7E30:7シリーズの性能と維持費 FR/8AT 5人 1432万円 2015年式

このページでは、BMWの4ドア・5人乗りセダン、6代目のDBA-7E30型7シリーズ 740Li M-sport G12【2015/10モデル・326PS/45.9kgm・FR/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

7E30 7シリーズ
販売期間:2015/10 - 2022/07

画像はBMWより引用
http://www.bmw.co.jp/
投稿:2015/11/24|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長5250mm×全幅1900mm×全高1480mm、排気量は2997ccであることから、大雑把に分類すると3.0リットルクラス(3000cc、自動車税は3.0L以下を適用)に属し、全長、全幅、排気量ともに5ナンバー枠を超えていることにより完全無欠の3ナンバー登録車です。いわゆる【高級車】にカテゴライズされます。
参考:300PS~350PSの自動車 一覧

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、後輪のみを駆動する、フロントエンジン・リヤドライブ方式(後輪駆動・FR・RWDとも)を採用しています。前輪は操舵、後輪は駆動と役割分担が異なることから優れたハンドリングを得られるとされ、運転の質を求める人々から絶大なる支持を集めます。高級車の代名詞的な駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が5250mmであるこの車の場合は「ラグジュアリー」(Luxury:4900mm超・Fセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


7E30型 7シリーズ [2997cc/326PS FR/8AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

6代目7シリーズの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2021/04
7U66型
[M760Li xDrive G12]
6.6L-TB・4WD/8AT・2613.0万円
609PS・86.7kgm・6.7km/L
609PS
86.7kgm
6.7km/L
2021/04
7S30型
[740d xDrive Luxury G11]
3.0L-TB・4WD/8AT・1228.0万円
320PS・69.3kgm・13.1km/L
320PS
69.3kgm
13.1km/L
2021/04
7R30型
[740i Standard G11]
3.0L-TB・FR/8AT・1110.0万円
340PS・45.9kgm・10.8km/L
340PS
45.9kgm
10.8km/L
6代目 7シリーズ 型式一覧 G11/G12系まとめ 2015-2022【全17車種】
7シリーズの新型モデル
7代目 22EH30型7シリーズ
22EH30型7シリーズは2022/04に登場した7代目モデル。参考車両の「740i Excellence G70」は全長5390mm、全幅1950mm、全高1545mmの車体に、381PS/53.0kgmを発生するB58B30型2997ccエンジンを搭載。

7シリーズの旧型モデル
5代目 KB60型7シリーズ
KB60型7シリーズは2009/03に登場した5代目モデル。参考車両の「760iL F02」は全長5210mm、全幅1900mm、全高1485mmの車体に、544PS/76.5kgmを発生するN74B60型5972ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー BMW
車名&
グレード
7シリーズ
740Li M-sport G12
その他 Mスポーツ
お値段 14320000円
車両型式 DBA-7E30
駆動方式
変速機
FR・後輪駆動(RWD,2WD)
8速AT・8速オートマ車
ドア/定員 4ドア/5名乗車
車体寸法 長5250×幅1900×高1480mm
軸距&
輪距
3210mm
前1620mm/後1620mm
最小半径 6.0m
最低高 135mm
タイヤ 前輪:245/45R19
後輪:275/40R19
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 1980kg
エンジン諸元
原動機型式 B58B30A
気筒配列 直列6気筒
排気量2997cc
圧縮比11.0
吸気方式 ターボ
最高出力 326PS[240kW]/5500rpm
最大トルク 45.9kgm[450Nm]/1380-5000rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
JC08燃費 12.2km/L(28.7mpg)
100km燃費 8.2L/100km
B58B30A型エンジンの諸元と性能まとめ
直列6気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に6個配置する方式。理論上では完全バランスなれど今や絶滅危惧種。
直列6気筒エンジンを搭載する車種の一覧
直列6気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税51000円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税16400円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額6500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2015/10モデルの7シリーズを9年落ちの中古で945.1万円にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    7シリーズの2015/10モデルの場合、2024年現在では9年が経過しているため、新車価格の60%である859.2万円に諸経費として85.9万円を足した945.1万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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2015年式を9年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 3000cc以下 13年未満 51000円
自動車重量税(1年分) 2.0トン以下 13年未満 16400円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷11.3×185円/L 163720円
オイル交換(5000km毎) 1回6500円×2回 13000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本21000円×4本÷5年 16800円
任意保険料(月額6500円) 月額6500円×12ヶ月 78000円
ローン完済後の年間維持費 347800円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額157520円×12ヶ月 1890240円
ローン返済中の年間維持費 2238000円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 53500円
名目 金額
自動車税(1年分) 51000円
自動車重量税(1年分) 16400円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
163720円
(114600円)
(81860円)
(49120円)
オイル交換(5000km毎) 13000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 16800円
任意保険料(月額6500円) 78000円
ローン完済後の年間維持費 347800円
名目 金額
車のローン額(1年分) 1890240円
ローン返済中の年間維持費 2238000円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
53500円
  • 初度登録から9年経過車の場合、「3000cc以下で13年未満」クラスの自動車税は51000円、「2.0トン以下で13年未満」クラスの自動車重量税は16400円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに6500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本21000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額6500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした53500円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

