F1DCBS:Q8の性能と維持費 4WD/8AT 5人 1049万円 2021年式

このページでは、アウディの5ドア・5人乗りSUV、初代の3AA-F1DCBS型Q8 55 TFSI quattro【2021/10モデル・340PS/51.0kgm・4WD/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

F1DCBS Q8
販売期間:2019/07 - 現行車

画像はアウディより引用
http://www.audi.co.jp/
投稿:2022/11/28|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長4995mm×全幅1995mm×全高1705mm、排気量は2994ccであることから、大雑把に分類すると3.0リットルクラス(3000cc、自動車税は3.0L以下を適用)に属し、全長、全幅、排気量ともに5ナンバー枠を超えていることにより完全無欠の3ナンバー登録車です。いわゆる【高級車】にカテゴライズされます。

駆動方式には車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆる四輪駆動(All Wheel Drive・AWD・Four Wheel Drive・4WDとも)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4995mmであるこの車の場合は「ラグジュアリー」(Luxury:4900mm超・Fセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


F1DCBS型 Q8 [2994cc/340PS 4WD/8AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

初代Q8の類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2023/07
F1DWRA型
[BaseGrade]
4.0L-TB | 4WD/8AT
| 1460.0万円
507PS
78.5kgm
7.5km/L
2023/04
F1DCBS型
[55 TFSI quattro]
3.0L-TB | 4WD/8AT
| 1108.0万円
340PS
51.0kgm
9.5km/L
2023/04
F1DHUA型
[BaseGrade]
4.0L-TB | 4WD/8AT
| 1990.0万円
600PS
81.6kgm
7.4km/L
初代Q8の車両型式・グレード一覧【全6車種】

主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー AUDI
車名&
グレード
Q8
55 TFSI quattro
その他 ラグジュアリー | Sライン:285/40R22 | エアサス装着車の車両型式は3AA-F1DCBA | オールホイールステアリング装着車は最小回転半径5.6m | ハイブリッド車
お値段 10490000円
車両型式 3AA-F1DCBS
駆動方式
変速機
4WD・四輪駆動(AWD)
8速AT・8速オートマ車
ドア/定員 5ドア/5名乗車
車体寸法 長4995×幅1995×高1705mm
軸距&
輪距
2995mm
前1680mm/後1690mm
最小半径 6.2m
最低高 210mm
タイヤ 前輪:275/50R20
後輪:275/50R20
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 2150kg
エンジン諸元
原動機型式 DCB
気筒配列 V型6気筒+モーター
排気量2994cc
圧縮比11.2
吸気方式 ターボ
最高出力 340PS[250kW]/5200-6400rpm
最大トルク 51.0kgm[500Nm]/1370-4500rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
WLTC燃費 9.2km/L(21.6mpg)
100km燃費 10.9L/100km
DCB型エンジンの諸元と性能まとめ
V型6気筒とは‥シリンダをV字型に交互で6個配置する方式。中排気量のスタンダード。モーターを組み合わせることでハイブリッドカーとなります。
これまでに登場したハイブリッドカーの一覧
V型6気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税50000円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税20500円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額6500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、Q8の新車を1206.4万円(諸費用として157.4万円を加算)にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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新車で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 3000cc以下 13年未満 50000円
自動車重量税(1年分) 2.5トン以下 13年未満 20500円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
10000km÷9.2km/L×180円/L
7000km÷9.2km/L×180円/L
5000km÷9.2km/L×180円/L
3000km÷9.2km/L×180円/L
195650円
(136960円)
(97830円)
(58700円)
オイル交換(5000km毎) 1回6500円×2回 13000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本24000円×4本÷5年 19200円
任意保険料(月額6500円) 月額6500円×12ヶ月 78000円
ローン完済後の年間維持費 385200円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額201060円×12ヶ月 2412720円
ローン返済中の年間維持費 2797900円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分+検査手数料等3000円程度 61700円
名目 金額
自動車税(1年分) 50000円
自動車重量税(1年分) 20500円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
195650円
(136960円)
(97830円)
(58700円)
オイル交換(5000km毎) 13000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 19200円
任意保険料(月額6500円) 78000円
ローン完済後の年間維持費 385200円
名目 金額
車のローン額(1年分) 2412720円
ローン返済中の年間維持費 2797900円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
61700円
  • 初度登録から3年経過車の場合、「3000cc以下で13年未満」クラスの自動車税は50000円、「2.5トン以下で13年未満」クラスの自動車重量税は20500円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに6500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本24000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額6500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした61700円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

