LP58D レンジローバー 性能と維持費 4WD/4AT 5人 650万円 2000年

このページでは、ランドローバーの5ドア・5人乗りSUV、2代目のGF-LP58D型レンジローバー 4.0-SE【2000/04モデル・185PS/34.7kgm・4WD/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

LP58D レンジローバー
販売期間:1995/04 - 2002/04

画像はランドローバーより引用
http://www.landrover.co.jp/
投稿:|更新:

ボディサイズが全長4715mm×全幅1890mm×全高1810mm、排気量は3947ccであることから、大雑把に分類すると4.0リットルクラス(4000cc、自動車税は4.0L以下を適用)に属し、全長、全幅、排気量ともに5ナンバー枠を超えていることにより完全無欠の3ナンバー登録車です。いわゆる【高級車】にカテゴライズされます。
参考:150PS~200PSの自動車 一覧

駆動方式には車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆる四輪駆動(All Wheel Drive・AWD・Four Wheel Drive・4WDとも)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4715mmであるこの車の場合は「アッパーミディアム」(Upper-Medium:4650mm超-4900mm以下・Eセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。

LP58D型 レンジローバー [3947cc/185PS 4WD/4AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

2代目レンジローバーの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2000/04
LP60D型
[4.6HSE]
4.6L-NA・4WD/4AT・750.0万円
218PS・40.8kgm・5.0km/L
218PS
40.8kgm
5.0km/L
レンジローバーの新型モデル
3代目 LM42S型レンジローバー
LM42S型レンジローバーは2002/04に登場した3代目モデル。参考車両の「Super-Charged」は全長4950mm、全幅1955mm、全高1900mmの車体に、396PS/57.1kgmを発生する428PS型4196ccエンジンを搭載。

レンジローバーの旧型モデル
初代 LH40D型レンジローバー
LH40D型レンジローバーは1990/04に登場した初代モデル。参考車両の「Vanden-Plas」は全長4650mm、全幅1820mm、全高1790mmの車体に、200PS/34.6kgmを発生する4274ccエンジンを搭載。


LP58D レンジローバーの主要諸元と大きさ比較

主要諸元
メーカー ランドローバー
車名&
グレード
レンジローバー
4.0-SE
その他 デスティニー LP42D
お値段 6500000円
車両型式 GF-LP58D
駆動方式
変速機
4WD・四輪駆動(AWD)
4速AT・4速オートマ車
ドア/定員 5ドア・5名乗車
ホイールベース 2740mm
トレッド 1540mm/1530mm
WB/TR比 1.785
タイヤ 前輪:255/65R16
後輪:255/65R16
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ディスク
車両重量 2130kg

※WB/TR比はホイールベーストレッド比の略。値が大きいほど直進安定性に優れ、小さいほど旋回性能が高くなりやすい。全ての車種の平均値は1.773。

レンジローバーと各規格の大きさ比較
規格名 規格寸法 増減
レンジローバー
車体寸法
全長 4715mm -
全幅 1890mm -
全高 1810mm -
大きさ 16.13m3 -
軽自動車
新規格
全長 3400mm以下 +1315mm
全幅 1480mm以下 +410mm
全高平均 1640mm +170mm
大きさ平均 8.13m3 +8.00m3
小型車規格
5ナンバー車
全長 4700mm以下 +15mm
全幅 1700mm以下 +190mm
全高平均 1496mm +314mm
大きさ平均 10.47m3 +5.66m3
普通車平均
3ナンバー車
全長平均 4643mm +72mm
全幅平均 1815mm +75mm
全高平均 1518mm +292mm
大きさ平均 12.84m3 +3.29m3

※上記グラフは100のラインを上回れば平均値以上、下回れば平均値以下を表す。グラフの伸びが大きいほど各規格の車両に対して相対的に車体が長い・広い・高い。※普通乗用車(3ナンバー車)の条件は全長4700mm超または全幅1700mm超または全高2000mm超と上限値が曖昧なため、ここでは普通乗用車に属する全ての車種の平均値との比較。※軽自動車・小型乗用車の全高はいずれも2000mm以下。ただし、ここでは各規格に属する車種の全高の平均値との比較。


