KA44 7シリーズ 性能と維持費 FR/6AT 5人 1200万円 2010年式

このページでは、BMWの4ドア・5人乗りセダン、5代目のABA-KA44型7シリーズ 750i F01【2010/09モデル・407PS/61.2kgm・FR/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

KA44 7シリーズ
販売期間:2009/03 - 2015/10

画像はBMWより引用
http://www.bmw.co.jp/
投稿:|更新:

ボディサイズが全長5070mm×全幅1900mm×全高1490mm、排気量は4394ccであることから、大雑把に分類すると4.4リットルクラス(4400cc、自動車税は4.5L以下を適用)に属し、全長、全幅、排気量ともに5ナンバー枠を超えていることにより完全無欠の3ナンバー登録車です。いわゆる【高級車】にカテゴライズされます。
参考:400PS~450PSの自動車 一覧

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、後輪のみを駆動する、フロントエンジン・リヤドライブ方式(後輪駆動・FR・RWDとも)を採用しています。前輪は操舵、後輪は駆動と役割分担が異なることから優れたハンドリングを得られるとされ、運転の質を求める人々から絶大なる支持を集めます。高級車の代名詞的な駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が5070mmであるこの車の場合は「ラグジュアリー」(Luxury:4900mm超・Fセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。

KA44型 7シリーズ [4394cc/407PS FR/6AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

5代目7シリーズの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2013/08
YE44型
[750Li F02]
4.4L-TB・FR/8AT・1439.0万円
450PS・66.3kgm・9.3km/L
450PS
66.3kgm
9.3km/L
2013/08
YA30型
[740i F01]
3.0L-TB・FR/8AT・1029.0万円
320PS・45.9kgm・12.1km/L
320PS
45.9kgm
12.1km/L
2013/08
YA44型
[750i F01]
4.4L-TB・FR/8AT・1299.0万円
450PS・66.3kgm・9.3km/L
450PS
66.3kgm
9.3km/L
5代目 7シリーズ 型式一覧 F01/F02/F03/F04系まとめ 2009-2015【全13車種】
7シリーズの新型モデル
6代目 7H66型7シリーズ
7H66型7シリーズは2015/10に登場した6代目モデル。参考車両の「M760Li xDrive G12」は全長5250mm、全幅1900mm、全高1485mmの車体に、609PS/81.6kgmを発生するN74B66型6591ccエンジンを搭載。

7シリーズの旧型モデル
4代目 GN60型7シリーズ
GN60型7シリーズは2001/10に登場した4代目モデル。参考車両の「760iL E66」は全長5180mm、全幅1900mm、全高1490mmの車体に、445PS/61.2kgmを発生するN73B60型5972ccエンジンを搭載。


KA44 7シリーズの主要諸元と大きさ比較

主要諸元
メーカー BMW
車名&
グレード
7シリーズ
750i F01
その他 -
お値段 12000000円
車両型式 ABA-KA44
駆動方式
変速機
FR・後輪駆動(RWD,2WD)
6速AT・6速オートマ車
ドア/定員 4ドア・5名乗車
ホイールベース 3070mm
トレッド 1610mm/1650mm
WB/TR比 1.883
最小半径 5.5m
タイヤ 前輪:245/50R18
後輪:245/50R18
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 2040kg

※WB/TR比はホイールベーストレッド比の略。値が大きいほど直進安定性に優れ、小さいほど旋回性能が高くなりやすい。全ての車種の平均値は1.773。

7シリーズと各規格の大きさ比較
規格名 規格寸法 増減
7シリーズ
車体寸法
全長 5070mm -
全幅 1900mm -
全高 1490mm -
大きさ 14.35m3 -
軽自動車
新規格
全長 3400mm以下 +1670mm
全幅 1480mm以下 +420mm
全高平均 1640mm -150mm
大きさ平均 8.13m3 +6.22m3
小型車規格
5ナンバー車
全長 4700mm以下 +370mm
全幅 1700mm以下 +200mm
全高平均 1496mm -6mm
大きさ平均 10.48m3 +3.87m3
普通車平均
3ナンバー車
全長平均 4643mm +427mm
全幅平均 1815mm +85mm
全高平均 1518mm -28mm
大きさ平均 12.84m3 +1.51m3

