GDH303W グランエースの性能と維持費 FR/6AT 650万円 2019年式

このページでは、トヨタ自動車の5ドア・6人乗りミニバン、初代の3DA-GDH303W型グランエース Premium 6人乗り【2019/11モデル・177PS/45.9kgm・FR/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

GDH303W グランエース
販売期間:2019/11 - 現行車

画像はトヨタ自動車より引用
http://toyota.jp/
投稿:2020/01/12|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長5300mm×全幅1970mm×全高1990mm、排気量は2754ccであることから、大雑把に分類すると2.8リットルクラス(2800cc、自動車税は3.0L以下を適用)に属し、全長、全幅、排気量ともに5ナンバー枠を超えていることにより完全無欠の3ナンバー登録車です。いわゆる【高級車】にカテゴライズされます。

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、後輪のみを駆動する、フロントエンジン・リヤドライブ方式(後輪駆動・FR・RWDとも)を採用しています。前輪は操舵、後輪は駆動と役割分担が異なることから優れたハンドリングを得られるとされ、運転の質を求める人々から絶大なる支持を集めます。高級車の代名詞的な駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が5300mmであるこの車の場合は「ラグジュアリー」(Luxury:4900mm超・Fセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


GDH303W型 グランエース [2754cc/177PS FR/6AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

初代グランエースの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2019/11
GDH303W型
[G 8人乗り]
2.8L-TB | FR/6AT
| 620.0万円
177PS
45.9kgm
10.0km/L

主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー TOYOTA
車名&
グレード
グランエース
Premium 6人乗り
その他 Gは8人乗り
お値段 6500000円
車両型式 3DA-GDH303W
駆動方式
変速機
FR・後輪駆動(RWD,2WD)
6速AT・6速オートマ車
ドア/定員 5ドア/6名乗車
車体寸法 長5300×幅1970×高1990mm
室内寸法 長3290×幅1735×高1290mm
軸距&
輪距
3210mm
前1670mm/後1670mm
最小半径 5.6m
最低高 175mm
タイヤ 前輪:235/60R17
後輪:235/60R17
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 2740kg
エンジン諸元
原動機型式 1GD-FTV
気筒配列 直列4気筒
排気量2754cc
吸気方式 ターボ
最高出力 177PS[130kW]/3400rpm
最大トルク 45.9kgm[450Nm]/1600-2400rpm
使用燃料 軽油(ディーゼル燃料)
WLTC燃費 10.0km/L(23.5mpg)
100km燃費 10.0L/100km
1GD-FTV型エンジンの諸元と性能まとめ
直列4気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に4個配置する方式。小排気量から2.5Lあたりまでをカバー。
直列4気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税51000円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税24600円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かる軽油代月額6500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、グランエースの新車を747.5万円(諸費用として97.5万円を加算)にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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新車で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 3000cc以下 11年未満 51000円
自動車重量税(1年分) 3.0トン以下 13年未満 24600円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
10000km÷10.0km/L×150円/L
7000km÷10.0km/L×150円/L
5000km÷10.0km/L×150円/L
3000km÷10.0km/L×150円/L
150000円
(105000円)
(75000円)
(45000円)
オイル交換(5000km毎) 1回6500円×2回 13000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本15000円×4本÷5年 12000円
任意保険料(月額6500円) 月額6500円×12ヶ月 78000円
ローン完済後の年間維持費 337500円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額124580円×12ヶ月 1494960円
ローン返済中の年間維持費 1832400円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分+検査手数料等3000円程度 69900円
名目 金額
自動車税(1年分) 51000円
自動車重量税(1年分) 24600円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
150000円
(105000円)
(75000円)
(45000円)
オイル交換(5000km毎) 13000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 12000円
任意保険料(月額6500円) 78000円
ローン完済後の年間維持費 337500円
名目 金額
車のローン額(1年分) 1494960円
ローン返済中の年間維持費 1832400円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
69900円
  • 初度登録から5年経過車の場合、「3000cc以下で11年未満」クラスの自動車税は51000円、「3.0トン以下で13年未満」クラスの自動車重量税は24600円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに6500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本15000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額6500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした69900円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

