X322V:CTS クーペの性能と維持費 FR/6AT 899万円 2012年式

このページでは、キャデラックの2ドア・4人乗りクーペ、2代目のABA-X322V型CTS クーペ CTS-V Coupe【2012/01モデル・564PS/76.1kgm・FR/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

X322V CTS クーペ
販売期間:2011/01 - 2014/02

画像はキャデラックより引用
http://www.cadillacjapan.com/
投稿:2015/06/25|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長4800mm×全幅1900mm×全高1420mm、排気量は6156ccであることから、大雑把に分類すると6.2リットルクラス(6200cc、自動車税は6.0L超を適用)に属し、全長、全幅、排気量ともに5ナンバー枠を超えていることにより完全無欠の3ナンバー登録車です。いわゆる【高級車】にカテゴライズされます。
参考:500PS~600PSの自動車 一覧

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、後輪のみを駆動する、フロントエンジン・リヤドライブ方式(後輪駆動・FR・RWDとも)を採用しています。前輪は操舵、後輪は駆動と役割分担が異なることから優れたハンドリングを得られるとされ、運転の質を求める人々から絶大なる支持を集めます。高級車の代名詞的な駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4800mmであるこの車の場合は「アッパーミディアム」(Upper-Medium:4650mm超-4900mm以下・Eセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


X322V型 CTS クーペ [6156cc/564PS FR/6AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

2代目CTS クーペの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2012/01
X322V型
[CTS-V]
6.2L-SC・FR/6AT・872.0万円
564PS・76.1kgm・5.9km/L
564PS
76.1kgm
5.9km/L
2012/01
X322C型
[3.0-Standard]
3.0L-NA・FR/6AT・515.0万円
273PS・30.8kgm・8.4km/L
273PS
30.8kgm
8.4km/L
2012/01
X322B型
[3.6-Premium]
3.6L-NA・FR/6AT・664.0万円
322PS・38.0kgm・8.2km/L
322PS
38.0kgm
8.2km/L
2代目CTS クーペの車両型式・グレード一覧【全8車種】
CTS クーペの新型モデル
3代目 A1LLV型CTS-V
A1LLV型CTS-Vは2014/04に登場した3代目モデル。参考車両の「spec-A」は全長5045mm、全幅1870mm、全高1435mmの車体に、649PS/87.2kgmを発生する6162ccエンジンを搭載。

CTS クーペの旧型モデル
初代 AD33H型CTS
AD33H型CTSは2003/03に登場した初代モデル。参考車両の「3.6L」は全長4850mm、全幅1795mm、全高1460mmの車体に、255PS/34.7kgmを発生する3H型3564ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー キャデラック
車名&
グレード
CTS クーペ
CTS-V Coupe
その他 -
お値段 8990000円
車両型式 ABA-X322V
駆動方式
変速機
FR・後輪駆動(RWD,2WD)
6速AT・6速オートマ車
ドア/定員 2ドア/4名乗車
車体寸法 長4800×幅1900×高1420mm
室内寸法 長1850×幅1360×高1070mm
軸距&
輪距
2880mm
前1575mm/後1595mm
タイヤ 前輪:255/40R19
後輪:285/35R19
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 1940kg
エンジン諸元
原動機型式 6H
気筒配列 V型8気筒
排気量6156cc
吸気方式 スーパーチャージャー
最高出力 564PS[415kW]/6100rpm
最大トルク 76.1kgm[746Nm]/3800rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
JC08燃費 5.9km/L(13.9mpg)
100km燃費 16.9L/100km
6H型エンジンの諸元と性能まとめ
V型8気筒とは‥シリンダをV字型に交互で8個配置する方式。中?大排気量のスタンダード。
V型8気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税111000円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税16400円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額10000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2012/01モデルのCTS クーペを12年落ちの中古で445.1万円にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    CTS クーペの2012/01モデルの場合、2024年現在では12年が経過しているため、新車価格の45%である404.55万円に諸経費として40.5万円を足した445.1万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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2012年式を12年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 6000cc超 13年未満 111000円
自動車重量税(1年分) 2.0トン以下 13年未満 16400円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷5.5×185円/L 336360円
オイル交換(5000km毎) 1回13000円×2回 26000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本21000円×4本÷5年 16800円
任意保険料(月額10000円) 月額10000円×12ヶ月 120000円
ローン完済後の年間維持費 635400円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額74170円×12ヶ月 890040円
ローン返済中の年間維持費 1525500円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 53500円
名目 金額
自動車税(1年分) 111000円
自動車重量税(1年分) 16400円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
336360円
(235450円)
(168180円)
(100910円)
オイル交換(5000km毎) 26000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 16800円
任意保険料(月額10000円) 120000円
ローン完済後の年間維持費 635400円
名目 金額
車のローン額(1年分) 890040円
ローン返済中の年間維持費 1525500円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
53500円
  • 初度登録から12年経過車の場合、「6000cc超で13年未満」クラスの自動車税は111000円、「2.0トン以下で13年未満」クラスの自動車重量税は16400円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに13000円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本21000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額10000円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした53500円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