※上記グラフは100のラインを上回れば平均値以上、下回れば平均値以下を表す。グラフの伸びが大きいほど各規格の車両に対して相対的に車体が長い・広い・高い。※普通乗用車(3ナンバー車)の条件は全長4700mm超または全幅1700mm超または全高2000mm超と上限値が曖昧なため、ここでは普通乗用車に属する全ての車種の平均値との比較。※軽自動車・小型乗用車の全高はいずれも2000mm以下。ただし、ここでは各規格に属する車種の全高の平均値との比較。



7シリーズでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.774m
期待される荷室の幅 1.500m
対角線の長さ 2.323m
期待される荷室の面積 2.661m²

縦方向の長さが1.774m(対角線では2.323m)などという破格のクラスになると、これはもう四の五の言わず車に住むべきです。

これだけの車を所持できる素養は持ち得ているのですから、細かいことは気にせずあらゆる支配からの卒業を宣言し、信じられぬ大人との争いに終止符を打ちましょう。

セダンやクーペであっても後部座席の背もたれを取り外してトランクルームと貫通させて荷室長を確保すれば良いだけの話です。たまに背もたれを取り外してもトランクルームと繋がっていなかったり、頑強な補強バーが入っていて邪魔されることもありますが、恐らく稀なケースです。

車中泊にあると嬉しいアイテム


KA44 7シリーズの税金・年間維持費シミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税87900円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税28500円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額8000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2010/09モデルの7シリーズを15年落ちの中古で396.0万円にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    7シリーズの2010/09モデルの場合、2025年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の30%である360万円に諸経費として36.0万円を足した396.0万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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2010年式を15年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税 4500cc以下 13年経過 87900円
自動車重量税
1年分
2.5トン以下 13年-17年経過 28500円
自賠責保険料
(1年換算)
自家用乗用車 8825円
燃料代
年間1万㎞
1万㎞÷6.2×195円/L 314520円
オイル交換
5000km毎
1回8500円×2回 17000円
タイヤ交換
5年5万km毎
1本18000円×4本÷5年 14400円
任意保険料
月額8000円
月額8000円×12ヶ月 96000円
ローン完済後の年間維持費 567200円
名目 区分 金額
車のローン額
1年分
月額66000円×12ヶ月 792000円
ローン返済中の年間維持費 1359200円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 77700円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「4500cc以下で13年経過」クラスの自動車税は87900円、「2.5トン以下で13年-17年経過」クラスの自動車重量税は28500円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに8500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本18000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額8000円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした77700円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

天に見放されし生粋のド貧民には考えも及ばぬ世界です。金額を見ただけで気が遠くなります。その維持費は月額でさえ47300円(ローン完済前は113300円)にもなる車を所有する、どうやって…?食うものも食わず、着るものも着ず…?いやあ、そこまでやってもまだまだ、さらに限界まで節制に節制を極めたとしても、それでもなお手の届かぬ未知の領域です。

天に魅入られし大富豪でもなければ、お給金の大半を7シリーズに吸い取られ泣くハメになりそうですが、ということはつまり、この車のステータス性は抜群であると言えます。

7シリーズの維持費は高い?安い?

