VAB:WRX STIの性能と維持費 4WD/6MT 5人 711万円 2017年式

このページでは、スバル(富士重工業)の4ドア・5人乗りセダン、初代のCBA-VAB型WRX STI S208 NBR【2017/10モデル・329PS/44.1kgm・4WD/MT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

VAB WRX STI
販売期間:2014/08 - 2020/04

画像はスバル(富士重工業)より引用
http://www.subaru.jp/
投稿:2018/01/12|更新:2019/09/26

ボディサイズが全長4635mm×全幅1795mm×全高1470mm、排気量は1994ccであることから、大雑把に分類すると2.0リットルクラス(2000cc、自動車税は2.0L以下を適用)に属し、全長、全高、排気量は5ナンバー枠ながら全幅が1.7mを超えていることにより3ナンバー登録になります。この手のタイプはいわゆる世界戦略車(グローバルカー)に多くあるようです。
参考:300PS~350PSの自動車 一覧

駆動方式には車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆる四輪駆動(All Wheel Drive・AWD・Four Wheel Drive・4WDとも)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4635mmであるこの車の場合は「ミディアム」(Medium:4300mm超-4650mm以下・Dセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


VAB型 WRX STI [1994cc/329PS 4WD/6MT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

初代WRX STIの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2018/07
VAB型
[type RA-R]
2.0L-TB・4WD/6MT・499.8万円
329PS・44.1kgm・-
329PS
44.1kgm
-
2017/10
VAB型
[S208]
2.0L-TB・4WD/6MT・689.0万円
329PS・44.1kgm・-
329PS
44.1kgm
-
2015/10
VAB型
[S207 NBR STI]
2.0L-TB・4WD/6MT・631.8万円
328PS・44.0kgm・-
328PS
44.0kgm
-
初代 WRX 型式一覧 VA系まとめ 2014-2021【全9車種】
WRX STIの新型モデル
2代目 VBH型WRX S4
VBH型WRX S4は2021/11に登場した2代目モデル。参考車両の「STI Sport-R」は全長4670mm、全幅1825mm、全高1465mmの車体に、275PS/38.2kgmを発生するFA24型2387ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー スバル(富士重工業)
車名&
グレード
WRX STI
S208 NBR
その他 標準仕様は100台限定 NBRは350台限定 [NBR Challenge Package Carbon Trunk Lip/Carbon Rear Wing]
お値段 7106400円
車両型式 CBA-VAB
駆動方式
変速機
4WD・四輪駆動(AWD)
6速MT・6速マニュアル車
ドア/定員 4ドア/5名乗車
車体寸法 長4635×幅1795×高1470mm
室内寸法 長2005×幅1490×高1205mm
軸距&
輪距
2650mm
前1535mm/後1550mm
最小半径 5.6m
最低高 135mm
タイヤ 前輪:255/35R19
後輪:255/35R19
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 1510kg
エンジン諸元
原動機型式 EJ20
気筒配列 水平対向4気筒
排気量1994cc
圧縮比8.0
吸気方式 ターボ
最高出力 329PS[242kW]/7200rpm
最大トルク 44.1kgm[432Nm]/3200-4800rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
EJ20型の過給エンジン諸元と性能
水平対向4気筒とは‥シリンダを左右交互で水平に4個配置する方式。特徴的なドロドロ音も今は昔の物語。
水平対向4気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税39500円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税16400円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額5500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2017/10モデルのWRX STIを7年落ちの中古で547.1万円にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    WRX STIの2017/10モデルの場合、2024年現在では7年が経過しているため、新車価格の70%である497.448万円に諸経費として49.7万円を足した547.1万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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2017年式を7年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 2000cc以下 13年未満 39500円
自動車重量税(1年分) 2.0トン以下 13年未満 16400円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷8.3km/L×185円/L 222890円
オイル交換(5000km毎) 1回5500円×2回 11000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本21000円×4本÷5年 16800円
任意保険料(月額5500円) 月額5500円×12ヶ月 66000円
ローン完済後の年間維持費 381500円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額91200円×12ヶ月 1094400円
ローン返済中の年間維持費 1475900円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 53500円
名目 金額
自動車税(1年分) 39500円
自動車重量税(1年分) 16400円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
222890円
(156020円)
(111450円)
(66870円)
オイル交換(5000km毎) 11000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 16800円
任意保険料(月額5500円) 66000円
ローン完済後の年間維持費 381500円
名目 金額
車のローン額(1年分) 1094400円
ローン返済中の年間維持費 1475900円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
53500円
  • 初度登録から7年経過車の場合、「2000cc以下で13年未満」クラスの自動車税は39500円、「2.0トン以下で13年未満」クラスの自動車重量税は16400円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに5500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本21000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額5500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 10・15モード燃費、JC08モード燃費、WLTCモード燃費いずれもデータがないので10.0km/Lを仮の燃費として代入。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした53500円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