お財布に厚みが増した勢いで少し色気を出して愛車にステータス性を求めるなら、月換算29000円くらいの出費は覚悟しましょう。なあに大丈夫、愛車のためです。

口癖のように「もうちょっと維持費が安ければねえ…?」なんて呟くその姿は自慢げなようであり、しかし哀愁を帯びているようでもあり、傍からすれば対応に困ります。より維持費の安い新車を買うほどではない…ないが…考えずにもいられない、そんなクラスです。全体から見るとこの辺りから面白味のある車が増えてきます。

7シリーズの維持費は高い?安い?

「7シリーズの年間維持費は347800円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「3000ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたして7シリーズの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いハイエース バン266980円-80820円
GLS327100円-20700円
グランエース342500円-5300円
7シリーズの維持費347800円
スカイライン369100円+21300円
基準3000ccクラス平均402200円+54400円
アリスト439900円+92100円
スカイラインGT-R466200円+118400円
X5503300円+155500円
高いXM ワゴン600800円+253000円

7シリーズの年間維持費を、3000ccクラスで最も維持費が安いハイエース バンと比較して80820円高く、最も高いXM ワゴンと比較して253000円安く、3000ccクラスの平均維持費との比較では54400円安くなっています。

最低額のハイエース バンと最高額のXM ワゴンは極端な例としても、3000ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、7シリーズの維持費は まあまあ安い! と言えそうです。

年間維持費が安い 3000ccクラスの車 ランキング

7シリーズを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%450万円38万円30万円
15%300万円25万円20万円
20%230万円20万円16万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は450万円(総支給額38万円/月、手取り30万円/月)、ここから月額維持費2.9万円を支払うと残りは27.1万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は300万円(総支給額25万円/月、手取り20万円/月)、2.9万円を支払うと残りは17.1万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が230万円(総支給額20万円/月、手取り16万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。2.9万円を引くと残りは13.1万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代17万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり185円を基準として、-50円となる135円から、+50円となる235円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費11.3km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
135円/L
119480円
[-44240円]
-25円
160円/L
141600円
[-22120円]
-10円
175円/L
154880円
[-8840円]
185円/L163720円
[0円]
+10円
195円/L
172580円
[+8860円]
+25円
210円/L
185850円
[+22130円]
+50円
235円/L
207980円
[+44260円]

燃費11.3km/Lの7E30型 7シリーズで10000km走行するのに必要な燃料は885L、1リットルあたり185円としたときの燃料代は163720円になります。

参考までに、7シリーズの燃料タンクは78リットルですので、885Lの給油回数は12回、1回あたりの燃料代は約13650円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては8860円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると22130円、50円も違ってくると44260円にもなります。

