970 パナメーラの性能と維持費 FR/8AT 4人 1483万円 2011年式

このページでは、ポルシェの5ドア・4人乗りセダン、初代の970型パナメーラ Panamera-S Hybrid【2011/06モデル・333PS/44.9kgm・FR/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

970 パナメーラ
販売期間:2009/03 - 2016/07

画像はポルシェより引用
http://www.porsche.com/japan/jp/
投稿:2012/01/23|更新:2019/09/26

ボディサイズが全長4970mm×全幅1930mm×全高1420mm、排気量は2994ccであることから、大雑把に分類すると3.0リットルクラス(3000cc、自動車税は3.0L以下を適用)に属し、全長、全幅、排気量ともに5ナンバー枠を超えていることにより完全無欠の3ナンバー登録車です。いわゆる【高級車】にカテゴライズされます。
参考:300PS~350PSの自動車 一覧

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、後輪のみを駆動する、フロントエンジン・リヤドライブ方式(後輪駆動・FR・RWDとも)を採用しています。前輪は操舵、後輪は駆動と役割分担が異なることから優れたハンドリングを得られるとされ、運転の質を求める人々から絶大なる支持を集めます。高級車の代名詞的な駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4970mmであるこの車の場合は「ラグジュアリー」(Luxury:4900mm超・Fセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


970型 パナメーラ [2994cc/333PS FR/8AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

No Data
タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
No Data
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

初代パナメーラの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2011/11
970型
[Panamera-GTS]
4.8L-NA・4WD/7AT・1554.0万円
430PS・53.0kgm・-
430PS
53.0kgm
-
2011/06
970M48A型
[Panamera-Turbo]
4.8L-TB・4WD/7AT・2086.0万円
500PS・71.4kgm・-
500PS
71.4kgm
-
2011/06
970M46型
[Panamera-4]
3.6L-NA・4WD/7AT・1066.0万円
300PS・40.8kgm・-
300PS
40.8kgm
-
初代パナメーラの車両型式・グレード一覧【全9車種】
パナメーラの新型モデル
2代目 G2NR型パナメーラ
G2NR型パナメーラは2016/07に登場した2代目モデル。参考車両の「GTS」は全長5053mm、全幅1937mm、全高1417mmの車体に、480PS/63.2kgmを発生する3996ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー ポルシェ
車名&
グレード
パナメーラ
Panamera-S Hybrid
その他 970 パナメーラS ハイブリッド
お値段 14830000円
車両型式 970
駆動方式
変速機
FR・後輪駆動(RWD,2WD)
8速AT・8速オートマ車
ドア/定員 5ドア/4名乗車
車体寸法 長4970×幅1930×高1420mm
軸距 2920mm
タイヤ 前輪:245/50R18
後輪:275/45R18
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 1980kg
エンジン諸元
原動機型式 不明
気筒配列 V型6気筒+モーター
排気量2994cc
吸気方式 スーパーチャージャー
最高出力 333PS[245kW]/5500rpm
最大トルク 44.9kgm[440Nm]/3000-5250rpm
使用燃料 ハイオクガソリン

