HCR32 スカイライン セダンの性能と維持費 FR/5MT 235万円 1992年式

このページでは、日産自動車の4ドア・5人乗りセダン、8代目のE-HCR32型スカイライン セダン GTS type-S【1992/11モデル・155PS/18.8kgm・FR/MT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

HCR32 スカイライン セダン
販売期間:1989/05 - 1993/08

画像は日産自動車より引用
http://www.nissan.co.jp/
投稿:2011/08/03|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長4580mm×全幅1695mm×全高1340mm、排気量は1998ccであることから、大雑把に分類すると2.0リットルクラス(2000cc、自動車税は2.0L以下を適用)に属した、いわゆる5ナンバークラスの車です。とにかく排気量を増やして、とにかくボディを大きく、特に全幅を広げれば良いんだという風潮が蔓延る現代においては大変貴重な車となっています。
参考:150PS~200PSの自動車 一覧

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、後輪のみを駆動する、フロントエンジン・リヤドライブ方式(後輪駆動・FR・RWDとも)を採用しています。前輪は操舵、後輪は駆動と役割分担が異なることから優れたハンドリングを得られるとされ、運転の質を求める人々から絶大なる支持を集めます。高級車の代名詞的な駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4580mmであるこの車の場合は「ミディアム」(Medium:4300mm超-4650mm以下・Dセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


HCR32型 スカイライン セダン [1998cc/155PS FR/5MT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

8代目スカイライン セダンの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
1992/11
HNR32型
[GTS-4]
2.0L-TB・4WD/5MT・308.6万円
215PS・27.0kgm・8.3km/L
215PS
27.0kgm
8.3km/L
1992/11
HCR32型
[GTS-t type-M]
2.0L-TB・FR/5MT・263.6万円
215PS・27.0kgm・9.5km/L
215PS
27.0kgm
9.5km/L
1992/11
FR32型
[GXi type-X]
1.8L-NA・FR/5MT・145.4万円
91PS・14.5kgm・12.6km/L
91PS
14.5kgm
12.6km/L
8代目 スカイライン 型式一覧 R32系まとめ 1989-1993【全24車種】
スカイライン セダンの新型モデル
9代目 BCNR33型スカイラインGT-R
BCNR33型スカイラインGT-Rは1993/08に登場した9代目モデル。参考車両の「GT-R Autech-ver 40th」は全長4755mm、全幅1780mm、全高1380mmの車体に、280PS/37.5kgmを発生するRB26型2568ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー 日産自動車
車名&
グレード
スカイライン セダン
GTS type-S
その他 -
お値段 2345000円
車両型式 E-HCR32
駆動方式
変速機
FR・後輪駆動(RWD,2WD)
5速MT・5速マニュアル車
ドア/定員 4ドア/5名乗車
車体寸法 長4580×幅1695×高1340mm
室内寸法 長1850×幅1400×高1105mm
軸距&
輪距
2615mm
前1460mm/後1460mm
最小半径 5.2m
最低高 145mm
タイヤ 前輪:205/60R15
後輪:205/60R15
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ディスク
車両重量 1310kg
エンジン諸元
原動機型式 RB20DE
気筒配列 直列6気筒
排気量1998cc
圧縮比10.2
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 155PS[114kW]/6400rpm
最大トルク 18.8kgm[184Nm]/5200rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
10・15燃費 9.8km/L(23.1mpg)
100km燃費 10.2L/100km
RB20DE型エンジンの諸元と性能まとめ
直列6気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に6個配置する方式。理論上では完全バランスなれど今や絶滅危惧種。
直列6気筒エンジンを搭載する車種の一覧
直列6気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税45400円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税18900円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額5500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、1992/11モデルのスカイライン セダンを32年落ちの中古で51.6万円にて購入し、頭金なしで1年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    スカイライン セダンの1992/11モデルの場合、2024年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の20%である46.9万円に諸経費として4.7万円を足した51.6万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
  • 【PR】自動車保険は比較で安くなる!

