AV30:3シリーズ カブリオレの性能と維持費 FR/5AT 717万円 2004年式

このページでは、BMWの2ドア・4人乗りオープンカー、4代目のGH-AV30型3シリーズ カブリオレ 330Ci Cabriolet 30-6S E46【2004/10モデル・231PS/30.6kgm・FR/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

AV30 3シリーズ カブリオレ
販売期間:1998/07 - 2005/09

画像はBMWより引用
http://www.bmw.co.jp/
投稿:2011/12/27|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長4490mm×全幅1755mm×全高1370mm、排気量は2979ccであることから、大雑把に分類すると3.0リットルクラス(3000cc、自動車税は3.0L以下を適用)に属し、全長、全高は5ナンバー枠ながら全幅が1.7mを超え、排気量も2000ccを超えていることにより3ナンバー登録になります。比較的コンパクトなボディに大きめなエンジンの組み合わせは世界戦略車(グローバルカー)やちょっとした高級車に良くあるパターンです。
参考:200PS~250PSの自動車 一覧

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、後輪のみを駆動する、フロントエンジン・リヤドライブ方式(後輪駆動・FR・RWDとも)を採用しています。前輪は操舵、後輪は駆動と役割分担が異なることから優れたハンドリングを得られるとされ、運転の質を求める人々から絶大なる支持を集めます。高級車の代名詞的な駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4490mmであるこの車の場合は「ミディアム」(Medium:4300mm超-4650mm以下・Dセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


AV30型 3シリーズ カブリオレ [2979cc/231PS FR/5AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

4代目3シリーズ カブリオレの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2006/09
BL32型
[BaseGrade E46]
3.2L-NA・FR/6MT・893.0万円
343PS・37.2kgm・8.3km/L
343PS
37.2kgm
8.3km/L
2006/09
BL32型
[SMG-II E46]
3.2L-NA・FR/6AT・938.0万円
343PS・37.2kgm・8.3km/L
343PS
37.2kgm
8.3km/L
2005/02
AV22型
[320i M-sport 22-6S E46]
2.2L-NA・FR/5AT・517.0万円
170PS・21.4kgm・9.8km/L
170PS
21.4kgm
9.8km/L
4代目 3シリーズ 型式一覧 E46系まとめ 1998-2007【全28車種】
3シリーズ カブリオレの新型モデル
5代目 DX35型3シリーズ カブリオレ
DX35型3シリーズ カブリオレは2005/04に登場した5代目モデル。参考車両の「335i Cabriolet N55B30A E93」は全長4610mm、全幅1780mm、全高1385mmの車体に、306PS/40.8kgmを発生するN54B30型2979ccエンジンを搭載。