「7シリーズの年間維持費は567200円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「4500ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたして7シリーズの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いクイックデリバリー200359780円-207420円
セルシオ494000円-73200円
ソアラ510300円-56900円
基準4500ccクラス平均541300円-25900円
RS4 セダン548000円-19200円
7シリーズの維持費567200円
ランドクルーザー80594000円+26800円
プレジデント621400円+54200円
高いサファリ697900円+130700円

7シリーズの年間維持費を、4500ccクラスで最も維持費が安いクイックデリバリー200と比較して207420円高く、最も高いサファリと比較して130700円安く、4500ccクラスの平均維持費との比較では25900円高くなっています。

最低額のクイックデリバリー200と最高額のサファリは極端な例としても、4500ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、7シリーズの維持費は ちょっと高い! と言えそうです。

年間維持費が安い 4500ccクラスの車 ランキング

7シリーズを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟の%年収月給手取り
10%740万円62万円48万円
15%490万円41万円32万円
20%370万円31万円24万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は740万円(総支給額62万円/月、手取り48万円/月)、ここから月額維持費4.7万円を支払うと残りは43.3万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は490万円(総支給額41万円/月、手取り32万円/月)、4.7万円を支払うと残りは27.3万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が370万円(総支給額31万円/月、手取り24万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。4.7万円を引くと残りは19.3万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代32万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり195円を基準として、-50円となる145円から、+50円となる245円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費6.2km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代差額
145円/L 233890円 -80630円
170円/L 274210円 -40310円
185円/L 298410円 -16110円
195円/L 314520円 -
205円/L 330670円 +16150円
220円/L 354860円 +40340円
245円/L 395190円 +80670円

燃費6.2km/LのKA44型 7シリーズで10000km走行するのに必要な燃料は1613L、1リットルあたり195円としたときの燃料代は314520円になります。

参考までに、7シリーズの燃料タンクは82リットルですので、1613Lの給油回数は20回、1回あたりの燃料代は約15730円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては16150円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると40340円、50円も違ってくると80670円にもなります。

これをKA44型 7シリーズの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり195円の場合を567200円としたとき、145円/Lに値下がりすれば486570円(85.8%)に、245円/Lに値上がりすれば647870円(114.2%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(87900円)なり重量税(28500円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

1年分の自動車税・重量税・自賠責保険料
名目 金額
自動車税 87900円
自動車重量税 1年分 28500円
自賠責保険料 1年分 8825円
合計 125225円

※現在の税制では、自動車税、自動車重量税、自賠責保険料は走行距離に関係なく税額・保険料は一律。走行距離税が新設された場合は大幅に変わる可能性あり。


維持費名目 3000km 5000km 7000km
燃料代 94360円 157260円 220160円
オイル交換 8500円 8500円 11900円
タイヤ交換 9600円 9600円 9600円
任意保険料 76800円 81600円 86400円
税金 自賠責 一律 125225円
合計 314500円 382200円 453300円
1万km差額 -252700円 -185000円 -113900円

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで50000km程度持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料96000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて252700円安い314500円に、5000km走行では185000円安い382200円に、7000km走行では113900円安い453300円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は15000kmは1.1倍、20000kmは1.2倍としたのがこちらです。

維持費名目 10000km 15000km 20000km
燃料代 314520円 471780円 629040円
オイル交換 17000円 25500円 34000円
タイヤ交換 14400円 17280円 23040円
任意保険料 96000円 105600円 115200円
税金 自賠責 一律 125225円
合計 567200円 745400円 926600円
1万km差額 - +178200円 +359400円

走行距離と維持費の変化

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
輸入車・外車の小型車&普通車編
4500cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
4ドア・セダン編

7シリーズの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
JC08モード燃費 6.7km/L
燃料タンク容量 82L
航続距離(カタログ燃費) 549.4km
航続距離(80%燃費) 442.8km
満タンプライス 15990円
1km走行コスト 29.10円/km
1万円でどこまで行ける? 343.6km
東京から549.4kmの範囲

JC08モード燃費が6.7km/L、燃料タンク容量82リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は549.4kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(6.0km/L)とすると航続距離は492.0km、80%(5.4km/L)だと442.8km、70%(4.7km/L)では385.4kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から82リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり195円では15990円、上で計算した航続距離を踏まえると549.4km(80%燃費時442.8km)を走行するのに15990円かかる計算です。