1992年式を32年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 2000cc以下 13年経過 45400円
自動車重量税(1年分) 1.5トン以下 18年経過 18900円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷8.3km/L×190円/L 228920円
オイル交換(5000km毎) 1回4500円×2回 9000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本10000円×4本÷5年 8000円
任意保険料(月額5500円) 月額5500円×12ヶ月 66000円
ローン完済後の年間維持費 385100円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額42990円×12ヶ月 515880円
ローン返済中の年間維持費 901000円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 58500円
名目 金額
自動車税(1年分) 45400円
自動車重量税(1年分) 18900円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
228920円
(160240円)
(114460円)
(68680円)
オイル交換(5000km毎) 9000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 8000円
任意保険料(月額5500円) 66000円
ローン完済後の年間維持費 385100円
名目 金額
車のローン額(1年分) 515880円
ローン返済中の年間維持費 901000円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
58500円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「2000cc以下で13年経過」クラスの自動車税は45400円、「1.5トン以下で18年経過」クラスの自動車重量税は18900円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに4500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本10000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額5500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした58500円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

このあたりのクラスから理想と現実の違い、つまり「乗りたい車」と「乗ることができる車」は違うことを思い知らされます。うっかり手を出せば「いっ…維持費が高すぎて息ができん!フーッ!フーッ!」と目を白黒させることになりかねません。

さて、スカイライン セダン【GTS type-S】の場合、維持費の月額は32100円になります。金銭的にシビアな人からは「車なんてどれもタイヤが4つあるだけなのに、なんでこんなにお金の掛かる車に乗ってるんだ…修行か…」と奇異の目で見られていることでしょう。でも良いんです。愛さえあれば。

スカイライン セダンの維持費は高い?安い?

「スカイライン セダンの年間維持費は385100円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「2000ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてスカイライン セダンの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いプリウス191200円-193900円
ヴォクシー ハイブリッド229200円-155900円
スイフト スポーツ278700円-106400円
シビック タイプR316500円-68600円
基準2000ccクラス平均321100円-64000円
アコード350200円-34900円
WRX STI370500円-14600円
スカイライン セダンの維持費385100円
エクスプローラー421100円+36000円
高いBX493900円+108800円

スカイライン セダンの年間維持費を、2000ccクラスで最も維持費が安いプリウスと比較して193900円高く、最も高いBXと比較して108800円安く、2000ccクラスの平均維持費との比較では64000円高くなっています。

最低額のプリウスと最高額のBXは極端な例としても、2000ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、スカイライン セダンの維持費は まあまあ高い! と言えそうです。

年間維持費が安い 2000ccクラスの車 ランキング

スカイライン セダンを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%500万円42万円33万円
15%330万円28万円22万円
20%250万円21万円17万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は500万円(総支給額42万円/月、手取り33万円/月)、ここから月額維持費3.2万円を支払うと残りは29.8万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は330万円(総支給額28万円/月、手取り22万円/月)、3.2万円を支払うと残りは18.8万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が250万円(総支給額21万円/月、手取り17万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。3.2万円を引くと残りは13.8万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代23万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり190円を基準として、-50円となる140円から、+50円となる240円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費8.3km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
140円/L
168690円
[-60230円]
-25円
165円/L
198810円
[-30110円]
-10円
180円/L
216890円
[-12030円]
190円/L228920円
[0円]
+10円
200円/L
240990円
[+12070円]
+25円
215円/L
259060円
[+30140円]
+50円
240円/L
289180円
[+60260円]

燃費8.3km/LのHCR32型 スカイライン セダンで10000km走行するのに必要な燃料は1204.9L、1リットルあたり190円としたときの燃料代は228920円になります。

参考までに、スカイライン セダンの燃料タンクは60リットルですので、1204.9Lの給油回数は21回、1回あたりの燃料代は約10910円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては12070円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると30140円、50円も違ってくると60260円にもなります。

これをHCR32型 スカイライン セダンの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり190円の場合を385100円としたとき、140円/Lに値下がりすれば324870円(84.4%)に、240円/Lに値上がりすれば445360円(115.6%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(45400円)なり重量税(18900円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

税金の安さは折り紙付き!
バン・トラックの人気車種ランキング!


