ZCEDS スイフトの性能と維持費 FF/CVT 5人 193万円 2023年式

このページでは、スズキ株式会社の5ドア・5人乗りハッチバック、5代目の5AA-ZCEDS型スイフト Hybrid-MX【2023/12モデル・82PS/11.0kgm・FF/CVT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

ZCEDS スイフト
販売期間:2023/12 - 現行車

画像はスズキ株式会社より引用
http://www.suzuki.co.jp/
投稿日:2023/12/07

ボディサイズが全長3860mm×全幅1695mm×全高1500mm、排気量は1197ccであることから、大雑把に分類すると1.2リットルクラス(1200cc、自動車税は1.5L以下を適用)に属した、いわゆる5ナンバークラスの車です。とにかく排気量を増やして、とにかくボディを大きく、特に全幅を広げれば良いんだという風潮が蔓延る現代においては大変貴重な車となっています。

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、前輪のみを駆動する、フロントエンジン・フロントドライブ方式(FF・FWD・前輪駆動とも)を採用しています。この方式はエンジンと駆動系(ミッション、デフ等)の収納がエンジンルーム内で完結するので、軽量コンパクトかつ低コスト化が実現でき、室内を広く作りやすい(エンジンが横置きの場合)ほか、後輪駆動車に比べて直進安定性に優れることが主な特長です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が3860mmであるこの車の場合は「ロア ミディアム」(Lower-Medium:3850mm超-4300mm以下・Cセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


ZCEDS型 スイフト [1197cc/82PS FF/CVT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

5代目スイフトの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2023/12
ZCEDS型
[Hybrid-MX]
1.2L-NA・FF/5MT・192.3万円
82PS・11.0kgm・25.4km/L
82PS
11.0kgm
25.4km/L
2023/12
ZCDDS型
[XG]
1.2L-NA・FF/CVT・172.7万円
82PS・11.0kgm・23.4km/L
82PS
11.0kgm
23.4km/L
2023/12
ZDEDS型
[Hybrid-MX]
1.2L-NA・4WD/CVT・208.8万円
82PS・11.0kgm・22.7km/L
82PS
11.0kgm
22.7km/L
5代目スイフトの車両型式・グレード一覧【全5車種】
スイフトの旧型モデル
4代目 ZC33S型スイフト スポーツ
ZC33S型スイフト スポーツは2017/01に登場した4代目モデル。参考車両の「BaseGrade」は全長3890mm、全幅1735mm、全高1500mmの車体に、140PS/23.5kgmを発生するK14C型1371ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー スズキ株式会社
車名&
グレード
スイフト
Hybrid-MX
その他 マイルドハイブリッド | ハイブリッドMZは後輪ディスクブレーキ
お値段 1922800円
車両型式 5AA-ZCEDS
駆動方式
変速機
FF・前輪駆動(FWD,2WD)
(無段変速機)
ドア/定員 5ドア/5名乗車
車体寸法 長3860×幅1695×高1500mm
室内寸法 長1905×幅1425×高1225mm
軸距&
輪距
2450mm
前1480mm/後1490mm
最小半径 4.8m
最低高 120mm
タイヤ 前輪:185/55R16
後輪:185/55R16
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ドラム
車両重量 940kg
エンジン諸元
原動機型式 Z12E
気筒配列 直列3気筒+モーター
排気量1197cc
圧縮比13.0
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 82PS[60kW]/5700rpm
最大トルク 11.0kgm[108Nm]/4500rpm
使用燃料 レギュラーガソリン
WLTC燃費 24.5km/L(57.6mpg)
JC08燃費 28.9km/L(68.0mpg)
100km燃費 4.1L/100km
モーター諸元
電動機型式WA06D
出力2.3kW/1100rpm
トルク60Nm/100rpm
Z12E型エンジンの諸元と性能まとめ
直列3気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に3個配置する方式。小排気量のスタンダード。モーターを組み合わせることでハイブリッドカーとなります。
これまでに登場したハイブリッドカーの一覧
直列3気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税30500円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税8200円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額5000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、スイフトの新車を221.1万円(諸費用として28.8万円を加算)にて購入し、頭金なしで4年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
  • 【PR】自動車保険は比較で安くなる!

