J608C Fタイプ クーペ 性能と維持費 4WD/8AT 1322万円 2020年

このページでは、ジャガーの2ドア・2人乗りクーペ、初代の3BA-J608C型Fタイプ クーペ R-Dynamic Coupe P380 AWD【2020/01モデル・381PS/46.9kgm・4WD/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

J608C Fタイプ クーペ
販売期間:2013/05 -

画像はジャガーより引用
http://www.jaguar.co.jp/
投稿:|更新:

ボディサイズが全長4470mm×全幅1925mm×全高1315mm、排気量は2994ccであることから、大雑把に分類すると3.0リットルクラス(3000cc、自動車税は3.0L以下を適用)に属し、全長、全高は5ナンバー枠ながら全幅が1.7mを超え、排気量も2000ccを超えていることにより3ナンバー登録になります。比較的コンパクトなボディに大きめなエンジンの組み合わせは世界戦略車(グローバルカー)やちょっとした高級車に良くあるパターンです。
参考:350PS~400PSの自動車 一覧

駆動方式には車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆる四輪駆動(All Wheel Drive・AWD・Four Wheel Drive・4WDとも)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4470mmであるこの車の場合は「ミディアム」(Medium:4300mm超-4650mm以下・Dセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。

J608C型 Fタイプ クーペ [2994cc/381PS 4WD/8AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

初代Fタイプ クーペの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2020/01
J60XC型
[Coupe P300]
2.0L-TB・FR/8AT・865.0万円
300PS・40.8kgm・10.7km/L
300PS
40.8kgm
10.7km/L
2020/01
J60XC型
[R-Dynamic Convertible P300]
2.0L-TB・FR/8AT・1101.0万円
300PS・40.8kgm・10.7km/L
300PS
40.8kgm
10.7km/L
2020/01
J60MC型
[R-Coupe P575 AWD]
5.0L-SC・4WD/8AT・1590.0万円
575PS・71.4kgm・8.4km/L
575PS
71.4kgm
8.4km/L
初代 Fタイプ 型式一覧 X152系まとめ 2013-【全18車種】

J608C Fタイプ クーペの主要諸元と大きさ比較

主要諸元
メーカー ジャガー
車名&
グレード
Fタイプ クーペ
R-Dynamic Coupe P380 AWD
その他 Rダイナミック
お値段 13220000円
車両型式 3BA-J608C
駆動方式
変速機
4WD・四輪駆動(AWD)
8速AT・8速オートマ車
ドア/定員 2ドア・2名乗車
ホイールベース 2620mm
トレッド 1600mm/1650mm
WB/TR比 1.612
最小半径 5.5m
タイヤ 前輪:245/40R19
後輪:275/35R19
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 1790kg

※WB/TR比はホイールベーストレッド比の略。値が大きいほど直進安定性に優れ、小さいほど旋回性能が高くなりやすい。全ての車種の平均値は1.773。

Fタイプ クーペと各規格の大きさ比較
規格名 規格寸法 増減
Fタイプ クーペ
車体寸法
全長 4470mm -
全幅 1925mm -
全高 1315mm -
大きさ 11.31m3 -
軽自動車
新規格
全長 3400mm以下 +1070mm
全幅 1480mm以下 +445mm
全高平均 1640mm -325mm
大きさ平均 8.13m3 +3.18m3
小型車規格
5ナンバー車
全長 4700mm以下 -230mm
全幅 1700mm以下 +225mm
全高平均 1496mm -181mm
大きさ平均 10.48m3 +0.83m3
普通車平均
3ナンバー車
全長平均 4643mm -173mm
全幅平均 1815mm +110mm
全高平均 1518mm -203mm
大きさ平均 12.84m3 -1.53m3

※上記グラフは100のラインを上回れば平均値以上、下回れば平均値以下を表す。グラフの伸びが大きいほど各規格の車両に対して相対的に車体が長い・広い・高い。※普通乗用車(3ナンバー車)の条件は全長4700mm超または全幅1700mm超または全高2000mm超と上限値が曖昧なため、ここでは普通乗用車に属する全ての車種の平均値との比較。※軽自動車・小型乗用車の全高はいずれも2000mm以下。ただし、ここでは各規格に属する車種の全高の平均値との比較。