これを7E30型 7シリーズの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり185円の場合を347800円としたとき、135円/Lに値下がりすれば303560円(87.3%)に、235円/Lに値上がりすれば392060円(112.7%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(51000円)なり重量税(16400円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 51000円 25%
自動車重量税 1年分 16400円 8%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 3000km分 49120円 24%
オイル交換 年1回 6500円 3%
タイヤ交換 6年毎 11200円 5%
任意保険料 80% 62400円 31%
合計
[1万kmとの差額]
205500円
-142300円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 51000円 21%
自動車重量税 1年分 16400円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 5000km分 81860円 34%
オイル交換 年1回 6500円 3%
タイヤ交換 6年毎 11200円 5%
任意保険料 85% 66360円 26%
合計
[1万kmとの差額]
242200円
-105600円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 51000円 18%
自動車重量税 1年分 16400円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 7000km分 114600円 41%
オイル交換 年1回 9100円 3%
タイヤ交換 6年毎 11200円 4%
任意保険料 90% 70200円 25%
合計
[1万kmとの差額]
281400円
-66400円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料78000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて142300円安い205500円に、5000km走行では105600円安い242200円に、7000km走行では66400円安い281400円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 51000円 11%
自動車重量税 1年分 16400円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 15000km分 245580円 53%
オイル交換 年3回 39000円 8%
タイヤ交換 2.7年毎 25200円 5%
任意保険料 100% 78000円 17%
合計
[1万kmとの差額]
464100円
+116300円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 51000円 9%
自動車重量税 1年分 16400円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 20000km分 327440円 58%
オイル交換 年4回 52000円 9%
タイヤ交換 2年毎 33600円 6%
任意保険料 100% 78000円 13%
合計
[1万kmとの差額]
567300円
+219500円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
輸入車・外車の小型車&普通車編
3000cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
4ドア・セダン編

7シリーズの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
JC08モード燃費 12.2km/L
燃料タンク容量 78L
航続距離(カタログ燃費) 951.6km
航続距離(80%燃費) 764.4km
満タンプライス 14430円
1km走行コスト 15.16円
1万円でどこまで行ける? 659.5km

JC08モード燃費が12.2km/L、燃料タンク容量78リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は951.6kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(11.0km/L)とすると航続距離は858.0km、80%(9.8km/L)だと764.4km、70%(8.5km/L)では663.0kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から78リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり185円では14430円、上で計算した航続距離を踏まえると951.6km(80%燃費時764.4km)を走行するのに14430円かかる計算です。

燃費を11.3km/Lとしたときの1km走行コストは15.16円、10万km走行したときの燃料代は151.6万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら15.2万円/年、7年10万kmなら21.7万円/年、5年10万kmなら30.3万円/年、3年10万kmなら50.5万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば659.5km(往復なら片道329.7km)、カタログ値の80%なら527.6km(片道263.8km)離れたところまで行くことができます。

カタログデータから見えてくる要素

B58B30A型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
1380回転時の馬力 88PS
5000回転時の馬力 320PS
5500回転時の馬力 326PS
各回転域でのトルク
1380回転時のトルク 45.9kgm
5000回転時のトルク 45.9kgm
5500回転時のトルク 42.5kgm
B58B30A型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているB58B30型2997cc、直列6気筒のターボエンジンは5500回転時に最高出力326馬力を、1380-5000回転時に最大トルク45.9kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、アイドリングとそれほど変わらないような回転数から最大トルクが発生するこのエンジンは、坂道発進も平気の平左、MT車でもエンスト知らず、扱いやすさにかけては右に出るものがありません。ディーゼル車やダウンサイジングターボに多くあります。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する1380rpmから最高出力が発生する5500rpmまで」の4120rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は74.9%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
3000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
3000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ6.074kg/PS(1980kg/326PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ6.074kg/PS
車体+1人6.242kg/PS
車体+5人6.917kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg6.258kg/PS
車体+70kg6.288kg/PS
車体+80kg6.319kg/PS
車体+90kg6.350kg/PS
車体+100kg6.380kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは6.242kg/PS(2035kg/326PS)となり、数値としては0.168kg、比率にすると2.8%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは6.917kg/PS(2255kg/326PS)となり、数値としては0.843kg、比率にすると13.9%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

7E30 7シリーズのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2015/10

-
7シリーズ
6.242kg/PS
2035kg/326PS|3.0L-TB
[車体のみPWR:6.074]
1998/09

車種詳細
シビック タイプR
6.081kg/PS
1125kg/185PS|1.6L-NA
車体のみPWR:5.784
2010/02

車種詳細
クラウン ハイブリッド
6.368kg/PS
1885kg/296PS|3.5L-NA
車体のみPWR:6.182
2001/05

車種詳細
アコード
6.295kg/PS
1385kg/220PS|2.2L-NA
車体のみPWR:6.045
2004/05

車種詳細
ソアラ
6.375kg/PS
1785kg/280PS|4.3L-NA
車体のみPWR:6.179
2009/08

車種詳細
SC
6.411kg/PS
1795kg/280PS|4.3L-NA
車体のみPWR:6.214

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ6.242kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

