GSJ15W:FJクルーザーの性能と維持費 4WD/5AT 314万円 2010年式

このページでは、トヨタ自動車の5ドア・5人乗りSUV、初代のCBA-GSJ15W型FJクルーザー BaseGrade【2010/12モデル・276PS/38.8kgm・PT4WD/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

GSJ15W FJクルーザー
販売期間:2010/12 - 2016/08

画像はトヨタ自動車より引用
http://toyota.jp/
投稿:2011/06/22|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長4635mm×全幅1905mm×全高1840mm、排気量は3955ccであることから、大雑把に分類すると4.0リットルクラス(4000cc、自動車税は4.0L以下を適用)に属し、全長、全高は5ナンバー枠ながら全幅が1.7mを超え、排気量も2000ccを超えていることにより3ナンバー登録になります。比較的コンパクトなボディに大きめなエンジンの組み合わせは世界戦略車(グローバルカー)やちょっとした高級車に良くあるパターンです。
参考:250PS~300PSの自動車 一覧

駆動方式には車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆる四輪駆動(All Wheel Drive・AWD・Four Wheel Drive・4WDとも)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4635mmであるこの車の場合は「ミディアム」(Medium:4300mm超-4650mm以下・Dセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


GSJ15W型 FJクルーザー [3955cc/276PS PT4WD/5AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー トヨタ自動車
車名&
グレード
FJクルーザー
BaseGrade
その他 -
お値段 3140000円
車両型式 CBA-GSJ15W
駆動方式
変速機
パートタイム4WD・四輪駆動(AWD)
5速AT・5速オートマ車
ドア/定員 5ドア/5名乗車
車体寸法 長4635×幅1905×高1840mm
室内寸法 長1785×幅1560×高1225mm
軸距&
輪距
2690mm
前1605mm/後1605mm
最小半径 6.2m
最低高 230mm
タイヤ 前輪:265/70R17
後輪:265/70R17
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 1940kg
エンジン諸元
原動機型式 1GR-FE
気筒配列 V型6気筒
排気量3955cc
圧縮比10.4
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 276PS[203kW]/5600rpm
最大トルク 38.8kgm[380Nm]/4400rpm
使用燃料 レギュラーガソリン
10・15燃費 8.4km/L(19.8mpg)
100km燃費 11.9L/100km
1GR-FE型エンジンの諸元と性能まとめ
V型6気筒とは‥シリンダをV字型に交互で6個配置する方式。中排気量のスタンダード。
V型6気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税76400円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税22800円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額7500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2010/12モデルのFJクルーザーを14年落ちの中古で120.9万円にて購入し、頭金なしで3年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    FJクルーザーの2010/12モデルの場合、2024年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の35%である109.9万円に諸経費として11.0万円を足した120.9万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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2010年式を14年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 4000cc以下 13年経過 76400円
自動車重量税(1年分) 2.0トン以下 13年-17年経過 22800円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷7.1km/L×175円/L 246480円
オイル交換(5000km毎) 1回6500円×2回 13000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本15000円×4本÷5年 12000円
任意保険料(月額7500円) 月額7500円×12ヶ月 90000円
ローン完済後の年間維持費 469600円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額33580円×12ヶ月 402960円
ローン返済中の年間維持費 872500円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 66300円
名目 金額
自動車税(1年分) 76400円
自動車重量税(1年分) 22800円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
246480円
(172540円)
(123240円)
(73940円)
オイル交換(5000km毎) 13000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 12000円
任意保険料(月額7500円) 90000円
ローン完済後の年間維持費 469600円
名目 金額
車のローン額(1年分) 402960円
ローン返済中の年間維持費 872500円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
66300円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「4000cc以下で13年経過」クラスの自動車税は76400円、「2.0トン以下で13年-17年経過」クラスの自動車重量税は22800円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに6500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本15000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額7500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした66300円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

このあたりのクラスから理想と現実の違い、つまり「乗りたい車」と「乗ることができる車」は違うことを思い知らされます。うっかり手を出せば「いっ…維持費が高すぎて息ができん!フーッ!フーッ!」と目を白黒させることになりかねません。

さて、FJクルーザー【BaseGrade】の場合、維持費の月額は39200円になります。金銭的にシビアな人からは「車なんてどれもタイヤが4つあるだけなのに、なんでこんなにお金の掛かる車に乗ってるんだ…修行か…」と奇異の目で見られていることでしょう。でも良いんです。愛さえあれば。

FJクルーザーの維持費は高い?安い?