年間の維持費が30万円前後では曖昧だった貧民と平民の線引きがこの辺りから明確になってきます。月換算で3万円~4万円、年間では36万円~48万円クラスとなると、それなりの収入が継続的に見込めないと手を出せないクラスです。

Q8【55 TFSI quattro】の場合、維持費の月額は32100円(ローン完済前は233200円)になります。金銭的にシビアな人からは「車なんてどれもタイヤが4つあるだけなのに、なんでこんなにお金の掛かる車に乗ってるんだ…修行か…」と奇異の目で見られていることでしょう。でも良いんです。愛さえあれば。


燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり180円を基準として、-50円となる130円から、+50円となる230円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費9.2km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
130円/L
141310円
[-54340円]
-25円
155円/L
168490円
[-27160円]
-10円
170円/L
184790円
[-10860円]
180円/L195650円
[0円]
+10円
190円/L
206530円
[+10880円]
+25円
205円/L
222840円
[+27190円]
+50円
230円/L
250010円
[+54360円]

燃費9.2km/LのF1DCBS型 Q8で10000km走行するのに必要な燃料は1087L、1リットルあたり180円としたときの燃料代は195650円になります。

参考までに、Q8の燃料タンクは85リットルですので、1087Lの給油回数は13回、1回あたりの燃料代は約15050円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては10880円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると27190円、50円も違ってくると54360円にもなります。

これをF1DCBS型 Q8の年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり180円の場合を385200円としたとき、130円/Lに値下がりすれば330860円(85.9%)に、230円/Lに値上がりすれば439560円(114.1%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(50000円)なり重量税(20500円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 50000円 23%
自動車重量税 1年分 20500円 9%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 3000km分 58700円 27%
オイル交換 年1回 6500円 3%
タイヤ交換 6年毎 12800円 6%
任意保険料 80% 62400円 28%
合計
[1万kmとの差額]
219800円
-165400円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 50000円 19%
自動車重量税 1年分 20500円 8%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 5000km分 97830円 37%
オイル交換 年1回 6500円 2%
タイヤ交換 6年毎 12800円 5%
任意保険料 85% 66360円 26%
合計
[1万kmとの差額]
262900円
-122300円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 50000円 16%
自動車重量税 1年分 20500円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 7000km分 136960円 44%
オイル交換 年1回 9100円 3%
タイヤ交換 6年毎 12800円 4%
任意保険料 90% 70200円 23%
合計
[1万kmとの差額]
308400円
-76800円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料78000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて165400円安い219800円に、5000km走行では122300円安い262900円に、7000km走行では76800円安い308400円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 50000円 10%
自動車重量税 1年分 20500円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 15000km分 293480円 57%
オイル交換 年3回 39000円 8%
タイヤ交換 2.7年毎 28800円 6%
任意保険料 100% 78000円 13%
合計
[1万kmとの差額]
518700円
+133500円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 50000円 8%
自動車重量税 1年分 20500円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 391300円 61%
オイル交換 年4回 52000円 8%
タイヤ交換 2年毎 38400円 6%
任意保険料 100% 78000円 13%
合計
[1万kmとの差額]
639100円
+253900円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。


【WLTC特典】市街地・郊外・高速道路の走行比率を変えるとどうなるの?

ひとくちにWLTCモード燃費と言いましても、信号や渋滞があるノロノロ道路の走行を想定した市街地モード(6.8km/L)、信号や渋滞が少ないスイスイ道路の走行を想定した郊外モード(9.3km/L)、高速道路の走行を想定した高速道路モード(10.7km/L)という3つの走行パターンを内包してありまして、これらを「平均的な使用時間配分」なるもので構成したのがWLTCモード燃費(9.2km/L)ということになります。

ここでは年間走行距離を10000kmとして市街地、郊外、高速道路の走行比率を変えてみたとき、WLTCモード燃費でのガソリン代195650円からどのように変化するかを見ていきたいと思います。