天に見放されし生粋のド貧民には考えも及ばぬ世界です。金額を見ただけで気が遠くなります。その維持費は月額でさえ53000円(ローン完済前は127200円)にもなる車を所有する、どうやって…?食うものも食わず、着るものも着ず…?いやあ、そこまでやってもまだまだ、さらに限界まで節制に節制を極めたとしても、それでもなお手の届かぬ未知の領域です。

天に魅入られし大富豪でもなければ、お給金の大半をCTS クーペに吸い取られ泣くハメになりそうですが、ということはつまり、この車のステータス性は抜群であると言えます。

CTS クーペの維持費は高い?安い?

「CTS クーペの年間維持費は635400円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「6000cc超クラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてCTS クーペの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いコルベット クーペ512300円-123100円
7シリーズ559100円-76300円
Cクラス ステーションワゴン AMG586400円-49000円
コルベット コンバーチブル620300円-15100円
基準6000cc超クラス平均633800円-1600円
CTS クーペの維持費635400円
Eクラス セダン659800円+24400円
グランドチェロキー666900円+31500円
Sクラス セダン AMG713100円+77700円
高いSLクラス766100円+130700円

CTS クーペの年間維持費を、6000cc超クラスで最も維持費が安いコルベット クーペと比較して123100円高く、最も高いSLクラスと比較して130700円安く、6000cc超クラスの平均維持費との比較では1600円高くなっています。

最低額のコルベット クーペと最高額のSLクラスは極端な例としても、6000cc超クラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、CTS クーペの維持費は ちょっと高い! と言えそうです。

年間維持費が安い 6000cc超クラスの車 ランキング

CTS クーペを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%830万円70万円54万円
15%550万円46万円36万円
20%410万円35万円27万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は830万円(総支給額70万円/月、手取り54万円/月)、ここから月額維持費5.3万円を支払うと残りは48.7万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は550万円(総支給額46万円/月、手取り36万円/月)、5.3万円を支払うと残りは30.7万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が410万円(総支給額35万円/月、手取り27万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。5.3万円を引くと残りは21.7万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代34万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり185円を基準として、-50円となる135円から、+50円となる235円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費5.5km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
135円/L
245460円
[-90900円]
-25円
160円/L
290920円
[-45440円]
-10円
175円/L
318190円
[-18170円]
185円/L336360円
[0円]
+10円
195円/L
354550円
[+18190円]
+25円
210円/L
381830円
[+45470円]
+50円
235円/L
427280円
[+90920円]

燃費5.5km/LのX322V型 CTS クーペで10000km走行するのに必要な燃料は1818.2L、1リットルあたり185円としたときの燃料代は336360円になります。

参考までに、CTS クーペの燃料タンクは66リットルですので、1818.2Lの給油回数は28回、1回あたりの燃料代は約12020円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては18190円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると45470円、50円も違ってくると90920円にもなります。

