AB43S カルタスの性能と維持費 FF/5MT 5人 103万円 1986年式

このページでは、スズキ株式会社の5ドア・5人乗りハッチバック、初代のE-AB43S型カルタス MR【1986/06モデル・52PS/7.6kgm・FF/MT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

AB43S カルタス
販売期間:1983/10 - 1988/09

画像はスズキ株式会社より引用
http://www.suzuki.co.jp/
投稿:2022/12/02|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長3770mm×全幅1545mm×全高1350mm、排気量は993ccであることから、大雑把に分類すると1.0リットルクラス(1000cc、自動車税は1.0L以下を適用)に属した、いわゆる5ナンバークラスの車です。とにかく排気量を増やして、とにかくボディを大きく、特に全幅を広げれば良いんだという風潮が蔓延る現代においては大変貴重な車となっています。

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、前輪のみを駆動する、フロントエンジン・フロントドライブ方式(FF・FWD・前輪駆動とも)を採用しています。この方式はエンジンと駆動系(ミッション、デフ等)の収納がエンジンルーム内で完結するので、軽量コンパクトかつ低コスト化が実現でき、室内を広く作りやすい(エンジンが横置きの場合)ほか、後輪駆動車に比べて直進安定性に優れることが主な特長です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が3770mmであるこの車の場合は「スモール」(Small:3500mm超-3850mm以下・Bセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


AB43S型 カルタス [993cc/52PS FF/5MT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

初代カルタスの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
1986/06
AA43S型
[Si Turbo]
1.0L-TB・FF/5MT・133.6万円
82PS・12.0kgm・20.0km/L
82PS
12.0kgm
20.0km/L
1986/06
AA33S型
[GT-i]
1.3L-NA・FF/5MT・138.8万円
97PS・11.2kgm・14.6km/L
97PS
11.2kgm
14.6km/L
1986/06
AA43S型
[ER]
1.0L-NA・FF/5MT・101.6万円
55PS・7.6kgm・25.5km/L
55PS
7.6kgm
25.5km/L
初代カルタスの車両型式・グレード一覧【全7車種】
カルタスの新型モデル
2代目 AA34S型カルタス GT-iA
AA34S型カルタス GT-iAは1988/09に登場した2代目モデル。参考車両の「GT-iA」は全長3745mm、全幅1585mm、全高1350mmの車体に、115PS/11.2kgmを発生するG13B型1298ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー スズキ株式会社
車名&
グレード
カルタス
MR
その他 FMS-3 | 145SR12
お値段 1023000円
車両型式 E-AB43S
駆動方式
変速機
FF・前輪駆動(FWD,2WD)
5速MT・5速マニュアル車
ドア/定員 5ドア/5名乗車
車体寸法 長3770×幅1545×高1350mm
室内寸法 長1800×幅1300×高1100mm
軸距&
輪距
2345mm
前1335mm/後1300mm
最小半径 4.7m
最低高 180mm
タイヤ 前輪:145/80R12
後輪:145/80R12
ブレーキ 前:ディスク
後:ドラム
車両重量 690kg
エンジン諸元
原動機型式 G10
気筒配列 直列3気筒
排気量993cc
圧縮比9.5
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 52PS[38kW]/5500rpm
最大トルク 7.6kgm[75Nm]/3500rpm
使用燃料 レギュラーガソリン
10・15燃費 20.0km/L(47.0mpg)
100km燃費 5.0L/100km
G10型エンジンの諸元と性能まとめ
直列3気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に3個配置する方式。小排気量のスタンダード。
直列3気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税33900円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税12600円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額4500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、1986/06モデルのカルタスを38年落ちの中古で22.5万円にて購入し、頭金なしで1年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    カルタスの1986/06モデルの場合、2024年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の20%である20.46万円に諸経費として2.0万円を足した22.5万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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1986年式を38年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 1000cc以下 13年経過 33900円
自動車重量税(1年分) 1.0トン以下 18年経過 12600円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷17.0km/L×175円/L 102940円
オイル交換(5000km毎) 1回3500円×2回 7000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本4000円×4本÷5年 3200円
任意保険料(月額4500円) 月額4500円×12ヶ月 54000円
ローン完済後の年間維持費 222500円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額18760円×12ヶ月 225120円
ローン返済中の年間維持費 447600円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 45900円
名目 金額
自動車税(1年分) 33900円
自動車重量税(1年分) 12600円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
102940円
(72060円)
(51470円)
(30880円)
オイル交換(5000km毎) 7000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 3200円
任意保険料(月額4500円) 54000円
ローン完済後の年間維持費 222500円
名目 金額
車のローン額(1年分) 225120円
ローン返済中の年間維持費 447600円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
45900円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「1000cc以下で13年経過」クラスの自動車税は33900円、「1.0トン以下で18年経過」クラスの自動車重量税は12600円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに3500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本4000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額4500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした45900円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

