166824 GLS 性能と維持費 4WD/9AT 7人 1070万円 2016年式

このページでは、メルセデスベンツの5ドア・7人乗りSUV、初代のLDA-166824型GLS GLS350d 4Matic X166【2016/04モデル・258PS/63.2kgm・4WD/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

166824 GLS
販売期間:2016/04 - 2020/03

画像はメルセデスベンツより引用
http://www.mercedes-benz.co.jp/
投稿:|更新:

ボディサイズが全長5130mm×全幅1935mm×全高1850mm、排気量は2986ccであることから、大雑把に分類すると3.0リットルクラス(3000cc、自動車税は3.0L以下を適用)に属し、全長、全幅、排気量ともに5ナンバー枠を超えていることにより完全無欠の3ナンバー登録車です。いわゆる【高級車】にカテゴライズされます。
参考:250PS~300PSの自動車 一覧

駆動方式には車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆる四輪駆動(All Wheel Drive・AWD・Four Wheel Drive・4WDとも)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が5130mmであるこの車の場合は「ラグジュアリー」(Luxury:4900mm超・Fセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。

166824型 GLS [2986cc/258PS 4WD/9AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

初代GLSの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2016/04
166874型
[AMG GLS63 4Matic X166]
5.5L-TB・4WD/7AT・1900.0万円
585PS・77.5kgm・7.4km/L
585PS
77.5kgm
7.4km/L
2016/04
166873型
[GLS550 4Matic Sports X166]
4.7L-TB・4WD/9AT・1500.0万円
455PS・71.4kgm・8.2km/L
455PS
71.4kgm
8.2km/L
GLSの新型モデル
2代目 167989型GLS AMG
167989型GLS AMGは2020/03に登場した2代目モデル。参考車両の「GLS63 4matic+ X167」は全長5245mm、全幅2030mm、全高1840mmの車体に、612PS/86.7kgmを発生するM177型3982ccエンジンを搭載。


166824 GLSの主要諸元と大きさ比較

主要諸元
メーカー メルセデスベンツ
車名&
グレード
GLS
GLS350d 4Matic X166
その他 -
お値段 10700000円
車両型式 LDA-166824
駆動方式
変速機
4WD・四輪駆動(AWD)
9速AT・9速オートマ車
ドア/定員 5ドア・7名乗車
ホイールベース 3075mm
トレッド 1645mm/1665mm
WB/TR比 1.858
最小半径 5.7m
最低高 200mm
タイヤ 前輪:275/55R19
後輪:275/55R19
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 2540kg

※WB/TR比はホイールベーストレッド比の略。値が大きいほど直進安定性に優れ、小さいほど旋回性能が高くなりやすい。全ての車種の平均値は1.773。

GLSと各規格の大きさ比較
規格名 規格寸法 増減
GLS
車体寸法
全長 5130mm -
全幅 1935mm -
全高 1850mm -
大きさ 18.36m3 -
軽自動車
新規格
全長 3400mm以下 +1730mm
全幅 1480mm以下 +455mm
全高平均 1640mm +210mm
大きさ平均 8.13m3 +10.23m3
小型車規格
5ナンバー車
全長 4700mm以下 +430mm
全幅 1700mm以下 +235mm
全高平均 1496mm +354mm
大きさ平均 10.48m3 +7.88m3
普通車平均
3ナンバー車
全長平均 4643mm +487mm
全幅平均 1815mm +120mm
全高平均 1518mm +332mm
大きさ平均 12.84m3 +5.52m3

※上記グラフは100のラインを上回れば平均値以上、下回れば平均値以下を表す。グラフの伸びが大きいほど各規格の車両に対して相対的に車体が長い・広い・高い。※普通乗用車(3ナンバー車)の条件は全長4700mm超または全幅1700mm超または全高2000mm超と上限値が曖昧なため、ここでは普通乗用車に属する全ての車種の平均値との比較。※軽自動車・小型乗用車の全高はいずれも2000mm以下。ただし、ここでは各規格に属する車種の全高の平均値との比較。