このあたりのクラスから理想と現実の違い、つまり「乗りたい車」と「乗ることができる車」は違うことを思い知らされます。うっかり手を出せば「いっ…維持費が高すぎて息ができん!フーッ!フーッ!」と目を白黒させることになりかねません。

さて、WRX STI【S208 NBR】の場合、維持費の月額は31800円になります。金銭的にシビアな人からは「車なんてどれもタイヤが4つあるだけなのに、なんでこんなにお金の掛かる車に乗ってるんだ…修行か…」と奇異の目で見られていることでしょう。でも良いんです。愛さえあれば。

WRX STIの維持費は高い?安い?

「WRX STIの年間維持費は381500円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「2000ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてWRX STIの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いプリウス189800円-191700円
ヴォクシー ハイブリッド227000円-154500円
スイフト スポーツ275300円-106200円
シビック タイプR312300円-69200円
基準2000ccクラス平均316600円-64900円
アコード345200円-36300円
WRX STIの維持費381500円
エクスプローラー413900円+32400円
高いBX484900円+103400円

WRX STIの年間維持費を、2000ccクラスで最も維持費が安いプリウスと比較して191700円高く、最も高いBXと比較して103400円安く、2000ccクラスの平均維持費との比較では64900円高くなっています。

最低額のプリウスと最高額のBXは極端な例としても、2000ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、WRX STIの維持費は まあまあ高い! と言えそうです。

年間維持費が安い 2000ccクラスの車 ランキング

WRX STIを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%500万円42万円33万円
15%330万円28万円22万円
20%250万円21万円17万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は500万円(総支給額42万円/月、手取り33万円/月)、ここから月額維持費3.2万円を支払うと残りは29.8万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は330万円(総支給額28万円/月、手取り22万円/月)、3.2万円を支払うと残りは18.8万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が250万円(総支給額21万円/月、手取り17万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。3.2万円を引くと残りは13.8万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代23万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり185円を基準として、-50円となる135円から、+50円となる235円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費8.3km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
135円/L
162670円
[-60220円]
-25円
160円/L
192790円
[-30100円]
-10円
175円/L
210860円
[-12030円]
185円/L222890円
[0円]
+10円
195円/L
234960円
[+12070円]
+25円
210円/L
253030円
[+30140円]
+50円
235円/L
283160円
[+60270円]

燃費8.3km/LのVAB型 WRX STIで10000km走行するのに必要な燃料は1204.9L、1リットルあたり185円としたときの燃料代は222890円になります。

参考までに、WRX STIの燃料タンクは60リットルですので、1204.9Lの給油回数は21回、1回あたりの燃料代は約10620円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては12070円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると30140円、50円も違ってくると60270円にもなります。

