50ABV コラードの性能と維持費 FF/4AT 4人 381万円 1995年式

このページでは、フォルクスワーゲンの3ドア・4人乗りクーペ、初代のE-50ABV型コラード VR6【1995/01モデル・190PS/25.0kgm・FF/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

50ABV コラード
販売期間:1990/07 - 1995/10

画像はフォルクスワーゲンより引用
http://www.volkswagen.co.jp/
投稿:2012/01/14|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長4050mm×全幅1685mm×全高1340mm、排気量は2861ccであることから、大雑把に分類すると2.9リットルクラス(2900cc、自動車税は3.0L以下を適用)に属し、ボディサイズは5ナンバー枠ながら排気量が2000ccを超えていることにより3ナンバー登録になります。コンパクトなボディに大きめな排気量のエンジンを搭載するのは、ちょっとした高級車に良くあるパターンです。

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、前輪のみを駆動する、フロントエンジン・フロントドライブ方式(FF・FWD・前輪駆動とも)を採用しています。この方式はエンジンと駆動系(ミッション、デフ等)の収納がエンジンルーム内で完結するので、軽量コンパクトかつ低コスト化が実現でき、室内を広く作りやすい(エンジンが横置きの場合)ほか、後輪駆動車に比べて直進安定性に優れることが主な特長です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4050mmであるこの車の場合は「ロア ミディアム」(Lower-Medium:3850mm超-4300mm以下・Cセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


50ABV型 コラード [2861cc/190PS FF/4AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

No Data
タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
No Data
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

初代コラードの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
1995/01
50ABV型
[VR6]
2.9L-NA | FF/5MT
| 371.0万円
190PS
25.0kgm
7.7km/L
1991/10
50PG型
[G60]
1.8L-SC | FF/5MT
| 465.0万円
160PS
22.9kgm
-

主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー VOLKSWAGEN
車名&
グレード
コラード
VR6
その他 -
お値段 3810000円
車両型式 E-50ABV
駆動方式
変速機
FF・前輪駆動(FWD,2WD)
4速AT・4速オートマ車
ドア/定員 3ドア/4名乗車
車体寸法 長4050×幅1685×高1340mm
軸距&
輪距
2475mm
前1440mm/後1435mm
最小半径 5.1m
タイヤ 前輪:205/50R15
後輪:205/50R15
ブレーキ 前:ディスク
後:ディスク
車両重量 1250kg
エンジン諸元
原動機型式 ABV
気筒配列 V型6気筒
排気量2861cc
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 190PS[140kW]/5800rpm
最大トルク 25.0kgm[245Nm]/4200rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
10・15燃費 7.3km/L(17.2mpg)
100km燃費 13.7L/100km
ABV型エンジンの諸元と性能まとめ
V型6気筒とは‥シリンダをV字型に交互で6個配置する方式。中排気量のスタンダード。
V型6気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税58600円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税18900円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額6500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、1995/01モデルのコラードを29年落ちの中古で83.8万円にて購入し、頭金なしで2年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    コラードの1995/01モデルの場合、2024年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の20%である76.2万円に諸経費として7.6万円を足した83.8万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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1995年式を29年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 3000cc以下 13年経過 58600円
自動車重量税(1年分) 1.5トン以下 18年経過 18900円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
10000km÷6.2km/L×180円/L
7000km÷6.2km/L×180円/L
5000km÷6.2km/L×180円/L
3000km÷6.2km/L×180円/L
290320円
(203220円)
(145160円)
(87100円)
オイル交換(5000km毎) 1回5500円×2回 11000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本10000円×4本÷5年 8000円
任意保険料(月額6500円) 月額6500円×12ヶ月 78000円
ローン完済後の年間維持費 473700円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額34930円×12ヶ月 419160円
ローン返済中の年間維持費 892900円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分+検査手数料等3000円程度 58500円
名目 金額
自動車税(1年分) 58600円
自動車重量税(1年分) 18900円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
290320円
(203220円)
(145160円)
(87100円)
オイル交換(5000km毎) 11000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 8000円
任意保険料(月額6500円) 78000円
ローン完済後の年間維持費 473700円
名目 金額
車のローン額(1年分) 419160円
ローン返済中の年間維持費 892900円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
58500円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「3000cc以下で13年経過」クラスの自動車税は58600円、「1.5トン以下で18年経過」クラスの自動車重量税は18900円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに5500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本10000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額6500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした58500円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

