463234:Gクラスの性能と維持費 4WD/7AT 1470万円 2015年式

このページでは、メルセデスベンツの5ドア・5人乗りSUV、2代目のABA-463234型Gクラス G550 W463【2015/12モデル・421PS/62.2kgm・4WD/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

463234 Gクラス
販売期間:1994/12 -

画像はメルセデスベンツより引用
http://www.mercedes-benz.co.jp/
投稿:2015/12/18|更新:2019/09/26

ボディサイズが全長4575mm×全幅1860mm×全高1970mm、排気量は3982ccであることから、大雑把に分類すると4.0リットルクラス(4000cc、自動車税は4.0L以下を適用)に属し、全長、全高は5ナンバー枠ながら全幅が1.7mを超え、排気量も2000ccを超えていることにより3ナンバー登録になります。比較的コンパクトなボディに大きめなエンジンの組み合わせは世界戦略車(グローバルカー)やちょっとした高級車に良くあるパターンです。
参考:400PS~450PSの自動車 一覧

駆動方式には車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆる四輪駆動(All Wheel Drive・AWD・Four Wheel Drive・4WDとも)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4575mmであるこの車の場合は「ミディアム」(Medium:4300mm超-4650mm以下・Dセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


463234型 Gクラス [3982cc/421PS 4WD/7AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

2代目Gクラスの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2021/01
463276型
[G63 AMG W463]
4.0L-TB・4WD/9AT・2218.0万円
585PS・86.7kgm・6.6km/L
585PS
86.7kgm
6.6km/L
2021/01
463349型
[G350d W463]
2.9L-TB・4WD/9AT・1251.0万円
286PS・61.2kgm・9.9km/L
286PS
61.2kgm
9.9km/L
2021/01
463260型
[G550 W463]
4.0L-TB・4WD/9AT・1705.0万円
421PS・62.2kgm・7.4km/L
421PS
62.2kgm
7.4km/L
2代目 Gクラス 型式一覧 W463系まとめ 1991【全16車種】
Gクラスの旧型モデル
初代 460239型ゲレンデヴァーゲン
460239型ゲレンデヴァーゲンは1979に登場した初代モデル。参考車両の「230GE-Long W460」は全長4560mm、全幅1775mm、全高1970mmの車体に、120PS/19.6kgmを発生するM102型2297ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー メルセデスベンツ
車名&
グレード
Gクラス
G550 W463
その他 副変速比Hi-0.870/Low-2.158
お値段 14700000円
車両型式 ABA-463234
駆動方式
変速機
4WD・四輪駆動(AWD)
7速AT・7速オートマ車
ドア/定員 5ドア/5名乗車
車体寸法 長4575×幅1860×高1970mm
室内寸法 長1795×幅1495×高1190mm
軸距&
輪距
2850mm
前1525mm/後1525mm
最小半径 6.2m
最低高 235mm
タイヤ 前輪:275/55R19
後輪:275/55R19
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ディスク
車両重量 2560kg
エンジン諸元
原動機型式 M176
気筒配列 V型8気筒
排気量3982cc
圧縮比10.5
吸気方式 ターボ
最高出力 421PS[309kW]/5250-5500rpm
最大トルク 62.2kgm[610Nm]/2000-4750rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
M176型エンジンの諸元と性能まとめ
V型8気筒とは‥シリンダをV字型に交互で8個配置する方式。中?大排気量のスタンダード。
V型8気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税66500円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税24600円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額7500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、Gクラスの新車を1690.5万円(諸費用として220.5万円を加算)にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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新車で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 4000cc以下 13年未満 66500円
自動車重量税(1年分) 3.0トン以下 13年未満 24600円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷5.2km/L×185円/L 355770円
オイル交換(5000km毎) 1回8000円×2回 16000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本21000円×4本÷5年 16800円
任意保険料(月額7500円) 月額7500円×12ヶ月 90000円
ローン完済後の年間維持費 578500円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額281750円×12ヶ月 3381000円
ローン返済中の年間維持費 3959500円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 69900円
名目 金額
自動車税(1年分) 66500円
自動車重量税(1年分) 24600円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
355770円
(249040円)
(177890円)
(106730円)
オイル交換(5000km毎) 16000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 16800円
任意保険料(月額7500円) 90000円
ローン完済後の年間維持費 578500円
名目 金額
車のローン額(1年分) 3381000円
ローン返済中の年間維持費 3959500円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
69900円
  • 初度登録から9年経過車の場合、「4000cc以下で13年未満」クラスの自動車税は66500円、「3.0トン以下で13年未満」クラスの自動車重量税は24600円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに8000円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本21000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額7500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 10・15モード燃費、JC08モード燃費、WLTCモード燃費いずれもデータがないので10.0km/Lを仮の燃費として代入。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした69900円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

