3CBWSF パサート ヴァリアントの性能と維持費 4WD/6AT 606万円

このページでは、フォルクスワーゲンの5ドア・5人乗りワゴン、6代目のABA-3CBWSF型パサート ヴァリアント R36【2009/10モデル・299PS/35.7kgm・4WD/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

3CBWSF パサート ヴァリアント
販売期間:2006/04 - 2011/02

画像はフォルクスワーゲンより引用
http://www.volkswagen.co.jp/
投稿:2012/01/16|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長4820mm×全幅1820mm×全高1490mm、排気量は3598ccであることから、大雑把に分類すると3.6リットルクラス(3600cc、自動車税は4.0L以下を適用)に属し、全長、全幅、排気量ともに5ナンバー枠を超えていることにより完全無欠の3ナンバー登録車です。いわゆる【高級車】にカテゴライズされます。
参考:250PS~300PSの自動車 一覧

駆動方式には車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆる四輪駆動(All Wheel Drive・AWD・Four Wheel Drive・4WDとも)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4820mmであるこの車の場合は「アッパーミディアム」(Upper-Medium:4650mm超-4900mm以下・Eセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


3CBWSF型 パサート ヴァリアント [3598cc/299PS 4WD/6AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

6代目パサート ヴァリアントの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2010/02
3CCDA型
[Prime-edition]
1.8L-TB・FF/7AT・379.0万円
160PS・25.5kgm・14.0km/L
160PS
25.5kgm
14.0km/L
2009/01
3CAXZF型
[V6 4motion]
3.2L-NA・4WD/6AT・522.0万円
250PS・33.1kgm・10.2km/L
250PS
33.1kgm
10.2km/L
2009/01
3CBZB型
[TSI Comfort-line]
1.8L-TB・FF/6AT・367.0万円
160PS・25.5kgm・10.8km/L
160PS
25.5kgm
10.8km/L
6代目 パサート 型式一覧 B8系まとめ 2006-2016【全14車種】
パサート ヴァリアントの新型モデル
7代目 3CCCZF型パサート オールトラック
3CCCZF型パサート オールトラックは2012/06に登場した7代目モデル。参考車両の「2.0TSI」は全長4785mm、全幅1820mm、全高1560mmの車体に、211PS/28.6kgmを発生するCCZ型1984ccエンジンを搭載。

パサート ヴァリアントの旧型モデル
5代目 3BBDNF型パサート ワゴン
3BBDNF型パサート ワゴンは1998/04に登場した5代目モデル。参考車両の「W8 4motion」は全長4680mm、全幅1745mm、全高1495mmの車体に、275PS/37.7kgmを発生するBDN型3998ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー フォルクスワーゲン
車名&
グレード
パサート ヴァリアント
R36
その他 4.769(1-2-3-4)/3.444(5-6-B)
お値段 6060000円
車両型式 ABA-3CBWSF
駆動方式
変速機
4WD・四輪駆動(AWD)
6速AT・6速オートマ車
ドア/定員 5ドア/5名乗車
車体寸法 長4820×幅1820×高1490mm
軸距&
輪距
2710mm
前1550mm/後1555mm
最小半径 5.3m
タイヤ 前輪:235/40R18
後輪:235/40R18
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 1770kg
エンジン諸元
原動機型式 BWS
気筒配列 V型6気筒
排気量3598cc
圧縮比11.4
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 299PS[220kW]/6600rpm
最大トルク 35.7kgm[350Nm]/2400-5300rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
10・15燃費 9.9km/L(23.3mpg)
100km燃費 10.1L/100km
BWS型エンジンの諸元と性能まとめ
V型6気筒とは‥シリンダをV字型に交互で6個配置する方式。中排気量のスタンダード。
V型6気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税76400円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税22800円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額7500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2009/10モデルのパサート ヴァリアントを15年落ちの中古で200.0万円にて購入し、頭金なしで4年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    パサート ヴァリアントの2009/10モデルの場合、2024年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の30%である181.8万円に諸経費として18.2万円を足した200.0万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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2009年式を15年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 4000cc以下 13年経過 76400円
自動車重量税(1年分) 2.0トン以下 13年-17年経過 22800円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷8.4km/L×185円/L 220240円
オイル交換(5000km毎) 1回6500円×2回 13000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本18000円×4本÷5年 14400円
任意保険料(月額7500円) 月額7500円×12ヶ月 90000円
ローン完済後の年間維持費 445700円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額41660円×12ヶ月 499920円
ローン返済中の年間維持費 945600円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 66300円
名目 金額
自動車税(1年分) 76400円
自動車重量税(1年分) 22800円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
220240円
(154170円)
(110120円)
(66070円)
オイル交換(5000km毎) 13000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 14400円
任意保険料(月額7500円) 90000円
ローン完済後の年間維持費 445700円
名目 金額
車のローン額(1年分) 499920円
ローン返済中の年間維持費 945600円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
66300円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「4000cc以下で13年経過」クラスの自動車税は76400円、「2.0トン以下で13年-17年経過」クラスの自動車重量税は22800円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに6500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本18000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額7500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした66300円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