  • 1リットル180円として計算。
  • []内は低燃費タイヤ装着(エコタイヤ)で燃費が3%向上すると仮定した場合のガソリン代。
    たった3%のようですが、もともとの燃費が…なため、お財布には劇的な効果があります。
参考:燃費が3%向上すると…?
市街地6.8km/L → 7.0km/L
郊外9.3km/L → 9.6km/L
高速道路10.7km/L → 11.0km/L

●例1:都市部にお住まい

まず最初に、市街地の住まいを想定して、走行の大半を市街地(90%)、たまに郊外へお買い物(5%)、稀に高速道路に乗ってどこか遠くへ…(5%)という場合で見てみます。

市街地90%・郊外5%・高速5%
市街地9000km238230円
[231430円]
郊外500km9680円
[9380円]
高速道路500km8410円
[8190円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
256320円
+60670円
7.0km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
249000円
-7320円
7.2km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を9000kmとするとき、市街地モード燃費が6.8km/Lではガソリン1323.5Lを消費して、ガソリン代は238230円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を500kmとするとき、郊外モード燃費が9.3km/Lではガソリン53.8Lを消費して、ガソリン代は9680円になります。
  • 高速道路走行のガソリン代
    高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が10.7km/Lではガソリン46.7Lを消費して、ガソリン代は8410円になります。

このパターンでは使用した燃料量が1424.0L、かかったガソリン代が256320円となり、平均燃費は7.0km/L(-2.2km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は+60670円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着で燃費が3%アップするとして、同じ条件で走行するとガソリン代は249000円となり、7320円安くなります。車検2回ごとにタイヤ交換するとき、寿命までの5年間で36600円の経費削減になる計算です。純正タイヤとエコタイヤの差額がこれ以上ならお得、以下なら…?

●例2:市街地と郊外を行き来

次に、とにかく市街地と郊外を行ったり来たりする条件を想定して、市街地の走行を50%、郊外の走行を50%、高速道路は走行しない場合を見てみます。

市街地50%・郊外50%・高速0%
市街地5000km132350円
[128570円]
郊外5000km96770円
[93740円]
高速道路0km0円
[0円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
229120円
+33470円
7.9km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
222310円
-6810円
8.1km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を5000kmとするとき、市街地モード燃費が6.8km/Lでは735.3Lを消費して、ガソリン代は132350円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を5000kmとするとき、郊外モード燃費が9.3km/Lでは537.6Lを消費して、ガソリン代は96770円になります。

このパターンでは使用した燃料量が1272.9L、かかったガソリン代が229120円となり、平均燃費は7.9km/L(-1.3km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は+33470円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着ではガソリン代が222310円となり、1年間で6810円、5年間で34050円の経費削減になる計算です。

●例3:市街地・郊外・高速道路をMix

続いて、都市部に住んでいて郊外の職場へ通勤、あるいは郊外に住んでいて都市部の職場へ通勤、高速利用もバッチリ!という感じでシミュレーションしてみます。

市街地33.3%・郊外33.4%・高速33.3%
市街地3330km88150円
[85630円]
郊外3340km64640円
[62620円]
高速道路3330km56020円
[54490円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
208810円
+13160円
8.6km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
202740円
-6070円
8.9km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を3330kmとするとき、市街地モード燃費が6.8km/Lでは489.7Lを消費して、ガソリン代は88150円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を3340kmとするとき、郊外モード燃費が9.3km/Lでは359.1Lを消費して、ガソリン代は64640円になります。
  • 高速道路走行のガソリン代
    高速道路の走行を3330kmとするとき、高速道路モード燃費が10.7km/Lでは311.2Lを消費して、ガソリン代は56020円になります。

このパターンでは使用した燃料量が1160.0L、かかったガソリン代が208810円となり、平均燃費は8.6km/L(-0.6km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は+13160円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着ではガソリン代が202740円となり、1年間で6070円、5年間で30350円の経費削減になる計算です。