J608C Fタイプ クーペの税金・年間維持費シミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税50000円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税16400円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額6500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、Fタイプ クーペの新車を1520.3万円(諸費用として198.3万円を加算)にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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新車で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税 3000cc以下 13年未満 50000円
自動車重量税
1年分
2.0トン以下 13年未満 16400円
自賠責保険料
(1年換算)
自家用乗用車 8825円
燃料代
年間1万㎞
1万㎞÷9.7㎞/L×195円/L 201030円
オイル交換
5000km毎
1回6500円×2回 13000円
タイヤ交換
5年5万km毎
1本21000円×4本÷5年 16800円
任意保険料
月額6500円
月額6500円×12ヶ月 78000円
ローン完済後の年間維持費 384100円
名目 区分 金額
車のローン額
1年分
月額253380円×12ヶ月 3040560円
ローン返済中の年間維持費 3424700円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 53500円
  • 初度登録から5年経過車の場合、「3000cc以下で13年未満」クラスの自動車税は50000円、「2.0トン以下で13年未満」クラスの自動車重量税は16400円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに6500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本21000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額6500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした53500円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

このあたりのクラスから理想と現実の違い、つまり「乗りたい車」と「乗ることができる車」は違うことを思い知らされます。うっかり手を出せば「いっ…維持費が高すぎて息ができん!フーッ!フーッ!」と目を白黒させることになりかねません。

さて、Fタイプ クーペ【R-Dynamic Coupe P380 AWD】の場合、維持費の月額は32100円になります。金銭的にシビアな人からは「車なんてどれもタイヤが4つあるだけなのに、なんでこんなにお金の掛かる車に乗ってるんだ…修行か…」と奇異の目で見られていることでしょう。でも良いんです。愛さえあれば。

Fタイプ クーペの維持費は高い?安い?

「Fタイプ クーペの年間維持費は384100円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「3000ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてFタイプ クーペの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いハイエース バン274670円-109430円
スープラ343900円-40200円
グランエース352500円-31600円
スカイライン379100円-5000円
Fタイプ クーペの維持費384100円
基準3000ccクラス平均413500円+29400円
アリスト453300円+69200円
スカイライン GT-R480700円+96600円
X5519600円+135500円
高いXM ワゴン623000円+238900円

Fタイプ クーペの年間維持費を、3000ccクラスで最も維持費が安いハイエース バンと比較して109430円高く、最も高いXM ワゴンと比較して238900円安く、3000ccクラスの平均維持費との比較では29400円安くなっています。

最低額のハイエース バンと最高額のXM ワゴンは極端な例としても、3000ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、Fタイプ クーペの維持費は ちょっと安い! と言えそうです。

年間維持費が安い 3000ccクラスの車 ランキング

Fタイプ クーペを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟の%年収月給手取り
10%500万円42万円33万円
15%330万円28万円22万円
20%250万円21万円17万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は500万円(総支給額42万円/月、手取り33万円/月)、ここから月額維持費3.2万円を支払うと残りは29.8万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は330万円(総支給額28万円/月、手取り22万円/月)、3.2万円を支払うと残りは18.8万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が250万円(総支給額21万円/月、手取り17万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。3.2万円を引くと残りは13.8万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代21万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり195円を基準として、-50円となる145円から、+50円となる245円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費9.7km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代差額
145円/L 149500円 -51530円
170円/L 175270円 -25760円
185円/L 190740円 -10290円
195円/L 201030円 -
205円/L 211360円 +10330円
220円/L 226820円 +25790円
245円/L 252600円 +51570円

燃費9.7km/LのJ608C型 Fタイプ クーペで10000km走行するのに必要な燃料は1031L、1リットルあたり195円としたときの燃料代は201030円になります。

参考までに、Fタイプ クーペの燃料タンクは70リットルですので、1031Lの給油回数は15回、1回あたりの燃料代は約13410円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては10330円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると25790円、50円も違ってくると51570円にもなります。

これをJ608C型 Fタイプ クーペの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり195円の場合を384100円としたとき、145円/Lに値下がりすれば332570円(86.6%)に、245円/Lに値上がりすれば435670円(113.4%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(50000円)なり重量税(16400円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