3シリーズ カブリオレの旧型モデル
3代目 BJ25型3シリーズ カブリオレ
BJ25型3シリーズ カブリオレは1991/07に登場した3代目モデル。参考車両の「325i Cabriolet E36」は全長4435mm、全幅1710mm、全高1350mmの車体に、192PS/25.0kgmを発生するM50B25型2493ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー BMW
車名&
グレード
3シリーズ カブリオレ
330Ci Cabriolet 30-6S E46
その他 330Ci
お値段 7170000円
車両型式 GH-AV30
駆動方式
変速機
FR・後輪駆動(RWD,2WD)
5速AT・5速オートマ車
ドア/定員 2ドア/4名乗車
車体寸法 長4490×幅1755×高1370mm
軸距&
輪距
2725mm
前1470mm/後1480mm
最小半径 4.9m
タイヤ 前輪:225/45R17
後輪:225/45R17
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 1680kg
エンジン諸元
原動機型式 M54B30
気筒配列 直列6気筒
排気量2979cc
圧縮比10.2
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 231PS[170kW]/5900rpm
最大トルク 30.6kgm[300Nm]/3500rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
10・15燃費 9.2km/L(21.6mpg)
100km燃費 10.9L/100km
M54B30型エンジンの諸元と性能まとめ
直列6気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に6個配置する方式。理論上では完全バランスなれど今や絶滅危惧種。
直列6気筒エンジンを搭載する車種の一覧
直列6気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税58600円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税25200円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額6500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2004/10モデルの3シリーズ カブリオレを20年落ちの中古で157.7万円にて購入し、頭金なしで3年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    3シリーズ カブリオレの2004/10モデルの場合、2024年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の20%である143.4万円に諸経費として14.3万円を足した157.7万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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2004年式を20年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 3000cc以下 13年経過 58600円
自動車重量税(1年分) 2.0トン以下 18年経過 25200円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷7.8km/L×185円/L 237180円
オイル交換(5000km毎) 1回5500円×2回 11000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本15000円×4本÷5年 12000円
任意保険料(月額6500円) 月額6500円×12ヶ月 78000円
ローン完済後の年間維持費 430900円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額43820円×12ヶ月 525840円
ローン返済中の年間維持費 956700円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 71100円
名目 金額
自動車税(1年分) 58600円
自動車重量税(1年分) 25200円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
237180円
(166030円)
(118590円)
(71150円)
オイル交換(5000km毎) 11000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 12000円
任意保険料(月額6500円) 78000円
ローン完済後の年間維持費 430900円
名目 金額
車のローン額(1年分) 525840円
ローン返済中の年間維持費 956700円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
71100円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「3000cc以下で13年経過」クラスの自動車税は58600円、「2.0トン以下で18年経過」クラスの自動車重量税は25200円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに5500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本15000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額6500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした71100円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

このあたりのクラスから理想と現実の違い、つまり「乗りたい車」と「乗ることができる車」は違うことを思い知らされます。うっかり手を出せば「いっ…維持費が高すぎて息ができん!フーッ!フーッ!」と目を白黒させることになりかねません。

さて、3シリーズ カブリオレ【330Ci Cabriolet 30-6S E46】の場合、維持費の月額は36000円になります。金銭的にシビアな人からは「車なんてどれもタイヤが4つあるだけなのに、なんでこんなにお金の掛かる車に乗ってるんだ…修行か…」と奇異の目で見られていることでしょう。でも良いんです。愛さえあれば。

3シリーズ カブリオレの維持費は高い?安い?

「3シリーズ カブリオレの年間維持費は430900円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「3000ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたして3シリーズ カブリオレの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いハイエース バン266980円-163920円
GLS327100円-103800円
グランエース342500円-88400円
スカイライン369100円-61800円
基準3000ccクラス平均402200円-28700円
3シリーズ カブリオレの維持費430900円
アリスト439900円+9000円
スカイラインGT-R466200円+35300円
X5503300円+72400円
高いXM ワゴン600800円+169900円

3シリーズ カブリオレの年間維持費を、3000ccクラスで最も維持費が安いハイエース バンと比較して163920円高く、最も高いXM ワゴンと比較して169900円安く、3000ccクラスの平均維持費との比較では28700円高くなっています。

最低額のハイエース バンと最高額のXM ワゴンは極端な例としても、3000ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、3シリーズ カブリオレの維持費は ちょっと高い! と言えそうです。

年間維持費が安い 3000ccクラスの車 ランキング

3シリーズ カブリオレを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%560万円47万円37万円
15%370万円31万円24万円
20%280万円24万円19万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は560万円(総支給額47万円/月、手取り37万円/月)、ここから月額維持費3.6万円を支払うと残りは33.4万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は370万円(総支給額31万円/月、手取り24万円/月)、3.6万円を支払うと残りは20.4万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が280万円(総支給額24万円/月、手取り19万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。3.6万円を引くと残りは15.4万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代24万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり185円を基準として、-50円となる135円から、+50円となる235円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費7.8km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
135円/L
173090円
[-64090円]
-25円
160円/L
205140円
[-32040円]
-10円
175円/L
224370円
[-12810円]
185円/L237180円
[0円]
+10円
195円/L
250010円
[+12830円]
+25円
210円/L
269250円
[+32070円]
+50円
235円/L
301300円
[+64120円]

燃費7.8km/LのAV30型 3シリーズ カブリオレで10000km走行するのに必要な燃料は1282.1L、1リットルあたり185円としたときの燃料代は237180円になります。

