NSP170G シエンタ 性能と維持費 FF/CVT 7人 169万円 2015年式

このページでは、トヨタ自動車の5ドア・7人乗りミニバン、2代目のDBA-NSP170G型シエンタ X V-package|7人乗【2015/07モデル・109PS/13.9kgm・FF/CVT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

NSP170G シエンタ
販売期間:2015/07 - 2022/08

画像はトヨタ自動車より引用
http://toyota.jp/
投稿:|更新:

ボディサイズが全長4235mm×全幅1695mm×全高1675mm、排気量は1496ccであることから、大雑把に分類すると1.5リットルクラス(1500cc、自動車税は1.5L以下を適用)に属した、いわゆる5ナンバークラスの車です。とにかく排気量を増やして、とにかくボディを大きく、特に全幅を広げれば良いんだという風潮が蔓延る現代においては大変貴重な車となっています。
参考:100PS~150PSの自動車 一覧

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、前輪のみを駆動する、フロントエンジン・フロントドライブ方式(FF・FWD・前輪駆動とも)を採用しています。この方式はエンジンと駆動系(ミッション、デフ等)の収納がエンジンルーム内で完結するので、軽量コンパクトかつ低コスト化が実現でき、室内を広く作りやすい(エンジンが横置きの場合)ほか、後輪駆動車に比べて直進安定性に優れることが主な特長です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4235mmであるこの車の場合は「ロア ミディアム」(Lower-Medium:3850mm超-4300mm以下・Cセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。

NSP170G型 シエンタ [1496cc/109PS FF/CVT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

2代目シエンタの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2021/06
NSP170G型
[Funbase-X]
1.5L-NA・FF/CVT・181.8万円
109PS・13.9kgm・17.0km/L
109PS
13.9kgm
17.0km/L
2021/06
NCP175G型
[X]
1.5L-NA・4WD/CVT・200.3万円
103PS・13.5kgm・14.0km/L
103PS
13.5kgm
14.0km/L
2021/06
NSP170G型
[X]
1.5L-NA・FF/CVT・185.9万円
109PS・13.9kgm・17.0km/L
109PS
13.9kgm
17.0km/L
2代目 シエンタ 型式一覧 P170系まとめ 2015-2022【全9車種】
シエンタの新型モデル
3代目 MXPC10G型シエンタ
MXPC10G型シエンタは2022/08に登場した3代目モデル。参考車両の「X」は全長4260mm、全幅1695mm、全高1695mmの車体に、120PS/14.8kgmを発生するM15A型1490ccエンジンを搭載。

シエンタの旧型モデル
初代 NCP81G型シエンタ
NCP81G型シエンタは2003/09に登場した初代モデル。参考車両の「DICE」は全長4120mm、全幅1695mm、全高1670mmの車体に、110PS/14.4kgmを発生する1NZ型1496ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー トヨタ自動車
車名&
グレード
シエンタ
X V-package|7人乗
その他 車いす仕様(5人乗り)、6人乗りあり
お値段 1689709円
車両型式 DBA-NSP170G
駆動方式
変速機
FF・前輪駆動(FWD,2WD)
(無段変速機)
ドア/定員 5ドア/7名乗車
車体寸法 長4235×幅1695×高1675mm
室内寸法 長2535×幅1470×高1280mm
軸距&
輪距
2750mm
前1480mm/後1480mm
最小半径 5.2m
最低高 145mm
タイヤ 前輪:185/60R15
後輪:185/60R15
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ディスク
車両重量 1310kg
エンジン諸元
原動機型式 2NR-FKE
気筒配列 直列4気筒
排気量1496cc
圧縮比13.5
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 109PS[80kW]/6000rpm
最大トルク 13.9kgm[136Nm]/4400rpm
使用燃料 レギュラーガソリン
JC08燃費 20.6km/L(48.5mpg)
100km燃費 4.9L/100km
2NR-FKE型エンジンの諸元と性能まとめ
直列4気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に4個配置する方式。小排気量から2.5Lあたりまでをカバー。
直列4気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税34500円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税12300円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額5000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2015/07モデルのシエンタを10年落ちの中古で102.2万円にて購入し、頭金なしで2年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    シエンタの2015/07モデルの場合、2025年現在では10年が経過しているため、新車価格の55%である92.934万円に諸経費として9.3万円を足した102.2万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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2015年式を10年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税 1500cc以下 13年未満 34500円
自動車重量税
1年分
1.5トン以下 13年未満 12300円
自賠責保険料
(1年換算)
自家用乗用車 8825円
燃料代
年間1万㎞
1万㎞÷19.2×180円/L 93750円
オイル交換
5000km毎
1回4000円×2回 8000円
タイヤ交換
5年5万km毎
1本10000円×4本÷5年 8000円
任意保険料
月額5000円
月額5000円×12ヶ月 60000円
ローン完済後の年間維持費 225400円
名目 区分 金額
車のローン額
1年分
月額42590円×12ヶ月 511080円
ローン返済中の年間維持費 736500円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 45300円
  • 初度登録から10年経過車の場合、「1500cc以下で13年未満」クラスの自動車税は34500円、「1.5トン以下で13年未満」クラスの自動車重量税は12300円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに4000円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本10000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額5000円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした45300円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

