[-6190円]
180円/L111800円
[0円]
+10円
190円/L
118030円
[+6230円]
+25円
205円/L
127350円
[+15550円]
+50円
230円/L
142880円
[+31080円]

燃費16.1km/LのHY51型 フーガ ハイブリッドで10000km走行するのに必要な燃料は621.2L、1リットルあたり180円としたときの燃料代は111800円になります。

参考までに、フーガ ハイブリッドの燃料タンクは70リットルですので、621.2Lの給油回数は9回、1回あたりの燃料代は約12430円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては6230円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると15550円、50円も違ってくると31080円にもなります。

これをHY51型 フーガ ハイブリッドの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり180円の場合を320600円としたとき、130円/Lに値下がりすれば289560円(90.3%)に、230円/Lに値上がりすれば351680円(109.7%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(66700円)なり重量税(22800円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 66700円 31%
自動車重量税 1年分 22800円 11%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 3000km分 33540円 16%
オイル交換 年1回 6000円 3%
タイヤ交換 6年毎 9600円 4%
任意保険料 80% 67200円 31%
合計
[1万kmとの差額]
214700円
-105900円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 66700円 28%
自動車重量税 1年分 22800円 9%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 5000km分 55900円 23%
オイル交換 年1回 6000円 2%
タイヤ交換 6年毎 9600円 4%
任意保険料 85% 71400円 30%
合計
[1万kmとの差額]
241300円
-79300円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 66700円 25%
自動車重量税 1年分 22800円 8%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 7000km分 78260円 29%
オイル交換 年1回 8400円 3%
タイヤ交換 6年毎 9600円 4%
任意保険料 90% 75600円 28%
合計
[1万kmとの差額]
270200円
-50400円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料84000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて105900円安い214700円に、5000km走行では79300円安い241300円に、7000km走行では50400円安い270200円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 66700円 16%
自動車重量税 1年分 22800円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 15000km分 167700円 41%
オイル交換 年3回 36000円 9%
タイヤ交換 2.7年毎 21600円 5%
任意保険料 100% 84000円 21%
合計
[1万kmとの差額]
407700円
+87100円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 66700円 14%
自動車重量税 1年分 22800円 5%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 20000km分 223600円 46%
オイル交換 年4回 48000円 10%
タイヤ交換 2年毎 28800円 6%
任意保険料 100% 84000円 17%
合計
[1万kmとの差額]
482800円
+162200円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。



フーガ ハイブリッドの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 19.0km/L
燃料タンク容量 70L
航続距離(カタログ燃費) 1330.0km
航続距離(80%燃費) 1064.0km
満タンプライス 12600円
1km走行コスト 9.47円
1万円でどこまで行ける? 1055.6km
車両価格/航続距離 4737円/km

10・15モード燃費が19.0km/L、燃料タンク容量70リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は1330.0kmになります。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(17.1km/L)とすると1197.0km、80%(15.2km/L)だと1064.0km、70%(13.3km/L)では931.0kmという航続距離になります。

燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり180円で70リットルの給油をすると12600円、上で計算した航続距離を踏まえると1330.0km(80%燃費時1064.0km)を走行するのに12600円かかる計算です。

燃費を16.1km/Lとしたときの1km走行コストは9.47円、10万km走行したときの燃料代は94.7万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら9.5万円/年、7年10万kmなら13.5万円/年、5年10万kmなら18.9万円/年、3年10万kmなら31.6万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば1055.6km(往復なら片道527.8km)、カタログ値の80%なら844.4km(片道422.2km)離れたところまで行くことができます。

ちなみに、1回の給油で1330.0kmの距離を移動できるHY51型 フーガ ハイブリッド [VIP-package]という乗り物を、630.0万円で手に入れたと考えたとき、この車が1km走行するにあたっては「4737円の値打ちがある!」と言える、かもしれません。