166824 GLSの室内広さを各規格の車両と比較

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

GLSの室内広さを各規格の車両と比較
規格名 規格寸法 増減
GLS
室内広さ
室内長 2620mm -
室内幅 1560mm -
室内高 1310mm -
車内広さ 5354L -
軽自動車
新規格
室内長平均 1908mm +712mm
室内幅平均 1280mm +280mm
室内高平均 1283mm +27mm
車内広さ平均 3171L +2183L
小型車規格
5ナンバー車
室内長平均 1913mm +707mm
室内幅平均 1404mm +156mm
室内高平均 1196mm +114mm
車内広さ平均 3253L +2101L
普通車平均
3ナンバー車
室内長平均 2050mm +570mm
室内幅平均 1483mm +77mm
室内高平均 1195mm +115mm
車内広さ平均 3698L +1656L

※上記グラフは100のラインを上回れば平均値以上、下回れば平均値以下を表す。グラフの伸びが大きいほど各規格の車両に対して相対的に室内が長い・広い・高い。

人間様の占有スペースと容積効率
室内長×室内幅×室内高 5.354m³
1人あたりのスペース 0.765m³
室内長/全長 51.1%
室内幅/全幅 80.6%
室内高/全高 70.8%
室内容積/車両体積 29.2%

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は5.354m³です。この車の乗車定員は7人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.765m³のスペースが割り当てられることになります。

続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は51.1%、同じく室内幅と全幅の比率は80.6%、同じく室内高と全高の比率は70.8%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は29.2%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


GLSでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.795m
期待される荷室の幅 1.460m
対角線の長さ 2.314m
期待される荷室の面積 2.621m²

縦方向の長さが1.795m(対角線では2.314m)などという破格のクラスになると、これはもう四の五の言わず車に住むべきです。

これだけの車を所持できる素養は持ち得ているのですから、細かいことは気にせずあらゆる支配からの卒業を宣言し、信じられぬ大人との争いに終止符を打ちましょう。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。

車中泊にあると嬉しいアイテム


166824 GLSの税金・年間維持費シミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税51000円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税24600円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かる軽油代月額6500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2016/04モデルのGLSを9年落ちの中古で706.2万円にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    GLSの2016/04モデルの場合、2025年現在では9年が経過しているため、新車価格の60%である642万円に諸経費として64.2万円を足した706.2万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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2016年式を9年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税 3000cc以下 11年未満 51000円
自動車重量税
1年分
3.0トン以下 13年未満 24600円
自賠責保険料
(1年換算)
自家用乗用車 8825円
燃料代
年間1万㎞
1万㎞÷11.5×165円/L 143480円
オイル交換
5000km毎
1回6500円×2回 13000円
タイヤ交換
5年5万km毎
1本21000円×4本÷5年 16800円
任意保険料
月額6500円
月額6500円×12ヶ月 78000円
ローン完済後の年間維持費 335800円
名目 区分 金額
車のローン額
1年分
月額117700円×12ヶ月 1412400円
ローン返済中の年間維持費 1748200円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 69900円
  • 初度登録から9年経過車の場合、「3000cc以下で11年未満」クラスの自動車税は51000円、「3.0トン以下で13年未満」クラスの自動車重量税は24600円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに6500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本21000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額6500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした69900円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

お財布に厚みが増した勢いで少し色気を出して愛車にステータス性を求めるなら、月換算28000円くらいの出費は覚悟しましょう。なあに大丈夫、愛車のためです。

口癖のように「もうちょっと維持費が安ければねえ…?」なんて呟くその姿は自慢げなようであり、しかし哀愁を帯びているようでもあり、傍からすれば対応に困ります。より維持費の安い新車を買うほどではない…ないが…考えずにもいられない、そんなクラスです。全体から見るとこの辺りから面白味のある車が増えてきます。

GLSの維持費は高い?安い?