V型6気筒とは‥シリンダをV字型に交互で6個配置する方式。中排気量のスタンダード。モーターを組み合わせることでハイブリッドカーとなります。
これまでに登場したハイブリッドカーの一覧
V型6気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税58600円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税22800円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額6500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2011/06モデルのパナメーラを13年落ちの中古で652.5万円にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    パナメーラの2011/06モデルの場合、2024年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の40%である593.2万円に諸経費として59.3万円を足した652.5万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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2011年式を13年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 3000cc以下 13年経過 58600円
自動車重量税(1年分) 2.0トン以下 13年-17年経過 22800円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷6.2km/L×190円/L 306450円
オイル交換(5000km毎) 1回6500円×2回 13000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本18000円×4本÷5年 14400円
任意保険料(月額6500円) 月額6500円×12ヶ月 78000円
ローン完済後の年間維持費 502100円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額108750円×12ヶ月 1305000円
ローン返済中の年間維持費 1807100円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 66300円
名目 金額
自動車税(1年分) 58600円
自動車重量税(1年分) 22800円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
306450円
(214520円)
(153230円)
(91940円)
オイル交換(5000km毎) 13000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 14400円
任意保険料(月額6500円) 78000円
ローン完済後の年間維持費 502100円
名目 金額
車のローン額(1年分) 1305000円
ローン返済中の年間維持費 1807100円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
66300円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「3000cc以下で13年経過」クラスの自動車税は58600円、「2.0トン以下で13年-17年経過」クラスの自動車重量税は22800円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに6500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本18000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額6500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 10・15モード燃費、JC08モード燃費、WLTCモード燃費いずれもデータがないので10.0km/Lを仮の燃費として代入。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした66300円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

年間の維持費が50万円を超えてくると、これはもうこの車そのものが趣味の世界です。もしくは、これだけの維持費が掛かる車を所有していることに喜びを感じ、ある種のカタルシスを感じているかもしれません。

名にし負うパナメーラともなれば、その維持費は月額でさえ41900円(ローン完済前は150600円)という破格の金額。とてもじゃないが頭金0円!一世一代のフルローン!で乗るような車ではありません。どうしても乗りたい言うなら、清水の舞台から飛び降りる覚悟でご近所をノロノロ運転して満足するか、盆栽としてガレージに飾っておくならまあ、あるいは…

パナメーラの維持費は高い?安い?

「パナメーラの年間維持費は502100円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「3000ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてパナメーラの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いハイエース バン266980円-235120円
GLS327100円-175000円
グランエース342500円-159600円
スカイライン369100円-133000円
基準3000ccクラス平均402100円-100000円
アリスト439900円-62200円
スカイラインGT-R466200円-35900円
パナメーラの維持費502100円
X5503300円+1200円
高いXM ワゴン600800円+98700円

パナメーラの年間維持費を、3000ccクラスで最も維持費が安いハイエース バンと比較して235120円高く、最も高いXM ワゴンと比較して98700円安く、3000ccクラスの平均維持費との比較では100000円高くなっています。

最低額のハイエース バンと最高額のXM ワゴンは極端な例としても、3000ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、パナメーラの維持費は かなり高い! と言えそうです。

年間維持費が安い 3000ccクラスの車 ランキング

パナメーラを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%650万円55万円43万円
15%440万円37万円29万円
20%330万円28万円22万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は650万円(総支給額55万円/月、手取り43万円/月)、ここから月額維持費4.2万円を支払うと残りは38.8万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は440万円(総支給額37万円/月、手取り29万円/月)、4.2万円を支払うと残りは24.8万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が330万円(総支給額28万円/月、手取り22万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。4.2万円を引くと残りは17.8万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代31万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり190円を基準として、-50円となる140円から、+50円となる240円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費6.2km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
140円/L
225820円
[-80630円]
-25円
165円/L
266150円
[-40300円]
-10円
180円/L
290340円
[-16110円]
190円/L306450円
[0円]
+10円
200円/L
322600円
[+16150円]
+25円
215円/L
346800円
[+40350円]
+50円
240円/L
387120円
[+80670円]

燃費6.2km/Lの970型 パナメーラで10000km走行するのに必要な燃料は1613L、1リットルあたり190円としたときの燃料代は306450円になります。

参考までに、パナメーラの燃料タンクは80リットルですので、1613Lの給油回数は21回、1回あたりの燃料代は約14600円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては16150円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると40350円、50円も違ってくると80670円にもなります。