シエンタ【X V-package|7人乗】の場合、維持費の月額は18800円です。これは今にも壊れそうな格安車、あるいは維持費の安さに全てを懸けたコスパ重視のスペシャルマシンから少しステップアップしたクラスになります。

「廉価車にしか乗れなかった自分が、ついにこれだけの維持費が掛かる車を所有できるようになったのだ、新しい自分になれたのだ。あの頃のアタシ、サヨナラ…」とかいう謎のカタルシスに浸りつつ、はるか高みで微笑む理想の自分に近付けるよう自分磨きに邁進しましょう。車としての維持費は安いほうで使い勝手も申し分のない、バランスの取れたクラスです。

シエンタの維持費は高い?安い?

「シエンタの年間維持費は225400円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「1500ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてシエンタの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いヤリス HV176100円-49300円
ジェイド217100円-8300円
シエンタの維持費225400円
フリード ハイブリッド229500円+4100円
スイフト スポーツ256800円+31400円
基準1500ccクラス平均260300円+34900円
ステップワゴン スパーダ270100円+44700円
アバルト595304800円+79400円
ゴルフ トゥーラン335600円+110200円
高いウーノ388300円+162900円

シエンタの年間維持費を、1500ccクラスで最も維持費が安いヤリス HVと比較して49300円高く、最も高いウーノと比較して162900円安く、1500ccクラスの平均維持費との比較では34900円安くなっています。

最低額のヤリス HVと最高額のウーノは極端な例としても、1500ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、シエンタの維持費は まあまあ安い! と言えそうです。

年間維持費が安い 1500ccクラスの車 ランキング

シエンタを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%290万円25万円20万円
15%200万円17万円14万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は290万円(総支給額25万円/月、手取り20万円/月)、ここから月額維持費1.9万円を支払うと残りは18.1万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は200万円(総支給額17万円/月、手取り14万円/月)、1.9万円を支払うと残りは12.1万円になります。

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、レギュラーガソリン1リットルあたり180円を基準として、-50円となる130円から、+50円となる230円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費19.2km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
130円/L
67720円
[-26030円]
-25円
155円/L
80740円
[-13010円]
-10円
170円/L
88560円
[-5190円]
180円/L93750円
[0円]
+10円
190円/L
98980円
[+5230円]
+25円
205円/L
106790円
[+13040円]
+50円
230円/L
119810円
[+26060円]

燃費19.2km/LのNSP170G型 シエンタで10000km走行するのに必要な燃料は520.9L、1リットルあたり180円としたときの燃料代は93750円になります。

参考までに、シエンタの燃料タンクは42リットルですので、520.9Lの給油回数は13回、1回あたりの燃料代は約7220円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては5230円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると13040円、50円も違ってくると26060円にもなります。