天に見放されし生粋のド貧民には考えも及ばぬ世界です。金額を見ただけで気が遠くなります。その維持費は月額でさえ48300円(ローン完済前は330000円)にもなる車を所有する、どうやって…?食うものも食わず、着るものも着ず…?いやあ、そこまでやってもまだまだ、さらに限界まで節制に節制を極めたとしても、それでもなお手の届かぬ未知の領域です。

天に魅入られし大富豪でもなければ、お給金の大半をGクラスに吸い取られ泣くハメになりそうですが、ということはつまり、この車のステータス性は抜群であると言えます。

Gクラスの維持費は高い?安い?

「Gクラスの年間維持費は578500円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「4000ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてGクラスの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いラングラー398100円-180400円
フェアレディZ442700円-135800円
ラングラー アンリミテッド463300円-115200円
FJクルーザー469600円-108900円
基準4000ccクラス平均491000円-87500円
Gクラス 4x4507700円-70800円
チェロキー564600円-13900円
Gクラスの維持費578500円
ディスカバリー631500円+53000円
高いランドクルーザー80720300円+141800円

Gクラスの年間維持費を、4000ccクラスで最も維持費が安いラングラーと比較して180400円高く、最も高いランドクルーザー80と比較して141800円安く、4000ccクラスの平均維持費との比較では87500円高くなっています。

最低額のラングラーと最高額のランドクルーザー80は極端な例としても、4000ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、Gクラスの維持費は まあまあ高い! と言えそうです。

年間維持費が安い 4000ccクラスの車 ランキング

Gクラスを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%750万円63万円49万円
15%500万円42万円33万円
20%380万円32万円25万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は750万円(総支給額63万円/月、手取り49万円/月)、ここから月額維持費4.8万円を支払うと残りは44.2万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は500万円(総支給額42万円/月、手取り33万円/月)、4.8万円を支払うと残りは28.2万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が380万円(総支給額32万円/月、手取り25万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。4.8万円を引くと残りは20.2万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代36万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり185円を基準として、-50円となる135円から、+50円となる235円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費5.2km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
135円/L
259620円
[-96150円]
-25円
160円/L
307700円
[-48070円]
-10円
175円/L
336550円
[-19220円]
185円/L355770円
[0円]
+10円
195円/L
375010円
[+19240円]
+25円
210円/L
403860円
[+48090円]
+50円
235円/L
451930円
[+96160円]

燃費5.2km/Lの463234型 Gクラスで10000km走行するのに必要な燃料は1923.1L、1リットルあたり185円としたときの燃料代は355770円になります。

参考までに、Gクラスの燃料タンクは96リットルですので、1923.1Lの給油回数は21回、1回あたりの燃料代は約16950円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては19240円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると48090円、50円も違ってくると96160円にもなります。