これを970型 パナメーラの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり190円の場合を502100円としたとき、140円/Lに値下がりすれば421470円(83.9%)に、240円/Lに値上がりすれば582770円(116.1%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(58600円)なり重量税(22800円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 58600円 22%
自動車重量税 1年分 22800円 9%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 3000km分 91940円 35%
オイル交換 年1回 6500円 2%
タイヤ交換 6年毎 9600円 4%
任意保険料 80% 62400円 25%
合計
[1万kmとの差額]
260700円
-241400円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 58600円 18%
自動車重量税 1年分 22800円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 5000km分 153230円 47%
オイル交換 年1回 6500円 2%
タイヤ交換 6年毎 9600円 3%
任意保険料 85% 66360円 20%
合計
[1万kmとの差額]
326000円
-176100円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 58600円 15%
自動車重量税 1年分 22800円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 7000km分 214520円 54%
オイル交換 年1回 9100円 2%
タイヤ交換 6年毎 9600円 2%
任意保険料 90% 70200円 19%
合計
[1万kmとの差額]
393700円
-108400円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料78000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて241400円安い260700円に、5000km走行では176100円安い326000円に、7000km走行では108400円安い393700円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 58600円 9%
自動車重量税 1年分 22800円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 15000km分 459680円 67%
オイル交換 年3回 39000円 6%
タイヤ交換 2.7年毎 21600円 3%
任意保険料 100% 78000円 11%
合計
[1万kmとの差額]
688600円
+186500円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 58600円 7%
自動車重量税 1年分 22800円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 612900円 71%
オイル交換 年4回 52000円 6%
タイヤ交換 2年毎 28800円 3%
任意保険料 100% 78000円 9%
合計
[1万kmとの差額]
862000円
+359900円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
輸入車・外車の小型車&普通車編
3000cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
4ドア・セダン編

パナメーラの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
暫定基準燃費 6.2km/L
燃料タンク容量 80L
航続距離(カタログ燃費) 496.0km
航続距離(80%燃費) 400.0km
満タンプライス 15200円
1km走行コスト 30.65円
1万円でどこまで行ける? km

10・15モード燃費、JC08モード燃費、WLTPモード燃費ともにデータがないので6.2km/Lを仮の燃費とすると、、燃料タンク容量80リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は496.0kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(5.6km/L)とすると航続距離は448.0km、80%(5.0km/L)だと400.0km、70%(4.3km/L)では344.0kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から80リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり190円では15200円、上で計算した航続距離を踏まえると496.0km(80%燃費時400.0km)を走行するのに15200円かかる計算です。

燃費を6.2km/Lとしたときの1km走行コストは30.65円、10万km走行したときの燃料代は万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら万円/年、7年10万kmなら万円/年、5年10万kmなら万円/年、3年10万kmなら万円/年となります。


カタログデータから見えてくる要素

簡易エンジン性能曲線図
各回転域での馬力
3000回転時の馬力 188PS
5250回転時の馬力 329PS
5500回転時の馬力 333PS
各回転域でのトルク
3000回転時のトルク 44.9kgm
5250回転時のトルク 44.9kgm
5500回転時のトルク 43.4kgm

まずおさらいとして、搭載しているV型6気筒+モーター、2994ccのスーパーチャージャー付きエンジンは5500回転時に最高出力333馬力を、3000-5250回転時に最大トルク44.9kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する3000rpmから最高出力が発生する5500rpmまで」の2500rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は45.5%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
3000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
3000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ5.946kg/PS(1980kg/333PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ5.946kg/PS
車体+1人6.111kg/PS
車体+4人6.607kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg6.126kg/PS
車体+70kg6.156kg/PS
車体+80kg6.186kg/PS
車体+90kg6.216kg/PS
車体+100kg6.246kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは6.111kg/PS(2035kg/333PS)となり、数値としては0.165kg、比率にすると2.8%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの4人が搭乗した場合、車両重量に220kgがプラスされてパワーウェイトレシオは6.607kg/PS(2200kg/333PS)となり、数値としては0.661kg、比率にすると11.1%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

