LJR ディスカバリーの性能と維持費 4WD/4AT 7人 429万円 1999年式

このページでは、ランドローバーの5ドア・7人乗りSUV、初代のE-LJR型ディスカバリー V8i-ES 7人乗り【1999/03モデル・180PS/31.8kgm・4WD/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

LJR ディスカバリー
販売期間:1991/10 - 1999/06

画像はランドローバーより引用
http://www.landrover.co.jp/
投稿:2012/05/06|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長4510mm×全幅1800mm×全高1950mm、排気量は3947ccであることから、大雑把に分類すると4.0リットルクラス(4000cc、自動車税は4.0L以下を適用)に属し、全長、全高は5ナンバー枠ながら全幅が1.7mを超え、排気量も2000ccを超えていることにより3ナンバー登録になります。比較的コンパクトなボディに大きめなエンジンの組み合わせは世界戦略車(グローバルカー)やちょっとした高級車に良くあるパターンです。
参考:150PS~200PSの自動車 一覧

駆動方式には車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆる四輪駆動(All Wheel Drive・AWD・Four Wheel Drive・4WDとも)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4510mmであるこの車の場合は「ミディアム」(Medium:4300mm超-4650mm以下・Dセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


LJR型 ディスカバリー [3947cc/180PS 4WD/4AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

初代ディスカバリーの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
1999/03
LJL型
[Tdi-S 5人乗り]
2.5L-TB・4WD/4AT・339.0万円
120PS・27.0kgm・-
120PS
27.0kgm
-
ディスカバリーの新型モデル
2代目 LT94A型ディスカバリー
LT94A型ディスカバリーは2000/11に登場した2代目モデル。参考車両の「HSE」は全長4720mm、全幅1890mm、全高1940mmの車体に、185PS/34.7kgmを発生する94D型3947ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー ランドローバー
車名&
グレード
ディスカバリー
V8i-ES 7人乗り
その他 V8i-S カウンティ 3ドア 5人乗りあり
お値段 4290000円
車両型式 E-LJR
駆動方式
変速機
4WD・四輪駆動(AWD)
4速AT・4速オートマ車
ドア/定員 5ドア/7名乗車
車体寸法 長4510×幅1800×高1950mm
室内寸法 長1810×幅1550×高1240mm
軸距&
輪距
2540mm
前1485mm/後1485mm
タイヤ 前輪:235/70R16
後輪:235/70R16
ブレーキ 前:ディスク
後:ディスク
車両重量 2020kg
エンジン諸元
原動機型式 36D
気筒配列 V型8気筒
排気量3947cc
圧縮比9.4
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 180PS[132kW]/4750rpm
最大トルク 31.8kgm[312Nm]/3100rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
10・15燃費 5.4km/L(12.7mpg)
100km燃費 18.5L/100km
36D型エンジンの諸元と性能まとめ
V型8気筒とは‥シリンダをV字型に交互で8個配置する方式。中?大排気量のスタンダード。
V型8気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税76400円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税31500円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額7500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、1999/03モデルのディスカバリーを25年落ちの中古で94.4万円にて購入し、頭金なしで2年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    ディスカバリーの1999/03モデルの場合、2024年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の20%である85.8万円に諸経費として8.6万円を足した94.4万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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1999年式を25年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 4000cc以下 13年経過 76400円
自動車重量税(1年分) 2.5トン以下 18年経過 31500円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷4.6km/L×190円/L 413040円
オイル交換(5000km毎) 1回6500円×2回 13000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本12000円×4本÷5年 9600円
任意保険料(月額7500円) 月額7500円×12ヶ月 90000円
ローン完済後の年間維持費 642400円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額39330円×12ヶ月 471960円
ローン返済中の年間維持費 1114400円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 83700円
名目 金額
自動車税(1年分) 76400円
自動車重量税(1年分) 31500円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
413040円
(289130円)
(206520円)
(123910円)
オイル交換(5000km毎) 13000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 9600円
任意保険料(月額7500円) 90000円
ローン完済後の年間維持費 642400円
名目 金額
車のローン額(1年分) 471960円
ローン返済中の年間維持費 1114400円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
83700円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「4000cc以下で13年経過」クラスの自動車税は76400円、「2.5トン以下で18年経過」クラスの自動車重量税は31500円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに6500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本12000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額7500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした83700円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