これを463234型 Gクラスの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり185円の場合を578500円としたとき、135円/Lに値下がりすれば482350円(83.4%)に、235円/Lに値上がりすれば674660円(116.6%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(66500円)なり重量税(24600円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 66500円 22%
自動車重量税 1年分 24600円 8%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 3000km分 106730円 36%
オイル交換 年1回 8000円 3%
タイヤ交換 6年毎 11200円 4%
任意保険料 80% 72000円 24%
合計
[1万kmとの差額]
297900円
-280600円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 66500円 18%
自動車重量税 1年分 24600円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 5000km分 177890円 48%
オイル交換 年1回 8000円 2%
タイヤ交換 6年毎 11200円 3%
任意保険料 85% 76560円 20%
合計
[1万kmとの差額]
373600円
-204900円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 66500円 15%
自動車重量税 1年分 24600円 5%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 7000km分 249040円 55%
オイル交換 年1回 11200円 2%
タイヤ交換 6年毎 11200円 2%
任意保険料 90% 81000円 19%
合計
[1万kmとの差額]
452400円
-126100円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料90000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて280600円安い297900円に、5000km走行では204900円安い373600円に、7000km走行では126100円安い452400円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 66500円 8%
自動車重量税 1年分 24600円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 15000km分 533660円 67%
オイル交換 年3回 48000円 6%
タイヤ交換 2.7年毎 25200円 3%
任意保険料 100% 90000円 12%
合計
[1万kmとの差額]
796800円
+218300円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 66500円 7%
自動車重量税 1年分 24600円 2%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 711540円 71%
オイル交換 年4回 64000円 6%
タイヤ交換 2年毎 33600円 3%
任意保険料 100% 90000円 10%
合計
[1万kmとの差額]
999100円
+420600円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
輸入車・外車の小型車&普通車編
4000cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
5人乗りSUV・RV編

Gクラスの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
暫定基準燃費 5.2km/L
燃料タンク容量 96L
航続距離(カタログ燃費) 499.2km
航続距離(80%燃費) 403.2km
満タンプライス 17760円
1km走行コスト 35.58円
1万円でどこまで行ける? km

10・15モード燃費、JC08モード燃費、WLTPモード燃費ともにデータがないので5.2km/Lを仮の燃費とすると、、燃料タンク容量96リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は499.2kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(4.7km/L)とすると航続距離は451.2km、80%(4.2km/L)だと403.2km、70%(3.6km/L)では345.6kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から96リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり185円では17760円、上で計算した航続距離を踏まえると499.2km(80%燃費時403.2km)を走行するのに17760円かかる計算です。

燃費を5.2km/Lとしたときの1km走行コストは35.58円、10万km走行したときの燃料代は万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら万円/年、7年10万kmなら万円/年、5年10万kmなら万円/年、3年10万kmなら万円/年となります。


カタログデータから見えてくる要素

M176型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
2000回転時の馬力 174PS
4750回転時の馬力 412PS
5250回転時の馬力 421PS
5500回転時の馬力 421PS
各回転域でのトルク
2000回転時のトルク 62.2kgm
4750回転時のトルク 62.2kgm
5250回転時のトルク 57.4kgm
5500回転時のトルク 54.8kgm
M176型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているM176型3982cc、V型8気筒のターボエンジンは5250-5500回転時に最高出力421馬力を、2000-4750回転時に最大トルク62.2kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、アイドリングとそれほど変わらないような回転数から最大トルクが発生するこのエンジンは、坂道発進も平気の平左、MT車でもエンスト知らず、扱いやすさにかけては右に出るものがありません。ディーゼル車やダウンサイジングターボに多くあります。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する2000rpmから最高出力が発生する5500rpmまで」の3500rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は63.6%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
4000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
4000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ6.081kg/PS(2560kg/421PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ6.081kg/PS
車体+1人6.211kg/PS
車体+5人6.734kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg6.223kg/PS
車体+70kg6.247kg/PS
車体+80kg6.271kg/PS
車体+90kg6.295kg/PS
車体+100kg6.318kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは6.211kg/PS(2615kg/421PS)となり、数値としては0.130kg、比率にすると2.1%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは6.734kg/PS(2835kg/421PS)となり、数値としては0.653kg、比率にすると10.7%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