お財布に厚みが増した勢いで少し色気を出して、自身の車にステータス性を欲すると月換算で2万円~3万円の間、年間にすると24万円~36万円のクラスです。グランエース【Premium 6人乗り】の場合、維持費の月額は28200円(ローン完済前は152700円)になります。

口癖のように「もうちょっと維持費が安ければねえ…?」なんて呟くその姿は自慢げなようであり、しかし哀愁を帯びているようでもあり対応に困ります。より維持費の掛からない新しい車を買うほどではない、が、維持費のことを考えずにもいられない、そんなクラスです。全体から見るとこの辺りから面白味のある車が増えてくるイメージです。


燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、軽油(ディーゼル燃料)1リットルあたり150円を基準として、-50円となる100円から、+50円となる200円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費10.0km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
100円/L
100000円
[-50000円]
-25円
125円/L
125000円
[-25000円]
-10円
140円/L
140000円
[-10000円]
150円/L150000円
[0円]
+10円
160円/L
160000円
[+10000円]
+25円
175円/L
175000円
[+25000円]
+50円
200円/L
200000円
[+50000円]

燃費10.0km/LのGDH303W型 グランエースで10000km走行するのに必要な燃料は1000L、1リットルあたり150円としたときの燃料代は150000円になります。

参考までに、グランエースの燃料タンクは70リットルですので、1000Lの給油回数は15回、1回あたりの燃料代は約10000円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては10000円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると25000円、50円も違ってくると50000円にもなります。

これをGDH303W型 グランエースの年間維持費に当てはめてみますと、軽油(ディーゼル燃料)1リットルあたり150円の場合を337500円としたとき、100円/Lに値下がりすれば287500円(85.2%)に、200円/Lに値上がりすれば387500円(114.8%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(51000円)なり重量税(24600円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなれば軽油代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 51000円 25%
自動車重量税 1年分 24600円 12%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 3000km分 45000円 22%
オイル交換 年1回 6500円 3%
タイヤ交換 6年毎 8000円 4%
任意保険料 80% 62400円 30%
合計
[1万kmとの差額]
206400円
-131100円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 51000円 21%
自動車重量税 1年分 24600円 10%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 5000km分 75000円 31%
オイル交換 年1回 6500円 3%
タイヤ交換 6年毎 8000円 3%
任意保険料 85% 66360円 28%
合計
[1万kmとの差額]
240300円
-97200円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 51000円 18%
自動車重量税 1年分 24600円 9%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 7000km分 105000円 38%
オイル交換 年1回 9100円 3%
タイヤ交換 6年毎 8000円 3%
任意保険料 90% 70200円 26%
合計
[1万kmとの差額]
276800円
-60700円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、軽油代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料78000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて131100円安い206400円に、5000km走行では97200円安い240300円に、7000km走行では60700円安い276800円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。軽油代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 51000円 11%
自動車重量税 1年分 24600円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 15000km分 225000円 51%
オイル交換 年3回 39000円 9%
タイヤ交換 2.7年毎 18000円 4%
任意保険料 100% 78000円 17%
合計
[1万kmとの差額]
444500円
+107000円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 51000円 9%
自動車重量税 1年分 24600円 5%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 20000km分 300000円 56%
オイル交換 年4回 52000円 10%
タイヤ交換 2年毎 24000円 4%
任意保険料 100% 78000円 14%
合計
[1万kmとの差額]
538500円
+201000円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。


【WLTC特典】市街地・郊外・高速道路の走行比率を変えるとどうなるの?

ひとくちにWLTCモード燃費と言いましても、信号や渋滞があるノロノロ道路の走行を想定した市街地モード(8.1km/L)、信号や渋滞が少ないスイスイ道路の走行を想定した郊外モード(9.9km/L)、高速道路の走行を想定した高速道路モード(11.2km/L)という3つの走行パターンを内包してありまして、これらを「平均的な使用時間配分」なるもので構成したのがWLTCモード燃費(10.0km/L)ということになります。

ここでは年間走行距離を10000kmとして市街地、郊外、高速道路の走行比率を変えてみたとき、WLTCモード燃費での軽油代150000円からどのように変化するかを見ていきたいと思います。