「GLSの年間維持費は335800円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「3000ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてGLSの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いハイエース バン274670円-61130円
GLSの維持費335800円
スープラ343900円+8100円
グランエース352500円+16700円
スカイライン379100円+43300円
基準3000ccクラス平均413500円+77700円
アリスト453300円+117500円
スカイライン GT-R480700円+144900円
X5519600円+183800円
高いXM ワゴン623000円+287200円

GLSの年間維持費を、3000ccクラスで最も維持費が安いハイエース バンと比較して61130円高く、最も高いXM ワゴンと比較して287200円安く、3000ccクラスの平均維持費との比較では77700円安くなっています。

最低額のハイエース バンと最高額のXM ワゴンは極端な例としても、3000ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、GLSの維持費は かなり安い! と言えそうです。

年間維持費が安い 3000ccクラスの車 ランキング

GLSを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟の%年収月給手取り
10%440万円37万円29万円
15%290万円25万円20万円
20%220万円19万円15万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は440万円(総支給額37万円/月、手取り29万円/月)、ここから月額維持費2.8万円を支払うと残りは26.2万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は290万円(総支給額25万円/月、手取り20万円/月)、2.8万円を支払うと残りは17.2万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が220万円(総支給額19万円/月、手取り15万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。2.8万円を引くと残りは12.2万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代15万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、軽油(ディーゼル燃料)1リットルあたり165円を基準として、-50円となる115円から、+50円となる215円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費11.5km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代差額
115円/L 100010円 -43470円
140円/L 121750円 -21730円
155円/L 134790円 -8690円
165円/L 143480円 -
175円/L 152180円 +8700円
190円/L 165230円 +21750円
215円/L 186970円 +43490円

燃費11.5km/Lの166824型 GLSで10000km走行するのに必要な燃料は869.6L、1リットルあたり165円としたときの燃料代は143480円になります。

参考までに、GLSの燃料タンクは100リットルですので、869.6Lの給油回数は9回、1回あたりの燃料代は約15950円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては8700円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると21750円、50円も違ってくると43490円にもなります。

これを166824型 GLSの年間維持費に当てはめてみますと、軽油(ディーゼル燃料)1リットルあたり165円の場合を335800円としたとき、115円/Lに値下がりすれば292330円(87.1%)に、215円/Lに値上がりすれば379290円(113.0%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(51000円)なり重量税(24600円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなれば軽油代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

1年分の自動車税・重量税・自賠責保険料
名目 金額
自動車税 51000円
自動車重量税 1年分 24600円
自賠責保険料 1年分 8825円
合計 84425円

※現在の税制では、自動車税、自動車重量税、自賠責保険料は走行距離に関係なく税額・保険料は一律。走行距離税が新設された場合は大幅に変わる可能性あり。


維持費名目 3000km 5000km 7000km
燃料代 43040円 71740円 100440円
オイル交換 6500円 6500円 9100円
タイヤ交換 11200円 11200円 11200円
任意保険料 62400円 66360円 70200円
税金 自賠責 一律 84425円
合計 207600円 240300円 275400円
1万km差額 -128200円 -95500円 -60400円

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、軽油代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで50000km程度持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料78000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて128200円安い207600円に、5000km走行では95500円安い240300円に、7000km走行では60400円安い275400円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。軽油代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は15000kmは1.1倍、20000kmは1.2倍としたのがこちらです。

維持費名目 10000km 15000km 20000km
燃料代 143480円 215220円 286960円
オイル交換 13000円 19500円 26000円
タイヤ交換 16800円 20160円 26880円
任意保険料 78000円 85800円 93600円
税金 自賠責 一律 84425円
合計 335800円 425200円 517900円
1万km差額 - +89400円 +182100円

走行距離と維持費の変化

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
輸入車・外車の小型車&普通車編
3000cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
7人乗りSUV・RV編

GLSの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
JC08モード燃費 12.4km/L
燃料タンク容量 100L
航続距離(カタログ燃費) 1240.0km
航続距離(80%燃費) 990.0km
満タンプライス 16500円
1km走行コスト 13.31円/km
1万円でどこまで行ける? 751.5km
東京から1240.0kmの範囲

