RD18K:TFの性能と維持費 MR/5MT 2人乗り 310万円 2004年式

このページでは、MGの2ドア・2人乗りオープンカー、初代のGH-RD18K型TF 135【2004/04モデル・136PS/16.8kgm・MR/MT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

RD18K TF
販売期間:2003/07 - 2005/06

画像はMGより引用
http://mg.co.uk/
投稿:2012/05/13|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長3950mm×全幅1630mm×全高1260mm、排気量は1796ccであることから、大雑把に分類すると1.8リットルクラス(1800cc、自動車税は2.0L以下を適用)に属した、いわゆる5ナンバークラスの車です。とにかく排気量を増やして、とにかくボディを大きく、特に全幅を広げれば良いんだという風潮が蔓延る現代においては大変貴重な車となっています。

駆動方式にはエンジンを車体の中央(運転席より後、後輪よりは前)に搭載し、後輪のみを駆動する、ミッドシップエンジン・リヤドライブ方式(MR)を採用しています。エンジンやミッションといった重量物が車体の中心近くにあるため切れ味鋭いハンドリングを実現するとされ、生粋のスポーツカー、スーパーカーの代名詞的な駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が3950mmであるこの車の場合は「ロア ミディアム」(Lower-Medium:3850mm超-4300mm以下・Cセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


RD18K型 TF [1796cc/136PS MR/5MT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

初代TFの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2004/04
RD18K型
[160]
1.8L-NA | MR/5MT
| 341.2万円
160PS
17.7kgm
9.5km/L

主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー MG
車名&
グレード
TF
135
その他 80thアニバーサリー
お値段 3097500円
車両型式 GH-RD18K
駆動方式
変速機
MR・後輪駆動(RWD,2WD)
5速MT・5速マニュアル車
ドア/定員 2ドア/2名乗車
車体寸法 長3950×幅1630×高1260mm
軸距&
輪距
2380mm
前1410mm/後1410mm
タイヤ 前輪:195/45R16
後輪:215/40R16
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ディスク
車両重量 0kg
エンジン諸元
原動機型式 K
気筒配列 直列4気筒
排気量1796cc
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 136PS[100kW]/6750rpm
最大トルク 16.8kgm[165Nm]/5000rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
10・15燃費 9.0km/L(21.2mpg)
100km燃費 11.1L/100km
K型エンジンの諸元と性能まとめ
直列4気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に4個配置する方式。小排気量から2.5Lあたりまでをカバー。
直列4気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税45400円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税0円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額5500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2004/04モデルのTFを20年落ちの中古で68.2万円にて購入し、頭金なしで2年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    TFの2004/04モデルの場合、2024年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の20%である62万円に諸経費として6.2万円を足した68.2万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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2004年式を20年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 2000cc以下 13年経過 45400円
自動車重量税(1年分) 不明 18年経過 0円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
10000km÷7.6km/L×180円/L
7000km÷7.6km/L×180円/L
5000km÷7.6km/L×180円/L
3000km÷7.6km/L×180円/L
236840円
(165790円)
(118420円)
(71050円)
オイル交換(5000km毎) 1回4500円×2回 9000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本12000円×4本÷5年 9600円
任意保険料(月額5500円) 月額5500円×12ヶ月 66000円
ローン完済後の年間維持費 375700円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額28420円×12ヶ月 341040円
ローン返済中の年間維持費 716800円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分+検査手数料等3000円程度 20700円
名目 金額
自動車税(1年分) 45400円
自動車重量税(1年分) 0円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
236840円
(165790円)
(118420円)
(71050円)
オイル交換(5000km毎) 9000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 9600円
任意保険料(月額5500円) 66000円
ローン完済後の年間維持費 375700円
名目 金額
車のローン額(1年分) 341040円
ローン返済中の年間維持費 716800円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
20700円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「2000cc以下で13年経過」クラスの自動車税は45400円、「不明で18年経過」クラスの自動車重量税は0円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに4500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本12000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額5500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした20700円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

