166874:GLSの性能と維持費 4WD/7AT 7人 1900万円 2016年式

このページでは、メルセデスベンツの5ドア・7人乗りSUV、初代のCBA-166874型GLS AMG GLS63 4Matic X166【2016/04モデル・585PS/77.5kgm・4WD/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

166874 GLS
販売期間:2016/04 - 2020/03

画像はメルセデスベンツより引用
http://www.mercedes-benz.co.jp/
投稿:2016/07/21|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長5160mm×全幅1980mm×全高1850mm、排気量は5461ccであることから、大雑把に分類すると5.5リットルクラス(5500cc、自動車税は6.0L以下を適用)に属し、全長、全幅、排気量ともに5ナンバー枠を超えていることにより完全無欠の3ナンバー登録車です。いわゆる【高級車】にカテゴライズされます。

駆動方式には車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆる四輪駆動(All Wheel Drive・AWD・Four Wheel Drive・4WDとも)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が5160mmであるこの車の場合は「ラグジュアリー」(Luxury:4900mm超・Fセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


166874型 GLS [5461cc/585PS 4WD/7AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

初代GLSの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2016/04
166824型
[GLS350d 4Matic X166]
3.0L-TB | 4WD/9AT
| 1070.0万円
258PS
63.2kgm
12.4km/L
2016/04
166873型
[GLS550 4Matic Sports X166]
4.7L-TB | 4WD/9AT
| 1500.0万円
455PS
71.4kgm
8.2km/L
GLSの新型モデル
2代目 167989型GLS AMG
167989型GLS AMGは2020/03に登場した2代目モデル。参考車両の「GLS63 4matic+ X167」は全長5245mm、全幅2030mm、全高1840mmの車体に、612PS/86.7kgmを発生するM177型3982ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー MERCEDES_BENZ
車名&
グレード
GLS
AMG GLS63 4Matic X166
その他 メルセデスAMG
お値段 19000000円
車両型式 CBA-166874
駆動方式
変速機
4WD・四輪駆動(AWD)
7速AT・7速オートマ車
ドア/定員 5ドア/7名乗車
車体寸法 長5160×幅1980×高1850mm
室内寸法 長2620×幅1560×高1310mm
軸距&
輪距
3075mm
前1675mm/後1695mm
最小半径 5.7m
最低高 200mm
タイヤ 前輪:285/40R22
後輪:285/40R22
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 2610kg
エンジン諸元
原動機型式 M157
気筒配列 V型8気筒
排気量5461cc
圧縮比10.0
吸気方式 ツインターボ
最高出力 585PS[430kW]/5500rpm
最大トルク 77.5kgm[760Nm]/1750-5250rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
JC08燃費 7.4km/L(17.4mpg)
100km燃費 13.5L/100km
M157型エンジンの諸元と性能まとめ
V型8気筒とは‥シリンダをV字型に交互で8個配置する方式。中?大排気量のスタンダード。
V型8気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税88000円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税24600円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額9000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2016/04モデルのGLSを8年落ちの中古で1358.5万円にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    GLSの2016/04モデルの場合、2024年現在では8年が経過しているため、新車価格の65%である1235万円に諸経費として123.5万円を足した1358.5万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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2016年式を8年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 6000cc以下 13年未満 88000円
自動車重量税(1年分) 3.0トン以下 13年未満 24600円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
10000km÷6.9×180円/L
7000km÷6.9km/L×180円/L
5000km÷6.9km/L×180円/L
3000km÷6.9km/L×180円/L
260870円
(182610円)
(130440円)
(78260円)
オイル交換(5000km毎) 1回10000円×2回 20000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本32000円×4本÷5年 25600円
任意保険料(月額9000円) 月額9000円×12ヶ月 108000円
ローン完済後の年間維持費 535900円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額226420円×12ヶ月 2717040円
ローン返済中の年間維持費 3253000円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分+検査手数料等3000円程度 69900円
名目 金額
自動車税(1年分) 88000円
自動車重量税(1年分) 24600円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
260870円
(182610円)
(130440円)
(78260円)
オイル交換(5000km毎) 20000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 25600円
任意保険料(月額9000円) 108000円
ローン完済後の年間維持費 535900円
名目 金額
車のローン額(1年分) 2717040円
ローン返済中の年間維持費 3253000円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
69900円
  • 初度登録から8年経過車の場合、「6000cc以下で13年未満」クラスの自動車税は88000円、「3.0トン以下で13年未満」クラスの自動車重量税は24600円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに10000円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本32000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額9000円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした69900円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