これをVAB型 WRX STIの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり185円の場合を381500円としたとき、135円/Lに値下がりすれば321280円(84.2%)に、235円/Lに値上がりすれば441770円(115.8%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(39500円)なり重量税(16400円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 39500円 20%
自動車重量税 1年分 16400円 8%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 3000km分 66870円 33%
オイル交換 年1回 5500円 3%
タイヤ交換 6年毎 11200円 6%
任意保険料 80% 52800円 26%
合計
[1万kmとの差額]
201100円
-180400円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 39500円 16%
自動車重量税 1年分 16400円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 5000km分 111450円 45%
オイル交換 年1回 5500円 2%
タイヤ交換 6年毎 11200円 4%
任意保険料 85% 56160円 22%
合計
[1万kmとの差額]
249100円
-132400円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 39500円 13%
自動車重量税 1年分 16400円 5%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 7000km分 156020円 52%
オイル交換 年1回 7700円 3%
タイヤ交換 6年毎 11200円 4%
任意保険料 90% 59400円 20%
合計
[1万kmとの差額]
299100円
-82400円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料66000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて180400円安い201100円に、5000km走行では132400円安い249100円に、7000km走行では82400円安い299100円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 39500円 8%
自動車重量税 1年分 16400円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 15000km分 334340円 64%
オイル交換 年3回 33000円 6%
タイヤ交換 2.7年毎 25200円 5%
任意保険料 100% 66000円 12%
合計
[1万kmとの差額]
523300円
+141800円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 39500円 6%
自動車重量税 1年分 16400円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 445780円 68%
オイル交換 年4回 44000円 7%
タイヤ交換 2年毎 33600円 5%
任意保険料 100% 66000円 10%
合計
[1万kmとの差額]
654200円
+272700円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
スバルの小型車&普通車編
2000cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
4ドア・セダン編

WRX STIの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
暫定基準燃費 8.3km/L
燃料タンク容量 60L
航続距離(カタログ燃費) 498.0km
航続距離(80%燃費) 396.0km
満タンプライス 11100円
1km走行コスト 22.29円
1万円でどこまで行ける? km

10・15モード燃費、JC08モード燃費、WLTPモード燃費ともにデータがないので8.3km/Lを仮の燃費とすると、、燃料タンク容量60リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は498.0kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(7.5km/L)とすると航続距離は450.0km、80%(6.6km/L)だと396.0km、70%(5.8km/L)では348.0kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から60リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり185円では11100円、上で計算した航続距離を踏まえると498.0km(80%燃費時396.0km)を走行するのに11100円かかる計算です。

燃費を8.3km/Lとしたときの1km走行コストは22.29円、10万km走行したときの燃料代は万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら万円/年、7年10万kmなら万円/年、5年10万kmなら万円/年、3年10万kmなら万円/年となります。


カタログデータから見えてくる要素

EJ20型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
3200回転時の馬力 197PS
4800回転時の馬力 296PS
7200回転時の馬力 329PS
各回転域でのトルク
3200回転時のトルク 44.1kgm
4800回転時のトルク 44.1kgm
7200回転時のトルク 32.7kgm
EJ20型の過給エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているEJ20型1994cc、水平対向4気筒のターボエンジンは7200回転時に最高出力329馬力を、3200-4800回転時に最大トルク44.1kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する3200rpmから最高出力が発生する7200rpmまで」の4000rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は55.6%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
2000cc以下クラス編
スバルの小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
2000cc以下クラス編
スバルの小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ4.590kg/PS(1510kg/329PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ4.590kg/PS
車体+1人4.757kg/PS
車体+5人5.426kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg4.772kg/PS
車体+70kg4.802kg/PS
車体+80kg4.833kg/PS
車体+90kg4.863kg/PS
車体+100kg4.894kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは4.757kg/PS(1565kg/329PS)となり、数値としては0.167kg、比率にすると3.6%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは5.426kg/PS(1785kg/329PS)となり、数値としては0.836kg、比率にすると18.2%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

