JBS2ND:XF スポーツブレイクの性能と維持費 4WD/8AT 722万円

このページでは、ジャガーの5ドア・5人乗りワゴン、初代の3CA-JBS2ND型XF スポーツブレイク XF-S D200 MHEV【2021/05モデル・204PS/43.8kgm・4WD/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

JBS2ND XF スポーツブレイク
販売期間:2017/11 -

画像はジャガーより引用
http://www.jaguar.co.jp/
投稿:2022/06/14|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長4975mm×全幅1880mm×全高1495mm、排気量は1997ccであることから、大雑把に分類すると2.0リットルクラス(2000cc、自動車税は2.0L以下を適用)に属し、排気量は2000cc以下なれど、全長と全幅が5ナンバー枠を超えていることにより3ナンバー登録になります。車体が大きい割りに排気量が小さいものの、ターボによる過給のおかげで非力さを感じることはなさそうです。
参考:200PS~250PSの自動車 一覧

駆動方式には車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆる四輪駆動(All Wheel Drive・AWD・Four Wheel Drive・4WDとも)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4975mmであるこの車の場合は「ラグジュアリー」(Luxury:4900mm超・Fセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


JBS2ND型 XF スポーツブレイク [1997cc/204PS 4WD/8AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

初代XF スポーツブレイクの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2021/05
JB2XD型
[XF-S P250]
2.0L-TB・FR/8AT・697.0万円
250PS・37.2kgm・10.9km/L
250PS
37.2kgm
10.9km/L
2021/05
JBS2XD型
[XF-S P250]
2.0L-TB・FR/8AT・742.0万円
250PS・37.2kgm・11.2km/L
250PS
37.2kgm
11.2km/L
2021/05
JB2XD型
[XF R-Dynamic SE P300]
2.0L-TB・4WD/8AT・838.0万円
300PS・40.8kgm・10.6km/L
300PS
40.8kgm
10.6km/L
初代 XF 型式一覧 X250系まとめ 2007-2015【全15車種】

主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー ジャガー
車名&
グレード
XF スポーツブレイク
XF-S D200 MHEV
その他 -
お値段 7220000円
車両型式 3CA-JBS2ND
駆動方式
変速機
4WD・四輪駆動(AWD)
8速AT・8速オートマ車
ドア/定員 5ドア/5名乗車
車体寸法 長4975×幅1880×高1495mm
軸距&
輪距
2960mm
前1605mm/後1595mm
最小半径 5.6m
タイヤ 前輪:245/45R18
後輪:245/45R18
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 1940kg
エンジン諸元
原動機型式 204DTY
気筒配列 直列4気筒
排気量1997cc
吸気方式 ターボ
最高出力 204PS[150kW]/3750-4000rpm
最大トルク 43.8kgm[430Nm]/1750-2500rpm
使用燃料 軽油(ディーゼル燃料)
WLTC燃費 14.5km/L(34.1mpg)
100km燃費 6.9L/100km
204DTY型エンジンの諸元と性能まとめ
直列4気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に4個配置する方式。小排気量から2.5Lあたりまでをカバー。
直列4気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税36000円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税16400円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かる軽油代月額5500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、XF スポーツブレイクの新車を830.3万円(諸費用として108.3万円を加算)にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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新車で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 2000cc以下 11年未満 36000円
自動車重量税(1年分) 2.0トン以下 13年未満 16400円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷14.5km/L×155円/L 106900円
オイル交換(5000km毎) 1回5500円×2回 11000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本18000円×4本÷5年 14400円
任意保険料(月額5500円) 月額5500円×12ヶ月 66000円
ローン完済後の年間維持費 259600円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額138380円×12ヶ月 1660560円
ローン返済中の年間維持費 1920100円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 53500円
名目 金額
自動車税(1年分) 36000円
自動車重量税(1年分) 16400円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
106900円
(74830円)
(53450円)
(32070円)
オイル交換(5000km毎) 11000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 14400円
任意保険料(月額5500円) 66000円
ローン完済後の年間維持費 259600円
名目 金額
車のローン額(1年分) 1660560円
ローン返済中の年間維持費 1920100円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
53500円
  • 初度登録から3年経過車の場合、「2000cc以下で11年未満」クラスの自動車税は36000円、「2.0トン以下で13年未満」クラスの自動車重量税は16400円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに5500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本18000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額5500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした53500円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

お財布に厚みが増した勢いで少し色気を出して愛車にステータス性を求めるなら、月換算21700円くらいの出費は覚悟しましょう。なあに大丈夫、愛車のためです。

口癖のように「もうちょっと維持費が安ければねえ…?」なんて呟くその姿は自慢げなようであり、しかし哀愁を帯びているようでもあり、傍からすれば対応に困ります。より維持費の安い新車を買うほどではない…ないが…考えずにもいられない、そんなクラスです。全体から見るとこの辺りから面白味のある車が増えてきます。

XF スポーツブレイクの維持費は高い?安い?