LP58D レンジローバーの室内広さを各規格の車両と比較

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

レンジローバーの室内広さを各規格の車両と比較
規格名 規格寸法 増減
レンジローバー
室内広さ
室内長 1930mm -
室内幅 1555mm -
室内高 1190mm -
車内広さ 3571L -
軽自動車
新規格
室内長平均 1908mm +22mm
室内幅平均 1280mm +275mm
室内高平均 1283mm -93mm
車内広さ平均 3171L +400L
小型車規格
5ナンバー車
室内長平均 1913mm +17mm
室内幅平均 1403mm +152mm
室内高平均 1195mm -5mm
車内広さ平均 3251L +320L
普通車平均
3ナンバー車
室内長平均 2050mm -120mm
室内幅平均 1483mm +72mm
室内高平均 1195mm -5mm
車内広さ平均 3698L -127L

※上記グラフは100のラインを上回れば平均値以上、下回れば平均値以下を表す。グラフの伸びが大きいほど各規格の車両に対して相対的に室内が長い・広い・高い。

人間様の占有スペースと容積効率
室内長×室内幅×室内高 3.571m³
1人あたりのスペース 0.714m³
室内長/全長 40.9%
室内幅/全幅 82.3%
室内高/全高 65.7%
室内容積/車両体積 22.1%

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は3.571m³です。この車の乗車定員は5人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.714m³のスペースが割り当てられることになります。

続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は40.9%、同じく室内幅と全幅の比率は82.3%、同じく室内高と全高の比率は65.7%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は22.1%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


レンジローバーでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.650m
期待される荷室の幅 1.455m
対角線の長さ 2.200m
期待される荷室の面積 2.401m²

縦方向の長さが1.650m(対角線では2.200m)ともなると、もはや車の中で生活しても良いんじゃないかと錯覚しかねないほど快適な睡眠が約束されます。

日頃の行いが悪いとか、人様には言えないことをやらかしたとか、誰の顔も見たくないなどの訳アリで家に帰れず、やむなく車中泊をしてみたが最期、あまりの気楽さに心を奪われ流浪の民となりかねません。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。

車中泊にあると嬉しいアイテム


LP58D レンジローバーの税金・年間維持費シミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税76400円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税31500円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額7500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2000/04モデルのレンジローバーを25年落ちの中古で143.0万円にて購入し、頭金なしで3年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    レンジローバーの2000/04モデルの場合、2025年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の20%である130万円に諸経費として13.0万円を足した143.0万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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2000年式を25年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税 4000cc以下 13年経過 76400円
自動車重量税
1年分
2.5トン以下 18年経過 31500円
自賠責保険料
(1年換算)
自家用乗用車 8825円
燃料代
年間1万㎞
1万㎞÷4.3㎞/L×195円/L 453490円
オイル交換
5000km毎
1回6500円×2回 13000円
タイヤ交換
5年5万km毎
1本12000円×4本÷5年 9600円
任意保険料
月額7500円
月額7500円×12ヶ月 90000円
ローン完済後の年間維持費 682900円
名目 区分 金額
車のローン額
1年分
月額39720円×12ヶ月 476640円
ローン返済中の年間維持費 1159500円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 83700円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「4000cc以下で13年経過」クラスの自動車税は76400円、「2.5トン以下で18年経過」クラスの自動車重量税は31500円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに6500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本12000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額7500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした83700円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

天に見放されし生粋のド貧民には考えも及ばぬ世界です。金額を見ただけで気が遠くなります。その維持費は月額でさえ57000円(ローン完済前は96700円)にもなる車を所有する、どうやって…?食うものも食わず、着るものも着ず…?いやあ、そこまでやってもまだまだ、さらに限界まで節制に節制を極めたとしても、それでもなお手の届かぬ未知の領域です。

天に魅入られし大富豪でもなければ、お給金の大半をレンジローバーに吸い取られ泣くハメになりそうですが、ということはつまり、この車のステータス性は抜群であると言えます。

レンジローバーの維持費は高い?安い?