1年分の自動車税・重量税・自賠責保険料
名目 金額
自動車税 50000円
自動車重量税 1年分 16400円
自賠責保険料 1年分 8825円
合計 75225円

※現在の税制では、自動車税、自動車重量税、自賠責保険料は走行距離に関係なく税額・保険料は一律。走行距離税が新設された場合は大幅に変わる可能性あり。


維持費名目 3000km 5000km 7000km
燃料代 60310円 100520円 140720円
オイル交換 6500円 6500円 9100円
タイヤ交換 11200円 11200円 11200円
任意保険料 62400円 66360円 70200円
税金 自賠責 一律 75225円
合計 215700円 259900円 306500円
1万km差額 -168400円 -124200円 -77600円

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで50000km程度持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料78000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて168400円安い215700円に、5000km走行では124200円安い259900円に、7000km走行では77600円安い306500円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は15000kmは1.1倍、20000kmは1.2倍としたのがこちらです。

維持費名目 10000km 15000km 20000km
燃料代 201030円 301550円 402060円
オイル交換 13000円 19500円 26000円
タイヤ交換 16800円 20160円 26880円
任意保険料 78000円 85800円 93600円
税金 自賠責 一律 75225円
合計 384100円 502300円 623800円
1万km差額 - +118200円 +239700円

走行距離と維持費の変化

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
輸入車・外車の小型車&普通車編
3000cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
2ドア・クーペ編

【WLTC特典】市街地・郊外・高速道路の走行比率が変わると?

ひとくちにWLTCモード燃費と言いましても、信号や渋滞があるノロノロ道路の走行を想定した市街地モード(7.1km/L)、信号や渋滞が少ないスイスイ道路の走行を想定した郊外モード(9.9km/L)、高速道路の走行を想定した高速道路モード(11.4km/L)という3つの走行パターンを内包してありまして、これらを「平均的な使用時間配分」なるもので構成したのがWLTCモード燃費(9.7km/L)ということになります。

ここでは年間走行距離を10000kmとして市街地、郊外、高速道路の走行比率を変えてみたとき、WLTCモード燃費でのガソリン代201030円からどのように変化するかを見ていきたいと思います。

走行例1:都市部にお住まい

まず最初に、市街地の住まいを想定して、走行の大半を市街地(90%)、たまに郊外へお買い物(5%)、稀に高速道路に乗ってどこか遠くへ…(5%)という場合で見てみます。

モード 走行距離 必要燃料量 燃料代
市街地 9000km 1267.6L 247180円
郊外 500km 50.5L 9850円
高速道路 500km 43.9L 8560円
平均燃費 7.3km/L 1362.0L 265590円
WLTC 総合燃費との差額 +64560円

走行例2:市街地と郊外を行き来

次に、とにかく市街地と郊外を行ったり来たりする条件を想定して、市街地の走行を50%、郊外の走行を50%、高速道路は走行しない場合を見てみます。

モード 走行距離 必要燃料量 燃料代
市街地 5000km 704.2L 137320円
郊外 5000km 505.1L 98490円
高速道路 0km 0L 0円
平均燃費 8.3km/L 1209.3L 235810円
WLTC 総合燃費との差額 +34780円

走行例3:市街地・郊外・高速道路をMix

続いて、都市部に住んでいて郊外の職場へ通勤(33%)、あるいは郊外に住んでいて都市部の職場へ通勤(34%)、高速利用もバッチリ!(33%)という感じでシミュレーションしてみます。

モード 走行距離 必要燃料量 燃料代
市街地 3330km 469.0L 91460円
郊外 3340km 337.4L 65790円
高速道路 3330km 292.1L 56960円
平均燃費 9.1km/L 1098.5L 214210円
WLTC 総合燃費との差額 +13180円

走行例4:農村部にお住まい

最後に、びっくりするほど田舎な住まいを想定して、隣町の市街地へ買い出しに行くため500km走行、パトロールがてらにいつもの田んぼ道を9000km走行、一念発起して都会の空気を吸いに高速道路を500km走行したとする場合を見てみます。

モード 走行距離 必要燃料量 燃料代
市街地 500km 70.4L 13730円
郊外 9000km 909.1L 177270円
高速道路 500km 43.9L 8560円
平均燃費 9.8km/L 1023.4L 199560円
WLTC 総合燃費との差額 -1470円


走行距離は同じ1万kmであっても、走行する環境によって燃料代はずいぶん大きく変わります。信号待ちや渋滞のSTOP&GOで燃費が悪くなりがちな走行例1と、渋滞知らずで燃費にも車にも優しい走行例4では燃料の消費量が338.6リットルの差、金額にして66030円の差が生じます。

参考:燃費が3%向上すると…?