参考までに、3シリーズ カブリオレの燃料タンクは63リットルですので、1282.1Lの給油回数は21回、1回あたりの燃料代は約11300円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては12830円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると32070円、50円も違ってくると64120円にもなります。

これをAV30型 3シリーズ カブリオレの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり185円の場合を430900円としたとき、135円/Lに値下がりすれば366810円(85.1%)に、235円/Lに値上がりすれば495020円(114.9%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(58600円)なり重量税(25200円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 58600円 24%
自動車重量税 1年分 25200円 11%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 3000km分 71150円 30%
オイル交換 年1回 5500円 2%
タイヤ交換 6年毎 8000円 3%
任意保険料 80% 62400円 26%
合計
[1万kmとの差額]
239700円
-191200円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 58600円 20%
自動車重量税 1年分 25200円 9%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 5000km分 118590円 41%
オイル交換 年1回 5500円 2%
タイヤ交換 6年毎 8000円 3%
任意保険料 85% 66360円 22%
合計
[1万kmとの差額]
291100円
-139800円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 58600円 17%
自動車重量税 1年分 25200円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 7000km分 166030円 48%
オイル交換 年1回 7700円 2%
タイヤ交換 6年毎 8000円 2%
任意保険料 90% 70200円 21%
合計
[1万kmとの差額]
344600円
-86300円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料78000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて191200円安い239700円に、5000km走行では139800円安い291100円に、7000km走行では86300円安い344600円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 58600円 10%
自動車重量税 1年分 25200円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 15000km分 355770円 62%
オイル交換 年3回 33000円 6%
タイヤ交換 2.7年毎 18000円 3%
任意保険料 100% 78000円 13%
合計
[1万kmとの差額]
577400円
+146500円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 58600円 8%
自動車重量税 1年分 25200円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 474360円 67%
オイル交換 年4回 44000円 6%
タイヤ交換 2年毎 24000円 3%
任意保険料 100% 78000円 11%
合計
[1万kmとの差額]
713000円
+282100円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
輸入車・外車の小型車&普通車編
3000cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
オープンカー編

3シリーズ カブリオレの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 9.2km/L
燃料タンク容量 63L
航続距離(カタログ燃費) 579.6km
航続距離(80%燃費) 466.2km
満タンプライス 11655円
1km走行コスト 20.11円
1万円でどこまで行ける? 497.3km

10・15モード燃費が9.2km/L、燃料タンク容量63リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は579.6kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(8.3km/L)とすると航続距離は522.9km、80%(7.4km/L)だと466.2km、70%(6.4km/L)では403.2kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から63リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり185円では11655円、上で計算した航続距離を踏まえると579.6km(80%燃費時466.2km)を走行するのに11655円かかる計算です。

燃費を7.8km/Lとしたときの1km走行コストは20.11円、10万km走行したときの燃料代は201.1万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら20.1万円/年、7年10万kmなら28.7万円/年、5年10万kmなら40.2万円/年、3年10万kmなら67.0万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば497.3km(往復なら片道248.6km)、カタログ値の80%なら397.8km(片道198.9km)離れたところまで行くことができます。

カタログデータから見えてくる要素

M54B30型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
3500回転時の馬力 150PS
5900回転時の馬力 231PS
各回転域でのトルク
3500回転時のトルク 30.6kgm
5900回転時のトルク 28.0kgm
M54B30型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているM54B30型2979cc、直列6気筒の自然吸気エンジンは5900回転時に最高出力231馬力を、3500回転時に最大トルク30.6kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する3500rpmから最高出力が発生する5900rpmまで」の2400rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は40.7%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
3000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
3000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ7.273kg/PS(1680kg/231PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ7.273kg/PS
車体+1人7.511kg/PS
車体+4人8.225kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg7.532kg/PS
車体+70kg7.576kg/PS
車体+80kg7.619kg/PS
車体+90kg7.662kg/PS
車体+100kg7.706kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは7.511kg/PS(1735kg/231PS)となり、数値としては0.238kg、比率にすると3.3%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの4人が搭乗した場合、車両重量に220kgがプラスされてパワーウェイトレシオは8.225kg/PS(1900kg/231PS)となり、数値としては0.952kg、比率にすると13.1%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