VAB WRX STIのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2017/10

-
WRX STI
4.757kg/PS
1565kg/329PS|2.0L-TB
[車体のみPWR:4.590]
2015/12

車種詳細
シビック タイプR
4.629kg/PS
1435kg/310PS|2.0L-TB
車体のみPWR:4.452
2010/01

車種詳細
インプレッサ R205
4.766kg/PS
1525kg/320PS|2.0L-TB
車体のみPWR:4.594
2020/09

車種詳細
GRヤリス
4.798kg/PS
1305kg/272PS|1.7L-TB
車体のみPWR:4.596
2011/01

車種詳細
インプレッサ WRX
4.951kg/PS
1525kg/308PS|2.0L-TB
車体のみPWR:4.773
2008/01

車種詳細
フェアレディZ
4.936kg/PS
1545kg/313PS|3.5L-NA
車体のみPWR:4.760

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ4.757kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

4.519kg/PSから4.995kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、ホンダの4人乗りハッチバック「FK2型 シビック タイプR」、スバルの5人乗りハッチバック「GRB型 インプレッサ R205」、トヨタの4人乗りハッチバック「GXPA16型 GRヤリス」、スバルの5人乗りセダン「GVB型 インプレッサ WRX」、日産の2人乗りクーペ「Z33型 フェアレディZ」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

VAB型 WRX STI [S208 NBR]のライバル車種|4.757kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は217.9PS/tとなっています。


WRX STIがバイクと競争するなら…?


車種詳細
GSX400 インパルス|399cc
4.755kg/PS
252kg/53.0PS/3.80kgm
[車体のみPWR:3.717]
1速ギヤ速度:64.5km/h
最小TWR:0.807
2017/10

-
WRX STI|1994cc
4.757kg/PS
1565kg/329PS/44.1kgm
[車体のみPWR:4.590]
1速ギヤ速度:63.3km/h
最小TWR:0.798

車種詳細
XJR400R|399cc
4.774kg/PS
253kg/53.0PS/3.60kgm
[車体のみPWR:3.736]
1速ギヤ速度:62.3km/h
最小TWR:0.826

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではWRX STIとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

GK79A GSX400 インパルスと競争してみる

まずWRX STIより少しPWRが低いバイクとして、スズキのGSX400 インパルスが挙げられます。PWRの4.755kg/PSは車両重量197kgにライダーの体重55kgを加えた252kgを、最高出力53.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はGSX400 インパルスに1.2km/h劣り、1速TWRは0.009kg勝る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

RH02J XJR400Rと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ヤマハのXJR400Rが挙げられます。PWRの4.774kg/PSは車両重量198kg+55kgの253kgを、最高出力53.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は1.0km/h勝り、1速TWRは0.028kg勝る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.717
平均ピストンスピード 18.00m/s
トルクウェイトレシオ 34.24kg/kgm
1馬力あたりのお値段 21600円
排気量1Lあたり馬力 164.99PS/L
排気量1Lあたりトルク 22.12kgm/L
1気筒あたりの馬力 82.2PS
1気筒あたりのトルク 11.0kgm
パワーバンド比率 55.6%
燃費×馬力 No data
各種ランキング
セダンのPWR
1.8~2.0Lターボ車のPWR

トルクウェイトレシオは34.24kg/kgm(1510kg/44.1kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が7106400円、最高出力が329馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は21600円、逆に1万円あたりでは0.46馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は161143円、1万円あたりでは0.06kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
スバル編
2000cc以下の車編
セダン編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は164.99PS/L、トルクは22.12kgm/L、1気筒あたりの馬力は82.2馬力、トルクは11.0kgmとなり、このエンジンが329馬力を7200回転で発生させているときの平均ピストンスピードは18.00m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が75.0mmであるEJ20型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は8000回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.717になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと小回りを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

人間様の占有スペース

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

人間様の占有スペース
室内長×室内幅×室内高 3.600m³
1人あたりのスペース 0.720m³
室内長/全長 43.3%
室内幅/全幅 83.0%
室内高/全高 82.0%
室内容積/車両体積 29.4%

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は3.600m³です。この車の乗車定員は5人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.720m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は43.3%、同じく室内幅と全幅の比率は83.0%、同じく室内高と全高の比率は82.0%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は29.4%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