これをNSP170G型 シエンタの年間維持費に当てはめてみますと、レギュラーガソリン1リットルあたり180円の場合を225400円としたとき、130円/Lに値下がりすれば199370円(88.5%)に、230円/Lに値上がりすれば251460円(111.6%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(34500円)なり重量税(12300円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 34500円 24%
自動車重量税 1年分 12300円 9%
自賠責保険料 1年分 8825円 6%
燃料代 3000km分 28130円 20%
オイル交換 年1回 4000円 3%
タイヤ交換 6年毎 5330円 4%
任意保険料 80% 48000円 34%
合計
[1万kmとの差額]
141100円
-84300円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 34500円 21%
自動車重量税 1年分 12300円 8%
自賠責保険料 1年分 8825円 5%
燃料代 5000km分 46880円 29%
オイル交換 年1回 4000円 2%
タイヤ交換 6年毎 5330円 3%
任意保険料 85% 51000円 32%
合計
[1万kmとの差額]
162900円
-62500円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 34500円 19%
自動車重量税 1年分 12300円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 5%
燃料代 7000km分 65630円 35%
オイル交換 年1回 5600円 3%
タイヤ交換 6年毎 5330円 3%
任意保険料 90% 54000円 28%
合計
[1万kmとの差額]
186200円
-39200円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで50000km程度持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料60000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて84300円安い141100円に、5000km走行では62500円安い162900円に、7000km走行では39200円安い186200円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は15000kmは1.1倍、20000kmは1.2倍としたのがこちらです。

年間10000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 34500円 15%
自動車重量税 1年分 12300円 5%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 10000km分 93750円 42%
オイル交換 年2回 8000円 4%
タイヤ交換 5年毎 8000円 4%
任意保険料 100% 60000円 26%
合計
[1万kmとの差額]
225400円
-
-
年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 34500円 12%
自動車重量税 1年分 12300円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 15000km分 140630円 50%
オイル交換 年3回 12000円 4%
タイヤ交換 3年毎 9600円 3%
任意保険料 110% 66000円 24%
合計
[1万kmとの差額]
283900円
+58500円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 34500円 10%
自動車重量税 1年分 12300円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 20000km分 187500円 55%
オイル交換 年4回 16000円 5%
タイヤ交換 3年毎 12800円 4%
任意保険料 120% 72000円 19%
合計
[1万kmとの差額]
344000円
+118600円
-
走行距離と維持費の変化

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
トヨタの小型車&普通車編
1500cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
7人乗りミニバン編

シエンタの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
JC08モード燃費 20.6km/L
燃料タンク容量 42L
航続距離(カタログ燃費) 865.2km
航続距離(80%燃費) 693.0km
満タンプライス 7560円
1km走行コスト 8.74円/km
1万円でどこまで行ける? 1144.4km
東京から865.2kmの範囲

JC08モード燃費が20.6km/L、燃料タンク容量42リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は865.2kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(18.5km/L)とすると航続距離は777.0km、80%(16.5km/L)だと693.0km、70%(14.4km/L)では604.8kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から42リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、レギュラーガソリンを1リットルあたり180円では7560円、上で計算した航続距離を踏まえると865.2km(80%燃費時693.0km)を走行するのに7560円かかる計算です。

燃費を19.2km/Lとしたときの1km走行コストは8.74円、10万km走行したときの燃料代は87.4万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら8.7万円/年、7年10万kmなら12.5万円/年、5年10万kmなら17.5万円/年、3年10万kmなら29.1万円/年となります。

ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば1144.4km(往復なら片道572.2km)、カタログ値の80%なら915.6km(片道457.8km)離れたところまで行くことができます。

シエンタのカタログデータから見えてくる要素

2NR-FKE型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
4400回転時の馬力 85PS
6000回転時の馬力 109PS
各回転域でのトルク
4400回転時のトルク 13.9kgm
6000回転時のトルク 13.0kgm
2NR-FKE型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載している2NR型1496cc、直列4気筒の自然吸気エンジンは6000回転時に最高出力109馬力を、4400回転時に最大トルク13.9kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、最大トルクと最高出力の発生回転数が程よく近いこのエンジンは、高めの回転数が得意なタイプのエンジンです。日常での使い勝手をある程度は確保しつつ、高回転のパワー感もしっかり伴う雰囲気の良さが自慢です。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する4400rpmから最高出力が発生する6000rpmまで」の1600rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は26.7%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域。