モード 各モード燃費 +3%燃費 燃費差
総合燃費 9.7km/L 10.0km/L +0.3km/L
市街地 7.1km/L 7.3km/L +0.2km/L
郊外 9.9km/L 10.2km/L +0.3km/L
高速道路 11.4km/L 11.7km/L +0.3km/L

WLTCモード燃費が良い車ランキング [全車種・総合]

市街地・郊外・高速道路の満タン航続距離

WLTCモード燃費には市街地モード・郊外モード・高速道路モードという3つの走行パターンが内包されておりますので、参考までにそれぞれのモード燃費で燃料タンクが空になるまで走行した場合の満タン航続距離を計算してみます。

各モード燃費の航続距離
モード 燃費 航続距離 1km費用
総合 9.7km/L 679km - 20.10円/km
市街地 7.1km/L 497km -182km 27.5円/km
郊外 9.9km/L 693km +14km 19.7円/km
高速 11.4km/L 798km +119km 17.1円/km

※1km費用は燃料価格195円/Lを各モード燃費で割ったもの。1km走行するために必要な燃料代。

燃料タンクの容量を70Lとしたとき、市街地モード燃費7.1km/Lでの航続距離は497km(-182km)、郊外モード燃費9.9km/Lでの航続距離は693km(+14km)、高速道路モード燃費11.4km/Lでの航続距離は798km(+119km)となります。

ある特定のシチュエーションのみを、燃料タンクが空になるまで走行することはなかなかありませんが、「その気になればこのくらいの距離を走れちゃうんだぜ!」という参考データだけは持っておくと、次回の給油回数削減チャレンジでギリギリのラインを狙っていくのに役立つ、かもしれません。

Fタイプ クーペの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
WLTCモード燃費 9.7km/L
燃料タンク容量 70L
航続距離(カタログ燃費) 679.0km
航続距離(80%燃費) 546.0km
満タンプライス 13650円
1km走行コスト 20.10円/km
1万円でどこまで行ける? 497.4km
東京から679.0kmの範囲

WLTCモード燃費が9.7km/L、燃料タンク容量70リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は679.0kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(8.7km/L)とすると航続距離は609.0km、80%(7.8km/L)だと546.0km、70%(6.8km/L)では476.0kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から70リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり195円では13650円、上で計算した航続距離を踏まえると679.0km(80%燃費時546.0km)を走行するのに13650円かかる計算です。

燃費を9.7km/Lとしたときの1km走行コストは20.10円、10万km走行したときの燃料代は201.0万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら20.1万円/年、7年10万kmなら28.7万円/年、5年10万kmなら40.2万円/年、3年10万kmなら67.0万円/年となります。

ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば497.4km(往復なら片道248.7km)、カタログ値の80%なら397.9km(片道199.0km)離れたところまで行くことができます。

J608C Fタイプ クーペのエンジン諸元とカタログデータ

306PS型エンジン簡易性能曲線図
エンジン諸元
原動機型式 306PS
気筒配列 V型6気筒
排気量2994cc
圧縮比 -
吸気方式 スーパーチャージャー
最高出力 381PS[280kW]/6500rpm
最大トルク 46.9kgm[460Nm]/3500rpm
パワーバンド 3500-6500rpm, 帯域46.1%
使用燃料 ハイオクガソリン
WLTC燃費9.7km/L(22.8mpg)
100km燃費10.3L/100km
最高出力・最大トルク 各回転数での出力
3500rpm 229PS/46.9kgm
6500rpm 381PS/42.0kgm
306PS型エンジンの諸元と性能まとめ
V型6気筒とは‥シリンダをV字型に交互で6個配置する方式。中排気量のスタンダード。
V型6気筒の最高出力ランキング