●例4:農村部にお住まい

最後に、びっくりするほど田舎な住まいを想定して、市街地の走行を5%、郊外の走行を90%、高速道路の走行を5%とした場合を見てみます。

市街地5%・郊外90%・高速5%
市街地500km13230円
[12850円]
郊外9000km174190円
[168750円]
高速道路500km8410円
[8190円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
195830円
+180円
9.2km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
189790円
-6040円
9.5km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を500kmとするとき、市街地モード燃費が6.8km/Lでは73.5Lを消費して、ガソリン代は13230円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を9000kmとするとき、郊外モード燃費が9.3km/Lでは967.7Lを消費して、ガソリン代は174190円になります。
  • 高速道路走行のガソリン代
    高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が10.7km/Lでは46.7Lを消費して、ガソリン代は8410円になります。

このパターンでは使用した燃料量が1087.9L、かかったガソリン代が195830円となり、平均燃費は9.2km/L(0.0km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は+180円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着ではガソリン代が189790円となり、1年間で6040円、5年間で30200円の経費削減になる計算です。

以上、極端な条件でのシミュレーションではありますが、走行シチュエーションによって平均燃費は変わり(7.0km/L・7.9km/L・8.6km/L・9.2km/L)、ガソリン代のほうもなかなかな違い(256320円・229120円・208810円・195830円)が出てくることがわかります。


市街地・郊外・高速道路の満タン航続距離

各モード燃費と航続距離
WLTCモード燃費
9.2km/L
782.0km
市街地燃費
6.8km/L
578.0km
[-204.0km]
郊外燃費
9.3km/L
790.5km
[+8.5km]
高速道路燃費
10.7km/L
909.5km
[+127.5km]

WLTCモード燃費には市街地モード・郊外モード・高速道路モードという3つの走行パターンが内包されておりますので、参考までにそれぞれのモード燃費で燃料タンクが空になるまで走行した場合の満タン航続距離を計算してみます。

燃料タンクの容量を85Lとしたとき、市街地モード燃費6.8km/Lでの航続距離は578.0km(-204.0km)、郊外モード燃費9.3km/Lでの航続距離は790.5km(+8.5km)、高速道路モード燃費10.7km/Lでの航続距離は909.5km(+127.5km)となります。

ある特定のシチュエーションのみを、燃料タンクが空になるまで走行することはなかなかありませんが、「その気になればこのくらいの距離を走れちゃうんだぜ!」という参考データだけは持っておくと、次回の給油回数削減チャレンジでギリギリのラインを狙っていくのに役立つ、かもしれません。


Q8の燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
WLTCモード燃費 9.2km/L
燃料タンク容量 85L
航続距離(カタログ燃費) 782.0km
航続距離(80%燃費) 629.0km
満タンプライス 15300円
1km走行コスト 19.57円
1万円でどこまで行ける? 511.1km
車両価格/航続距離 13414円/km

WLTCモード燃費が9.2km/L、燃料タンク容量85リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は782.0kmになります。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(8.3km/L)とすると705.5km、80%(7.4km/L)だと629.0km、70%(6.4km/L)では544.0kmという航続距離になります。

燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり180円で85リットルの給油をすると15300円、上で計算した航続距離を踏まえると782.0km(80%燃費時629.0km)を走行するのに15300円かかる計算です。

燃費を9.2km/Lとしたときの1km走行コストは19.57円、10万km走行したときの燃料代は195.7万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら19.6万円/年、7年10万kmなら28.0万円/年、5年10万kmなら39.1万円/年、3年10万kmなら65.2万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば511.1km(往復なら片道255.6km)、カタログ値の80%なら408.9km(片道204.4km)離れたところまで行くことができます。

ちなみに、1回の給油で782.0kmの距離を移動できるF1DCBS型 Q8 [55 TFSI quattro]という乗り物を、1049.0万円で手に入れたと考えたとき、この車が1km走行するにあたっては「13414円の値打ちがある!」と言える、かもしれません。