これをX322V型 CTS クーペの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり185円の場合を635400円としたとき、135円/Lに値下がりすれば544500円(85.7%)に、235円/Lに値上がりすれば726320円(114.3%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(111000円)なり重量税(16400円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 111000円 31%
自動車重量税 1年分 16400円 5%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 3000km分 100910円 28%
オイル交換 年1回 13000円 4%
タイヤ交換 6年毎 11200円 3%
任意保険料 80% 96000円 27%
合計
[1万kmとの差額]
357400円
-278000円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 111000円 26%
自動車重量税 1年分 16400円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 5000km分 168180円 39%
オイル交換 年1回 13000円 3%
タイヤ交換 6年毎 11200円 3%
任意保険料 85% 102000円 23%
合計
[1万kmとの差額]
430700円
-204700円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 111000円 22%
自動車重量税 1年分 16400円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 7000km分 235450円 46%
オイル交換 年1回 18200円 4%
タイヤ交換 6年毎 11200円 2%
任意保険料 90% 108000円 21%
合計
[1万kmとの差額]
509100円
-126300円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料120000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて278000円安い357400円に、5000km走行では204700円安い430700円に、7000km走行では126300円安い509100円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 111000円 13%
自動車重量税 1年分 16400円 2%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 15000km分 504540円 58%
オイル交換 年3回 78000円 9%
タイヤ交換 2.7年毎 25200円 3%
任意保険料 100% 120000円 14%
合計
[1万kmとの差額]
864000円
+228600円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 111000円 10%
自動車重量税 1年分 16400円 2%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 672720円 63%
オイル交換 年4回 104000円 10%
タイヤ交換 2年毎 33600円 3%
任意保険料 100% 120000円 11%
合計
[1万kmとの差額]
1066600円
+431200円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
輸入車・外車の小型車&普通車編
5000cc超クラス編
小型車&普通車の新車編
2ドア・クーペ編

CTS クーペの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
JC08モード燃費 5.9km/L
燃料タンク容量 66L
航続距離(カタログ燃費) 389.4km
航続距離(80%燃費) 310.2km
満タンプライス 12210円
1km走行コスト 31.36円
1万円でどこまで行ける? 318.9km

JC08モード燃費が5.9km/L、燃料タンク容量66リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は389.4kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(5.3km/L)とすると航続距離は349.8km、80%(4.7km/L)だと310.2km、70%(4.1km/L)では270.6kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から66リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり185円では12210円、上で計算した航続距離を踏まえると389.4km(80%燃費時310.2km)を走行するのに12210円かかる計算です。

燃費を5.5km/Lとしたときの1km走行コストは31.36円、10万km走行したときの燃料代は313.6万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら31.4万円/年、7年10万kmなら44.8万円/年、5年10万kmなら62.7万円/年、3年10万kmなら104.5万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば318.9km(往復なら片道159.5km)、カタログ値の80%なら255.1km(片道127.6km)離れたところまで行くことができます。

カタログデータから見えてくる要素

6H型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
3800回転時の馬力 404PS
6100回転時の馬力 564PS
各回転域でのトルク
3800回転時のトルク 76.1kgm
6100回転時のトルク 66.2kgm
6H型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載している6H型6156cc、V型8気筒のスーパーチャージャー付きエンジンは6100回転時に最高出力564馬力を、3800回転時に最大トルク76.1kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、最大トルクの発生回転数が若干高めにあるこのエンジンは、普段使いでも不足を感じることなく、それでいて高い回転数を維持すればスポーティな走行も楽しめるバランスの良さが魅力です。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する3800rpmから最高出力が発生する6100rpmまで」の2300rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は37.7%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
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最大トルク ランキング リスト
5000cc超クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ3.440kg/PS(1940kg/564PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ3.440kg/PS
車体+1人3.537kg/PS
車体+4人3.830kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg3.546kg/PS
車体+70kg3.564kg/PS
車体+80kg3.582kg/PS
車体+90kg3.599kg/PS
車体+100kg3.617kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは3.537kg/PS(1995kg/564PS)となり、数値としては0.097kg、比率にすると2.8%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの4人が搭乗した場合、車両重量に220kgがプラスされてパワーウェイトレシオは3.830kg/PS(2160kg/564PS)となり、数値としては0.390kg、比率にすると11.3%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