まずおさらいとして、搭載している306PS型2994cc、V型6気筒のスーパーチャージャー付きエンジンは6500回転時に最高出力381馬力を、3500回転時に最大トルク46.9kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なります。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する3500rpmから最高出力が発生する6500rpmまで」の3000rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は46.1%となります。※簡易エンジン性能曲線図オレンジ色の帯域。

最高出力ランキング リスト
3000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
3000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ4.698kg/PS(1790kg/381PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ4.698kg/PS
車体+1人4.843kg/PS
車体+2人4.987kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg4.856kg/PS
車体+70kg4.882kg/PS
車体+80kg4.908kg/PS
車体+90kg4.934kg/PS
車体+100kg4.961kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは4.843kg/PS(1845kg/381PS)となり、数値としては0.145kg、比率にすると3.1%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの2人が搭乗した場合、車両重量に110kgがプラスされてパワーウェイトレシオは4.987kg/PS(1900kg/381PS)となり、数値としては0.289kg、比率にすると6.2%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

J608C Fタイプ クーペのライバル候補車たち

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ4.843kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

愛すべきライバル車種
Page Link車名 PWR+55kg

-
Fタイプ クーペ
4.843kg/PS
381PS・3.0L-SC
車体のみPWR 4.698
1845kg
+3.1%

車種詳細
WRX STI
4.984kg/PS
308PS・2.0L-TB
車体のみPWR 4.805
1535kg
+3.7%

車種詳細
シビック タイプR
4.629kg/PS
310PS・2.0L-TB
車体のみPWR 4.452
1435kg
+4.0%

車種詳細
インプレッサ R205
4.766kg/PS
320PS・2.0L-TB
車体のみPWR 4.594
1525kg
+3.7%

車種詳細
インプレッサ WRX
4.951kg/PS
308PS・2.0L-TB
車体のみPWR 4.773
1525kg
+3.7%

車種詳細
GRヤリス
4.798kg/PS
272PS・1.7L-TB
車体のみPWR 4.596
1305kg
+4.4%


4.601kg/PSから5.085kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、スバルの5人乗りセダン・VAB型 WRX STI、ホンダの4人乗りハッチバック・FK2型 シビック タイプR、スバルの5人乗りハッチバック・GRB型 インプレッサ R205、スバルの5人乗りセダン・GVB型 インプレッサ WRX、トヨタの4人乗りハッチバック・GXPA16型 GRヤリスという顔ぶれが並びました。

最高出力が高いからといって、車両重量が重ければパワーウェイトレシオの数値は似たようなものになったりします。「空車状態のPWRの違いが、戦力の決定的差ではないということを…教えてやる!」といったところでしょうか。

こうなると、思いもよらぬ車種の登場に「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごも生じることもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

J608C型 Fタイプ クーペ [R-Dynamic Coupe P380 AWD]のライバル車種|4.843kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は212.8PS/tとなっています。


Fタイプ クーペがバイクと競争するなら…?


車種詳細
XJR400R|399cc
4.830kg/PS
256kg/53.0PS/3.60kgm
[車体のみPWR:3.792]
1速ギヤ速度:62.3km/h
最小TWR:0.839
2020/01

-
Fタイプ クーペ|2994cc
4.843kg/PS
1845kg/381PS/46.9kgm
[車体のみPWR:4.698]
1速ギヤ速度:53.0km/h
最小TWR:0.826

車種詳細
トランザルプ600V|583cc
4.846kg/PS
252kg/51.9PS/5.40kgm
[車体のみPWR:3.788]
1速ギヤ速度:63.5km/h
最小TWR:0.768

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではFタイプ クーペとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

4HM XJR400Rと競争してみる

まずFタイプ クーペより少しPWRが低いバイクとして、ヤマハのXJR400Rが挙げられます。PWRの4.830kg/PSは車両重量201kgにライダーの体重55kgを加えた256kgを、最高出力53.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はXJR400Rに9.3km/h劣り、1速TWRは0.013kg勝る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