年間の維持費が50万円を超えてくると、これはもうこの車そのものが趣味の世界です。若しくは、これだけの維持費が掛かる車を所有していることに喜びを感じ、意義を見出しているのかもしれません。

名にし負うGLSともなると、維持費は月額でさえ44700円(ローン完済前は271100円)という破格の金額になってしまうことを思えば、とてもじゃないけど新車で買って5年のローンを抱えながら乗るような車ではありません。清水の舞台から飛び降りる覚悟でご近所を一周して満足するか、盆栽としてガレージに飾っておくならまあ、あるいは…


燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり180円を基準として、-50円となる130円から、+50円となる230円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費6.9km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
130円/L
188410円
[-72460円]
-25円
155円/L
224650円
[-36220円]
-10円
170円/L
246390円
[-14480円]
180円/L260870円
[0円]
+10円
190円/L
275370円
[+14500円]
+25円
205円/L
297110円
[+36240円]
+50円
230円/L
333340円
[+72470円]

燃費6.9km/Lの166874型 GLSで10000km走行するのに必要な燃料は1449.3L、1リットルあたり180円としたときの燃料代は260870円になります。

参考までに、GLSの燃料タンクは100リットルですので、1449.3Lの給油回数は15回、1回あたりの燃料代は約17400円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては14500円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると36240円、50円も違ってくると72470円にもなります。

これを166874型 GLSの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり180円の場合を535900円としたとき、130円/Lに値下がりすれば463440円(86.5%)に、230円/Lに値上がりすれば608370円(113.5%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(88000円)なり重量税(24600円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 88000円 28%
自動車重量税 1年分 24600円 8%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 3000km分 78260円 25%
オイル交換 年1回 10000円 3%
タイヤ交換 6年毎 17070円 5%
任意保険料 80% 86400円 28%
合計
[1万kmとの差額]
313200円
-222700円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 88000円 24%
自動車重量税 1年分 24600円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 5000km分 130440円 35%
オイル交換 年1回 10000円 3%
タイヤ交換 6年毎 17070円 5%
任意保険料 85% 91800円 24%
合計
[1万kmとの差額]
370800円
-165100円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 88000円 20%
自動車重量税 1年分 24600円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 7000km分 182610円 42%
オイル交換 年1回 14000円 3%
タイヤ交換 6年毎 17070円 4%
任意保険料 90% 97200円 23%
合計
[1万kmとの差額]
432400円
-103500円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料108000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて222700円安い313200円に、5000km走行では165100円安い370800円に、7000km走行では103500円安い432400円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 88000円 12%
自動車重量税 1年分 24600円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 15000km分 391310円 54%
オイル交換 年3回 60000円 8%
タイヤ交換 2.7年毎 38400円 5%
任意保険料 100% 108000円 17%
合計
[1万kmとの差額]
719200円
+183300円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 88000円 10%
自動車重量税 1年分 24600円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 521740円 59%
オイル交換 年4回 80000円 9%
タイヤ交換 2年毎 51200円 6%
任意保険料 100% 108000円 12%
合計
[1万kmとの差額]
882400円
+346500円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。



GLSの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
JC08モード燃費 7.4km/L
燃料タンク容量 100L
航続距離(カタログ燃費) 740.0km
航続距離(80%燃費) 590.0km
満タンプライス 18000円
1km走行コスト 24.32円
1万円でどこまで行ける? 411.1km
車両価格/航続距離 25676円/km

JC08モード燃費が7.4km/L、燃料タンク容量100リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は740.0kmになります。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(6.7km/L)とすると670.0km、80%(5.9km/L)だと590.0km、70%(5.2km/L)では520.0kmという航続距離になります。

燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり180円で100リットルの給油をすると18000円、上で計算した航続距離を踏まえると740.0km(80%燃費時590.0km)を走行するのに18000円かかる計算です。

燃費を6.9km/Lとしたときの1km走行コストは24.32円、10万km走行したときの燃料代は243.2万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら24.3万円/年、7年10万kmなら34.7万円/年、5年10万kmなら48.6万円/年、3年10万kmなら81.1万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば411.1km(往復なら片道205.6km)、カタログ値の80%なら328.9km(片道164.4km)離れたところまで行くことができます。

ちなみに、1回の給油で740.0kmの距離を移動できる166874型 GLS [AMG GLS63 4Matic X166]という乗り物を、1900.0万円で手に入れたと考えたとき、この車が1km走行するにあたっては「25676円の値打ちがある!」と言える、かもしれません。