「XF スポーツブレイクの年間維持費は259600円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「2000ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてXF スポーツブレイクの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いプリウス189800円-69800円
ヴォクシー ハイブリッド227000円-32600円
XF スポーツブレイクの維持費259600円
スイフト スポーツ275300円+15700円
シビック タイプR312300円+52700円
基準2000ccクラス平均316600円+57000円
アコード345200円+85600円
WRX STI364700円+105100円
エクスプローラー413900円+154300円
高いBX484900円+225300円

XF スポーツブレイクの年間維持費を、2000ccクラスで最も維持費が安いプリウスと比較して69800円高く、最も高いBXと比較して225300円安く、2000ccクラスの平均維持費との比較では57000円安くなっています。

最低額のプリウスと最高額のBXは極端な例としても、2000ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、XF スポーツブレイクの維持費は まあまあ安い! と言えそうです。

年間維持費が安い 2000ccクラスの車 ランキング

XF スポーツブレイクを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%340万円29万円23万円
15%220万円19万円15万円
20%170万円15万円12万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は340万円(総支給額29万円/月、手取り23万円/月)、ここから月額維持費2.2万円を支払うと残りは20.8万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は220万円(総支給額19万円/月、手取り15万円/月)、2.2万円を支払うと残りは12.8万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が170万円(総支給額15万円/月、手取り12万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。2.2万円を引くと残りは9.8万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代11万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、軽油(ディーゼル燃料)1リットルあたり155円を基準として、-50円となる105円から、+50円となる205円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費14.5km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
105円/L
72420円
[-34480円]
-25円
130円/L
89670円
[-17230円]
-10円
145円/L
100010円
[-6890円]
155円/L106900円
[0円]
+10円
165円/L
113810円
[+6910円]
+25円
180円/L
124150円
[+17250円]
+50円
205円/L
141390円
[+34490円]

燃費14.5km/LのJBS2ND型 XF スポーツブレイクで10000km走行するのに必要な燃料は689.7L、1リットルあたり155円としたときの燃料代は106900円になります。

参考までに、XF スポーツブレイクの燃料タンクは66リットルですので、689.7Lの給油回数は11回、1回あたりの燃料代は約9720円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては6910円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると17250円、50円も違ってくると34490円にもなります。

これをJBS2ND型 XF スポーツブレイクの年間維持費に当てはめてみますと、軽油(ディーゼル燃料)1リットルあたり155円の場合を259600円としたとき、105円/Lに値下がりすれば225120円(86.7%)に、205円/Lに値上がりすれば294090円(113.3%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(36000円)なり重量税(16400円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

税金の安さは折り紙付き!
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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなれば軽油代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 36000円 22%
自動車重量税 1年分 16400円 10%
自賠責保険料 1年分 8825円 5%
燃料代 3000km分 32070円 20%
オイル交換 年1回 5500円 3%
タイヤ交換 6年毎 9600円 6%
任意保険料 80% 52800円 34%
合計
[1万kmとの差額]
161200円
-98400円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 36000円 19%
自動車重量税 1年分 16400円 9%
自賠責保険料 1年分 8825円 5%
燃料代 5000km分 53450円 29%
オイル交換 年1回 5500円 3%
タイヤ交換 6年毎 9600円 5%
任意保険料 85% 56160円 30%
合計
[1万kmとの差額]
186000円
-73600円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 36000円 17%
自動車重量税 1年分 16400円 8%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 7000km分 74830円 35%
オイル交換 年1回 7700円 4%
タイヤ交換 6年毎 9600円 5%
任意保険料 90% 59400円 27%
合計
[1万kmとの差額]
212800円
-46800円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、軽油代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料66000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて98400円安い161200円に、5000km走行では73600円安い186000円に、7000km走行では46800円安い212800円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。軽油代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 36000円 11%
自動車重量税 1年分 16400円 5%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 15000km分 160350円 47%
オイル交換 年3回 33000円 10%
タイヤ交換 2.7年毎 21600円 6%
任意保険料 100% 66000円 18%
合計
[1万kmとの差額]
342200円
+82600円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 36000円 9%
自動車重量税 1年分 16400円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 20000km分 213800円 52%
オイル交換 年4回 44000円 11%
タイヤ交換 2年毎 28800円 7%
任意保険料 100% 66000円 15%
合計
[1万kmとの差額]
413900円
+154300円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
輸入車・外車の小型車&普通車編
2000cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
ステーションワゴン編