カルタス【MR】の場合、維持費の月額は18600円です。これは今にも壊れそうな格安車、あるいは維持費の安さに全てを懸けたコスパ重視のスペシャルマシンから少しステップアップしたクラスになります。

「廉価車にしか乗れなかった自分が、ついにこれだけの維持費が掛かる車を所有できるようになったのだ、新しい自分になれたのだ。あの頃のアタシ、サヨナラ…」とかいう謎のカタルシスに浸りつつ、はるか高みで微笑む理想の自分に近付けるよう自分磨きに邁進しましょう。車としての維持費は安いほうで使い勝手も申し分のない、バランスの取れたクラスです。

カルタスの維持費は高い?安い?

「カルタスの年間維持費は222500円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「1000ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてカルタスの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いインサイト178300円-44200円
500S193500円-29000円
クロスビー206700円-15800円
バレーノ214900円-7600円
基準1000ccクラス平均221800円-700円
カルタスの維持費222500円
フィエスタ231400円+8900円
ストーリア X4248800円+26300円
ブーン X4268900円+46400円
高いミニ301400円+78900円

カルタスの年間維持費を、1000ccクラスで最も維持費が安いインサイトと比較して44200円高く、最も高いミニと比較して78900円安く、1000ccクラスの平均維持費との比較では700円高くなっています。

最低額のインサイトと最高額のミニは極端な例としても、1000ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、カルタスの維持費は ちょっと高い! と言えそうです。

年間維持費が安い 1000ccクラスの車 ランキング

カルタスを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%290万円25万円20万円
15%190万円16万円13万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は290万円(総支給額25万円/月、手取り20万円/月)、ここから月額維持費1.9万円を支払うと残りは18.1万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は190万円(総支給額16万円/月、手取り13万円/月)、1.9万円を支払うと残りは11.1万円になります。

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、レギュラーガソリン1リットルあたり175円を基準として、-50円となる125円から、+50円となる225円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費17.0km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
125円/L
73540円
[-29400円]
-25円
150円/L
88250円
[-14690円]
-10円
165円/L
97070円
[-5870円]
175円/L102940円
[0円]
+10円
185円/L
108840円
[+5900円]
+25円
200円/L
117660円
[+14720円]
+50円
225円/L
132370円
[+29430円]

燃費17.0km/LのAB43S型 カルタスで10000km走行するのに必要な燃料は588.3L、1リットルあたり175円としたときの燃料代は102940円になります。

参考までに、カルタスの燃料タンクは33リットルですので、588.3Lの給油回数は18回、1回あたりの燃料代は約5720円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては5900円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると14720円、50円も違ってくると29430円にもなります。