PD06 トランザルプ600Vと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ホンダのトランザルプ600Vが挙げられます。PWRの4.846kg/PSは車両重量197kg+55kgの252kgを、最高出力51.9PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は10.5km/h劣り、1速TWRは0.058kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.612
平均ピストンスピード 19.28m/s
トルクウェイトレシオ 38.17kg/kgm
1馬力あたりのお値段 34698円
排気量1Lあたり馬力 127.25PS/L
排気量1Lあたりトルク 15.66kgm/L
1気筒あたりの馬力 63.5PS
1気筒あたりのトルク 7.8kgm
パワーバンド比率 46.1%
燃費×馬力 3695.7pt
各種ランキング
クーペのPWR
2.5~3.0Lターボ車のPWR

トルクウェイトレシオは38.17kg/kgm(1790kg/46.9kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が13220000円、最高出力が381馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は34698円、逆に1万円あたりでは0.29馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は281876円、1万円あたりでは0.04kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
3000cc以下の車編
クーペ編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は127.25PS/L、トルクは15.66kgm/L、1気筒あたりの馬力は63.5馬力、トルクは7.8kgmとなり、このエンジンが381馬力を6500回転で発生させているときの平均ピストンスピードは19.28m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が89.0mmである306PS型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6740回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.612になります。全ての車種の平均値である1.773を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと小回りを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が9.7km/L、最高出力が381PSであるこの車の獲得ポイントは3695.7ptになります。
戯れに車両重量1790kgを100kg単位にした17.9で割ってみたところ、その数値は206.46ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


J608C Fタイプ クーペのギヤ比と回転数・速度のステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合6500rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした7000回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 7000rpm|タイヤサイズ 275/35R19|タイヤ直径 67.5cm|円周長 212.1cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
7000rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 4.714 15.60 - - 57km/h 12260rpm 2168.3kgm
2速 3.143 10.40 0.667 1-2/
4670rpm
86km/h 8170rpm 1445.7kgm
3速 2.106 6.97 0.670 2-3/
4690rpm
128km/h 5480rpm 968.7kgm
4速 1.667 5.52 0.792 3-4/
5540rpm
161km/h 4340rpm 766.8kgm
5速 1.285 4.25 0.771 4-5/
5400rpm
209km/h 3340rpm 591.1kgm
6速 1.000 3.31 0.778 5-6/
5450rpm
269km/h 2600rpm 460.0kgm
7速 0.839 2.78 0.839 6-7/
5870rpm
321km/h 2180rpm 385.9kgm
8速 0.667 2.21 0.795 7-8/
5570rpm
403km/h 1730rpm 306.8kgm
Final3.310レシオカバレッジ(変速比幅)7.067
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数3500rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.310)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(46.9kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.310)÷タイヤの有効半径(0.3375m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は8速ギヤの403km(6500rpmでは374.7km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが3500回転で最大トルク46.9kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば38.17kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(4.698kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと2168.3kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1790kg)を1速ギヤの最大駆動力(2168.3kgm)で割ってみると0.826kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する6500回転でのトルク(42.0kgm)からTWRを算出すると0.922kg/kgmとなり、3500-6500回転の回転域では0.826-0.922kg/kgmの間で推移することがわかります。


6500rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

J608C型Fタイプ クーペに搭載された306PS型2994ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する6500rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

6500rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ53km/h-
2速ギヤ80km/h4340rpm
3速ギヤ119km/h4360rpm
4速ギヤ150km/h5150rpm
5速ギヤ194km/h5010rpm
6速ギヤ250km/h5060rpm
7速ギヤ298km/h5450rpm
8速ギヤ375km/h5170rpm

まず1速ギヤで6500rpmまで引っ張ると53km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は6500rpmから4340rpmまで落ち、そこから6500rpmまで加速を続けると速度は80km/h(+27km/h)になります。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4900 7360 9810 12260 14710 17170 22070
2速 3270 4900 6540 8170 9810 11440 14710
3速 2190 3290 4380 5480 6570 7670 9860
4速 1730 2600 3470 4340 5200 6070 7800
5速 1340 2010 2670 3340 4010 4680 6020
6速 1040 1560 2080 2600 3120 3640 4680
7速 870 1310 1750 2180 2620 3060 3930
8速 690 1040 1390 1730 2080 2430 3120
※赤い数字は暫定レブリミット(7000rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.667)を選択して時速100kmにて走行すると1740回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1040回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1210回転、一般的な高速道路の80km/hでは1390回転、100km/hでは1740回転、制限速度が120km/hになると2080回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは3120回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 8 16 24 33 41 49 57 65
2速 12 24 37 49 61 73 86 98
3速 18 37 55 73 91 110 128 146
4速 23 46 69 92 115 138 161 185
5速 30 60 90 120 150 180 209 239
6速 38 77 115 154 192 231 269 308
7速 46 92 137 183 229 275 321 367
8速 58 115 173 231 288 346 403 461