新車で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 1500cc以下 13年未満 30500円
自動車重量税(1年分) 1.0トン以下 13年未満 8200円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷24.5km/L×175円/L 71430円
オイル交換(5000km毎) 1回4000円×2回 8000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本12000円×4本÷5年 9600円
任意保険料(月額5000円) 月額5000円×12ヶ月 60000円
ローン完済後の年間維持費 196600円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額46070円×12ヶ月 552840円
ローン返済中の年間維持費 749400円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 37100円
名目 金額
自動車税(1年分) 30500円
自動車重量税(1年分) 8200円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
71430円
(50000円)
(35720円)
(21430円)
オイル交換(5000km毎) 8000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 9600円
任意保険料(月額5000円) 60000円
ローン完済後の年間維持費 196600円
名目 金額
車のローン額(1年分) 552840円
ローン返済中の年間維持費 749400円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
37100円
  • 初度登録から1年経過車の場合、「1500cc以下で13年未満」クラスの自動車税は30500円、「1.0トン以下で13年未満」クラスの自動車重量税は8200円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに4000円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本12000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額5000円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした37100円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

スイフト【Hybrid-MX】の場合、維持費の月額は16400円です。これは今にも壊れそうな格安車、あるいは維持費の安さに全てを懸けたコスパ重視のスペシャルマシンから少しステップアップしたクラスになります。

「廉価車にしか乗れなかった自分が、ついにこれだけの維持費が掛かる車を所有できるようになったのだ、新しい自分になれたのだ。あの頃のアタシ、サヨナラ…」とかいう謎のカタルシスに浸りつつ、はるか高みで微笑む理想の自分に近付けるよう自分磨きに邁進しましょう。車としての維持費は安いほうで使い勝手も申し分のない、バランスの取れたクラスです。

スイフトの維持費は高い?安い?

「スイフトの年間維持費は196600円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「1500ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてスイフトの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いヤリス173300円-23300円
スイフトの維持費196600円
ジェイド210700円+14100円
フリード ハイブリッド224600円+28000円
スイフト スポーツ250200円+53600円
基準1500ccクラス平均251400円+54800円
ステップワゴン スパーダ259700円+63100円
コルト Ralliart-R281600円+85000円
ゴルフ トゥーラン321300円+124700円
高いウーノ367800円+171200円

スイフトの年間維持費を、1500ccクラスで最も維持費が安いヤリスと比較して23300円高く、最も高いウーノと比較して171200円安く、1500ccクラスの平均維持費との比較では54800円安くなっています。

最低額のヤリスと最高額のウーノは極端な例としても、1500ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、スイフトの維持費は かなり安い! と言えそうです。

年間維持費が安い 1500ccクラスの車 ランキング

スイフトを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%260万円22万円17万円
15%170万円15万円12万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は260万円(総支給額22万円/月、手取り17万円/月)、ここから月額維持費1.6万円を支払うと残りは15.4万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は170万円(総支給額15万円/月、手取り12万円/月)、1.6万円を支払うと残りは10.4万円になります。

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、レギュラーガソリン1リットルあたり175円を基準として、-50円となる125円から、+50円となる225円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費24.5km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
125円/L
51030円
[-20400円]
-25円
150円/L
61230円
[-10200円]
-10円
165円/L
67360円
[-4070円]
175円/L71430円
[0円]
+10円
185円/L
75520円
[+4090円]
+25円
200円/L
81640円
[+10210円]
+50円
225円/L
91850円
[+20420円]

燃費24.5km/LのZCEDS型 スイフトで10000km走行するのに必要な燃料は408.2L、1リットルあたり175円としたときの燃料代は71430円になります。