これをAB43S型 カルタスの年間維持費に当てはめてみますと、レギュラーガソリン1リットルあたり175円の場合を222500円としたとき、125円/Lに値下がりすれば193100円(86.8%)に、225円/Lに値上がりすれば251930円(113.2%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(33900円)なり重量税(12600円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 33900円 25%
自動車重量税 1年分 12600円 9%
自賠責保険料 1年分 8825円 7%
燃料代 3000km分 30880円 23%
オイル交換 年1回 3500円 3%
タイヤ交換 6年毎 2130円 2%
任意保険料 80% 43200円 31%
合計
[1万kmとの差額]
135100円
-87400円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 33900円 21%
自動車重量税 1年分 12600円 8%
自賠責保険料 1年分 8825円 6%
燃料代 5000km分 51470円 32%
オイル交換 年1回 3500円 2%
タイヤ交換 6年毎 2130円 1%
任意保険料 85% 45960円 30%
合計
[1万kmとの差額]
158400円
-64100円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 33900円 19%
自動車重量税 1年分 12600円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 5%
燃料代 7000km分 72060円 39%
オイル交換 年1回 4900円 3%
タイヤ交換 6年毎 2130円 1%
任意保険料 90% 48600円 26%
合計
[1万kmとの差額]
183100円
-39400円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料54000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて87400円安い135100円に、5000km走行では64100円安い158400円に、7000km走行では39400円安い183100円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 33900円 12%
自動車重量税 1年分 12600円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 15000km分 154410円 53%
オイル交換 年3回 21000円 7%
タイヤ交換 2.7年毎 4800円 2%
任意保険料 100% 54000円 19%
合計
[1万kmとの差額]
289600円
+67100円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 33900円 10%
自動車重量税 1年分 12600円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 20000km分 205880円 59%
オイル交換 年4回 28000円 8%
タイヤ交換 2年毎 6400円 2%
任意保険料 100% 54000円 14%
合計
[1万kmとの差額]
349700円
+127200円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
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1000cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
ハッチバック編

カルタスの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 20.0km/L
燃料タンク容量 33L
航続距離(カタログ燃費) 660.0km
航続距離(80%燃費) 528.0km
満タンプライス 5775円
1km走行コスト 8.75円
1万円でどこまで行ける? 1142.9km

10・15モード燃費が20.0km/L、燃料タンク容量33リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は660.0kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(18.0km/L)とすると航続距離は594.0km、80%(16.0km/L)だと528.0km、70%(14.0km/L)では462.0kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から33リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、レギュラーガソリンを1リットルあたり175円では5775円、上で計算した航続距離を踏まえると660.0km(80%燃費時528.0km)を走行するのに5775円かかる計算です。

燃費を17.0km/Lとしたときの1km走行コストは8.75円、10万km走行したときの燃料代は87.5万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら8.8万円/年、7年10万kmなら12.5万円/年、5年10万kmなら17.5万円/年、3年10万kmなら29.2万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば1142.9km(往復なら片道571.4km)、カタログ値の80%なら914.3km(片道457.1km)離れたところまで行くことができます。

カタログデータから見えてくる要素

G10型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
3500回転時の馬力 37PS
5500回転時の馬力 52PS
各回転域でのトルク
3500回転時のトルク 7.6kgm
5500回転時のトルク 6.8kgm
G10型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているG10型993cc、直列3気筒の自然吸気エンジンは5500回転時に最高出力52馬力を、3500回転時に最大トルク7.6kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、最大トルクの発生回転数が若干高めにあるこのエンジンは、普段使いでも不足を感じることなく、それでいて高い回転数を維持すればスポーティな走行も楽しめるバランスの良さが魅力です。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する3500rpmから最高出力が発生する5500rpmまで」の2000rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は36.4%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

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うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ13.269kg/PS(690kg/52PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ13.269kg/PS
車体+1人14.327kg/PS
車体+5人18.558kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg14.423kg/PS
車体+70kg14.615kg/PS
車体+80kg14.808kg/PS
車体+90kg15.000kg/PS
車体+100kg15.192kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは14.327kg/PS(745kg/52PS)となり、数値としては1.058kg、比率にすると8.0%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは18.558kg/PS(965kg/52PS)となり、数値としては5.289kg、比率にすると39.9%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