カタログデータから見えてくる要素

M157型エンジン簡易性能曲線図
M157型エンジン性能曲線図もどき
各回転域での馬力
1750回転時の馬力 189PS
5250回転時の馬力 568PS
5500回転時の馬力 585PS
各回転域でのトルク
1750回転時のトルク 77.5kgm
5250回転時のトルク 77.5kgm
5500回転時のトルク 76.2kgm
M157型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているM157型5461cc、V型8気筒のツインターボエンジンは5500回転時に最高出力585馬力を、1750-5250回転時に最大トルク77.5kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、アイドリングとそれほど変わらないような回転数から最大トルクが発生するこのエンジンは、坂道発進も平気の平左、MT車でもエンスト知らず、扱いやすさにかけては右に出るものがありません。ディーゼル車やダウンサイジングターボに多くあります。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する1750rpmから最高出力が発生する5500rpmまで」の3750rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は68.2%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
5000cc超クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
5000cc超クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ4.462kg/PS(2610kg/585PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ4.462kg/PS
車体+1人4.556kg/PS
車体+7人5.120kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg4.564kg/PS
車体+70kg4.581kg/PS
車体+80kg4.598kg/PS
車体+90kg4.615kg/PS
車体+100kg4.632kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは4.556kg/PS(2665kg/585PS)となり、数値としては0.094kg、比率にすると2.1%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの7人が搭乗した場合、車両重量に385kgがプラスされてパワーウェイトレシオは5.120kg/PS(2995kg/585PS)となり、数値としては0.658kg、比率にすると14.7%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。


166874 GLSのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2016/04

-
GLS
4.556kg/PS
2665kg/585PS|5.5L-TT
[車体のみPWR:4.462]
2017/09

車種詳細
シビック タイプR
4.516kg/PS
1445kg/320PS|2.0L-TB
車体のみPWR:4.344
2015/12

車種詳細
シビック タイプR
4.629kg/PS
1435kg/310PS|2.0L-TB
車体のみPWR:4.452
2010/01

車種詳細
インプレッサ R205
4.766kg/PS
1525kg/320PS|2.0L-TB
車体のみPWR:4.594
2019/09

車種詳細
スカイライン
4.481kg/PS
1815kg/405PS|3.0L-TT
車体のみPWR:4.346
2006/11

車種詳細
インプレッサWRX
4.516kg/PS
1445kg/320PS|2.0L-TB
車体のみPWR:4.344

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ4.556kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

4.328kg/PSから4.784kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、ホンダの4人乗りハッチバック「FK8型 シビック タイプR」、ホンダの4人乗りハッチバック「FK2型 シビック タイプR」、スバルの5人乗りハッチバック「GRB型 インプレッサ R205」、日産の5人乗りセダン「RV37型 スカイライン」、スバルの5人乗りセダン「GDB型 インプレッサWRX」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

166874型 GLS [AMG GLS63 4Matic X166]とパワーウェイトレシオが近い車種|4.556kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は224.1PS/tとなっています。


GLSがバイクと競争するなら…?


車種詳細
CRM250R|246cc
4.550kg/PS
182kg/40.0PS/4.00kgm
[車体のみPWR:3.175]
1速ギヤ速度:52.6km/h
最小TWR:0.554
2016/04

-
GLS|5461cc
4.556kg/PS
2665kg/585PS/77.5kgm
[車体のみPWR:4.462]
1速ギヤ速度:53.8km/h
最小TWR:0.874

車種詳細
ザンザス|398cc
4.566kg/PS
242kg/53.0PS/3.70kgm
[車体のみPWR:3.528]
1速ギヤ速度:70.6km/h
最小TWR:0.823

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではGLSとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

MD24 CRM250Rと競争してみる

まずGLSより少しPWRが低いバイクとして、ホンダのCRM250Rが挙げられます。PWRの4.550kg/PSは車両重量127kgにライダーの体重55kgを加えた182kgを、最高出力40.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はCRM250Rに1.2km/h勝り、1速TWRは0.320kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

ZR400D ザンザスと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、カワサキのザンザスが挙げられます。PWRの4.566kg/PSは車両重量187kg+55kgの242kgを、最高出力53.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は16.8km/h劣り、1速TWRは0.051kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.825
平均ピストンスピード 16.59m/s
トルクウェイトレシオ 33.68kg/kgm
1馬力あたりのお値段 32479円
排気量1Lあたり馬力 107.12PS/L
排気量1Lあたりトルク 14.19kgm/L
1気筒あたりの馬力 73.1PS
1気筒あたりのトルク 9.7kgm
パワーバンド比率 68.2%
燃費×馬力 4024.8pt
各種ランキング
SUV・RV・クロカンのPWR
5.0L超のPWR