年間の維持費が30万円前後では曖昧だった貧民と平民の線引きがこの辺りから明確になってきます。月換算で3万円~4万円、年間では36万円~48万円クラスとなると、それなりの収入が継続的に見込めないと手を出せないクラスです。

コラード【VR6】の場合、維持費の月額は39500円(ローン完済前は74500円)になります。金銭的にシビアな人からは「車なんてどれもタイヤが4つあるだけなのに、なんでこんなにお金の掛かる車に乗ってるんだ…修行か…」と奇異の目で見られていることでしょう。でも良いんです。愛さえあれば。


燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり180円を基準として、-50円となる130円から、+50円となる230円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費6.2km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
130円/L
209690円
[-80630円]
-25円
155円/L
250020円
[-40300円]
-10円
170円/L
274210円
[-16110円]
180円/L290320円
[0円]
+10円
190円/L
306470円
[+16150円]
+25円
205円/L
330670円
[+40350円]
+50円
230円/L
370990円
[+80670円]

燃費6.2km/Lの50ABV型 コラードで10000km走行するのに必要な燃料は1613L、1リットルあたり180円としたときの燃料代は290320円になります。

参考までに、コラードの燃料タンクは70リットルですので、1613Lの給油回数は24回、1回あたりの燃料代は約12100円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては16150円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると40350円、50円も違ってくると80670円にもなります。

これを50ABV型 コラードの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり180円の場合を473700円としたとき、130円/Lに値下がりすれば393070円(83.0%)に、230円/Lに値上がりすれば554370円(117.0%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(58600円)なり重量税(18900円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 58600円 24%
自動車重量税 1年分 18900円 8%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 3000km分 87100円 35%
オイル交換 年1回 5500円 2%
タイヤ交換 6年毎 5330円 2%
任意保険料 80% 62400円 25%
合計
[1万kmとの差額]
246700円
-227000円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 58600円 19%
自動車重量税 1年分 18900円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 5000km分 145160円 47%
オイル交換 年1回 5500円 2%
タイヤ交換 6年毎 5330円 2%
任意保険料 85% 66360円 21%
合計
[1万kmとの差額]
308700円
-165000円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 58600円 16%
自動車重量税 1年分 18900円 5%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 7000km分 203220円 55%
オイル交換 年1回 7700円 2%
タイヤ交換 6年毎 5330円 1%
任意保険料 90% 70200円 19%
合計
[1万kmとの差額]
372800円
-100900円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料78000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて227000円安い246700円に、5000km走行では165000円安い308700円に、7000km走行では100900円安い372800円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 58600円 9%
自動車重量税 1年分 18900円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 15000km分 435480円 68%
オイル交換 年3回 33000円 5%
タイヤ交換 2.7年毎 12000円 2%
任意保険料 100% 78000円 12%
合計
[1万kmとの差額]
644900円
+171200円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 58600円 7%
自動車重量税 1年分 18900円 2%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 580640円 72%
オイル交換 年4回 44000円 5%
タイヤ交換 2年毎 16000円 2%
任意保険料 100% 78000円 11%
合計
[1万kmとの差額]
805000円
+331300円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。



コラードの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 7.3km/L
燃料タンク容量 70L
航続距離(カタログ燃費) 511.0km
航続距離(80%燃費) 406.0km
満タンプライス 12600円
1km走行コスト 24.66円
1万円でどこまで行ける? 405.6km
車両価格/航続距離 7456円/km

10・15モード燃費が7.3km/L、燃料タンク容量70リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は511.0kmになります。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(6.6km/L)とすると462.0km、80%(5.8km/L)だと406.0km、70%(5.1km/L)では357.0kmという航続距離になります。

燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり180円で70リットルの給油をすると12600円、上で計算した航続距離を踏まえると511.0km(80%燃費時406.0km)を走行するのに12600円かかる計算です。

燃費を6.2km/Lとしたときの1km走行コストは24.66円、10万km走行したときの燃料代は246.6万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら24.7万円/年、7年10万kmなら35.2万円/年、5年10万kmなら49.3万円/年、3年10万kmなら82.2万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば405.6km(往復なら片道202.8km)、カタログ値の80%なら324.4km(片道162.2km)離れたところまで行くことができます。

ちなみに、1回の給油で511.0kmの距離を移動できる50ABV型 コラード [VR6]という乗り物を、381.0万円で手に入れたと考えたとき、この車が1km走行するにあたっては「7456円の値打ちがある!」と言える、かもしれません。