天に見放されし生粋のド貧民には考えも及ばぬ世界です。金額を見ただけで気が遠くなります。その維持費は月額でさえ53600円(ローン完済前は92900円)にもなる車を所有する、どうやって…?食うものも食わず、着るものも着ず…?いやあ、そこまでやってもまだまだ、さらに限界まで節制に節制を極めたとしても、それでもなお手の届かぬ未知の領域です。

天に魅入られし大富豪でもなければ、お給金の大半をディスカバリーに吸い取られ泣くハメになりそうですが、ということはつまり、この車のステータス性は抜群であると言えます。

ディスカバリーの維持費は高い?安い?

「ディスカバリーの年間維持費は642400円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「4000ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてディスカバリーの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いラングラー398100円-244300円
フェアレディZ442700円-199700円
ラングラー アンリミテッド463300円-179100円
FJクルーザー469600円-172800円
基準4000ccクラス平均491000円-151400円
Gクラス 4x4507700円-134700円
チェロキー564600円-77800円
ディスカバリーの維持費642400円
高いランドクルーザー80720300円+77900円

ディスカバリーの年間維持費を、4000ccクラスで最も維持費が安いラングラーと比較して244300円高く、最も高いランドクルーザー80と比較して77900円安く、4000ccクラスの平均維持費との比較では151400円高くなっています。

最低額のラングラーと最高額のランドクルーザー80は極端な例としても、4000ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、ディスカバリーの維持費は かなり高い! と言えそうです。

年間維持費が安い 4000ccクラスの車 ランキング

ディスカバリーを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%840万円70万円54万円
15%560万円47万円37万円
20%420万円35万円27万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は840万円(総支給額70万円/月、手取り54万円/月)、ここから月額維持費5.4万円を支払うと残りは48.6万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は560万円(総支給額47万円/月、手取り37万円/月)、5.4万円を支払うと残りは31.6万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が420万円(総支給額35万円/月、手取り27万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。5.4万円を引くと残りは21.6万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代42万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり190円を基準として、-50円となる140円から、+50円となる240円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費4.6km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
140円/L
304360円
[-108680円]
-25円
165円/L
358710円
[-54330円]
-10円
180円/L
391320円
[-21720円]
190円/L413040円
[0円]
+10円
200円/L
434800円
[+21760円]
+25円
215円/L
467410円
[+54370円]
+50円
240円/L
521760円
[+108720円]

燃費4.6km/LのLJR型 ディスカバリーで10000km走行するのに必要な燃料は2174L、1リットルあたり190円としたときの燃料代は413040円になります。

参考までに、ディスカバリーの燃料タンクは81リットルですので、2174Lの給油回数は27回、1回あたりの燃料代は約15300円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては21760円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると54370円、50円も違ってくると108720円にもなります。