AV30 3シリーズ カブリオレのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2004/10

-
3シリーズ カブリオレ
7.511kg/PS
1735kg/231PS|3.0L-NA
[車体のみPWR:7.273]
2017/09

車種詳細
スイフト スポーツ
7.321kg/PS
1025kg/140PS|1.4L-TB
車体のみPWR:6.929
2017/09

車種詳細
シビック
7.720kg/PS
1405kg/182PS|1.5L-TB
車体のみPWR:7.418
2009/07

車種詳細
MPV
7.653kg/PS
1875kg/245PS|2.3L-TB
車体のみPWR:7.429
2012/08

車種詳細
ラングラー アンリミテッド
7.377kg/PS
2095kg/284PS|3.7L-NA
車体のみPWR:7.183
2015/08

車種詳細
LX
7.361kg/PS
2775kg/377PS|5.7L-NA
車体のみPWR:7.215

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ7.511kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

7.286kg/PSから7.736kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、スズキの5人乗りハッチバック「ZC33S型 スイフト スポーツ」、ホンダの5人乗りハッチバック「FK7型 シビック」、マツダの8人乗りミニバン「LY3P型 MPV」、JEEPの5人乗りSUV「JK36L型 ラングラー アンリミテッド」、レクサスの8人乗りSUV「URJ201W型 LX」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

AV30型 3シリーズ カブリオレ [330Ci Cabriolet 30-6S E46]のライバル車種|7.511kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は137.5PS/tとなっています。


3シリーズ カブリオレがバイクと競争するなら…?


車種詳細
スティード|583cc
7.472kg/PS
269kg/36.0PS/4.49kgm
[車体のみPWR:5.944]
1速ギヤ速度:58.6km/h
最小TWR:1.138
2004/10

-
3シリーズ カブリオレ|2979cc
7.511kg/PS
1735kg/231PS/30.6kgm
[車体のみPWR:7.273]
1速ギヤ速度:56.9km/h
最小TWR:1.405

車種詳細
デスペラード400|399cc
7.697kg/PS
254kg/33.0PS/3.30kgm
[車体のみPWR:6.030]
1速ギヤ速度:47.9km/h
最小TWR:1.020

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここでは3シリーズ カブリオレとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

PC21 スティードと競争してみる

まず3シリーズ カブリオレより少しPWRが低いバイクとして、ホンダのスティードが挙げられます。PWRの7.472kg/PSは車両重量214kgにライダーの体重55kgを加えた269kgを、最高出力36.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はスティードに1.7km/h劣り、1速TWRは0.267kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

VK52A デスペラード400と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、スズキのデスペラード400が挙げられます。PWRの7.697kg/PSは車両重量199kg+55kgの254kgを、最高出力33.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は9.0km/h勝り、1速TWRは0.385kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.847
平均ピストンスピード 17.62m/s
トルクウェイトレシオ 54.90kg/kgm
1馬力あたりのお値段 31039円
排気量1Lあたり馬力 77.54PS/L
排気量1Lあたりトルク 10.27kgm/L
1気筒あたりの馬力 38.5PS
1気筒あたりのトルク 5.1kgm
パワーバンド比率 40.7%
燃費×馬力 1806.4pt
各種ランキング
オープンカーのPWR
2.5~3.0LのNA車 PWR