【WLTC特典】市街地・郊外・高速道路の走行比率が変わると?

ひとくちにWLTCモード燃費と言いましても、信号や渋滞があるノロノロ道路の走行を想定した市街地モード(11.0km/L)、信号や渋滞が少ないスイスイ道路の走行を想定した郊外モード(14.1km/L)、高速道路の走行を想定した高速道路モード(17.2km/L)という3つの走行パターンを内包してありまして、これらを「平均的な使用時間配分」なるもので構成したのがWLTCモード燃費(14.5km/L)ということになります。

ここでは年間走行距離を10000kmとして市街地、郊外、高速道路の走行比率を変えてみたとき、WLTCモード燃費での軽油代106900円からどのように変化するかを見ていきたいと思います。

  • 1リットル155円として計算。
  • []内は低燃費タイヤ装着(エコタイヤ)で燃費が3%向上すると仮定した場合の軽油代。
    「差額で元が取れるかな?どうかな?」という、なかなかに絶妙なラインです。
参考:燃費が3%向上すると…?
市街地11.0km/L → 11.3km/L
郊外14.1km/L → 14.5km/L
高速道路17.2km/L → 17.7km/L

●例1:都市部にお住まい

まず最初に、市街地の住まいを想定して、走行の大半を市街地(90%)、たまに郊外へお買い物(5%)、稀に高速道路に乗ってどこか遠くへ…(5%)という場合で見てみます。

市街地90%・郊外5%・高速5%
市街地9000km126820円
[123460円]
郊外500km5500円
[5350円]
高速道路500km4510円
[4370円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
136830円
+29930円
11.3km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
133180円
-3650円
11.6km/L
  • 市街地走行の軽油代
    市街地の走行を9000kmとするとき、市街地モード燃費が11.0km/Lでは軽油818.2Lを消費して、軽油代は126820円になります。
  • 郊外走行の軽油代
    郊外の走行を500kmとするとき、郊外モード燃費が14.1km/Lでは軽油35.5Lを消費して、軽油代は5500円になります。
  • 高速道路走行の軽油代
    高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が17.2km/Lでは軽油29.1Lを消費して、軽油代は4510円になります。

このパターンでは使用した燃料量が882.8L、かかった軽油代が136830円となり、平均燃費は11.3km/L(-3.2km/L)、WLTCモード燃費との軽油代の差は+29930円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着で燃費が3%アップするとして、同じ条件で走行すると軽油代は133180円となり、3650円安くなります。車検2回ごとにタイヤ交換するとき、寿命までの5年間で18250円の経費削減になる計算です。純正タイヤとエコタイヤの差額がこれ以上ならお得、以下なら…?

●例2:市街地と郊外を行き来

次に、とにかく市街地と郊外を行ったり来たりする条件を想定して、市街地の走行を50%、郊外の走行を50%、高速道路は走行しない場合を見てみます。

市街地50%・郊外50%・高速0%
市街地5000km70450円
[68590円]
郊外5000km54960円
[53440円]
高速道路0km0円
[0円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
125410円
+18510円
12.4km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
122030円
-3380円
12.7km/L
  • 市街地走行の軽油代
    市街地の走行を5000kmとするとき、市街地モード燃費が11.0km/Lでは454.5Lを消費して、軽油代は70450円になります。
  • 郊外走行の軽油代
    郊外の走行を5000kmとするとき、郊外モード燃費が14.1km/Lでは354.6Lを消費して、軽油代は54960円になります。

このパターンでは使用した燃料量が809.1L、かかった軽油代が125410円となり、平均燃費は12.4km/L(-2.1km/L)、WLTCモード燃費との軽油代の差は+18510円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着では軽油代が122030円となり、1年間で3380円、5年間で16900円の経費削減になる計算です。