463234 Gクラスのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2015/12

-
Gクラス
6.211kg/PS
2615kg/421PS|4.0L-TB
[車体のみPWR:6.081]
1998/09

車種詳細
シビック タイプR
6.081kg/PS
1125kg/185PS|1.6L-NA
車体のみPWR:5.784
2010/02

車種詳細
クラウン ハイブリッド
6.368kg/PS
1885kg/296PS|3.5L-NA
車体のみPWR:6.182
2001/05

車種詳細
アコード
6.295kg/PS
1385kg/220PS|2.2L-NA
車体のみPWR:6.045
2004/05

車種詳細
ソアラ
6.375kg/PS
1785kg/280PS|4.3L-NA
車体のみPWR:6.179
2012/04

車種詳細
86 ハチロク
6.325kg/PS
1265kg/200PS|2.0L-NA
車体のみPWR:6.050

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ6.211kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

6.025kg/PSから6.397kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、ホンダの4人乗りハッチバック「EK9型 シビック タイプR」、トヨタの5人乗りセダン「GWS204型 クラウン ハイブリッド」、ホンダの5人乗りセダン「CL1型 アコード」、トヨタの4人乗りオープンカー「UZZ40型 ソアラ」、トヨタの4人乗りクーペ「ZN6型 86 ハチロク」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

463234型 Gクラス [G550 W463]のライバル車種|6.211kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は164.5PS/tとなっています。


Gクラスがバイクと競争するなら…?


車種詳細
KLX250|249cc
6.200kg/PS
186kg/30.0PS/2.60kgm
[車体のみPWR:4.367]
1速ギヤ速度:43.0km/h
最小TWR:0.676
2015/12

-
Gクラス|3982cc
6.211kg/PS
2615kg/421PS/62.2kgm
[車体のみPWR:6.081]
1速ギヤ速度:52.0km/h
最小TWR:0.898

車種詳細
エリミネーター250V|249cc
6.237kg/PS
237kg/38.0PS/2.50kgm
[車体のみPWR:4.789]
1速ギヤ速度:54.3km/h
最小TWR:0.807

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではGクラスとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

LX250E KLX250と競争してみる

まずGクラスより少しPWRが低いバイクとして、カワサキのKLX250が挙げられます。PWRの6.200kg/PSは車両重量131kgにライダーの体重55kgを加えた186kgを、最高出力30.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はKLX250に9.0km/h勝り、1速TWRは0.222kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

VN250A エリミネーター250Vと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、カワサキのエリミネーター250Vが挙げられます。PWRの6.237kg/PSは車両重量182kg+55kgの237kgを、最高出力38.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は2.3km/h劣り、1速TWRは0.091kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.869
平均ピストンスピード 16.87m/s
トルクウェイトレシオ 41.16kg/kgm
1馬力あたりのお値段 34917円
排気量1Lあたり馬力 105.73PS/L
排気量1Lあたりトルク 15.62kgm/L
1気筒あたりの馬力 52.6PS
1気筒あたりのトルク 7.8kgm
パワーバンド比率 63.6%
燃費×馬力 No data
各種ランキング
SUV・RV・クロカンのPWR
3.5~4.0L以下のPWR

トルクウェイトレシオは41.16kg/kgm(2560kg/62.2kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が14700000円、最高出力が421馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は34917円、逆に1万円あたりでは0.29馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は236334円、1万円あたりでは0.04kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
4000cc以下の車編
5人乗りSUV編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は105.73PS/L、トルクは15.62kgm/L、1気筒あたりの馬力は52.6馬力、トルクは7.8kgmとなり、このエンジンが421馬力を5500回転で発生させているときの平均ピストンスピードは16.87m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が92.0mmであるM176型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6520回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.869になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと真っ直ぐ進むことを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

人間様の占有スペース

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

人間様の占有スペース
室内長×室内幅×室内高 3.193m³
1人あたりのスペース 0.639m³
室内長/全長 39.2%
室内幅/全幅 80.4%
室内高/全高 60.4%
室内容積/車両体積 19.0%