低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 45400円 22%
自動車重量税 1年分 18900円 9%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 3000km分 68680円 34%
オイル交換 年1回 4500円 2%
タイヤ交換 6年毎 5330円 3%
任意保険料 80% 52800円 26%
合計
[1万kmとの差額]
204500円
-180600円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 45400円 18%
自動車重量税 1年分 18900円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 5000km分 114460円 45%
オイル交換 年1回 4500円 2%
タイヤ交換 6年毎 5330円 2%
任意保険料 85% 56160円 23%
合計
[1万kmとの差額]
253600円
-131500円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 45400円 15%
自動車重量税 1年分 18900円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 7000km分 160240円 53%
オイル交換 年1回 6300円 2%
タイヤ交換 6年毎 5330円 2%
任意保険料 90% 59400円 19%
合計
[1万kmとの差額]
304400円
-80700円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料66000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて180600円安い204500円に、5000km走行では131500円安い253600円に、7000km走行では80700円安い304400円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 45400円 9%
自動車重量税 1年分 18900円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 15000km分 343380円 66%
オイル交換 年3回 27000円 5%
タイヤ交換 2.7年毎 12000円 2%
任意保険料 100% 66000円 12%
合計
[1万kmとの差額]
521600円
+136500円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 45400円 7%
自動車重量税 1年分 18900円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 457840円 71%
オイル交換 年4回 36000円 6%
タイヤ交換 2年毎 16000円 2%
任意保険料 100% 66000円 10%
合計
[1万kmとの差額]
649000円
+263900円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
日産の小型車&普通車編
2000cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
4ドア・セダン編

スカイライン セダンの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 9.8km/L
燃料タンク容量 60L
航続距離(カタログ燃費) 588.0km
航続距離(80%燃費) 468.0km
満タンプライス 11400円
1km走行コスト 19.39円
1万円でどこまで行ける? 515.8km

10・15モード燃費が9.8km/L、燃料タンク容量60リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は588.0kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(8.8km/L)とすると航続距離は528.0km、80%(7.8km/L)だと468.0km、70%(6.9km/L)では414.0kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から60リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり190円では11400円、上で計算した航続距離を踏まえると588.0km(80%燃費時468.0km)を走行するのに11400円かかる計算です。

燃費を8.3km/Lとしたときの1km走行コストは19.39円、10万km走行したときの燃料代は193.9万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら19.4万円/年、7年10万kmなら27.7万円/年、5年10万kmなら38.8万円/年、3年10万kmなら64.6万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば515.8km(往復なら片道257.9km)、カタログ値の80%なら412.6km(片道206.3km)離れたところまで行くことができます。

カタログデータから見えてくる要素

RB20DE型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
5200回転時の馬力 137PS
6400回転時の馬力 155PS
各回転域でのトルク
5200回転時のトルク 18.8kgm
6400回転時のトルク 17.3kgm
RB20DE型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているRB20型1998cc、直列6気筒の自然吸気エンジンは6400回転時に最高出力155馬力を、5200回転時に最大トルク18.8kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、最大トルクと最高出力の発生回転数がとても近いこのエンジンは、高い回転数まで回すことで力を発揮するタイプのエンジンです。回転に伴って高まるパワー感は得も言われぬ感動を与えてくれることでしょう。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する5200rpmから最高出力が発生する6400rpmまで」の1200rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は18.8%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
2000cc以下クラス編
日産の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
2000cc以下クラス編
日産の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ8.452kg/PS(1310kg/155PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ8.452kg/PS
車体+1人8.806kg/PS
車体+5人10.226kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg8.839kg/PS
車体+70kg8.903kg/PS
車体+80kg8.968kg/PS
車体+90kg9.032kg/PS
車体+100kg9.097kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは8.806kg/PS(1365kg/155PS)となり、数値としては0.354kg、比率にすると4.2%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは10.226kg/PS(1585kg/155PS)となり、数値としては1.774kg、比率にすると21.0%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

HCR32 スカイライン セダンのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
1992/11

-
スカイライン セダン
8.806kg/PS
1365kg/155PS|2.0L-NA
[車体のみPWR:8.452]
2009/10

車種詳細
エルグランド
8.646kg/PS
2075kg/240PS|3.5L-NA
車体のみPWR:8.417
2018/11

車種詳細
UX
8.764kg/PS
1525kg/174PS|2.0L-NA
車体のみPWR:8.448
2015/07

車種詳細
ゴルフ オールトラック
8.861kg/PS
1595kg/180PS|1.8L-TB
車体のみPWR:8.556
2010/06

車種詳細
アバルト500
8.630kg/PS
1165kg/135PS|1.4L-TB
車体のみPWR:8.222
2011/02

車種詳細
ナビゲーター
8.869kg/PS
2785kg/314PS|5.5L-NA
車体のみPWR:8.694

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ8.806kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