  • 1リットル150円として計算。
  • []内は低燃費タイヤ装着(エコタイヤ)で燃費が3%向上すると仮定した場合の軽油代。
    たった3%のようですが、もともとの燃費が…なため、お財布には劇的な効果があります。
参考:燃費が3%向上すると…?
市街地8.1km/L → 8.3km/L
郊外9.9km/L → 10.2km/L
高速道路11.2km/L → 11.5km/L

●例1:都市部にお住まい

まず最初に、市街地の住まいを想定して、走行の大半を市街地(90%)、たまに郊外へお買い物(5%)、稀に高速道路に乗ってどこか遠くへ…(5%)という場合で見てみます。

市街地90%・郊外5%・高速5%
市街地9000km166670円
[162650円]
郊外500km7580円
[7350円]
高速道路500km6690円
[6530円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
180940円
+30940円
8.3km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
176530円
-4410円
8.5km/L
  • 市街地走行の軽油代
    市街地の走行を9000kmとするとき、市街地モード燃費が8.1km/Lでは軽油1111.1Lを消費して、軽油代は166670円になります。
  • 郊外走行の軽油代
    郊外の走行を500kmとするとき、郊外モード燃費が9.9km/Lでは軽油50.5Lを消費して、軽油代は7580円になります。
  • 高速道路走行の軽油代
    高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が11.2km/Lでは軽油44.6Lを消費して、軽油代は6690円になります。

このパターンでは使用した燃料量が1206.2L、かかった軽油代が180940円となり、平均燃費は8.3km/L(-1.7km/L)、WLTCモード燃費との軽油代の差は+30940円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着で燃費が3%アップするとして、同じ条件で走行すると軽油代は176530円となり、4410円安くなります。車検2回ごとにタイヤ交換するとき、寿命までの5年間で22050円の経費削減になる計算です。純正タイヤとエコタイヤの差額がこれ以上ならお得、以下なら…?

●例2:市街地と郊外を行き来

次に、とにかく市街地と郊外を行ったり来たりする条件を想定して、市街地の走行を50%、郊外の走行を50%、高速道路は走行しない場合を見てみます。

市街地50%・郊外50%・高速0%
市街地5000km92600円
[90360円]
郊外5000km75770円
[73530円]
高速道路0km0円
[0円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
168370円
+18370円
8.9km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
163890円
-4480円
9.2km/L
  • 市街地走行の軽油代
    市街地の走行を5000kmとするとき、市街地モード燃費が8.1km/Lでは617.3Lを消費して、軽油代は92600円になります。
  • 郊外走行の軽油代
    郊外の走行を5000kmとするとき、郊外モード燃費が9.9km/Lでは505.1Lを消費して、軽油代は75770円になります。

このパターンでは使用した燃料量が1122.4L、かかった軽油代が168370円となり、平均燃費は8.9km/L(-1.1km/L)、WLTCモード燃費との軽油代の差は+18370円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着では軽油代が163890円となり、1年間で4480円、5年間で22400円の経費削減になる計算です。

●例3:市街地・郊外・高速道路をMix

続いて、都市部に住んでいて郊外の職場へ通勤、あるいは郊外に住んでいて都市部の職場へ通勤、高速利用もバッチリ!という感じでシミュレーションしてみます。

市街地33.3%・郊外33.4%・高速33.3%
市街地3330km61670円
[60180円]
郊外3340km50610円
[49130円]
高速道路3330km44600円
[43440円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
156880円
+6880円
9.6km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
152750円
-4130円
9.8km/L
  • 市街地走行の軽油代
    市街地の走行を3330kmとするとき、市街地モード燃費が8.1km/Lでは411.1Lを消費して、軽油代は61670円になります。
  • 郊外走行の軽油代
    郊外の走行を3340kmとするとき、郊外モード燃費が9.9km/Lでは337.4Lを消費して、軽油代は50610円になります。
  • 高速道路走行の軽油代
    高速道路の走行を3330kmとするとき、高速道路モード燃費が11.2km/Lでは297.3Lを消費して、軽油代は44600円になります。

このパターンでは使用した燃料量が1045.8L、かかった軽油代が156880円となり、平均燃費は9.6km/L(-0.4km/L)、WLTCモード燃費との軽油代の差は+6880円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着では軽油代が152750円となり、1年間で4130円、5年間で20650円の経費削減になる計算です。