これをLJR型 ディスカバリーの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり190円の場合を642400円としたとき、140円/Lに値下がりすれば533720円(83.1%)に、240円/Lに値上がりすれば751120円(116.9%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(76400円)なり重量税(31500円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76400円 23%
自動車重量税 1年分 31500円 10%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 3000km分 123910円 38%
オイル交換 年1回 6500円 2%
タイヤ交換 6年毎 6400円 2%
任意保険料 80% 72000円 22%
合計
[1万kmとの差額]
325600円
-316800円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76400円 19%
自動車重量税 1年分 31500円 8%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 5000km分 206520円 50%
オイル交換 年1回 6500円 2%
タイヤ交換 6年毎 6400円 2%
任意保険料 85% 76560円 17%
合計
[1万kmとの差額]
412800円
-229600円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76400円 15%
自動車重量税 1年分 31500円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 7000km分 289130円 58%
オイル交換 年1回 9100円 2%
タイヤ交換 6年毎 6400円 1%
任意保険料 90% 81000円 16%
合計
[1万kmとの差額]
502400円
-140000円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料90000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて316800円安い325600円に、5000km走行では229600円安い412800円に、7000km走行では140000円安い502400円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76400円 9%
自動車重量税 1年分 31500円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 15000km分 619560円 70%
オイル交換 年3回 39000円 4%
タイヤ交換 2.7年毎 14400円 2%
任意保険料 100% 90000円 10%
合計
[1万kmとの差額]
879700円
+237300円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76400円 7%
自動車重量税 1年分 31500円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 826080円 75%
オイル交換 年4回 52000円 5%
タイヤ交換 2年毎 19200円 2%
任意保険料 100% 90000円 7%
合計
[1万kmとの差額]
1104100円
+461700円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
輸入車・外車の小型車&普通車編
4000cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
7人乗りSUV・RV編

ディスカバリーの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 5.4km/L
燃料タンク容量 81L
航続距離(カタログ燃費) 437.4km
航続距離(80%燃費) 348.3km
満タンプライス 15390円
1km走行コスト 35.19円
1万円でどこまで行ける? 284.2km

10・15モード燃費が5.4km/L、燃料タンク容量81リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は437.4kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(4.9km/L)とすると航続距離は396.9km、80%(4.3km/L)だと348.3km、70%(3.8km/L)では307.8kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から81リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり190円では15390円、上で計算した航続距離を踏まえると437.4km(80%燃費時348.3km)を走行するのに15390円かかる計算です。

燃費を4.6km/Lとしたときの1km走行コストは35.19円、10万km走行したときの燃料代は351.9万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら35.2万円/年、7年10万kmなら50.3万円/年、5年10万kmなら70.4万円/年、3年10万kmなら117.3万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば284.2km(往復なら片道142.1km)、カタログ値の80%なら227.4km(片道113.7km)離れたところまで行くことができます。

カタログデータから見えてくる要素

36D型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
3100回転時の馬力 138PS
4750回転時の馬力 180PS
各回転域でのトルク
3100回転時のトルク 31.8kgm
4750回転時のトルク 27.1kgm
36D型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載している36D型3947cc、V型8気筒の自然吸気エンジンは4750回転時に最高出力180馬力を、3100回転時に最大トルク31.8kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、最大トルクの発生回転数が若干高めにあるこのエンジンは、普段使いでも不足を感じることなく、それでいて高い回転数を維持すればスポーティな走行も楽しめるバランスの良さが魅力です。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する3100rpmから最高出力が発生する4750rpmまで」の1650rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は34.7%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
4000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
4000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ11.222kg/PS(2020kg/180PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ11.222kg/PS
車体+1人11.528kg/PS
車体+7人13.361kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg11.556kg/PS
車体+70kg11.611kg/PS
車体+80kg11.667kg/PS
車体+90kg11.722kg/PS
車体+100kg11.778kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは11.528kg/PS(2075kg/180PS)となり、数値としては0.306kg、比率にすると2.7%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの7人が搭乗した場合、車両重量に385kgがプラスされてパワーウェイトレシオは13.361kg/PS(2405kg/180PS)となり、数値としては2.139kg、比率にすると19.1%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