JC08モード燃費が12.4km/L、燃料タンク容量100リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は1240.0kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(11.2km/L)とすると航続距離は1120.0km、80%(9.9km/L)だと990.0km、70%(8.7km/L)では870.0kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から100リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、軽油(ディーゼル燃料)を1リットルあたり165円では16500円、上で計算した航続距離を踏まえると1240.0km(80%燃費時990.0km)を走行するのに16500円かかる計算です。

燃費を11.5km/Lとしたときの1km走行コストは13.31円、10万km走行したときの燃料代は133.1万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら13.3万円/年、7年10万kmなら19.0万円/年、5年10万kmなら26.6万円/年、3年10万kmなら44.4万円/年となります。

ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば751.5km(往復なら片道375.8km)、カタログ値の80%なら601.2km(片道300.6km)離れたところまで行くことができます。

166824 GLSのエンジン諸元とカタログデータ

OM642型エンジン簡易性能曲線図
エンジン諸元
原動機型式 OM642
気筒配列 V型6気筒
排気量2986cc
圧縮比 15.5
吸気方式 ターボ
最高出力 258PS[190kW]/3400rpm
最大トルク 63.2kgm[620Nm]/1600-2400rpm
パワーバンド 1600-3400rpm, 帯域52.9%
使用燃料 軽油(ディーゼル燃料)
JC08燃費12.4km/L(29.2mpg)
100km燃費8.1L/100km
最高出力・最大トルク 各回転数での出力
1600rpm 141PS/63.2kgm
2400rpm212PS/63.2kgm
3400rpm 258PS/54.4kgm
OM642型エンジンの諸元と性能まとめ
V型6気筒とは‥シリンダをV字型に交互で6個配置する方式。中排気量のスタンダード。
V型6気筒の最高出力ランキング

まずおさらいとして、搭載しているOM642型2986cc、V型6気筒のターボエンジンは3400回転時に最高出力258馬力を、1600-2400回転時に最大トルク63.2kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なります。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する1600rpmから最高出力が発生する3400rpmまで」の1800rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は52.9%となります。※簡易エンジン性能曲線図オレンジ色の帯域。

最高出力ランキング リスト
3000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
3000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ9.845kg/PS(2540kg/258PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ9.845kg/PS
車体+1人10.058kg/PS
車体+7人11.337kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg10.078kg/PS
車体+70kg10.116kg/PS
車体+80kg10.155kg/PS
車体+90kg10.194kg/PS
車体+100kg10.233kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは10.058kg/PS(2595kg/258PS)となり、数値としては0.213kg、比率にすると2.2%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの7人が搭乗した場合、車両重量に385kgがプラスされてパワーウェイトレシオは11.337kg/PS(2925kg/258PS)となり、数値としては1.492kg、比率にすると15.2%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

166824 GLSのライバル候補車たち

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ10.058kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

愛すべきライバル車種
Page Link車名 PWR+55kg

-
GLS
10.058kg/PS
258PS・3.0L-TB
車体のみPWR 9.845
2595kg
+2.2%

車種詳細
ヴェゼル
10.038kg/PS
132PS・1.5L-NA
車体のみPWR 9.621
1325kg
+4.3%

車種詳細
ヴィッツ G’s
10.000kg/PS
109PS・1.5L-NA
車体のみPWR 9.495
1090kg
+5.3%

車種詳細
フォレスター
10.101kg/PS
148PS・2.0L-NA
車体のみPWR 9.730
1495kg
+3.8%

車種詳細
エクストレイル
10.087kg/PS
173PS・2.0L-TB
車体のみPWR 9.769
1745kg
+3.3%

車種詳細
ステップワゴン
10.093kg/PS
162PS・2.4L-NA
車体のみPWR 9.753
1635kg
+3.5%


9.957kg/PSから10.159kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、ホンダの5人乗りSUV・RU3型 ヴェゼル、トヨタの5人乗りハッチバック・NCP131型 ヴィッツ G’s、スバルの5人乗りSUV・SJ5型 フォレスター、日産の5人乗りSUV・DNT31型 エクストレイル、ホンダの8人乗りミニバン・RF7型 ステップワゴンという顔ぶれが並びました。

最高出力が高いからといって、車両重量が重ければパワーウェイトレシオの数値は似たようなものになったりします。「空車状態のPWRの違いが、戦力の決定的差ではないということを…教えてやる!」といったところでしょうか。

こうなると、思いもよらぬ車種の登場に「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごも生じることもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

166824型 GLS [GLS350d 4Matic X166]のライバル車種|10.058kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は101.6PS/tとなっています。


GLSがバイクと競争するなら…?