●例3:市街地・郊外・高速道路をMix

続いて、都市部に住んでいて郊外の職場へ通勤、あるいは郊外に住んでいて都市部の職場へ通勤、高速利用もバッチリ!という感じでシミュレーションしてみます。

市街地33.3%・郊外33.4%・高速33.3%
市街地3330km46920円
[45680円]
郊外3340km36720円
[35700円]
高速道路3330km30010円
[29160円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
113650円
+6750円
13.6km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
110540円
-3110円
14.0km/L
  • 市街地走行の軽油代
    市街地の走行を3330kmとするとき、市街地モード燃費が11.0km/Lでは302.7Lを消費して、軽油代は46920円になります。
  • 郊外走行の軽油代
    郊外の走行を3340kmとするとき、郊外モード燃費が14.1km/Lでは236.9Lを消費して、軽油代は36720円になります。
  • 高速道路走行の軽油代
    高速道路の走行を3330kmとするとき、高速道路モード燃費が17.2km/Lでは193.6Lを消費して、軽油代は30010円になります。

このパターンでは使用した燃料量が733.2L、かかった軽油代が113650円となり、平均燃費は13.6km/L(-0.9km/L)、WLTCモード燃費との軽油代の差は+6750円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着では軽油代が110540円となり、1年間で3110円、5年間で15550円の経費削減になる計算です。

●例4:農村部にお住まい

最後に、びっくりするほど田舎な住まいを想定して、市街地の走行を5%、郊外の走行を90%、高速道路の走行を5%とした場合を見てみます。

市街地5%・郊外90%・高速5%
市街地500km7050円
[6850円]
郊外9000km98940円
[96210円]
高速道路500km4510円
[4370円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
110500円
+3600円
14.0km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
107430円
-3070円
14.4km/L
  • 市街地走行の軽油代
    市街地の走行を500kmとするとき、市街地モード燃費が11.0km/Lでは45.5Lを消費して、軽油代は7050円になります。
  • 郊外走行の軽油代
    郊外の走行を9000kmとするとき、郊外モード燃費が14.1km/Lでは638.3Lを消費して、軽油代は98940円になります。
  • 高速道路走行の軽油代
    高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が17.2km/Lでは29.1Lを消費して、軽油代は4510円になります。

このパターンでは使用した燃料量が712.9L、かかった軽油代が110500円となり、平均燃費は14.0km/L(-0.5km/L)、WLTCモード燃費との軽油代の差は+3600円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着では軽油代が107430円となり、1年間で3070円、5年間で15350円の経費削減になる計算です。

以上、極端な条件でのシミュレーションではありますが、走行シチュエーションによって平均燃費は変わり(11.3km/L・12.4km/L・13.6km/L・14.0km/L)、軽油代のほうもなかなかな違い(136830円・125410円・113650円・110500円)が出てくることがわかります。


市街地・郊外・高速道路の満タン航続距離

各モード燃費と航続距離
燃料タンク容量 66リットル
WLTCモード燃費
14.5km/L
957.0km
市街地燃費
11.0km/L
726.0km
[-231.0km]
郊外燃費
14.1km/L
930.6km
[-26.4km]
高速道路燃費
17.2km/L
1135.2km
[+178.2km]
満タン給油価格 10230円
1km走行コスト 10.69円
1万円走行距離 935.5km

WLTCモード燃費が14.5km/L、燃料タンク容量66リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は957.0kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(13.1km/L)とすると航続距離は864.6km、80%(11.6km/L)だと765.6km、70%(10.1km/L)では666.6kmになります。

WLTCモード燃費には市街地モード・郊外モード・高速道路モードという3つの走行パターンが内包されておりますので、参考までにそれぞれのモード燃費で燃料タンクが空になるまで走行した場合の満タン航続距離を計算してみます。

燃料タンクの容量を66Lとしたとき、市街地モード燃費11.0km/Lでの航続距離は726.0km(-231.0km)、郊外モード燃費14.1km/Lでの航続距離は930.6km(-26.4km)、高速道路モード燃費17.2km/Lでの航続距離は1135.2km(+178.2km)となります。

ある特定のシチュエーションのみを、燃料タンクが空になるまで走行することはなかなかありませんが、「その気になればこのくらいの距離を走れちゃうんだぜ!」という参考データだけは持っておくと、次回の給油回数削減チャレンジでギリギリのラインを狙っていくのに役立つ、かもしれません。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から66リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、軽油(ディーゼル燃料)を1リットルあたり155円では10230円、上で計算した航続距離を踏まえると957.0km(80%燃費時765.6km)を走行するのに10230円かかる計算です。