8.630kg/PSから8.982kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、日産の8人乗りミニバン「E51型 エルグランド」、レクサスの5人乗りSUV「MZAA10型 UX」、フォルクスワーゲンの5人乗りSUV「AUCJSF型 ゴルフ オールトラック」、アバルトの4人乗りハッチバック「312141型 アバルト500」、リンカーンの8人乗りSUV「謎型 ナビゲーター」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

HCR32型 スカイライン セダン [GTS type-S]のライバル車種|8.806kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は118.3PS/tとなっています。


スカイライン セダンがバイクと競争するなら…?


車種詳細
セロー225WE|223cc
8.800kg/PS
176kg/20.0PS/1.90kgm
[車体のみPWR:6.050]
1速ギヤ速度:31.8km/h
最小TWR:0.672
1992/11

-
スカイライン セダン|1998cc
8.806kg/PS
1365kg/155PS/18.8kgm
[車体のみPWR:8.452]
1速ギヤ速度:48.3km/h
最小TWR:1.394

車種詳細
SR400|399cc
8.808kg/PS
229kg/26.0PS/2.90kgm
[車体のみPWR:6.692]
1速ギヤ速度:45.0km/h
最小TWR:1.103

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではスカイライン セダンとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

4JG セロー225WEと競争してみる

まずスカイライン セダンより少しPWRが低いバイクとして、ヤマハのセロー225WEが挙げられます。PWRの8.800kg/PSは車両重量121kgにライダーの体重55kgを加えた176kgを、最高出力20.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はセロー225WEに16.5km/h勝り、1速TWRは0.722kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

RH03J SR400と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ヤマハのSR400が挙げられます。PWRの8.808kg/PSは車両重量174kg+55kgの229kgを、最高出力26.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は3.3km/h勝り、1速TWRは0.291kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.791
平均ピストンスピード 14.87m/s
トルクウェイトレシオ 69.68kg/kgm
1馬力あたりのお値段 15129円
排気量1Lあたり馬力 77.58PS/L
排気量1Lあたりトルク 9.41kgm/L
1気筒あたりの馬力 25.8PS
1気筒あたりのトルク 3.1kgm
パワーバンド比率 18.8%
燃費×馬力 1291.2pt
各種ランキング
セダンのPWR
1.8~2.0LのNA車 PWR

トルクウェイトレシオは69.68kg/kgm(1310kg/18.8kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が2345000円、最高出力が155馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は15129円、逆に1万円あたりでは0.66馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は124734円、1万円あたりでは0.08kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
日産編
2000cc以下の車編
セダン編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は77.58PS/L、トルクは9.41kgm/L、1気筒あたりの馬力は25.8馬力、トルクは3.1kgmとなり、このエンジンが155馬力を6400回転で発生させているときの平均ピストンスピードは14.87m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が69.7mmであるRB20型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は8610回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.791になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、走ってよし、曲がってよしで至れり尽くせりのオールラウンダーであると言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が8.33km/L、最高出力が155PSであるこの車の獲得ポイントは1291.2ptになります。
戯れに車両重量1310kgを100kg単位にした13.1で割ってみたところ、その数値は98.56ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


人間様の占有スペース

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

人間様の占有スペース
室内長×室内幅×室内高 2.862m³
1人あたりのスペース 0.572m³
室内長/全長 40.4%
室内幅/全幅 82.6%
室内高/全高 82.5%
室内容積/車両体積 27.5%

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は2.862m³です。この車の乗車定員は5人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.572m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は40.4%、同じく室内幅と全幅の比率は82.6%、同じく室内高と全高の比率は82.5%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は27.5%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


スカイライン セダンでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.603m
期待される荷室の幅 1.300m
対角線の長さ 2.064m
期待される荷室の面積 2.084m²

縦方向の長さが1.603m(対角線では2.064m)ともなると、もはや車の中で生活しても良いんじゃないかと錯覚しかねないほど快適な睡眠が約束されます。

日頃の行いが悪いとか、人様には言えないことをやらかしたとか、誰の顔も見たくないなどの訳アリで家に帰れず、やむなく車中泊をしてみたが最期、あまりの気楽さに心を奪われ流浪の民となりかねません。