LJR ディスカバリーのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
1999/03

-
ディスカバリー
11.528kg/PS
2075kg/180PS|4.0L-NA
[車体のみPWR:11.222]
2011/06

車種詳細
シエンタ
11.591kg/PS
1275kg/110PS|1.5L-NA
車体のみPWR:11.091
2015/12

車種詳細
デリカD:2
11.484kg/PS
1045kg/91PS|1.3L-NA
車体のみPWR:10.879
2015/08

車種詳細
ソリオ
11.484kg/PS
1045kg/91PS|1.3L-NA
車体のみPWR:10.879
2012/09

車種詳細
ノート
11.480kg/PS
1125kg/98PS|1.2L-SC
車体のみPWR:10.918
2015/08

車種詳細
ソリオ バンディット
11.484kg/PS
1045kg/91PS|1.3L-NA
車体のみPWR:10.879

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ11.528kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

11.413kg/PSから11.643kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、トヨタの7人乗りミニバン「NCP81G型 シエンタ」、三菱の5人乗りミニバン「MB36S型 デリカD:2」、スズキの5人乗りミニバン「MA36S型 ソリオ」、日産の5人乗りハッチバック「E12型 ノート」、スズキの5人乗りミニバン「MA36S型 ソリオ バンディット」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

LJR型 ディスカバリー [V8i-ES 7人乗り]のライバル車種|11.528kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は89.1PS/tとなっています。


ディスカバリーがバイクと競争するなら…?


車種詳細
バンバン200|199cc
11.438kg/PS
183kg/16.0PS/1.50kgm
[車体のみPWR:8.000]
1速ギヤ速度:33.4km/h
最小TWR:0.946
1999/03

-
ディスカバリー|3947cc
11.528kg/PS
2075kg/180PS/31.8kgm
[車体のみPWR:11.222]
1速ギヤ速度:61.8km/h
最小TWR:2.193

車種詳細
TLM220R|216cc
11.538kg/PS
150kg/13.1PS/2.00kgm
[車体のみPWR:7.308]
1速ギヤ速度:24.8km/h
最小TWR:0.568

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではディスカバリーとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

NH42A バンバン200と競争してみる

まずディスカバリーより少しPWRが低いバイクとして、スズキのバンバン200が挙げられます。PWRの11.438kg/PSは車両重量128kgにライダーの体重55kgを加えた183kgを、最高出力16.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はバンバン200に28.4km/h勝り、1速TWRは1.247kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

MD23 TLM220Rと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ホンダのTLM220Rが挙げられます。PWRの11.538kg/PSは車両重量95kg+55kgの150kgを、最高出力13.1PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は37.0km/h勝り、1速TWRは1.625kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.710
平均ピストンスピード 11.26m/s
トルクウェイトレシオ 63.52kg/kgm
1馬力あたりのお値段 23833円
排気量1Lあたり馬力 45.60PS/L
排気量1Lあたりトルク 8.06kgm/L
1気筒あたりの馬力 22.5PS
1気筒あたりのトルク 4.0kgm
パワーバンド比率 34.7%
燃費×馬力 826.2pt
各種ランキング
SUV・RV・クロカンのPWR
3.5~4.0L以下のPWR

トルクウェイトレシオは63.52kg/kgm(2020kg/31.8kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が4290000円、最高出力が180馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は23833円、逆に1万円あたりでは0.42馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は134906円、1万円あたりでは0.07kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
4000cc以下の車編
7人乗りSUV編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は45.60PS/L、トルクは8.06kgm/L、1気筒あたりの馬力は22.5馬力、トルクは4.0kgmとなり、このエンジンが180馬力を4750回転で発生させているときの平均ピストンスピードは11.26m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が71.1mmである36D型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は8440回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.710になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと小回りを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が4.59km/L、最高出力が180PSであるこの車の獲得ポイントは826.2ptになります。
戯れに車両重量2020kgを100kg単位にした20.2で割ってみたところ、その数値は40.90ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


人間様の占有スペース

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

人間様の占有スペース
室内長×室内幅×室内高 3.479m³
1人あたりのスペース 0.497m³
室内長/全長 40.1%
室内幅/全幅 86.1%
室内高/全高 63.6%
室内容積/車両体積 22.0%