カタログデータから見えてくる要素

ABV型エンジン簡易性能曲線図
ABV型エンジン性能曲線図もどき
各回転域での馬力
4200回転時の馬力 147PS
5800回転時の馬力 190PS
各回転域でのトルク
4200回転時のトルク 25.0kgm
5800回転時のトルク 23.5kgm
ABV型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているABV型2861cc、V型6気筒の自然吸気エンジンは5800回転時に最高出力190馬力を、4200回転時に最大トルク25.0kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、最大トルクと最高出力の発生回転数が程よく近いこのエンジンは、高めの回転数が得意なタイプのエンジンです。日常での使い勝手をある程度は確保しつつ、高回転のパワー感もしっかり伴う雰囲気の良さが自慢です。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する4200rpmから最高出力が発生する5800rpmまで」の1600rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は27.6%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
3000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
3000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ6.579kg/PS(1250kg/190PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ6.579kg/PS
車体+1人6.868kg/PS
車体+4人7.737kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg6.895kg/PS
車体+70kg6.947kg/PS
車体+80kg7.000kg/PS
車体+90kg7.053kg/PS
車体+100kg7.105kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは6.868kg/PS(1305kg/190PS)となり、数値としては0.289kg、比率にすると4.4%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの4人が搭乗した場合、車両重量に220kgがプラスされてパワーウェイトレシオは7.737kg/PS(1470kg/190PS)となり、数値としては1.158kg、比率にすると17.6%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。


50ABV コラードのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
1995/01

-
コラード
6.868kg/PS
1305kg/190PS|2.9L-NA
[車体のみPWR:6.579]
2010/10

車種詳細
シビック タイプR
6.841kg/PS
1375kg/201PS|2.0L-NA
車体のみPWR:6.567
2009/09

車種詳細
オロチ
7.017kg/PS
1635kg/233PS|3.4L-NA
車体のみPWR:6.781
2010/11

車種詳細
エリシオン プレステージ
6.717kg/PS
2015kg/300PS|3.5L-NA
車体のみPWR:6.533
2010/09

車種詳細
ポロ GTI
7.067kg/PS
1265kg/179PS|1.4L-TBSC
車体のみPWR:6.760
2005/12

車種詳細
フォレスター
6.750kg/PS
1485kg/220PS|2.0L-TB
車体のみPWR:6.500

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ6.868kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

6.662kg/PSから7.074kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、ホンダの4人乗りハッチバック「FN2型 シビック タイプR」、光岡の2人乗りクーペ「MSP1型 オロチ」、ホンダの7人乗りミニバン「RR5型 エリシオン プレステージ」、フォルクスワーゲンの5人乗りハッチバック「6RCAV型 ポロ GTI」、スバルの5人乗りSUV「SG5型 フォレスター」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

50ABV型 コラード [VR6]とパワーウェイトレシオが近い車種|6.868kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は152.0PS/tとなっています。


コラードがバイクと競争するなら…?


車種詳細
VT750S|745cc
6.833kg/PS
287kg/42.1PS/6.02kgm
[車体のみPWR:5.524]
1995/01

-
コラード|2861cc
6.868kg/PS
1305kg/190PS/25.0kgm
[車体のみPWR:6.579]

車種詳細
エリミネーター250V|249cc
6.886kg/PS
241kg/35.0PS/2.40kgm
[車体のみPWR:5.314]

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではコラードとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

RC58 VT750Sと競争してみる

まずコラードより少しPWRが低いバイクとして、ホンダのVT750Sが挙げられます。PWRの6.833kg/PSは車両重量232kgにライダーの体重55kgを加えた287kgを、最高出力42.1PSで割ったものです。

VN250A エリミネーター250Vと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、カワサキのエリミネーター250Vが挙げられます。PWRの6.886kg/PSは車両重量186kg+55kgの241kgを、最高出力35.0PSで割ったもので、(PWRで比較すれば)まさに街角の好敵手と呼べるバイクです。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.721
平均ピストンスピード 17.46m/s
トルクウェイトレシオ 50.00kg/kgm
1馬力あたりのお値段 20053円
排気量1Lあたり馬力 66.41PS/L
排気量1Lあたりトルク 8.74kgm/L
1気筒あたりの馬力 31.7PS
1気筒あたりのトルク 4.2kgm
パワーバンド比率 27.6%
燃費×馬力 1179.9pt
各種ランキング
クーペのPWR
2.5~3.0LのNA車 PWR