970 パナメーラのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2011/06

-
パナメーラ
6.111kg/PS
2035kg/333PS|3.0L-SC
[車体のみPWR:5.946]
2005/06

車種詳細
マツダスピード アテンザ
5.938kg/PS
1615kg/272PS|2.3L-TB
車体のみPWR:5.735
1998/09

車種詳細
シビック タイプR
6.081kg/PS
1125kg/185PS|1.6L-NA
車体のみPWR:5.784
2005/12

車種詳細
セリカ
6.184kg/PS
1175kg/190PS|1.8L-NA
車体のみPWR:5.895
2009/05

車種詳細
RX-8
5.979kg/PS
1405kg/235PS|1.4L-NA
車体のみPWR:5.745
2014/11

車種詳細
フォレスター tS
5.982kg/PS
1675kg/280PS|2.0L-TB
車体のみPWR:5.786

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ6.111kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

5.928kg/PSから6.294kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、マツダの5人乗りセダン「GG3P型 マツダスピード アテンザ」、ホンダの4人乗りハッチバック「EK9型 シビック タイプR」、トヨタの4人乗りクーペ「ZZT231型 セリカ」、マツダの4人乗りクーペ「SE3P型 RX-8」、スバルの5人乗りSUV「SJG型 フォレスター tS」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

970型 パナメーラ [Panamera-S Hybrid]のライバル車種|6.111kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は168.2PS/tとなっています。


パナメーラがバイクと競争するなら…?


車種詳細
DR250R|249cc
6.100kg/PS
183kg/30.0PS/2.80kgm
[車体のみPWR:4.267]
2011/06

-
パナメーラ|2994cc
6.111kg/PS
2035kg/333PS/44.9kgm
[車体のみPWR:5.946]

車種詳細
MT-25|249cc
6.111kg/PS
220kg/36.0PS/2.30kgm
[車体のみPWR:4.583]

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではパナメーラとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

SJ45A DR250Rと競争してみる

まずパナメーラより少しPWRが低いバイクとして、スズキのDR250Rが挙げられます。PWRの6.100kg/PSは車両重量128kgにライダーの体重55kgを加えた183kgを、最高出力30.0PSで割ったものです。

RG10J MT-25と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ヤマハのMT-25が挙げられます。PWRの6.111kg/PSは車両重量165kg+55kgの220kgを、最高出力36.0PSで割ったもので、(PWRで比較すれば)まさに街角の好敵手と呼べるバイクです。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 No data
トルクウェイトレシオ 44.10kg/kgm
1馬力あたりのお値段 44535円
排気量1Lあたり馬力 111.22PS/L
排気量1Lあたりトルク 15.00kgm/L
1気筒あたりの馬力 55.5PS
1気筒あたりのトルク 7.5kgm
パワーバンド比率 45.5%
燃費×馬力 No data
各種ランキング
セダンのPWR
2.5~3.0Lターボ車のPWR

トルクウェイトレシオは44.10kg/kgm(1980kg/44.9kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が14830000円、最高出力が333馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は44535円、逆に1万円あたりでは0.22馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は330290円、1万円あたりでは0.03kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
3000cc以下の車編
セダン編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は111.22PS/L、トルクは15.00kgm/L、1気筒あたりの馬力は55.5馬力、トルクは7.5kgmとなります。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング


パナメーラでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.740m
期待される荷室の幅 1.530m
対角線の長さ 2.317m
期待される荷室の面積 2.662m²

縦方向の長さが1.740m(対角線では2.317m)などという破格のクラスになると、これはもう四の五の言わず車に住むべきです。

これだけの車を所持できる素養は持ち得ているのですから、細かいことは気にせずあらゆる支配からの卒業を宣言し、信じられぬ大人との争いに終止符を打ちましょう。

セダンやクーペであっても後部座席の背もたれを取り外してトランクルームと貫通させて荷室長を確保すれば良いだけの話です。たまに背もたれを取り外してもトランクルームと繋がっていなかったり、頑強な補強バーが入っていて邪魔されることもありますが、恐らく稀なケースです。