燃費を6.2km/Lとしたときの1km走行コストは29.10円、10万km走行したときの燃料代は291.0万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら29.1万円/年、7年10万kmなら41.6万円/年、5年10万kmなら58.2万円/年、3年10万kmなら97.0万円/年となります。

ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば343.6km(往復なら片道171.8km)、カタログ値の80%なら274.9km(片道137.4km)離れたところまで行くことができます。

KA44 7シリーズのエンジン諸元とカタログデータ

N63B44A型エンジン簡易性能曲線図
エンジン諸元
原動機型式 N63B44A
気筒配列 V型8気筒
排気量4394cc
圧縮比 10.0
吸気方式 ツインターボ
最高出力 407PS[299kW]/5500rpm
最大トルク 61.2kgm[600Nm]/1750-4500rpm
パワーバンド 1750-5500rpm, 帯域68.2%
使用燃料 ハイオクガソリン
JC08燃費6.7km/L(15.8mpg)
10・15燃費6.6km/L(15.5mpg)
100km燃費14.9L/100km
最高出力・最大トルク 各回転数での出力
1750rpm 150PS/61.2kgm
4500rpm385PS/61.2kgm
5500rpm 407PS/53.0kgm
N63B44A型エンジンの諸元と性能まとめ
V型8気筒とは‥シリンダをV字型に交互で8個配置する方式。中?大排気量のスタンダード。
V型8気筒の最高出力ランキング

まずおさらいとして、搭載しているN63B44型4394cc、V型8気筒のツインターボエンジンは5500回転時に最高出力407馬力を、1750-4500回転時に最大トルク61.2kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、アイドリングとそれほど変わらないような回転数から最大トルクが発生するこのエンジンは、坂道発進も平気の平左、MT車でもエンスト知らず、扱いやすさにかけては右に出るものがありません。ディーゼル車やダウンサイジングターボに多くあります。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なります。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する1750rpmから最高出力が発生する5500rpmまで」の3750rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は68.2%となります。※簡易エンジン性能曲線図オレンジ色の帯域。

最高出力ランキング リスト
4500cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
4500cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ5.012kg/PS(2040kg/407PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ5.012kg/PS
車体+1人5.147kg/PS
車体+5人5.688kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg5.160kg/PS
車体+70kg5.184kg/PS
車体+80kg5.209kg/PS
車体+90kg5.233kg/PS
車体+100kg5.258kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは5.147kg/PS(2095kg/407PS)となり、数値としては0.135kg、比率にすると2.7%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは5.688kg/PS(2315kg/407PS)となり、数値としては0.676kg、比率にすると13.5%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

KA44 7シリーズのライバル候補車たち

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ5.147kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

愛すべきライバル車種
Page Link車名 PWR+55kg

-
7シリーズ
5.147kg/PS
407PS・4.4L-TT
車体のみPWR 5.012
2095kg
+2.7%

車種詳細
WRX STI
4.984kg/PS
308PS・2.0L-TB
車体のみPWR 4.805
1535kg
+3.7%

車種詳細
WRX S4
5.317kg/PS
300PS・2.0L-TB
車体のみPWR 5.133
1595kg
+3.6%

車種詳細
S2000
5.300kg/PS
250PS・2.0L-NA
車体のみPWR 5.080
1325kg
+4.3%

車種詳細
シルビア
5.180kg/PS
250PS・2.0L-TB
車体のみPWR 4.960
1295kg
+4.4%

車種詳細
インプレッサ WRX
5.150kg/PS
300PS・2.5L-TB
車体のみPWR 4.967
1545kg
+3.7%


4.941kg/PSから5.353kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、スバルの5人乗りセダン・VAB型 WRX STI、スバルの5人乗りセダン・VAG型 WRX S4、ホンダの2人乗りオープンカー・AP1型 S2000、日産の4人乗りクーペ・S15型 シルビア、スバルの5人乗りハッチバック・GRF型 インプレッサ WRXという顔ぶれが並びました。

最高出力が高いからといって、車両重量が重ければパワーウェイトレシオの数値は似たようなものになったりします。「空車状態のPWRの違いが、戦力の決定的差ではないということを…教えてやる!」といったところでしょうか。

こうなると、思いもよらぬ車種の登場に「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごも生じることもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

KA44型 7シリーズ [750i F01]のライバル車種|5.147kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は199.5PS/tとなっています。


7シリーズがバイクと競争するなら…?