●例4:農村部にお住まい

最後に、びっくりするほど田舎な住まいを想定して、市街地の走行を5%、郊外の走行を90%、高速道路の走行を5%とした場合を見てみます。

市街地5%・郊外90%・高速5%
市街地500km9260円
[9030円]
郊外9000km136370円
[132360円]
高速道路500km6690円
[6530円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
152320円
+2320円
9.8km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
147920円
-4400円
10.1km/L
  • 市街地走行の軽油代
    市街地の走行を500kmとするとき、市街地モード燃費が8.1km/Lでは61.7Lを消費して、軽油代は9260円になります。
  • 郊外走行の軽油代
    郊外の走行を9000kmとするとき、郊外モード燃費が9.9km/Lでは909.1Lを消費して、軽油代は136370円になります。
  • 高速道路走行の軽油代
    高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が11.2km/Lでは44.6Lを消費して、軽油代は6690円になります。

このパターンでは使用した燃料量が1015.4L、かかった軽油代が152320円となり、平均燃費は9.8km/L(-0.2km/L)、WLTCモード燃費との軽油代の差は+2320円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着では軽油代が147920円となり、1年間で4400円、5年間で22000円の経費削減になる計算です。

以上、極端な条件でのシミュレーションではありますが、走行シチュエーションによって平均燃費は変わり(8.3km/L・8.9km/L・9.6km/L・9.8km/L)、軽油代のほうもなかなかな違い(180940円・168370円・156880円・152320円)が出てくることがわかります。


市街地・郊外・高速道路の満タン航続距離

各モード燃費と航続距離
WLTCモード燃費
10.0km/L
700.0km
市街地燃費
8.1km/L
567.0km
[-133.0km]
郊外燃費
9.9km/L
693.0km
[-7.0km]
高速道路燃費
11.2km/L
784.0km
[+84.0km]

WLTCモード燃費には市街地モード・郊外モード・高速道路モードという3つの走行パターンが内包されておりますので、参考までにそれぞれのモード燃費で燃料タンクが空になるまで走行した場合の満タン航続距離を計算してみます。

燃料タンクの容量を70Lとしたとき、市街地モード燃費8.1km/Lでの航続距離は567.0km(-133.0km)、郊外モード燃費9.9km/Lでの航続距離は693.0km(-7.0km)、高速道路モード燃費11.2km/Lでの航続距離は784.0km(+84.0km)となります。

ある特定のシチュエーションのみを、燃料タンクが空になるまで走行することはなかなかありませんが、「その気になればこのくらいの距離を走れちゃうんだぜ!」という参考データだけは持っておくと、次回の給油回数削減チャレンジでギリギリのラインを狙っていくのに役立つ、かもしれません。


グランエースの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
WLTCモード燃費 10.0km/L
燃料タンク容量 70L
航続距離(カタログ燃費) 700.0km
航続距離(80%燃費) 560.0km
満タンプライス 10500円
1km走行コスト 15.00円
1万円でどこまで行ける? 666.7km
車両価格/航続距離 9286円/km

WLTCモード燃費が10.0km/L、燃料タンク容量70リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は700.0kmになります。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(9.0km/L)とすると630.0km、80%(8.0km/L)だと560.0km、70%(7.0km/L)では490.0kmという航続距離になります。

燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、軽油(ディーゼル燃料)を1リットルあたり150円で70リットルの給油をすると10500円、上で計算した航続距離を踏まえると700.0km(80%燃費時560.0km)を走行するのに10500円かかる計算です。

燃費を10.0km/Lとしたときの1km走行コストは15.00円、10万km走行したときの燃料代は150.0万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら15.0万円/年、7年10万kmなら21.4万円/年、5年10万kmなら30.0万円/年、3年10万kmなら50.0万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば666.7km(往復なら片道333.3km)、カタログ値の80%なら533.3km(片道266.7km)離れたところまで行くことができます。

ちなみに、1回の給油で700.0kmの距離を移動できるGDH303W型 グランエース [Premium 6人乗り]という乗り物を、650.0万円で手に入れたと考えたとき、この車が1km走行するにあたっては「9286円の値打ちがある!」と言える、かもしれません。


