R35:GT-R Nismoの性能と維持費 4WD/6AT 1545万円 2014年式

このページでは、日産自動車の2ドア・4人乗りクーペ、初代のDBA-R35型GT-R Nismo NISMO【2014/04モデル・600PS/66.5kgm・4WD/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

R35 GT-R Nismo
販売期間:2007/12 -

画像は日産自動車より引用
http://www.nissan.co.jp/
投稿:2014/11/29|更新:2019/09/26

ボディサイズが全長4680mm×全幅1895mm×全高1370mm、排気量は3799ccであることから、大雑把に分類すると3.8リットルクラス(3800cc、自動車税は4.0L以下を適用)に属し、全長、全高は5ナンバー枠ながら全幅が1.7mを超え、排気量も2000ccを超えていることにより3ナンバー登録になります。比較的コンパクトなボディに大きめなエンジンの組み合わせは世界戦略車(グローバルカー)やちょっとした高級車に良くあるパターンです。
参考:500PS~600PSの自動車 一覧

駆動方式には車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆる四輪駆動(All Wheel Drive・AWD・Four Wheel Drive・4WDとも)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4680mmであるこの車の場合は「アッパーミディアム」(Upper-Medium:4650mm超-4900mm以下・Eセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


R35型 GT-R Nismo [3799cc/600PS 4WD/6AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

初代GT-R Nismoの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2019/10
R35型
[NISMO 2020]
3.8L-TB・4WD/6AT・2420.0万円
600PS・66.5kgm・7.8km/L
600PS
66.5kgm
7.8km/L
2019/10
R35型
[Pure-edition 2020]
3.8L-TB・4WD/6AT・1063.2万円
570PS・65.0kgm・7.8km/L
570PS
65.0kgm
7.8km/L
2016/07
R35型
[Pure-edition 2017]
3.8L-TB・4WD/6AT・996.1万円
570PS・65.0kgm・8.8km/L
570PS
65.0kgm
8.8km/L
初代GT-R Nismoの車両型式・グレード一覧【全9車種】

主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー 日産自動車
車名&
グレード
GT-R Nismo
NISMO
その他 ニスモ ※最高出力と最大トルクの発生回転数が不明(2014年の発売時)なのでトルクは550馬力モデルの3200-5800回転を代入、最高出力は最大トルクから逆算すると6470回転以上なので6500回転を代入
お値段 15444000円
車両型式 DBA-R35
駆動方式
変速機
4WD・四輪駆動(AWD)
6速AT・6速オートマ車
ドア/定員 2ドア/4名乗車
車体寸法 長4680×幅1895×高1370mm
室内寸法 長1750×幅1475×高1095mm
軸距&
輪距
2780mm
前1600mm/後1600mm
最小半径 5.7m
最低高 110mm
タイヤ 前輪:255/40R20
後輪:285/35R20
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 1720kg
エンジン諸元
原動機型式 VR38DETT
気筒配列 V型6気筒
排気量3799cc
圧縮比9.0
吸気方式 ツインターボ
最高出力 600PS[441kW]/6500rpm
最大トルク 66.5kgm[652Nm]/3200-5800rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
VR38DETT型エンジンの諸元と性能まとめ
V型6気筒とは‥シリンダをV字型に交互で6個配置する方式。中排気量のスタンダード。
V型6気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税66500円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税16400円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額7500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、GT-R Nismoの新車を1776.1万円(諸費用として231.7万円を加算)にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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新車で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 4000cc以下 13年未満 66500円
自動車重量税(1年分) 2.0トン以下 13年未満 16400円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷6.8km/L×185円/L 272060円
オイル交換(5000km毎) 1回8000円×2回 16000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本24000円×4本÷5年 19200円
任意保険料(月額7500円) 月額7500円×12ヶ月 90000円
ローン完済後の年間維持費 489000円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額296010円×12ヶ月 3552120円
ローン返済中の年間維持費 4041200円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 53500円
名目 金額
自動車税(1年分) 66500円
自動車重量税(1年分) 16400円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
272060円
(190440円)
(136030円)
(81620円)
オイル交換(5000km毎) 16000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 19200円
任意保険料(月額7500円) 90000円
ローン完済後の年間維持費 489000円
名目 金額
車のローン額(1年分) 3552120円
ローン返済中の年間維持費 4041200円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
53500円
  • 初度登録から10年経過車の場合、「4000cc以下で13年未満」クラスの自動車税は66500円、「2.0トン以下で13年未満」クラスの自動車重量税は16400円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに8000円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本24000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額7500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 10・15モード燃費、JC08モード燃費、WLTCモード燃費いずれもデータがないので10.0km/Lを仮の燃費として代入。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした53500円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