「レンジローバーの年間維持費は682900円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「4000ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてレンジローバーの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いラングラー409100円-273800円
フェアレディZ454700円-228200円
スカイライン クーペ471600円-211300円
FJクルーザー483600円-199300円
基準4000ccクラス平均506700円-176200円
Gクラス 4x4522600円-160300円
チェロキー584200円-98700円
ディスカバリー653300円-29600円
レンジローバーの維持費682900円
高いランドクルーザー80748100円+65200円

レンジローバーの年間維持費を、4000ccクラスで最も維持費が安いラングラーと比較して273800円高く、最も高いランドクルーザー80と比較して65200円安く、4000ccクラスの平均維持費との比較では176200円高くなっています。

最低額のラングラーと最高額のランドクルーザー80は極端な例としても、4000ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、レンジローバーの維持費は かなり高い! と言えそうです。

年間維持費が安い 4000ccクラスの車 ランキング

レンジローバーを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟の%年収月給手取り
10%890万円75万円58万円
15%590万円50万円39万円
20%440万円37万円29万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は890万円(総支給額75万円/月、手取り58万円/月)、ここから月額維持費5.7万円を支払うと残りは52.3万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は590万円(総支給額50万円/月、手取り39万円/月)、5.7万円を支払うと残りは33.3万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が440万円(総支給額37万円/月、手取り29万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。5.7万円を引くと残りは23.3万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代46万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり195円を基準として、-50円となる145円から、+50円となる245円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費4.3km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代差額
145円/L 337220円 -116270円
170円/L 395360円 -58130円
185円/L 430240円 -23250円
195円/L 453490円 -
205円/L 476750円 +23260円
220円/L 511640円 +58150円
245円/L 569780円 +116290円

燃費4.3km/LのLP58D型 レンジローバーで10000km走行するのに必要な燃料は2325.6L、1リットルあたり195円としたときの燃料代は453490円になります。

参考までに、レンジローバーの燃料タンクは100リットルですので、2325.6Lの給油回数は24回、1回あたりの燃料代は約18900円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては23260円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると58150円、50円も違ってくると116290円にもなります。

これをLP58D型 レンジローバーの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり195円の場合を682900円としたとき、145円/Lに値下がりすれば566630円(83.0%)に、245円/Lに値上がりすれば799190円(117.0%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(76400円)なり重量税(31500円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

1年分の自動車税・重量税・自賠責保険料
名目 金額
自動車税 76400円
自動車重量税 1年分 31500円
自賠責保険料 1年分 8825円
合計 116725円

※現在の税制では、自動車税、自動車重量税、自賠責保険料は走行距離に関係なく税額・保険料は一律。走行距離税が新設された場合は大幅に変わる可能性あり。


維持費名目 3000km 5000km 7000km
燃料代 136050円 226750円 317440円
オイル交換 6500円 6500円 9100円
タイヤ交換 6400円 6400円 6400円
任意保険料 72000円 76560円 81000円
税金 自賠責 一律 116725円
合計 337700円 433000円 530700円
1万km差額 -345200円 -249900円 -152200円

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで50000km程度持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料90000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて345200円安い337700円に、5000km走行では249900円安い433000円に、7000km走行では152200円安い530700円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は15000kmは1.1倍、20000kmは1.2倍としたのがこちらです。

維持費名目 10000km 15000km 20000km
燃料代 453490円 680240円 906980円
オイル交換 13000円 19500円 26000円
タイヤ交換 9600円 11520円 15360円
任意保険料 90000円 99000円 108000円
税金 自賠責 一律 116725円
合計 682900円 927000円 1173100円
1万km差額 - +244100円 +490200円

走行距離と維持費の変化

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
輸入車・外車の小型車&普通車編
4000cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
5人乗りSUV・RV編