カタログデータから見えてくる要素

1GD-FTV型エンジン簡易性能曲線図
1GD-FTV型エンジン性能曲線図もどき
各回転域での馬力
1600回転時の馬力 103PS
2400回転時の馬力 154PS
3400回転時の馬力 177PS
各回転域でのトルク
1600回転時のトルク 45.9kgm
2400回転時のトルク 45.9kgm
3400回転時のトルク 37.3kgm
1GD-FTV型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載している1GD型2754cc、直列4気筒のターボエンジンは3400回転時に最高出力177馬力を、1600-2400回転時に最大トルク45.9kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する1600rpmから最高出力が発生する3400rpmまで」の1800rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は52.9%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
3000cc以下クラス編
トヨタの小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
3000cc以下クラス編
トヨタの小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ15.480kg/PS(2740kg/177PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ15.480kg/PS
車体+1人15.791kg/PS
車体+6人17.345kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg15.819kg/PS
車体+70kg15.876kg/PS
車体+80kg15.932kg/PS
車体+90kg15.989kg/PS
車体+100kg16.045kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは15.791kg/PS(2795kg/177PS)となり、数値としては0.311kg、比率にすると2.0%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの6人が搭乗した場合、車両重量に330kgがプラスされてパワーウェイトレシオは17.345kg/PS(3070kg/177PS)となり、数値としては1.865kg、比率にすると12.0%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。


GDH303W グランエースのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2019/11

-
グランエース
15.791kg/PS
2795kg/177PS|2.8L-TB
[車体のみPWR:15.480]
2013/10

車種詳細
タント カスタム
15.859kg/PS
1015kg/64PS|0.7L-TB
車体のみPWR:15.000
2014/12

車種詳細
アクア
15.743kg/PS
1165kg/74PS|1.5L-NA
車体のみPWR:15.000
2014/02

車種詳細
eKスペース カスタム
15.703kg/PS
1005kg/64PS|0.7L-TB
車体のみPWR:14.844
2014/02

車種詳細
デイズ ルークス
15.703kg/PS
1005kg/64PS|0.7L-TB
車体のみPWR:14.844
2006/11

車種詳細
タント
15.948kg/PS
925kg/58PS|0.7L-NA
車体のみPWR:15.000

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ15.791kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

15.633kg/PSから15.949kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、ダイハツの4人乗り軽ミニバン「LA600S型 タント カスタム」、トヨタの5人乗りハッチバック「NHP10型 アクア」、三菱の4人乗り軽ミニバン「B11A型 eKスペース カスタム」、日産の4人乗り軽ミニバン「B21A型 デイズ ルークス」、ダイハツの4人乗り軽ミニバン「L350S型 タント」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

GDH303W型 グランエース [Premium 6人乗り]とパワーウェイトレシオが近い車種|15.791kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は64.6PS/tとなっています。


グランエースがバイクと競争するなら…?


車種詳細
アドレスV125S|124cc
15.758kg/PS
156kg/9.9PS/1.00kgm
[車体のみPWR:10.202]
1速ギヤ速度:27.6km/h
最小TWR:0.985
2019/11

-
グランエース|2754cc
15.791kg/PS
2795kg/177PS/45.9kgm
[車体のみPWR:15.480]
1速ギヤ速度:34.1km/h
最小TWR:1.588

車種詳細
シグナス125Si|124cc
15.900kg/PS
159kg/10.0PS/1.00kgm
[車体のみPWR:10.400]
1速ギヤ速度:30.5km/h
最小TWR:1.120

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではグランエースとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

CF4MA アドレスV125Sと競争してみる

まずグランエースより少しPWRが低いバイクとして、スズキのアドレスV125Sが挙げられます。PWRの15.758kg/PSは車両重量101kgにライダーの体重55kgを加えた156kgを、最高出力9.9PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はアドレスV125Sに6.5km/h勝り、1速TWRは0.603kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

SE01J シグナス125Siと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ヤマハのシグナス125Siが挙げられます。PWRの15.900kg/PSは車両重量104kg+55kgの159kgを、最高出力10.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は3.6km/h勝り、1速TWRは0.468kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.922
平均ピストンスピード 11.74m/s
トルクウェイトレシオ 59.69kg/kgm
1馬力あたりのお値段 36723円
排気量1Lあたり馬力 64.27PS/L
排気量1Lあたりトルク 16.67kgm/L
1気筒あたりの馬力 44.2PS
1気筒あたりのトルク 11.5kgm
パワーバンド比率 52.9%
燃費×馬力 1770.0pt
各種ランキング
ミニバン・1BOXのPWR
2.5~3.0Lターボ車のPWR