参考までに、スイフトの燃料タンクは37リットルですので、408.2Lの給油回数は12回、1回あたりの燃料代は約5960円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては4090円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると10210円、50円も違ってくると20420円にもなります。

これをZCEDS型 スイフトの年間維持費に当てはめてみますと、レギュラーガソリン1リットルあたり175円の場合を196600円としたとき、125円/Lに値下がりすれば176200円(89.6%)に、225円/Lに値上がりすれば217020円(110.4%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(30500円)なり重量税(8200円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

税金の安さは折り紙付き!
バン・トラックの人気車種ランキング!


低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 30500円 24%
自動車重量税 1年分 8200円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 7%
燃料代 3000km分 21430円 17%
オイル交換 年1回 4000円 3%
タイヤ交換 6年毎 6400円 5%
任意保険料 80% 48000円 38%
合計
[1万kmとの差額]
127400円
-69200円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 30500円 21%
自動車重量税 1年分 8200円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 6%
燃料代 5000km分 35720円 25%
オイル交換 年1回 4000円 3%
タイヤ交換 6年毎 6400円 4%
任意保険料 85% 51000円 35%
合計
[1万kmとの差額]
144700円
-51900円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 30500円 19%
自動車重量税 1年分 8200円 5%
自賠責保険料 1年分 8825円 5%
燃料代 7000km分 50000円 31%
オイル交換 年1回 5600円 3%
タイヤ交換 6年毎 6400円 4%
任意保険料 90% 54000円 33%
合計
[1万kmとの差額]
163600円
-33000円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料60000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて69200円安い127400円に、5000km走行では51900円安い144700円に、7000km走行では33000円安い163600円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 30500円 12%
自動車重量税 1年分 8200円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 15000km分 107150円 42%
オイル交換 年3回 24000円 9%
タイヤ交換 2.7年毎 14400円 6%
任意保険料 100% 60000円 25%
合計
[1万kmとの差額]
253100円
+56500円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 30500円 10%
自動車重量税 1年分 8200円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 20000km分 142860円 47%
オイル交換 年4回 32000円 11%
タイヤ交換 2年毎 19200円 6%
任意保険料 100% 60000円 20%
合計
[1万kmとの差額]
301600円
+105000円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
スズキの小型車&普通車編
1500cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
ハッチバック編

【WLTC特典】市街地・郊外・高速道路の走行比率が変わると?

ひとくちにWLTCモード燃費と言いましても、信号や渋滞があるノロノロ道路の走行を想定した市街地モード(20.8km/L)、信号や渋滞が少ないスイスイ道路の走行を想定した郊外モード(24.8km/L)、高速道路の走行を想定した高速道路モード(26.3km/L)という3つの走行パターンを内包してありまして、これらを「平均的な使用時間配分」なるもので構成したのがWLTCモード燃費(24.5km/L)ということになります。

ここでは年間走行距離を10000kmとして市街地、郊外、高速道路の走行比率を変えてみたとき、WLTCモード燃費でのガソリン代71430円からどのように変化するかを見ていきたいと思います。

  • 1リットル175円として計算。
  • []内は低燃費タイヤ装着(エコタイヤ)で燃費が3%向上すると仮定した場合のガソリン代。
    「差額で元が取れるかな?どうかな?」という、なかなかに絶妙なラインです。
参考:燃費が3%向上すると…?
市街地20.8km/L → 21.4km/L
郊外24.8km/L → 25.5km/L
高速道路26.3km/L → 27.1km/L

●例1:都市部にお住まい

まず最初に、市街地の住まいを想定して、走行の大半を市街地(90%)、たまに郊外へお買い物(5%)、稀に高速道路に乗ってどこか遠くへ…(5%)という場合で見てみます。

