9PAM5501 カイエンの性能と維持費 4WD/6AT 728万円 2009年式

このページでは、ポルシェの5ドア・5人乗りSUV、初代のABA-9PAM5501型カイエン BaseGrade【2009/07モデル・290PS/39.3kgm・4WD/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

9PAM5501 カイエン
販売期間:2002/09 - 2010/03

画像はポルシェより引用
http://www.porsche.com/japan/jp/
投稿:2012/01/23|更新:2019/09/26

ボディサイズが全長4810mm×全幅1930mm×全高1700mm、排気量は3598ccであることから、大雑把に分類すると3.6リットルクラス(3600cc、自動車税は4.0L以下を適用)に属し、全長、全幅、排気量ともに5ナンバー枠を超えていることにより完全無欠の3ナンバー登録車です。いわゆる【高級車】にカテゴライズされます。

駆動方式には車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆる四輪駆動(All Wheel Drive・AWD・Four Wheel Drive・4WDとも)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4810mmであるこの車の場合は「アッパーミディアム」(Upper-Medium:4650mm超-4900mm以下・Eセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


9PAM5501型 カイエン [3598cc/290PS 4WD/6AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

No Data
タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
No Data
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

初代カイエンの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2009/07
9PAM4801G型
[GTS]
4.8L-NA | 4WD/6MT
| 1078.0万円
405PS
51.0kgm
-
2009/07
9PAM4851TA型
[Turbo-S]
4.8L-TB | 4WD/6AT
| 1771.0万円
550PS
76.5kgm
-
2009/07
9PAM4801型
[S]
4.8L-NA | 4WD/6AT
| 939.0万円
385PS
51.0kgm
-
955/957型 初代カイエンまとめ【全14件】
カイエンの新型モデル
2代目 92AM5502型カイエン
92AM5502型カイエンは2010/03に登場した2代目モデル。参考車両の「Cayenne-Turbo」は全長4845mm、全幅1940mm、全高1700mmの車体に、500PS/71.4kgmを発生する4806ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー PORSCHE
車名&
グレード
カイエン
BaseGrade
その他 9PA-957
お値段 7280000円
車両型式 ABA-9PAM5501
駆動方式
変速機
4WD・四輪駆動(AWD)
6速AT・6速オートマ車
ドア/定員 5ドア/5名乗車
車体寸法 長4810×幅1930×高1700mm
軸距&
輪距
2855mm
前1655mm/後1670mm
最小半径 5.6m
タイヤ 前輪:235/65R17
後輪:235/65R17
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 2250kg
エンジン諸元
原動機型式 不明
気筒配列 V型6気筒
排気量3598cc
圧縮比12.3
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 290PS[213kW]/6200rpm
最大トルク 39.3kgm[385Nm]/3000rpm
使用燃料 ハイオクガソリン

V型6気筒とは‥シリンダをV字型に交互で6個配置する方式。中排気量のスタンダード。
V型6気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税76400円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税28500円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額7500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2009/07モデルのカイエンを15年落ちの中古で240.2万円にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    カイエンの2009/07モデルの場合、2024年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の30%である218.4万円に諸経費として21.8万円を足した240.2万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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2009年式を15年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 4000cc以下 13年経過 76400円
自動車重量税(1年分) 2.5トン以下 13年-17年経過 28500円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
10000km÷5.0km/L×180円/L
7000km÷5.0km/L×180円/L
5000km÷5.0km/L×180円/L
3000km÷5.0km/L×180円/L
360000円
(252000円)
(180000円)
(108000円)
オイル交換(5000km毎) 1回6500円×2回 13000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本15000円×4本÷5年 12000円
任意保険料(月額7500円) 月額7500円×12ヶ月 90000円
ローン完済後の年間維持費 588800円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額40040円×12ヶ月 480480円
ローン返済中の年間維持費 1069300円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分+検査手数料等3000円程度 77700円
名目 金額
自動車税(1年分) 76400円
自動車重量税(1年分) 28500円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
360000円
(252000円)
(180000円)
(108000円)
オイル交換(5000km毎) 13000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 12000円
任意保険料(月額7500円) 90000円
ローン完済後の年間維持費 588800円
名目 金額
車のローン額(1年分) 480480円
ローン返済中の年間維持費 1069300円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
77700円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「4000cc以下で13年経過」クラスの自動車税は76400円、「2.5トン以下で13年-17年経過」クラスの自動車重量税は28500円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに6500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本15000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額7500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 10・15モード燃費、JC08モード燃費、WLTCモード燃費いずれもデータがないので10.0km/Lを仮の燃費として代入。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした77700円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