トルクウェイトレシオは50.00kg/kgm(1250kg/25.0kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が3810000円、最高出力が190馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は20053円、逆に1万円あたりでは0.50馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は152400円、1万円あたりでは0.07kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
3000cc以下の車編
クーペ編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は66.41PS/L、トルクは8.74kgm/L、1気筒あたりの馬力は31.7馬力、トルクは4.2kgmとなり、このエンジンが190馬力を5800回転で発生させているときの平均ピストンスピードは17.46m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が90.3mmであるABV型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6640回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.721になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、走ってよし、曲がってよしで至れり尽くせりのオールラウンダーであると言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が6.21km/L、最高出力が190PSであるこの車の獲得ポイントは1179.9ptになります。
戯れに車両重量1250kgを100kg単位にした12.5で割ってみたところ、その数値は94.39ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)



コラードでの車中泊

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.42m
期待される荷室の幅 1.28m
対角線の長さ 1.91m
期待される荷室の面積 1.82m²

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

縦方向の長さが1.42m(対角線では1.91m)であれば、小柄な体型なら斜めに転げることで足を伸ばして寝られないこともなさそうです。

普通体型では斜めに転げた上で腰と膝を曲げれば何とかギリギリ、大柄な体型ではダンゴ虫のように丸まって腰痛覚悟で決死の車中泊を敢行せざるを得ません。

セダンやクーペであっても後部座席の背もたれを取り外してトランクルームと貫通させて荷室長を確保すれば良いだけの話です。たまに背もたれを取り外してもトランクルームと繋がっていなかったり、頑強な補強バーが入っていて邪魔されることもありますが、恐らく稀なケースです。
車中泊にあると嬉しいアイテム


純正装着タイヤの205/50R15と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 205/50R15 | 直径 586mm

-20mm
幅185mm
-10mm
幅195mm
変更なし
幅205mm
+10mm
幅215mm
+20mm
幅225mm
-5%
45
扁平
185/45R15
37.4km/h
直径548mm
径差-38mm
195/45R15
38.0km/h
直径557mm
径差-29mm
205/45R15
38.6km/h
直径566mm
径差-20mm
215/45R15
39.2km/h
直径575mm
径差-11mm
225/45R15
39.9km/h
直径584mm
径差-2mm
0%
50
扁平
185/50R15
38.6km/h
直径566mm
径差-20mm
195/50R15
39.3km/h
直径576mm
径差-10mm
205/50R15
40.0km/h
586mm
0mm
215/50R15
40.7km/h
直径596mm
径差+10mm
225/50R15
41.4km/h
直径606mm
径差+20mm
+5%
55
扁平
185/55R15
39.9km/h
直径585mm
径差-1mm
195/55R15
40.7km/h
直径596mm
径差+10mm
205/55R15
41.4km/h
直径607mm
径差+21mm
215/55R15
42.2km/h
直径618mm
径差+32mm
225/55R15
42.9km/h
直径629mm
径差+43mm
+10%
60
扁平
185/60R15
41.2km/h
直径603mm
径差+17mm
195/60R15
42.0km/h
直径615mm
径差+29mm
205/60R15
42.8km/h
直径627mm
径差+41mm
215/60R15
43.6km/h
直径639mm
径差+53mm
225/60R15
44.4km/h
直径651mm
径差+65mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、185/50R15、185/55R15 、195/45R15、195/50R15 、205/45R15 、215/45R15 、225/45R15あたりのタイヤがおすすめです。

205/50R15のタイヤ幅を185mmから235mmまで、扁平率を35%から65%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、ホイールサイズを15インチからインチダウン、インチアップした場合の一覧表は、純正装着タイヤが205/50R15のとき互換可能なタイヤサイズのページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
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50ABV型コラード[2.9L-NA FF/4AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト6.579kg/ps58.72
1速ギヤ加速性能-39.92
1L換算馬力66.41ps/L44.75
1L換算トルク8.74kgm/L41.10
WB/TR比1.72155.36
ワイド&ロー指数0.79557.08
前面の面積2.258m²60.28
最低地上高-43.72
スポーツ性能部門の得点400.93

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
10-15燃費7.3km/L37.46
年間維持費473700円36.60
100kmh回転数-43.39
航続距離511.0km38.15
車の大きさ9.144m³40.87
室内の広さ(仮) 1.658m³33.28
最小回転半径5.1m51.67
馬力単価20053円51.89
ユーティリティ部門の得点333.31

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した 50ABV型コラード[2.9L-NA FF/4AT] の総合得点は 734.24 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介した50ABV型コラード(FF/4AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのクーペ」、「3000ccのクーペ」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。