このあたりのクラスから理想と現実の違い、つまり「乗りたい車」と「乗ることができる車」は違うことを思い知らされます。うっかり手を出せば「いっ…維持費が高すぎて息ができん!フーッ!フーッ!」と目を白黒させることになりかねません。

さて、パサート ヴァリアント【R36】の場合、維持費の月額は37200円になります。金銭的にシビアな人からは「車なんてどれもタイヤが4つあるだけなのに、なんでこんなにお金の掛かる車に乗ってるんだ…修行か…」と奇異の目で見られていることでしょう。でも良いんです。愛さえあれば。

パサート ヴァリアントの維持費は高い?安い?

「パサート ヴァリアントの年間維持費は445700円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「4000ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてパサート ヴァリアントの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いラングラー398100円-47600円
フェアレディZ442700円-3000円
パサート ヴァリアントの維持費445700円
ラングラー アンリミテッド463300円+17600円
FJクルーザー469600円+23900円
基準4000ccクラス平均490900円+45200円
Gクラス 4x4507700円+62000円
チェロキー564600円+118900円
ディスカバリー631500円+185800円
高いランドクルーザー80720300円+274600円

パサート ヴァリアントの年間維持費を、4000ccクラスで最も維持費が安いラングラーと比較して47600円高く、最も高いランドクルーザー80と比較して274600円安く、4000ccクラスの平均維持費との比較では45200円安くなっています。

最低額のラングラーと最高額のランドクルーザー80は極端な例としても、4000ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、パサート ヴァリアントの維持費は まあまあ安い! と言えそうです。

年間維持費が安い 4000ccクラスの車 ランキング

パサート ヴァリアントを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%580万円49万円38万円
15%390万円33万円26万円
20%290万円25万円20万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は580万円(総支給額49万円/月、手取り38万円/月)、ここから月額維持費3.7万円を支払うと残りは34.3万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は390万円(総支給額33万円/月、手取り26万円/月)、3.7万円を支払うと残りは22.3万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が290万円(総支給額25万円/月、手取り20万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。3.7万円を引くと残りは16.3万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代23万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり185円を基準として、-50円となる135円から、+50円となる235円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費8.4km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
135円/L
160720円
[-59520円]
-25円
160円/L
190480円
[-29760円]
-10円
175円/L
208340円
[-11900円]
185円/L220240円
[0円]
+10円
195円/L
232150円
[+11910円]
+25円
210円/L
250010円
[+29770円]
+50円
235円/L
279770円
[+59530円]

燃費8.4km/Lの3CBWSF型 パサート ヴァリアントで10000km走行するのに必要な燃料は1190.5L、1リットルあたり185円としたときの燃料代は220240円になります。

参考までに、パサート ヴァリアントの燃料タンクは68リットルですので、1190.5Lの給油回数は18回、1回あたりの燃料代は約12240円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては11910円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると29770円、50円も違ってくると59530円にもなります。

これを3CBWSF型 パサート ヴァリアントの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり185円の場合を445700円としたとき、135円/Lに値下がりすれば386180円(86.6%)に、235円/Lに値上がりすれば505230円(113.4%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(76400円)なり重量税(22800円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