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は3.479m³です。この車の乗車定員は7人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.497m³のスペースに閉じ込められることになります。大柄な体格だとさすがに狭苦しく感じるかもしれません。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は40.1%、同じく室内幅と全幅の比率は86.1%、同じく室内高と全高の比率は63.6%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は22.0%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


ディスカバリーでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.579m
期待される荷室の幅 1.450m
対角線の長さ 2.144m
期待される荷室の面積 2.290m²

縦方向の長さが1.579m(対角線では2.144m)となれば、一般的な身長ならそれなりの車中泊を楽しむことができそうです。

車の中で足を伸ばして優雅に寝られる悦びを味わうために最低限必要な長さを備えた、車中泊のスタンダードと呼ぶに相応しい性能を有しています。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。

車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合4750rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした5250回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 5250rpm|タイヤサイズ 235/70R16|タイヤ直径 73.5cm|円周長 230.9cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
5250rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 2.479 10.65 -
-
68km/h 7690rpm 921.3kgm
2速 1.479 6.35 0.597 1-2/
3130rpm
114km/h 4590rpm 549.7kgm
3速 1.000 4.30 0.676 2-3/
3550rpm
169km/h 3100rpm 371.7kgm
4速 0.728 3.13 0.728 3-4/
3820rpm
233km/h 2260rpm 270.6kgm
Final 3.538 レシオカバレッジ(変速比幅)3.405

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数3100rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.538)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(31.8kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.538)÷タイヤの有効半径(0.3675m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は4速ギヤの233km(4750rpmでは210.5km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが3100回転で最大トルク31.8kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば63.52kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(11.222kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと921.3kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(2020kg)を1速ギヤの最大駆動力(921.3kgm)で割ってみると2.193kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する4750回転でのトルク(27.1kgm)からTWRを算出すると2.573kg/kgmとなり、3100-4750回転の回転域では2.193-2.573kg/kgmの間で推移することがわかります。


おまけ:4750rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

LJR型ディスカバリーに搭載された36D型3947ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する4750rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

4750rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ62km/h-
2速ギヤ104km/h2840rpm
3速ギヤ153km/h3210rpm
4速ギヤ210km/h3460rpm

まず1速ギヤで4750rpmまで引っ張ると62km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は4750rpmから2840rpmまで落ち、そこから4750rpmまで加速を続けると速度は104km/h(+42km/h)になります。

3速ギヤでは3210rpmまで落ちて4750rpmで153km/h(+49km/h)に、4速ギヤでは3460rpmまで落ちて4750rpmで210km/h(+57km/h)に、という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 3070 4610 6150 7690 9220 10760 13830
2速 1830 2750 3670 4590 5500 6420 8250
3速 1240 1860 2480 3100 3720 4340 5580
4速 900 1350 1810 2260 2710 3160 4060
※赤い数字は暫定レブリミット(5250rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.728)を選択して時速100kmにて走行すると2260回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1350回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1580回転、一般的な高速道路の80km/hでは1810回転、100km/hでは2260回転、制限速度が120km/hになると2710回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは4060回転まで回ります。

一般的な自動車であれば時速100kmでの巡航回転数は2500回転付近に落ち着くようですが、その中でも若干低めの回転数となっています。標準的なギヤ比の範囲内ながらも加速よりも静粛性や燃費に重きを置いた設定なので、急な坂道や長く続く坂道では積極的にギヤを1段下げる操作が必要になるかもしれません。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 13 26 39 52 65 78 91 104
2速 22 44 65 87 109 131 153 174
3速 32 65 97 129 161 194 226 258
4速 44 89 133 177 222 266 310 354

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(5250回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの235/70R16と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 235/70R16 | 直径 735mm