WRX STIでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.622m
期待される荷室の幅 1.390m
対角線の長さ 2.136m
期待される荷室の面積 2.255m²

縦方向の長さが1.622m(対角線では2.136m)ともなると、もはや車の中で生活しても良いんじゃないかと錯覚しかねないほど快適な睡眠が約束されます。

日頃の行いが悪いとか、人様には言えないことをやらかしたとか、誰の顔も見たくないなどの訳アリで家に帰れず、やむなく車中泊をしてみたが最期、あまりの気楽さに心を奪われ流浪の民となりかねません。

セダンやクーペであっても後部座席の背もたれを取り外してトランクルームと貫通させて荷室長を確保すれば良いだけの話です。たまに背もたれを取り外してもトランクルームと繋がっていなかったり、頑強な補強バーが入っていて邪魔されることもありますが、恐らく稀なケースです。

車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合7200rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした7700回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 7700rpm|タイヤサイズ 255/35R19|タイヤ直径 66.1cm|円周長 207.7cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
7700rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 3.636 14.18 -
-
68km/h 11380rpm 1892.2kgm
2速 2.375 9.26 0.653 1-2/
5030rpm
104km/h 7430rpm 1235.9kgm
3速 1.761 6.87 0.741 2-3/
5710rpm
140km/h 5510rpm 916.4kgm
4速 1.346 5.25 0.764 3-4/
5880rpm
183km/h 4210rpm 700.4kgm
5速 1.062 4.14 0.789 4-5/
6080rpm
232km/h 3320rpm 552.7kgm
6速 0.842 3.28 0.793 5-6/
6110rpm
292km/h 2640rpm 438.2kgm
Final 3.900 レシオカバレッジ(変速比幅)4.318

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数3200-4800rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.900)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(44.1kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.900)÷タイヤの有効半径(0.3305m)で算出。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は6速ギヤの292km(7200rpmでは273.2km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが3200-4800回転で最大トルク44.1kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば34.24kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(4.590kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと1892.2kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1510kg)を1速ギヤの最大駆動力(1892.2kgm)で割ってみると0.798kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する7200回転でのトルク(32.7kgm)からTWRを算出すると1.076kg/kgmとなり、3200-7200回転の回転域では0.798-1.076kg/kgmの間で推移することがわかります。


おまけ:7200rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

VAB型WRX STIに搭載されたEJ20型1994ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する7200rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

7200rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ63km/h-
2速ギヤ97km/h4700rpm
3速ギヤ131km/h5340rpm
4速ギヤ171km/h5500rpm
5速ギヤ217km/h5680rpm
6速ギヤ273km/h5710rpm

まず1速ギヤで7200rpmまで引っ張ると63km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は7200rpmから4700rpmまで落ち、そこから7200rpmまで加速を続けると速度は97km/h(+34km/h)になります。

3速ギヤでは5340rpmまで落ちて7200rpmで131km/h(+34km/h)に、4速ギヤでは5500rpmまで落ちて7200rpmで171km/h(+40km/h)になります。

続いて5速ギヤでは5680rpmまで落ちて7200rpmで217km/h(+46km/h)に、6速ギヤでは5710rpmまで落ちて7200rpmで273km/h(+56km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4550 6830 9100 11380 13650 15930 20480
2速 2970 4460 5950 7430 8920 10410 13380
3速 2200 3310 4410 5510 6610 7720 9920
4速 1680 2530 3370 4210 5050 5900 7580
5速 1330 1990 2660 3320 3990 4650 5980
6速 1050 1580 2110 2640 3160 3690 4740
※赤い数字は暫定レブリミット(7700rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.842)を選択して時速100kmにて走行すると2640回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1580回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1840回転、一般的な高速道路の80km/hでは2110回転、100km/hでは2640回転、制限速度が120km/hになると3160回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは4740回転まで回ります。