レンジローバーの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 5.1km/L
燃料タンク容量 100L
航続距離(カタログ燃費) 510.0km
航続距離(80%燃費) 410.0km
満タンプライス 19500円
1km走行コスト 38.24円/km
1万円でどこまで行ける? 261.5km
東京から510.0kmの範囲

10・15モード燃費が5.1km/L、燃料タンク容量100リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は510.0kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(4.6km/L)とすると航続距離は460.0km、80%(4.1km/L)だと410.0km、70%(3.6km/L)では360.0kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から100リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり195円では19500円、上で計算した航続距離を踏まえると510.0km(80%燃費時410.0km)を走行するのに19500円かかる計算です。

燃費を4.3km/Lとしたときの1km走行コストは38.24円、10万km走行したときの燃料代は382.4万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら38.2万円/年、7年10万kmなら54.6万円/年、5年10万kmなら76.5万円/年、3年10万kmなら127.5万円/年となります。

ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば261.5km(往復なら片道130.8km)、カタログ値の80%なら209.2km(片道104.6km)離れたところまで行くことができます。

LP58D レンジローバーのエンジン諸元とカタログデータ

58D型エンジン簡易性能曲線図
エンジン諸元
原動機型式 58D
気筒配列 V型8気筒
排気量3947cc
圧縮比 9.3
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 185PS[136kW]/4750rpm
最大トルク 34.7kgm[340Nm]/2600rpm
パワーバンド 2600-4750rpm, 帯域45.3%
使用燃料 ハイオクガソリン
10・15燃費5.1km/L(12.0mpg)
100km燃費19.6L/100km
最高出力・最大トルク 各回転数での出力
2600rpm 126PS/34.7kgm
4750rpm 185PS/27.9kgm
58D型エンジンの諸元と性能まとめ
V型8気筒とは‥シリンダをV字型に交互で8個配置する方式。中?大排気量のスタンダード。
V型8気筒の最高出力ランキング

まずおさらいとして、搭載している58D型3947cc、V型8気筒の自然吸気エンジンは4750回転時に最高出力185馬力を、2600回転時に最大トルク34.7kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なります。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する2600rpmから最高出力が発生する4750rpmまで」の2150rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は45.3%となります。※簡易エンジン性能曲線図オレンジ色の帯域。

最高出力ランキング リスト
4000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
4000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ11.514kg/PS(2130kg/185PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ11.514kg/PS
車体+1人11.811kg/PS
車体+5人13.000kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg11.838kg/PS
車体+70kg11.892kg/PS
車体+80kg11.946kg/PS
車体+90kg12.000kg/PS
車体+100kg12.054kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは11.811kg/PS(2185kg/185PS)となり、数値としては0.297kg、比率にすると2.6%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは13.000kg/PS(2405kg/185PS)となり、数値としては1.486kg、比率にすると12.9%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

LP58D レンジローバーのライバル候補車たち

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ11.811kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

愛すべきライバル車種
Page Link車名 PWR+55kg

-
レンジローバー
11.811kg/PS
185PS・4.0L-NA
車体のみPWR 11.514
2185kg
+2.6%

車種詳細
ステップワゴン スパーダ
11.700kg/PS
150PS・1.5L-TB
車体のみPWR 11.333
1755kg
+3.2%

車種詳細
カローラ ツーリング
11.853kg/PS
116PS・1.2L-TB
車体のみPWR 11.379
1375kg
+4.2%

車種詳細
アコード ハイブリッド
11.713kg/PS
143PS・2.0L-NA
車体のみPWR 11.329
1675kg
+3.4%

車種詳細
ラクティス
11.893kg/PS
103PS・1.5L-NA
車体のみPWR 11.359
1225kg
+4.7%

車種詳細
ルーミー
11.786kg/PS
98PS・1.0L-TB
車体のみPWR 11.224
1155kg
+5.0%


11.693kg/PSから11.929kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、ホンダの7人乗りミニバン・RP3型 ステップワゴン スパーダ、トヨタの5人乗りワゴン・NRE210W型 カローラ ツーリング、ホンダの5人乗りセダン・CR6型 アコード ハイブリッド、トヨタの5人乗りミニバン・NCP125型 ラクティス、トヨタの5人乗りミニバン・M900A型 ルーミーという顔ぶれが並びました。