最高出力ランキング リスト
1500cc以下クラス編
トヨタの小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
1500cc以下クラス編
トヨタの小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ12.018kg/PS(1310kg/109PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ12.018kg/PS
車体+1人12.523kg/PS
車体+7人15.550kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg12.569kg/PS
車体+70kg12.661kg/PS
車体+80kg12.752kg/PS
車体+90kg12.844kg/PS
車体+100kg12.936kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは12.523kg/PS(1365kg/109PS)となり、数値としては0.505kg、比率にすると4.2%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの7人が搭乗した場合、車両重量に385kgがプラスされてパワーウェイトレシオは15.550kg/PS(1695kg/109PS)となり、数値としては3.532kg、比率にすると29.4%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

NSP170G シエンタのライバル候補車たち

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ12.523kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

愛すべきライバル車種
Page Link車名 PWR+55kg

-
シエンタ
12.523kg/PS
109PS・1.5L-NA
車体のみPWR 12.018
1365kg
+4.2%

車種詳細
500S
12.529kg/PS
85PS・0.9L-TB
車体のみPWR 11.882
1065kg
+5.4%

車種詳細
インサイト
12.500kg/PS
70PS・1.0L-NA
車体のみPWR 11.714
875kg
+6.7%

車種詳細
CLAクラス
12.500kg/PS
122PS・1.6L-TB
車体のみPWR 12.049
1525kg
+3.7%

車種詳細
CX-3
12.524kg/PS
105PS・1.5L-TB
車体のみPWR 12.000
1315kg
+4.4%

車種詳細
パサート ヴァリアント
12.500kg/PS
122PS・1.4L-TB
車体のみPWR 12.049
1525kg
+3.7%


12.398kg/PSから12.648kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、フィアットの4人乗りハッチバック・31209型 500S、ホンダの2人乗りクーペ・ZE1型 インサイト、メルセデスベンツの5人乗りセダン・117342型 CLAクラス、マツダの5人乗りSUV・DK5FW型 CX-3、フォルクスワーゲンの5人乗りワゴン・3CCAX型 パサート ヴァリアントという顔ぶれが並びました。

最高出力が高いからといって、車両重量が重ければパワーウェイトレシオの数値は似たようなものになったりします。「空車状態のPWRの違いが、戦力の決定的差ではないということを…教えてやる!」といったところでしょうか。

こうなると、思いもよらぬ車種の登場に「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごも生じることもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

NSP170G型 シエンタ [X V-package|7人乗]のライバル車種|12.523kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は83.2PS/tとなっています。


シエンタがバイクと競争するなら…?


車種詳細
CB125R|124cc
12.333kg/PS
185kg/15.0PS/1.20kgm
[車体のみPWR:8.667]
1速ギヤ速度:35.9km/h
最小TWR:1.030
2015/07

-
シエンタ|1496cc
12.523kg/PS
1365kg/109PS/13.9kgm
[車体のみPWR:12.018]
1速ギヤ速度:48.3km/h
最小TWR:2.011

車種詳細
GSX-S125|124cc
12.533kg/PS
188kg/15.0PS/1.10kgm
[車体のみPWR:8.867]
1速ギヤ速度:37.5km/h
最小TWR:1.203

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではシエンタとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

JC91 CB125Rと競争してみる

まずシエンタより少しPWRが低いバイクとして、ホンダのCB125Rが挙げられます。PWRの12.333kg/PSは車両重量130kgにライダーの体重55kgを加えた185kgを、最高出力15.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はCB125Rに12.4km/h勝り、1速TWRは0.981kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

DL32B GSX-S125と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、スズキのGSX-S125が挙げられます。PWRの12.533kg/PSは車両重量133kg+55kgの188kgを、最高出力15.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は10.8km/h勝り、1速TWRは0.808kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.858
平均ピストンスピード 18.12m/s
トルクウェイトレシオ 94.24kg/kgm
1馬力あたりのお値段 15502円
排気量1Lあたり馬力 72.86PS/L
排気量1Lあたりトルク 9.29kgm/L
1気筒あたりの馬力 27.2PS
1気筒あたりのトルク 3.5kgm
パワーバンド比率 26.7%
燃費×馬力 2088.4pt
各種ランキング
ミニバン・1BOXのPWR
1.3~1.5L以下のPWR