車種詳細
アフリカツイン|742cc
5.105kg/PS
291kg/57.1PS/6.12kgm
[車体のみPWR:4.140]
1速ギヤ速度:64.5km/h
最小TWR:0.882
2010/09

-
7シリーズ|4394cc
5.147kg/PS
2095kg/407PS/61.2kgm
[車体のみPWR:5.012]
1速ギヤ速度:50.4km/h
最小TWR:0.810

車種詳細
ZZR400|399cc
5.189kg/PS
275kg/53.0PS/3.80kgm
[車体のみPWR:4.151]
1速ギヤ速度:62.0km/h
最小TWR:0.866

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここでは7シリーズとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

RD04 アフリカツインと競争してみる

まず7シリーズより少しPWRが低いバイクとして、ホンダのアフリカツインが挙げられます。PWRの5.105kg/PSは車両重量236kgにライダーの体重55kgを加えた291kgを、最高出力57.1PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はアフリカツインに14.1km/h劣り、1速TWRは0.072kg勝る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

ZX400N ZZR400と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、カワサキのZZR400が挙げられます。PWRの5.189kg/PSは車両重量220kg+55kgの275kgを、最高出力53.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は11.6km/h劣り、1速TWRは0.056kg勝る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.883
平均ピストンスピード 16.19m/s
トルクウェイトレシオ 33.33kg/kgm
1馬力あたりのお値段 29484円
排気量1Lあたり馬力 92.63PS/L
排気量1Lあたりトルク 13.93kgm/L
1気筒あたりの馬力 50.9PS
1気筒あたりのトルク 7.7kgm
パワーバンド比率 68.2%
燃費×馬力 2535.6pt
各種ランキング
セダンのPWR
4.0~4.5L以下のPWR

トルクウェイトレシオは33.33kg/kgm(2040kg/61.2kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が12000000円、最高出力が407馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は29484円、逆に1万円あたりでは0.34馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は196078円、1万円あたりでは0.05kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
4500cc以下の車編
セダン編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は92.63PS/L、トルクは13.93kgm/L、1気筒あたりの馬力は50.9馬力、トルクは7.7kgmとなり、このエンジンが407馬力を5500回転で発生させているときの平均ピストンスピードは16.19m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が88.3mmであるN63B44型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6800回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.883になります。全ての車種の平均値である1.773を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと真っ直ぐ進むことを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が6.23km/L、最高出力が407PSであるこの車の獲得ポイントは2535.6ptになります。
戯れに車両重量2040kgを100kg単位にした20.4で割ってみたところ、その数値は124.29ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


KA44 7シリーズのギヤ比と回転数・速度のステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合5500rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6000回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6000rpm|タイヤサイズ 245/50R18|タイヤ直径 70.2cm|円周長 220.5cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6000rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 4.171 14.44 - - 55km/h 10910rpm 2517.7kgm
2速 2.340 8.10 0.561 1-2/
3370rpm
98km/h 6120rpm 1412.5kgm
3速 1.521 5.27 0.650 2-3/
3900rpm
151km/h 3980rpm 918.1kgm
4速 1.143 3.96 0.751 3-4/
4510rpm
201km/h 2990rpm 689.9kgm
5速 0.867 3.00 0.759 4-5/
4550rpm
264km/h 2270rpm 523.3kgm
6速 0.691 2.39 0.797 5-6/
4780rpm
332km/h 1810rpm 417.1kgm
Final3.462レシオカバレッジ(変速比幅)6.036
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数1750-4500rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.462)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(61.2kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.462)÷タイヤの有効半径(0.351m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は6速ギヤの332km(5500rpmでは304.2km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが1750-4500回転で最大トルク61.2kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば33.33kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(5.012kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと2517.7kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(2040kg)を1速ギヤの最大駆動力(2517.7kgm)で割ってみると0.810kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する5500回転でのトルク(53.0kgm)からTWRを算出すると0.936kg/kgmとなり、1750-5500回転の回転域では0.810-0.936kg/kgmの間で推移することがわかります。