年間の維持費が30万円前後では曖昧だった貧民と平民の線引きがこの辺りから明確になってきます。月換算で3万円~4万円、年間では36万円~48万円クラスとなると、それなりの収入が継続的に見込めないと手を出せないクラスです。

TF【135】の場合、維持費の月額は31400円(ローン完済前は59800円)になります。金銭的にシビアな人からは「車なんてどれもタイヤが4つあるだけなのに、なんでこんなにお金の掛かる車に乗ってるんだ…修行か…」と奇異の目で見られていることでしょう。でも良いんです。愛さえあれば。


燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり180円を基準として、-50円となる130円から、+50円となる230円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費7.6km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
130円/L
171060円
[-65780円]
-25円
155円/L
203950円
[-32890円]
-10円
170円/L
223690円
[-13150円]
180円/L236840円
[0円]
+10円
190円/L
250010円
[+13170円]
+25円
205円/L
269740円
[+32900円]
+50円
230円/L
302640円
[+65800円]

燃費7.6km/LのRD18K型 TFで10000km走行するのに必要な燃料は1315.8L、1リットルあたり180円としたときの燃料代は236840円になります。

参考までに、TFの燃料タンクは50リットルですので、1315.8Lの給油回数は27回、1回あたりの燃料代は約8780円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては13170円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると32900円、50円も違ってくると65800円にもなります。

これをRD18K型 TFの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり180円の場合を375700円としたとき、130円/Lに値下がりすれば309920円(82.5%)に、230円/Lに値上がりすれば441500円(117.5%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(45400円)なり重量税(0円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 45400円 24%
自動車重量税 1年分 0円 0%
自賠責保険料 1年分 8825円 5%
燃料代 3000km分 71050円 38%
オイル交換 年1回 4500円 2%
タイヤ交換 6年毎 6400円 3%
任意保険料 80% 52800円 28%
合計
[1万kmとの差額]
189000円
-186700円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 45400円 19%
自動車重量税 1年分 0円 0%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 5000km分 118420円 49%
オイル交換 年1回 4500円 2%
タイヤ交換 6年毎 6400円 3%
任意保険料 85% 56160円 23%
合計
[1万kmとの差額]
239800円
-135900円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 45400円 16%
自動車重量税 1年分 0円 0%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 7000km分 165790円 57%
オイル交換 年1回 6300円 2%
タイヤ交換 6年毎 6400円 2%
任意保険料 90% 59400円 20%
合計
[1万kmとの差額]
292200円
-83500円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料66000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて186700円安い189000円に、5000km走行では135900円安い239800円に、7000km走行では83500円安い292200円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 45400円 9%
自動車重量税 1年分 0円 0%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 15000km分 355260円 69%
オイル交換 年3回 27000円 5%
タイヤ交換 2.7年毎 14400円 3%
任意保険料 100% 66000円 12%
合計
[1万kmとの差額]
516900円
+141200円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 45400円 7%
自動車重量税 1年分 0円 0%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 473680円 73%
オイル交換 年4回 36000円 6%
タイヤ交換 2年毎 19200円 3%
任意保険料 100% 66000円 10%
合計
[1万kmとの差額]
649200円
+273500円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。



TFの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 9.0km/L
燃料タンク容量 50L
航続距離(カタログ燃費) 450.0km
航続距離(80%燃費) 360.0km
満タンプライス 9000円
1km走行コスト 20.00円
1万円でどこまで行ける? 500.0km
車両価格/航続距離 6883円/km

10・15モード燃費が9.0km/L、燃料タンク容量50リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は450.0kmになります。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(8.1km/L)とすると405.0km、80%(7.2km/L)だと360.0km、70%(6.3km/L)では315.0kmという航続距離になります。

燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり180円で50リットルの給油をすると9000円、上で計算した航続距離を踏まえると450.0km(80%燃費時360.0km)を走行するのに9000円かかる計算です。

燃費を7.6km/Lとしたときの1km走行コストは20.00円、10万km走行したときの燃料代は200.0万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら20.0万円/年、7年10万kmなら28.6万円/年、5年10万kmなら40.0万円/年、3年10万kmなら66.7万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば500.0km(往復なら片道250.0km)、カタログ値の80%なら400.0km(片道200.0km)離れたところまで行くことができます。