このあたりのクラスから理想と現実の違い、つまり「乗りたい車」と「乗ることができる車」は違うことを思い知らされます。うっかり手を出せば「いっ…維持費が高すぎて息ができん!フーッ!フーッ!」と目を白黒させることになりかねません。

さて、GT-R Nismo【NISMO】の場合、維持費の月額は40800円になります。金銭的にシビアな人からは「車なんてどれもタイヤが4つあるだけなのに、なんでこんなにお金の掛かる車に乗ってるんだ…修行か…」と奇異の目で見られていることでしょう。でも良いんです。愛さえあれば。

GT-R Nismoの維持費は高い?安い?

「GT-R Nismoの年間維持費は489000円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「4000ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてGT-R Nismoの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いラングラー398100円-90900円
フェアレディZ442700円-46300円
ラングラー アンリミテッド463300円-25700円
FJクルーザー469600円-19400円
GT-R Nismoの維持費489000円
基準4000ccクラス平均491000円+2000円
Gクラス 4x4507700円+18700円
チェロキー564600円+75600円
ディスカバリー631500円+142500円
高いランドクルーザー80720300円+231300円

GT-R Nismoの年間維持費を、4000ccクラスで最も維持費が安いラングラーと比較して90900円高く、最も高いランドクルーザー80と比較して231300円安く、4000ccクラスの平均維持費との比較では2000円安くなっています。

最低額のラングラーと最高額のランドクルーザー80は極端な例としても、4000ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、GT-R Nismoの維持費は ちょっと安い! と言えそうです。

年間維持費が安い 4000ccクラスの車 ランキング

GT-R Nismoを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%640万円54万円42万円
15%420万円35万円27万円
20%320万円27万円21万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は640万円(総支給額54万円/月、手取り42万円/月)、ここから月額維持費4.1万円を支払うと残りは37.9万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は420万円(総支給額35万円/月、手取り27万円/月)、4.1万円を支払うと残りは22.9万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が320万円(総支給額27万円/月、手取り21万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。4.1万円を引くと残りは16.9万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代28万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり185円を基準として、-50円となる135円から、+50円となる235円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費6.8km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
135円/L
198540円
[-73520円]
-25円
160円/L
235300円
[-36760円]
-10円
175円/L
257360円
[-14700円]
185円/L272060円
[0円]
+10円
195円/L
286770円
[+14710円]
+25円
210円/L
308830円
[+36770円]
+50円
235円/L
345600円
[+73540円]

燃費6.8km/LのR35型 GT-R Nismoで10000km走行するのに必要な燃料は1470.6L、1リットルあたり185円としたときの燃料代は272060円になります。

参考までに、GT-R Nismoの燃料タンクは74リットルですので、1470.6Lの給油回数は20回、1回あたりの燃料代は約13610円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては14710円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると36770円、50円も違ってくると73540円にもなります。