市街地90%・郊外5%・高速5%
市街地9000km75720円
[73610円]
郊外500km3540円
[3430円]
高速道路500km3330円
[3240円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
82590円
+11160円
21.2km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
80280円
-2310円
21.8km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を9000kmとするとき、市街地モード燃費が20.8km/Lではガソリン432.7Lを消費して、ガソリン代は75720円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を500kmとするとき、郊外モード燃費が24.8km/Lではガソリン20.2Lを消費して、ガソリン代は3540円になります。
  • 高速道路走行のガソリン代
    高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が26.3km/Lではガソリン19.0Lを消費して、ガソリン代は3330円になります。

このパターンでは使用した燃料量が471.9L、かかったガソリン代が82590円となり、平均燃費は21.2km/L(-3.3km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は+11160円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着で燃費が3%アップするとして、同じ条件で走行するとガソリン代は80280円となり、2310円安くなります。車検2回ごとにタイヤ交換するとき、寿命までの5年間で11550円の経費削減になる計算です。純正タイヤとエコタイヤの差額がこれ以上ならお得、以下なら…?

●例2:市街地と郊外を行き来

次に、とにかく市街地と郊外を行ったり来たりする条件を想定して、市街地の走行を50%、郊外の走行を50%、高速道路は走行しない場合を見てみます。

市街地50%・郊外50%・高速0%
市街地5000km42070円
[40880円]
郊外5000km35280円
[34320円]
高速道路0km0円
[0円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
77350円
+5920円
22.6km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
75200円
-2150円
23.3km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を5000kmとするとき、市街地モード燃費が20.8km/Lでは240.4Lを消費して、ガソリン代は42070円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を5000kmとするとき、郊外モード燃費が24.8km/Lでは201.6Lを消費して、ガソリン代は35280円になります。

このパターンでは使用した燃料量が442.0L、かかったガソリン代が77350円となり、平均燃費は22.6km/L(-1.9km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は+5920円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着ではガソリン代が75200円となり、1年間で2150円、5年間で10750円の経費削減になる計算です。

●例3:市街地・郊外・高速道路をMix

続いて、都市部に住んでいて郊外の職場へ通勤、あるいは郊外に住んでいて都市部の職場へ通勤、高速利用もバッチリ!という感じでシミュレーションしてみます。

市街地33.3%・郊外33.4%・高速33.3%
市街地3330km28020円
[27230円]
郊外3340km23570円
[22930円]
高速道路3330km22160円
[21510円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
73750円
+2320円
23.7km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
71670円
-2080円
24.4km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を3330kmとするとき、市街地モード燃費が20.8km/Lでは160.1Lを消費して、ガソリン代は28020円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を3340kmとするとき、郊外モード燃費が24.8km/Lでは134.7Lを消費して、ガソリン代は23570円になります。
  • 高速道路走行のガソリン代
    高速道路の走行を3330kmとするとき、高速道路モード燃費が26.3km/Lでは126.6Lを消費して、ガソリン代は22160円になります。

このパターンでは使用した燃料量が421.4L、かかったガソリン代が73750円となり、平均燃費は23.7km/L(-0.8km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は+2320円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着ではガソリン代が71670円となり、1年間で2080円、5年間で10400円の経費削減になる計算です。

●例4:農村部にお住まい

最後に、びっくりするほど田舎な住まいを想定して、市街地の走行を5%、郊外の走行を90%、高速道路の走行を5%とした場合を見てみます。

市街地5%・郊外90%・高速5%
市街地500km4200円
[4100円]
郊外9000km63510円
[61760円]
高速道路500km3330円
[3240円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
71040円
-390円
24.6km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
69100円
-1940円
25.3km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を500kmとするとき、市街地モード燃費が20.8km/Lでは24.0Lを消費して、ガソリン代は4200円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を9000kmとするとき、郊外モード燃費が24.8km/Lでは362.9Lを消費して、ガソリン代は63510円になります。
  • 高速道路走行のガソリン代
    高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が26.3km/Lでは19.0Lを消費して、ガソリン代は3330円になります。