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は3.193m³です。この車の乗車定員は5人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.639m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は39.2%、同じく室内幅と全幅の比率は80.4%、同じく室内高と全高の比率は60.4%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は19.0%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


Gクラスでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.601m
期待される荷室の幅 1.395m
対角線の長さ 2.123m
期待される荷室の面積 2.233m²

縦方向の長さが1.601m(対角線では2.123m)ともなると、もはや車の中で生活しても良いんじゃないかと錯覚しかねないほど快適な睡眠が約束されます。

日頃の行いが悪いとか、人様には言えないことをやらかしたとか、誰の顔も見たくないなどの訳アリで家に帰れず、やむなく車中泊をしてみたが最期、あまりの気楽さに心を奪われ流浪の民となりかねません。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。

車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合5250-5500rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6000回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6000rpm|タイヤサイズ 275/55R19|タイヤ直径 78.5cm|円周長 246.6cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6000rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 4.377 15.65 -
-
57km/h 10580rpm 2480.8kgm
2速 2.859 10.23 0.653 1-2/
3920rpm
87km/h 6910rpm 1620.4kgm
3速 1.921 6.87 0.672 2-3/
4030rpm
129km/h 4640rpm 1088.8kgm
4速 1.368 4.89 0.712 3-4/
4270rpm
181km/h 3310rpm 775.4kgm
5速 1.000 3.58 0.731 4-5/
4390rpm
248km/h 2420rpm 566.8kgm
6速 0.820 2.93 0.820 5-6/
4920rpm
303km/h 1980rpm 464.8kgm
7速 0.728 2.60 0.888 6-7/
5330rpm
341km/h 1760rpm 412.6kgm
Final 4.111 レシオカバレッジ(変速比幅)6.012

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数2000-4750rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.111)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(62.2kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.111)÷タイヤの有効半径(0.3925m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は7速ギヤの341km(5500rpmでは312.5km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが2000-4750回転で最大トルク62.2kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば41.16kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(6.081kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと2851.5kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(2560kg)を1速ギヤの最大駆動力(2851.5kgm)で割ってみると0.898kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する5500回転でのトルク(54.8kgm)からTWRを算出すると1.171kg/kgmとなり、2000-5500回転の回転域では0.898-1.171kg/kgmの間で推移することがわかります。


おまけ:5500rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

463234型Gクラスに搭載されたM176型3982ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する5500rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

5500rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ52km/h-
2速ギヤ80km/h3590rpm
3速ギヤ118km/h3700rpm
4速ギヤ166km/h3920rpm
5速ギヤ228km/h4020rpm
6速ギヤ277km/h4510rpm
7速ギヤ313km/h4880rpm

まず1速ギヤで5500rpmまで引っ張ると52km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は5500rpmから3590rpmまで落ち、そこから5500rpmまで加速を続けると速度は80km/h(+28km/h)になります。

3速ギヤでは3700rpmまで落ちて5500rpmで118km/h(+38km/h)に、4速ギヤでは3920rpmまで落ちて5500rpmで166km/h(+48km/h)に、5速ギヤでは4020rpmまで落ちて5500rpmで228km/h(+62km/h)になります。

続いて6速ギヤでは4510rpmまで落ちて5500rpmで277km/h(+49km/h)に、7速ギヤでは4880rpmまで落ちて5500rpmで313km/h(+36km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4230 6350 8460 10580 12700 14810 19040
2速 2760 4150 5530 6910 8290 9680 12440
3速 1860 2790 3710 4640 5570 6500 8360
4速 1320 1980 2650 3310 3970 4630 5950
5速 970 1450 1930 2420 2900 3380 4350
6速 790 1190 1590 1980 2380 2780 3570
7速 700 1060 1410 1760 2110 2460 3170
※赤い数字は暫定レブリミット(6000rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.728)を選択して時速100kmにて走行すると1760回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1060回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1230回転、一般的な高速道路の80km/hでは1410回転、100km/hでは1760回転、制限速度が120km/hになると2110回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは3170回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 9 19 28 38 47 57 66 76
2速 14 29 43 58 72 87 101 116
3速 22 43 65 86 108 129 151 172
4速 30 60 91 121 151 181 212 242
5速 41 83 124 165 207 248 290 331
6速 50 101 151 202 252 303 353 404
7速 57 114 170 227 284 341 398 455