トルクウェイトレシオは59.69kg/kgm(2740kg/45.9kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が6500000円、最高出力が177馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は36723円、逆に1万円あたりでは0.27馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は141612円、1万円あたりでは0.07kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
トヨタ編
3000cc以下の車編
7人乗りミニバン編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は64.27PS/L、トルクは16.67kgm/L、1気筒あたりの馬力は44.2馬力、トルクは11.5kgmとなり、このエンジンが177馬力を3400回転で発生させているときの平均ピストンスピードは11.74m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.922になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、小回りよりも真っ直ぐ進むことを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が10.0km/L、最高出力が177PSであるこの車の獲得ポイントは1770.0ptになります。
戯れに車両重量2740kgを100kg単位にした27.4で割ってみたところ、その数値は64.60ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


人間様の占有スペース

人間様の占有スペース
室内長×幅×高 7.36m³
1人あたりのスペース 約1.23m³
室内長/全長 62.1%
室内幅/全幅 88.1%
室内高/全高 64.8%
室内容積/車両体積 35.4%

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は7.36m³です。この車の乗車定員は6人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約1.23m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は62.1%、同じく室内幅と全幅の比率は88.1%、同じく室内高と全高の比率は64.8%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は35.4%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


グランエースでの車中泊

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.85m
期待される荷室の幅 1.64m
対角線の長さ 2.47m
期待される荷室の面積 3.03m²

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

縦方向の長さが1.85m(対角線では2.47m)などという破格のクラスになると、これはもう四の五の言わず車に住むべきです。

これだけの車を所持できる素養は持ち得ているのですから、細かいことは気にせずあらゆる支配からの卒業を宣言し、信じられぬ大人との争いに終止符を打ちましょう。

多くのミニバンや1BOXは室内長の寸法が大きいことから車中泊への期待が高まりますが、2列目、3列目シートの収納がイマイチの場合は車中泊の難易度がセダンよりも跳ね上がりかねません。その場合はシートを前ではなく後に倒してのフルフラットの可否が鍵を握ります。
車中泊にあると嬉しいアイテム


ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合3400rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした3900回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 3900rpm|タイヤサイズ 235/60R17|タイヤ直径 71.4cm|円周長 224.3cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
3900rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 3.600 13.42 -
-
39km/h 9970rpm 1725.1kgm
2速 2.090 7.79 0.581 1-2/
2270rpm
67km/h 5790rpm 1001.5kgm
3速 1.488 5.55 0.712 2-3/
2780rpm
95km/h 4120rpm 713.0kgm
4速 1.000 3.73 0.672 3-4/
2620rpm
141km/h 2770rpm 479.2kgm
5速 0.687 2.56 0.687 4-5/
2680rpm
205km/h 1900rpm 329.2kgm
6速 0.580 2.16 0.844 5-6/
3290rpm
243km/h 1610rpm 277.9kgm
Final 3.727 レシオカバレッジ(変速比幅)6.207

ギヤの繋がりイメージ
GDH303W型グランエース6AT車のギヤ比イメージ
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数1600-2400rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.727)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(45.9kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.727)÷タイヤの有効半径(0.357m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は6速ギヤの243km(3400rpmでは211.7km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

おまけ:3400rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

3400rpmでの速度と
シフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ34km/h-
2速ギヤ59km/h1980rpm
3速ギヤ83km/h2420rpm
4速ギヤ123km/h2280rpm
5速ギヤ179km/h2340rpm
6速ギヤ212km/h2870rpm

GDH303W型グランエースに搭載された1GD型2754ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する3400rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

まず1速ギヤで3400rpmまで引っ張ると34km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は3400rpmから1980rpmまで落ち、そこから3400rpmまで加速を続けると速度は59km/h(+25km/h)になります。

3速ギヤでは2420rpmまで落ちて3400rpmで83km/h(+24km/h)に、4速ギヤでは2280rpmまで落ちて3400rpmで123km/h(+40km/h)になります。