燃費を14.5km/Lとしたときの1km走行コストは10.69円、10万km走行したときの燃料代は106.9万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら10.7万円/年、7年10万kmなら15.3万円/年、5年10万kmなら21.4万円/年、3年10万kmなら35.6万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば935.5km(往復なら片道467.7km)、カタログ値の80%なら748.4km(片道374.2km)離れたところまで行くことができます。

カタログデータから見えてくる要素

204DTY型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
1750回転時の馬力 107PS
2500回転時の馬力 153PS
3750回転時の馬力 204PS
4000回転時の馬力 204PS
各回転域でのトルク
1750回転時のトルク 43.8kgm
2500回転時のトルク 43.8kgm
3750回転時のトルク 39.0kgm
4000回転時のトルク 36.5kgm
204DTY型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載している204DTY型1997cc、直列4気筒のターボエンジンは3750-4000回転時に最高出力204馬力を、1750-2500回転時に最大トルク43.8kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する1750rpmから最高出力が発生する4000rpmまで」の2250rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は56.2%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
2000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
2000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ9.510kg/PS(1940kg/204PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ9.510kg/PS
車体+1人9.779kg/PS
車体+5人10.858kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg9.804kg/PS
車体+70kg9.853kg/PS
車体+80kg9.902kg/PS
車体+90kg9.951kg/PS
車体+100kg10.000kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは9.779kg/PS(1995kg/204PS)となり、数値としては0.269kg、比率にすると2.8%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは10.858kg/PS(2215kg/204PS)となり、数値としては1.348kg、比率にすると14.2%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

JBS2ND XF スポーツブレイクのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2021/05

-
XF スポーツブレイク
9.779kg/PS
1995kg/204PS|2.0L-TB
[車体のみPWR:9.510]
2010/04

車種詳細
ウィッシュ
9.826kg/PS
1415kg/144PS|1.8L-NA
車体のみPWR:9.444
2019/04

車種詳細
RAV4
9.854kg/PS
1685kg/171PS|2.0L-NA
車体のみPWR:9.532
2015/04

車種詳細
エクシーガ クロスオーバー7
9.682kg/PS
1675kg/173PS|2.5L-NA
車体のみPWR:9.364
2017/12

車種詳細
CX-8
9.711kg/PS
1845kg/190PS|2.2L-TB
車体のみPWR:9.421
2016/02

車種詳細
イグニス
9.945kg/PS
905kg/91PS|1.3L-NA
車体のみPWR:9.341

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ9.779kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

9.583kg/PSから9.975kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、トヨタの7人乗りミニバン「ZGE20W型 ウィッシュ」、トヨタの5人乗りSUV「MXAA54型 RAV4」、スバルの7人乗りSUV「YAM型 エクシーガ クロスオーバー7」、マツダの7人乗りSUV「KG2P型 CX-8」、スズキの5人乗りSUV「FF21S型 イグニス」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

JBS2ND型 XF スポーツブレイク [XF-S D200 MHEV]のライバル車種|9.779kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は105.2PS/tとなっています。


XF スポーツブレイクがバイクと競争するなら…?


車種詳細
ブルバード400|399cc
9.758kg/PS
322kg/33.0PS/3.40kgm
[車体のみPWR:8.091]
1速ギヤ速度:53.4km/h
最小TWR:1.391
2021/05

-
XF スポーツブレイク|1997cc
9.779kg/PS
1995kg/204PS/43.8kgm
[車体のみPWR:9.510]
1速ギヤ速度:35.7km/h
最小TWR:1.048

車種詳細
ST250|249cc
9.800kg/PS
196kg/20.0PS/2.20kgm
[車体のみPWR:7.050]
1速ギヤ速度:37.9km/h
最小TWR:0.858

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではXF スポーツブレイクとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

VK57A ブルバード400と競争してみる

まずXF スポーツブレイクより少しPWRが低いバイクとして、スズキのブルバード400が挙げられます。PWRの9.758kg/PSは車両重量267kgにライダーの体重55kgを加えた322kgを、最高出力33.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はブルバード400に17.7km/h劣り、1速TWRは0.343kg勝る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