ちなみに、1回の給油で450.0kmの距離を移動できるRD18K型 TF [135]という乗り物を、309.8万円で手に入れたと考えたとき、この車が1km走行するにあたっては「6883円の値打ちがある!」と言える、かもしれません。


カタログデータから見えてくる要素

K型エンジン簡易性能曲線図
K型エンジン性能曲線図もどき
各回転域での馬力
5000回転時の馬力 117PS
6750回転時の馬力 136PS
各回転域でのトルク
5000回転時のトルク 16.8kgm
6750回転時のトルク 14.4kgm
K型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているK型1796cc、直列4気筒の自然吸気エンジンは6750回転時に最高出力136馬力を、5000回転時に最大トルク16.8kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、最大トルクと最高出力の発生回転数が程よく近いこのエンジンは、高めの回転数が得意なタイプのエンジンです。日常での使い勝手をある程度は確保しつつ、高回転のパワー感もしっかり伴う雰囲気の良さが自慢です。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する5000rpmから最高出力が発生する6750rpmまで」の1750rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は25.9%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
2000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
2000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が3097500円、最高出力が136馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は22776円、逆に1万円あたりでは0.44馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は184375円、1万円あたりでは0.05kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
2000cc以下の車編
オープンカー編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は75.80PS/L、トルクは9.35kgm/L、1気筒あたりの馬力は34.0馬力、トルクは4.2kgmとなり、このエンジンが136馬力を6750回転で発生させているときの平均ピストンスピードは20.09m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が89.3mmであるK型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6720回転です。●最高出力を発生している時点で既に20.0m/sを超えているこのエンジンは実に良く設計された秀逸なエンジンであると言えます。一昔(二昔?)前の常識を覆す誉れ高きエンジンですので、ぜひとも重要文化遺産に登録して後世に伝えていかねばなりません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.688になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと小回りを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が7.65km/L、最高出力が136PSであるこの車の獲得ポイントは1040.4ptになります。
戯れに車両重量0kgを100kg単位にした0.0で割ってみたところ、その数値は0.00ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)



ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合6750rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした7250回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 7250rpm|タイヤサイズ 215/40R16|タイヤ直径 57.8cm|円周長 181.6cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
7250rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 3.166 13.30 -
-
59km/h 12200rpm 773.0kgm
2速 1.842 7.74 0.582 1-2/
4220rpm
102km/h 7100rpm 449.7kgm
3速 1.307 5.49 0.710 2-3/
5150rpm
144km/h 5040rpm 319.1kgm
4速 1.033 4.34 0.790 3-4/
5730rpm
182km/h 3980rpm 252.2kgm
5速 0.765 3.21 0.741 4-5/
5370rpm
246km/h 2950rpm 186.8kgm
Final 4.200 レシオカバレッジ(変速比幅)4.139

ギヤの繋がりイメージ
RD18K型TF5MT車のギヤ比イメージ
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数5000rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.200)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(16.8kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.200)÷タイヤの有効半径(0.289m)で算出。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は5速ギヤの246km(6750rpmでは228.9km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

おまけ:6750rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

6750rpmでの速度と
シフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ55km/h-
2速ギヤ95km/h3930rpm
3速ギヤ134km/h4790rpm
4速ギヤ170km/h5330rpm
5速ギヤ229km/h5000rpm

RD18K型TFに搭載されたK型1796ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する6750rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

まず1速ギヤで6750rpmまで引っ張ると55km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は6750rpmから3930rpmまで落ち、そこから6750rpmまで加速を続けると速度は95km/h(+40km/h)になります。