「FJクルーザーの年間維持費は469600円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「4000ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてFJクルーザーの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いラングラー398100円-71500円
フェアレディZ442700円-26900円
ラングラー アンリミテッド463300円-6300円
FJクルーザーの維持費469600円
基準4000ccクラス平均491000円+21400円
Gクラス 4x4507700円+38100円
チェロキー564600円+95000円
ディスカバリー631500円+161900円
高いランドクルーザー80720300円+250700円

FJクルーザーの年間維持費を、4000ccクラスで最も維持費が安いラングラーと比較して71500円高く、最も高いランドクルーザー80と比較して250700円安く、4000ccクラスの平均維持費との比較では21400円安くなっています。

最低額のラングラーと最高額のランドクルーザー80は極端な例としても、4000ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、FJクルーザーの維持費は ちょっと安い! と言えそうです。

年間維持費が安い 4000ccクラスの車 ランキング

FJクルーザーを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%610万円51万円40万円
15%410万円35万円27万円
20%310万円26万円20万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は610万円(総支給額51万円/月、手取り40万円/月)、ここから月額維持費3.9万円を支払うと残りは36.1万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は410万円(総支給額35万円/月、手取り27万円/月)、3.9万円を支払うと残りは23.1万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が310万円(総支給額26万円/月、手取り20万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。3.9万円を引くと残りは16.1万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代25万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、レギュラーガソリン1リットルあたり175円を基準として、-50円となる125円から、+50円となる225円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費7.1km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
125円/L
176070円
[-70410円]
-25円
150円/L
211280円
[-35200円]
-10円
165円/L
232410円
[-14070円]
175円/L246480円
[0円]
+10円
185円/L
260580円
[+14100円]
+25円
200円/L
281700円
[+35220円]
+50円
225円/L
316920円
[+70440円]

燃費7.1km/LのGSJ15W型 FJクルーザーで10000km走行するのに必要な燃料は1408.5L、1リットルあたり175円としたときの燃料代は246480円になります。

参考までに、FJクルーザーの燃料タンクは72リットルですので、1408.5Lの給油回数は20回、1回あたりの燃料代は約12330円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては14100円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると35220円、50円も違ってくると70440円にもなります。

これをGSJ15W型 FJクルーザーの年間維持費に当てはめてみますと、レギュラーガソリン1リットルあたり175円の場合を469600円としたとき、125円/Lに値下がりすれば399190円(85.0%)に、225円/Lに値上がりすれば540040円(115.0%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(76400円)なり重量税(22800円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76400円 28%
自動車重量税 1年分 22800円 8%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 3000km分 73940円 28%
オイル交換 年1回 6500円 2%
タイヤ交換 6年毎 8000円 3%
任意保険料 80% 72000円 28%
合計
[1万kmとの差額]
268500円
-201100円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76400円 24%
自動車重量税 1年分 22800円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 5000km分 123240円 38%
オイル交換 年1回 6500円 2%
タイヤ交換 6年毎 8000円 2%
任意保険料 85% 76560円 24%
合計
[1万kmとの差額]
322400円
-147200円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76400円 20%
自動車重量税 1年分 22800円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 7000km分 172540円 46%
オイル交換 年1回 9100円 2%
タイヤ交換 6年毎 8000円 2%
任意保険料 90% 81000円 22%
合計
[1万kmとの差額]
378700円
-90900円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料90000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて201100円安い268500円に、5000km走行では147200円安い322400円に、7000km走行では90900円安い378700円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76400円 12%
自動車重量税 1年分 22800円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 15000km分 369720円 59%
オイル交換 年3回 39000円 6%
タイヤ交換 2.7年毎 18000円 3%
任意保険料 100% 90000円 15%
合計
[1万kmとの差額]
624800円
+155200円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76400円 10%
自動車重量税 1年分 22800円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 492960円 64%
オイル交換 年4回 52000円 7%
タイヤ交換 2年毎 24000円 3%
任意保険料 100% 90000円 12%
合計
[1万kmとの差額]
767000円
+297400円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
トヨタの小型車&普通車編
4000cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
5人乗りSUV・RV編

FJクルーザーの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 8.4km/L
燃料タンク容量 72L
航続距離(カタログ燃費) 604.8km
航続距離(80%燃費) 482.4km
満タンプライス 12600円
1km走行コスト 20.83円
1万円でどこまで行ける? 480.0km