車中泊にあると嬉しいアイテム

純正装着タイヤの275/45R18と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 275/45R18 | 直径 705mm

-20mm
幅255mm
-10mm
幅265mm
変更なし
幅275mm
+10mm
幅285mm
+20mm
幅295mm
-5%
40
扁平
255/40R18
37.5km/h
直径661mm
径差-44mm
265/40R18
38.0km/h
直径669mm
径差-36mm
275/40R18
38.4km/h
直径677mm
径差-28mm
285/40R18
38.9km/h
直径685mm
径差-20mm
295/40R18
39.3km/h
直径693mm
径差-12mm
0%
45
扁平
255/45R18
39.0km/h
直径687mm
径差-18mm
265/45R18
39.5km/h
直径696mm
径差-9mm
275/45R18
40.0km/h
705mm
0mm
285/45R18
40.5km/h
直径714mm
径差+9mm
295/45R18
41.0km/h
直径723mm
径差+18mm
+5%
50
扁平
255/50R18
40.4km/h
直径712mm
径差+7mm
265/50R18
41.0km/h
直径722mm
径差+17mm
275/50R18
41.5km/h
直径732mm
径差+27mm
285/50R18
42.1km/h
直径742mm
径差+37mm
295/50R18
42.7km/h
直径752mm
径差+47mm
+10%
55
扁平
255/55R18
41.9km/h
直径738mm
径差+33mm
265/55R18
42.5km/h
直径749mm
径差+44mm
275/55R18
43.1km/h
直径760mm
径差+55mm
285/55R18
43.7km/h
直径771mm
径差+66mm
295/55R18
44.4km/h
直径782mm
径差+77mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、255/45R18 、265/45R18 、275/40R18 、285/40R18 、295/40R18あたりのタイヤがおすすめです。

275/45R18のタイヤ幅を255mmから305mmまで、扁平率を30%から60%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、ホイールサイズを18インチからインチダウン、インチアップした場合の一覧表は、純正装着タイヤが275/45R18のとき互換可能なタイヤサイズのページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】275/45R18のタイヤ銘柄と通販価格

970型パナメーラ[3.0L-SC FR/8AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト5.946kg/ps60.46
1速ギヤ加速性能-39.90
1L換算馬力111.22ps/L52.93
1L換算トルク15.00kgm/L47.08
WB/TR比-31.72
ワイド&ロー指数0.73661.36
前面の面積2.741m²46.81
最低地上高-43.72
スポーツ性能部門の得点383.98

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
燃費-41.40
年間維持費502100円33.93
100kmh回転数-43.42
航続距離-26.05
車の大きさ13.621m³58.58
室内の広さ(仮) 2.470m³40.98
最小回転半径-39.45
馬力単価44535円19.79
ユーティリティ部門の得点303.60

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した 970型パナメーラ[3.0L-SC FR/8AT] の総合得点は 687.58 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介した970型パナメーラ(FR/8AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのセダン」、「3000ccのセダン」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

パナメーラの歴代モデル

3代目 971型 パナメーラ
971 パナメーラは2023/11に登場した3代目モデル。参考車両の「Panamera」は全長5052mm、全幅1937mm、全高1423mmの車体に、354PS/51.0kgmを発生する2894ccエンジンを搭載した4人乗りセダン。

2代目 G2NR型 パナメーラ
G2NR パナメーラは2016/07に登場した2代目モデル。参考車両の「GTS」は全長5053mm、全幅1937mm、全高1417mmの車体に、480PS/63.2kgmを発生する3996ccエンジンを搭載した4人乗りセダン。

初代 970型 パナメーラ
970 パナメーラは2009/03に登場した初代モデル。参考車両の「Panamera Turbo-S」は全長4970mm、全幅1930mm、全高1420mmの車体に、550PS/76.5kgmを発生する4806ccエンジンを搭載した4人乗りセダン。