税金の安さは折り紙付き!
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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76400円 29%
自動車重量税 1年分 22800円 9%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 3000km分 66070円 25%
オイル交換 年1回 6500円 2%
タイヤ交換 6年毎 9600円 4%
任意保険料 80% 72000円 28%
合計
[1万kmとの差額]
262200円
-183500円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76400円 25%
自動車重量税 1年分 22800円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 5000km分 110120円 35%
オイル交換 年1回 6500円 2%
タイヤ交換 6年毎 9600円 3%
任意保険料 85% 76560円 25%
合計
[1万kmとの差額]
310900円
-134800円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76400円 21%
自動車重量税 1年分 22800円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 7000km分 154170円 43%
オイル交換 年1回 9100円 3%
タイヤ交換 6年毎 9600円 3%
任意保険料 90% 81000円 22%
合計
[1万kmとの差額]
361900円
-83800円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料90000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて183500円安い262200円に、5000km走行では134800円安い310900円に、7000km走行では83800円安い361900円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76400円 13%
自動車重量税 1年分 22800円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 15000km分 330360円 56%
オイル交換 年3回 39000円 7%
タイヤ交換 2.7年毎 21600円 4%
任意保険料 100% 90000円 15%
合計
[1万kmとの差額]
589000円
+143300円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76400円 11%
自動車重量税 1年分 22800円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 440480円 61%
オイル交換 年4回 52000円 7%
タイヤ交換 2年毎 28800円 4%
任意保険料 100% 90000円 13%
合計
[1万kmとの差額]
719400円
+273700円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
輸入車・外車の小型車&普通車編
4000cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
ステーションワゴン編

パサート ヴァリアントの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 9.9km/L
燃料タンク容量 68L
航続距離(カタログ燃費) 673.2km
航続距離(80%燃費) 537.2km
満タンプライス 12580円
1km走行コスト 18.69円
1万円でどこまで行ける? 535.1km

10・15モード燃費が9.9km/L、燃料タンク容量68リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は673.2kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(8.9km/L)とすると航続距離は605.2km、80%(7.9km/L)だと537.2km、70%(6.9km/L)では469.2kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から68リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり185円では12580円、上で計算した航続距離を踏まえると673.2km(80%燃費時537.2km)を走行するのに12580円かかる計算です。

燃費を8.4km/Lとしたときの1km走行コストは18.69円、10万km走行したときの燃料代は186.9万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら18.7万円/年、7年10万kmなら26.7万円/年、5年10万kmなら37.4万円/年、3年10万kmなら62.3万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば535.1km(往復なら片道267.6km)、カタログ値の80%なら428.1km(片道214.1km)離れたところまで行くことができます。

カタログデータから見えてくる要素

BWS型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
2400回転時の馬力 120PS
5300回転時の馬力 264PS
6600回転時の馬力 299PS
各回転域でのトルク
2400回転時のトルク 35.7kgm
5300回転時のトルク 35.7kgm
6600回転時のトルク 32.5kgm
BWS型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているBWS型3598cc、V型6気筒の自然吸気エンジンは6600回転時に最高出力299馬力を、2400-5300回転時に最大トルク35.7kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、アイドリングとそれほど変わらないような回転数から最大トルクが発生するこのエンジンは、坂道発進も平気の平左、MT車でもエンスト知らず、扱いやすさにかけては右に出るものがありません。ディーゼル車やダウンサイジングターボに多くあります。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する2400rpmから最高出力が発生する6600rpmまで」の4200rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は63.6%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
4000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
4000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ5.920kg/PS(1770kg/299PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ5.920kg/PS
車体+1人6.104kg/PS
車体+5人6.839kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg6.120kg/PS
車体+70kg6.154kg/PS
車体+80kg6.187kg/PS
車体+90kg6.221kg/PS
車体+100kg6.254kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは6.104kg/PS(1825kg/299PS)となり、数値としては0.184kg、比率にすると3.1%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは6.839kg/PS(2045kg/299PS)となり、数値としては0.919kg、比率にすると15.5%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

3CBWSF パサート ヴァリアントのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2009/10

-
パサート ヴァリアント
6.104kg/PS
1825kg/299PS|3.6L-NA
[車体のみPWR:5.920]
2005/06

車種詳細
マツダスピード アテンザ
5.938kg/PS
1615kg/272PS|2.3L-TB
車体のみPWR:5.735
1998/09

車種詳細
シビック タイプR
6.081kg/PS
1125kg/185PS|1.6L-NA
車体のみPWR:5.784
2005/12

車種詳細
セリカ
6.184kg/PS
1175kg/190PS|1.8L-NA
車体のみPWR:5.895
2009/05

車種詳細
RX-8
5.979kg/PS
1405kg/235PS|1.4L-NA
車体のみPWR:5.745
2014/11

車種詳細
フォレスター tS
5.982kg/PS
1675kg/280PS|2.0L-TB
車体のみPWR:5.786

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ6.104kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