3速ギヤでは4790rpmまで落ちて6750rpmで134km/h(+39km/h)に、4速ギヤでは5330rpmまで落ちて6750rpmで170km/h(+36km/h)に、5速ギヤでは5000rpmまで落ちて6750rpmで229km/h(+59km/h)という具合に加速していくイメージです。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが5000回転で最大トルク16.8kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4880 7320 9760 12200 14640 17090 21970
2速 2840 4260 5680 7100 8520 9940 12780
3速 2020 3020 4030 5040 6050 7050 9070
4速 1590 2390 3190 3980 4780 5570 7170
5速 1180 1770 2360 2950 3540 4130 5310
※赤い数字は暫定レブリミット(7250rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.765)を選択して時速100kmにて走行すると2950回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1770回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは2060回転、一般的な高速道路の80km/hでは2360回転、100km/hでは2950回転、制限速度が120km/hになると3540回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは5310回転まで回ります。

一般的な自動車であれば時速100kmでの巡航回転数は2500回転付近に落ち着くようですが、その中でも若干高めの回転数となっています。標準的なギヤ比の範囲内ながらも静粛性や燃費よりも加速に重きを置いた設定なので、高速道路やバイパスを走行するとき、ふと「もう1段上のギヤがあったらなあ‥」と呟くことがあるかもしれません。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 8 16 25 33 41 49 57 66
2速 14 28 42 56 70 85 99 113
3速 20 40 60 79 99 119 139 159
4速 25 50 75 100 126 151 176 201
5速 34 68 102 136 170 203 237 271

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(7250回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。


純正装着タイヤの215/40R16と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 215/40R16 | 直径 578mm

-20mm
幅195mm
-10mm
幅205mm
変更なし
幅215mm
+10mm
幅225mm
+20mm
幅235mm
-5%
35
扁平
195/35R16
37.6km/h
直径543mm
径差-35mm
205/35R16
38.1km/h
直径550mm
径差-28mm
215/35R16
38.5km/h
直径557mm
径差-21mm
225/35R16
39.0km/h
直径564mm
径差-14mm
235/35R16
39.5km/h
直径571mm
径差-7mm
0%
40
扁平
195/40R16
38.9km/h
直径562mm
径差-16mm
205/40R16
39.4km/h
直径570mm
径差-8mm
215/40R16
40.0km/h
578mm
0mm
225/40R16
40.6km/h
直径586mm
径差+8mm
235/40R16
41.1km/h
直径594mm
径差+16mm
+5%
45
扁平
195/45R16
40.3km/h
直径582mm
径差+4mm
205/45R16
40.9km/h
直径591mm
径差+13mm
215/45R16
41.5km/h
直径600mm
径差+22mm
225/45R16
42.1km/h
直径609mm
径差+31mm
235/45R16
42.8km/h
直径618mm
径差+40mm
+10%
50
扁平
195/50R16
41.6km/h
直径601mm
径差+23mm
205/50R16
42.3km/h
直径611mm
径差+33mm
215/50R16
43.0km/h
直径621mm
径差+43mm
225/50R16
43.7km/h
直径631mm
径差+53mm
235/50R16
44.4km/h
直径641mm
径差+63mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、195/40R16 、205/35R16、205/40R16 、215/35R16 、225/35R16 、235/35R16あたりのタイヤがおすすめです。

215/40R16のタイヤ幅を195mmから245mmまで、扁平率を25%から55%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、215/40R16の適応サイズと性能の変化 [RD18K型TF編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
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RD18K型TF[1.8L-NA MR/5MT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト-23.28
1速ギヤ加速性能-39.92
1L換算馬力75.80ps/L52.17
1L換算トルク9.35kgm/L48.54
WB/TR比1.68858.76
ワイド&ロー指数0.77358.67
前面の面積2.054m²66.01
最低地上高-43.72
スポーツ性能部門の得点391.07

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
10-15燃費9.0km/L41.18
年間維持費375700円45.57
100kmh回転数2950rpm43.88
航続距離450.0km34.59
車の大きさ8.113m³36.77
室内の広さ(仮) 1.471m³31.51
最小回転半径-39.21
馬力単価22776円48.28
ユーティリティ部門の得点320.99

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した RD18K型TF[1.8L-NA MR/5MT] の総合得点は 712.06 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したRD18K型TF(MR/5MT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのオープンカー」、「2000ccのオープンカー」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。