X322V CTS クーペのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2012/01

-
CTS クーペ
3.537kg/PS
1995kg/564PS|6.2L-SC
[車体のみPWR:3.440]
2015/01

車種詳細
RC-F
3.847kg/PS
1835kg/477PS|5.0L-NA
車体のみPWR:3.732
2016/08

車種詳細
NSX
3.619kg/PS
1835kg/507PS|3.5L-TT
車体のみPWR:3.511
2016/07

車種詳細
GT-R
3.184kg/PS
1815kg/570PS|3.8L-TT
車体のみPWR:3.088
2001/01

車種詳細
340R
3.567kg/PS
635kg/178PS|1.8L-NA
車体のみPWR:3.258
2014/06

車種詳細
Sクラス セダン AMG
3.722kg/PS
2345kg/630PS|6.0L-TT
車体のみPWR:3.635

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ3.537kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

3.183kg/PSから3.891kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、レクサスの4人乗りクーペ「USC10型 RC-F」、ホンダの2人乗りクーペ「NC1型 NSX」、日産の4人乗りクーペ「R35型 GT-R」、ロータスの2人乗りオープンカー「謎型 340R」、メルセデスベンツの5人乗りセダン「222179C型 Sクラス セダン AMG」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

X322V型 CTS クーペ [CTS-V Coupe]のライバル車種|3.537kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は290.7PS/tとなっています。


CTS クーペがバイクと競争するなら…?


車種詳細
ゼファー1100|1062cc
3.516kg/PS
320kg/91.0PS/8.90kgm
[車体のみPWR:2.912]
1速ギヤ速度:99.7km/h
最小TWR:1.050
2012/01

-
CTS クーペ|6156cc
3.537kg/PS
1995kg/564PS/76.1kgm
[車体のみPWR:3.440]
1速ギヤ速度:60.3km/h
最小TWR:0.668

車種詳細
Z650|649cc
3.559kg/PS
242kg/68.0PS/6.60kgm
[車体のみPWR:2.750]
1速ギヤ速度:60.1km/h
最小TWR:0.565

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではCTS クーペとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

ZRT10A ゼファー1100と競争してみる

まずCTS クーペより少しPWRが低いバイクとして、カワサキのゼファー1100が挙げられます。PWRの3.516kg/PSは車両重量265kgにライダーの体重55kgを加えた320kgを、最高出力91.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はゼファー1100に39.4km/h劣り、1速TWRは0.382kg勝る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

ER650H Z650と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、カワサキのZ650が挙げられます。PWRの3.559kg/PSは車両重量187kg+55kgの242kgを、最高出力68.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は0.2km/h勝り、1速TWRは0.103kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.817
平均ピストンスピード 18.71m/s
トルクウェイトレシオ 25.49kg/kgm
1馬力あたりのお値段 15940円
排気量1Lあたり馬力 91.62PS/L
排気量1Lあたりトルク 12.36kgm/L
1気筒あたりの馬力 70.5PS
1気筒あたりのトルク 9.5kgm
パワーバンド比率 37.7%
燃費×馬力 3096.4pt
各種ランキング
クーペのPWR
5.0L超のPWR

トルクウェイトレシオは25.49kg/kgm(1940kg/76.1kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が8990000円、最高出力が564馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は15940円、逆に1万円あたりでは0.63馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は118134円、1万円あたりでは0.08kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
5000cc超の車編
クーペ編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は91.62PS/L、トルクは12.36kgm/L、1気筒あたりの馬力は70.5馬力、トルクは9.5kgmとなり、このエンジンが564馬力を6100回転で発生させているときの平均ピストンスピードは18.71m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が92.0mmである6H型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6520回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.817になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、走ってよし、曲がってよしで至れり尽くせりのオールラウンダーであると言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が5.49km/L、最高出力が564PSであるこの車の獲得ポイントは3096.4ptになります。
戯れに車両重量1940kgを100kg単位にした19.4で割ってみたところ、その数値は159.61ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