このパターンでは使用した燃料量が405.9L、かかったガソリン代が71040円となり、平均燃費は24.6km/L(+0.1km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は-390円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着ではガソリン代が69100円となり、1年間で1940円、5年間で9700円の経費削減になる計算です。

以上、極端な条件でのシミュレーションではありますが、走行シチュエーションによって平均燃費は変わり(21.2km/L・22.6km/L・23.7km/L・24.6km/L)、ガソリン代のほうもなかなかな違い(82590円・77350円・73750円・71040円)が出てくることがわかります。


市街地・郊外・高速道路の満タン航続距離

各モード燃費と航続距離
燃料タンク容量 37リットル
WLTCモード燃費
24.5km/L
906.5km
市街地燃費
20.8km/L
769.6km
[-136.9km]
郊外燃費
24.8km/L
917.6km
[+11.1km]
高速道路燃費
26.3km/L
973.1km
[+66.6km]
満タン給油価格 6475円
1km走行コスト 7.14円
1万円走行距離 1400.0km

WLTCモード燃費が24.5km/L、燃料タンク容量37リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は906.5kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(22.1km/L)とすると航続距離は817.7km、80%(19.6km/L)だと725.2km、70%(17.1km/L)では632.7kmになります。

WLTCモード燃費には市街地モード・郊外モード・高速道路モードという3つの走行パターンが内包されておりますので、参考までにそれぞれのモード燃費で燃料タンクが空になるまで走行した場合の満タン航続距離を計算してみます。

燃料タンクの容量を37Lとしたとき、市街地モード燃費20.8km/Lでの航続距離は769.6km(-136.9km)、郊外モード燃費24.8km/Lでの航続距離は917.6km(+11.1km)、高速道路モード燃費26.3km/Lでの航続距離は973.1km(+66.6km)となります。

ある特定のシチュエーションのみを、燃料タンクが空になるまで走行することはなかなかありませんが、「その気になればこのくらいの距離を走れちゃうんだぜ!」という参考データだけは持っておくと、次回の給油回数削減チャレンジでギリギリのラインを狙っていくのに役立つ、かもしれません。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から37リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、レギュラーガソリンを1リットルあたり175円では6475円、上で計算した航続距離を踏まえると906.5km(80%燃費時725.2km)を走行するのに6475円かかる計算です。

燃費を24.5km/Lとしたときの1km走行コストは7.14円、10万km走行したときの燃料代は71.4万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら7.1万円/年、7年10万kmなら10.2万円/年、5年10万kmなら14.3万円/年、3年10万kmなら23.8万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば1400.0km(往復なら片道700.0km)、カタログ値の80%なら1120.0km(片道560.0km)離れたところまで行くことができます。

カタログデータから見えてくる要素

Z12E型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
4500回転時の馬力 69PS
5700回転時の馬力 82PS
各回転域でのトルク
4500回転時のトルク 11.0kgm
5700回転時のトルク 10.3kgm
Z12E型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているZ12E型1197cc、直列3気筒+モーターの自然吸気エンジンは5700回転時に最高出力82馬力を、4500回転時に最大トルク11.0kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、最大トルクと最高出力の発生回転数が程よく近いこのエンジンは、高めの回転数が得意なタイプのエンジンです。日常での使い勝手をある程度は確保しつつ、高回転のパワー感もしっかり伴う雰囲気の良さが自慢です。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する4500rpmから最高出力が発生する5700rpmまで」の1200rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は21.1%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
1500cc以下クラス編
スズキの小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
1500cc以下クラス編
スズキの小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ11.463kg/PS(940kg/82PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ11.463kg/PS
車体+1人12.134kg/PS
車体+5人14.817kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg12.195kg/PS
車体+70kg12.317kg/PS
車体+80kg12.439kg/PS
車体+90kg12.561kg/PS
車体+100kg12.683kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは12.134kg/PS(995kg/82PS)となり、数値としては0.671kg、比率にすると5.9%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは14.817kg/PS(1215kg/82PS)となり、数値としては3.354kg、比率にすると29.3%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