これをR35型 GT-R Nismoの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり185円の場合を489000円としたとき、135円/Lに値下がりすれば415480円(85.0%)に、235円/Lに値上がりすれば562540円(115.0%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(66500円)なり重量税(16400円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 66500円 25%
自動車重量税 1年分 16400円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 3000km分 81620円 31%
オイル交換 年1回 8000円 3%
タイヤ交換 6年毎 12800円 5%
任意保険料 80% 72000円 27%
合計
[1万kmとの差額]
266200円
-222800円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 66500円 20%
自動車重量税 1年分 16400円 5%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 5000km分 136030円 42%
オイル交換 年1回 8000円 2%
タイヤ交換 6年毎 12800円 4%
任意保険料 85% 76560円 24%
合計
[1万kmとの差額]
325200円
-163800円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 66500円 17%
自動車重量税 1年分 16400円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 7000km分 190440円 49%
オイル交換 年1回 11200円 3%
タイヤ交換 6年毎 12800円 3%
任意保険料 90% 81000円 22%
合計
[1万kmとの差額]
387200円
-101800円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料90000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて222800円安い266200円に、5000km走行では163800円安い325200円に、7000km走行では101800円安い387200円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 66500円 10%
自動車重量税 1年分 16400円 2%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 15000km分 408090円 61%
オイル交換 年3回 48000円 7%
タイヤ交換 2.7年毎 28800円 4%
任意保険料 100% 90000円 15%
合計
[1万kmとの差額]
666700円
+177700円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 66500円 8%
自動車重量税 1年分 16400円 2%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 544120円 66%
オイル交換 年4回 64000円 8%
タイヤ交換 2年毎 38400円 5%
任意保険料 100% 90000円 10%
合計
[1万kmとの差額]
828300円
+339300円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
日産の小型車&普通車編
4000cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
2ドア・クーペ編

GT-R Nismoの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
暫定基準燃費 6.8km/L
燃料タンク容量 74L
航続距離(カタログ燃費) 503.2km
航続距離(80%燃費) 399.6km
満タンプライス 13690円
1km走行コスト 27.21円
1万円でどこまで行ける? km

10・15モード燃費、JC08モード燃費、WLTPモード燃費ともにデータがないので6.8km/Lを仮の燃費とすると、、燃料タンク容量74リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は503.2kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(6.1km/L)とすると航続距離は451.4km、80%(5.4km/L)だと399.6km、70%(4.8km/L)では355.2kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から74リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり185円では13690円、上で計算した航続距離を踏まえると503.2km(80%燃費時399.6km)を走行するのに13690円かかる計算です。

燃費を6.8km/Lとしたときの1km走行コストは27.21円、10万km走行したときの燃料代は万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら万円/年、7年10万kmなら万円/年、5年10万kmなら万円/年、3年10万kmなら万円/年となります。


カタログデータから見えてくる要素

VR38DETT型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
3200回転時の馬力 297PS
5800回転時の馬力 538PS
6500回転時の馬力 600PS
各回転域でのトルク
3200回転時のトルク 66.5kgm
5800回転時のトルク 66.5kgm
6500回転時のトルク 66.1kgm
VR38DETT型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているVR38型3799cc、V型6気筒のツインターボエンジンは6500回転時に最高出力600馬力を、3200-5800回転時に最大トルク66.5kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する3200rpmから最高出力が発生する6500rpmまで」の3300rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は50.8%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
4000cc以下クラス編
日産の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
4000cc以下クラス編
日産の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ2.867kg/PS(1720kg/600PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ2.867kg/PS
車体+1人2.958kg/PS
車体+4人3.233kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg2.967kg/PS
車体+70kg2.983kg/PS
車体+80kg3.000kg/PS
車体+90kg3.017kg/PS
車体+100kg3.033kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは2.958kg/PS(1775kg/600PS)となり、数値としては0.091kg、比率にすると3.2%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの4人が搭乗した場合、車両重量に220kgがプラスされてパワーウェイトレシオは3.233kg/PS(1940kg/600PS)となり、数値としては0.366kg、比率にすると12.8%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