最高出力が高いからといって、車両重量が重ければパワーウェイトレシオの数値は似たようなものになったりします。「空車状態のPWRの違いが、戦力の決定的差ではないということを…教えてやる!」といったところでしょうか。

こうなると、思いもよらぬ車種の登場に「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごも生じることもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

LP58D型 レンジローバー [4.0-SE]のライバル車種|11.811kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は86.9PS/tとなっています。


レンジローバーがバイクと競争するなら…?


車種詳細
NSR80|79cc
11.750kg/PS
141kg/12.0PS/0.97kgm
[車体のみPWR:7.167]
1速ギヤ速度:29.1km/h
最小TWR:0.685
2000/04

-
レンジローバー|3947cc
11.811kg/PS
2185kg/185PS/34.7kgm
[車体のみPWR:11.514]
1速ギヤ速度:75.3km/h
最小TWR:2.582

車種詳細
CB223S|223cc
11.875kg/PS
190kg/16.3PS/1.84kgm
[車体のみPWR:8.438]
1速ギヤ速度:31.7km/h
最小TWR:0.902

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではレンジローバーとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

HC06 NSR80と競争してみる

まずレンジローバーより少しPWRが低いバイクとして、ホンダのNSR80が挙げられます。PWRの11.750kg/PSは車両重量86kgにライダーの体重55kgを加えた141kgを、最高出力12.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はNSR80に46.2km/h勝り、1速TWRは1.897kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

MC40 CB223Sと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ホンダのCB223Sが挙げられます。PWRの11.875kg/PSは車両重量135kg+55kgの190kgを、最高出力16.3PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は43.6km/h勝り、1速TWRは1.680kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.785
平均ピストンスピード 11.26m/s
トルクウェイトレシオ 61.38kg/kgm
1馬力あたりのお値段 35135円
排気量1Lあたり馬力 46.87PS/L
排気量1Lあたりトルク 8.79kgm/L
1気筒あたりの馬力 23.1PS
1気筒あたりのトルク 4.3kgm
パワーバンド比率 45.3%
燃費×馬力 801.1pt
各種ランキング
SUV・RV・クロカンのPWR
3.5~4.0L以下のPWR

トルクウェイトレシオは61.38kg/kgm(2130kg/34.7kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が6500000円、最高出力が185馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は35135円、逆に1万円あたりでは0.28馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は187320円、1万円あたりでは0.05kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
4000cc以下の車編
5人乗りSUV編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は46.87PS/L、トルクは8.79kgm/L、1気筒あたりの馬力は23.1馬力、トルクは4.3kgmとなり、このエンジンが185馬力を4750回転で発生させているときの平均ピストンスピードは11.26m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が71.1mmである58D型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は8440回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.785になります。全ての車種の平均値である1.773を基準にざっくりと分類すると、走ってよし、曲がってよしで至れり尽くせりのオールラウンダーであると言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が4.33km/L、最高出力が185PSであるこの車の獲得ポイントは801.1ptになります。
戯れに車両重量2130kgを100kg単位にした21.3で割ってみたところ、その数値は37.61ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