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(7000回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの275/35R19と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 275/35R19 | 直径 675mm

-20mm
幅255mm
-10mm
幅265mm
変更なし
幅275mm
+10mm
幅285mm
+20mm
幅295mm
30 255/30R19
37.7km/h
径 636mm
差 -39mm
265/30R19
38.0km/h
径 642mm
差 -33mm
275/30R19
38.4km/h
径 648mm
差 -27mm
285/30R19
38.8km/h
径 654mm
差 -21mm
295/30R19
39.1km/h
径 660mm
差 -15mm
35 255/35R19
39.2km/h
径 662mm
差 -13mm
265/35R19
39.6km/h
径 669mm
差 -6mm
275/35R19
40.0km/h
675mm
0mm
285/35R19
40.5km/h
径 683mm
差 +8mm
295/35R19
40.9km/h
径 690mm
差 +15mm
40 255/40R19
40.7km/h
径 687mm
差 +12mm
265/40R19
41.2km/h
径 695mm
差 +20mm
275/40R19
41.7km/h
径 703mm
差 +28mm
285/40R19
42.1km/h
径 711mm
差 +36mm
295/40R19
42.6km/h
径 719mm
差 +44mm
45 255/45R19
42.3km/h
径 713mm
差 +38mm
265/45R19
42.8km/h
径 722mm
差 +47mm
275/45R19
43.3km/h
径 731mm
差 +56mm
285/45R19
43.9km/h
径 740mm
差 +65mm
295/45R19
44.4km/h
径 749mm
差 +74mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、255/35R19 、265/30R19、265/35R19 、275/30R19 、285/30R19 、295/30R19あたりのタイヤがおすすめです。

275/35R19のタイヤ幅を255mmから305mmまで、扁平率を20%から50%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、275/35R19の適応サイズと性能の変化 [J608C型Fタイプ クーペ編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
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J608C型 Fタイプ クーペ 3.0L-SC 4WD/8ATの通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を比較してみます。

運動性能部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
PWR9.79㎏/PS4.70㎏/PS63.8ptA
最高回転数5880rpm6500rpm57.6ptB
1速ギヤ
加速性能
1.58㎏/㎏m0.83㎏/㎏m65.8ptA
1速ギヤ
最高速
51.1㎞/h53.0㎞/h51.8ptC
1リットル
換算馬力
103.37PS/L127.25PS/L58.6ptB
1リットル
換算トルク
15.99㎏m/L15.66㎏m/L49.0ptC
WB/TR比1.7731.61266.4ptA
ワイド&
ロー指数
0.8940.68365.1ptA
前面の面積2.631m22.531m252.8ptC
最低地上高154.5mm-43.7ptD
スポーツ性能部門の得点560.1pt
総合評価A

※PWR(パワーウェイトレシオ)・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比(旋回性能重視)・ワイド&ロー指数(見た目のかっこよさ)・前面の面積(≒前方投影面積・空気抵抗)・最低地上高については数値が小さいほど高得点。最高回転数・1速ギヤ最高速・1リットル換算馬力・1リットル換算トルクについては数値が大きいほど高得点。

ユーティリティ部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
年間維持費340674円384100円46.2ptC
WLTC燃費16.2km/L9.7km/L36.6ptE
100km/h
回転数
2489rpm1740rpm59.9ptB
航続距離644.1km679.0km52.0ptC
車の大きさ11.468m311.315m350.6ptC
車内の広さ3431.7L-46.6ptC
乗車定員4.8人2人26.7ptF
1人あたり
車内広さ
691.9L-44.2ptD
車内床面積2.793m2-46.0ptC
最小回転
半径
5.18m5.5m43.5ptD
ユーティリティ部門の得点452.3pt
総合評価D