トルクウェイトレシオは94.24kg/kgm(1310kg/13.9kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が1689709円、最高出力が109馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は15502円、逆に1万円あたりでは0.65馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は121562円、1万円あたりでは0.08kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
トヨタ編
1500cc以下の車編
7人乗りミニバン編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は72.86PS/L、トルクは9.29kgm/L、1気筒あたりの馬力は27.2馬力、トルクは3.5kgmとなり、このエンジンが109馬力を6000回転で発生させているときの平均ピストンスピードは18.12m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が90.6mmである2NR型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6620回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.858になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと真っ直ぐ進むことを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が19.16km/L、最高出力が109PSであるこの車の獲得ポイントは2088.4ptになります。
戯れに車両重量1310kgを100kg単位にした13.1で割ってみたところ、その数値は159.42ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


人間様の占有スペース

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

人間様の占有スペース
室内長×室内幅×室内高 4.770m³
1人あたりのスペース 0.681m³
室内長/全長 59.9%
室内幅/全幅 86.7%
室内高/全高 76.4%
室内容積/車両体積 39.7%

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は4.770m³です。この車の乗車定員は7人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.681m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は59.9%、同じく室内幅と全幅の比率は86.7%、同じく室内高と全高の比率は76.4%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は39.7%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


シエンタでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.482m
期待される荷室の幅 1.370m
対角線の長さ 2.018m
期待される荷室の面積 2.030m²

縦方向の長さが1.482m(対角線では2.018m)であれば、小柄な体型なら斜めに転げることで足を伸ばして寝られないこともなさそうです。

普通体型では斜めに転げた上で腰と膝を曲げれば何とかギリギリ、大柄な体型ではダンゴ虫のように丸まって腰痛覚悟で決死の車中泊を敢行せざるを得ません。

多くのミニバンや1BOXは室内長の寸法が大きいことから車中泊への期待が高まりますが、2列目、3列目シートの収納がイマイチの場合は車中泊の難易度がセダンよりも跳ね上がりかねません。その場合はシートを前ではなく後に倒してのフルフラットの可否が鍵を握ります。

車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合6000rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6500回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6500rpm|タイヤサイズ 185/60R15|タイヤ直径 60.3cm|円周長 189.4cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6500rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 2.480 14.13 -
-
52km/h 12430rpm 651.5kgm
2速 0.396 2.26 0.160 1-2/
1040rpm
327km/h 1990rpm 104.0kgm
Final5.698レシオカバレッジ(変速比幅)6.263
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数4400rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(5.698)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(13.9kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(5.698)÷タイヤの有効半径(0.3015m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は2速ギヤの327km(6000rpmでは302.2km/h)となります。CVTは無段変速機というだけあって、変速比を低速側の2.480から高速側の0.396の間で自由自在に可変できる変速機ですから、実際にはちょうどいい塩梅の妥当な回転数にて妥当な最高速に落ち着くものと思われます。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが4400回転で最大トルク13.9kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば94.24kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(12.018kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと651.5kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1310kg)を1速ギヤの最大駆動力(651.5kgm)で割ってみると2.011kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する6000回転でのトルク(13.0kgm)からTWRを算出すると2.150kg/kgmとなり、4400-6000回転の回転域では2.011-2.150kg/kgmの間で推移することがわかります。


ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4970 7460 9950 12430 14920 17410 22380
2速 790 1190 1590 1990 2380 2780 3570
※赤い数字は暫定レブリミット(6500rpm)を上回るもの。
※CVTの場合はどのようにギヤ比を制御をしているのか想像も付かないので参考値です。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.396)を選択して時速100kmにて走行すると1990回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1190回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1390回転、一般的な高速道路の80km/hでは1590回転、100km/hでは1990回転、制限速度が120km/hになると2380回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは3570回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 8 16 24 32 40 48 56 64
2速 50 101 151 201 252 302 353 403

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6500回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの185/60R15と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 185/60R15 | 直径 603mm