LP58D レンジローバーのギヤ比と回転数・速度のステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合4750rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした5250回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 5250rpm|タイヤサイズ 255/65R16|タイヤ直径 73.8cm|円周長 231.8cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
5250rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 2.479 8.77 - - 83km/h 6310rpm 824.8kgm
2速 1.479 5.23 0.597 1-2/
3130rpm
140km/h 3760rpm 492.1kgm
3速 1.000 3.54 0.676 2-3/
3550rpm
206km/h 2540rpm 332.7kgm
4速 0.728 2.58 0.728 3-4/
3820rpm
283km/h 1850rpm 242.2kgm
Final3.538レシオカバレッジ(変速比幅)3.405
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数2600rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.538)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(34.7kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.538)÷タイヤの有効半径(0.369m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は4速ギヤの283km(4750rpmでは256.5km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが2600回転で最大トルク34.7kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば61.38kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(11.514kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと824.8kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(2130kg)を1速ギヤの最大駆動力(824.8kgm)で割ってみると2.582kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する4750回転でのトルク(27.9kgm)からTWRを算出すると3.212kg/kgmとなり、2600-4750回転の回転域では2.582-3.212kg/kgmの間で推移することがわかります。


4750rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

LP58D型レンジローバーに搭載された58D型3947ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する4750rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

4750rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ75km/h-
2速ギヤ126km/h2840rpm
3速ギヤ187km/h3210rpm
4速ギヤ256km/h3460rpm

まず1速ギヤで4750rpmまで引っ張ると75km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は4750rpmから2840rpmまで落ち、そこから4750rpmまで加速を続けると速度は126km/h(+51km/h)になります。

3速ギヤでは3210rpmまで落ちて4750rpmで187km/h(+61km/h)に、4速ギヤでは3460rpmまで落ちて4750rpmで256km/h(+69km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 2520 3780 5040 6310 7570 8830 11350
2速 1500 2260 3010 3760 4510 5270 6770
3速 1020 1530 2040 2540 3050 3560 4580
4速 740 1110 1480 1850 2220 2590 3330
※赤い数字は暫定レブリミット(5250rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.728)を選択して時速100kmにて走行すると1850回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1110回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1300回転、一般的な高速道路の80km/hでは1480回転、100km/hでは1850回転、制限速度が120km/hになると2220回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは3330回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 16 32 48 63 79 95 111 127
2速 27 53 80 106 133 159 186 213
3速 39 79 118 157 197 236 275 314
4速 54 108 162 216 270 324 378 432

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(5250回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの255/65R16と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 255/65R16 | 直径 738mm

-20mm
幅235mm
-10mm
幅245mm
変更なし
幅255mm
+10mm
幅265mm
+20mm
幅275mm
60 235/60R16
37.3km/h
径 688mm
差 -50mm
245/60R16
37.9km/h
径 700mm
差 -38mm
255/60R16
38.6km/h
径 712mm
差 -26mm
265/60R16
39.2km/h
径 724mm
差 -14mm
275/60R16
39.9km/h
径 736mm
差 -2mm
65 235/65R16
38.6km/h
径 712mm
差 -26mm
245/65R16
39.3km/h
径 725mm
差 -13mm
255/65R16
40.0km/h
738mm
0mm
265/65R16
40.7km/h
径 751mm
差 +13mm
275/65R16
41.4km/h
径 764mm
差 +26mm
70 235/70R16
39.8km/h
径 735mm
差 -3mm
245/70R16
40.6km/h
径 749mm
差 +11mm
255/70R16
41.4km/h
径 763mm
差 +25mm
265/70R16
42.1km/h
径 777mm
差 +39mm
275/70R16
42.9km/h
径 791mm
差 +53mm
75 235/75R16
41.1km/h
径 759mm
差 +21mm
245/75R16
42.0km/h
径 774mm
差 +36mm
255/75R16
42.8km/h
径 789mm
差 +51mm
265/75R16
43.6km/h
径 804mm
差 +66mm
275/75R16
44.4km/h
径 819mm
差 +81mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、235/65R16、235/70R16 、245/65R16 、255/60R16 、265/60R16 、275/60R16あたりのタイヤがおすすめです。

255/65R16のタイヤ幅を235mmから285mmまで、扁平率を50%から80%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、255/65R16の適応サイズと性能の変化 [LP58D型レンジローバー編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】255/65R16のタイヤ銘柄と通販価格

LP58D型 レンジローバー 4.0L-NA 4WD/4ATの通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を比較してみます。