ZCEDS スイフトのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2023/12

-
スイフト
12.134kg/PS
995kg/82PS|1.2L-NA
[車体のみPWR:11.463]
2015/12

車種詳細
アルト ワークス
12.109kg/PS
775kg/64PS|0.7L-TB
車体のみPWR:11.250
2015/04

車種詳細
ステップワゴン スパーダ
12.167kg/PS
1825kg/150PS|1.5L-TB
車体のみPWR:11.800
2008/05

車種詳細
キューブ キュービック
12.248kg/PS
1335kg/109PS|1.5L-NA
車体のみPWR:11.743
1990/11

車種詳細
シェビー
12.179kg/PS
2375kg/195PS|5.8L-NA
車体のみPWR:11.897
2018/06

車種詳細
カローラ スポーツ
12.026kg/PS
1395kg/116PS|1.2L-TB
車体のみPWR:11.552

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ12.134kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

12.013kg/PSから12.255kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、スズキの4人乗り軽ハッチバック「HA36S型 アルト ワークス」、ホンダの7人乗りミニバン「RP4型 ステップワゴン スパーダ」、日産の7人乗りミニバン「YGNZ11型 キューブ キュービック」、シボレーの7人乗りミニバン「謎型 シェビー」、トヨタの5人乗りハッチバック「NRE210H型 カローラ スポーツ」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

ZCEDS型 スイフト [Hybrid-MX]のライバル車種|12.134kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は87.2PS/tとなっています。


スイフトがバイクと競争するなら…?


車種詳細
バーグマン200|199cc
12.111kg/PS
218kg/18.0PS/1.60kgm
[車体のみPWR:9.056]
1速ギヤ速度:37.8km/h
最小TWR:1.275
2023/12

-
スイフト|1197cc
12.134kg/PS
995kg/82PS/11.0kgm
[車体のみPWR:11.463]
1速ギヤ速度:46.4km/h
最小TWR:1.847

車種詳細
NMAX155|155cc
12.200kg/PS
183kg/15.0PS/1.40kgm
[車体のみPWR:8.533]
1速ギヤ速度:33.6km/h
最小TWR:1.020

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではスイフトとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

CH41A バーグマン200と競争してみる

まずスイフトより少しPWRが低いバイクとして、スズキのバーグマン200が挙げられます。PWRの12.111kg/PSは車両重量163kgにライダーの体重55kgを加えた218kgを、最高出力18.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はバーグマン200に8.6km/h勝り、1速TWRは0.572kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

SG50J NMAX155と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ヤマハのNMAX155が挙げられます。PWRの12.200kg/PSは車両重量128kg+55kgの183kgを、最高出力15.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は12.8km/h勝り、1速TWRは0.827kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.650
平均ピストンスピード 17.63m/s
トルクウェイトレシオ 85.45kg/kgm
1馬力あたりのお値段 23449円
排気量1Lあたり馬力 68.50PS/L
排気量1Lあたりトルク 9.19kgm/L
1気筒あたりの馬力 27.3PS
1気筒あたりのトルク 3.7kgm
パワーバンド比率 21.1%
燃費×馬力 2009.0pt
各種ランキング
ハッチバックのPWR
1.0~1.3L以下のPWR

トルクウェイトレシオは85.45kg/kgm(940kg/11.0kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が1922800円、最高出力が82馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は23449円、逆に1万円あたりでは0.43馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は174800円、1万円あたりでは0.06kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
スズキ編
1500cc以下の車編
ハッチバック編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は68.50PS/L、トルクは9.19kgm/L、1気筒あたりの馬力は27.3馬力、トルクは3.7kgmとなり、このエンジンが82馬力を5700回転で発生させているときの平均ピストンスピードは17.63m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が92.8mmであるZ12E型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6470回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.650になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと小回りを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が24.5km/L、最高出力が82PSであるこの車の獲得ポイントは2009.0ptになります。
戯れに車両重量940kgを100kg単位にした9.4で割ってみたところ、その数値は213.72ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