人間様の占有スペース

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

人間様の占有スペース
室内長×室内幅×室内高 2.692m³
1人あたりのスペース 0.673m³
室内長/全長 38.5%
室内幅/全幅 71.6%
室内高/全高 75.4%
室内容積/車両体積 20.8%

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は2.692m³です。この車の乗車定員は4人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.673m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は38.5%、同じく室内幅と全幅の比率は71.6%、同じく室内高と全高の比率は75.4%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は20.8%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


CTS クーペでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.680m
期待される荷室の幅 1.260m
対角線の長さ 2.100m
期待される荷室の面積 2.117m²

縦方向の長さが1.680m(対角線では2.100m)ともなると、もはや車の中で生活しても良いんじゃないかと錯覚しかねないほど快適な睡眠が約束されます。

日頃の行いが悪いとか、人様には言えないことをやらかしたとか、誰の顔も見たくないなどの訳アリで家に帰れず、やむなく車中泊をしてみたが最期、あまりの気楽さに心を奪われ流浪の民となりかねません。

セダンやクーペであっても後部座席の背もたれを取り外してトランクルームと貫通させて荷室長を確保すれば良いだけの話です。たまに背もたれを取り外してもトランクルームと繋がっていなかったり、頑強な補強バーが入っていて邪魔されることもありますが、恐らく稀なケースです。

車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合6100rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6600回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6600rpm|タイヤサイズ 285/35R19|タイヤ直径 68.2cm|円周長 214.3cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6600rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 4.027 13.01 -
-
65km/h 10120rpm 2902.8kgm
2速 2.364 7.64 0.587 1-2/
3870rpm
111km/h 5940rpm 1704.0kgm
3速 1.532 4.95 0.648 2-3/
4280rpm
171km/h 3850rpm 1104.3kgm
4速 1.152 3.72 0.752 3-4/
4960rpm
228km/h 2890rpm 830.4kgm
5速 0.852 2.75 0.740 4-5/
4880rpm
308km/h 2140rpm 614.1kgm
6速 0.667 2.15 0.783 5-6/
5170rpm
394km/h 1680rpm 480.8kgm
Final 3.230 レシオカバレッジ(変速比幅)6.037

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数3800rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.230)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(76.1kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.230)÷タイヤの有効半径(0.341m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は6速ギヤの394km(6100rpmでは364.1km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが3800回転で最大トルク76.1kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば25.49kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(3.440kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと2902.8kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1940kg)を1速ギヤの最大駆動力(2902.8kgm)で割ってみると0.668kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する6100回転でのトルク(66.2kgm)からTWRを算出すると0.768kg/kgmとなり、3800-6100回転の回転域では0.668-0.768kg/kgmの間で推移することがわかります。


おまけ:6100rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

X322V型CTS クーペに搭載された6H型6156ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する6100rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

6100rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ60km/h-
2速ギヤ103km/h3580rpm
3速ギヤ159km/h3950rpm
4速ギヤ211km/h4590rpm
5速ギヤ285km/h4510rpm
6速ギヤ364km/h4780rpm

まず1速ギヤで6100rpmまで引っ張ると60km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は6100rpmから3580rpmまで落ち、そこから6100rpmまで加速を続けると速度は103km/h(+43km/h)になります。

3速ギヤでは3950rpmまで落ちて6100rpmで159km/h(+56km/h)に、4速ギヤでは4590rpmまで落ちて6100rpmで211km/h(+52km/h)になります。

続いて5速ギヤでは4510rpmまで落ちて6100rpmで285km/h(+74km/h)に、6速ギヤでは4780rpmまで落ちて6100rpmで364km/h(+79km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4050 6070 8090 10120 12140 14160 18210
2速 2380 3560 4750 5940 7130 8310 10690
3速 1540 2310 3080 3850 4620 5390 6930
4速 1160 1740 2320 2890 3470 4050 5210
5速 860 1280 1710 2140 2570 3000 3850
6速 670 1010 1340 1680 2010 2350 3020
※赤い数字は暫定レブリミット(6600rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.667)を選択して時速100kmにて走行すると1680回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1010回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1170回転、一般的な高速道路の80km/hでは1340回転、100km/hでは1680回転、制限速度が120km/hになると2010回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは3020回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 10 20 30 40 49 59 69 79
2速 17 34 51 67 84 101 118 135
3速 26 52 78 104 130 156 182 208
4速 35 69 104 138 173 207 242 276
5速 47 93 140 187 234 280 327 374
6速 60 119 179 239 298 358 418 477