年間の維持費が50万円を超えてくると、これはもうこの車そのものが趣味の世界です。若しくは、これだけの維持費が掛かる車を所有していることに喜びを感じ、意義を見出しているのかもしれません。

名にし負うカイエンともなると、維持費は月額でさえ49100円(ローン完済前は89200円)という破格の金額になってしまうことを思えば、とてもじゃないけど新車で買って5年のローンを抱えながら乗るような車ではありません。清水の舞台から飛び降りる覚悟でご近所を一周して満足するか、盆栽としてガレージに飾っておくならまあ、あるいは…


燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり180円を基準として、-50円となる130円から、+50円となる230円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費5.0km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
130円/L
260000円
[-100000円]
-25円
155円/L
310000円
[-50000円]
-10円
170円/L
340000円
[-20000円]
180円/L360000円
[0円]
+10円
190円/L
380000円
[+20000円]
+25円
205円/L
410000円
[+50000円]
+50円
230円/L
460000円
[+100000円]

燃費5.0km/Lの9PAM5501型 カイエンで10000km走行するのに必要な燃料は2000L、1リットルあたり180円としたときの燃料代は360000円になります。

参考までに、カイエンの燃料タンクは100リットルですので、2000Lの給油回数は20回、1回あたりの燃料代は約18000円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては20000円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると50000円、50円も違ってくると100000円にもなります。

これを9PAM5501型 カイエンの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり180円の場合を588800円としたとき、130円/Lに値下がりすれば488800円(83.0%)に、230円/Lに値上がりすれば688800円(117.0%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(76400円)なり重量税(28500円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76400円 25%
自動車重量税 1年分 28500円 9%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 3000km分 108000円 35%
オイル交換 年1回 6500円 2%
タイヤ交換 6年毎 8000円 3%
任意保険料 80% 72000円 23%
合計
[1万kmとの差額]
308300円
-280500円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76400円 20%
自動車重量税 1年分 28500円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 5000km分 180000円 47%
オイル交換 年1回 6500円 2%
タイヤ交換 6年毎 8000円 2%
任意保険料 85% 76560円 20%
合計
[1万kmとの差額]
384800円
-204000円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76400円 16%
自動車重量税 1年分 28500円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 7000km分 252000円 54%
オイル交換 年1回 9100円 2%
タイヤ交換 6年毎 8000円 2%
任意保険料 90% 81000円 18%
合計
[1万kmとの差額]
463900円
-124900円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料90000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて280500円安い308300円に、5000km走行では204000円安い384800円に、7000km走行では124900円安い463900円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76400円 10%
自動車重量税 1年分 28500円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 15000km分 540000円 67%
オイル交換 年3回 39000円 5%
タイヤ交換 2.7年毎 18000円 2%
任意保険料 100% 90000円 11%
合計
[1万kmとの差額]
800800円
+212000円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76400円 8%
自動車重量税 1年分 28500円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 720000円 72%
オイル交換 年4回 52000円 5%
タイヤ交換 2年毎 24000円 2%
任意保険料 100% 90000円 9%
合計
[1万kmとの差額]
999800円
+411000円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。



カイエンの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
暫定基準燃費 5.0km/L
燃料タンク容量 100L
航続距離(カタログ燃費) 500.0km
航続距離(80%燃費) 400.0km
満タンプライス 18000円
1km走行コスト 36.00円

10・15モード燃費、JC08モード燃費、WLTPモード燃費ともにデータがないので5.0km/Lを仮の燃費とすると、、燃料タンク容量100リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は500.0kmになります。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(4.5km/L)とすると450.0km、80%(4.0km/L)だと400.0km、70%(3.5km/L)では350.0kmという航続距離になります。

燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり180円で100リットルの給油をすると18000円、上で計算した航続距離を踏まえると500.0km(80%燃費時400.0km)を走行するのに18000円かかる計算です。

燃費を5.0km/Lとしたときの1km走行コストは36.00円、10万km走行したときの燃料代は360.0万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら36.0万円/年、7年10万kmなら51.4万円/年、5年10万kmなら72.0万円/年、3年10万kmなら120.0万円/年となります。