R35 GT-R Nismoのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2014/04

-
GT-R Nismo
2.958kg/PS
1775kg/600PS|3.8L-TT
[車体のみPWR:2.867]
2010/12

車種詳細
LFA
2.741kg/PS
1535kg/560PS|4.9L-NA
車体のみPWR:2.643
2016/07

車種詳細
GT-R
3.184kg/PS
1815kg/570PS|3.8L-TT
車体のみPWR:3.088
2012/08

車種詳細
コルベット クーペ
2.926kg/PS
1495kg/511PS|7.0L-NA
車体のみPWR:2.818
2011/11

車種詳細
GT-R
3.264kg/PS
1795kg/550PS|3.8L-TT
車体のみPWR:3.164
2016/04

車種詳細
M4 GTS クーペ
3.310kg/PS
1655kg/500PS|3.0L-TB
車体のみPWR:3.200

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ2.958kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

2.514kg/PSから3.402kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、レクサスの2人乗りクーペ「LFA10型 LFA」、日産の4人乗りクーペ「R35型 GT-R」、シボレーの2人乗りクーペ「X245A型 コルベット クーペ」、日産の4人乗りクーペ「R35型 GT-R」、BMWの4人乗りクーペ「3C30型 M4 GTS クーペ」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

R35型 GT-R Nismo [NISMO]のライバル車種|2.958kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は348.8PS/tとなっています。


GT-R Nismoがバイクと競争するなら…?


車種詳細
バンディット1200|1156cc
2.950kg/PS
295kg/100.0PS/9.50kgm
[車体のみPWR:2.400]
1速ギヤ速度:90.2km/h
最小TWR:0.711
2014/04

-
GT-R Nismo|3799cc
2.958kg/PS
1775kg/600PS/66.5kgm
[車体のみPWR:2.867]
1速ギヤ速度:57.8km/h
最小TWR:0.610

車種詳細
バンディット1200S|1156cc
2.960kg/PS
296kg/100.0PS/9.50kgm
[車体のみPWR:2.410]
1速ギヤ速度:90.2km/h
最小TWR:0.714

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではGT-R Nismoとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

GV79A バンディット1200と競争してみる

まずGT-R Nismoより少しPWRが低いバイクとして、スズキのバンディット1200が挙げられます。PWRの2.950kg/PSは車両重量240kgにライダーの体重55kgを加えた295kgを、最高出力100.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はバンディット1200に32.4km/h劣り、1速TWRは0.101kg勝る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

GV79A バンディット1200Sと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、スズキのバンディット1200Sが挙げられます。PWRの2.960kg/PSは車両重量241kg+55kgの296kgを、最高出力100.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は32.4km/h劣り、1速TWRは0.104kg勝る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.738
平均ピストンスピード 19.15m/s
トルクウェイトレシオ 25.86kg/kgm
1馬力あたりのお値段 25740円
排気量1Lあたり馬力 157.94PS/L
排気量1Lあたりトルク 17.50kgm/L
1気筒あたりの馬力 100.0PS
1気筒あたりのトルク 11.1kgm
パワーバンド比率 50.8%
燃費×馬力 No data
各種ランキング
クーペのPWR
3.5~4.0L以下のPWR

トルクウェイトレシオは25.86kg/kgm(1720kg/66.5kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が15444000円、最高出力が600馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は25740円、逆に1万円あたりでは0.39馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は232241円、1万円あたりでは0.04kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
日産編
4000cc以下の車編
クーペ編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は157.94PS/L、トルクは17.50kgm/L、1気筒あたりの馬力は100.0馬力、トルクは11.1kgmとなり、このエンジンが600馬力を6500回転で発生させているときの平均ピストンスピードは19.15m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が88.4mmであるVR38型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6790回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.738になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、走ってよし、曲がってよしで至れり尽くせりのオールラウンダーであると言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