-20mm
幅215mm
-10mm
幅225mm
変更なし
幅235mm
+10mm
幅245mm
+20mm
幅255mm
-5%
65
扁平
215/65R16
37.3km/h
直径686mm
径差-49mm
225/65R16
38.0km/h
直径699mm
径差-36mm
235/65R16
38.7km/h
直径712mm
径差-23mm
245/65R16
39.5km/h
直径725mm
径差-10mm
255/65R16
40.2km/h
直径738mm
径差+3mm
0%
70
扁平
215/70R16
38.5km/h
直径707mm
径差-28mm
225/70R16
39.2km/h
直径721mm
径差-14mm
235/70R16
40.0km/h
735mm
0mm
245/70R16
40.8km/h
直径749mm
径差+14mm
255/70R16
41.5km/h
直径763mm
径差+28mm
+5%
75
扁平
215/75R16
39.7km/h
直径729mm
径差-6mm
225/75R16
40.5km/h
直径744mm
径差+9mm
235/75R16
41.3km/h
直径759mm
径差+24mm
245/75R16
42.1km/h
直径774mm
径差+39mm
255/75R16
42.9km/h
直径789mm
径差+54mm
+10%
80
扁平
215/80R16
40.8km/h
直径750mm
径差+15mm
225/80R16
41.7km/h
直径766mm
径差+31mm
235/80R16
42.6km/h
直径782mm
径差+47mm
245/80R16
43.4km/h
直径798mm
径差+63mm
255/80R16
44.3km/h
直径814mm
径差+79mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、215/70R16、215/75R16 、225/65R16、225/70R16 、235/65R16 、245/65R16 あたりのタイヤがおすすめです。

235/70R16のタイヤ幅を215mmから265mmまで、扁平率を55%から85%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、235/70R16の適応サイズと性能の変化 [LJR型ディスカバリー編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】235/70R16のタイヤ銘柄と通販価格

LJR型ディスカバリー[4.0L-NA 4WD/4AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト11.222kg/ps46.02
1速ギヤ加速性能2.193kg/kgm36.82
1L換算馬力45.60ps/L28.32
1L換算トルク8.06kgm/L32.80
WB/TR比1.71056.49
ワイド&ロー指数1.08336.20
前面の面積3.510m²25.28
最低地上高-43.72
スポーツ性能部門の得点305.65

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
10-15燃費5.4km/L33.30
年間維持費642400円21.07
100kmh回転数2260rpm53.09
航続距離437.4km34.01
車の大きさ15.830m³67.34
室内の広さ3.479m³50.58
最小回転半径-39.45
馬力単価23833円47.01
ユーティリティ部門の得点345.85

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した LJR型ディスカバリー[4.0L-NA 4WD/4AT] の総合得点は 651.50 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したLJR型ディスカバリー(4WD/4AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全ての7人乗SUV」、「4000ccの7人乗SUV」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

ディスカバリーの歴代モデル

4代目 LA5N型 ディスカバリー4
LA5N ディスカバリー4は2009/06に登場した4代目モデル。参考車両の「HSE」は全長4850mm、全幅1920mm、全高1890mmの車体に、375PS/52.0kgmを発生する508PN型4999ccエンジンを搭載した7人乗りSUV。

3代目 LA40型 ディスカバリー3
LA40 ディスカバリー3は2005/05に登場した3代目モデル。参考車両の「G4-Challenge」は全長4850mm、全幅1920mm、全高1880mmの車体に、215PS/36.7kgmを発生する406PN型4009ccエンジンを搭載した5人乗りSUV。

2代目 LT56型 ディスカバリー
LT56 ディスカバリーは2000/11に登場した2代目モデル。参考車両の「V8i-S」は全長4680mm、全幅1890mm、全高1880mmの車体に、185PS/34.7kgmを発生する94D型3947ccエンジンを搭載した5人乗りSUV。

初代 LJL型 ディスカバリー
LJL ディスカバリーは1991/10に登場した初代モデル。参考車両の「Tdi-S 5人乗り」は全長4485mm、全幅1800mm、全高1920mmの車体に、120PS/27.0kgmを発生するL型2490ccエンジンを搭載した5人乗りSUV。