カタログデータから見えてくる要素

簡易エンジン性能曲線図
型エンジン性能曲線図もどき
各回転域での馬力
3000回転時の馬力 165PS
6200回転時の馬力 290PS
各回転域でのトルク
3000回転時のトルク 39.3kgm
6200回転時のトルク 33.5kgm

まずおさらいとして、搭載しているV型6気筒、3598ccの自然吸気エンジンは6200回転時に最高出力290馬力を、3000回転時に最大トルク39.3kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する3000rpmから最高出力が発生する6200rpmまで」の3200rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は51.6%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
4000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
4000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ7.759kg/PS(2250kg/290PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ7.759kg/PS
車体+1人7.948kg/PS
車体+5人8.707kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg7.966kg/PS
車体+70kg8.000kg/PS
車体+80kg8.034kg/PS
車体+90kg8.069kg/PS
車体+100kg8.103kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは7.948kg/PS(2305kg/290PS)となり、数値としては0.189kg、比率にすると2.4%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは8.707kg/PS(2525kg/290PS)となり、数値としては0.948kg、比率にすると12.2%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。


9PAM5501 カイエンのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2009/07

-
カイエン
7.948kg/PS
2305kg/290PS|3.6L-NA
[車体のみPWR:7.759]
2017/09

車種詳細
シビック
7.720kg/PS
1405kg/182PS|1.5L-TB
車体のみPWR:7.418
2014/10

車種詳細
ノート
8.107kg/PS
1135kg/140PS|1.6L-NA
車体のみPWR:7.714
2011/12

車種詳細
スイフト スポーツ
8.125kg/PS
1105kg/136PS|1.6L-NA
車体のみPWR:7.721
2006/12

車種詳細
ブーン X4
7.782kg/PS
1035kg/133PS|1.0L-TB
車体のみPWR:7.368
2017/09

車種詳細
シビック
7.832kg/PS
1355kg/173PS|1.5L-TB
車体のみPWR:7.514

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ7.948kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

7.710kg/PSから8.186kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、ホンダの5人乗りハッチバック「FK7型 シビック」、日産の5人乗りハッチバック「E12改型 ノート」、スズキの5人乗りハッチバック「ZC32S型 スイフト スポーツ」、ダイハツの5人乗りハッチバック「M312S型 ブーン X4」、ホンダの5人乗りセダン「FC1型 シビック」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

9PAM5501型 カイエン [BaseGrade]とパワーウェイトレシオが近い車種|7.948kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は128.9PS/tとなっています。


カイエンがバイクと競争するなら…?


車種詳細
スカイウェイブ400|385cc
7.938kg/PS
254kg/32.0PS/3.30kgm
[車体のみPWR:6.219]
2009/07

-
カイエン|3598cc
7.948kg/PS
2305kg/290PS/39.3kgm
[車体のみPWR:7.759]

車種詳細
KLX250|249cc
7.958kg/PS
191kg/24.0PS/2.10kgm
[車体のみPWR:5.667]

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではカイエンとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

CK43A スカイウェイブ400と競争してみる

まずカイエンより少しPWRが低いバイクとして、スズキのスカイウェイブ400が挙げられます。PWRの7.938kg/PSは車両重量199kgにライダーの体重55kgを加えた254kgを、最高出力32.0PSで割ったものです。

LX250S KLX250と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、カワサキのKLX250が挙げられます。PWRの7.958kg/PSは車両重量136kg+55kgの191kgを、最高出力24.0PSで割ったもので、(PWRで比較すれば)まさに街角の好敵手と呼べるバイクです。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.717
平均ピストンスピード 19.92m/s
トルクウェイトレシオ 57.25kg/kgm
1馬力あたりのお値段 25103円
排気量1Lあたり馬力 80.60PS/L
排気量1Lあたりトルク 10.92kgm/L
1気筒あたりの馬力 48.3PS
1気筒あたりのトルク 6.5kgm
パワーバンド比率 51.6%
燃費×馬力 No data
各種ランキング
SUV・RV・クロカンのPWR
3.5~4.0L以下のPWR

トルクウェイトレシオは57.25kg/kgm(2250kg/39.3kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が7280000円、最高出力が290馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は25103円、逆に1万円あたりでは0.40馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は185242円、1万円あたりでは0.05kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
4000cc以下の車編
5人乗りSUV編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は80.60PS/L、トルクは10.92kgm/L、1気筒あたりの馬力は48.3馬力、トルクは6.5kgmとなり、このエンジンが290馬力を6200回転で発生させているときの平均ピストンスピードは19.92m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が96.4mmであるこのエンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6220回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.717になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと小回りを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング


カイエンでの車中泊

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.68m
期待される荷室の幅 1.53m
対角線の長さ 2.27m
期待される荷室の面積 2.57m²

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

縦方向の長さが1.68m(対角線では2.27m)ともなると、もはや車の中で生活しても良いんじゃないかと錯覚しかねないほど快適な睡眠が約束されます。

日頃の行いが悪いとか、人様には言えないことをやらかしたとか、誰の顔も見たくないなどの訳アリで家に帰れず、やむなく車中泊をしてみたが最期、あまりの気楽さに心を奪われ流浪の民となりかねません。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。
車中泊にあると嬉しいアイテム


純正装着タイヤの235/65R17と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 235/65R17 | 直径 737mm

-20mm
幅215mm
-10mm
幅225mm
変更なし
幅235mm
+10mm
幅245mm
+20mm
幅255mm
-5%
60
扁平
215/60R17
37.4km/h
直径690mm
径差-47mm
225/60R17
38.1km/h
直径702mm
径差-35mm
235/60R17
38.8km/h
直径714mm
径差-23mm
245/60R17
39.4km/h
直径726mm
径差-11mm
255/60R17
40.1km/h
直径738mm
径差+1mm
0%
65
扁平
215/65R17
38.6km/h
直径712mm
径差-25mm
225/65R17
39.3km/h
直径725mm
径差-12mm
235/65R17
40.0km/h
737mm
0mm
245/65R17
40.8km/h
直径751mm
径差+14mm
255/65R17
41.5km/h
直径764mm
径差+27mm
+5%
70
扁平
215/70R17
39.8km/h
直径733mm
径差-4mm
225/70R17
40.5km/h
直径747mm
径差+10mm
235/70R17
41.3km/h
直径761mm
径差+24mm
245/70R17
42.1km/h
直径775mm
径差+38mm
255/70R17
42.8km/h
直径789mm
径差+52mm
+10%
75
扁平
215/75R17
41.0km/h
直径755mm
径差+18mm
225/75R17
41.8km/h
直径770mm
径差+33mm
235/75R17
42.6km/h
直径785mm
径差+48mm
245/75R17
43.4km/h
直径800mm
径差+63mm
255/75R17
44.2km/h
直径815mm
径差+78mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、215/65R17、215/70R17 、225/60R17、225/65R17 、235/60R17 、245/60R17 あたりのタイヤがおすすめです。

235/65R17のタイヤ幅を215mmから265mmまで、扁平率を50%から80%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、ホイールサイズを17インチからインチダウン、インチアップした場合の一覧表は、純正装着タイヤが235/65R17のとき互換可能なタイヤサイズのページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
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9PAM5501型カイエン[3.6L-NA 4WD/6AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト7.759kg/ps55.49
1速ギヤ加速性能-39.92
1L換算馬力80.60ps/L55.97
1L換算トルク10.92kgm/L67.68
WB/TR比1.71755.77
ワイド&ロー指数0.88150.84
前面の面積3.281m²31.55
最低地上高-43.72
スポーツ性能部門の得点400.94

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
燃費-41.40
年間維持費588800円26.07
100kmh回転数-43.39
航続距離-25.83
車の大きさ15.782m³67.28
室内の広さ(仮) 2.862m³44.73
最小回転半径5.6m41.25
馬力単価25103円45.20
ユーティリティ部門の得点335.15

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した 9PAM5501型カイエン[3.6L-NA 4WD/6AT] の総合得点は 736.09 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したカイエン(4WD/6AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全ての5人乗SUV」、「4000ccの5人乗SUV」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

カイエンの歴代モデル

2代目 92AM5502型 カイエン
92AM5502 カイエンは2010/03に登場した2代目モデル。参考車両の「Cayenne」は全長4845mm、全幅1940mm、全高1710mmの車体に、300PS/40.8kgmを発生する3598ccエンジンを搭載した5人乗りSUV。

初代 9PA50A型 カイエン
9PA50A カイエンは2002/09に登場した初代モデル。参考車両の「Turbo」は全長4800mm、全幅1950mm、全高1700mmの車体に、450PS/63.2kgmを発生する4510ccエンジンを搭載した5人乗りSUV。