車種詳細
グラストラッカー|249cc
10.053kg/PS
191kg/19.0PS/2.10kgm
[車体のみPWR:7.158]
1速ギヤ速度:37.8km/h
最小TWR:0.866
2016/04

-
GLS|2986cc
10.058kg/PS
2595kg/258PS/63.2kgm
[車体のみPWR:9.845]
1速ギヤ速度:28.0km/h
最小TWR:0.877

車種詳細
ドラッグスタークラシック400|399cc
10.067kg/PS
302kg/30.0PS/3.20kgm
[車体のみPWR:8.233]
1速ギヤ速度:54.6km/h
最小TWR:1.492

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではGLSとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

NJ4DA グラストラッカーと競争してみる

まずGLSより少しPWRが低いバイクとして、スズキのグラストラッカーが挙げられます。PWRの10.053kg/PSは車両重量136kgにライダーの体重55kgを加えた191kgを、最高出力19.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はグラストラッカーに9.8km/h劣り、1速TWRは0.011kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

VH02J ドラッグスタークラシック400と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ヤマハのドラッグスタークラシック400が挙げられます。PWRの10.067kg/PSは車両重量247kg+55kgの302kgを、最高出力30.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は26.6km/h劣り、1速TWRは0.615kg勝る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.858
平均ピストンスピード 10.43m/s
トルクウェイトレシオ 40.19kg/kgm
1馬力あたりのお値段 41473円
排気量1Lあたり馬力 86.40PS/L
排気量1Lあたりトルク 21.17kgm/L
1気筒あたりの馬力 43.0PS
1気筒あたりのトルク 10.5kgm
パワーバンド比率 52.9%
燃費×馬力 2974.7pt
各種ランキング
SUV・RV・クロカンのPWR
2.5~3.0Lターボ車のPWR

トルクウェイトレシオは40.19kg/kgm(2540kg/63.2kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が10700000円、最高出力が258馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は41473円、逆に1万円あたりでは0.24馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は169304円、1万円あたりでは0.06kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
3000cc以下の車編
7人乗りSUV編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は86.40PS/L、トルクは21.17kgm/L、1気筒あたりの馬力は43.0馬力、トルクは10.5kgmとなり、このエンジンが258馬力を3400回転で発生させているときの平均ピストンスピードは10.43m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.858になります。全ての車種の平均値である1.773を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと真っ直ぐ進むことを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が11.53km/L、最高出力が258PSであるこの車の獲得ポイントは2974.7ptになります。
戯れに車両重量2540kgを100kg単位にした25.4で割ってみたところ、その数値は117.12ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


166824 GLSのギヤ比と回転数・速度のステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合3400rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした3900回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 3900rpm|タイヤサイズ 275/55R19|タイヤ直径 78.5cm|円周長 246.6cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
3900rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 5.503 17.98 - - 32km/h 12150rpm 2894.8kgm
2速 3.333 10.89 0.606 1-2/
2360rpm
53km/h 7360rpm 1753.3kgm
3速 2.315 7.56 0.695 2-3/
2710rpm
76km/h 5110rpm 1217.8kgm
4速 1.661 5.43 0.717 3-4/
2800rpm
106km/h 3670rpm 873.8kgm
5速 1.211 3.96 0.729 4-5/
2840rpm
146km/h 2670rpm 637.0kgm
6速 1.000 3.27 0.826 5-6/
3220rpm
177km/h 2210rpm 526.0kgm
7速 0.865 2.83 0.865 6-7/
3370rpm
204km/h 1910rpm 455.0kgm
8速 0.717 2.34 0.829 7-8/
3230rpm
246km/h 1580rpm 377.2kgm
9速 0.601 1.96 0.838 8-9/
3270rpm
294km/h 1330rpm 316.2kgm
Final3.267レシオカバレッジ(変速比幅)9.156
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数1600-2400rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.267)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(63.2kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.267)÷タイヤの有効半径(0.3925m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は9速ギヤの294km(3400rpmでは256.2km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが1600-2400回転で最大トルク63.2kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば40.19kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(9.845kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと2894.8kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(2540kg)を1速ギヤの最大駆動力(2894.8kgm)で割ってみると0.877kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する3400回転でのトルク(54.4kgm)からTWRを算出すると1.019kg/kgmとなり、1600-3400回転の回転域では0.877-1.019kg/kgmの間で推移することがわかります。