人間様の占有スペース

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

人間様の占有スペース
室内長×室内幅×室内高 3.325m³
1人あたりのスペース 0.665m³
室内長/全長 49.4%
室内幅/全幅 84.1%
室内高/全高 81.7%
室内容積/車両体積 33.9%

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は3.325m³です。この車の乗車定員は5人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.665m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は49.4%、同じく室内幅と全幅の比率は84.1%、同じく室内高と全高の比率は81.7%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は33.9%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


スイフトでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.351m
期待される荷室の幅 1.325m
対角線の長さ 1.892m
期待される荷室の面積 1.790m²

縦方向の長さが1.351m(対角線では1.892m)しかないとなると、これはもう常識的に考えてかなり厳しい車中泊を強いられます。運転席あるいは助手席を後ろに倒して寝たほうがまだマシかもしれません。

俗に言う体育座りの体勢で横になれば寝られないこともないでしょうが、寝れども寝れども疲れは取れない上に猛烈な腰痛で目を覚ましかねず、実に爽やかな笑顔で「もう二度と車中泊なんてしないよ!」と後日談を語ることになりかねません。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。

車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合5700rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6200回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6200rpm|タイヤサイズ 185/55R16|タイヤ直径 61.0cm|円周長 191.6cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6200rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 2.500 14.11 -
-
51km/h 12270rpm 508.8kgm
2速 0.392 2.21 0.157 1-2/
970rpm
322km/h 1920rpm 79.8kgm
Final 5.643 レシオカバレッジ(変速比幅)6.378

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数4500rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(5.643)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(11.0kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(5.643)÷タイヤの有効半径(0.305m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は2速ギヤの322km(5700rpmでは296.2km/h)となります。CVTは無段変速機というだけあって、変速比を低速側の2.500から高速側の0.392の間で自由自在に可変できる変速機ですから、実際にはちょうどいい塩梅の妥当な回転数にて妥当な最高速に落ち着くものと思われます。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが4500回転で最大トルク11.0kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば85.45kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(11.463kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと508.8kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(940kg)を1速ギヤの最大駆動力(508.8kgm)で割ってみると1.847kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する5700回転でのトルク(10.3kgm)からTWRを算出すると1.973kg/kgmとなり、4500-5700回転の回転域では1.847-1.973kg/kgmの間で推移することがわかります。


ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4910 7360 9820 12270 14730 17180 22090
2速 770 1150 1540 1920 2310 2690 3460
※赤い数字は暫定レブリミット(6200rpm)を上回るもの。
※CVTの場合はどのようにギヤ比を制御をしているのか想像も付かないので参考値です。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.392)を選択して時速100kmにて走行すると1920回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1150回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1350回転、一般的な高速道路の80km/hでは1540回転、100km/hでは1920回転、制限速度が120km/hになると2310回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは3460回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 8 16 24 33 41 49 57 65
2速 52 104 156 208 260 312 364 416

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6200回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの185/55R16と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 185/55R16 | 直径 610mm