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6000回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの275/55R19と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 275/55R19 | 直径 785mm

-20mm
幅255mm
-10mm
幅265mm
変更なし
幅275mm
+10mm
幅285mm
+20mm
幅295mm
-5%
50
扁平
255/50R19
37.6km/h
直径738mm
径差-47mm
265/50R19
38.1km/h
直径748mm
径差-37mm
275/50R19
38.6km/h
直径758mm
径差-27mm
285/50R19
39.1km/h
直径768mm
径差-17mm
295/50R19
39.6km/h
直径778mm
径差-7mm
0%
55
扁平
255/55R19
38.9km/h
直径764mm
径差-21mm
265/55R19
39.5km/h
直径775mm
径差-10mm
275/55R19
40.0km/h
785mm
0mm
285/55R19
40.6km/h
直径797mm
径差+12mm
295/55R19
41.2km/h
直径808mm
径差+23mm
+5%
60
扁平
255/60R19
40.2km/h
直径789mm
径差+4mm
265/60R19
40.8km/h
直径801mm
径差+16mm
275/60R19
41.4km/h
直径813mm
径差+28mm
285/60R19
42.0km/h
直径825mm
径差+40mm
295/60R19
42.6km/h
直径837mm
径差+52mm
+10%
65
扁平
255/65R19
41.5km/h
直径815mm
径差+30mm
265/65R19
42.2km/h
直径828mm
径差+43mm
275/65R19
42.9km/h
直径841mm
径差+56mm
285/65R19
43.5km/h
直径854mm
径差+69mm
295/65R19
44.2km/h
直径867mm
径差+82mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、255/55R19 、265/50R19、265/55R19 、275/50R19 、285/50R19 、295/50R19あたりのタイヤがおすすめです。

275/55R19のタイヤ幅を255mmから305mmまで、扁平率を40%から70%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、275/55R19の適応サイズと性能の変化 [463234型Gクラス編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】275/55R19のタイヤ銘柄と通販価格

463234型Gクラス[4.0Lターボ 4WD/7AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト6.081kg/ps60.09
1速ギヤ加速性能0.898kg/kgm64.49
1L換算馬力105.73ps/L50.94
1L換算トルク15.62kgm/L49.01
WB/TR比1.86940.10
ワイド&ロー指数1.05937.94
前面の面積3.664m²20.96
最低地上高235mm17.28
スポーツ性能部門の得点340.81

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
燃費-41.40
年間維持費578500円26.93
100kmh回転数1760rpm59.69
航続距離-26.05
車の大きさ16.764m³71.04
室内の広さ3.193m³47.86
最小回転半径6.2m28.98
馬力単価34917円32.44
ユーティリティ部門の得点334.39

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した 463234型Gクラス[4.0Lターボ 4WD/7AT] の総合得点は 675.20 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介した463234型Gクラス(4WD/7AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全ての5人乗SUV」、「4000ccの5人乗SUV」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

Gクラスの歴代モデル

2代目 463346型 Gクラス
463346 Gクラスは1994/12に登場した2代目モデル。参考車両の「G350 BlueTEC W463」は全長4530mm、全幅1810mm、全高1970mmの車体に、211PS/55.1kgmを発生するOM642型2986ccエンジンを搭載した5人乗りSUV。

初代 460239型 ゲレンデヴァーゲン
460239 ゲレンデヴァーゲンは1979に登場した初代モデル。参考車両の「230GE-Long W460」は全長4560mm、全幅1775mm、全高1970mmの車体に、120PS/19.6kgmを発生するM102型2297ccエンジンを搭載した7人乗りSUV。