5500rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

KA44型7シリーズに搭載されたN63B44型4394ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する5500rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

5500rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ50km/h-
2速ギヤ90km/h3090rpm
3速ギヤ138km/h3580rpm
4速ギヤ184km/h4130rpm
5速ギヤ242km/h4170rpm
6速ギヤ304km/h4380rpm

まず1速ギヤで5500rpmまで引っ張ると50km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は5500rpmから3090rpmまで落ち、そこから5500rpmまで加速を続けると速度は90km/h(+40km/h)になります。

3速ギヤでは3580rpmまで落ちて5500rpmで138km/h(+48km/h)に、4速ギヤでは4130rpmまで落ちて5500rpmで184km/h(+46km/h)になります。

続いて5速ギヤでは4170rpmまで落ちて5500rpmで242km/h(+58km/h)に、6速ギヤでは4380rpmまで落ちて5500rpmで304km/h(+62km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4370 6550 8730 10910 13100 15280 19650
2速 2450 3670 4900 6120 7350 8570 11020
3速 1590 2390 3180 3980 4780 5570 7160
4速 1200 1790 2390 2990 3590 4190 5380
5速 910 1360 1810 2270 2720 3180 4080
6速 720 1080 1450 1810 2170 2530 3250
※赤い数字は暫定レブリミット(6000rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.691)を選択して時速100kmにて走行すると1810回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1080回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1270回転、一般的な高速道路の80km/hでは1450回転、100km/hでは1810回転、制限速度が120km/hになると2170回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは3250回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 9 18 27 37 46 55 64 73
2速 16 33 49 65 82 98 114 131
3速 25 50 75 100 126 151 176 201
4速 33 67 100 134 167 201 234 267
5速 44 88 132 176 220 264 309 353
6速 55 111 166 221 277 332 387 442

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6000回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの245/50R18と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 245/50R18 | 直径 702mm

-20mm
幅225mm
-10mm
幅235mm
変更なし
幅245mm
+10mm
幅255mm
+20mm
幅265mm
45 225/45R18
37.6km/h
径 660mm
差 -42mm
235/45R18
38.1km/h
径 669mm
差 -33mm
245/45R18
38.6km/h
径 678mm
差 -24mm
255/45R18
39.1km/h
径 687mm
差 -15mm
265/45R18
39.7km/h
径 696mm
差 -6mm
50 225/50R18
38.9km/h
径 682mm
差 -20mm
235/50R18
39.4km/h
径 692mm
差 -10mm
245/50R18
40.0km/h
702mm
0mm
255/50R18
40.6km/h
径 712mm
差 +10mm
265/50R18
41.1km/h
径 722mm
差 +20mm
55 225/55R18
40.2km/h
径 705mm
差 +3mm
235/55R18
40.8km/h
径 716mm
差 +14mm
245/55R18
41.4km/h
径 727mm
差 +25mm
255/55R18
42.1km/h
径 738mm
差 +36mm
265/55R18
42.7km/h
径 749mm
差 +47mm
60 225/60R18
41.4km/h
径 727mm
差 +25mm
235/60R18
42.1km/h
径 739mm
差 +37mm
245/60R18
42.8km/h
径 751mm
差 +49mm
255/60R18
43.5km/h
径 763mm
差 +61mm
265/60R18
44.2km/h
径 775mm
差 +73mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、225/50R18 、235/45R18、235/50R18 、245/45R18 、255/45R18 、265/45R18あたりのタイヤがおすすめです。