5.921kg/PSから6.287kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、マツダの5人乗りセダン「GG3P型 マツダスピード アテンザ」、ホンダの4人乗りハッチバック「EK9型 シビック タイプR」、トヨタの4人乗りクーペ「ZZT231型 セリカ」、マツダの4人乗りクーペ「SE3P型 RX-8」、スバルの5人乗りSUV「SJG型 フォレスター tS」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

3CBWSF型 パサート ヴァリアント [R36]のライバル車種|6.104kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は168.9PS/tとなっています。


パサート ヴァリアントがバイクと競争するなら…?


車種詳細
DR250R|249cc
6.100kg/PS
183kg/30.0PS/2.80kgm
[車体のみPWR:4.267]
1速ギヤ速度:47.9km/h
最小TWR:0.683
2009/10

-
パサート ヴァリアント|3598cc
6.104kg/PS
1825kg/299PS/35.7kgm
[車体のみPWR:5.920]
1速ギヤ速度:57.6km/h
最小TWR:1.147

車種詳細
MT-25|249cc
6.111kg/PS
220kg/36.0PS/2.30kgm
[車体のみPWR:4.583]
1速ギヤ速度:57.0km/h
最小TWR:0.904

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではパサート ヴァリアントとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

SJ45A DR250Rと競争してみる

まずパサート ヴァリアントより少しPWRが低いバイクとして、スズキのDR250Rが挙げられます。PWRの6.100kg/PSは車両重量128kgにライダーの体重55kgを加えた183kgを、最高出力30.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はDR250Rに9.7km/h勝り、1速TWRは0.464kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

RG10J MT-25と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ヤマハのMT-25が挙げられます。PWRの6.111kg/PSは車両重量165kg+55kgの220kgを、最高出力36.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は0.6km/h勝り、1速TWRは0.243kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.745
平均ピストンスピード 21.21m/s
トルクウェイトレシオ 49.58kg/kgm
1馬力あたりのお値段 20268円
排気量1Lあたり馬力 83.10PS/L
排気量1Lあたりトルク 9.92kgm/L
1気筒あたりの馬力 49.8PS
1気筒あたりのトルク 6.0kgm
パワーバンド比率 63.6%
燃費×馬力 2517.6pt
各種ランキング
ステーションワゴンのPWR
3.5~4.0L以下のPWR

トルクウェイトレシオは49.58kg/kgm(1770kg/35.7kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が6060000円、最高出力が299馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は20268円、逆に1万円あたりでは0.49馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は169748円、1万円あたりでは0.06kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
4000cc以下の車編
ステーションワゴン編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は83.10PS/L、トルクは9.92kgm/L、1気筒あたりの馬力は49.8馬力、トルクは6.0kgmとなり、このエンジンが299馬力を6600回転で発生させているときの平均ピストンスピードは21.21m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が96.4mmであるBWS型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6220回転です。●最高出力を発生している時点で既に20.0m/sを超えているこのエンジンは実に良く設計された秀逸なエンジンであると言えます。一昔(二昔?)前の常識を覆す誉れ高きエンジンですので、ぜひとも重要文化遺産に登録して後世に伝えていかねばなりません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.745になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、走ってよし、曲がってよしで至れり尽くせりのオールラウンダーであると言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が8.42km/L、最高出力が299PSであるこの車の獲得ポイントは2517.6ptになります。
戯れに車両重量1770kgを100kg単位にした17.7で割ってみたところ、その数値は142.24ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)



パサート ヴァリアントでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.687m
期待される荷室の幅 1.420m
対角線の長さ 2.205m
期待される荷室の面積 2.396m²