※WLTC燃費・航続距離(燃費×燃料タンク容量)・室内の広さ(室内長×室内幅×室内高)・乗車定員・1人あたりの車内の広さは数値が大きいほど高得点、新車価格・年間維持費・100km/h回転数・車の大きさ(全長×全幅×全高)・最小回転半径は数値が小さいほど高得点。

結果発表!
部門 全10707車種中 RANK
運動性能 560.1pt 885位 A
運動性能部門 ランキング
ユーティリティ 452.3pt 9164位 D
ユーティリティ部門 ランキング
総合得点 1012.4pt 3884位 B
総合得点ランキング

スポーツ性能部門は560.1点で全10707車種中の885位、ユーティリティ部門は452.3点で9164位、総合得点は1012.4点で3884位となりました。各部門、獲得点数が多い車種から順番に並べたランキングを用意してありますのでご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したJ608C型 Fタイプ クーペ(4WD/8AT) の各種スペックを、クーペ3000ccという属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを比較してみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。


人気があるクーペの車種比較


AW11 MR2 1600G SC 1988 vs AW11 MR2 1600G 1984 性能比較
初代 MR2 1600G SC(1988年式 AW11・MR/5MT・1.6L+SC・145PS/19.0kgm・2人乗り)と、初代 MR2 1600G(1984年式 AW11・MR/5MT・1.6L・130PS/15.2kgm・2人乗り)を比較。

ZZT231 セリカ SS-II 2005 vs ZZT230 セリカ SS-I 2005 性能比較
7代目 セリカ SS-II(2005年式 ZZT231・FF/6MT・1.8L・190PS/18.4kgm・4人乗り)と、7代目 セリカ SS-I(2005年式 ZZT230・FF/5MT・1.8L・145PS/17.4kgm・4人乗り)を比較。

ZZT231 セリカ SS-II 2005 vs ST202 セリカ SS-III 1999 新旧比較
7代目 セリカ SS-II(2005年式 ZZT231・FF/6MT・1.8L・190PS/18.4kgm・4人乗り)と、6代目 セリカ SS-III(1999年式 ST202・FF/5MT・2.0L・200PS/21.0kgm・5人乗り)を比較。

ZZW30 MR-S 2005 vs SW20 MR2 G 1997 性能比較
初代 MR-S(2005年式 ZZW30・MR/6MT・1.8L・140PS/17.4kgm・2人乗り)と、2代目 MR2 G(1997年式 SW20・MR/5MT・2.0L・200PS/21.0kgm・2人乗り)を比較。

WGNC34 ステージア 260RS vs BCNR33 スカイライン GT-R 性能比較
初代 ステージア 260RS Autech version 260RS(1998年式 WGNC34・4WD/5MT・2.6L+ツインターボ・280PS/37.5kgm・5人乗り)と、9代目 スカイライン GT-R(1997年式 BCNR33・4WD/5MT・2.6L+ツインターボ・280PS/37.5kgm・4人乗り)を比較。

S15 シルビア Spec-R 2002 vs PS13 シルビア K’s 1992 新旧比較
7代目 シルビア Spec-R(2002年式 S15・FR/6MT・2.0L+ターボ・250PS/28.0kgm・4人乗り)と、5代目 シルビア K’s(1992年式 PS13・FR/5MT・2.0L+ターボ・205PS/28.0kgm・4人乗り)を比較。

DB06 スープラ RZ 2023 vs JZA80 スープラ RZ 2001 新旧比較
5代目 スープラ RZ(2023年式 DB06・FR/6MT・3.0L+ターボ・387PS/51.0kgm・2人乗り)と、4代目 スープラ RZ 17inch(2001年式 JZA80・FR/6MT・3.0L+ツインターボ・280PS/46.0kgm・4人乗り)を比較。

ZN6 86 ハチロク 2016 vs SXE10 アルテッツァ RS200 2004 性能比較
初代 86 ハチロク G(2016年式 ZN6・FR/6MT・2.0L・207PS/21.6kgm・4人乗り)と、初代 アルテッツァ RS200(2004年式 SXE10・FR/6MT・2.0L・210PS/22.0kgm・5人乗り)を比較。