人間様の占有スペース

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

人間様の占有スペース
室内長×室内幅×室内高 2.826m³
1人あたりのスペース 0.707m³
室内長/全長 37.4%
室内幅/全幅 77.8%
室内高/全高 79.9%
室内容積/車両体積 23.3%

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は2.826m³です。この車の乗車定員は4人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.707m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は37.4%、同じく室内幅と全幅の比率は77.8%、同じく室内高と全高の比率は79.9%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は23.3%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


GT-R Nismoでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.638m
期待される荷室の幅 1.375m
対角線の長さ 2.139m
期待される荷室の面積 2.252m²

縦方向の長さが1.638m(対角線では2.139m)ともなると、もはや車の中で生活しても良いんじゃないかと錯覚しかねないほど快適な睡眠が約束されます。

日頃の行いが悪いとか、人様には言えないことをやらかしたとか、誰の顔も見たくないなどの訳アリで家に帰れず、やむなく車中泊をしてみたが最期、あまりの気楽さに心を奪われ流浪の民となりかねません。

セダンやクーペであっても後部座席の背もたれを取り外してトランクルームと貫通させて荷室長を確保すれば良いだけの話です。たまに背もたれを取り外してもトランクルームと繋がっていなかったり、頑強な補強バーが入っていて邪魔されることもありますが、恐らく稀なケースです。

車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合6500rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした7000回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 7000rpm|タイヤサイズ 285/35R20|タイヤ直径 70.8cm|円周長 222.4cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
7000rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 4.056 15.01 -
-
62km/h 11250rpm 2819.1kgm
2速 2.301 8.51 0.567 1-2/
3970rpm
110km/h 6380rpm 1599.3kgm
3速 1.595 5.90 0.693 2-3/
4850rpm
158km/h 4420rpm 1108.6kgm
4速 1.248 4.62 0.782 3-4/
5470rpm
202km/h 3460rpm 867.4kgm
5速 1.001 3.70 0.802 4-5/
5610rpm
252km/h 2780rpm 695.8kgm
6速 0.796 2.95 0.795 5-6/
5570rpm
317km/h 2210rpm 553.3kgm
Final 3.700 レシオカバレッジ(変速比幅)5.095

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数3200-5800rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.700)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(66.5kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.700)÷タイヤの有効半径(0.354m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は6速ギヤの317km(6500rpmでは294.5km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが3200-5800回転で最大トルク66.5kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば25.86kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(2.867kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと2819.1kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1720kg)を1速ギヤの最大駆動力(2819.1kgm)で割ってみると0.610kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する6500回転でのトルク(66.1kgm)からTWRを算出すると0.614kg/kgmとなり、3200-6500回転の回転域では0.610-0.614kg/kgmの間で推移することがわかります。


おまけ:6500rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

R35型GT-R Nismoに搭載されたVR38型3799ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する6500rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

6500rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ58km/h-
2速ギヤ102km/h3690rpm
3速ギヤ147km/h4500rpm
4速ギヤ188km/h5080rpm
5速ギヤ234km/h5210rpm
6速ギヤ294km/h5170rpm

まず1速ギヤで6500rpmまで引っ張ると58km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は6500rpmから3690rpmまで落ち、そこから6500rpmまで加速を続けると速度は102km/h(+44km/h)になります。

3速ギヤでは4500rpmまで落ちて6500rpmで147km/h(+45km/h)に、4速ギヤでは5080rpmまで落ちて6500rpmで188km/h(+41km/h)になります。

続いて5速ギヤでは5210rpmまで落ちて6500rpmで234km/h(+46km/h)に、6速ギヤでは5170rpmまで落ちて6500rpmで294km/h(+60km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4500 6750 9000 11250 13500 15740 20240
2速 2550 3830 5100 6380 7660 8930 11480
3速 1770 2650 3540 4420 5310 6190 7960
4速 1380 2080 2770 3460 4150 4840 6230
5速 1110 1670 2220 2780 3330 3890 5000
6速 880 1320 1770 2210 2650 3090 3970
※赤い数字は暫定レブリミット(7000rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.796)を選択して時速100kmにて走行すると2210回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1320回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1540回転、一般的な高速道路の80km/hでは1770回転、100km/hでは2210回転、制限速度が120km/hになると2650回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは3970回転まで回ります。