縦方向の長さが1.687m(対角線では2.205m)ともなると、もはや車の中で生活しても良いんじゃないかと錯覚しかねないほど快適な睡眠が約束されます。

日頃の行いが悪いとか、人様には言えないことをやらかしたとか、誰の顔も見たくないなどの訳アリで家に帰れず、やむなく車中泊をしてみたが最期、あまりの気楽さに心を奪われ流浪の民となりかねません。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。

車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合6600rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした7100回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 7100rpm|タイヤサイズ 235/40R18|タイヤ直径 64.5cm|円周長 202.6cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
7100rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 2.923 13.94 -
-
62km/h 11470rpm 1543.1kgm
2速 1.956 9.33 0.669 1-2/
4750rpm
93km/h 7670rpm 1032.6kgm
3速 1.400 6.68 0.716 2-3/
5080rpm
129km/h 5490rpm 739.1kgm
4速 1.032 4.92 0.737 3-4/
5230rpm
175km/h 4050rpm 544.8kgm
5速 0.777 3.71 0.753 4-5/
5350rpm
233km/h 3050rpm 410.2kgm
6速 0.628 2.99 0.808 5-6/
5740rpm
288km/h 2460rpm 331.5kgm
Final 4.769 レシオカバレッジ(変速比幅)4.654

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数2400-5300rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.769)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(35.7kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.769)÷タイヤの有効半径(0.3225m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は6速ギヤの288km(6600rpmでは267.9km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが2400-5300回転で最大トルク35.7kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば49.58kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(5.920kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと1543.1kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1770kg)を1速ギヤの最大駆動力(1543.1kgm)で割ってみると1.147kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する6600回転でのトルク(32.5kgm)からTWRを算出すると1.260kg/kgmとなり、2400-6600回転の回転域では1.147-1.260kg/kgmの間で推移することがわかります。


おまけ:6600rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

3CBWSF型パサート ヴァリアントに搭載されたBWS型3598ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する6600rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

6600rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ58km/h-
2速ギヤ86km/h4420rpm
3速ギヤ120km/h4730rpm
4速ギヤ163km/h4860rpm
5速ギヤ217km/h4970rpm
6速ギヤ268km/h5330rpm

まず1速ギヤで6600rpmまで引っ張ると58km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は6600rpmから4420rpmまで落ち、そこから6600rpmまで加速を続けると速度は86km/h(+28km/h)になります。

3速ギヤでは4730rpmまで落ちて6600rpmで120km/h(+34km/h)に、4速ギヤでは4860rpmまで落ちて6600rpmで163km/h(+43km/h)になります。

続いて5速ギヤでは4970rpmまで落ちて6600rpmで217km/h(+54km/h)に、6速ギヤでは5330rpmまで落ちて6600rpmで268km/h(+51km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4590 6880 9170 11470 13760 16050 20640
2速 3070 4600 6140 7670 9210 10740 13810
3速 2200 3300 4390 5490 6590 7690 9890
4速 1620 2430 3240 4050 4860 5670 7290
5速 1220 1830 2440 3050 3660 4270 5490
6速 990 1480 1970 2460 2960 3450 4430
※赤い数字は暫定レブリミット(7100rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.628)を選択して時速100kmにて走行すると2460回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1480回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1720回転、一般的な高速道路の80km/hでは1970回転、100km/hでは2460回転、制限速度が120km/hになると2960回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは4430回転まで回ります。

一般的な自動車であれば時速100kmでの巡航回転数は2500回転付近に落ち着くようですが、その中でも若干低めの回転数となっています。標準的なギヤ比の範囲内ながらも加速よりも静粛性や燃費に重きを置いた設定なので、急な坂道や長く続く坂道では積極的にギヤを1段下げる操作が必要になるかもしれません。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 9 17 26 35 44 52 61 70
2速 13 26 39 52 65 78 91 104
3速 18 36 55 73 91 109 127 146
4速 25 49 74 99 123 148 173 198
5速 33 66 98 131 164 197 230 262
6速 41 81 122 162 203 244 284 325

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(7100回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの235/40R18と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 235/40R18 | 直径 645mm