NJ4AA ST250と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、スズキのST250が挙げられます。PWRの9.800kg/PSは車両重量141kg+55kgの196kgを、最高出力20.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は2.2km/h劣り、1速TWRは0.190kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.850
平均ピストンスピード 12.31m/s
トルクウェイトレシオ 44.29kg/kgm
1馬力あたりのお値段 35392円
排気量1Lあたり馬力 102.15PS/L
排気量1Lあたりトルク 21.93kgm/L
1気筒あたりの馬力 51.0PS
1気筒あたりのトルク 10.9kgm
パワーバンド比率 56.2%
燃費×馬力 2958.0pt
各種ランキング
ステーションワゴンのPWR
1.8~2.0Lターボ車のPWR

トルクウェイトレシオは44.29kg/kgm(1940kg/43.8kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が7220000円、最高出力が204馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は35392円、逆に1万円あたりでは0.28馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は164840円、1万円あたりでは0.06kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
2000cc以下の車編
ステーションワゴン編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は102.15PS/L、トルクは21.93kgm/L、1気筒あたりの馬力は51.0馬力、トルクは10.9kgmとなり、このエンジンが204馬力を4000回転で発生させているときの平均ピストンスピードは12.31m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.850になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと真っ直ぐ進むことを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が14.5km/L、最高出力が204PSであるこの車の獲得ポイントは2958.0ptになります。
戯れに車両重量1940kgを100kg単位にした19.4で割ってみたところ、その数値は152.47ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)



XF スポーツブレイクでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.741m
期待される荷室の幅 1.480m
対角線の長さ 2.285m
期待される荷室の面積 2.577m²

縦方向の長さが1.741m(対角線では2.285m)などという破格のクラスになると、これはもう四の五の言わず車に住むべきです。

これだけの車を所持できる素養は持ち得ているのですから、細かいことは気にせずあらゆる支配からの卒業を宣言し、信じられぬ大人との争いに終止符を打ちましょう。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。

車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合3750-4000rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした4500回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 4500rpm|タイヤサイズ 245/45R18|タイヤ直径 67.8cm|円周長 213.0cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
4500rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 5.250 14.33 -
-
40km/h 11210rpm 1851.8kgm
2速 3.360 9.17 0.640 1-2/
2880rpm
63km/h 7180rpm 1185.2kgm
3速 2.172 5.93 0.646 2-3/
2910rpm
97km/h 4640rpm 766.1kgm
4速 1.720 4.70 0.792 3-4/
3560rpm
122km/h 3670rpm 606.7kgm
5速 1.316 3.59 0.765 4-5/
3440rpm
160km/h 2810rpm 464.2kgm
6速 1.000 2.73 0.760 5-6/
3420rpm
211km/h 2140rpm 352.7kgm
7速 0.822 2.24 0.822 6-7/
3700rpm
256km/h 1760rpm 289.9kgm
8速 0.640 1.75 0.779 7-8/
3510rpm
329km/h 1370rpm 225.7kgm
Final 2.730 レシオカバレッジ(変速比幅)8.203

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数1750-2500rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(2.730)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(43.8kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(2.730)÷タイヤの有効半径(0.339m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は8速ギヤの329km(4000rpmでは292.6km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが1750-2500回転で最大トルク43.8kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば44.29kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(9.510kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと1851.8kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1940kg)を1速ギヤの最大駆動力(1851.8kgm)で割ってみると1.048kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する4000回転でのトルク(36.5kgm)からTWRを算出すると1.257kg/kgmとなり、1750-4000回転の回転域では1.048-1.257kg/kgmの間で推移することがわかります。


おまけ:4000rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

JBS2ND型XF スポーツブレイクに搭載された204DTY型1997ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する4000rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

4000rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ36km/h-
2速ギヤ56km/h2560rpm
3速ギヤ86km/h2580rpm
4速ギヤ109km/h3170rpm
5速ギヤ142km/h3060rpm
6速ギヤ187km/h3040rpm
7速ギヤ228km/h3290rpm
8速ギヤ293km/h3120rpm

まず1速ギヤで4000rpmまで引っ張ると36km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は4000rpmから2560rpmまで落ち、そこから4000rpmまで加速を続けると速度は56km/h(+20km/h)になります。

3速ギヤでは2580rpmまで落ちて4000rpmで86km/h(+30km/h)に、4速ギヤでは3170rpmまで落ちて4000rpmで109km/h(+23km/h)に、5速ギヤでは3060rpmまで落ちて4000rpmで142km/h(+33km/h)になります。