一般的な自動車であれば時速100kmでの巡航回転数は2500回転付近に落ち着くようですが、その中でも若干低めの回転数となっています。標準的なギヤ比の範囲内ながらも加速よりも静粛性や燃費に重きを置いた設定なので、急な坂道や長く続く坂道では積極的にギヤを1段下げる操作が必要になるかもしれません。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 9 18 27 36 44 53 62 71
2速 16 31 47 63 78 94 110 125
3速 23 45 68 90 113 136 158 181
4速 29 58 87 116 144 173 202 231
5速 36 72 108 144 180 216 252 288
6速 45 91 136 181 227 272 317 362

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(7000回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの285/35R20と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 285/35R20 | 直径 708mm

-20mm
幅265mm
-10mm
幅275mm
変更なし
幅285mm
+10mm
幅295mm
+20mm
幅305mm
-5%
30
扁平
265/30R20
37.7km/h
直径667mm
径差-41mm
275/30R20
38.0km/h
直径673mm
径差-35mm
285/30R20
38.4km/h
直径679mm
径差-29mm
295/30R20
38.7km/h
直径685mm
径差-23mm
305/30R20
39.0km/h
直径691mm
径差-17mm
0%
35
扁平
265/35R20
39.2km/h
直径694mm
径差-14mm
275/35R20
39.6km/h
直径701mm
径差-7mm
285/35R20
40.0km/h
708mm
0mm
295/35R20
40.4km/h
直径715mm
径差+7mm
305/35R20
40.8km/h
直径722mm
径差+14mm
+5%
40
扁平
265/40R20
40.7km/h
直径720mm
径差+12mm
275/40R20
41.1km/h
直径728mm
径差+20mm
285/40R20
41.6km/h
直径736mm
径差+28mm
295/40R20
42.0km/h
直径744mm
径差+36mm
305/40R20
42.5km/h
直径752mm
径差+44mm
+10%
45
扁平
265/45R20
42.2km/h
直径747mm
径差+39mm
275/45R20
42.7km/h
直径756mm
径差+48mm
285/45R20
43.2km/h
直径765mm
径差+57mm
295/45R20
43.7km/h
直径774mm
径差+66mm
305/45R20
44.2km/h
直径783mm
径差+75mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、265/35R20 、275/30R20、275/35R20 、285/30R20 、295/30R20 、305/30R20あたりのタイヤがおすすめです。

285/35R20のタイヤ幅を265mmから315mmまで、扁平率を20%から50%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、285/35R20の適応サイズと性能の変化 [R35型GT-R Nismo編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】285/35R20のタイヤ銘柄と通販価格

R35型GT-R Nismo[3.8L-TT 4WD/6AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト2.867kg/ps68.89
1速ギヤ加速性能0.610kg/kgm70.64
1L換算馬力157.94ps/L69.88
1L換算トルク17.50kgm/L54.84
WB/TR比1.73853.61
ワイド&ロー指数0.72362.31
前面の面積2.596m²50.87
最低地上高110mm68.09
スポーツ性能部門の得点499.13

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
燃費-41.40
年間維持費489000円35.13
100kmh回転数2210rpm53.75
航続距離-26.05
車の大きさ12.150m³52.76
室内の広さ2.826m³44.37
最小回転半径5.7m39.18
馬力単価25740円44.50
ユーティリティ部門の得点337.14

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した R35型GT-R Nismo[3.8L-TT 4WD/6AT] の総合得点は 836.27 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したR35型GT-R Nismo(4WD/6AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのクーペ」、「4000ccのクーペ」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。