6.055kg/PSから6.429kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、ホンダの4人乗りハッチバック「EK9型 シビック タイプR」、トヨタの5人乗りセダン「GWS204型 クラウン ハイブリッド」、ホンダの5人乗りセダン「CL1型 アコード」、トヨタの4人乗りオープンカー「UZZ40型 ソアラ」、レクサスの4人乗りオープンカー「UZZ40型 SC」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

7E30型 7シリーズ [740Li M-sport G12]のライバル車種|6.242kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は164.6PS/tとなっています。


7シリーズがバイクと競争するなら…?


車種詳細
エリミネーター250V|249cc
6.237kg/PS
237kg/38.0PS/2.50kgm
[車体のみPWR:4.789]
1速ギヤ速度:54.3km/h
最小TWR:0.807
2015/10

-
7シリーズ|2997cc
6.242kg/PS
2035kg/326PS/45.9kgm
[車体のみPWR:6.074]
1速ギヤ速度:47.4km/h
最小TWR:0.986

車種詳細
ゼルビス|249cc
6.306kg/PS
227kg/36.0PS/2.60kgm
[車体のみPWR:4.778]
1速ギヤ速度:58.6km/h
最小TWR:0.894

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここでは7シリーズとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

VN250A エリミネーター250Vと競争してみる

まず7シリーズより少しPWRが低いバイクとして、カワサキのエリミネーター250Vが挙げられます。PWRの6.237kg/PSは車両重量182kgにライダーの体重55kgを加えた237kgを、最高出力38.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はエリミネーター250Vに6.9km/h劣り、1速TWRは0.179kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

MC25 ゼルビスと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ホンダのゼルビスが挙げられます。PWRの6.306kg/PSは車両重量172kg+55kgの227kgを、最高出力36.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は11.2km/h劣り、1速TWRは0.092kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.981
平均ピストンスピード 17.34m/s
トルクウェイトレシオ 43.14kg/kgm
1馬力あたりのお値段 43926円
排気量1Lあたり馬力 108.78PS/L
排気量1Lあたりトルク 15.32kgm/L
1気筒あたりの馬力 54.3PS
1気筒あたりのトルク 7.6kgm
パワーバンド比率 74.9%
燃費×馬力 3700.1pt
各種ランキング
セダンのPWR
2.5~3.0Lターボ車のPWR

トルクウェイトレシオは43.14kg/kgm(1980kg/45.9kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が14320000円、最高出力が326馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は43926円、逆に1万円あたりでは0.23馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は311983円、1万円あたりでは0.03kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
3000cc以下の車編
セダン編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は108.78PS/L、トルクは15.32kgm/L、1気筒あたりの馬力は54.3馬力、トルクは7.6kgmとなり、このエンジンが326馬力を5500回転で発生させているときの平均ピストンスピードは17.34m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が94.6mmであるB58B30型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6340回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.981になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、小回りよりも真っ直ぐ進むことを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が11.35km/L、最高出力が326PSであるこの車の獲得ポイントは3700.1ptになります。
戯れに車両重量1980kgを100kg単位にした19.8で割ってみたところ、その数値は186.87ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)



7シリーズでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.837m
期待される荷室の幅 1.500m
対角線の長さ 2.372m
期待される荷室の面積 2.756m²

縦方向の長さが1.837m(対角線では2.372m)などという破格のクラスになると、これはもう四の五の言わず車に住むべきです。

これだけの車を所持できる素養は持ち得ているのですから、細かいことは気にせずあらゆる支配からの卒業を宣言し、信じられぬ大人との争いに終止符を打ちましょう。

セダンやクーペであっても後部座席の背もたれを取り外してトランクルームと貫通させて荷室長を確保すれば良いだけの話です。たまに背もたれを取り外してもトランクルームと繋がっていなかったり、頑強な補強バーが入っていて邪魔されることもありますが、恐らく稀なケースです。