トルクウェイトレシオは54.90kg/kgm(1680kg/30.6kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が7170000円、最高出力が231馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は31039円、逆に1万円あたりでは0.32馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は234314円、1万円あたりでは0.04kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
3000cc以下の車編
オープンカー編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は77.54PS/L、トルクは10.27kgm/L、1気筒あたりの馬力は38.5馬力、トルクは5.1kgmとなり、このエンジンが231馬力を5900回転で発生させているときの平均ピストンスピードは17.62m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が89.6mmであるM54B30型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6700回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.847になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと真っ直ぐ進むことを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が7.82km/L、最高出力が231PSであるこの車の獲得ポイントは1806.4ptになります。
戯れに車両重量1680kgを100kg単位にした16.8で割ってみたところ、その数値は107.53ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合5900rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6400回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6400rpm|タイヤサイズ 225/45R17|タイヤ直径 63.4cm|円周長 199.2cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6400rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 3.665 12.39 -
-
62km/h 10360rpm 1195.8kgm
2速 1.999 6.76 0.545 1-2/
3490rpm
113km/h 5650rpm 652.2kgm
3速 1.407 4.76 0.704 2-3/
4510rpm
161km/h 3980rpm 459.1kgm
4速 1.000 3.38 0.711 3-4/
4550rpm
226km/h 2830rpm 326.3kgm
5速 0.742 2.51 0.742 4-5/
4750rpm
305km/h 2100rpm 242.1kgm
Final 3.380 レシオカバレッジ(変速比幅)4.939

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数3500rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.380)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(30.6kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.380)÷タイヤの有効半径(0.317m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は5速ギヤの305km(5900rpmでは281.2km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが3500回転で最大トルク30.6kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば54.90kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(7.273kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと1195.8kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1680kg)を1速ギヤの最大駆動力(1195.8kgm)で割ってみると1.405kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する5900回転でのトルク(28.0kgm)からTWRを算出すると1.535kg/kgmとなり、3500-5900回転の回転域では1.405-1.535kg/kgmの間で推移することがわかります。


おまけ:5900rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

AV30型3シリーズ カブリオレに搭載されたM54B30型2979ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する5900rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

5900rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ57km/h-
2速ギヤ104km/h3220rpm
3速ギヤ148km/h4150rpm
4速ギヤ209km/h4190rpm
5速ギヤ281km/h4380rpm

まず1速ギヤで5900rpmまで引っ張ると57km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は5900rpmから3220rpmまで落ち、そこから5900rpmまで加速を続けると速度は104km/h(+47km/h)になります。

3速ギヤでは4150rpmまで落ちて5900rpmで148km/h(+44km/h)に、4速ギヤでは4190rpmまで落ちて5900rpmで209km/h(+61km/h)に、5速ギヤでは4380rpmまで落ちて5900rpmで281km/h(+72km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4150 6220 8290 10360 12440 14510 18660
2速 2260 3390 4520 5650 6780 7910 10180
3速 1590 2390 3180 3980 4770 5570 7160
4速 1130 1700 2260 2830 3390 3960 5090
5速 840 1260 1680 2100 2520 2940 3780
※赤い数字は暫定レブリミット(6400rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.742)を選択して時速100kmにて走行すると2100回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1260回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1470回転、一般的な高速道路の80km/hでは1680回転、100km/hでは2100回転、制限速度が120km/hになると2520回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは3780回転まで回ります。

一般的な自動車であれば時速100kmでの巡航回転数は2500回転付近に落ち着くようですが、その中でも若干低めの回転数となっています。標準的なギヤ比の範囲内ながらも加速よりも静粛性や燃費に重きを置いた設定なので、急な坂道や長く続く坂道では積極的にギヤを1段下げる操作が必要になるかもしれません。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 10 19 29 39 48 58 68 77
2速 18 35 53 71 88 106 124 142
3速 25 50 75 101 126 151 176 201
4速 35 71 106 141 177 212 248 283
5速 48 95 143 191 238 286 334 381

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6400回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの225/45R17と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 225/45R17 | 直径 634mm