カタログデータから見えてくる要素

VQ35HR型エンジン簡易性能曲線図
VQ35HR型エンジン性能曲線図もどき
各回転域での馬力
5000回転時の馬力 249PS
6800回転時の馬力 306PS
各回転域でのトルク
5000回転時のトルク 35.7kgm
6800回転時のトルク 32.2kgm
VQ35HR型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているVQ35型3498cc、V型6気筒+モーターの自然吸気エンジンは6800回転時に最高出力306馬力を、5000回転時に最大トルク35.7kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、最大トルクと最高出力の発生回転数が程よく近いこのエンジンは、高めの回転数が得意なタイプのエンジンです。日常での使い勝手をある程度は確保しつつ、高回転のパワー感もしっかり伴う雰囲気の良さが自慢です。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する5000rpmから最高出力が発生する6800rpmまで」の1800rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は26.5%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
3500cc以下クラス編
日産の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
3500cc以下クラス編
日産の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ6.176kg/PS(1890kg/306PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ6.176kg/PS
車体+1人6.356kg/PS
車体+5人7.075kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg6.373kg/PS
車体+70kg6.405kg/PS
車体+80kg6.438kg/PS
車体+90kg6.471kg/PS
車体+100kg6.503kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは6.356kg/PS(1945kg/306PS)となり、数値としては0.180kg、比率にすると2.9%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは7.075kg/PS(2165kg/306PS)となり、数値としては0.899kg、比率にすると14.6%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。


HY51 フーガ ハイブリッドのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2010/11

-
フーガ ハイブリッド
6.356kg/PS
1945kg/306PS|3.5L-NA
[車体のみPWR:6.176]
2010/02

車種詳細
クラウン ハイブリッド
6.368kg/PS
1885kg/296PS|3.5L-NA
車体のみPWR:6.182
2001/05

車種詳細
アコード
6.295kg/PS
1385kg/220PS|2.2L-NA
車体のみPWR:6.045
2015/01

車種詳細
レジェンド
6.481kg/PS
2035kg/314PS|3.5L-NA
車体のみPWR:6.306
2009/08

車種詳細
SC
6.411kg/PS
1795kg/280PS|4.3L-NA
車体のみPWR:6.214
2017/10

車種詳細
アルテオン
6.268kg/PS
1755kg/280PS|2.0L-TB
車体のみPWR:6.071

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ6.356kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

6.165kg/PSから6.547kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、トヨタの5人乗りセダン「GWS204型 クラウン ハイブリッド」、ホンダの5人乗りセダン「CL1型 アコード」、ホンダの5人乗りセダン「KC2型 レジェンド」、レクサスの4人乗りオープンカー「UZZ40型 SC」、フォルクスワーゲンの5人乗りセダン「3HDJHF型 アルテオン」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

HY51型 フーガ ハイブリッド [VIP-package]とパワーウェイトレシオが近い車種|6.356kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は161.9PS/tとなっています。


フーガ ハイブリッドがバイクと競争するなら…?


車種詳細
スカイウェイブ650LX|638cc
6.340kg/PS
336kg/53.0PS/5.90kgm
[車体のみPWR:5.302]
1速ギヤ速度:48.3km/h
最小TWR:0.871
2010/11

-
フーガ ハイブリッド|3498cc
6.356kg/PS
1945kg/306PS/35.7kgm
[車体のみPWR:6.176]
1速ギヤ速度:72.0km/h
最小TWR:1.488

車種詳細
XLR250R|249cc
6.357kg/PS
178kg/28.0PS/2.50kgm
[車体のみPWR:4.393]
1速ギヤ速度:41.3km/h
最小TWR:0.634

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではフーガ ハイブリッドとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

CP52A スカイウェイブ650LXと競争してみる

まずフーガ ハイブリッドより少しPWRが低いバイクとして、スズキのスカイウェイブ650LXが挙げられます。PWRの6.340kg/PSは車両重量281kgにライダーの体重55kgを加えた336kgを、最高出力53.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はスカイウェイブ650LXに23.7km/h勝り、1速TWRは0.617kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

MD22 XLR250Rと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ホンダのXLR250Rが挙げられます。PWRの6.357kg/PSは車両重量123kg+55kgの178kgを、最高出力28.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は30.7km/h勝り、1速TWRは0.854kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.844
平均ピストンスピード 18.45m/s
トルクウェイトレシオ 52.94kg/kgm
1馬力あたりのお値段 20588円
排気量1Lあたり馬力 87.48PS/L
排気量1Lあたりトルク 10.21kgm/L
1気筒あたりの馬力 51.0PS
1気筒あたりのトルク 6.0kgm
パワーバンド比率 26.5%
燃費×馬力 4941.9pt
各種ランキング
セダンのPWR
3.0~3.5L以下のPWR