245/50R18のタイヤ幅を225mmから275mmまで、扁平率を35%から65%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、245/50R18の適応サイズと性能の変化 [KA44型7シリーズ編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】245/50R18のタイヤ銘柄と通販価格

KA44型 7シリーズ 4.4L-TT FR/6ATの通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を比較してみます。

運動性能部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
PWR9.79㎏/PS5.01㎏/PS63.0ptA
最高回転数5880rpm5500rpm45.3ptD
1速ギヤ
加速性能
1.58㎏/㎏m0.81㎏/㎏m66.1ptA
1速ギヤ
最高速
51.1㎞/h50.4㎞/h49.4ptC
1リットル
換算馬力
103.37PS/L92.63PS/L46.1ptC
1リットル
換算トルク
15.99㎏m/L13.93㎏m/L43.6ptD
WB/TR比1.7731.88338.8ptD
ワイド&
ロー指数
0.8940.78457.9ptB
前面の面積2.631m22.831m244.4ptD
最低地上高154.5mm-43.7ptD
スポーツ性能部門の得点479.0pt
総合評価C

※PWR(パワーウェイトレシオ)・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比(旋回性能重視)・ワイド&ロー指数(見た目のかっこよさ)・前面の面積(≒前方投影面積・空気抵抗)・最低地上高については数値が小さいほど高得点。最高回転数・1速ギヤ最高速・1リットル換算馬力・1リットル換算トルクについては数値が大きいほど高得点。

ユーティリティ部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
年間維持費340674円567200円30.3ptE
JC08燃費17.7km/L6.7km/L32.8ptE
100km/h
回転数
2489rpm1810rpm59.0ptB
航続距離644.1km510.9km42.3ptD
車の大きさ11.468m314.353m338.6ptD
車内の広さ3431.7L-46.6ptC
乗車定員4.8人5人51.7ptC
1人あたり
車内広さ
691.9L-44.2ptD
車内床面積2.793m2-46.0ptC
最小回転
半径
5.18m5.5m43.5ptD
ユーティリティ部門の得点435.0pt
総合評価E

※JC08燃費・航続距離(燃費×燃料タンク容量)・室内の広さ(室内長×室内幅×室内高)・乗車定員・1人あたりの車内の広さは数値が大きいほど高得点、新車価格・年間維持費・100km/h回転数・車の大きさ(全長×全幅×全高)・最小回転半径は数値が小さいほど高得点。

結果発表!
部門 全10707車種中 RANK
運動性能 479.0pt 7182位 C
運動性能部門 ランキング
ユーティリティ 435.0pt 10040位 E
ユーティリティ部門 ランキング
総合得点 914.0pt 9639位 E
総合得点ランキング

スポーツ性能部門は479.0点で全10707車種中の7182位、ユーティリティ部門は435.0点で10040位、総合得点は914.0点で9639位となりました。各部門、獲得点数が多い車種から順番に並べたランキングを用意してありますのでご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したKA44型 7シリーズ(FR/6AT) の各種スペックを、セダン4500ccという属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを比較してみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

7シリーズの歴代モデル

7代目 22EH30型 7シリーズ
22EH30 7シリーズは2022/04に登場した7代目モデル。参考車両の「740i Excellence G70」は全長5390mm、全幅1950mm、全高1545mmの車体に、381PS/53.0kgmを発生するB58B30型2997ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

6代目 7E30型 7シリーズ
7E30 7シリーズは2015/10に登場した6代目モデル。参考車両の「740Li M-sport G12」は全長5250mm、全幅1900mm、全高1480mmの車体に、326PS/45.9kgmを発生するB58B30型2997ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

5代目 YE44型 7シリーズ
YE44 7シリーズは2009/03に登場した5代目モデル。参考車両の「750Li F02」は全長5220mm、全幅1900mm、全高1485mmの車体に、450PS/66.3kgmを発生するN63B44型4394ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

4代目 GN60型 7シリーズ
GN60 7シリーズは2001/10に登場した4代目モデル。参考車両の「760iL E66」は全長5180mm、全幅1900mm、全高1490mmの車体に、445PS/61.2kgmを発生するN73B60型5972ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