セダンやクーペであっても後部座席の背もたれを取り外してトランクルームと貫通させて荷室長を確保すれば良いだけの話です。たまに背もたれを取り外してもトランクルームと繋がっていなかったり、頑強な補強バーが入っていて邪魔されることもありますが、恐らく稀なケースです。

車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合6400rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6900回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6900rpm|タイヤサイズ 205/60R15|タイヤ直径 62.7cm|円周長 197.0cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6900rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 3.592 15.67 -
-
52km/h 13260rpm 939.8kgm
2速 2.057 8.97 0.573 1-2/
3950rpm
91km/h 7590rpm 538.2kgm
3速 1.361 5.94 0.662 2-3/
4570rpm
137km/h 5020rpm 356.1kgm
4速 1.000 4.36 0.735 3-4/
5070rpm
187km/h 3690rpm 261.6kgm
5速 0.821 3.58 0.821 4-5/
5660rpm
228km/h 3030rpm 214.8kgm
Final 4.363 レシオカバレッジ(変速比幅)4.375

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数5200rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.363)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(18.8kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.363)÷タイヤの有効半径(0.3135m)で算出。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は5速ギヤの228km(6400rpmでは211.2km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが5200回転で最大トルク18.8kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば69.68kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(8.452kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと939.8kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1310kg)を1速ギヤの最大駆動力(939.8kgm)で割ってみると1.394kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する6400回転でのトルク(17.3kgm)からTWRを算出すると1.515kg/kgmとなり、5200-6400回転の回転域では1.394-1.515kg/kgmの間で推移することがわかります。


おまけ:6400rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

HCR32型スカイライン セダンに搭載されたRB20型1998ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する6400rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

6400rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ48km/h-
2速ギヤ84km/h3670rpm
3速ギヤ127km/h4240rpm
4速ギヤ173km/h4700rpm
5速ギヤ211km/h5250rpm

まず1速ギヤで6400rpmまで引っ張ると48km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は6400rpmから3670rpmまで落ち、そこから6400rpmまで加速を続けると速度は84km/h(+36km/h)になります。

3速ギヤでは4240rpmまで落ちて6400rpmで127km/h(+43km/h)に、4速ギヤでは4700rpmまで落ちて6400rpmで173km/h(+46km/h)に、5速ギヤでは5250rpmまで落ちて6400rpmで211km/h(+38km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 5300 7960 10610 13260 15910 18560 23870
2速 3040 4560 6070 7590 9110 10630 13670
3速 2010 3010 4020 5020 6030 7030 9040
4速 1480 2210 2950 3690 4430 5170 6640
5速 1210 1820 2420 3030 3640 4240 5450
※赤い数字は暫定レブリミット(6900rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.821)を選択して時速100kmにて走行すると3030回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1820回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは2120回転、一般的な高速道路の80km/hでは2420回転、100km/hでは3030回転、制限速度が120km/hになると3640回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは5450回転まで回ります。

時速100kmでの巡航回転数が3000回転を超えるようになってくると、ややパワーが心許ないとか、荷物や人を多く乗せる車であるとか、より鋭い加速を得たい場合のギヤ比ではないかと思います。エンジンのレイアウト(直列3気筒とか)によっては独特の振動が生じたりするので不快感を覚えるようになるかもしれません。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 8 15 23 30 38 45 53 60
2速 13 26 40 53 66 79 92 105
3速 20 40 60 80 100 119 139 159
4速 27 54 81 108 135 163 190 217
5速 33 66 99 132 165 198 231 264

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6900回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの205/60R15と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 205/60R15 | 直径 627mm