トルクウェイトレシオは52.94kg/kgm(1890kg/35.7kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が6300000円、最高出力が306馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は20588円、逆に1万円あたりでは0.49馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は176471円、1万円あたりでは0.06kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
日産編
3500cc以下の車編
セダン編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は87.48PS/L、トルクは10.21kgm/L、1気筒あたりの馬力は51.0馬力、トルクは6.0kgmとなり、このエンジンが306馬力を6800回転で発生させているときの平均ピストンスピードは18.45m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が81.4mmであるVQ35型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は7370回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.844になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと真っ直ぐ進むことを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が16.15km/L、最高出力が306PSであるこの車の獲得ポイントは4941.9ptになります。
戯れに車両重量1890kgを100kg単位にした18.9で割ってみたところ、その数値は261.48ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


人間様の占有スペース

人間様の占有スペース
室内長×幅×高 3.90m³
1人あたりのスペース 約0.78m³
室内長/全長 42.3%
室内幅/全幅 83.2%
室内高/全高 81.0%
室内容積/車両体積 28.5%

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は3.90m³です。この車の乗車定員は5人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.78m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は42.3%、同じく室内幅と全幅の比率は83.2%、同じく室内高と全高の比率は81.0%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は28.5%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


フーガ ハイブリッドでの車中泊

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.73m
期待される荷室の幅 1.44m
対角線の長さ 2.25m
期待される荷室の面積 2.49m²

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

縦方向の長さが1.73m(対角線では2.25m)などという破格のクラスになると、これはもう四の五の言わず車に住むべきです。

これだけの車を所持できる素養は持ち得ているのですから、細かいことは気にせずあらゆる支配からの卒業を宣言し、信じられぬ大人との争いに終止符を打ちましょう。

セダンやクーペであっても後部座席の背もたれを取り外してトランクルームと貫通させて荷室長を確保すれば良いだけの話です。たまに背もたれを取り外してもトランクルームと繋がっていなかったり、頑強な補強バーが入っていて邪魔されることもありますが、恐らく稀なケースです。
車中泊にあると嬉しいアイテム


ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合6800rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした7300回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 7300rpm|タイヤサイズ 245/50R18|タイヤ直径 70.2cm|円周長 220.5cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
7300rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 4.783 12.49 -
-
77km/h 9440rpm 1270.2kgm
2速 3.102 8.10 0.649 1-2/
4740rpm
119km/h 6120rpm 823.8kgm
3速 1.984 5.18 0.640 2-3/
4670rpm
186km/h 3920rpm 526.9kgm
4速 1.371 3.58 0.691 3-4/
5040rpm
270km/h 2710rpm 364.1kgm
5速 1.000 2.61 0.729 4-5/
5320rpm
370km/h 1970rpm 265.6kgm
6速 0.870 2.27 0.870 5-6/
6350rpm
425km/h 1720rpm 231.0kgm
7速 0.775 2.02 0.891 6-7/
6500rpm
477km/h 1530rpm 205.8kgm
Final 2.611 レシオカバレッジ(変速比幅)6.172

ギヤの繋がりイメージ
HY51型フーガ ハイブリッド7AT車のギヤ比イメージ
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数5000rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(2.611)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(35.7kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(2.611)÷タイヤの有効半径(0.351m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は7速ギヤの477km(6800rpmでは444.6km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

おまけ:6800rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

6800rpmでの速度と
シフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ72km/h-
2速ギヤ111km/h4410rpm
3速ギヤ174km/h4350rpm
4速ギヤ251km/h4700rpm
5速ギヤ345km/h4960rpm
6速ギヤ396km/h5920rpm
7速ギヤ445km/h6060rpm

HY51型フーガ ハイブリッドに搭載されたVQ35型3498ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する6800rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

まず1速ギヤで6800rpmまで引っ張ると72km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は6800rpmから4410rpmまで落ち、そこから6800rpmまで加速を続けると速度は111km/h(+39km/h)になります。

3速ギヤでは4350rpmまで落ちて6800rpmで174km/h(+63km/h)に、4速ギヤでは4700rpmまで落ちて6800rpmで251km/h(+77km/h)に、5速ギヤでは4960rpmまで落ちて6800rpmで345km/h(+94km/h)になります。

続いて6速ギヤでは5920rpmまで落ちて6800rpmで396km/h(+51km/h)に、7速ギヤでは6060rpmまで落ちて6800rpmで445km/h(+49km/h)という具合に加速していくイメージです。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが5000回転で最大トルク35.7kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば52.94kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(6.176kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと1270.2kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1890kg)を1速ギヤの最大駆動力(1270.2kgm)で割ってみると1.488kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する6800回転でのトルク(32.2kgm)からTWRを算出すると1.65kg/kgmとなり、5000-6800回転の回転域では1.488-1.65kg/kgmの間で推移することがわかります。


ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 3780 5660 7550 9440 11330 13220 16990
2速 2450 3670 4900 6120 7350 8570 11020
3速 1570 2350 3130 3920 4700 5480 7050
4速 1080 1620 2160 2710 3250 3790 4870
5速 790 1180 1580 1970 2370 2760 3550
6速 690 1030 1370 1720 2060 2400 3090
7速 610 920 1220 1530 1840 2140 2750
※赤い数字は暫定レブリミット(7300rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.775)を選択して時速100kmにて走行すると1530回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは920回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1070回転、一般的な高速道路の80km/hでは1220回転、100km/hでは1530回転、制限速度が120km/hになると1840回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは2750回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 11 21 32 42 53 64 74 85
2速 16 33 49 65 82 98 114 131
3速 26 51 77 102 128 153 179 204
4速 37 74 111 148 185 222 259 296
5速 51 101 152 203 253 304 355 405
6速 58 116 175 233 291 349 408 466
7速 65 131 196 262 327 392 458 523

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(7300回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。


純正装着タイヤの245/50R18と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 245/50R18 | 直径 702mm

-20mm
幅225mm
-10mm
幅235mm
変更なし
幅245mm
+10mm
幅255mm
+20mm
幅265mm
-5%
45
扁平
225/45R18
37.6km/h
直径660mm
径差-42mm
235/45R18
38.1km/h
直径669mm
径差-33mm
245/45R18
38.6km/h
直径678mm
径差-24mm
255/45R18
39.1km/h
直径687mm
径差-15mm
265/45R18
39.7km/h
直径696mm
径差-6mm
0%
50
扁平
225/50R18
38.9km/h
直径682mm
径差-20mm
235/50R18
39.4km/h
直径692mm
径差-10mm
245/50R18
40.0km/h
702mm
0mm
255/50R18
40.6km/h
直径712mm
径差+10mm
265/50R18
41.1km/h
直径722mm
径差+20mm
+5%
55
扁平
225/55R18
40.2km/h
直径705mm
径差+3mm
235/55R18
40.8km/h
直径716mm
径差+14mm
245/55R18
41.4km/h
直径727mm
径差+25mm
255/55R18
42.1km/h
直径738mm
径差+36mm
265/55R18
42.7km/h
直径749mm
径差+47mm
+10%
60
扁平
225/60R18
41.4km/h
直径727mm
径差+25mm
235/60R18
42.1km/h
直径739mm
径差+37mm
245/60R18
42.8km/h
直径751mm
径差+49mm
255/60R18
43.5km/h
直径763mm
径差+61mm
265/60R18
44.2km/h
直径775mm
径差+73mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、225/50R18 、235/45R18、235/50R18 、245/45R18 、255/45R18 、265/45R18あたりのタイヤがおすすめです。

245/50R18のタイヤ幅を225mmから275mmまで、扁平率を35%から65%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、245/50R18の適応サイズと性能の変化 [HY51型フーガ ハイブリッド編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
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HY51型フーガ ハイブリッド[3.5L-NA FR/7AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト6.176kg/ps59.82
1速ギヤ加速性能1.488kg/kgm51.88
1L換算馬力87.48ps/L61.41
1L換算トルク10.21kgm/L59.02
WB/TR比1.84442.68
ワイド&ロー指数0.81355.77
前面の面積2.768m²45.96
最低地上高155mm49.76
スポーツ性能部門の得点426.30

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
10-15燃費19.0km/L63.06
年間維持費320600円50.62
100kmh回転数1530rpm62.74
航続距離1330.0km85.99
車の大きさ13.685m³58.94
室内の広さ3.898m³54.58
最小回転半径5.6m41.25
馬力単価20588円51.18
ユーティリティ部門の得点468.36

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した HY51型フーガ ハイブリッド[3.5L-NA FR/7AT] の総合得点は 894.66 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したHY51型フーガ ハイブリッド(FR/7AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのセダン」、「3500ccのセダン」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

フーガ ハイブリッドの歴代モデル

2代目 HY51型 フーガ ハイブリッド
HY51 フーガ ハイブリッドは2010/11に登場した2代目モデル。参考車両の「VIP-package」は全長4945mm、全幅1845mm、全高1500mmの車体に、306PS/35.7kgmを発生するVQ35型3498ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

初代 GY50型 フーガ
GY50 フーガは2004/10に登場した初代モデル。参考車両の「450GT type-S」は全長4935mm、全幅1805mm、全高1510mmの車体に、333PS/46.0kgmを発生するVK45型4494ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。