10・15モード燃費が8.4km/L、燃料タンク容量72リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は604.8kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(7.6km/L)とすると航続距離は547.2km、80%(6.7km/L)だと482.4km、70%(5.9km/L)では424.8kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から72リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、レギュラーガソリンを1リットルあたり175円では12600円、上で計算した航続距離を踏まえると604.8km(80%燃費時482.4km)を走行するのに12600円かかる計算です。

燃費を7.1km/Lとしたときの1km走行コストは20.83円、10万km走行したときの燃料代は208.3万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら20.8万円/年、7年10万kmなら29.8万円/年、5年10万kmなら41.7万円/年、3年10万kmなら69.4万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば480.0km(往復なら片道240.0km)、カタログ値の80%なら384.0km(片道192.0km)離れたところまで行くことができます。

カタログデータから見えてくる要素

1GR-FE型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
4400回転時の馬力 238PS
5600回転時の馬力 276PS
各回転域でのトルク
4400回転時のトルク 38.8kgm
5600回転時のトルク 35.3kgm
1GR-FE型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載している1GR型3955cc、V型6気筒の自然吸気エンジンは5600回転時に最高出力276馬力を、4400回転時に最大トルク38.8kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、最大トルクと最高出力の発生回転数が程よく近いこのエンジンは、高めの回転数が得意なタイプのエンジンです。日常での使い勝手をある程度は確保しつつ、高回転のパワー感もしっかり伴う雰囲気の良さが自慢です。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する4400rpmから最高出力が発生する5600rpmまで」の1200rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は21.4%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
4000cc以下クラス編
トヨタの小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
4000cc以下クラス編
トヨタの小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ7.029kg/PS(1940kg/276PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ7.029kg/PS
車体+1人7.228kg/PS
車体+5人8.025kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg7.246kg/PS
車体+70kg7.283kg/PS
車体+80kg7.319kg/PS
車体+90kg7.355kg/PS
車体+100kg7.391kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは7.228kg/PS(1995kg/276PS)となり、数値としては0.199kg、比率にすると2.8%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは8.025kg/PS(2215kg/276PS)となり、数値としては0.996kg、比率にすると14.2%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

GSJ15W FJクルーザーのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2010/12

-
FJクルーザー
7.228kg/PS
1995kg/276PS|4.0L-NA
[車体のみPWR:7.029]
2017/09

車種詳細
スイフト スポーツ
7.321kg/PS
1025kg/140PS|1.4L-TB
車体のみPWR:6.929
2012/08

車種詳細
ラングラー アンリミテッド
7.377kg/PS
2095kg/284PS|3.7L-NA
車体のみPWR:7.183
2010/06

車種詳細
コルト Ralliart-R
7.147kg/PS
1165kg/163PS|1.5L-TB
車体のみPWR:6.810
2015/08

車種詳細
LX
7.361kg/PS
2775kg/377PS|5.7L-NA
車体のみPWR:7.215
2013/01

車種詳細
アバルト595
7.344kg/PS
1175kg/160PS|1.4L-TB
車体のみPWR:7.000

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ7.228kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

7.011kg/PSから7.445kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、スズキの5人乗りハッチバック「ZC33S型 スイフト スポーツ」、JEEPの5人乗りSUV「JK36L型 ラングラー アンリミテッド」、三菱の5人乗りハッチバック「Z27AG型 コルト Ralliart-R」、レクサスの8人乗りSUV「URJ201W型 LX」、アバルトの4人乗りハッチバック「312142型 アバルト595」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

GSJ15W型 FJクルーザー [BaseGrade]のライバル車種|7.228kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は142.3PS/tとなっています。


FJクルーザーがバイクと競争するなら…?


車種詳細
シャドウ|745cc
7.227kg/PS
318kg/43.5PS/6.32kgm
[車体のみPWR:5.977]
1速ギヤ速度:58.2km/h
最小TWR:1.171
2010/12

-
FJクルーザー|3955cc
7.228kg/PS
1995kg/276PS/38.8kgm
[車体のみPWR:7.029]
1速ギヤ速度:64.6km/h
最小TWR:1.530

車種詳細
CL400|397cc
7.241kg/PS
210kg/29.0PS/3.50kgm
[車体のみPWR:5.345]
1速ギヤ速度:48.7km/h
最小TWR:0.818

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではFJクルーザーとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