-20mm
幅165mm
-10mm
幅175mm
変更なし
幅185mm
+10mm
幅195mm
+20mm
幅205mm
55 165/55R15
37.3km/h
径 563mm
差 -40mm
175/55R15
38.1km/h
径 574mm
差 -29mm
185/55R15
38.8km/h
径 585mm
差 -18mm
195/55R15
39.5km/h
径 596mm
差 -7mm
205/55R15
40.3km/h
径 607mm
差 +4mm
60 165/60R15
38.4km/h
径 579mm
差 -24mm
175/60R15
39.2km/h
径 591mm
差 -12mm
185/60R15
40.0km/h
603mm
0mm
195/60R15
40.8km/h
径 615mm
差 +12mm
205/60R15
41.6km/h
径 627mm
差 +24mm
65 165/65R15
39.5km/h
径 596mm
差 -7mm
175/65R15
40.4km/h
径 609mm
差 +6mm
185/65R15
41.3km/h
径 622mm
差 +19mm
195/65R15
42.1km/h
径 635mm
差 +32mm
205/65R15
43.0km/h
径 648mm
差 +45mm
70 165/70R15
40.6km/h
径 612mm
差 +9mm
175/70R15
41.5km/h
径 626mm
差 +23mm
185/70R15
42.5km/h
径 640mm
差 +37mm
195/70R15
43.4km/h
径 654mm
差 +51mm
205/70R15
44.3km/h
径 668mm
差 +65mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、165/60R15、165/65R15 、175/55R15、175/60R15 、185/55R15 、195/55R15 あたりのタイヤがおすすめです。

185/60R15のタイヤ幅を165mmから215mmまで、扁平率を45%から75%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、185/60R15の適応サイズと性能の変化 [NSP170G型シエンタ編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】185/60R15のタイヤ銘柄と通販価格

NSP170G型 シエンタ 1.5L-NA FF/CVTの通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を比較してみます。

運動性能部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
PWR9.78㎏/PS12.02㎏/PS43.9ptD
最高回転数5881rpm6000rpm51.5ptC
1速ギヤ
加速性能
1.58㎏/㎏m2.01㎏/㎏m40.8ptD
1速ギヤ
最高速
51.1㎞/h48.3㎞/h47.4ptC
1リットル
換算馬力
73.10PS/L72.86PS/L49.8ptC
1リットル
換算トルク
9.47㎏m/L9.29㎏m/L47.8ptC
WB/TR比1.7731.85841.3ptD
ワイド&
ロー指数
0.8940.98843.2ptD
前面の面積2.630m22.839m244.2ptD
最低地上高154.5mm145mm53.8ptC
スポーツ性能部門の得点468.3pt
総合評価D

※PWR(パワーウェイトレシオ)・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比(旋回性能重視)・ワイド&ロー指数(見た目のかっこよさ)・前面の面積(≒前方投影面積・空気抵抗)・最低地上高については数値が小さいほど高得点。最高回転数・1速ギヤ最高速・1リットル換算馬力・1リットル換算トルクについては数値が大きいほど高得点。

ユーティリティ部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
年間維持費340714円225400円60.0ptB
JC08燃費17.7km/L20.6km/L54.5ptB
100km/h
回転数
2490rpm1990rpm56.6ptB
航続距離644.1km804.6km59.3ptB
車の大きさ11.466m312.024m347.8ptC
車内の広さ3430.4L4769.9L63.1ptA
乗車定員4.8人7人68.3ptA
1人あたり
車内広さ
691.7L681.4L49.1ptC
車内床面積2.793m23.726m263.3ptA
最小回転
半径
5.17m5.2m49.4ptC
ユーティリティ部門の得点571.4pt
総合評価A

※JC08燃費・航続距離(燃費×燃料タンク容量)・室内の広さ(室内長×室内幅×室内高)・乗車定員・1人あたりの車内の広さは数値が大きいほど高得点、新車価格・年間維持費・100km/h回転数・車の大きさ(全長×全幅×全高)・最小回転半径は数値が小さいほど高得点。

結果発表!
部門 全10693車種中 RANK
運動性能 468.3pt 8092位 D
運動性能部門 ランキング
ユーティリティ 571.4pt 548位 A
ユーティリティ部門 ランキング
総合得点 1039.7pt 1614位 B
総合得点ランキング

スポーツ性能部門は468.3点で全10693車種中の8092位、ユーティリティ部門は571.4点で548位、総合得点は1039.7点で1614位となりました。各部門、獲得点数が多い車種から順番に並べたランキングを用意してありますのでご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したNSP170G型 シエンタ(FF/CVT) の各種スペックを、ミニバン1500ccという属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを比較してみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