-20mm
幅185mm
-10mm
幅195mm
変更なし
幅205mm
+10mm
幅215mm
+20mm
幅225mm
-5%
55
扁平
185/55R15
37.3km/h
直径585mm
径差-42mm
195/55R15
38.0km/h
直径596mm
径差-31mm
205/55R15
38.7km/h
直径607mm
径差-20mm
215/55R15
39.4km/h
直径618mm
径差-9mm
225/55R15
40.1km/h
直径629mm
径差+2mm
0%
60
扁平
185/60R15
38.5km/h
直径603mm
径差-24mm
195/60R15
39.2km/h
直径615mm
径差-12mm
205/60R15
40.0km/h
627mm
0mm
215/60R15
40.8km/h
直径639mm
径差+12mm
225/60R15
41.5km/h
直径651mm
径差+24mm
+5%
65
扁平
185/65R15
39.7km/h
直径622mm
径差-5mm
195/65R15
40.5km/h
直径635mm
径差+8mm
205/65R15
41.3km/h
直径648mm
径差+21mm
215/65R15
42.2km/h
直径661mm
径差+34mm
225/65R15
43.0km/h
直径674mm
径差+47mm
+10%
70
扁平
185/70R15
40.8km/h
直径640mm
径差+13mm
195/70R15
41.7km/h
直径654mm
径差+27mm
205/70R15
42.6km/h
直径668mm
径差+41mm
215/70R15
43.5km/h
直径682mm
径差+55mm
225/70R15
44.4km/h
直径696mm
径差+69mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、185/60R15、185/65R15 、195/55R15、195/60R15 、205/55R15 、215/55R15 あたりのタイヤがおすすめです。

205/60R15のタイヤ幅を185mmから235mmまで、扁平率を45%から75%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、205/60R15の適応サイズと性能の変化 [HCR32型スカイライン セダン編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】205/60R15のタイヤ銘柄と通販価格

HCR32型スカイライン セダン[2.0L-NA FR/5MT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト8.452kg/ps53.60
1速ギヤ加速性能1.394kg/kgm53.89
1L換算馬力77.58ps/L53.54
1L換算トルク9.41kgm/L49.27
WB/TR比1.79148.14
ワイド&ロー指数0.79157.37
前面の面積2.271m²59.97
最低地上高145mm53.86
スポーツ性能部門の得点429.64

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
10-15燃費9.8km/L42.93
年間維持費385100円44.64
100kmh回転数3030rpm42.93
航続距離588.0km42.73
車の大きさ10.403m³45.83
室内の広さ2.862m³44.71
最小回転半径5.2m49.39
馬力単価15129円58.46
ユーティリティ部門の得点371.62

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した HCR32型スカイライン セダン[2.0L-NA FR/5MT] の総合得点は 801.26 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したHCR32型スカイライン セダン(FR/5MT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのセダン」、「2000ccのセダン」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

スカイライン セダンの歴代モデル

13代目 ZV37型 スカイライン
ZV37 スカイラインは2014/02に登場した13代目モデル。参考車両の「200GT-t」は全長4790mm、全幅1820mm、全高1450mmの車体に、211PS/35.7kgmを発生する274930型1991ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

12代目 NJ50型 スカイライン クロスオーバー
NJ50 スカイライン クロスオーバーは2009/07に登場した12代目モデル。参考車両の「370GT-FOUR」は全長4635mm、全幅1800mm、全高1575mmの車体に、330PS/36.8kgmを発生するVQ37型3696ccエンジンを搭載した5人乗りSUV。

11代目 HV35型 スカイライン
HV35 スカイラインは2001/06に登場した11代目モデル。参考車両の「300GT」は全長4675mm、全幅1750mm、全高1470mmの車体に、260PS/33.0kgmを発生するVQ30型2987ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

10代目 ENR34型 スカイライン セダン
ENR34 スカイライン セダンは1998/05に登場した10代目モデル。参考車両の「25GT-FOUR」は全長4705mm、全幅1720mm、全高1385mmの車体に、200PS/26.0kgmを発生するRB25型2498ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

9代目 BCNR33型 スカイラインGT-R
BCNR33 スカイラインGT-Rは1993/08に登場した9代目モデル。参考車両の「GT-R」は全長4675mm、全幅1780mm、全高1360mmの車体に、280PS/37.5kgmを発生するRB26型2568ccエンジンを搭載した4人乗りクーペ。

8代目 ECR32型 スカイライン クーペ
ECR32 スカイライン クーペは1989/05に登場した8代目モデル。参考車両の「GTS25 type-S」は全長4530mm、全幅1695mm、全高1325mmの車体に、180PS/23.0kgmを発生するRB25型2498ccエンジンを搭載した5人乗りクーペ。