3代目 GF40型 7シリーズ
GF40 7シリーズは1994/10に登場した3代目モデル。参考車両の「740i 40-8S E38」は全長4985mm、全幅1860mm、全高1435mmの車体に、286PS/40.0kgmを発生するM60B40型3981ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

2代目 L35型 7シリーズ
L35 7シリーズは1987/11に登場した2代目モデル。参考車両の「735iL E32」は全長5025mm、全幅1845mm、全高1400mmの車体に、211PS/31.1kgmを発生する3.34M.J1型3430ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。


人気があるセダンの車種比較


ZN6 86 ハチロク 2016 vs SXE10 アルテッツァ RS200 2004 性能比較
初代 86 ハチロク G(2016年式 ZN6・FR/6MT・2.0L・207PS/21.6kgm・4人乗り)と、初代 アルテッツァ RS200(2004年式 SXE10・FR/6MT・2.0L・210PS/22.0kgm・5人乗り)を比較。

AUCJXF ゴルフR 2017 vs VAB WRX STI RA-R 2018 性能比較
7代目 ゴルフR(2017年式 AUCJXF・4WD/6MT・2.0L+ターボ・310PS/38.7kgm・5人乗り)と、初代 WRX STI type RA-R(2018年式 VAB・4WD/6MT・2.0L+ターボ・329PS/44.1kgm・5人乗り)を比較。

GE8P クロノス V6 1993 vs CB6A ランサー V6 1994 性能比較
初代 クロノス 18VL(1993年式 GE8P・FF/5MT・1.9L・140PS/16.0kgm・5人乗り)と、4代目 ランサー MX-Saloon V6(1994年式 CB6A・FF/5MT・1.6L・140PS/15.0kgm・5人乗り)を比較。

EC5A ギャラン VR-4 2000 vs CT9A ランサー Evolution VII GSR 2001 性能比較
8代目 ギャラン VR-4 type-V(2000年式 EC5A・4WD/5MT・2.5L+ツインターボ・280PS/37.0kgm・5人乗り)と、6代目 ランサー Evolution VII GSR(2001年式 CT9A・4WD/5MT・2.0L+ターボ・280PS/39.0kgm・5人乗り)を比較。

EC5A ギャラン VR-4 2000 vs EC5W レグナム VR-4 2000 性能比較
8代目 ギャラン VR-4 type-V(2000年式 EC5A・4WD/5MT・2.5L+ツインターボ・280PS/37.0kgm・5人乗り)と、初代 レグナム VR-4 VR-4 type-S(2000年式 EC5W・4WD/5MT・2.5L+ターボ・280PS/37.0kgm・5人乗り)を比較。

VBH WRX S4 2021 vs VAG WRX S4 2014 新旧比較
2代目 WRX S4 GT-H(2021年式 VBH・4WD/CVT・2.4L+ターボ・275PS/38.2kgm・5人乗り)と、初代 WRX S4 2.0GT EyeSight(2014年式 VAG・4WD/CVT・2.0L+ターボ・300PS/40.8kgm・5人乗り)を比較。

GXE10 アルテッツァ AS200 vs HR34 スカイライン セダン GT 性能比較
初代 アルテッツァ AS200(2004年式 GXE10・FR/6MT・2.0L・160PS/20.4kgm・5人乗り)と、10代目 スカイライン セダン GT(2000年式 HR34・FR/5MT・2.0L・155PS/19.0kgm・5人乗り)を比較。

BL3FW マツダスピード アクセラ 2009 vs FD2 シビック タイプR 2008 性能比較
2代目 マツダスピード アクセラ(2009年式 BL3FW・FF/6MT・2.3L+ターボ・264PS/38.7kgm・5人乗り)と、8代目 シビック タイプR type-R(2008年式 FD2・FF/6MT・2.0L・225PS/21.9kgm・4人乗り)を比較。