シエンタの歴代モデル

3代目 MXPC10G型 シエンタ
MXPC10G シエンタは2022/08に登場した3代目モデル。参考車両の「X」は全長4260mm、全幅1695mm、全高1695mmの車体に、120PS/14.8kgmを発生するM15A型1490ccエンジンを搭載した5人乗りミニバン。

2代目 NHP170G型 シエンタ ハイブリッド
NHP170G シエンタ ハイブリッドは2015/07に登場した2代目モデル。参考車両の「X|7人乗」は全長4235mm、全幅1695mm、全高1675mmの車体に、74PS/11.3kgmを発生する1NZ型1496ccエンジンを搭載した7人乗りミニバン。

初代 NCP85G型 シエンタ
NCP85G シエンタは2003/09に登場した初代モデル。参考車両の「DICE」は全長4120mm、全幅1695mm、全高1680mmの車体に、105PS/14.1kgmを発生する1NZ型1496ccエンジンを搭載した7人乗りミニバン。


シエンタ vs ライバル車種対決


MXPL10G シエンタ ハイブリッド 2022 vs GT5 フリード e:HEV 2024 性能比較
3代目 フリード e:HEV AIR EX(2024年式 GT5・FF/CVT・1.5L・106PS/13.0kgm・7人乗り)と、3代目 シエンタ ハイブリッド Hybrid-X(2022年式 MXPL10G・FF/CVT・1.5L・91PS/12.2kgm・7人乗り)を比較。

MXPC10G シエンタ 2022 vs GT1 フリード 2024 性能比較
3代目 フリード AIR EX(2024年式 GT1・FF/CVT・1.5L・118PS/14.5kgm・7人乗り)と、3代目 シエンタ X(2022年式 MXPC10G・FF/CVT・1.5L・120PS/14.8kgm・7人乗り)を比較。


RP6 ステップワゴン 2022 vs MZRA90W ノア 2022 性能比較
6代目 ステップワゴン AIR(2022年式 RP6・FF/CVT・1.5L+ターボ・150PS/20.7kgm・8人乗り)と、4代目 ノア X 8人乗り(2022年式 MZRA90W・FF/CVT・2.0L・170PS/20.6kgm・8人乗り)を比較。

ZWR90W ノア ハイブリッド 2022 vs MZRA90W ノア 2022 性能比較
4代目 ノア ハイブリッド X 8人乗り(2022年式 ZWR90W・FF/CVT・1.8L・98PS/14.5kgm・8人乗り)と、4代目 ノア X 8人乗り(2022年式 MZRA90W・FF/CVT・2.0L・170PS/20.6kgm・8人乗り)を比較。

RP8 ステップワゴン e:HEV 2022 vs ZWR90W ノア ハイブリッド 2022 性能比較
6代目 ステップワゴン e:HEV AIR(2022年式 RP8・FF/CVT・2.0L・145PS/17.8kgm・8人乗り)と、4代目 ノア ハイブリッド X 8人乗り(2022年式 ZWR90W・FF/CVT・1.8L・98PS/14.5kgm・8人乗り)を比較。

B38A デリカ ミニ 2023 vs CV1W デリカD:5 2019 性能比較
初代 デリカ ミニ T(2023年式 B38A・4WD/CVT・0.66L+ターボ・64PS/10.2kgm・4人乗り)と、5代目 デリカD:5 M(2019年式 CV1W・4WD/8AT・2.3L+ターボ・145PS/38.7kgm・8人乗り)を比較。

MZRA90W ノア 2022 vs C28 セレナ 2022 性能比較
4代目 ノア X 8人乗り(2022年式 MZRA90W・FF/CVT・2.0L・170PS/20.6kgm・8人乗り)と、6代目 セレナ X(2022年式 C28・FF/CVT・2.0L・150PS/20.4kgm・8人乗り)を比較。

S231G アトレー7 2004 vs U66W タウンボックス ワイド 2000 性能比較
4代目 アトレー7 X Low-Roof(2004年式 S231G・4WD/4AT・1.3L・92PS/12.7kgm・7人乗り)と、初代 タウンボックス ワイド(2000年式 U66W・4WD/4AT・1.1L・75PS/10.2kgm・6人乗り)を比較。