カタログデータから見えてくる要素

DCB型エンジン簡易性能曲線図
DCB型エンジン性能曲線図もどき
各回転域での馬力
1370回転時の馬力 98PS
4500回転時の馬力 320PS
5200回転時の馬力 340PS
6400回転時の馬力 340PS
各回転域でのトルク
1370回転時のトルク 51.0kgm
4500回転時のトルク 51.0kgm
5200回転時のトルク 46.8kgm
6400回転時のトルク 38.1kgm
DCB型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているDCB型2994cc、V型6気筒+モーターのターボエンジンは5200-6400回転時に最高出力340馬力を、1370-4500回転時に最大トルク51.0kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、アイドリングとそれほど変わらないような回転数から最大トルクが発生するこのエンジンは、坂道発進も平気の平左、MT車でもエンスト知らず、扱いやすさにかけては右に出るものがありません。ディーゼル車やダウンサイジングターボに多くあります。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する1370rpmから最高出力が発生する6400rpmまで」の5030rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は78.6%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
3000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
3000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ6.324kg/PS(2150kg/340PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ6.324kg/PS
車体+1人6.485kg/PS
車体+5人7.132kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg6.500kg/PS
車体+70kg6.529kg/PS
車体+80kg6.559kg/PS
車体+90kg6.588kg/PS
車体+100kg6.618kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは6.485kg/PS(2205kg/340PS)となり、数値としては0.161kg、比率にすると2.5%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは7.132kg/PS(2425kg/340PS)となり、数値としては0.808kg、比率にすると12.8%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。


F1DCBS Q8のライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2021/10

-
Q8
6.485kg/PS
2205kg/340PS|3.0L-TB
[車体のみPWR:6.324]
2010/02

車種詳細
クラウン ハイブリッド
6.368kg/PS
1885kg/296PS|3.5L-NA
車体のみPWR:6.182
2001/05

車種詳細
アコード
6.295kg/PS
1385kg/220PS|2.2L-NA
車体のみPWR:6.045
2015/01

車種詳細
レジェンド
6.481kg/PS
2035kg/314PS|3.5L-NA
車体のみPWR:6.306
2009/08

車種詳細
SC
6.411kg/PS
1795kg/280PS|4.3L-NA
車体のみPWR:6.214
2009/12

車種詳細
エスティマ
6.518kg/PS
1825kg/280PS|3.5L-NA
車体のみPWR:6.321

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ6.485kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

6.290kg/PSから6.680kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、トヨタの5人乗りセダン「GWS204型 クラウン ハイブリッド」、ホンダの5人乗りセダン「CL1型 アコード」、ホンダの5人乗りセダン「KC2型 レジェンド」、レクサスの4人乗りオープンカー「UZZ40型 SC」、トヨタの8人乗りミニバン「GSR50W型 エスティマ」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

F1DCBS型 Q8 [55 TFSI quattro]とパワーウェイトレシオが近い車種|6.485kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は158.1PS/tとなっています。


Q8がバイクと競争するなら…?


車種詳細
シャドウ スラッシャー|745cc
6.467kg/PS
291kg/44.9PS/6.73kgm
[車体のみPWR:5.244]
1速ギヤ速度:51.9km/h
最小TWR:0.882
2021/10

-
Q8|2994cc
6.485kg/PS
2205kg/340PS/51.0kgm
[車体のみPWR:6.324]
1速ギヤ速度:53.9km/h
最小TWR:0.942

車種詳細
VTR|249cc
6.500kg/PS
208kg/32.0PS/2.40kgm
[車体のみPWR:4.781]
1速ギヤ速度:55.1km/h
最小TWR:0.887

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではQ8とパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

RC48 シャドウ スラッシャーと競争してみる

まずQ8より少しPWRが低いバイクとして、ホンダのシャドウ スラッシャーが挙げられます。PWRの6.467kg/PSは車両重量236kgにライダーの体重55kgを加えた291kgを、最高出力44.9PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はシャドウ スラッシャーに2.0km/h勝り、1速TWRは0.060kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

MC33 VTRと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ホンダのVTRが挙げられます。PWRの6.500kg/PSは車両重量153kg+55kgの208kgを、最高出力32.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は1.2km/h劣り、1速TWRは0.055kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.777
平均ピストンスピード 18.99m/s
トルクウェイトレシオ 42.16kg/kgm
1馬力あたりのお値段 30853円
排気量1Lあたり馬力 113.60PS/L
排気量1Lあたりトルク 17.03kgm/L
1気筒あたりの馬力 56.7PS
1気筒あたりのトルク 8.5kgm
パワーバンド比率 78.6%
燃費×馬力 3128.0pt
各種ランキング
SUV・RV・クロカンのPWR
2.5~3.0Lターボ車のPWR