3400rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

166824型GLSに搭載されたOM642型2986ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する3400rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

3400rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ28km/h-
2速ギヤ46km/h2060rpm
3速ギヤ67km/h2360rpm
4速ギヤ93km/h2440rpm
5速ギヤ127km/h2480rpm
6速ギヤ154km/h2810rpm
7速ギヤ178km/h2940rpm
8速ギヤ215km/h2820rpm
9速ギヤ256km/h2850rpm

まず1速ギヤで3400rpmまで引っ張ると28km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は3400rpmから2060rpmまで落ち、そこから3400rpmまで加速を続けると速度は46km/h(+18km/h)になります。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4860 7290 9720 12150 14580 17010 21870
2速 2940 4420 5890 7360 8830 10300 13250
3速 2040 3070 4090 5110 6130 7160 9200
4速 1470 2200 2930 3670 4400 5130 6600
5速 1070 1600 2140 2670 3210 3740 4810
6速 880 1320 1770 2210 2650 3090 3970
7速 760 1150 1530 1910 2290 2670 3440
8速 630 950 1270 1580 1900 2220 2850
9速 530 800 1060 1330 1590 1860 2390
※赤い数字は暫定レブリミット(3900rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.601)を選択して時速100kmにて走行すると1330回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは800回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは930回転、一般的な高速道路の80km/hでは1060回転、100km/hでは1330回転、制限速度が120km/hになると1590回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは2390回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 8 16 25 33 41 49 58 66
2速 14 27 41 54 68 82 95 109
3速 20 39 59 78 98 117 137 157
4速 27 55 82 109 136 164 191 218
5速 37 75 112 150 187 224 262 299
6速 45 91 136 181 226 272 317 362
7速 52 105 157 209 262 314 367 419
8速 63 126 189 253 316 379 442 505
9速 75 151 226 301 377 452 527 603

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(3900回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの275/55R19と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 275/55R19 | 直径 785mm

-20mm
幅255mm
-10mm
幅265mm
変更なし
幅275mm
+10mm
幅285mm
+20mm
幅295mm
50 255/50R19
37.6km/h
径 738mm
差 -47mm
265/50R19
38.1km/h
径 748mm
差 -37mm
275/50R19
38.6km/h
径 758mm
差 -27mm
285/50R19
39.1km/h
径 768mm
差 -17mm
295/50R19
39.6km/h
径 778mm
差 -7mm
55 255/55R19
38.9km/h
径 764mm
差 -21mm
265/55R19
39.5km/h
径 775mm
差 -10mm
275/55R19
40.0km/h
785mm
0mm
285/55R19
40.6km/h
径 797mm
差 +12mm
295/55R19
41.2km/h
径 808mm
差 +23mm
60 255/60R19
40.2km/h
径 789mm
差 +4mm
265/60R19
40.8km/h
径 801mm
差 +16mm
275/60R19
41.4km/h
径 813mm
差 +28mm
285/60R19
42.0km/h
径 825mm
差 +40mm
295/60R19
42.6km/h
径 837mm
差 +52mm
65 255/65R19
41.5km/h
径 815mm
差 +30mm
265/65R19
42.2km/h
径 828mm
差 +43mm
275/65R19
42.9km/h
径 841mm
差 +56mm
285/65R19
43.5km/h
径 854mm
差 +69mm
295/65R19
44.2km/h
径 867mm
差 +82mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、255/55R19 、265/50R19、265/55R19 、275/50R19 、285/50R19 、295/50R19あたりのタイヤがおすすめです。