トルクウェイトレシオは33.68kg/kgm(2610kg/77.5kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が19000000円、最高出力が585馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は32479円、逆に1万円あたりでは0.31馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は245161円、1万円あたりでは0.04kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
5000cc超の車編
7人乗りSUV編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は107.12PS/L、トルクは14.19kgm/L、1気筒あたりの馬力は73.1馬力、トルクは9.7kgmとなり、このエンジンが585馬力を5500回転で発生させているときの平均ピストンスピードは16.59m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が90.5mmであるM157型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6630回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.825になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと真っ直ぐ進むことを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が6.88km/L、最高出力が585PSであるこの車の獲得ポイントは4024.8ptになります。
戯れに車両重量2610kgを100kg単位にした26.1で割ってみたところ、その数値は154.21ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


人間様の占有スペース

人間様の占有スペース
室内長×幅×高 5.35m³
1人あたりのスペース 約0.76m³
室内長/全長 50.8%
室内幅/全幅 78.8%
室内高/全高 70.8%
室内容積/車両体積 28.3%

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は5.35m³です。この車の乗車定員は7人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.76m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は50.8%、同じく室内幅と全幅の比率は78.8%、同じく室内高と全高の比率は70.8%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は28.3%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


GLSでの車中泊

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.81m
期待される荷室の幅 1.46m
対角線の長さ 2.33m
期待される荷室の面積 2.64m²

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

縦方向の長さが1.81m(対角線では2.33m)などという破格のクラスになると、これはもう四の五の言わず車に住むべきです。

これだけの車を所持できる素養は持ち得ているのですから、細かいことは気にせずあらゆる支配からの卒業を宣言し、信じられぬ大人との争いに終止符を打ちましょう。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。
車中泊にあると嬉しいアイテム


ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合5500rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6000回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6000rpm|タイヤサイズ 285/40R22|タイヤ直径 78.7cm|円周長 247.2cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6000rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 4.377 15.17 -
-
59km/h 10230rpm 2987.9kgm
2速 2.859 9.91 0.653 1-2/
3920rpm
90km/h 6680rpm 1951.6kgm
3速 1.921 6.66 0.672 2-3/
4030rpm
134km/h 4490rpm 1311.3kgm
4速 1.368 4.74 0.712 3-4/
4270rpm
188km/h 3200rpm 933.8kgm
5速 1.000 3.47 0.731 4-5/
4390rpm
257km/h 2340rpm 682.6kgm
6速 0.820 2.84 0.820 5-6/
4920rpm
313km/h 1920rpm 559.8kgm
7速 0.728 2.52 0.888 6-7/
5330rpm
353km/h 1700rpm 497.0kgm
Final 3.466 レシオカバレッジ(変速比幅)6.012

ギヤの繋がりイメージ
166874型GLS7AT車のギヤ比イメージ
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数1750-5250rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.466)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(77.5kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.466)÷タイヤの有効半径(0.3935m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は7速ギヤの353km(5500rpmでは323.3km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

おまけ:5500rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

5500rpmでの速度と
シフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ54km/h-
2速ギヤ82km/h3590rpm
3速ギヤ123km/h3700rpm
4速ギヤ172km/h3920rpm
5速ギヤ235km/h4020rpm
6速ギヤ287km/h4510rpm
7速ギヤ323km/h4880rpm

166874型GLSに搭載されたM157型5461ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する5500rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

まず1速ギヤで5500rpmまで引っ張ると54km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は5500rpmから3590rpmまで落ち、そこから5500rpmまで加速を続けると速度は82km/h(+28km/h)になります。

3速ギヤでは3700rpmまで落ちて5500rpmで123km/h(+41km/h)に、4速ギヤでは3920rpmまで落ちて5500rpmで172km/h(+49km/h)に、5速ギヤでは4020rpmまで落ちて5500rpmで235km/h(+63km/h)になります。

続いて6速ギヤでは4510rpmまで落ちて5500rpmで287km/h(+52km/h)に、7速ギヤでは4880rpmまで落ちて5500rpmで323km/h(+36km/h)という具合に加速していくイメージです。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが1750-5250回転で最大トルク77.5kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば33.68kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(4.462kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと2987.9kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(2610kg)を1速ギヤの最大駆動力(2987.9kgm)で割ってみると0.874kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する5500回転でのトルク(76.2kgm)からTWRを算出すると0.89kg/kgmとなり、1750-5500回転の回転域では0.874-0.89kg/kgmの間で推移することがわかります。


ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4090 6140 8180 10230 12270 14320 18410
2速 2670 4010 5340 6680 8020 9350 12030
3速 1800 2690 3590 4490 5390 6280 8080
4速 1280 1920 2560 3200 3840 4480 5750
5速 930 1400 1870 2340 2800 3270 4210
6速 770 1150 1530 1920 2300 2680 3450
7速 680 1020 1360 1700 2040 2380 3060
※赤い数字は暫定レブリミット(6000rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.728)を選択して時速100kmにて走行すると1700回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1020回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1190回転、一般的な高速道路の80km/hでは1360回転、100km/hでは1700回転、制限速度が120km/hになると2040回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは3060回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 10 20 29 39 49 59 68 78
2速 15 30 45 60 75 90 105 120
3速 22 45 67 89 111 134 156 178
4速 31 63 94 125 156 188 219 250
5速 43 86 128 171 214 257 300 342
6速 52 104 157 209 261 313 365 417
7速 59 118 176 235 294 353 411 470

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6000回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。


純正装着タイヤの285/40R22と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 285/40R22 | 直径 787mm

-20mm
幅265mm
-10mm
幅275mm
変更なし
幅285mm
+10mm
幅295mm
+20mm
幅305mm
-5%
35
扁平
265/35R22
37.9km/h
直径745mm
径差-42mm
275/35R22
38.2km/h
直径752mm
径差-35mm
285/35R22
38.6km/h
直径759mm
径差-28mm
295/35R22
38.9km/h
直径766mm
径差-21mm
305/35R22
39.3km/h
直径773mm
径差-14mm
0%
40
扁平
265/40R22
39.2km/h
直径771mm
径差-16mm
275/40R22
39.6km/h
直径779mm
径差-8mm
285/40R22
40.0km/h
787mm
0mm
295/40R22
40.4km/h
直径795mm
径差+8mm
305/40R22
40.8km/h
直径803mm
径差+16mm
+5%
45
扁平
265/45R22
40.6km/h
直径798mm
径差+11mm
275/45R22
41.0km/h
直径807mm
径差+20mm
285/45R22
41.5km/h
直径816mm
径差+29mm
295/45R22
41.9km/h
直径825mm
径差+38mm
305/45R22
42.4km/h
直径834mm
径差+47mm
+10%
50
扁平
265/50R22
41.9km/h
直径824mm
径差+37mm
275/50R22
42.4km/h
直径834mm
径差+47mm
285/50R22
42.9km/h
直径844mm
径差+57mm
295/50R22
43.4km/h
直径854mm
径差+67mm
305/50R22
43.9km/h
直径864mm
径差+77mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、265/40R22 、275/35R22、275/40R22 、285/35R22 、295/35R22 、305/35R22あたりのタイヤがおすすめです。

285/40R22のタイヤ幅を265mmから315mmまで、扁平率を25%から55%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、285/40R22の適応サイズと性能の変化 [166874型GLS編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
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166874型GLS[5.5L-TT 4WD/7AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト4.462kg/ps64.51
1速ギヤ加速性能0.874kg/kgm64.97
1L換算馬力107.12ps/L51.57
1L換算トルク14.19kgm/L44.69
WB/TR比1.82544.64
ワイド&ロー指数0.93447.00
前面の面積3.663m²20.82
最低地上高200mm31.46
スポーツ性能部門の得点369.66

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
JC08燃費7.4km/L34.16
年間維持費535900円30.91
100kmh回転数1700rpm60.48
航続距離740.0km51.53
車の大きさ18.901m³79.68
室内の広さ5.354m³68.43
最小回転半径5.7m39.17
馬力単価32479円35.44
ユーティリティ部門の得点399.80

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した 166874型GLS[5.5L-TT 4WD/7AT] の総合得点は 769.46 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介した166874型GLS(4WD/7AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全ての7人乗SUV」、「5000cc超の7人乗SUV」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

GLSの歴代モデル

2代目 167923型 GLS
167923 GLSは2020/03に登場した2代目モデル。参考車両の「GLS400d 4matic X167」は全長5210mm、全幅1955mm、全高1825mmの車体に、330PS/71.4kgmを発生するOM656型2924ccエンジンを搭載した7人乗りSUV。

初代 166824型 GLS
166824 GLSは2016/04に登場した初代モデル。参考車両の「GLS350d 4Matic X166」は全長5130mm、全幅1935mm、全高1850mmの車体に、258PS/63.2kgmを発生するOM642型2986ccエンジンを搭載した7人乗りSUV。