車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合5500rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6000回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6000rpm|タイヤサイズ 275/40R19|タイヤ直径 70.3cm|円周長 220.8cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6000rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 5.000 15.38 -
-
52km/h 11610rpm 2009.0kgm
2速 3.200 9.85 0.640 1-2/
3840rpm
81km/h 7430rpm 1285.8kgm
3速 2.143 6.59 0.670 2-3/
4020rpm
121km/h 4980rpm 861.1kgm
4速 1.720 5.29 0.803 3-4/
4820rpm
150km/h 3990rpm 691.1kgm
5速 1.314 4.04 0.764 4-5/
4580rpm
197km/h 3050rpm 528.0kgm
6速 1.000 3.08 0.761 5-6/
4570rpm
258km/h 2320rpm 401.8kgm
7速 0.822 2.53 0.822 6-7/
4930rpm
314km/h 1910rpm 330.3kgm
8速 0.640 1.97 0.779 7-8/
4670rpm
404km/h 1490rpm 257.2kgm
Final 3.077 レシオカバレッジ(変速比幅)7.812

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数1380-5000rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.077)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(45.9kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.077)÷タイヤの有効半径(0.3515m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は8速ギヤの404km(5500rpmでは370.0km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが1380-5000回転で最大トルク45.9kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば43.14kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(6.074kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと2009.0kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1980kg)を1速ギヤの最大駆動力(2009.0kgm)で割ってみると0.986kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する5500回転でのトルク(42.5kgm)からTWRを算出すると1.064kg/kgmとなり、1380-5500回転の回転域では0.986-1.064kg/kgmの間で推移することがわかります。


おまけ:5500rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

7E30型7シリーズに搭載されたB58B30型2997ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する5500rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

5500rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ47km/h-
2速ギヤ74km/h3520rpm
3速ギヤ111km/h3690rpm
4速ギヤ138km/h4420rpm
5速ギヤ180km/h4200rpm
6速ギヤ237km/h4190rpm
7速ギヤ288km/h4520rpm
8速ギヤ370km/h4280rpm

まず1速ギヤで5500rpmまで引っ張ると47km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は5500rpmから3520rpmまで落ち、そこから5500rpmまで加速を続けると速度は74km/h(+27km/h)になります。

3速ギヤでは3690rpmまで落ちて5500rpmで111km/h(+37km/h)に、4速ギヤでは4420rpmまで落ちて5500rpmで138km/h(+27km/h)に、5速ギヤでは4200rpmまで落ちて5500rpmで180km/h(+42km/h)になります。

続いて6速ギヤでは4190rpmまで落ちて5500rpmで237km/h(+57km/h)に、7速ギヤでは4520rpmまで落ちて5500rpmで288km/h(+51km/h)に、8速ギヤでは4280rpmまで落ちて5500rpmで370km/h(+82km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4650 6970 9290 11610 13940 16260 20900
2速 2970 4460 5950 7430 8920 10410 13380
3速 1990 2990 3980 4980 5970 6970 8960
4速 1600 2400 3200 3990 4790 5590 7190
5速 1220 1830 2440 3050 3660 4270 5490
6速 930 1390 1860 2320 2790 3250 4180
7速 760 1150 1530 1910 2290 2670 3440
8速 590 890 1190 1490 1780 2080 2680
※赤い数字は暫定レブリミット(6000rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.640)を選択して時速100kmにて走行すると1490回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは890回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1040回転、一般的な高速道路の80km/hでは1190回転、100km/hでは1490回転、制限速度が120km/hになると1780回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは2680回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 9 17 26 34 43 52 60 69
2速 13 27 40 54 67 81 94 108
3速 20 40 60 80 100 121 141 161
4速 25 50 75 100 125 150 175 200
5速 33 66 98 131 164 197 229 262
6速 43 86 129 172 215 258 301 344
7速 52 105 157 210 262 314 367 419
8速 67 135 202 269 336 404 471 538

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6000回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの275/40R19と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 275/40R19 | 直径 703mm