AB43S カルタスのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
1986/06

-
カルタス
14.327kg/PS
745kg/52PS|1.0L-NA
[車体のみPWR:13.269]
2020/02

車種詳細
ヤリス
14.420kg/PS
995kg/69PS|1.0L-NA
車体のみPWR:13.623
2017/05

車種詳細
ミラ イース
14.388kg/PS
705kg/49PS|0.7L-NA
車体のみPWR:13.265
2009/05

車種詳細
セルボ
14.453kg/PS
925kg/64PS|0.7L-TB
車体のみPWR:13.594
2012/11

車種詳細
N-ONE
14.453kg/PS
925kg/64PS|0.7L-TB
車体のみPWR:13.594
2012/09

車種詳細
ワゴンR スティングレー
14.453kg/PS
925kg/64PS|0.7L-TB
車体のみPWR:13.594

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ14.327kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

14.184kg/PSから14.470kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、トヨタの5人乗りハッチバック「KSP210型 ヤリス」、ダイハツの4人乗り軽ハッチバック「LA350S型 ミラ イース」、スズキの4人乗り軽ハッチバック「HG21S型 セルボ」、ホンダの4人乗り軽ミニバン「JG1型 N-ONE」、スズキの4人乗り軽ミニバン「MH34S型 ワゴンR スティングレー」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

AB43S型 カルタス [MR]のライバル車種|14.327kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は75.4PS/tとなっています。


カルタスがバイクと競争するなら…?


車種詳細
KSR-II|79cc
14.200kg/PS
142kg/10.0PS/0.95kgm
[車体のみPWR:8.700]
1速ギヤ速度:27.3km/h
最小TWR:0.828
1986/06

-
カルタス|993cc
14.327kg/PS
745kg/52PS/7.6kgm
[車体のみPWR:13.269]
1速ギヤ速度:37.1km/h
最小TWR:1.626

車種詳細
CBR125R|124cc
14.361kg/PS
191kg/13.3PS/1.02kgm
[車体のみPWR:10.226]
1速ギヤ速度:34.1km/h
最小TWR:1.206

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではカルタスとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

KMX80B KSR-IIと競争してみる

まずカルタスより少しPWRが低いバイクとして、カワサキのKSR-IIが挙げられます。PWRの14.200kg/PSは車両重量87kgにライダーの体重55kgを加えた142kgを、最高出力10.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はKSR-IIに9.8km/h勝り、1速TWRは0.798kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

JC50 CBR125Rと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ホンダのCBR125Rが挙げられます。PWRの14.361kg/PSは車両重量136kg+55kgの191kgを、最高出力13.3PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は3.0km/h勝り、1速TWRは0.420kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.779
平均ピストンスピード 14.12m/s
トルクウェイトレシオ 90.79kg/kgm
1馬力あたりのお値段 19673円
排気量1Lあたり馬力 52.37PS/L
排気量1Lあたりトルク 7.65kgm/L
1気筒あたりの馬力 17.3PS
1気筒あたりのトルク 2.5kgm
パワーバンド比率 36.4%
燃費×馬力 884.0pt
各種ランキング
ハッチバックのPWR
1.0L以下のPWR

トルクウェイトレシオは90.79kg/kgm(690kg/7.6kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が1023000円、最高出力が52馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は19673円、逆に1万円あたりでは0.51馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は134605円、1万円あたりでは0.07kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
スズキ編
1000cc以下の車編
ハッチバック編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は52.37PS/L、トルクは7.65kgm/L、1気筒あたりの馬力は17.3馬力、トルクは2.5kgmとなり、このエンジンが52馬力を5500回転で発生させているときの平均ピストンスピードは14.12m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が77.0mmであるG10型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は7790回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.779になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、走ってよし、曲がってよしで至れり尽くせりのオールラウンダーであると言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が17.00km/L、最高出力が52PSであるこの車の獲得ポイントは884.0ptになります。
戯れに車両重量690kgを100kg単位にした6.9で割ってみたところ、その数値は128.12ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


人間様の占有スペース

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

人間様の占有スペース
室内長×室内幅×室内高 2.574m³
1人あたりのスペース 0.515m³
室内長/全長 47.7%
室内幅/全幅 84.1%
室内高/全高 81.5%
室内容積/車両体積 32.7%