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6600回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの285/35R19と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 285/35R19 | 直径 682mm

-20mm
幅265mm
-10mm
幅275mm
変更なし
幅285mm
+10mm
幅295mm
+20mm
幅305mm
-5%
30
扁平
265/30R19
37.7km/h
直径642mm
径差-40mm
275/30R19
38.0km/h
直径648mm
径差-34mm
285/30R19
38.4km/h
直径654mm
径差-28mm
295/30R19
38.7km/h
直径660mm
径差-22mm
305/30R19
39.1km/h
直径666mm
径差-16mm
0%
35
扁平
265/35R19
39.2km/h
直径669mm
径差-13mm
275/35R19
39.6km/h
直径676mm
径差-6mm
285/35R19
40.0km/h
682mm
0mm
295/35R19
40.5km/h
直径690mm
径差+8mm
305/35R19
40.9km/h
直径697mm
径差+15mm
+5%
40
扁平
265/40R19
40.8km/h
直径695mm
径差+13mm
275/40R19
41.2km/h
直径703mm
径差+21mm
285/40R19
41.7km/h
直径711mm
径差+29mm
295/40R19
42.2km/h
直径719mm
径差+37mm
305/40R19
42.6km/h
直径727mm
径差+45mm
+10%
45
扁平
265/45R19
42.3km/h
直径722mm
径差+40mm
275/45R19
42.9km/h
直径731mm
径差+49mm
285/45R19
43.4km/h
直径740mm
径差+58mm
295/45R19
43.9km/h
直径749mm
径差+67mm
305/45R19
44.5km/h
直径758mm
径差+76mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、265/35R19 、275/30R19、275/35R19 、285/30R19 、295/30R19 、305/30R19あたりのタイヤがおすすめです。

285/35R19のタイヤ幅を265mmから315mmまで、扁平率を20%から50%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、285/35R19の適応サイズと性能の変化 [X322V型CTS クーペ編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】285/35R19のタイヤ銘柄と通販価格

X322V型CTS クーペ[6.2L-SC FR/6AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト3.440kg/ps67.32
1速ギヤ加速性能0.668kg/kgm69.40
1L換算馬力91.62ps/L45.82
1L換算トルク12.36kgm/L38.88
WB/TR比1.81745.46
ワイド&ロー指数0.74760.57
前面の面積2.698m²48.01
最低地上高-43.72
スポーツ性能部門の得点419.18

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
JC08燃費5.9km/L31.64
年間維持費635400円21.71
100kmh回転数1680rpm60.75
航続距離389.4km31.23
車の大きさ12.950m³55.93
室内の広さ2.692m³43.09
最小回転半径-39.45
馬力単価15940円57.39
ユーティリティ部門の得点341.19

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した X322V型CTS クーペ[6.2L-SC FR/6AT] の総合得点は 760.37 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したX322V型CTS クーペ(FR/6AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのクーペ」、「5000cc超のクーペ」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

CTS クーペの歴代モデル

3代目 A1LL型 CTS
A1LL CTSは2014/04に登場した3代目モデル。参考車両の「Premium」は全長4970mm、全幅1840mm、全高1465mmの車体に、276PS/40.8kgmを発生する1D型1998ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

2代目 X322B型 CTS スポーツワゴン
X322B CTS スポーツワゴンは2010/02に登場した2代目モデル。参考車両の「3.6-Premium」は全長4870mm、全幅1850mm、全高1470mmの車体に、322PS/38.0kgmを発生する3H型3564ccエンジンを搭載した5人乗りワゴン。

初代 AD32F型 CTS
AD32F CTSは2003/03に登場した初代モデル。参考車両の「2.6L」は全長4850mm、全幅1795mm、全高1460mmの車体に、182PS/24.9kgmを発生する2F型2596ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。