運動性能部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
PWR9.79㎏/PS11.51㎏/PS45.3ptD
最高回転数5880rpm4750rpm36.1ptE
1速ギヤ
加速性能
1.58㎏/㎏m2.58㎏/㎏m28.8ptF
1速ギヤ
最高速
51.1㎞/h75.3㎞/h72.3ptS
1リットル
換算馬力
73.10PS/L46.87PS/L29.3ptF
1リットル
換算トルク
9.47㎏m/L8.79㎏m/L41.7ptD
WB/TR比1.7731.78548.8ptC
ワイド&
ロー指数
0.8940.95845.4ptD
前面の面積2.631m23.421m227.9ptF
最低地上高154.5mm-43.7ptD
スポーツ性能部門の得点405.5pt
総合評価E

※PWR(パワーウェイトレシオ)・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比(旋回性能重視)・ワイド&ロー指数(見た目のかっこよさ)・前面の面積(≒前方投影面積・空気抵抗)・最低地上高については数値が小さいほど高得点。最高回転数・1速ギヤ最高速・1リットル換算馬力・1リットル換算トルクについては数値が大きいほど高得点。

ユーティリティ部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
年間維持費340674円682900円20.2ptF
10-15燃費13.0km/L5.1km/L32.6ptE
100km/h
回転数
2489rpm1850rpm58.4ptB
航続距離644.1km433.5km37.9ptE
車の大きさ11.468m316.130m331.6ptE
車内の広さ3431.7L3571.4L51.4ptC
乗車定員4.8人5人51.7ptC
1人あたり
車内広さ
691.9L714.3L51.9ptC
車内床面積2.793m23.001m253.0ptC
最小回転
半径
5.18m-45.5ptD
ユーティリティ部門の得点434.2pt
総合評価E

※10-15燃費・航続距離(燃費×燃料タンク容量)・室内の広さ(室内長×室内幅×室内高)・乗車定員・1人あたりの車内の広さは数値が大きいほど高得点、新車価格・年間維持費・100km/h回転数・車の大きさ(全長×全幅×全高)・最小回転半径は数値が小さいほど高得点。

結果発表!
部門 全10713車種中 RANK
運動性能 405.5pt 10171位 E
運動性能部門 ランキング
ユーティリティ 434.2pt 10080位 E
ユーティリティ部門 ランキング
総合得点 839.7pt 10500位 F
総合得点ランキング

スポーツ性能部門は405.5点で全10713車種中の10171位、ユーティリティ部門は434.2点で10080位、総合得点は839.7点で10500位となりました。各部門、獲得点数が多い車種から順番に並べたランキングを用意してありますのでご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したLP58D型 レンジローバー(4WD/4AT) の各種スペックを、5人乗SUV4000ccという属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを比較してみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

レンジローバーの歴代モデル

4代目 LG5SA型 レンジローバー
LG5SA レンジローバーは2013/01に登場した4代目モデル。参考車両の「Autobiography」は全長5005mm、全幅1985mm、全高1865mmの車体に、510PS/63.8kgmを発生する508PS型4999ccエンジンを搭載した5人乗りSUV。

3代目 LM44型 レンジローバー
LM44 レンジローバーは2002/04に登場した3代目モデル。参考車両の「HSE」は全長4950mm、全幅1955mm、全高1900mmの車体に、306PS/44.9kgmを発生する448PN型4393ccエンジンを搭載した5人乗りSUV。

2代目 LP60D型 レンジローバー
LP60D レンジローバーは1995/04に登場した2代目モデル。参考車両の「4.6HSE」は全長4715mm、全幅1890mm、全高1810mmの車体に、218PS/40.8kgmを発生する60D型4552ccエンジンを搭載した5人乗りSUV。

初代 LH40D型 レンジローバー
LH40D レンジローバーは1990/04に登場した初代モデル。参考車両の「Vanden-Plas」は全長4650mm、全幅1820mm、全高1790mmの車体に、200PS/34.6kgmを発生する60D型4274ccエンジンを搭載した5人乗りSUV。


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