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は2.574m³です。この車の乗車定員は5人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.515m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は47.7%、同じく室内幅と全幅の比率は84.1%、同じく室内高と全高の比率は81.5%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は32.7%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


カルタスでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.319m
期待される荷室の幅 1.200m
対角線の長さ 1.783m
期待される荷室の面積 1.583m²

縦方向の長さが1.319m(対角線では1.783m)しかないとなると、これはもう常識的に考えてかなり厳しい車中泊を強いられます。運転席あるいは助手席を後ろに倒して寝たほうがまだマシかもしれません。

俗に言う体育座りの体勢で横になれば寝られないこともないでしょうが、寝れども寝れども疲れは取れない上に猛烈な腰痛で目を覚ましかねず、実に爽やかな笑顔で「もう二度と車中泊なんてしないよ!」と後日談を語ることになりかねません。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。

車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合5500rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6000回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6000rpm|タイヤサイズ 145/80R12|タイヤ直径 53.7cm|円周長 168.7cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6000rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 3.416 14.99 -
-
41km/h 14810rpm 424.3kgm
2速 1.894 8.31 0.554 1-2/
3320rpm
73km/h 8210rpm 235.2kgm
3速 1.280 5.62 0.676 2-3/
4060rpm
108km/h 5550rpm 159.0kgm
4速 0.914 4.01 0.714 3-4/
4280rpm
151km/h 3960rpm 113.5kgm
5速 0.757 3.32 0.828 4-5/
4970rpm
183km/h 3280rpm 94.0kgm
Final 4.388 レシオカバレッジ(変速比幅)4.513

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数3500rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.388)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(7.6kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.388)÷タイヤの有効半径(0.2685m)で算出。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は5速ギヤの183km(5500rpmでは167.6km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが3500回転で最大トルク7.6kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば90.79kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(13.269kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと424.3kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(690kg)を1速ギヤの最大駆動力(424.3kgm)で割ってみると1.626kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する5500回転でのトルク(6.8kgm)からTWRを算出すると1.818kg/kgmとなり、3500-5500回転の回転域では1.626-1.818kg/kgmの間で推移することがわかります。


おまけ:5500rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

AB43S型カルタスに搭載されたG10型993ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する5500rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

5500rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ37km/h-
2速ギヤ67km/h3050rpm
3速ギヤ99km/h3720rpm
4速ギヤ139km/h3930rpm
5速ギヤ168km/h4550rpm

まず1速ギヤで5500rpmまで引っ張ると37km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は5500rpmから3050rpmまで落ち、そこから5500rpmまで加速を続けると速度は67km/h(+30km/h)になります。

3速ギヤでは3720rpmまで落ちて5500rpmで99km/h(+32km/h)に、4速ギヤでは3930rpmまで落ちて5500rpmで139km/h(+40km/h)に、5速ギヤでは4550rpmまで落ちて5500rpmで168km/h(+29km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 5920 8890 11850 14810 17770 20730 26660
2速 3280 4930 6570 8210 9850 11490 14780
3速 2220 3330 4440 5550 6660 7770 9990
4速 1580 2380 3170 3960 4750 5550 7130
5速 1310 1970 2630 3280 3940 4590 5910
※赤い数字は暫定レブリミット(6000rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.757)を選択して時速100kmにて走行すると3280回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1970回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは2300回転、一般的な高速道路の80km/hでは2630回転、100km/hでは3280回転、制限速度が120km/hになると3940回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは5910回転まで回ります。

時速100kmでの巡航回転数が3000回転を超えるようになってくると、ややパワーが心許ないとか、荷物や人を多く乗せる車であるとか、より鋭い加速を得たい場合のギヤ比ではないかと思います。エンジンのレイアウト(直列3気筒とか)によっては独特の振動が生じたりするので不快感を覚えるようになるかもしれません。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 7 14 20 27 34 41 47 54
2速 12 24 37 49 61 73 85 97
3速 18 36 54 72 90 108 126 144
4速 25 50 76 101 126 151 177 202
5速 30 61 91 122 152 183 213 244