一般的な自動車であれば時速100kmでの巡航回転数は2500回転付近に落ち着くようですが、その中でも若干高めの回転数となっています。標準的なギヤ比の範囲内ながらも静粛性や燃費よりも加速に重きを置いた設定なので、高速道路やバイパスを走行するとき、ふと「もう1段上のギヤがあったらなあ‥」と呟くことがあるかもしれません。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 9 18 26 35 44 53 62 70
2速 13 27 40 54 67 81 94 108
3速 18 36 54 73 91 109 127 145
4速 24 47 71 95 119 142 166 190
5速 30 60 90 120 150 181 211 241
6速 38 76 114 152 190 228 266 304

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(7700回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの255/35R19と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 255/35R19 | 直径 661mm

-20mm
幅235mm
-10mm
幅245mm
変更なし
幅255mm
+10mm
幅265mm
+20mm
幅275mm
-5%
30
扁平
235/30R19
37.8km/h
直径624mm
径差-37mm
245/30R19
38.1km/h
直径630mm
径差-31mm
255/30R19
38.5km/h
直径636mm
径差-25mm
265/30R19
38.9km/h
直径642mm
径差-19mm
275/30R19
39.2km/h
直径648mm
径差-13mm
0%
35
扁平
235/35R19
39.2km/h
直径648mm
径差-13mm
245/35R19
39.6km/h
直径655mm
径差-6mm
255/35R19
40.0km/h
661mm
0mm
265/35R19
40.5km/h
直径669mm
径差+8mm
275/35R19
40.9km/h
直径676mm
径差+15mm
+5%
40
扁平
235/40R19
40.6km/h
直径671mm
径差+10mm
245/40R19
41.1km/h
直径679mm
径差+18mm
255/40R19
41.6km/h
直径687mm
径差+26mm
265/40R19
42.1km/h
直径695mm
径差+34mm
275/40R19
42.5km/h
直径703mm
径差+42mm
+10%
45
扁平
235/45R19
42.1km/h
直径695mm
径差+34mm
245/45R19
42.6km/h
直径704mm
径差+43mm
255/45R19
43.1km/h
直径713mm
径差+52mm
265/45R19
43.7km/h
直径722mm
径差+61mm
275/45R19
44.2km/h
直径731mm
径差+70mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、235/35R19 、245/30R19、245/35R19 、255/30R19 、265/30R19 、275/30R19あたりのタイヤがおすすめです。

255/35R19のタイヤ幅を235mmから285mmまで、扁平率を20%から50%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、255/35R19の適応サイズと性能の変化 [VAB型WRX STI編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】255/35R19のタイヤ銘柄と通販価格

VAB型WRX STI[2.0Lターボ 4WD/6MT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト4.590kg/ps64.17
1速ギヤ加速性能0.798kg/kgm66.62
1L換算馬力164.99ps/L72.44
1L換算トルク22.12kgm/L69.19
WB/TR比1.71755.77
ワイド&ロー指数0.81955.34
前面の面積2.639m²49.67
最低地上高135mm57.93
スポーツ性能部門の得点491.13

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
燃費-41.40
年間維持費381500円44.97
100kmh回転数2640rpm48.08
航続距離-26.05
車の大きさ12.230m³53.07
室内の広さ3.600m³51.73
最小回転半径5.6m41.22
馬力単価21600円49.95
ユーティリティ部門の得点356.47

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した VAB型WRX STI[2.0Lターボ 4WD/6MT] の総合得点は 847.60 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したVAB型WRX STI(4WD/6MT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのセダン」、「2000ccのセダン」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

WRX STIの歴代モデル

2代目 VBH型 WRX S4
VBH WRX S4は2021/11に登場した2代目モデル。参考車両の「STI Sport-R」は全長4670mm、全幅1825mm、全高1465mmの車体に、275PS/38.2kgmを発生するFA24型2387ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

初代 VAB型 WRX STI
VAB WRX STIは2014/08に登場した初代モデル。参考車両の「S207 NBR STI」は全長4635mm、全幅1795mm、全高1470mmの車体に、328PS/44.0kgmを発生するEJ20型1994ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。