続いて6速ギヤでは3040rpmまで落ちて4000rpmで187km/h(+45km/h)に、7速ギヤでは3290rpmまで落ちて4000rpmで228km/h(+41km/h)に、8速ギヤでは3120rpmまで落ちて4000rpmで293km/h(+65km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4490 6730 8970 11210 13460 15700 20190
2速 2870 4310 5740 7180 8610 10050 12920
3速 1860 2780 3710 4640 5570 6500 8350
4速 1470 2200 2940 3670 4410 5140 6610
5速 1120 1690 2250 2810 3370 3940 5060
6速 850 1280 1710 2140 2560 2990 3850
7速 700 1050 1400 1760 2110 2460 3160
8速 550 820 1090 1370 1640 1910 2460
※赤い数字は暫定レブリミット(4500rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.640)を選択して時速100kmにて走行すると1370回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは820回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは960回転、一般的な高速道路の80km/hでは1090回転、100km/hでは1370回転、制限速度が120km/hになると1640回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは2460回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 9 18 27 36 45 54 62 71
2速 14 28 42 56 70 84 98 111
3速 22 43 65 86 108 129 151 172
4速 27 54 82 109 136 163 191 218
5速 36 71 107 142 178 213 249 285
6速 47 94 140 187 234 281 328 375
7速 57 114 171 228 285 342 399 456
8速 73 146 219 293 366 439 512 585

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(4500回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの245/45R18と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 245/45R18 | 直径 678mm

-20mm
幅225mm
-10mm
幅235mm
変更なし
幅245mm
+10mm
幅255mm
+20mm
幅265mm
-5%
40
扁平
225/40R18
37.6km/h
直径637mm
径差-41mm
235/40R18
38.1km/h
直径645mm
径差-33mm
245/40R18
38.5km/h
直径653mm
径差-25mm
255/40R18
39.0km/h
直径661mm
径差-17mm
265/40R18
39.5km/h
直径669mm
径差-9mm
0%
45
扁平
225/45R18
38.9km/h
直径660mm
径差-18mm
235/45R18
39.5km/h
直径669mm
径差-9mm
245/45R18
40.0km/h
678mm
0mm
255/45R18
40.5km/h
直径687mm
径差+9mm
265/45R18
41.1km/h
直径696mm
径差+18mm
+5%
50
扁平
225/50R18
40.2km/h
直径682mm
径差+4mm
235/50R18
40.8km/h
直径692mm
径差+14mm
245/50R18
41.4km/h
直径702mm
径差+24mm
255/50R18
42.0km/h
直径712mm
径差+34mm
265/50R18
42.6km/h
直径722mm
径差+44mm
+10%
55
扁平
225/55R18
41.6km/h
直径705mm
径差+27mm
235/55R18
42.2km/h
直径716mm
径差+38mm
245/55R18
42.9km/h
直径727mm
径差+49mm
255/55R18
43.5km/h
直径738mm
径差+60mm
265/55R18
44.2km/h
直径749mm
径差+71mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、225/45R18 、235/40R18、235/45R18 、245/40R18 、255/40R18 、265/40R18あたりのタイヤがおすすめです。

245/45R18のタイヤ幅を225mmから275mmまで、扁平率を30%から60%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、245/45R18の適応サイズと性能の変化 [JBS2ND型XF スポーツブレイク編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】245/45R18のタイヤ銘柄と通販価格

JBS2ND型XF スポーツブレイク[2.0Lターボ 4WD/8AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト9.510kg/ps50.71
1速ギヤ加速性能1.048kg/kgm61.28
1L換算馬力102.15ps/L49.64
1L換算トルク21.93kgm/L68.60
WB/TR比1.85042.06
ワイド&ロー指数0.79557.08
前面の面積2.811m²44.85
最低地上高-43.72
スポーツ性能部門の得点417.94

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
WLTC燃費14.5km/L46.60
年間維持費259600円56.14
100kmh回転数1370rpm64.84
航続距離957.0km64.10
車の大きさ13.983m³60.02
室内の広さ(仮) 2.536m³41.60
最小回転半径5.6m41.22
馬力単価35392円31.81
ユーティリティ部門の得点406.33

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した JBS2ND型XF スポーツブレイク[2.0Lターボ 4WD/8AT] の総合得点は 824.27 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したJBS2ND型XF スポーツブレイク(4WD/8AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのワゴン」、「2000ccのワゴン」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。