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6000回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの145/80R12と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 145/80R12 | 直径 537mm

-20mm
幅125mm
-10mm
幅135mm
変更なし
幅145mm
+10mm
幅155mm
+20mm
幅165mm
-5%
75
扁平
125/75R12
36.7km/h
直径493mm
径差-44mm
135/75R12
37.8km/h
直径508mm
径差-29mm
145/75R12
39.0km/h
直径523mm
径差-14mm
155/75R12
40.1km/h
直径538mm
径差+1mm
165/75R12
41.2km/h
直径553mm
径差+16mm
0%
80
扁平
125/80R12
37.6km/h
直径505mm
径差-32mm
135/80R12
38.8km/h
直径521mm
径差-16mm
145/80R12
40.0km/h
537mm
0mm
155/80R12
41.2km/h
直径553mm
径差+16mm
165/80R12
42.4km/h
直径569mm
径差+32mm
+5%
85
扁平
125/85R12
38.6km/h
直径518mm
径差-19mm
135/85R12
39.9km/h
直径535mm
径差-2mm
145/85R12
41.1km/h
直径552mm
径差+15mm
155/85R12
42.4km/h
直径569mm
径差+32mm
165/85R12
43.6km/h
直径586mm
径差+49mm
+10%
90
扁平
125/90R12
39.5km/h
直径530mm
径差-7mm
135/90R12
40.8km/h
直径548mm
径差+11mm
145/90R12
42.2km/h
直径566mm
径差+29mm
155/90R12
43.5km/h
直径584mm
径差+47mm
165/90R12
44.8km/h
直径602mm
径差+65mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、125/85R12 、135/80R12、135/85R12 、145/75R12 あたりのタイヤがおすすめです。

145/80R12のタイヤ幅を125mmから175mmまで、扁平率を65%から95%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、145/80R12の適応サイズと性能の変化 [AB43S型カルタス編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】145/80R12のタイヤ銘柄と通販価格

AB43S型カルタス[1.0L-NA FF/5MT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト13.269kg/ps40.42
1速ギヤ加速性能1.626kg/kgm48.93
1L換算馬力52.37ps/L33.66
1L換算トルク7.65kgm/L27.80
WB/TR比1.77949.38
ワイド&ロー指数0.87451.36
前面の面積2.086m²65.15
最低地上高180mm39.63
スポーツ性能部門の得点356.33

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
10-15燃費20.0km/L65.25
年間維持費222500円59.54
100kmh回転数3280rpm39.63
航続距離660.0km46.90
車の大きさ7.863m³35.77
室内の広さ2.574m³41.97
最小回転半径4.7m59.59
馬力単価19673円52.48
ユーティリティ部門の得点401.13

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した AB43S型カルタス[1.0L-NA FF/5MT] の総合得点は 757.46 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したAB43S型カルタス(FF/5MT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのハッチバック」、「1000ccのハッチバック」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

カルタスの歴代モデル

3代目 GC41W型 カルタス ワゴン
GC41W カルタス ワゴンは1998/05に登場した3代目モデル。参考車両の「1.8TZ」は全長4375mm、全幅1690mm、全高1460mmの車体に、135PS/16.0kgmを発生するJ18A型1839ccエンジンを搭載した5人乗りワゴン。

2代目 AJ14S型 カルタス エスティーム
AJ14S カルタス エスティームは1989/06に登場した2代目モデル。参考車両の「XG」は全長4075mm、全幅1600mm、全高1380mmの車体に、100PS/13.5kgmを発生するG16A型1590ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

初代 AA33S型 カルタス GT-i
AA33S カルタス GT-iは1983/10に登場した初代モデル。参考車両の「GT-i」は全長3670mm、全幅1545mm、全高1350mmの車体に、97PS/11.2kgmを発生するG13B型1298ccエンジンを搭載した5人乗りハッチバック。