RC56 シャドウと競争してみる

まずFJクルーザーより少しPWRが低いバイクとして、ホンダのシャドウが挙げられます。PWRの7.227kg/PSは車両重量263kgにライダーの体重55kgを加えた318kgを、最高出力43.5PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はシャドウに6.4km/h勝り、1速TWRは0.359kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

NC38 CL400と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ホンダのCL400が挙げられます。PWRの7.241kg/PSは車両重量155kg+55kgの210kgを、最高出力29.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は15.9km/h勝り、1速TWRは0.712kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.676
平均ピストンスピード 17.73m/s
トルクウェイトレシオ 50.00kg/kgm
1馬力あたりのお値段 11377円
排気量1Lあたり馬力 69.79PS/L
排気量1Lあたりトルク 9.81kgm/L
1気筒あたりの馬力 46.0PS
1気筒あたりのトルク 6.5kgm
パワーバンド比率 21.4%
燃費×馬力 1970.6pt
各種ランキング
SUV・RV・クロカンのPWR
3.5~4.0L以下のPWR

トルクウェイトレシオは50.00kg/kgm(1940kg/38.8kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が3140000円、最高出力が276馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は11377円、逆に1万円あたりでは0.88馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は80928円、1万円あたりでは0.12kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
トヨタ編
4000cc以下の車編
5人乗りSUV編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は69.79PS/L、トルクは9.81kgm/L、1気筒あたりの馬力は46.0馬力、トルクは6.5kgmとなり、このエンジンが276馬力を5600回転で発生させているときの平均ピストンスピードは17.73m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が95.0mmである1GR型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6320回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.676になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと小回りを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が7.14km/L、最高出力が276PSであるこの車の獲得ポイントは1970.6ptになります。
戯れに車両重量1940kgを100kg単位にした19.4で割ってみたところ、その数値は101.58ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


人間様の占有スペース

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

人間様の占有スペース
室内長×室内幅×室内高 3.411m³
1人あたりのスペース 0.682m³
室内長/全長 38.5%
室内幅/全幅 81.9%
室内高/全高 66.6%
室内容積/車両体積 21.0%

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は3.411m³です。この車の乗車定員は5人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.682m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は38.5%、同じく室内幅と全幅の比率は81.9%、同じく室内高と全高の比率は66.6%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は21.0%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


FJクルーザーでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.622m
期待される荷室の幅 1.460m
対角線の長さ 2.182m
期待される荷室の面積 2.368m²

縦方向の長さが1.622m(対角線では2.182m)ともなると、もはや車の中で生活しても良いんじゃないかと錯覚しかねないほど快適な睡眠が約束されます。

日頃の行いが悪いとか、人様には言えないことをやらかしたとか、誰の顔も見たくないなどの訳アリで家に帰れず、やむなく車中泊をしてみたが最期、あまりの気楽さに心を奪われ流浪の民となりかねません。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。

車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合5600rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6100回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6100rpm|タイヤサイズ 265/70R17|タイヤ直径 80.3cm|円周長 252.3cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6100rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 3.520 13.12 -
-
70km/h 8670rpm 1267.8kgm
2速 2.042 7.61 0.580 1-2/
3540rpm
121km/h 5030rpm 735.5kgm
3速 1.400 5.22 0.686 2-3/
4180rpm
177km/h 3450rpm 504.2kgm
4速 1.000 3.73 0.714 3-4/
4360rpm
248km/h 2460rpm 360.2kgm
5速 0.716 2.67 0.716 4-5/
4370rpm
346km/h 1760rpm 257.9kgm
Final 3.727 レシオカバレッジ(変速比幅)4.916

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数4400rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.727)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(38.8kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.727)÷タイヤの有効半径(0.4015m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。
  • 副変速機のギヤ比が不明のものはHi側に1.000を代入しているので、実際の回転数とは大きく異なる場合があります。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は5速ギヤの346km(5600rpmでは317.7km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが4400回転で最大トルク38.8kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば50.00kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(7.029kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと1267.8kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1940kg)を1速ギヤの最大駆動力(1267.8kgm)で割ってみると1.530kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する5600回転でのトルク(35.3kgm)からTWRを算出すると1.682kg/kgmとなり、4400-5600回転の回転域では1.530-1.682kg/kgmの間で推移することがわかります。


おまけ:5600rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

GSJ15W型FJクルーザーに搭載された1GR型3955ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する5600rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