トルクウェイトレシオは42.16kg/kgm(2150kg/51.0kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が10490000円、最高出力が340馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は30853円、逆に1万円あたりでは0.32馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は205686円、1万円あたりでは0.05kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
3000cc以下の車編
5人乗りSUV編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は113.60PS/L、トルクは17.03kgm/L、1気筒あたりの馬力は56.7馬力、トルクは8.5kgmとなり、このエンジンが340馬力を6400回転で発生させているときの平均ピストンスピードは18.99m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が89.0mmであるDCB型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6740回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.777になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、走ってよし、曲がってよしで至れり尽くせりのオールラウンダーであると言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が9.2km/L、最高出力が340PSであるこの車の獲得ポイントは3128.0ptになります。
戯れに車両重量2150kgを100kg単位にした21.5で割ってみたところ、その数値は145.49ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)



Q8での車中泊

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.75m
期待される荷室の幅 1.59m
対角線の長さ 2.36m
期待される荷室の面積 2.78m²

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

縦方向の長さが1.75m(対角線では2.36m)などという破格のクラスになると、これはもう四の五の言わず車に住むべきです。

これだけの車を所持できる素養は持ち得ているのですから、細かいことは気にせずあらゆる支配からの卒業を宣言し、信じられぬ大人との争いに終止符を打ちましょう。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。
車中泊にあると嬉しいアイテム


ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合5200-6400rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6900回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6900rpm|タイヤサイズ 275/50R20|タイヤ直径 78.3cm|円周長 246.0cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6900rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 5.000 17.52 -
-
58km/h 11870rpm 2283.0kgm
2速 3.200 11.22 0.640 1-2/
4420rpm
91km/h 7600rpm 1461.1kgm
3速 2.143 7.51 0.670 2-3/
4620rpm
136km/h 5090rpm 978.5kgm
4速 1.720 6.03 0.803 3-4/
5540rpm
169km/h 4080rpm 785.3kgm
5速 1.313 4.60 0.763 4-5/
5260rpm
221km/h 3120rpm 599.5kgm
6速 1.000 3.50 0.762 5-6/
5260rpm
291km/h 2370rpm 456.6kgm
7速 0.823 2.88 0.823 6-7/
5680rpm
353km/h 1950rpm 375.8kgm
8速 0.640 2.24 0.778 7-8/
5370rpm
454km/h 1520rpm 292.2kgm
Final 3.505 レシオカバレッジ(変速比幅)7.812

ギヤの繋がりイメージ
F1DCBS型Q88AT車のギヤ比イメージ
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数1370-4500rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.505)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(51.0kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.505)÷タイヤの有効半径(0.3915m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は8速ギヤの454km(6400rpmでは421.1km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

おまけ:6400rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

6400rpmでの速度と
シフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ54km/h-
2速ギヤ84km/h4100rpm
3速ギヤ126km/h4290rpm
4速ギヤ157km/h5140rpm
5速ギヤ205km/h4880rpm
6速ギヤ270km/h4880rpm
7速ギヤ327km/h5270rpm
8速ギヤ421km/h4980rpm

F1DCBS型Q8に搭載されたDCB型2994ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する6400rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

まず1速ギヤで6400rpmまで引っ張ると54km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は6400rpmから4100rpmまで落ち、そこから6400rpmまで加速を続けると速度は84km/h(+30km/h)になります。

3速ギヤでは4290rpmまで落ちて6400rpmで126km/h(+42km/h)に、4速ギヤでは5140rpmまで落ちて6400rpmで157km/h(+31km/h)に、5速ギヤでは4880rpmまで落ちて6400rpmで205km/h(+48km/h)になります。

続いて6速ギヤでは4880rpmまで落ちて6400rpmで270km/h(+65km/h)に、7速ギヤでは5270rpmまで落ちて6400rpmで327km/h(+57km/h)に、8速ギヤでは4980rpmまで落ちて6400rpmで421km/h(+94km/h)という具合に加速していくイメージです。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが1370-4500回転で最大トルク51.0kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば42.16kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(6.324kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと2283.0kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(2150kg)を1速ギヤの最大駆動力(2283.0kgm)で割ってみると0.942kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する6400回転でのトルク(38.1kgm)からTWRを算出すると1.26kg/kgmとなり、1370-6400回転の回転域では0.942-1.26kg/kgmの間で推移することがわかります。


ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4750 7120 9500 11870 14250 16620 21370
2速 3040 4560 6080 7600 9120 10640 13680
3速 2040 3050 4070 5090 6110 7120 9160
4速 1630 2450 3270 4080 4900 5720 7350
5速 1250 1870 2490 3120 3740 4370 5610
6速 950 1420 1900 2370 2850 3320 4270
7速 780 1170 1560 1950 2350 2740 3520
8速 610 910 1220 1520 1820 2130 2740
※赤い数字は暫定レブリミット(6900rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.640)を選択して時速100kmにて走行すると1520回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは910回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1060回転、一般的な高速道路の80km/hでは1220回転、100km/hでは1520回転、制限速度が120km/hになると1820回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは2740回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 8 17 25 34 42 51 59 67
2速 13 26 39 53 66 79 92 105
3速 20 39 59 79 98 118 138 157
4速 24 49 73 98 122 147 171 196
5速 32 64 96 128 160 192 225 257
6速 42 84 126 168 211 253 295 337
7速 51 102 154 205 256 307 358 409
8速 66 132 197 263 329 395 461 526

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6900回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。


純正装着タイヤの275/50R20と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 275/50R20 | 直径 783mm

-20mm
幅255mm
-10mm
幅265mm
変更なし
幅275mm
+10mm
幅285mm
+20mm
幅295mm
-5%
45
扁平
255/45R20
37.7km/h
直径738mm
径差-45mm
265/45R20
38.2km/h
直径747mm
径差-36mm
275/45R20
38.6km/h
直径756mm
径差-27mm
285/45R20
39.1km/h
直径765mm
径差-18mm
295/45R20
39.5km/h
直径774mm
径差-9mm
0%
50
扁平
255/50R20
39.0km/h
直径763mm
径差-20mm
265/50R20
39.5km/h
直径773mm
径差-10mm
275/50R20
40.0km/h
783mm
0mm
285/50R20
40.5km/h
直径793mm
径差+10mm
295/50R20
41.0km/h
直径803mm
径差+20mm
+5%
55
扁平
255/55R20
40.3km/h
直径789mm
径差+6mm
265/55R20
40.9km/h
直径800mm
径差+17mm
275/55R20
41.4km/h
直径811mm
径差+28mm
285/55R20
42.0km/h
直径822mm
径差+39mm
295/55R20
42.6km/h
直径833mm
径差+50mm
+10%
60
扁平
255/60R20
41.6km/h
直径814mm
径差+31mm
265/60R20
42.2km/h
直径826mm
径差+43mm
275/60R20
42.8km/h
直径838mm
径差+55mm
285/60R20
43.4km/h
直径850mm
径差+67mm
295/60R20
44.0km/h
直径862mm
径差+79mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、255/50R20 、265/45R20、265/50R20 、275/45R20 、285/45R20 、295/45R20あたりのタイヤがおすすめです。

275/50R20のタイヤ幅を255mmから305mmまで、扁平率を35%から65%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、275/50R20の適応サイズと性能の変化 [F1DCBS型Q8編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
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F1DCBS型Q8[3.0Lターボ 4WD/8AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト6.324kg/ps59.42
1速ギヤ加速性能0.942kg/kgm63.52
1L換算馬力113.60ps/L53.95
1L換算トルク17.03kgm/L53.56
WB/TR比1.77749.59
ワイド&ロー指数0.85552.73
前面の面積3.401m²28.18
最低地上高210mm27.40
スポーツ性能部門の得点388.35

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
WLTC燃費9.2km/L35.81
年間維持費385200円44.70
100kmh回転数1520rpm62.87
航続距離782.0km53.98
車の大きさ16.990m³72.08
室内の広さ(仮) 3.081m³46.81
最小回転半径6.2m28.75
馬力単価30853円37.60
ユーティリティ部門の得点382.60

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した F1DCBS型Q8[3.0Lターボ 4WD/8AT] の総合得点は 770.95 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したF1DCBS型Q8(4WD/8AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全ての5人乗SUV」、「3000ccの5人乗SUV」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。