-20mm
幅205mm
-10mm
幅215mm
変更なし
幅225mm
+10mm
幅235mm
+20mm
幅245mm
-5%
40
扁平
205/40R17
37.6km/h
直径596mm
径差-38mm
215/40R17
38.1km/h
直径604mm
径差-30mm
225/40R17
38.6km/h
直径612mm
径差-22mm
235/40R17
39.1km/h
直径620mm
径差-14mm
245/40R17
39.6km/h
直径628mm
径差-6mm
0%
45
扁平
205/45R17
38.9km/h
直径617mm
径差-17mm
215/45R17
39.5km/h
直径626mm
径差-8mm
225/45R17
40.0km/h
634mm
0mm
235/45R17
40.6km/h
直径644mm
径差+10mm
245/45R17
41.2km/h
直径653mm
径差+19mm
+5%
50
扁平
205/50R17
40.2km/h
直径637mm
径差+3mm
215/50R17
40.8km/h
直径647mm
径差+13mm
225/50R17
41.5km/h
直径657mm
径差+23mm
235/50R17
42.1km/h
直径667mm
径差+33mm
245/50R17
42.7km/h
直径677mm
径差+43mm
+10%
55
扁平
205/55R17
41.5km/h
直径658mm
径差+24mm
215/55R17
42.2km/h
直径669mm
径差+35mm
225/55R17
42.9km/h
直径680mm
径差+46mm
235/55R17
43.6km/h
直径691mm
径差+57mm
245/55R17
44.3km/h
直径702mm
径差+68mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、205/45R17 、215/40R17、215/45R17 、225/40R17 、235/40R17 、245/40R17あたりのタイヤがおすすめです。

225/45R17のタイヤ幅を205mmから255mmまで、扁平率を30%から60%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、225/45R17の適応サイズと性能の変化 [AV30型3シリーズ カブリオレ編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】225/45R17のタイヤ銘柄と通販価格

AV30型3シリーズ カブリオレ[3.0L-NA FR/5AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト7.273kg/ps56.83
1速ギヤ加速性能1.405kg/kgm53.65
1L換算馬力77.54ps/L53.51
1L換算トルク10.27kgm/L59.76
WB/TR比1.84742.37
ワイド&ロー指数0.78158.10
前面の面積2.404m²56.25
最低地上高-43.72
スポーツ性能部門の得点424.19

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
10-15燃費9.2km/L41.62
年間維持費430900円40.45
100kmh回転数2100rpm55.20
航続距離579.6km42.24
車の大きさ10.796m³47.39
室内の広さ(仮) 1.958m³36.10
最小回転半径4.9m55.51
馬力単価31039円37.54
ユーティリティ部門の得点356.05

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した AV30型3シリーズ カブリオレ[3.0L-NA FR/5AT] の総合得点は 780.24 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したAV30型3シリーズ カブリオレ(FR/5AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのオープンカー」、「3000ccのオープンカー」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

3シリーズ カブリオレの歴代モデル

7代目 5F20型 3シリーズ セダン
5F20 3シリーズ セダンは2019/03に登場した7代目モデル。参考車両の「318i G20」は全長4715mm、全幅1825mm、全高1440mmの車体に、156PS/25.5kgmを発生するB48B20型1998ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

6代目 3C30型 M3
3C30 M3は2014/07に登場した6代目モデル。参考車両の「Sedan F80」は全長4685mm、全幅1875mm、全高1430mmの車体に、431PS/56.1kgmを発生するS55B30型2979ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

5代目 WD40型 M3
WD40 M3は2007/09に登場した5代目モデル。参考車両の「M3 Coupe E92」は全長4620mm、全幅1805mm、全高1425mmの車体に、420PS/40.8kgmを発生するS65B40型3999ccエンジンを搭載した4人乗りクーペ。

4代目 BL32型 M3
BL32 M3は2001/01に登場した4代目モデル。参考車両の「SMG-II E46」は全長4490mm、全幅1780mm、全高1370mmの車体に、343PS/37.2kgmを発生するS54B32型3245ccエンジンを搭載した5人乗りクーペ。

3代目 M3B型 M3
M3B M3は1994/02に登場した3代目モデル。参考車両の「M3-Coupe S50B30 E36」は全長4435mm、全幅1710mm、全高1335mmの車体に、286PS/32.7kgmを発生するS50B30型2990ccエンジンを搭載した5人乗りクーペ。

2代目 M3型 M3
M3 M3は1985に登場した2代目モデル。参考車両の「BaseGrade E30」は全長4345mm、全幅1680mm、全高1365mmの車体に、195PS/23.4kgmを発生するS14B23型2302ccエンジンを搭載した4人乗りクーペ。