275/55R19のタイヤ幅を255mmから305mmまで、扁平率を40%から70%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、275/55R19の適応サイズと性能の変化 [166824型GLS編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】275/55R19のタイヤ銘柄と通販価格

166824型 GLS 3.0Lターボ 4WD/9ATの通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を比較してみます。

運動性能部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
PWR9.79㎏/PS9.85㎏/PS49.8ptC
最高回転数5880rpm3400rpm19.5ptF
1速ギヤ
加速性能
1.58㎏/㎏m0.88㎏/㎏m64.8ptA
1速ギヤ
最高速
51.1㎞/h28.0㎞/h28.8ptF
1リットル
換算馬力
103.35PS/L86.40PS/L43.9ptD
1リットル
換算トルク
15.98㎏m/L21.17㎏m/L66.1ptA
WB/TR比1.7731.85841.3ptD
ワイド&
ロー指数
0.8940.95645.6ptD
前面の面積2.631m23.580m223.5ptF
最低地上高154.5mm200mm31.6ptE
スポーツ性能部門の得点392.0pt
総合評価F

※PWR(パワーウェイトレシオ)・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比(旋回性能重視)・ワイド&ロー指数(見た目のかっこよさ)・前面の面積(≒前方投影面積・空気抵抗)・最低地上高については数値が小さいほど高得点。最高回転数・1速ギヤ最高速・1リットル換算馬力・1リットル換算トルクについては数値が大きいほど高得点。

ユーティリティ部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
年間維持費340696円335800円50.4ptC
JC08燃費17.7km/L12.4km/L41.7ptD
100km/h
回転数
2490rpm1330rpm65.3ptA
航続距離644.1km1153.2km79.3ptS
車の大きさ11.468m318.364m322.7ptF
車内の広さ3430.7L5354.2L68.8ptA
乗車定員4.8人7人68.3ptA
1人あたり
車内広さ
691.9L764.9L56.1ptB
車内床面積2.793m24.087m268.5ptA
最小回転
半径
5.17m5.7m39.2ptD
ユーティリティ部門の得点560.3pt
総合評価A

※JC08燃費・航続距離(燃費×燃料タンク容量)・室内の広さ(室内長×室内幅×室内高)・乗車定員・1人あたりの車内の広さは数値が大きいほど高得点、新車価格・年間維持費・100km/h回転数・車の大きさ(全長×全幅×全高)・最小回転半径は数値が小さいほど高得点。

結果発表!
部門 全10706車種中 RANK
運動性能 392.0pt 10336位 F
運動性能部門 ランキング
ユーティリティ 560.3pt 827位 A
ユーティリティ部門 ランキング
総合得点 952.3pt 8369位 D
総合得点ランキング

スポーツ性能部門は392.0点で全10706車種中の10336位、ユーティリティ部門は560.3点で827位、総合得点は952.3点で8369位となりました。各部門、獲得点数が多い車種から順番に並べたランキングを用意してありますのでご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介した166824型 GLS(4WD/9AT) の各種スペックを、7人乗SUV3000ccという属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを比較してみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

GLSの歴代モデル

2代目 167923型 GLS
167923 GLSは2020/03に登場した2代目モデル。参考車両の「GLS400d 4matic X167」は全長5210mm、全幅1955mm、全高1825mmの車体に、330PS/71.4kgmを発生するOM656型2924ccエンジンを搭載した7人乗りSUV。

初代 166873型 GLS
166873 GLSは2016/04に登場した初代モデル。参考車両の「GLS550 4Matic Sports X166」は全長5140mm、全幅1980mm、全高1850mmの車体に、455PS/71.4kgmを発生するM278型4663ccエンジンを搭載した7人乗りSUV。


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