-20mm
幅165mm
-10mm
幅175mm
変更なし
幅185mm
+10mm
幅195mm
+20mm
幅205mm
-5%
50
扁平
165/50R16
37.4km/h
直径571mm
径差-39mm
175/50R16
38.1km/h
直径581mm
径差-29mm
185/50R16
38.8km/h
直径591mm
径差-19mm
195/50R16
39.4km/h
直径601mm
径差-9mm
205/50R16
40.1km/h
直径611mm
径差+1mm
0%
55
扁平
165/55R16
38.6km/h
直径588mm
径差-22mm
175/55R16
39.3km/h
直径599mm
径差-11mm
185/55R16
40.0km/h
610mm
0mm
195/55R16
40.7km/h
直径621mm
径差+11mm
205/55R16
41.4km/h
直径632mm
径差+22mm
+5%
60
扁平
165/60R16
39.6km/h
直径604mm
径差-6mm
175/60R16
40.4km/h
直径616mm
径差+6mm
185/60R16
41.2km/h
直径628mm
径差+18mm
195/60R16
42.0km/h
直径640mm
径差+30mm
205/60R16
42.8km/h
直径652mm
径差+42mm
+10%
65
扁平
165/65R16
40.7km/h
直径621mm
径差+11mm
175/65R16
41.6km/h
直径634mm
径差+24mm
185/65R16
42.4km/h
直径647mm
径差+37mm
195/65R16
43.3km/h
直径660mm
径差+50mm
205/65R16
44.1km/h
直径673mm
径差+63mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、165/55R16、165/60R16 、175/50R16、175/55R16 、185/50R16 、195/50R16 あたりのタイヤがおすすめです。

185/55R16のタイヤ幅を165mmから215mmまで、扁平率を40%から70%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、185/55R16の適応サイズと性能の変化 [ZCEDS型スイフト編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】185/55R16のタイヤ銘柄と通販価格

ZCEDS型スイフト[1.2L-NA FF/CVT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト11.463kg/ps45.36
1速ギヤ加速性能1.847kg/kgm44.21
1L換算馬力68.50ps/L46.38
1L換算トルク9.19kgm/L46.59
WB/TR比1.65062.68
ワイド&ロー指数0.88550.56
前面の面積2.542m²52.38
最低地上高120mm64.02
スポーツ性能部門の得点412.18

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
WLTC燃費24.5km/L66.97
年間維持費196600円61.91
100kmh回転数1920rpm57.58
航続距離906.5km61.18
車の大きさ9.814m³43.50
室内の広さ3.325m³49.12
最小回転半径4.8m57.55
馬力単価23449円47.52
ユーティリティ部門の得点445.33

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した ZCEDS型スイフト[1.2L-NA FF/CVT] の総合得点は 857.51 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したZCEDS型スイフト(FF/CVT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのハッチバック」、「1500ccのハッチバック」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

スイフトの歴代モデル

5代目 ZCEDS型 スイフト
ZCEDS スイフトは2023/12に登場した5代目モデル。参考車両の「Hybrid-MX」は全長3860mm、全幅1695mm、全高1500mmの車体に、82PS/11.0kgmを発生するZ12E型1197ccエンジンを搭載した5人乗りハッチバック。

4代目 ZC13S型 スイフト
ZC13S スイフトは2017/01に登場した4代目モデル。参考車両の「RSt」は全長3840mm、全幅1695mm、全高1500mmの車体に、102PS/15.3kgmを発生するK10C型996ccエンジンを搭載した5人乗りハッチバック。

3代目 ZD72S型 スイフト
ZD72S スイフトは2010/09に登場した3代目モデル。参考車両の「XL-DJE」は全長3850mm、全幅1695mm、全高1535mmの車体に、91PS/12.0kgmを発生するK12B型1242ccエンジンを搭載した5人乗りハッチバック。

2代目 ZC31S型 スイフト スポーツ
ZC31S スイフト スポーツは2004/11に登場した2代目モデル。参考車両の「Sport 前期ギヤ比」は全長3765mm、全幅1690mm、全高1510mmの車体に、125PS/15.1kgmを発生するM16A型1586ccエンジンを搭載した5人乗りハッチバック。

初代 HT81S型 スイフト スポーツ
HT81S スイフト スポーツは2000/02に登場した初代モデル。参考車両の「Sport」は全長3620mm、全幅1650mm、全高1525mmの車体に、115PS/14.6kgmを発生するM15A型1490ccエンジンを搭載した5人乗りハッチバック。