続いて5速ギヤでは2340rpmまで落ちて3400rpmで179km/h(+56km/h)に、6速ギヤでは2870rpmまで落ちて3400rpmで212km/h(+33km/h)という具合に加速していくイメージです。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが1600-2400回転で最大トルク45.9kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば59.69kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(15.480kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと1725.1kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(2740kg)を1速ギヤの最大駆動力(1725.1kgm)で割ってみると1.588kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する3400回転でのトルク(37.3kgm)からTWRを算出すると1.95kg/kgmとなり、1600-3400回転の回転域では1.588-1.95kg/kgmの間で推移することがわかります。


ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 3990 5980 7980 9970 11960 13960 17950
2速 2320 3470 4630 5790 6950 8100 10420
3速 1650 2470 3300 4120 4940 5770 7420
4速 1110 1660 2220 2770 3320 3880 4980
5速 760 1140 1520 1900 2280 2660 3420
6速 640 960 1280 1610 1930 2250 2890
※赤い数字は暫定レブリミット(3900rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.580)を選択して時速100kmにて走行すると1610回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは960回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1120回転、一般的な高速道路の80km/hでは1290回転、100km/hでは1610回転、制限速度が120km/hになると1930回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは2890回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 10 20 30 40 50 60 70 80
2速 17 35 52 69 86 104 121 138
3速 24 49 73 97 121 146 170 194
4速 36 72 108 144 181 217 253 289
5速 53 105 158 210 263 315 368 420
6速 62 125 187 249 311 374 436 498

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(3900回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。


純正装着タイヤの235/60R17と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 235/60R17 | 直径 714mm

-20mm
幅215mm
-10mm
幅225mm
変更なし
幅235mm
+10mm
幅245mm
+20mm
幅255mm
-5%
55
扁平
215/55R17
37.5km/h
直径669mm
径差-45mm
225/55R17
38.1km/h
直径680mm
径差-34mm
235/55R17
38.7km/h
直径691mm
径差-23mm
245/55R17
39.3km/h
直径702mm
径差-12mm
255/55R17
39.9km/h
直径713mm
径差-1mm
0%
60
扁平
215/60R17
38.7km/h
直径690mm
径差-24mm
225/60R17
39.3km/h
直径702mm
径差-12mm
235/60R17
40.0km/h
714mm
0mm
245/60R17
40.7km/h
直径726mm
径差+12mm
255/60R17
41.3km/h
直径738mm
径差+24mm
+5%
65
扁平
215/65R17
39.9km/h
直径712mm
径差-2mm
225/65R17
40.6km/h
直径725mm
径差+11mm
235/65R17
41.3km/h
直径738mm
径差+24mm
245/65R17
42.1km/h
直径751mm
径差+37mm
255/65R17
42.8km/h
直径764mm
径差+50mm
+10%
70
扁平
215/70R17
41.1km/h
直径733mm
径差+19mm
225/70R17
41.8km/h
直径747mm
径差+33mm
235/70R17
42.6km/h
直径761mm
径差+47mm
245/70R17
43.4km/h
直径775mm
径差+61mm
255/70R17
44.2km/h
直径789mm
径差+75mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、215/60R17、215/65R17 、225/55R17、225/60R17 、235/55R17 、245/55R17 、255/55R17あたりのタイヤがおすすめです。

235/60R17のタイヤ幅を215mmから265mmまで、扁平率を45%から75%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、235/60R17の適応サイズと性能の変化 [GDH303W型グランエース編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
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GDH303W型グランエース[2.8Lターボ FR/6AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト15.480kg/ps34.36
1速ギヤ加速性能1.588kg/kgm49.74
1L換算馬力64.27ps/L35.88
1L換算トルク16.67kgm/L52.44
WB/TR比1.92234.64
ワイド&ロー指数1.01041.49
前面の面積3.920m²13.60
最低地上高175mm41.63
スポーツ性能部門の得点303.78

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
WLTC燃費10.0km/L37.42
年間維持費337500円49.07
100kmh回転数1610rpm61.68
航続距離700.0km49.19
車の大きさ20.778m³87.15
室内の広さ7.364m³87.54
最小回転半径5.6m41.25
馬力単価36723円29.83
ユーティリティ部門の得点443.13

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した GDH303W型グランエース[2.8Lターボ FR/6AT] の総合得点は 746.91 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したGDH303W型グランエース(FR/6AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのミニバン」、「3000ccのミニバン」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。