-20mm
幅215mm
-10mm
幅225mm
変更なし
幅235mm
+10mm
幅245mm
+20mm
幅255mm
-5%
35
扁平
215/35R18
37.7km/h
直径608mm
径差-37mm
225/35R18
38.1km/h
直径615mm
径差-30mm
235/35R18
38.6km/h
直径622mm
径差-23mm
245/35R18
39.0km/h
直径629mm
径差-16mm
255/35R18
39.4km/h
直径636mm
径差-9mm
0%
40
扁平
215/40R18
39.0km/h
直径629mm
径差-16mm
225/40R18
39.5km/h
直径637mm
径差-8mm
235/40R18
40.0km/h
645mm
0mm
245/40R18
40.5km/h
直径653mm
径差+8mm
255/40R18
41.0km/h
直径661mm
径差+16mm
+5%
45
扁平
215/45R18
40.4km/h
直径651mm
径差+6mm
225/45R18
40.9km/h
直径660mm
径差+15mm
235/45R18
41.5km/h
直径669mm
径差+24mm
245/45R18
42.0km/h
直径678mm
径差+33mm
255/45R18
42.6km/h
直径687mm
径差+42mm
+10%
50
扁平
215/50R18
41.7km/h
直径672mm
径差+27mm
225/50R18
42.3km/h
直径682mm
径差+37mm
235/50R18
42.9km/h
直径692mm
径差+47mm
245/50R18
43.5km/h
直径702mm
径差+57mm
255/50R18
44.2km/h
直径712mm
径差+67mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、215/40R18 、225/35R18、225/40R18 、235/35R18 、245/35R18 、255/35R18あたりのタイヤがおすすめです。

235/40R18のタイヤ幅を215mmから265mmまで、扁平率を25%から55%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、235/40R18の適応サイズと性能の変化 [3CBWSF型パサート ヴァリアント編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】235/40R18のタイヤ銘柄と通販価格

3CBWSF型パサート ヴァリアント[3.6L-NA 4WD/6AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト5.920kg/ps60.53
1速ギヤ加速性能1.147kg/kgm59.17
1L換算馬力83.10ps/L57.89
1L換算トルク9.92kgm/L55.49
WB/TR比1.74552.89
ワイド&ロー指数0.81955.34
前面の面積2.712m²47.62
最低地上高-43.72
スポーツ性能部門の得点432.65

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
10-15燃費9.9km/L43.15
年間維持費445700円39.09
100kmh回転数2460rpm50.45
航続距離673.2km47.66
車の大きさ13.071m³56.40
室内の広さ(仮) 2.370m³40.03
最小回転半径5.3m47.35
馬力単価20268円51.70
ユーティリティ部門の得点375.83

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した 3CBWSF型パサート ヴァリアント[3.6L-NA 4WD/6AT] の総合得点は 808.48 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介した3CBWSF型パサート ヴァリアント(4WD/6AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのワゴン」、「4000ccのワゴン」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

パサート ヴァリアントの歴代モデル

8代目 3CCZE型 パサート ヴァリアント
3CCZE パサート ヴァリアントは2015/07に登場した8代目モデル。参考車両の「TSI Trendline」は全長4775mm、全幅1830mm、全高1485mmの車体に、150PS/25.5kgmを発生するCZE型1394ccエンジンを搭載した5人乗りワゴン。

7代目 3CCCZF型 パサート オールトラック
3CCCZF パサート オールトラックは2012/06に登場した7代目モデル。参考車両の「2.0TSI」は全長4785mm、全幅1820mm、全高1560mmの車体に、211PS/28.6kgmを発生するCCZ型1984ccエンジンを搭載した5人乗りワゴン。

6代目 3CCDAC型 フォルクスワーゲンCC
3CCDAC フォルクスワーゲンCCは2012/07に登場した6代目モデル。参考車両の「1.8TSI」は全長4815mm、全幅1855mm、全高1425mmの車体に、160PS/25.5kgmを発生するCDA型1798ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

5代目 3BAPT型 パサート ワゴン
3BAPT パサート ワゴンは1998/04に登場した5代目モデル。参考車両の「1.8」は全長4675mm、全幅1740mm、全高1495mmの車体に、125PS/17.1kgmを発生するAPT型1780ccエンジンを搭載した5人乗りワゴン。

4代目 3AAAA型 パサート バリアント
3AAAA パサート バリアントは1990/10に登場した4代目モデル。参考車両の「VR6」は全長4605mm、全幅1720mm、全高1490mmの車体に、170PS/23.9kgmを発生するAAA型2791ccエンジンを搭載した5人乗りワゴン。