5600rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ65km/h-
2速ギヤ111km/h3250rpm
3速ギヤ162km/h3840rpm
4速ギヤ227km/h4000rpm
5速ギヤ318km/h4010rpm

まず1速ギヤで5600rpmまで引っ張ると65km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は5600rpmから3250rpmまで落ち、そこから5600rpmまで加速を続けると速度は111km/h(+46km/h)になります。

3速ギヤでは3840rpmまで落ちて5600rpmで162km/h(+51km/h)に、4速ギヤでは4000rpmまで落ちて5600rpmで227km/h(+65km/h)に、5速ギヤでは4010rpmまで落ちて5600rpmで318km/h(+91km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 3470 5200 6930 8670 10400 12130 15600
2速 2010 3020 4020 5030 6030 7040 9050
3速 1380 2070 2760 3450 4140 4830 6200
4速 980 1480 1970 2460 2950 3450 4430
5速 710 1060 1410 1760 2120 2470 3170
※赤い数字は暫定レブリミット(6100rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.716)を選択して時速100kmにて走行すると1760回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1060回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1230回転、一般的な高速道路の80km/hでは1410回転、100km/hでは1760回転、制限速度が120km/hになると2120回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは3170回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 12 23 35 46 58 69 81 92
2速 20 40 60 80 99 119 139 159
3速 29 58 87 116 145 174 203 232
4速 41 81 122 162 203 244 284 325
5速 57 113 170 227 284 340 397 454

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6100回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの265/70R17と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 265/70R17 | 直径 803mm

-20mm
幅245mm
-10mm
幅255mm
変更なし
幅265mm
+10mm
幅275mm
+20mm
幅285mm
-5%
65
扁平
245/65R17
37.4km/h
直径751mm
径差-52mm
255/65R17
38.1km/h
直径764mm
径差-39mm
265/65R17
38.7km/h
直径777mm
径差-26mm
275/65R17
39.4km/h
直径790mm
径差-13mm
285/65R17
40.0km/h
直径803mm
径差0mm
0%
70
扁平
245/70R17
38.6km/h
直径775mm
径差-28mm
255/70R17
39.3km/h
直径789mm
径差-14mm
265/70R17
40.0km/h
803mm
0mm
275/70R17
40.7km/h
直径817mm
径差+14mm
285/70R17
41.4km/h
直径831mm
径差+28mm
+5%
75
扁平
245/75R17
39.9km/h
直径800mm
径差-3mm
255/75R17
40.6km/h
直径815mm
径差+12mm
265/75R17
41.3km/h
直径830mm
径差+27mm
275/75R17
42.1km/h
直径845mm
径差+42mm
285/75R17
42.8km/h
直径860mm
径差+57mm
+10%
80
扁平
245/80R17
41.0km/h
直径824mm
径差+21mm
255/80R17
41.8km/h
直径840mm
径差+37mm
265/80R17
42.6km/h
直径856mm
径差+53mm
275/80R17
43.4km/h
直径872mm
径差+69mm
285/80R17
44.2km/h
直径888mm
径差+85mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、245/70R17、245/75R17 、255/65R17、255/70R17 、265/65R17 、275/65R17 、285/65R17あたりのタイヤがおすすめです。

265/70R17のタイヤ幅を245mmから295mmまで、扁平率を55%から85%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、265/70R17の適応サイズと性能の変化 [GSJ15W型FJクルーザー編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】265/70R17のタイヤ銘柄と通販価格

GSJ15W型FJクルーザー[4.0L-NA PT4WD/5AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト7.029kg/ps57.50
1速ギヤ加速性能1.530kg/kgm50.98
1L換算馬力69.79ps/L47.40
1L換算トルク9.81kgm/L54.15
WB/TR比1.67660.00
ワイド&ロー指数0.96644.68
前面の面積3.505m²25.42
最低地上高230mm19.31
スポーツ性能部門の得点359.44

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
10-15燃費8.4km/L39.87
年間維持費469600円36.90
100kmh回転数1760rpm59.69
航続距離604.8km43.70
車の大きさ16.247m³68.99
室内の広さ3.411m³49.94
最小回転半径6.2m28.98
馬力単価11377円63.39
ユーティリティ部門の得点391.46

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した GSJ15W型FJクルーザー[4.0L-NA PT4WD/5AT] の総合得点は 750.90 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したFJクルーザー(PT4WD/5AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全ての5人乗SUV」、「4000ccの5人乗SUV」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。