-20mm
幅255mm
-10mm
幅265mm
変更なし
幅275mm
+10mm
幅285mm
+20mm
幅295mm
-5%
35
扁平
255/35R19
37.7km/h
直径662mm
径差-41mm
265/35R19
38.1km/h
直径669mm
径差-34mm
275/35R19
38.5km/h
直径676mm
径差-27mm
285/35R19
38.9km/h
直径683mm
径差-20mm
295/35R19
39.3km/h
直径690mm
径差-13mm
0%
40
扁平
255/40R19
39.1km/h
直径687mm
径差-16mm
265/40R19
39.5km/h
直径695mm
径差-8mm
275/40R19
40.0km/h
703mm
0mm
285/40R19
40.5km/h
直径711mm
径差+8mm
295/40R19
40.9km/h
直径719mm
径差+16mm
+5%
45
扁平
255/45R19
40.6km/h
直径713mm
径差+10mm
265/45R19
41.1km/h
直径722mm
径差+19mm
275/45R19
41.6km/h
直径731mm
径差+28mm
285/45R19
42.1km/h
直径740mm
径差+37mm
295/45R19
42.6km/h
直径749mm
径差+46mm
+10%
50
扁平
255/50R19
42.0km/h
直径738mm
径差+35mm
265/50R19
42.6km/h
直径748mm
径差+45mm
275/50R19
43.1km/h
直径758mm
径差+55mm
285/50R19
43.7km/h
直径768mm
径差+65mm
295/50R19
44.3km/h
直径778mm
径差+75mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、255/40R19 、265/35R19、265/40R19 、275/35R19 、285/35R19 、295/35R19あたりのタイヤがおすすめです。

275/40R19のタイヤ幅を255mmから305mmまで、扁平率を25%から55%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、275/40R19の適応サイズと性能の変化 [7E30型7シリーズ編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
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7E30型7シリーズ[3.0Lターボ FR/8AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト6.074kg/ps60.11
1速ギヤ加速性能0.986kg/kgm62.61
1L換算馬力108.78ps/L52.04
1L換算トルク15.32kgm/L48.07
WB/TR比1.98128.56
ワイド&ロー指数0.77958.25
前面の面積2.812m²44.82
最低地上高135mm57.93
スポーツ性能部門の得点412.39

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
JC08燃費12.2km/L41.48
年間維持費347800円48.06
100kmh回転数1490rpm63.25
航続距離951.6km63.79
車の大きさ14.763m³63.11
室内の広さ(仮) 2.677m³42.95
最小回転半径6.0m33.06
馬力単価43926円20.59
ユーティリティ部門の得点376.29

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した 7E30型7シリーズ[3.0Lターボ FR/8AT] の総合得点は 788.68 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介した7E30型7シリーズ(FR/8AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのセダン」、「3000ccのセダン」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

7シリーズの歴代モデル

7代目 22EH30型 7シリーズ
22EH30 7シリーズは2022/04に登場した7代目モデル。参考車両の「740i Excellence G70」は全長5390mm、全幅1950mm、全高1545mmの車体に、381PS/53.0kgmを発生するB58B30型2997ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

6代目 7A30型 7シリーズ
7A30 7シリーズは2015/10に登場した6代目モデル。参考車両の「740i G11」は全長5110mm、全幅1900mm、全高1480mmの車体に、326PS/45.9kgmを発生するB58B30型2997ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

5代目 YE44型 7シリーズ
YE44 7シリーズは2009/03に登場した5代目モデル。参考車両の「750Li F02」は全長5220mm、全幅1900mm、全高1485mmの車体に、450PS/66.3kgmを発生するN63B44型4394ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

4代目 GN60型 7シリーズ
GN60 7シリーズは2001/10に登場した4代目モデル。参考車両の「760iL E66」は全長5180mm、全幅1900mm、全高1490mmの車体に、445PS/61.2kgmを発生するN73B60型5972ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

3代目 GF40型 7シリーズ
GF40 7シリーズは1994/10に登場した3代目モデル。参考車両の「740i 40-8S E38」は全長4985mm、全幅1860mm、全高1435mmの車体に、286PS/40.0kgmを発生するM60B40型3981ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

2代目 L35型 7シリーズ
L35 7シリーズは1987/11に登場した2代目モデル。参考車両の「735iL E32」は全長5025mm、全幅1845mm、全高1400mmの車体に、211PS/31.1kgmを発生する3.34M.J1型3430ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。